説明

天井扇風機

【課題】本発明は、天井扇風機において、天井扇風機本体の連結部での異常な磨耗による本体の落下を防止することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、天井1に固定された連結金具2に、吊下手段3を介して吊下げられる天井扇風機本体4で、吊下手段3は連結金具2に取付可能な第1連結部5と、第2連結部6を有し、天井扇風機本体4は、水平方向に付設した複数の羽根13を回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフト11と、その上部に固定されたジョイント部14を有し、このジョイント部14は第2連結部6に可動自在に取付け、第1連結部5または第2連結部6と、ジョイント部14とに設けた本体回転防止手段16が解除された場合、天井扇風機本体4の回転と、第2連結部6でのジョイント部14の回転とを検知し、モータの運転を停止させる異常回転検知手段17を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井から吊下げられた天井扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の天井扇風機の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、天井に固定される連結金具と、この連結金具に吊下手段を介して吊下げられる天井扇風機本体とからなる構成となっていた。
【0004】
例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−294696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、天井から天井扇風機を吊下げ運転すると、現場によっては天井扇風機本体に大きな揺動が発生するということであった。
【0007】
すなわち、天井扇風機本体を構成する複数の羽根は現場で取付られるので、これら複数枚の羽根の取付にアンバランスが発生することが多く、このようなアンバランスな取付が生じている状態では、運転時に天井扇風機本体に大きな揺動が発生し、その揺動によって天井扇風機本体の連結部での異常な磨耗が起こり、本体の落下に繋がる場合がある。
【0008】
この点を回避すべく落下防止用のワイヤー等を天井扇風機本体に固定しているものもあるが、このワイヤーとて、長期的な過負荷が加わると、切断しその結果、天井扇風機本体が落下するという問題は発生する。
【0009】
そこで本発明は、落下を防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そしてこの目的を達成するために本発明は、
天井に固定された連結金具に、吊下手段を介して吊下げられる天井扇風機本体で、前記吊下手段は前記連結金具に取付可能な第1連結部と、この第1連結部の下部に第2連結部を有し、前記天井扇風機本体は、水平方向に付設した複数の羽根を回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、そのシャフトの上部に固定されたジョイント部を有し、このジョイント部は前記第2連結部に可動自在に取付け、前記第1連結部または前記第2連結部と、前記ジョイント部とに設けた本体回転防止手段が解除された場合、前記天井扇風機本体の回転と、前記第2連結部での前記ジョイント部の回転とを検知し、前記モータの運転を停止させる異常回転検知手段を設け、これにより初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、天井に固定された連結金具に、吊下手段を介して吊下げられる天井扇風機本体で、前記吊下手段は前記連結金具に取付可能な第1連結部と、この第1連結部の下部に第2連結部を有し、前記天井扇風機本体は、水平方向に付設した複数の羽根を回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、そのシャフトの上部に固定されたジョイント部を有し、このジョイント部は前記第2連結部に可動自在に取付け、前記第1連結部または前記第2連結部と、前記ジョイント部とに設けた本体回転防止手段が解除された場合、前記天井扇風機本体の回転と、前記第2連結部での前記ジョイント部の回転とを検知し、前記モータの運転を停止させる異常回転検知手段を設けたものであり、すなわち、本体回転防止手段と異常回転検知手段を設けたので、まず、運転時に天井扇風機本体に大きな揺動が発生した場合に、本体回転防止手段が解除され、天井扇風機本体が回転を始める。次に、異常回転検知手段が天井扇風機本体の回転を検知し、モータの運転を停止することができる。
