説明

天板と下部構造体の結合構造および収納容器

【課題】木製の天板と合成樹脂製の下部構造体との結合構造において、確実な固定を実現し、着脱自在な結合構造を提供する。
【解決手段】下部構造体2の上部に天板4が配置され、この下部構造体2の上端部に凸部21が形成されるとともに天板2の下面に凹部40が形成され、天板4と下部構造体2とが、凸部21が凹部40に嵌合されることにより結合された天板4と下部構造体2との結合構造であって、凸部21に係合爪32が形成され、係合爪32に係合して、天板4と下部構造体2とを結合状態にする金属製の係合部材7が天板4に固定されており、金属製の係合部材7は、凹部40に当接することにより弾性変形しない構成であるとともに、凸部21の係合爪32の形成された領域が、係合爪32の係合部材7からの係合を解除可能とするよう弾性変形可能に構成されていることを特徴とする天板と下部構造体の結合構造を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板と下部構造体の結合構造に関し、特に被収納物を収納する収納容器の木製の天板と合成樹脂製の下部構造体の結合構造、およびこの結合構造を備えた収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣類等の被収納物を収納するために種々の収納容器が提供されている。この種の収納容器としては、複数段の枠部が設けられた枠体と、この枠体の各段にスライド可能に収容されている引き出しとを備え、下部構造体とするものが一般的である。この種の収納容器は、製作の容易性やコスト、あるいは重量などの観点から、合成樹脂製のものが一般的であり、市場に広く受け入れられている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、意匠上の観点から、使用者がより自然な美観を得るため、あるいは、高級感を演出し他の家具との調和性を高めるために、木製の天板を用いた収納容器も提供されている。木製の天板を用いた場合、天板と枠体との結合構造としては、天板の下面に凹部を設けるとともに、合成樹脂製の枠体の上端に柱状に突出する凸部を設け、両者を凹凸嵌合させる構造が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−312992号公報
【特許文献2】特開2007−312993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数段の引き出しを有する合成樹脂製の下部構造体に対して、上記のような木製の天板を組み合わせる場合、天板と下部構造体との結合をより確実にするための構造が問題となる。天板と下部構造体の両方が合成樹脂製である場合には、凹凸嵌合などの結合構造を、樹脂成形によって精密に製作することが可能であるので、容易に確実な結合状態を得ることができる。しかし、天板が木製の場合、天板に高い精度で凹部を加工することが難しいため、天板と下部構造体との確実な結合構造の実現は難しかった。
また、天板と下部構造体とを着脱自在とする場合、両者に互いに係合する係合部材を設け、弾性変形などの作用により、この係合を解くなどの係合機構を設けることが一般的であるが、木製の天板と合成樹脂製の下部構造体との結合構造の場合、木製の天板に対して係合形状を加工することが難しく、木材の種類によっては加工が不可能であるという問題があった。
【0005】
本願発明は、木製の天板を用いた場合であっても、天板と下部構造体との確実な固定を実現する結合構造を低コストで提供することを目的とする。
また、天板と下部構造体とを簡易な構造で着脱を可能とする結合構造を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の天板と下部構造体の結合構造は、下部構造体の上部に天板が配置され、該下部構造体の上端部に凸部が形成されるとともに前記天板の下面に凹部が形成され、前記天板と前記下部構造体とが、前記凸部が前記凹部に嵌合されることにより結合された天板と下部構造体との結合構造であって、前記天板が木製とされるとともに、前記下部構造体の少なくとも前記凸部が合成樹脂製とされ、前記凸部に係合爪が形成され、該係合爪に係合して、前記天板と前記下部構造体とを結合状態にする金属製の係合部材が前記天板に固定されており、前記金属製の係合部材は、前記凹部に当接することにより弾性変形しない構成であるとともに、前記凸部の前記係合爪の形成された領域が、該係合爪の前記係合部材からの係合を解除可能とするよう弾性変形可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の天板と下部構造体の結合構造は、前記係合爪の形成された領域が舌片形状に形成され、その基端部が前記凸部の基部に弾性変形可能に連設されていることが好ましい。
