定着装置の部品交換補助具
【課題】交換治具の保管、整理が良好に行なわれ、しかも部品の交換作業が簡便である部品交換補助具を提供する。
【解決手段】ランプカートリッジ63を内蔵し加熱ローラ14が軸方向に沿って交換可能に配置され、加熱ローラ14を交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト30と、ランプカートリッジ63を交換する際に用いるランプ保護部材64を備え、ローラ挿抜用案内シャフト30とランプ保護部材64は筒状をしており、ローラ挿抜用案内シャフト30は、加熱ローラ14の内側に挿入、固定されて、加熱ローラ14の着脱時にその案内として機能し、ランプ保護部材64は、加熱ローラ14とランプカートリッジ63の間に挿入されて、ランプカートリッジ63を覆ってランプカートリッジ63と共に交換用開口部78を通して出し入れでき、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30の内側に着脱可能に収納される構造になっている。
【解決手段】ランプカートリッジ63を内蔵し加熱ローラ14が軸方向に沿って交換可能に配置され、加熱ローラ14を交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト30と、ランプカートリッジ63を交換する際に用いるランプ保護部材64を備え、ローラ挿抜用案内シャフト30とランプ保護部材64は筒状をしており、ローラ挿抜用案内シャフト30は、加熱ローラ14の内側に挿入、固定されて、加熱ローラ14の着脱時にその案内として機能し、ランプ保護部材64は、加熱ローラ14とランプカートリッジ63の間に挿入されて、ランプカートリッジ63を覆ってランプカートリッジ63と共に交換用開口部78を通して出し入れでき、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30の内側に着脱可能に収納される構造になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザービームプリンタなどの画像形成装置における定着装置の加熱ローラや加圧ローラのローラ交換、ならびにランプカートリッジの交換の際に用いる部品交換補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザービームプリンタや複写機などの画像形成装置の定着装置として、表面に未定着のトナー像を保持した被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラの間で挟持して搬送しながら加熱・加圧し、トナー像を前記被記録媒体に定着する形態の定着装置が知られている。
【0003】
加熱ローラの内部には熱源として複数本のヒータランプが設置され、一般に印刷速度の速い画像形成装置や高連量用紙をサポートしている画像形成装置になればなる程、トナー像の定着に必要な熱容量が増すため、加熱ローラを或る温度以上に維持させなければならず、定着温度はますます高温になる。
【0004】
このように高温に維持された加熱ローラが寿命に達し、加熱ローラの交換を行なう場合、画像形成装置の稼動を止めてから、加熱ローラ自体の温度を交換作業が可能な程度まで冷ました上で、保守技術者が加熱ローラを定着装置から取り外して、新品の加熱ローラと交換するのでは、加熱ローラを冷ますのに時間がかかり、非常に作業効率が悪い。またこれにより、画像形成装置の停止時間が長くなり、画像形成装置の稼動効率が下がるだけでなく、交換保守作業にかかる費用負担も大きい。
【0005】
近年、画像形成装置には高印刷速度、高画質、様々な種類の用紙への対応が求められており、定着装置において、高速印刷を求める場合には、トナー像定着に必要な熱供給の敏速化を目的とした表面層をPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体)樹脂などで薄くコーティングした加熱ローラ、高画質を求める場合には、トナー像の定着時の潰れやにじみを最小に抑えることを目的とした表面層をシリコンゴムなどで覆った加熱ローラ、また、或る程度の画質で且つ加熱ローラの耐久性も必要である場合には、シリコンゴム層の上にPFAチューブなどで被覆した加熱ローラな
どのように、数種類の加熱ローラの使用が要求されている。
【0006】
そこで、1台の画像形成装置で求められる要求に応じるためには、その要求に合った加熱ローラに変更する必要がある。しかし、加熱ローラは、種類により多少の差はあるが基本的には熱容量が大きく、最適なトナー像定着に必要な熱量を供給するための加熱ローラの維持温度である高温状態から冷えてローラ交換が可能になるまでにかなりの時間が必要であった。
【0007】
加熱ローラの交換に関しては、例えば後記のような特許文献1を挙げることができる。
【0008】
図16および図17は、この特許文献1に記載されている定着装置の一部断面図、および加熱ローラを交換するときの状態を示す斜視図である。
【0009】
図16に示すように加熱ローラ100の一端は、支承フランジ101を介してフレーム102に支承されている。支承フランジ101は軸受け103を有し、この軸受け103はセンタリング部材104とともに加熱ローラ100の開口端に嵌合されている。図示していないが、加熱ローラ100の他端も同様に軸受けを介して支承フランジに支承されている。
【0010】
支承フランジ101は、蝶ネジ106を介してフレーム102に固定されている。支承フランジ101には蝶ネジ107を介して保持つめ108が固定され、この保持つめ108は加熱ローラ100の交換時に加熱ローラ100を固定する機能を有している。
【0011】
加熱ローラ100の内側には複数本のヒータランプ105が配置され、ヒータランプ105の一端は保持部材109を介して支承フランジ101の中央部に保持されている。図示していないが、ヒータランプ105の他端も同様に保持部材を介して間接的に支承フランジに保持されている。
【0012】
同図に示すようにヒータランプ105を支承フランジ101の中央部に保持した状態で、ヒータランプ105の端部に設けられたコネクタ110は支承フランジ101よりも外側に突出している。支承フランジ101には加熱ローラ100の交換のためのグリップ111が一体に設けられているが、このグリップ111は支承フランジ101から突出した前記ヒータランプ105のコネクタ110を跨ぐように設けられている。
【0013】
加熱ローラ100を交換する際には、蝶ネジ106を緩めて、図17に示すように前記グリップ111を一方の手で持ち、加熱ローラ100を支承フランジ101などと一緒にフレーム102から引き抜く。このとき加熱ローラ100がフレーム102の開口部を通過する際にフレーム102への接触を防ぐために、フレーム102の開口部外周にフェルトを貼り付けて加熱ローラ100への傷防止を図っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この種の定着装置に用いられている加熱ローラは、直径が100mm程度、長さが500mm以上もある円筒形状のもので、それ自体でもかなりの重量がある。このような状況下において前記特許文献1に開示された定着装置では、前記グリップ111を一方の手で持ち、手袋120をした他方の手で加熱ローラ100を支えながら、加熱ローラ100を支承フランジ101などと共にフレーム102から引き抜く際に、加熱ローラ100などの重さと熱さとで抜き差し作業中の動作が不安定である。そのため加熱ローラ100の交換作業中に加熱ローラ100が例えばフレーム102などの他の部品と接触して、ローラ表面に傷を付ける危険があった。
【0015】
このように加熱ローラ100の姿勢が不安定であり、しかも加熱ローラ100の姿勢を安定化するための補助具がないため、前記特許文献1に開示された実施形態では、交換時に加熱ローラ100に手袋120を嵌めた手を添えて行なっている。しかし、高温状態の加熱ローラ100に触れると火傷をしたり、加熱ローラ100に付着している離型剤や潤滑油などが手袋120などに付いて汚れたりするなど、操作性に問題がある。