【0012】
これらのように、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転した場合等に発生する本体の大きな揺動を検知し、運転を停止することができるものであり、結果として、運転時に天井扇風機本体に大きな揺動が発生し、その揺動によって天井扇風機本体の連結部での異常な磨耗による本体の落下を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1の天井扇風機を示す外観図
【図2】同天井扇風機の外観図
【図3】同天井扇風機を示す外観図
【図4】本発明の実施の形態2の天井扇風機を示す外観図
【図5】同天井扇風機の異常回転検知手段を示す外観図
【図6】本発明の実施の形態3の天井扇風機を示す外観図
【図7】本発明の実施の形態4の天井扇風機を示す外観図
【図8】本発明の実施の形態5の天井扇風機を示す外観図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1、図2および図3に示すように、本実施の形態の天井扇風機は、天井1に固定された連結金具2に、吊下手段3を介して天井扇風機本体4が吊下げられるものである。
【0016】
連結金具2は円柱形状の線材で、上端側は天井1に固定され、下端側は吊下手段3を引っ掛け可能にその線材でJ型の形状を形成している。吊下手段3は、コの字の上部が開口した吊下枠7の上部に連結金具2が引っ掛けられる第1連結部5と、下部にジョイント部14が可動自在に嵌合する第2連結部6を有している。
【0017】
第1連結部5は吊下枠7に水平に固定された円柱状の軸9と、この円柱状の軸9に回転自在に挿入され、外周中央部に凹溝を備えた円盤形状のプーリー8と、このプーリー8の両端に、プーリー8を円柱状の軸9の中心付近に固定する軸9に挿入された中空円柱状の2つのスペーサー10とを設けた構成としている。
【0018】
第2連結部6は球面を可動自在に保持するお椀状で、シャフト11が通ることができる切欠き部12を備えた受け部15を吊下枠7と一体で構成している。
【0019】
天井扇風機本体4は、水平方向に付設した複数の羽根13を回転するモータ(図示せず)と、そのモータの上部に突出した円柱状のシャフト11と、そのシャフト11の上部に固定された略半球形状のボールジョイント21からなるジョイント部14とを設けた構成としている。
【0020】
このジョイント部14は第2連結部6に可動自在に取り付けることができる。
【0021】
すなわち、第2連結部6であるお椀状でシャフト11が通ることができる切欠き部12を備えた受け部15に、ジョイント部14である略半球形状のボールジョイント21の球面部が可動自在に嵌合するものである。
【0022】
本実施形態において特徴は、第2連結部6とジョイント部14とに設けた本体回転防止手段16が解除された場合に、天井扇風機本体4の回転を検知し、モータの運転を停止させる異常回転検知手段17を設けたことである。
【0023】
本体回転防止手段16は、第2連結部6の球面を可動自在に保持するお椀状で、シャフト11が通ることができる切欠き部12を備えた受け部15に一体で設けた長方形の板形状である金属の突起18と、ジョイント部14であるボールジョイント21の略半球形状の球面に垂直方向に設けた断面形状が略長方形である溝19とから構成している。
【0024】
第2連結部6であるお椀状でシャフト11が通ることができる切欠き部12を備えた受け部15に、ジョイント部14である略半球形状のボールジョイント21の球面部が可動自在に嵌合し、その状態で、ボールジョイント21の溝19に突起18が嵌り、溝19と突起18の間には隙間20を有する。
【0025】
このように、溝19と突起18の間に隙間20を有することにより、ジョイント部14である略半球形状のボールジョイント21の球面部が可動自在に嵌合した時、容易にボールジョイント21の溝19に突起18が嵌り易くなる。
【0026】
そして、天井扇風機本体を運転した場合に、モーターの回転力により、ボールジョイント21が水平方向でモーターの回転方向に対して逆向きに回転し、ボールジョイント21の溝19の内面とボールジョイント21の外周面が交わる角部22が、突起18の端面に接触することとなる。
【0027】
すなわち、天井扇風機本体4が揺動する場合には、ボールジョイント21の溝19の内面とボールジョイント21の外周面が交わる角部22が、突起18の端面に接触する。