また、本発明は、上述した天板と下部構造体の結合構造を備え、前記下部構造体は1または2以上の引き出しと、該引き出しをスライド可能に支持する枠体とを備えてなることを特徴とする収納容器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天板と下部構造体との結合構造が、枠体上端部の凸部に係合爪が形成され、該係合爪に係合して、天板と下部構造体とを結合状態にする金属製の係合部材が天板に固定されているという構成であることによって、木製の天板に凹部を形成するために要求される加工精度が低くなり、低コストでありながら、確実な固定を実現する結合構造の提供が可能となる。
また、本発明によれば、天板と下部構造体との結合構造が、凸部の係合爪の形成された領域が、係合爪の係合部材からの係合を解除可能とするよう弾性変形可能に構成としたことによって、簡易な構造を用いて天板を容易に着脱することが可能となる。
また、金属製の係合部材が、凹部に当接することにより弾性変形しない構成であるため、金属疲労による破断などのおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係わる結合構造の概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる凹部の平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係わる凸部の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係わる凸部の後面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係わる金属ジョイントの斜視図である。
【図6】凸部と凹部とを結合する様子を示す図であって(a)は結合途中、(b)は結合後の図である。
【図7】天板と凸部が結合されている状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の比較例に係わる結合構造の概略図であって(a)は結合前、(b)は結合後の図である。
【図9】本発明の比較例に係わる金属ジョイントの斜視図である。
【図10】収納容器の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態における収納容器について、図面を参照して詳細に説明する。
図10に本発明の収納容器1の全体斜視図を示す。本発明の収納容器1は、下部構造体2と、この下部構造体2の上面に配置されている天板4とから構成されている。
下部構造体2は、上面が開放された箱型の引き出し5と、この引き出し5をスライド可能に支持する枠体3とを備えている。引き出し5および枠体3は合成樹脂製であり、本発明の実施形態においては、収納容器1は3つの引き出し5を有している。
枠体3は、上下方向に延在する4本の柱部20と、水平方向に延在する桟部10、11とから構成されている。柱部20は、収納容器1の四隅に配置されおり、桟部10、11によって接続されている。桟部10、11は、収納容器1の前面側および、図に示されていない後面側に配置されている第1桟部10と、収納容器1の両側部に配置されている第2桟部11とからなる。これら桟部10、11によって、1つの引き出し5が支持されている。
収納容器1は、柱部20の下端部によって支持され、最下段の桟部10、11と、収納容器1が設置される床面との間には、所定高さの空間が形成される。
【0010】
引き出し5は、桟部10、11によってスライド可能に支持されている。引き出し5のスライド方向は、図10の矢印A方向となっている。各々の引き出し5の前面のうち上端部には、取手6が形成されている。
【0011】
天板4は、所定の厚みを有する木製の矩形板材によって形成されており、最上段の引き出し5を覆うように配置されている。柱部20の上端部は凸部21を構成しており、天板4と下部構造体2とは、凸部21と天板4の下面に形成された凹部とが嵌合することによって着脱自在に結合されている。
【0012】
次に、結合構造の詳細について、図1を参照して説明する。
上述したように、本発明の天板4と下部構造体2との結合は、天板4の下面の凹部40と、下部構造体2の柱部20の上端部を構成する凸部21とが嵌合することによって実現される。そして、凹部40の下面42にねじ8によって金属製の結合部材である金属ジョイント7が取付けられているとともに、柱部20の凸部21には係合爪32が形成されており、金属ジョイント7と係合爪32とが噛み合うことで、天板4と下部構造体2とが確実に固定される。
【0013】
図1に示した結合構造の概略図および図3、図4に示した柱部20の平面図および側面図を参照して、柱部20の詳細を説明する。