【0016】
また、前記グリップ111を一方の手で持って、加熱ローラ100を支承フランジ101などと共にフレーム102から引き抜く際に、フレーム102と接触して、ローラ表面に傷を付ける危険があるため、フレーム102の開口部付近にフェルトを貼り付けて保護している。しかし、離型剤や潤滑油が付着している加熱ローラ100を滑らせるため、フェルト上に汚れが溜り、加熱ローラ100の表面保護としては不十分な構成である。
【0017】
また加熱ローラ100の交換の度毎にフェルトを貼り付けたり剥がしたりする作業が必要であり、そのために交換作業が煩雑になる。さらに加熱ローラ100の交換の度毎にフェルトが汚れるから、汚れたフェルトの処分と新しいフェルトの準備が必要である。
【0018】
またヒータランプ105を引き抜く際に破損する可能性があるため、例えば特許文献2に記載の構成が提案されている。
【0019】
図18は、この特許文献2に記載の構成によりランプカートリッジ127を引き抜く状態を説明するための断面図である。
【0020】
ランプカートリッジ127を加熱ローラ114から引き抜く際、画像形成装置の後ろ側(図18に示す第2ランプホルダ129が配置されている側)にオペレータが行き、ハウジング159に設けられた貫通穴159aよりランプ保護部材164を挿入し、そのランプ保護部材164の先端内周部が第1ランプホルダ128に設けられている保持部130に嵌合して、ランプ保護部材164が保持される。
【0021】
このようにしてランプ保護部材164のセットが完了したら、オペレータは画像形成装置の前側(図18に示す第1ランプホルダ128が配置されている側)に移動し、規制部材165を第1ランプホルダ128に形成されている凹部(図示せず)から退避させて、ランプカートリッジ127の軸方向における規制を解除する。この状態で、ランプカートリッジ127をランプ保護部材164と一緒に加熱ローラ114から引き出される。
【0022】
この方法によりランプカートリッジ127の脱着時の損傷は防止でき、その取扱性は向上するが、ランプ保護部材164では加熱ローラ114の交換はできず、ランプカートリッジ127を交換するためのランプ保護部材164と、加熱ローラ114を交換するための治具が別々に必要であり、治具が多種にわたる。そのため、ランプ保護部材164と加熱ローラ114を交換するための治具を個別に保管、整理しなければならず、交換治具の保管、整理が煩雑であり、部品交換時や治具保管時に余分なスペースが必要であるなどの問題がある。
【0023】
また、ランプ保護部材164を画像形成装置に単体で挿入した場合、その先端部を第1ランプホルダ128に嵌合するが、ランプ保護部材164の挿入量は第1ランプホルダ128に突き当たる感触に頼っていた。そのためランプ保護部材164が第1ランプホルダ128に嵌合されない状態でランプカートリッジ127を抜き取ることがあり、ランプカートリッジ127の破損の原因となっていた。
【0024】
さらに、新品のランプカートリッジ127を画像形成装置内に装着する際に、加熱ローラ114の内側に設置されている加熱ローラ蓋115a,115bの中心穴にランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)が貫通するように、図18の図面に向って右側からランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)を挿入する訳であるが、画像形成装置の内部が目視できないため、特に挿入方向の奥側にある加熱ローラ蓋115bにランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)を通し難く、作業性に問題がある。
【0025】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、交換治具の保管、整理が良好に行なわれ、しかも部品の交換作業が簡便である部品交換補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
ローラおよびそのローラに対して圧接可能に設けられたローラとで構成される2本のローラのうちの少なくとも一方のローラが、ランプカートリッジを内蔵し、前記ローラがそのローラの軸方向に沿って、また前記ランプカートリッジがそのランプカートリッジの軸方向に沿って交換可能に配置され、
前記ローラと対向するフレームに交換用開口部が形成されている定着装置から、前記ローラを交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト、ならびにランプカートリッジを交換する際に用いるランプ保護部材を備えた定着装置の部品交換補助具であって、
前記ローラ挿抜用案内シャフトとランプ保護部材はともに筒状をしており、
前記ローラ挿抜用案内シャフトは、前記ローラの内側に挿入、固定されて、前記ローラを前記交換用開口部を通して出し入れする際に、前記ローラの案内として機能し、
前記ランプ保護部材は、前記ローラと前記ランプカートリッジの間に挿入されて、前記ランプカートリッジを覆ってそのランプカートリッジと共に前記交換用開口部を通して出し入れでき、
前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納される構造になっていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納する構造が、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか一方に、一方の開口端から軸方向に延びるように切り込んだガイド溝と、そのガイド溝の端部から軸方向と鎖交する方向に延びた係止溝とを有し、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか他方に、前記ガイド溝から係止溝の中を移動する突部を設け、
その突部が前記係止溝内に有るときには、前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフト内にあって抜け止めされており、
前記突部が前記ガイド溝を通ってガイド溝から外れることにより、前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトから抜き出せる構造になっていることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記ランプ保護部材を内装した前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材の挿入後端部が定着装置よりも外側に突出しており、
なおかつ、前記ランプ保護部材の挿入後端部が前記ローラ挿抜用案内シャフトの挿入後端部よりも更に外側に突出していることを特徴とするものである。
【0029】
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3の手段において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、当該ローラ挿抜用案内シャフトが軸方向に移動するのを阻止するストッパーが設けられていることを特徴とするものである。
【0030】
本発明の第5の手段は前記第1ないし第4の手段において、
前記ランプ保護部材の外径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの内径と略同寸になっており、前記ランプ保護部材の挿抜の際に前記ローラ挿抜用案内シャフトがガイドとして機能することを特徴とするものである。
【0031】
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5の手段において、