【0028】
このように、接触する面がボールジョイント21の角部22と突起18の端面であるので接触面積が小さく、よって摩擦力も小さくなり天井扇風機本体を運転し揺動が発生した場合に、受け部15上でボールジョイント21がより滑らかに可動することができる。
【0029】
また、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合など、運転時における本体の大きな揺動が発生した場合に、その揺動によってボールジョイント21の角部22が大きく上下に移動し、突起18の端面の一点と擦れ合うこととなる。すなわち、その上下移動距離分のボールジョイント21の角部22が自らも磨耗しながら、突起18の端面の面積の小さい一点を磨耗することとなる。なお、ボールジョイント21の材質は1例としてナイロン66にガラス繊維が入ったものである。このガラス繊維により、受け部15との可動性が向上するとともに、金属を削ることも可能となる。
【0030】
これにより、本体回転防止手段16である突起18が削れるか、または折れることとなり、結果として、本体回転防止手段16が解除されたこととなる。
【0031】
このように、ボールジョイント21の角部22を突起18の端面に接触させた場合に、突起18が削れるか、または折れることで、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合などの大きな揺動を感知することができる。
【0032】
そこで、突起18が削れるか、または折れることで、天井扇風機本体4が回転した場合に、異常回転検知手段17はモータの運転を停止させるものである。
【0033】
異常回転検知手段17は、第1の回転検知具23と第2の回転検知具24とから構成し、第1の回転検知具23は第2連結部6に固定され、第2の回転検知具24は天井扇風機本体4に固定されている。
【0034】
また、第1の回転検知具23と第2の回転検知具24は分離可能に接合し、モータへの電源供給の連結部でもある。
【0035】
そして、天井扇風機本体4が回転した場合に第1の回転検知具23と第2の回転検知具24が所定の距離を離れることにより、モータへの電源供給が絶たれ天井扇風機本体の運転を止めることができるものである。
【0036】
また、第1の回転検知具23は電源と導通し、第2の回転検知具24は前記モータと導通している。
【0037】
このように、上部に位置する第1の回転検知具23は天井から供給される電源と導通し、下部に位置する第2の回転検知具24はモータと導通するので、容易に配線を行うことができる。
【0038】
また、第1の回転検知具23と第2の回転検知具24は嵌合力により接合し導通状態となっている。この嵌合力は天井扇風機本体4が回転した場合の回転力より小さいものである。
【0039】
このように、天井扇風機本体4が回転した場合の回転力より、小さな嵌合力で第1の回転検知具23と第2の回転検知具24とを接合し導通状態とするので、天井扇風機本体4が回転した時に、第1の回転検知具23と第2の回転検知具24との接合が離れ、モータへの電源供給を絶ち、天井扇風機本体の運転を止めることができる。
【0040】
具体的には、第1の回転検知具23は吊下枠7の側面にコードクリップ27で電源と繋がったコード28を固定し、そのコード28の先端に雌型コネクター25を備え、また、第2の回転検知具24は天井扇風機本体4の天面に雄型コネクター26を固定し、その雄型コネクター26はモータと導通したものである。
【0041】
このように、天井から供給される電源と導通している第1の回転検知具23が雌型コネクター25であるため、天井扇風機本体4が回転し、第1の回転検知具23と第2の回転検知具24との接合が離れた場合に、コード28の先端に雌型コネクター25を備えているため、雌型コネクター25は可動自在であるが、充電部が雌型コネクター25によって囲われ、露出していないので、充電部どうしが接触することがないので、より安全にモータへの電源供給を絶ち、天井扇風機本体の運転を止めることができる。
【0042】
また、第2の回転検知具24である雄型コネクター26は、雄型コネクター26の充電部29が斜め約45度上方を向くように天井扇風機本体4の天面に固定され、第1の回転検知具23である雌型コネクター25はコード28の先端に固定され、そのコード28をコードクリップ27で雄型コネクター26の固定位置より、上方でかつ水平面上で90度、羽根の回転方向に回転した位置である吊下枠7の側面に固定している。
