説明

子宮頸癌の同定、評価、予防および治療を行うための組成物、キットおよび方法

【課題】ヒト子宮頸癌の検出、特徴づけ、予防、および治療を行うための、核酸分子およびタンパク質の提供。
【解決手段】子宮頸癌マーカーとしての、異常形成などの前癌状態を含む子宮頸癌に関連する核酸分子およびタンパク質。該核酸分子および該タンパク質を用いた、検出、特徴づけ、予防、および治療を行うための組成物、キットおよび方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が子宮頸癌に罹っているか、または前癌状態を有しているかを評価する方法であって、前記方法は、 a)患者のサンプルにおけるマーカーであって、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーの発現レベルと、 b)正常な対照の子宮頸癌(cervical cancer)サンプルにおけるマーカーの発現レベルとを比較することを含み、 前記患者のサンプルにおけるマーカーの発現レベルと正常レベルとの間に有意差が認められれば、前記患者が子宮頸癌に罹っている、または前癌状態を有していることを示す、方法。
【請求項2】
前記患者がCINまたはSILを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカーが分泌されたタンパク質に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカーが転写されたポリヌクレオチドまたはその一部に対応し、前記ポリヌクレオチドが前記マーカーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプルが前記患者から採取された細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプルが子宮頚部スミアである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞は、腹膜洗浄によって回収された液体、子宮洗浄によって回収された液体、子宮液、子宮滲出液、胸膜液、嚢胞液、および子宮頚部滲出液からなる群から選択される液体中にある、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプルにおけるマーカーの発現レベルは、サンプル中の、前記マーカーに対応するタンパク質の存在を検出することによって評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記タンパク質の存在は、タンパク質に特異的に結合する試薬を用いて検出される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記試薬は、抗体、抗体の誘導体および抗体断片からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルは、サンプル中の、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することによって評価され、前記転写されたポリヌクレオチドは前記マーカーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記転写されたポリヌクレオチドは、mRNAである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記転写されたポリヌクレオチドは、cDNAである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記検出ステップは、前記転写されたポリヌクレオチドを増幅することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、前記マーカーを用いてアニーリングするか、またはポリヌクレオチドの一部を用いてアニーリングする転写されたポリヌクレオチドであって、前記マーカーを含むポリヌクレオチドの、前記サンプル中における存在を検出することによって評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルは、子宮頸癌に罹っていない患者におけるマーカーの発現の正常なレベルと、少なくとも約2のファクターにおいて相違する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルは、子宮頸癌に罹っていない患者におけるマーカーの発現の正常なレベルと、少なくとも約5のファクターにおいて相違する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
a)表1に記載のマーカーから独立に選択された、複数のマーカーのそれぞれの、前記サンプルにおける発現レベルと、
b)複数のマーカーのそれぞれの、正常な対照ヒト子宮頚部サンプルから採取したのと同じタイプのサンプルにおける発現レベルとを比較することを含み、
複数のマーカーの発現レベルが、前記マーカーの対応する正常な発現レベルに対して有意に変化していると、患者は子宮頸癌または前癌状態に罹っていることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記マーカーのそれぞれの発現レベルが、前記マーカーの対応する正常な発現レベルに対して有意に変化していると、患者は子宮頸癌に罹っていることを示す、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数は、前記マーカーのうち少なくとも3つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記複数は、前記マーカーのうち少なくとも3つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
患者における子宮頸癌または前癌状態の進行をモニターする方法であって、
a)患者のサンプルにおいて、第1の時点でマーカーの発現を検出すること、ここで前記マーカーは表1に記載のマーカーからなる群から選択される、
b)続く時点において、ステップa)を繰り返すこと、および
c)ステップa)とb)で検出された発現レベルを比較し、それによって患者における子宮頸癌または前癌状態の進行をモニターすることを、含む方法。
【請求項23】
前記マーカーは、分泌されたタンパク質に対応する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記マーカーは、転写されたポリヌクレオチドまたはその部分に対応し、前記ポリヌクレオチドは、前記マーカーを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記サンプルは、患者から採取した細胞を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記患者のサンプルは、子宮頚部スミアである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の時点と続く時点の間において、前記患者は腫瘍を摘出する手術を受ける、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