前記ローラの開口端付近の内側に前記開口端を塞ぐローラ蓋を有し、
そのローラ蓋の中心部に前記ローラ挿抜用案内シャフトが貫通する貫通穴を有し、その貫通穴の内径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの外径と略同寸であることを特徴とするものである。
【0032】
本発明の第7の手段は前記第1ないし第6の手段において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトが金属筒からなり、前記ランプ保護部材が紙筒からなることを特徴とするものである。
【0033】
本発明の第8の手段は前記第1ないし第7の手段において、
前記ローラの抜き出し方向先端部側に着脱可能に取り付けられて、前記ローラの抜き出しを支援する支援ユニットを有し、
その支援ユニットは、前記ローラと連結するローラ連結部と、前記ローラを支持するためのハンドル部を有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明は前述のような構成になっており、前記従来技術の欠点を解消し、交換治具の保管、整理が良好に行なわれ、しかも部品の交換作業が簡便である部品交換補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例における加熱ローラ付近の断面図である。
【図2】本発明の実施例においてランプ保護部材とローラ挿抜用案内シャフトの着脱機構を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例においてランプカートリッジの脱着を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施例においてランプ保護部材とランプカートリッジを抜き出した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例において一方の保持部材を取り除いた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例で用いる支援ユニットの斜視図である。
【図7】その支援ユニットの断面図で、同図(a)は2つのラッチのレバー部を互いに外側に開いた状態を示す図、同図(b)はレバー部を互いに内側に回転した状態を示す図である。
【図8】本発明の実施例に用いる支承ローラ部材を示す図で、同図(a),(b)は支承ローラ部材が作動位置にある状態を示す側面図ならびに平面図、同図(c),(d)は支承ローラ部材が作動位置から待機位置に移動する途中の状態を示す側面図ならびに平面図、同図(e),(f)は支承ローラ部材が待機位置にある状態を示す側面図ならびに平面図である。
【図9】本発明の実施例において支援ユニットに対する2つの支承ローラ部材の配置を示す図である。
【図10】本発明の実施例において2つの支承ローラ部材で加熱ローラを支持した状態を示す一部断面図である。
【図11】本発明の実施例において加熱ローラの交換手順を示す工程図である。
【図12】図13の矢印X−X方向から視たアブソーバとホルダの挟持片部との関係を示す図で、同図(a)は支援ユニットを加熱ローラ内に挿入したときの状態を示す図、同図(b)は支援ユニットをアブソーバに取り付ける直前の状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例において加熱ローラに支援ユニットを取り付けた状態を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例において加熱ローラの抜き出しの途中の状態を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例に係るレーザービームプリンタの概略構成図である。
【図16】特許文献1に記載されている定着装置の一部断面図である。
【図17】その定着装置の加熱ローラを交換するときの状態を示す斜視図である。
【図18】特許文献2に記載されている定着装置においてランプカートリッジを引き抜く状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
(レーザービームプリンタの全体構成)
始めに本発明を適用した電子写真方式のレーザービームプリンタについて、その全体構成を図15とともに説明する。
【0037】
同図において、1はレーザービームプリンタであり、そのコントローラ22からの印刷動作開始信号に基づいて感光ドラム21が矢印方向に回転する。感光ドラム21は、レーザービームプリンタ1の印刷速度に相当する速度で回転し、印刷動作が終了するまで回転を続ける。感光ドラム21が回転を開始すると、コロナ帯電器2に高電圧が印加され、感光ドラム21の表面に例えば正の電荷が均一に帯電される。
【0038】
回転多面鏡3は、レーザービームプリンタ1に電源が投入されると直ちに回転を開始し、電源が投入されている間、高精度に定速回転が維持される。半導体レーザなどの光源4から出力した光は、回転多面鏡3で反射し、fθレンズ5を通じて感光ドラム21上を走査しながら照射する。ドットイメージに変換された文字データや図形データがレーザービームのオン/オフ信号としてコントローラ22からレーザービームプリンタ1に送られると、感光ドラム21の表面にレーザービームが照射される部分と照射されない部分、所謂、静電潜像が形成される。
【0039】
この静電潜像を保持した感光ドラム21の領域が現像装置6と対向する位置に到達すると、静電潜像にトナーが供給され、前述のレーザービームの照射により感光ドラム21上の電荷が消失した部分に、例えば正電荷に帯電したトナーが静電気により吸引されて感光ドラム21上にトナー像が形成される。
【0040】
用紙ホッパ11に収納された連続した用紙(被記録媒体)7は用紙搬送トラクタ8によって、感光ドラム21上に形成された前記トナー像が転写位置に到達するタイミングと同期させて、感光ドラム21と転写器10の間に向けて搬送される。感光ドラム21上に形成されたトナー像は、用紙7の背面側にトナー像と逆極性の電荷を付与する転写器10の作用によって用紙7上に吸引される。
【0041】
このようにして用紙7は、用紙搬送トラクタ8、転写器10、用紙搬送トラクタ9およびバッファプレート24を経て定着装置12に搬送される。定着装置12に到達した用紙7は、内部に複数のヒータを有するプレヒータ13で予熱された後、内部に複数本のヒータランプ25を備えた加熱ローラ14と加圧ローラ15からなる一対の定着ローラによって形成されるニップ部によって加熱・加圧されながら挟持・搬送され、トナー像が用紙7に溶融定着される。
【0042】
加熱ローラ14と加圧ローラ15によって送り出されてきた用紙7は、用紙送出しローラ16によってスタッカテーブル19側へ送り出されるとともに、スイングフィン17の揺動動作によってミシン目に沿って交互に折り分けられ、さらに、回転するパドル18で折りたたみ状態が整えられながら、スタッカテーブル19上に積み重ねられて行く。感光ドラム21の転写位置を通過した領域は、清掃装置20で清掃され、次の印刷動作に備えられる。
【0043】
バッファプレート24は、用紙搬送トラクタ9および定着ローラ(加熱ローラ14,加圧ローラ15)間で用紙搬送速度差が生じた場合に、用紙7に発生する弛み、あるいは張りを吸収するためのものである。23は印刷動作中のレーザービームプリンタ1の状態に基づく情報を表示したりする表示画面である。26は加熱ローラ14表面に接触可能に、且つ巻き取り可能に設けられたウェブ部材で、加熱ローラ14表面への離型剤や潤滑油の塗布を行うためのものである。
【0044】
(加熱ローラ付近の構造)
次に図1を用いて定着装置12の加熱ローラ14付近の構造について説明する。