【0043】
このように固定することで、雄型コネクター26と嵌合する雌型コネクター25からコードクリップ27で固定されるコード28と、雄型コネクター26の充電部29との角度がほぼ同じになり、天井扇風機本体4が回転した場合の回転力が雄型コネクター26と雌型コネクター25の嵌合部が抜ける方向とほぼ同じ方向に働くので、雄型コネクター26に無理な力が働かず、雄型コネクター26と雌型コネクター25とをはずすことができる。
【0044】
(実施の形態2)
実施の形態2は図4および図5に示すように、実施の形態1に対して異常回転検知手段17aは第1の回転検知具23aと第2の回転検知具24aとの接合を磁力により接合する点が相違する。
【0045】
すなわち、第1の回転検知具23aと第2の回転検知具24aとは磁力により接合し、導通状態となるものである。
【0046】
具体的には、第1の回転検知具23aの下面に平板状のマグネット30と、このマグネット30の近傍に第1の回転検知具接点31を設け、上面にこの第1の回転検知具接点31が電源に繋がるコード28aを設けており、このコード28はコードクリップ27により吊下枠7の側面に固定している。
【0047】
また、第2の回転検知具24aの上面に平板状の金属板32と、この金属板32の近傍に第2の回転検知具接点33を設け、下面は天井扇風機本体4の天面に固定されており、第2の回転検知具接点33はモータと導通している。
【0048】
そして、第1の回転検知具23aの下面の平板状のマグネット30と、第2の回転検知具24aの上面の平板状の金属板32とが磁力により接合すると、第1の回転検知具接点31と第2の回転検知具接点33が接合し、モータが電源と導通状態となる。
【0049】
また、マグネット30と金属板32との磁力による接合力は天井扇風機本体4が回転した場合の回転力より小さいものである。
【0050】
すなわち、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合などの大きな揺動で、突起18が削れるかまたは折れることで、天井扇風機本体4が回転した場合に、異常回転検知手段17aは天井扇風機本体4の回転力により、マグネット30と金属板32との磁力による接合がはずれ、それに伴い、第1の回転検知具接点31と第2の回転検知具接点33もはずれ、モータへの電源供給を絶ち、モータの運転を停止することができる。
【0051】
このように、磁力により接合することによって、天井扇風機本体4の回転力によって磁力による接合がはずれる場合に、接合力は磁力のみであるので、接合力が安定し、結果として天井扇風機本体4の回転の検知を安定させることが出来る。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3は図6に示すように、実施の形態1に対して異常回転検知手段が異なる。異常回転検知手段17bは、第1の回転検知具23bと第2の回転検知具24bとから構成されている。
【0053】
すなわち、異常回転検知手段17bは第1の回転検知具23bと第2の回転検知具24bとの距離の変位によってモータへの通電を停止するものである。
【0054】
具体的には、第1の回転検知具23bは、上部に軸9が挿入され、円盤形状のプーリー8を挟む断面形状がU字型の第1の検知具取付部41を設け、下部に第2の回転検知具24bを覆うように曲面板形状の第1の検知具検知部42を設けている。
【0055】
第2の回転検知具24bは、第1の検知具検知部42に対向する位置で、ボールジョイント21bの側面にプッシュオンスイッチ部46が固定されている。このプッシュオンスイッチ部46が第2の回転検知具24bと接触状態ではプッシュオンスイッチ部46は通電状態であり、第2の回転検知具24bと非接触になるとプッシュオンスイッチ部46は非通電状態となる。
【0056】
なお、第2の回転検知具24bの1例としてはリミットスイッチである。
【0057】
すなわち、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合などの大きな揺動で、突起18が削れるかまたは折れることで、天井扇風機本体4が回転した場合に、第2の回転検知具24bのプッシュオンスイッチ部46は、第1の回転検知具23bと非接触状態となり、モータへの通電を停止することができる。
【0058】
このように、プッシュオンスイッチ部46の接触、非接触によって天井扇風機本体4が回転したことを認識するので、天井扇風機本体4が回転しプッシュオンスイッチ部46が第1の回転検知具23bと非接触状態となっても充電部が露出することが無い。