患者における子宮頸癌を阻害するための試験化合物の有効性を評価する方法であって、前記方法は、
a)患者から採取し、試験化合物に曝された第1サンプルにおけるマーカーであって、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーの発現と、
b)患者から採取した、前記試験化合物に曝されていない第2のサンプルにおけるマーカーの発現とを比較することを含み、
前記第1サンプルにおけるマーカーの発現レベルが、第2のサンプルと比べて有意に低ければ、前記試験化合物が患者における子宮頸癌を阻害するのに有効であることを示す、方法。
【請求項29】
前記第1および第2のサンプルは、患者から採取した単一のサンプルの部分である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1および第2のサンプルは、患者から採取したプールされたサンプルの部分である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
患者における子宮頸癌を阻害するための治療の有効性を評価する方法であって、前記方法は、
a)少なくとも治療の一部を患者に施す前に、患者から採取した第1のサンプルにおける、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーの発現と、
b)治療の一部を施した後の患者から採取した第2のサンプルにおけるマーカーの発現とを比較することを含み、
前記第2のサンプルにおける前記マーカーの発現が、前記第1のサンプルと比べて有意に低いとき、前記治療が患者における子宮頸癌を阻害するのに有効であることを示す、方法。
【請求項32】
患者における子宮頸癌を阻害するための組成物を選択する方法であって、前記方法は、
a)前記患者から癌細胞を含むサンプルを採取すること、
b)複数の試験組成物の存在下に、前記サンプルのアリコートを別々に曝すこと、
c)前記アリコートのそれぞれにおける、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーの発現を比較すること、
d)前記試験組成物を含有するアリコートにおいて、他の試験組成物と比べて前記マーカーのより低いレベルの発現を誘発する試験組成物を選択することを含む方法。
【請求項33】
患者における子宮頸癌を阻害する方法であって、前記方法は、
a)前記患者から、癌細胞を含むサンプルを採取すること、
b)複数の試験組成物の存在下に、前記サンプルのアリコートを別々に維持すること、
c)アリコートのそれぞれにおける、表1に記載のマーカーからなる群から選択される、マーカーの発現を比較すること、
d)試験組成物を含有するアリコート中の、他の試験組成物と比べて前記マーカーのより低いレベルの発現を誘発する、少なくとも1つの前記試験化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項34】
患者が子宮頸癌に罹っているか、または前癌状態であるかを評価するためのキットであって、前記キットは、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーの発現を評価するための試薬を含む、キット。
【請求項35】
子宮頸癌細胞または前癌子宮頚部細胞もしくは病変の存在を評価するためのキットであって、前記キットは核酸プローブを含み、前記プローブは、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーに対応する転写されたポリヌクレオチドと特異的に結合する、キット。
【請求項36】
患者における子宮頸癌を阻害するための複数の化合物のそれぞれの好適性を評価するためのキットであって、前記キットは、
a)前記複数の化合物と、
b)表1に記載の前記マーカーからなる群から選択されるマーカーの発現を評価するための試薬を含む、キット。
【請求項37】
ヒト子宮頸癌細胞または前癌子宮頚部細胞もしくは病変の存在を評価するためのキットであって、前記キットは抗体を含み、前記抗体は、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーに対応するタンパク質と特異的に結合する、キット。
【請求項38】
試験化合物の子宮頚部細胞発癌可能性を評価するための方法であって、前記方法は、
a)試験化合物の存在下および不存在下において、別個のアリコートの子宮頚部細胞を維持すること、および
b)前記各アリコート中のマーカーの発現を比較することを含み、前記マーカーは表1に記載のマーカーからなる群から選択され、
前記マーカーの発現レベルが、試験化合物の存在下に維持されたアリコート中で、試験化合物の不存在下で維持されたアリコートと比べて有意に上昇したとき、前記試験化合物がヒト子宮頚部細胞発癌可能性を持つことを示す、方法。
【請求項39】
試験化合物の子宮頚部細胞発癌可能性を評価するためのキットであって、前記キットは、子宮頚部細胞とマーカーの発現を評価するための試薬とを含み、前記マーカーは、表1に記載のマーカーからなる群から選択される、キット。
【請求項40】
子宮頸癌に罹った患者を治療するための方法であって、前記方法は、前記患者の細胞に、表1に記載のマーカーからなる群から選択されるマーカーに対応するポリヌクレオチドに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する、方法。
【請求項41】
子宮頸癌を発症する危険性がある患者において子宮頸癌を阻害する方法であって、前記方法は、表1に記載のマーカーから選択されたマーカーに対応する遺伝子の発現を阻害することを含む、方法。
【請求項42】
表2および3に記載のヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項43】
請求項42に記載の核酸分子を含有するベクター。
【請求項44】
請求項42に記載の核酸分子を含有する宿主細胞。
【請求項45】
配列番号1、7、9、11、17、19、21、23、25、27、33および43からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、単離されたポリペプチド。
【請求項46】
請求項45に記載のポリペプチドに選択的に結合する抗体。
【請求項47】
配列番号2、8、10、20、22、26、28および44のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
【請求項48】
請求項47に記載のポリペプチドに選択的に結合する抗体。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−36247(P2011−36247A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181748(P2010−181748)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【分割の表示】特願2004−529772(P2004−529772)の分割
【原出願日】平成15年8月20日(2003.8.20)
【出願人】(501202554)ミレニアム ファーマスーティカルズ インク (2)
【Fターム(参考)】