加熱ローラ14は、例えばアルミニウム等の金属製素管14aと、その素管14aの周面の通紙領域Aw上に設けられた表面層14bから構成されている。この表面層14bは、例えばPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体)樹脂などの被膜、シリコンゴム層、シリコンゴム層とその上を覆うPFAチューブなどで構成されている。
【0045】
加熱ローラ14の両端開口部付近の内側には、例えばアルミニウム等からなる略円盤状の加熱ローラ蓋(以下、アブソーバという)14c,14dが固定されている。このアブソーバ14c,14dは、加熱ローラ14の内側に挿入された複数本のヒータランプ25からの輻射熱が加熱ローラ14の外側に放出して、加熱ローラ14の表面温度が変動したり、機内が高温になるのを防止している。
【0046】
同図に示すようにアブソーバ14c,14dは、加熱ローラ14の通紙領域Awよりも少し外側に設置されており、従ってアブソーバ14cとアブソーバ14dの間隔は通紙領域Awの軸方向の長さよりも若干長くなっている。更に各ヒータランプ25の長さは、アブソーバ14cとアブソーバ14dの間隔よりも若干長くなっている。
【0047】
アブソーバ14c,14dの全部あるいはその一部が加熱ローラ14の通紙領域Awよりも内側にあると、ヒータランプ25からの輻射熱の伝達がアブソーバ14c,14dによって邪魔され、そのために加熱ローラ14の表面温度が所望の温度に達しない懸念があるから、アブソーバ14c,14dは加熱ローラ14の通紙領域Aw内に入らないように配置されている。
【0048】
加熱ローラ14の両端部は、センタリング部材46,47を有する保持部材48,49を介して定着装置のフレーム50,50に支持されている。
【0049】
保持部材48には軸受51を介してセンタリング部材46が設けられ、そのセンタリング部材46が加熱ローラ14の一方の開口端内側に挿入されている。又、軸受51は、それの周方向に設置された複数のスプリング52と、保持部材48の内側端面に取り付けられたストッパー板53により、加熱ローラ14の熱膨張や周囲の支持部材の寸法的なばらつきを吸収できるようになっている。
【0050】
加熱ローラ14に組み込んだ状態では、スプリング52が若干圧縮されて同図に示すようにセンタリング部材46ならびに軸受51とストッパー板53の間に隙間が形成されている。保持部材48は複数の蝶ネジ54によって一方のフレーム50に固定されている。
【0051】
保持部材49には加熱ローラ14を回転駆動するモータ(図示せず)からの駆動力を受けるギア55が設けられ、保持部材49は軸受56,57を介してハウジング58,59により回転自在に支持されている。
【0052】
加熱ローラ14のセンタリング部材47と対向する開口端部には軸方向に沿って延びたキー溝(図示せず)が形成され、一方、センタリング部材47の端部にはキー溝に嵌入するキー(図示せず)が設けられ、加熱ローラ14とセンタリング部材47はこのキー構造を介して連結されている。従って前記モータの駆動力は、ギア55、保持部材49、センタリング部材47ならびにキー構造を介して加熱ローラ14に伝達され、加熱ローラ14が所定の方向に回転される。
【0053】
なお、フロント側(加熱ローラ14が挿入されるフレーム50側に相当し、「オペレーション側」とも呼ぶ)に位置する保持部材48により、加熱ローラ14の軸方向が拘束される。一方、リア側に設けられるセンタリング部材47のキーと対応するキー溝の幅を略同寸とすることにより、加熱ローラ14の回転方向が拘束される。なお、キー及びキー溝の位置は任意であるものの、確認し易い位置が好ましい。本実施例においては、後述する支援ユニット40のホルダ43に対して周方向に90°ずらして配置されている。
【0054】
また、キー溝は前記したリア側に加えて、フロント側にも設けられ、互いに180°位相をずらして配置されている。これは、加熱ローラ14のガタツキ防止のためである。なお、本実施例ではキー溝をフロント側、リア側各1つとしたが、これに限定されず、例えばそれぞれ2つとしても構わない。
【0055】
キー及びキー溝が前記のように支援ユニット40に対して90°ずれた状態で設置されているため、支援ユニット40をアブソーバ14cに合わせれば、自ずと、フロント側のキー溝及びリア側のキー溝の位置は定まる。
【0056】
加熱ローラ14からセンタリング部材46,47への熱の流出や損傷を防ぐために、加熱ローラ14の両端とセンタリング部材46,47との間に耐熱性合成樹脂からなるリング60が介挿されている。なお、センタリング部材47側のリング60には、加熱ローラ14のキー溝と対応する位置に溝状の切欠部(図示せず)が形成され、キーとキー溝の嵌合を許容している。
【0057】
加熱ローラ14の熱源となる複数本のヒータランプ25は、各ヒータランプ25の両端を保持するランプホルダ61、62により束ねられてランプカートリッジ63を構成しており、このランプカートリッジ63は図に示すように加熱ローラ14の内側中央部に設置される。
【0058】
(ランプ保護部材とローラ挿抜用案内シャフトの構成)
次に図2を用いてランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30の構成について説明する。
【0059】
前記ランプ保護部材64はランプカートリッジ63の交換時に用いられ、前記ローラ挿抜用案内シャフト30は加熱ローラ14の交換時に用いられるもので、それぞれ別部材で構成されている。
【0060】
ランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30は共に筒状をしており、ランプ保護部材64の外径はローラ挿抜用案内シャフト30の内径と略同寸に設計されて、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30の内側で抜き差し可能になっている。
【0061】
ローラ挿抜用案内シャフト30は金属あるいは耐熱性の硬質合成樹脂から構成され、所定の剛性を有している。一方、ランプ保護部材64は、ランプカートリッジ63の保護のために紙筒あるいは軟質合成樹脂から構成されている。
【0062】
図2は、ランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30の着脱機構を説明するための図である。
【0063】
図2(a)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30c付近の内面には、そのローラ挿抜用案内シャフト30の内側に向けて係止ピン30dが突設されている。前記ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cとは、図3に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置の所定位置に装着した際に画像形成装置から外側に突出しているローラ挿抜用案内シャフト30の後端部のことを指す。
【0064】
前記係止ピン30dと対向する位置には、押圧バネ30eがローラ挿抜用案内シャフト30の内側に向けて突出している。この押圧バネ30eは図2(h)や図3に示すように側面形状が逆V字状をした板バネからなり、ローラ挿抜用案内シャフト30の外側からバネ挿入穴30f〔図2(h)参照〕を通して内側に挿入され、押圧バネ30eの基端部30e−1〔図2(h)参照〕はローラ挿抜用案内シャフト30の外周面に固定され、押圧バネ30eの他端部30e−2〔図2(f)参照〕はローラ挿抜用案内シャフト30に固定されていない自由端となっている。
【0065】
例えば図2(d)に示すように、前記ランプ保護部材64の一方の端部64aからランプ保護部材64の軸方向に沿ってガイド溝64bが所定の長さ形成され、さらにガイド溝64bの先端部からランプ保護部材64の周方向に延びた係止溝64cが連通して形成されている。従って、前記ガイド溝64bと係止溝64cにより平面形状がL字形(鉤形)をした溝が形成されている。
【0066】