【0059】
(実施の形態4)
実施の形態4は図7に示すように、実施の形態1に対して異常回転検知手段が異なる。
【0060】
異常回転検知手段17cは、第1の回転検知具23cと第2の回転検知具24cと制御手段40とから構成されている。
【0061】
すなわち、異常回転検知手段17cは第1の回転検知具23cと第2の回転検知具24cとの距離の変位を第2の回転検知具24cにより電気信号として送信し、電気信号が所定のしきい値を超えた場合に、制御手段40がモータへの通電を停止するものである。
【0062】
具体的には、第1の回転検知具23cは、上部に軸9が挿入され、円盤形状のプーリー8を挟む断面形状がU字型の第1の検知具取付部41を設け、下部に第2の回転検知具24bを覆うように曲面状の第1の検知具検知部42を設けており、曲面状の第1の検知具検知部42の内面には平面状のマグネット43が固定されている。第2の回転検知具24cは、第1の検知具検知部42の平面状のマグネット43に対向する位置で、ボールジョイント21cの側面に磁気検出部44が固定されている。この磁気検出部44がマグネット43の磁力を検出し、その検出値を制御手段40へ電気信号として送信する。
【0063】
また、制御手段40は、天井扇風機本体4内に設けられ、磁気検出部44からの検出値を電気信号として受信し、その検出値が所定のしきい値以下の場合にモータへの通電を停止するものである。
【0064】
すなわち、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合などの大きな揺動で、突起18が削れるかまたは折れることで、天井扇風機本体4が回転した場合に、第2の回転検知具24cの磁気検出部44は、第1の回転検知具23cのマグネット43の磁力を検出し、その検出値を電気信号として制御手段40に送信する。
【0065】
そして、制御手段40はその検出値が所定のしきい値以下の場合にはモータへの通電を停止することができる。
【0066】
このように、第1の回転検知具23cのマグネット43と第2の回転検知具24cの磁気検出部44は、非接触状態での磁力を検出し、磁力の変化によって天井扇風機本体4が回転したことを認識するので、揺動時に異常回転検知手段17cであるマグネット43および磁気検出部44の磨耗を防止できる。
【0067】
また、制御手段40にはしきい値が調整可能なしきい値調整手段45を設けている。
【0068】
このように、制御手段40にしきい値調整手段45を設けているので、現場でしきい値の調整が可能となる。
【0069】
(実施の形態5)
実施の形態5は図8に示すように、実施の形態1に対して異常回転検知手段が異なる。
【0070】
異常回転検知手段17dは、第1の回転検知具23dと第2の回転検知具24dと制御手段40dとから構成されている。
【0071】
すなわち、異常回転検知手段17dは第1の回転検知具23dと第2の回転検知具24dとの距離の変位を第2の回転検知具24dにより電気信号として送信し、電気信号が所定のしきい値を超えた場合に、制御手段40dがモータへの通電を停止するものである。
【0072】
具体的には、第1の回転検知具23dは上部に軸9が挿入され、円盤形状のプーリー8を挟む断面形状がU字型の第1の検知具取付部41dを設け、下部に第2の回転検知具24dを覆うように曲面状の第1の検知具検知部42dを設けており、曲面状の第1の検知具検知部42dの内面には平面状の反射板50が固定されている。第2の回転検知具24dは第1の検知具検知部42dの平面状の反射板50に対向する位置で、ボールジョイント21dの側面に赤外線発光部51と赤外線受光部52が固定されている。この赤外線発光部51が反射板50に赤外線を発光し、この反射板50から反射した赤外線を赤外線受光部52で受光し、その検出値を制御手段40cへ電気信号として送信する。
【0073】
また、制御手段40dは天井扇風機本体4内に設けられ、赤外線受光部52からの検出値を電気信号として受信し、その検出値が所定のしきい値以下の場合にモータへの通電を停止する。
【0074】
すなわち、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転している場合などの大きな揺動で、突起18が削れるかまたは折れることで、天井扇風機本体4が回転した場合に、第2の回転検知具24dの赤外線受光部52は、第1の回転検知具23dの反射板50からの赤外線を検出し、その検出値を電気信号として制御手段40dに送信する。そして、制御手段40dはその検出値が所定のしきい値以下の場合にはモータへの通電を停止することができる。