柱部20は、内部が中空の矩形形状の断面を有する四角柱状の部材である。柱部20の上部は凸部21を構成しており、この凸部21には段部28が形成されている。この段部28より上部は被挿入部38を構成している。凸部21の収納容器1後面側には、係合爪32、および操作部31を備えた舌片部30が形成されている。
【0014】
図3に示すように、被挿入部38は4面の壁部から構成されており、収納容器1の前面側に位置する前壁部22、後面側に位置する後壁部23、左側に位置する左壁部24、および右側に位置する右壁部25とから構成されている。これら壁部のうち、前壁部22と、後壁部23と、左壁部24とは、段部28によって、柱部20の表面に対してやや内方に段を作る形状をなしている。
また、被挿入部38の内部領域には、柱部20の強度を維持するための仕切壁部26a、26bが左右方向に形成されている。仕切壁部26bは凸部21の前後方向の略中央に位置し、仕切壁部26aは、後壁部23との間に所定寸法を隔てた位置に形成されている。また、柱部20の上端は開放されている。
【0015】
舌片部30は、凸部21の後面側に形成されている。図4に示すように、舌片部30は、その基端部37を除く周囲に略U字状のスリット34が形成されている舌片形状の部材である。舌片部30の基端部37は凸部17の基部29に連設されている。舌片部30は凸部20に一体成形で形成されており、基端部37を中心に弾性的に揺動可能である。
【0016】
舌片部30の基端部37には、外方に突出するように係合爪32が形成されている。係合爪32は、上部に向かうに従い厚みが薄くなっており、これにより傾斜面36が形成されている。係合爪32の下端面には、水平方向に係合面35が形成されている。
【0017】
舌片部30の自由端側には、略正四角形形状の操作部31が形成されている。この操作部31を外方から押圧することによって、舌片部30は基端部37を中心に柱部20の内方へ揺動することができる。舌片部30の基端部37と凸部31の基部29とは、弾性的に連設されているため、操作部31を押圧している指を離した際、舌片部30は本来の位置に復帰する。
【0018】
また、操作部31の表面は、操作部31が配置されている柱部20の表面と略同一平面上に位置している。
舌片部30の係合爪32の反対面には、舌片部30と垂直をなし、舌片部30の長手方向に延在する規制リブ27が形成されている。この規制リブ27は、操作部31を強く押圧した際に、第1仕切部26aに当接するように構成されており、これにより舌片部30の揺動範囲が制限される。また、規制リブ27は、舌片部30が必要以上に撓むことのないよう、舌片部30に適度な剛性を付加するために、所定の寸法にわたって延在している。
【0019】
次に、図5を参照して、金属ジョイント7の詳細について説明する。
金属ジョイント7は、所定の厚みを有する矩形の板金を折り曲げ加工することよって得られる金属製の係合部材である。
金属ジョイント7は、矩形の板金に対して、短手方向の折り曲げ線54、55を2箇所形成することによって3つの面を有する。3つの面とは、天板4の下面に固定される固定板部51と、ガイド板部52と、係合板部53であり、折り曲げ線54、55を介して接続されている。
【0020】
天板4の下面に固定される固定板部51には、ねじ8挿通用のねじ孔56が形成されている。この固定板部51と、ガイド板部52とは、第1折り曲げ線54を介して接続されており、鈍角をなすように折り曲げられている。ガイド板部52と係合板部53とは、第2折り曲げ線55を介して接続されており、約45°の鋭角をなすように折り曲げられている。この係合板部53は、固定板部51と平行に位置される。
係合板部53は、金属ジョイント7が天板4の下面に固定された場合、係合板部53の第2折曲げ線55とは反対側の端面が、天板4の凹部40の係合壁部41に当接するように形成されている。また、係合板部53は、天板4と下部構造体2とが結合された際、舌片部30の係合面35と係合するように構成されている。
また、金属ジョイント7は、柱部20の凸部21が天板4の凹部40挿入に挿入され、凸部21の係合爪32が金属ジョイント7に接触する際に、ほとんど変形することのないような剛性を有している。
【0021】
図2に示すように、天板4の下面に形成されている凹部40は、形状が被挿入部38の外径と略同形状であるが、金属ジョイント7が固定される係合壁部41に関しては被挿入部38に対して所定寸法を隔てるように形成されている。天板4の下面42からの深さは、被挿入部38の上下方向の高さより所定寸法深く形成されている。天板4の下面42であって凹部40の側部には、金属ジョイント7を固定するためのねじ穴が形成されており、金属ジョイント7はねじ8によってこの面に固定される。
【0022】
次に、図6を参照して、本発明の結合構造の作用について説明する。