また、前記ガイド溝64bの端部64a側の開放端には、係止ピン30dの挿入をスムーズにするためにテーパー部64dが設けられている。前記ガイド溝64bならびに係止溝64cの溝幅は、前記係止ピン30dの外径より若干大きくなっている。
【0067】
さらに、ランプ保護部材64の周壁で前記係止溝64cと対向する位置には、前記押圧バネ30eの先端部が挿入されて、押圧バネ30eの弾性変形を許容する大きさの嵌入穴64eが形成されている〔図2(a)、図3参照〕。
【0068】
図2において、(a)と(b)はローラ挿抜用案内シャフト30にランプ保護部材64が装着された状態を示す断面図と一部斜視図、(c)〜(f)はローラ挿抜用案内シャフト30からランプ保護部材64を抜き出す途中の状態を示す断面図と一部斜視図、(g)と(h)はローラ挿抜用案内シャフト30からランプ保護部材64を離脱した直後の状態を示す断面図と一部斜視図である。
【0069】
図2の(a)と(b)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dがランプ保護部材64の係止溝64cに嵌入するとともに、ローラ挿抜用案内シャフト30の押圧バネ30eがランプ保護部材64の嵌入穴64eに嵌入することにより、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30から抜けることなく、ローラ挿抜用案内シャフト30内に保持され、1つの部材として取り扱われたり、あるいは保管、整理される。
【0070】
この状態から同図(a)、(b)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30を保持した状態でランプ保護部材64を矢印C方向に回転すると、同図(d)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dがランプ保護部材64のガイド溝64bの一端に当接し、ランプ保護部材64はそれ以上回転できなくなる。
【0071】
次に同図(f)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の軸方向に沿ってランプ保護部材64を矢印D方向に引くと、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dは相対的にランプ保護部材64のガイド溝64bを通り、また、ローラ挿抜用案内シャフト30の押圧バネ30eはランプ保護部材64の嵌入穴64eの端縁によって押圧されて、ローラ挿抜用案内シャフト30の外側に押しやられて図2(e)に示すように弾性変形する。同図(h)に示すように、押圧バネ30eはランプ保護部材64の挿抜方向に沿って傾斜面を有しているから、嵌入穴64eに対する押圧バネ30eの出し入れはスムーズに行なわれる。
【0072】
このようにして係止ピン30dと係止溝64cの係合ならびに押圧バネ30eと嵌入穴64eの係合が外れると、ランプ保護部材64を矢印D方向から引き抜くことができる。
【0073】
ランプ保護部材64をローラ挿抜用案内シャフト30内に収めるには、前述とは逆の手順で行なえばよい。
【0074】
図3に示すように、ランプ保護部材64を内装したローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置にセットした場合、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cは画像形成装置の後面よりも外側に突出しており、ランプ保護部材64の挿入後端部はローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cよりもさらに外側に突出している。このようにランプ保護部材64の端部がローラ挿抜用案内シャフト30の端部から突出していることにより、前述のように、ローラ挿抜用案内シャフト30に対してランプ保護部材64を回転操作したり押し出したりすることが容易にできる。
【0075】
本実施例ではローラ挿抜用案内シャフト30側に係止ピン30dを設け、ランプ保護部材64側にガイド溝64bと係止溝64cを形成したが、反対に、ローラ挿抜用案内シャフト30側にガイド溝と係止溝を形成し、ランプ保護部材64側に係止ピンを設けることもできる。
【0076】
但し、溝とピンの構成を、図3の位置のまま単純に逆にして保護部材64に設けた場合、保護部材64は矢印B方向に引き抜かれる関係上、ローラ挿抜用案内シャフト30に設けるべきピン30dの位置からランプホルダ61の溝部に係合する右側端部まで、ガイド溝を設ける必要がある。
【0077】
この場合、ローラ挿抜用案内シャフト30の軸方向の大半にガイド溝がスリット状に形成されることになるため、剛性の観点からは好ましくない。従って、保護部材64へのピンの設置位置を引き抜き側(オペレーション側:ランプホルダ61側)に近い場所に設ける。なお、ピンの高さは、ローラ挿抜用案内シャフト30の肉厚以下とする。
【0078】
(ローラ交換補助具の構成)
次に加熱ローラ14を交換するためのローラ交換補助具について説明する。本実施例に係るロール交換補助具は、ローラ挿抜用案内シャフト30と支援ユニット40と支承ローラ部材70とから構成されている。
【0079】
ローラ挿抜用案内シャフト30の長さは図3に示すように左右のフレーム50,50の間隔よりも若干長く、ローラ挿抜用案内シャフト30の外径は保持部材48の内径、一方のアブソーバ14dの内径、ならびにハウジング59の内筒部59bの内径と略同寸に設計されている。前述のように、ローラ挿抜用案内シャフト30の内側には、ランプ保護部材64が設置できるようになっている。
【0080】
ハウジング59の外側側面には、ローラ挿抜用案内シャフト30を固定(ロック)するための板状のストッパー31がピン32によってスライド可能に保持されている。ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30c側の周壁には、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置まで挿入したときに、前記ストッパー31が嵌入するように係合溝30aが設けられている。
【0081】
ストッパー31と係合溝30aの係合により、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置に固定(ロック)すると、後述する加熱ローラ14、保持部材48ならびに支援ユニット40の挿抜動作のときにローラ挿抜用案内シャフト30が軸方向に位置ずれすることなく、前述の各部材の挿抜動作をスムーズに行うことができる。
【0082】
図4に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部の外周には、支援ユニット40などの挿入をスムーズにするための傾斜面30bが形成され、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置に固定したときに、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部(傾斜面30b)はフレーム50の側面より若干外側に突出している。
【0083】
また、図4に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部の内周には、ランプ保護部材64の挿入をスムーズにするための傾斜面30cが形成されている。
【0084】
支援ユニット40は図6ならびに図7に示すように、支援ユニット本体45と、支援ユニット本体45の側面に回動可能に取り付けられた2つのラッチ41と、そのラッチ41の動作をホルダ43に伝えるシャフト42と、一端がシャフト42に連結されて他端が外側に折れ曲がったホルダ43(図7参照)と、部品公差を吸収し加熱ローラ14の固定を確実にさせるためのコイル状のバネ44と、支援ユニット本体45の側面に取り付けられたハンドル66とから構成されている。
【0085】