【0075】
このように、第1の回転検知具23dの反射板50と第2の回転検知具24dの赤外線受光部52は非接触状態で、赤外線の変化によって天井扇風機本体4が回転したことを認識するので、揺動時に異常回転検知手段17dである反射板50および赤外線受光部52の磨耗を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように本発明は、天井に固定された連結金具に、吊下手段を介して吊下げられる天井扇風機本体で、前記吊下手段は前記連結金具に取付可能な第1連結部と、この第1連結部の下部に第2連結部を有し、前記天井扇風機本体は、水平方向に付設した複数の羽根を回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、そのシャフトの上部に固定されたジョイント部を有し、このジョイント部は前記第2連結部に可動自在に取付け、前記第1連結部または前記第2連結部と、前記ジョイント部とに設けた本体回転防止手段が解除された場合、前記天井扇風機本体の回転と、前記第2連結部での前記ジョイント部の回転とを検知し、前記モータの運転を停止させる異常回転検知手段を設けるものであり、天井扇風機本体の連結部での異常な磨耗による本体の落下を防止することが出来る。
【0077】
すなわち、本体回転防止手段と異常回転検知手段を設けたので、まず、運転時に天井扇風機本体に大きな揺動が発生した場合に、本体回転防止手段が解除され、天井扇風機本体が回転を始める。次に、異常回転検知手段が天井扇風機本体の回転を検知し、モータの運転を停止することができる。
【0078】
これらのように、羽根が不正規の状態に取り付けられたまま天井扇風機本体を運転した場合等に発生する本体の大きな揺動を検知し、運転を停止することができるものであり、結果として、運転時に天井扇風機本体に大きな揺動が発生し、その揺動によって天井扇風機本体の連結部での異常な磨耗による本体の落下を防止することが出来る。
【0079】
したがって、家庭用や事務所用などの、天井扇風機として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0080】
1 天井
2 連結金具
3 吊下手段
4 天井扇風機本体
5 第1連結部
6 第2連結部
7 吊下枠
8 プーリー
9 軸
10 スペーサー
11 シャフト
12 切欠き部
13 羽根
14 ジョイント部
15 受け部
16 本体回転防止手段
17 異常回転検知手段
17a 異常回転検知手段
17b 異常回転検知手段
17c 異常回転検知手段
17d 異常回転検知手段
18 突起
19 溝
20 隙間
21 ボールジョイント
21b ボールジョイント
21c ボールジョイント
21d ボールジョイント
22 角部
23 第1の回転検知具
23a 第1の回転検知具
23b 第1の回転検知具
23c 第1の回転検知具
23d 第1の回転検知具
24 第2の回転検知具
24a 第2の回転検知具
24b 第2の回転検知具
24c 第2の回転検知具
24d 第2の回転検知具
25 雌型コネクター
26 雄型コネクター
27 コードクリップ
28 コード
28a コード
29 充電部
30 マグネット
31 第1の回転検知具接点
32 金属板
33 第2の回転検知具接点
40 制御手段
40c 制御手段
40d 制御手段
41 第1の検知具取付部
41d 第1の検知具取付部
42 第1の検知具検知部
42d 第1の検知具検知部
43 マグネット
44 磁気検出部
45 しきい値調整手段
46 プッシュオンスイッチ部
50 反射板
51 赤外線発光部
52 赤外線受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に固定された連結金具に、吊下手段を介して吊下げられる天井扇風機本体で、前記吊下手段は前記連結金具に取付可能な第1連結部と、この第1連結部の下部に第2連結部を有し、前記天井扇風機本体は、水平方向に付設した複数の羽根を回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、そのシャフトの上部に固定されたジョイント部を有し、このジョイント部は前記第2連結部に可動自在に取付け、前記第1連結部または前記第2連結部と、前記ジョイント部とに設けた本体回転防止手段が解除された場合、前記天井扇風機本体の回転と、前記第2連結部での前記ジョイント部の回転とを検知し、前記モータの運転を停止させる異常回転検知手段を設けた天井扇風機。