使用者が、天板4と下部構造体2とを結合させる際は、柱部20の上端部を構成している凸部21を凹部40に挿入する。この際、舌片部30と金属ジョイント7が突き当たるように挿入する。挿入すると、図6(a)に示されるように、金属ジョイント7のガイド板部52と舌片部30の傾斜面36とが当接する。このまま挿入を続けると、ガイド板部52と傾斜面36の斜面どうしが互いに押圧し合う。舌片部30の基端部37が弾性変形可能であり、舌片部30全体が、基端部37を中心に、金属ジョイント7とは反対方向に揺動することによって、ガイド板部52と傾斜面36とが互いに乗り越え合う。その結果、図6(b)および図7に示すように、舌片部30の係合面35と金属ジョイント7の係合板部53とが係合する。
【0023】
天板4を外す際には、使用者は操作部31を押圧し、舌片部30を基端部37を中心に回動させる。これにより、係合面35と係合板部53との係合が解除され、使用者は天板4を外すことが可能となる。
【0024】
<比較例>
以下に、比較例としてその他の結合構造を説明する。
比較例の結合構造は、係合爪を有する柱部の凸部が天板の下面に形成された凹部に挿入された際、天板の下面に取付けられた金属ジョイントが凸部の係合爪と係合する、という点で本発明の実施形態と同様であるが、金属ジョイント、凸部、および天板の凹部の形状が異なっている。
【0025】
図8に比較例の結合構造の概略図を示す。
柱部120は、内部が中空の矩形形状の断面を有する四角柱状の部材である。本発明の実施形態との相違点は、舌片部が存在せず、係合爪が揺動可能ではないことである。以下、相違点を中心に比較例の結合構造について説明する。
柱部120の上端部には凸部121が形成されている。凸部121内部には、強度を維持するための仕切壁部126が形成されている。
凸部121の係合爪132は、凸部121の後壁部123に形成されている。係合爪132は上方に向かうに従い、その厚みが薄くなる形状であり、これにより、傾斜面136が形成されている。また、係合爪132の下端部は係合面135を形成している。係合爪132の係合面135は、柱部20の内方に延在しており、垂直壁部137と、段部128を構成している水平壁部139とで、係合爪132の下方に逃げ部134を形成している。
【0026】
次に、図9を参照して、金属ジョイント107の詳細について説明する。
金属ジョイント107は、所定の厚みを有する矩形の板金を折り曲げ加工することよって得られる金属製の係合部材であり、ねじ8によって天板104の下面142に固定される。金属ジョイント107は、矩形の板金に対して、短手方向の折り曲げ線154、155、158を3箇所形成することによって4つの面を有する。4つの面とは、天板4の下面に固定される固定板部151と、接続板部152と、係合板部153と、ガイド板部157である。
【0027】
天板4の下面に固定される固定板部151には、ねじを挿通用のねじ孔159が形成されている。この固定板部151と、接続板部152とは、第1折曲線154を介して接続されており、直角よりやや大きい鈍角をなすように折り曲げられている。
接続板部152と係合板部153とは、折曲部155を介して接続されており、鋭角をなしている。折曲部155は、係合板部153が折曲部155を中心に回動するような弾性変形を可能にするために、第1折曲線154および第2折曲線158よりも大きい曲率半径で曲げられている。
係合板部153には、矩形孔156が形成されており、矩形孔156の係合辺部156aが上述した係合爪132の係合面135と係合する。
係合板部153とガイド板部157とは、第2折曲線158を介して接続されており、直角よりやや大きい鈍角をなしている。
【0028】
天板104の下面142に形成されている凹部140には、ザグリ段部143が形成されており、この面に金属ジョイント107がねじ8によって固定される。なお、金属ジョイント107は、ザグリ段部143を形成せずに、天板の下面に直接固定してもよい。
【0029】
次に、比較例の結合構造の作用について説明する。
柱部120の上部を構成する凸部121を、金属ジョイント107が固定されている凹部140に係合爪132と、金属ジョイント107とが突き当たるように挿入する。挿入すると、金属ジョイント107のガイド板部157と係合爪132の傾斜面136とが、当接する。このまま挿入を続け、矩形孔156の係合辺部156aが係合爪132の係合面135を乗り越えると、図8(b)に示すように、折曲部155の弾性作用によって、係合爪132と矩形孔156とが噛み合い、柱部120と天板104とが結合する。
【0030】
比較例の結合構造においては、天板104と柱部120とは着脱自在ではない。天板104を外す際は、金属ジョイント107を取り外す、あるいは、マイナスドライバーなどの工具を使用して、係合を解除するなどの作業を要する。
【0031】