支援ユニット本体45の中央部に軸方向に沿って貫通した挿通穴45dが設けられ、支援ユニット本体45の一方の側面にフランジ部45cが形成されて、加熱ローラ14の交換時に加熱ローラ14の開口端と接触する位置には図14に示すようにリング65が設けられている。前記挿通穴45dの内径は、ローラ挿抜用案内シャフト30の外径と略同寸に設計されている。
【0086】
前記2つのラッチ41は同形状をしており、一方の端部に形成された半円柱状の回転部41aと、その回転部41aの内側に偏心して設けられた軸部41bと、回転部41aとは反対側に設けられたレバー部41cを有している。この2つのラッチ41は、挿通穴45dを間にして対向するように支援ユニット本体45に取り付けられている。
【0087】
図7に示すようにシャフト42の一端は、ラッチ41の軸部41bに連結されている。さらにホルダ43のシャフト42と連結する側とは反対側の端部には、支援ユニット本体45の側面45aと対向するように屈曲した挟持片部43aが設けられている。
【0088】
コイル状のバネ44は支援ユニット本体45に設けられた段状のバネ受け部45eとラッチ41との間に介在され、そのバネ44の内側にシャフト42が挿通して、ラッチ41はバネ44の弾性力により常に外方向に弾性付勢されているが、ラッチ41には図6に示すように抜け止め手段41dが設けられている。
【0089】
図7(a)は、2つのラッチ41のレバー部41cが互いに外側に向いている状態を示している。このときラッチ41の軸部41bは支援ユニット本体45寄りの位置にあり、従ってホルダ43の挟持片部43aと支援ユニット本体45の側面45aの間隔はL1と大きくなっている。この間隔L1は、アブソーバ14cの厚みより若干広く設計されている。図6も同じように、2つのラッチ41のレバー部41cが互いに外側に向いている状態を示している。
【0090】
この状態から図7(b)に示すように、2つのラッチ41のレバー部41cを互いに内側に回転して倒すと、ラッチ41の軸部41bは支援ユニット本体45から離れる方向に移動し、その偏心に伴ってシャフト42ならびにホルダ43も移動して、ホルダ43の挟持片部43aと支援ユニット本体45の側面45aの間隔はL2と狭くなる。この間隔L2は、アブソーバ14cの厚みより若干狭く設計されている。
【0091】
支承ローラ部材70は図8に示すように、支承ローラ71と、その支承ローラ71を回転自在に支持する第1シャフト72と、その第1シャフト72を一方の自由端部に固定するローラプレート73と、そのローラプレート73の基端部側に設けられた第2シャフト74と、その第2シャフト74を回転自在に支持するホルダープレート75から主に構成されている。
【0092】
ローラプレート73の一方の側端には、折り曲げによってフック76が一体に設けられ、ホルダープレート75にはフック76が嵌入(係合)する溝部77(図8(e)参照)が形成されている。溝部77の幅寸法は、フック76の板厚と略同寸に設定されている。またホルダープレート75には溝部77と平行に延びて前記第2シャフト74が挿通する長穴75aが形成され、後述するようにローラプレート73は上下動可能に支持されている。
【0093】
図8の(a),(b)は、画像形成装置から加熱ローラ14を引き出すとき或いは挿入するときの支承ローラ部材70の状態を示す図で、(a)は側面図、(b)平面図である。図8(a)に示すようにローラプレート73に設けられているフック76がホルダープレート75に設けられている溝部77に挿入されて(ロック状態)、ローラプレート73の起立状態が維持され、従って支承ローラ71は図14に示すようにフレーム50の交換用開口部78に臨んでいる。
【0094】
図8の(c),(d)は、支承ローラ部材70を前述の作動位置から後述の待機位置に移す途中の状態を示す図で、(c)は側面図、(d)平面図である。図8(c)に示すようにローラプレート73を矢印E方向に持ち上げて、フック76を溝部77から外し(ロック解除)、次にローラプレート73を第2シャフト74を中心に矢印F方向に約180°回転する。
【0095】
図8の(e),(f)は、支承ローラ部材70が待機位置ある状態を示す図で、(e)は側面図、(f)平面図である。この状態ではローラプレート73は第2シャフト74に吊り下げられており、従って支承ローラ71は図3に示すように下位置にあってフレーム50の交換用開口部78から離れた待機位置にある。
【0096】
図9は、支援ユニット40に対する支承ローラ部材70の配置を示す図である。本実施例の場合、2つの支承ローラ部材70a,70bが用いられ、フレーム50の交換用開口部78の近傍で、支援ユニット40のハンドル66を手で持って加熱ローラ14を引き抜く動作が円滑に実施できる位置に設置されている。
【0097】
具体的に2つの支承ローラ部材70a,70bの設置位置を、加熱ローラ14の下側で、かつ図9に示すように加熱ローラ14のローラ中心Oを通る垂直線79上を0°とすると、支承ローラ71a,71bのローラ軸と直交する中心線80が垂直線79に対して±30°〜±60°程度、好ましくは±40°〜±50°(本実施例では45°)の範囲で交わる位置(角度θ)に設定し、垂直線79を中心として左右対称の位置に支承ローラ部材70a,70bが配置されている。このようにすることにより、支援ユニット40による加熱ローラ14の引出時に支承ローラ部材70a,70bがその動作を干渉することなく、図10に示すように、点Pで接触して加熱ローラ14を安定に支え、それを引き出す際の不安定要素を排除することができる。
【0098】
図中の符号81は、支承ローラ部材70a,70bを左右対称の位置に取り付ける取付プレートで、この取付プレート81を介して支承ローラ部材70a,70bがフレーム50の外側に固定される(図4参照)。
【0099】
本実施例では支承ローラ部材70を加熱ローラ14の下方に2個設置したが、加熱ローラ14の上方にも1〜2個程度の支承ローラ部材70を設置することも可能である。この場合も下方の支承ローラ部材70a,70bと同様に、支援ユニット40による加熱ローラ14の引出時に障害にならない位置に設置する必要がある。なお、加熱ローラ14に対する拘束力が高くならないように、上部に設置する支承ローラ部材70は加熱ローラ14との間に所定量の隙間を設ける必要がある。
【0100】
(ランプカートリッジの脱着)
ランプカートリッジ63を加熱ローラ14から取り出す際には、ローラ挿抜用案内シャフト30と一体化したランプ保護部材64を図3の矢印Bに示すように、ハウジング59の貫通孔59a側から挿入し、ハウジング59の内筒部59b、ランプホルダ62の傾斜部62a、保持部材48に案内される。
【0101】
ランプ保護部材64の内径はランプホルダ62の外径ならびにランプホルダ61の小径部61aの外径と略同寸に設計されており、ランプ保護部材64の挿入方向先端部が前記ランプホルダ61の小径部61aと嵌合して停止する所までランプ保護部材64(ローラ挿抜用案内シャフト30)を挿入し、ランプ保護部材64と前記小径部61aとの摩擦力により、ランプ保護部材64をランプホルダ61に保持する。
【0102】
図3に示すように保持部材48の前面には、ランプホルダ61が抜けないように固定(ロック)するための板状のストッパー91が上下動可能に設けられており、ランプホルダ61の周面には前記ストッパー91の下端部が嵌入する係合溝(図示せず)が形成されている。
【0103】
前述のようにランプ保護部材64をランプホルダ61に保持すると、前記ストッパー91を持ち上げてランプホルダ61のロックを解除し、ストッパー91の上位置状態をネジ(図示せず)で固定する。
【0104】
次に図3に示すローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cより外側に出ているランプ保護部材64の後端部を手で持って、ランプ保護部材64を図2(a)に示すように矢印C方向に約45°回転することにより、ローラ挿抜用案内シャフト30によるランプ保護部材64の係合を解除することができる。