【請求項2】
ジョイント部は略半球形状で球面に溝を有する形状であるボールジョイントであり、前記第2連結部は前記ボールジョイントを可動自在に保持するお椀状で、前記シャフトが通ることができる切欠き部と、前記溝に挿入可能な突起である前記本体回転防止手段とを備えた請求項1に記載の天井扇風機。
【請求項3】
突起は前記ボールジョイントの前記溝に挿入した状態で、前記溝と隙間を備えた板形状である請求項2に記載の天井扇風機。
【請求項4】
ボールジョイントが水平方向回転時に、前記ボールジョイントの前記溝の内面と前記ボールジョイントの外周面が交わる角部が、前記突起の端面に接触する請求項3に記載の天井扇風機。
【請求項5】
異常回転検知手段は前記本体回転防止手段である前記突起が削れるかまたは折れることにより、前記天井扇風機本体が回転した場合に前記モータの運転を停止させる請求項2〜4のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項6】
異常回転検知手段は、第1の回転検知具と第2の回転検知具とからなり、前記第1の回転検知具は前記第2の連結部に固定され、前記第2の回転検知具は前記天井扇風機本体に固定され前記天井扇風機本体が回転した場合に分離可能に接合した前記第1の回転検知具と前記第2の回転検知具が所定の距離を離れることにより前記モータへの電源供給が止まる請求項2〜5のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項7】
第1の回転検知具は電源と導通し、第2の回転検知具は前記モータと導通した請求項6に記載の天井扇風機。
【請求項8】
第1の回転検知具と第2の回転検知具は嵌合力により接合し導通状態である請求項7に記載の天井扇風機。
【請求項9】
第1の回転検知具に雌型コネクターを備え第2の回転検知具に雄型コネクターを備えた請求項8に記載の天井扇風機。
【請求項10】
第2の回転検知具に備えられた雄型コネクターは、前記雄型コネクターの先端が斜め上方を向くように固定された請求項9に記載の天井扇風機。
【請求項11】
第1の回転検知具と第2の回転検知具は磁力により接合し導通状態である請求項7に記載の天井扇風機。
【請求項12】
第1の回転検知具にマグネットを備え第2の回転検知具に金属板を備えた請求項11に記載の天井扇風機。
【請求項13】
第2の回転検知具はプッシュオンスイッチであり、このプッシュオンスイッチが第1の回転検知具と接触することにより導通状態となる請求項6に記載の天井扇風機。
【請求項14】
第1の回転検知具と第2の回転検知具の距離の変位を前記第2の回転検知具により電気信号として送信し、前記電気信号が所定のしきい値を超えた場合に、前記モータへの通電を停止する制御手段を設けた請求項6に記載の天井扇風機。
【請求項15】
制御手段に前記しきい値が調整可能なしきい値調整手段を設けた請求項14に記載の天井扇風機。
【請求項16】
第1の回転検知具と第2の回転検知具の距離の変位を、前記第1の回転検知具と前記第2の回転検知具によって磁力の変位により検出し、前記第2の回転検知具により前記制御手段へ電気信号として送信する請求項14に記載の天井扇風機。
【請求項17】
第1の回転検知具にマグネットを設け、第2の回転検知具に磁気検出部を設けた請求項16に記載の天井扇風機。
【請求項18】
第1の回転検知具と第2の回転検知具の距離の変位を、前記第1の回転検知具と前記第2の回転検知具によって赤外線の変位により検出し、前記第2の回転検知具により前記制御手段へ電気信号として送信する請求項14に記載の天井扇風機。
【請求項19】
第1の回転検知具に反射板を設け、第2の回転検知具に赤外線発光部と赤外線受光部を設けた請求項18に記載の天井扇風機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−137098(P2012−137098A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95314(P2012−95314)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【分割の表示】特願2008−303980(P2008−303980)の分割
【原出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】