以上より、本発明の実施形態における結合構造は、天板4と下部構造体2との結合構造が、枠体3上端部の凸部21に係合爪32が形成され、該係合爪32に係合して、天板4と下部構造体2とを結合状態にする金属ジョイント7が天板4に固定されているという構成であることによって、木製の天板4に凹部40を形成するために要求される加工精度が低くなり、低コストでありながら、確実な結合を実現することが可能となる。
また、本発明によれば、天板4と下部構造体2との結合構造が、凸部21の係合爪32の形成された領域が、係合爪32の金属ジョイント7からの係合を解除可能とするよう弾性変形可能に構成としたことによって、天板4を容易に着脱することが可能となる。
【0032】
また、天板4と下部構造体2との結合の際、係合爪32の傾斜面36と金属ジョイント7のガイド板部52との斜面どうしが互いに案内し合うため、簡単な操作で、よりスムースな結合が可能となる。また、結合後は、係合爪32の係合面35と金属ジョイント7の係合板部53とが噛み合うため、確実な固定を実現することができる。
また、舌片部30の後面に規制リブ27を形成し、操作部31を押圧した際、この規制リブ27が第1仕切り部26aと当接することによって、舌片部30が過剰に変形することがなく、弾性変形部分(基端部37)の劣化を最小限に抑えることが可能となる。
また、操作部31の表面が操作部31の配置されている柱部20の表面と略同一平面上に位置するように構成されているので、美観に優れる上、樹脂の厚みに起因する成形収縮による変形(いわゆるヒケ)が発生しにくくなる。
また、金属ジョイント7は、比較例の金属ジョイント107と比較して、構造がより単純であるため、より低価格で製造することが可能となる。さらに、金属ジョイント7は、凹部40の係合壁部41と当接することによって、弾性変形しない構成となっているため、比較例のジョイント107と比較して金属疲労による破断などのおそれがない。
【0033】
なお、本発明の実施形態においては、収納容器1が、3段の引き出し5を有する構成としたが、引き出し5の数量はこれに限られることはない。例えば、引き出し5が一つであってよい。
また、天板4は木製であるとしたが、これに限ることはなく、例えばアルミニウムのような軽量金属などのように、その材料は適宜変更可能である。
また、金属ジョイント7の取り付け位置は適宜変更可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…収納容器、2…下部構造体、3…枠体、4…天板、5…引き出し、7…金属ジョイント、8…ねじ、20…柱部、21…凸部、22…前壁部、23…後壁部、24…左壁部、25…右壁部、27…規制リブ、28…段部、29…基部、30…舌片部、31…操作部、32…係合爪、34…スリット、35…係合面、36…傾斜面、37…基端部、38…被挿入部、40…凹部、41…係合壁部、42…下面、51…固定板部、52…ガイド板部、53…係合板部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造体の上部に天板が配置され、該下部構造体の上端部に凸部が形成されるとともに前記天板の下面に凹部が形成され、前記天板と前記下部構造体とが、前記凸部が前記凹部に嵌合されることにより結合された天板と下部構造体との結合構造であって、
前記天板が木製とされるとともに、前記下部構造体の少なくとも前記凸部が合成樹脂製とされ、
前記凸部に係合爪が形成され、該係合爪に係合して、前記天板と前記下部構造体とを結合状態にする金属製の係合部材が前記天板に固定されており、
前記金属製の係合部材は、前記凹部に当接することにより弾性変形しない構成であるとともに、
前記凸部の前記係合爪の形成された領域が、該係合爪と前記係合部材との係合を解除可能とするよう弾性変形可能に構成されていることを特徴とする天板と下部構造体の結合構造。
【請求項2】
前記係合爪の形成された領域は舌片形状に形成され、その基端部が前記凸部の基部に弾性変形可能に連設されていることを特徴とする請求項1に記載の天板と下部構造体の結合構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の天板と下部構造体の結合構造を備え、
前記下部構造体は1または2以上の引き出しと、該引き出しをスライド可能に支持する枠体とを備えてなることを特徴とする収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−203530(P2010−203530A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49906(P2009−49906)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(391049448)天馬株式会社 (19)
【Fターム(参考)】