【0105】
その後ランプ保護部材64を図2(f)、(h)に示すように矢印D方向に押し込むことにより、ランプホルダ61も一緒に押し出され、ランプホルダ61を収納したランプ保護部材64を画像形成装置から取り出すことができる。
【0106】
このとき、図2(e)に示す押圧バネ30eのランプ保護部材64に対する保持力は、ランプ保護部材64とランプホルダ61の小径部61aとの嵌合(摩擦力)による保持力よりも小さくなるように設定されている。
【0107】
ランプカートリッジ63を加熱ローラ14内に挿入する際には、ランプ保護部材64の前記ガイド溝64b等が形成されていない側の開口部からランプカートリッジ63を挿入する。その際図3に示すように、ランプホルダ62の先端部には傾斜部62aが設けられているから、ランプカートリッジ63の挿入はスムーズに行なわれる。そしてランプ保護部材64の前記開口端をランプホルダ61の小径部61aに嵌合することにより、ランプ保護部材64へのランプカートリッジ63の収納が終了する。
【0108】
ランプカートリッジ63を収納したランプ保護部材64を図2に示すテーパー部64d側を先端にして、図3に示す矢印A方向からローラ挿抜用案内シャフト30内に挿入する。この挿入に際して、ランプ保護部材64のテーパー部64dがローラ挿抜用案内シャフト30内の係止ピン30dと対向した状態で挿入できるように、保持部材48の前面とランプ保護部材64の周面には位置合わせ用の例えばライン等の指標(図示せず)が設けられており、この指標に従ってランプ保護部材64がローラ挿抜用案内シャフト30内に挿入される。この際、ローラ挿抜用案内シャフト30の内周面はランプ保護部材64の挿入ガイドとして役立つ。
【0109】
ランプ保護部材64の挿入が終了する少し前に、ランプ保護部材64のテーパー部64dがローラ挿抜用案内シャフト30内の係止ピン30dと対向し、さらにランプ保護部材64を挿入すると、テーパー部64dの案内により係止ピン30dが相対的にガイド溝64b内に挿入されて〔図2(f)参照〕、係止ピン30dがガイド溝64bの終端に当接する〔図2(d)参照〕。
【0110】
この状態で図3に示すように、ランプ保護部材64の挿入先端部はローラ挿抜用案内シャフト30の端部30cよりも外側に突出しているから、そのランプ保護部材64の挿入先端部とローラ挿抜用案内シャフト30の端部30cを手で持って、ローラ挿抜用案内シャフト30に対してランプ保護部材64を図2(a)に示す矢印Aとは逆の方向に回転する。
【0111】
これによりローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dはランプ保護部材64の係止溝64cに入り、図2(b)に示すように係止ピン30dと係止溝64cが係合し、ランプ保護部材64がローラ挿抜用案内シャフト30内で一体に連結される。
【0112】
その後、ストッパー31を持ち上げてローラ挿抜用案内シャフト30との係合を解除して、ランプ保護部材64と共にローラ挿抜用案内シャフト30を図3に示すように画像形成装置から矢印A方向に引き抜くことにより、ランプホルダ61の装着が完了する。
【0113】
前述のようにランプカートリッジ63をランプ保護部材64で覆って取り出しあるいは挿入を行うことにより、ランプカートリッジ取扱中のヒータランプ25の損傷を防止することができる。特に紙筒は断熱性があり、所定の機械的強度を有し、安価で入手し易いためランプ保護部材64として好適である。
【0114】
(加熱ローラの交換手順)
次に加熱ローラ14の交換手順について説明する。加熱ローラ14の交換は、それ自体が耐用寿命に達したとき、あるいは前述のようにプリンタで求められる要求に応じるために、その要求に合った加熱ローラ14に変更するときに行われる。
【0115】
図11は、加熱ローラ14の交換手順を示した工程図である。
同図に示すようにまず手順1で、ランプ保護部材64を内装したローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置に装着して(図3参照)、その後ランプ保護部材64と共にランプカートリッジ63を加熱ローラ14の内側から抜き出す。この操作は前述の(ランプカートリッジの脱着)の項目で説明したので、重複する説明は省略する。ランプ保護部材64とランプカートリッジ63を抜き出した状態が図4に示されている。
【0116】
抜き出したランプカートリッジ63はランプ保護部材64を被せたままにしておくことにより、ランプカートリッジ63は剛性のあるランプ保護部材64内に収納されているから、交換作業中にランプカートリッジ63が不用意に損傷することはない。なお、ランプカートリッジ63がすでに古くなっている場合は、このタイミングで新しいランプカートリッジ63と交換することもできる。
【0117】
次に手順2で、蝶ネジ54を緩めて、センタリング部材46、軸受51、スプリング52ならびにストッパー板53などを保持した保持部材48を矢印B方向に抜き出す。このときローラ挿抜用案内シャフト30の先端部はフレーム50の外側面よりも若干外側に突出しているから、ローラ挿抜用案内シャフト30のガイドによりフレーム50の開口端などに衝突することなく、スムーズに抜き出すことができる。なお、抜き出し途中でセンタリング部材46が加熱ローラ14から離れることにより、スプリング52の復元力によりセンタリング部材46ならびに軸受51がストッパー板53に当接する。
【0118】
このとき図4に示されているように支承ローラ部材70の支承ローラ71は待機位置(下位置)にあるから、保持部材48の抜き出し動作に障害を及ぼすことはない。
【0119】
次に手順3で、支援ユニット40を傾斜面30bが形成されているローラ挿抜用案内シャフト30の先端部側からハンドル66を持って挿入する。このとき図7(a)に示すように、ラッチ41のレバー部41は互いに外側に開いた状態になっており、従って支援ユニット本体45の側面45aとホルダ43の挟持片部34aの間隔は広い間隔L1となっている。
【0120】
図12は、図13のX−X方向から視たアブソーバ14cとホルダ43の挟持片部43aとの関係を示す図で、同図(a)は支援ユニット40を加熱ローラ14内に挿入したときの状態を示す図、同図(b)は支援ユニット40をアブソーバ14cに取り付けたときの状態を示す図である。
【0121】
図12(a)に示すようにアブソーバ14cの内周部には、ホルダ43の挟持片部34aが挿通する大きさの切欠部67が2つ対向するように形成されている。支援ユニット40を加熱ローラ14内に挿入すると、図13に示すように、ホルダ43の挟持片部43aはアブソーバ14cの切欠部67を通過して、アブソーバ14cの図面に向って左側に位置し、支援ユニット本体45のフランジ部45cがフレーム50の外側面に当接したところでアブソーバ14cの挿入が停止する。
【0122】
この状態でハンドル66をもって支援ユニット40を図12(a)に示すように矢印方向に所定角度回転すると、図12(b)に示すようにホルダ43の挟持片部43aは切欠部67から外れてアブソーバ14cの他の内周部と対向する。
【0123】
この状態で図7(b)に示すように、2つのラッチ41のレバー部41cを互いに内側に回転することにより、シャフト42を介してホルダ43の挟持片部34aが支援ユニット本体45側に引き寄せられて、アブソーバ14cの内周部がホルダ43の挟持片部34aと支援ユニット本体45の側面45aの間で挟持される。このようにして、アブソーバ14cを介して支援ユニット40が加熱ローラ14に取り付けられる。
【0124】
次に手順4で、支承ローラ71を作動位置に移動してロックする。この支承ローラ71の移動とロックは、図8(e)に示すローラプレート73を矢印F方向とは反対方向に180°回転させ、フック76を溝部77に嵌入することによってなされる。この移動で図5に示すように、支承ローラ71はフレーム50の交換用開口部78内に臨む。
【0125】
次に手順5で、支援ユニット40のハンドル66を持って高温状態のままの加熱ローラ14を画像形成装置から抜き出す。このときローラ挿抜用案内シャフト30はハウジング59の内筒部59bにより確実に保持されており、アブソーバ14dの内周部がローラ挿抜用案内シャフト30の外周面上を摺動する。
【0126】
そしてフレーム50から外に出た加熱ローラ14の部分は、図10に示すように支承ローラ71a,71bによって安定に支承され、加熱ローラ14の引き出しに伴って支承ローラ71a,71bは回転する。このようにして約200℃の高温状態にある加熱ローラ14の一部を手で支える必要がなく、加熱ローラ14の抜き出しがスムーズにかつ安全に行われる。
【0127】
なお、加熱ローラ14が抜き出されても、センタリング部材47や保持部材49はそのまま残っている。図14は、この加熱ローラ14の抜き出し途中の状態を示している。
【0128】
次に手順6で、図示していないが交換する新しい加熱ローラ14に支援ユニット40を取り付けて、ローラ挿抜用案内シャフト30を利用して支援ユニット40と共に加熱ローラ14を装着する。この装着時にも支承ローラ71a,71bが使用されて、新しい加熱ローラ14がスムーズに挿入される。
【0129】
次に手順7で、支承ローラ71a,71bをロック解除して、待機位置に移動する。この支承ローラ71a,71bのロック解除と待機位置への移動手順は先に図8を用いて説明したので、重複する説明は省略する。
【0130】
次に手順8で、支援ユニット40を加熱ローラ14から取り出し、
手順9で、ローラ挿抜用案内シャフト30を利用して保持部材48を装着して
手順10で、ランプ保護部材64で覆われたランプカートリッジ63をローラ挿抜用案内シャフト30の案内により加熱ローラ14内に装着し、ストッパー31を外して、ランプ保護部材64と共にローラ挿抜用案内シャフト30を抜き出して加熱ローラ14の交換を終了する。
【0131】
なお、前記手順6での新しい加熱ローラ14の装着は手順5の加熱ローラ14の抜き出しと逆の操作、前記手順7での支承ローラ71のロック解除・待機位置への移動は手順3の支援ユニット40の装着と逆の操作、前記手順8での支援ユニット40の取り出しは手順3の支援ユニット40の装着と逆の操作、前記手順9での保持部材48の装着は手順2の保持部材48の抜き出しと逆の操作、前記手順10でのランプカートリッジ63の装着及びローラ挿抜用案内シャフト30の抜き出しは手順1のローラ挿抜用案内シャフト30の装着及びランプカートリッジ63の抜き出しと逆の操作であるので、それらの説明は省略する。
【0132】
前記実施例では加熱ローラ14の交換の場合について説明したが、加圧ローラ15にも熱源(ランプカートリッジ)を持たせた構成とする加熱加圧ローラの交換にも本発明を適用することは可能である。
【0133】
また、ランプ保護部材64を除いた交換補助具は、ランプカートリッジを有しない加圧ローラ15の形状を対向する加熱ローラ14と同様の形状で構成しておくことで、加圧ローラ15の交換にも流用可能である。これにより、交換補助具を複数用意する必要がなく、交換治具の保管においてスペースが効率的になり、また、治具の維持管理コストも低減可能となる。
【0134】
前記実施例では加熱ローラ14側に離型剤や潤滑油を塗布したが、加圧ローラ15側、あるいは加熱ローラ14と加圧ローラ15の両方に離型剤や潤滑油を塗布する定着装置(画像形成装置)にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1・・・レーザービームプリンタ、2・・・コロナ帯電器、3・・・回転多面鏡、4・・・光源、5・・・fθレンズ、6・・・現像装置、7・・・用紙、8・・・用紙搬送トラクタ、9・・・用紙搬送トラクタ、10・・・転写器、11・・・用紙ホッパ、12・・・定着装置、13・・・プレヒータ、14・・・加熱ローラ、14a・・・素管、14b・・・表面層、14c・・・加熱ローラ蓋(アブソーバ)、14d・・・加熱ローラ蓋(アブソーバ)、15・・・加圧ローラ、16・・・用紙送出しローラ、17・・・スイングフィン、18・・・パドル、19・・・スタッカテーブル、20・・・清掃装置、21・・・感光ドラム、22・・・コントローラ、23・・・表示画面、24・・・バッファプレート、25・・・ヒータランプ、26・・・ウェブ部材、30・・・ローラ挿抜用案内シャフト、30a・・・係合溝、30b・・・傾斜面、30c・・・挿入後端部、30d・・・係止ピン、30e・・・押圧バネ、30f・・・バネ挿入穴、30e−1・・・基端部、30e−2・・・他端部、31・・・ストッパー、32・・・ピン、40・・・支援ユニット、41・・・ラッチ、41a・・・回転部、41b・・・軸部、41c・・・レバー部、41d・・・抜け止め手段、42・・・シャフト、43・・・ホルダ、43a・・・挟持片部、43b・・・付根部、44・・・バネ、45・・・支援ユニット本体、45a・・・側面、45c・・・フランジ部、45d・・・挿通穴、45e・・・バネ受け部、46・・・センタリング部材、47・・・センタリング部材、48・・・保持部材、49・・・保持部材、50・・・フレーム、51・・・軸受、52・・・スプリング、53・・・ストッパー板、54・・・蝶ネジ、55・・・ギア、56・・・軸受、57・・・軸受、58・・・ハウジング、59・・・ハウジング、59a・・・貫通孔、59b・・・内筒部、60・・・リング、61・・・ランプホルダ、62・・・ランプホルダ、62a・・・傾斜部、63・・・ランプカートリッジ、64・・・ランプ保護部材、64a・・・端部、64b・・・ガイド溝、64c・・・係止溝、64d・・・テーパー部、64e・・・嵌入穴、65・・・リング、66・・・ハンドル、67・・・切欠部、70・・・支承ローラ部材、71・・・支承ローラ、72・・・第1シャフト、73・・・ローラプレート、74・・・第2シャフト、75・・・ホルダープレート、76・・・フック、77・・・溝部、78・・・交換用開口部、79・・・垂直線、80・・・中心線、81・・・取付プレート。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特表平5−504633号公報
【特許文献2】特開2002−23535号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザービームプリンタなどの画像形成装置における定着装置の加熱ローラや加圧ローラのローラ交換、ならびにランプカートリッジの交換の際に用いる部品交換補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザービームプリンタや複写機などの画像形成装置の定着装置として、表面に未定着のトナー像を保持した被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラの間で挟持して搬送しながら加熱・加圧し、トナー像を前記被記録媒体に定着する形態の定着装置が知られている。
【0003】
加熱ローラの内部には熱源として複数本のヒータランプが設置され、一般に印刷速度の速い画像形成装置や高連量用紙をサポートしている画像形成装置になればなる程、トナー像の定着に必要な熱容量が増すため、加熱ローラを或る温度以上に維持させなければならず、定着温度はますます高温になる。
【0004】
このように高温に維持された加熱ローラが寿命に達し、加熱ローラの交換を行なう場合、画像形成装置の稼動を止めてから、加熱ローラ自体の温度を交換作業が可能な程度まで冷ました上で、保守技術者が加熱ローラを定着装置から取り外して、新品の加熱ローラと交換するのでは、加熱ローラを冷ますのに時間がかかり、非常に作業効率が悪い。またこれにより、画像形成装置の停止時間が長くなり、画像形成装置の稼動効率が下がるだけでなく、交換保守作業にかかる費用負担も大きい。
【0005】
近年、画像形成装置には高印刷速度、高画質、様々な種類の用紙への対応が求められており、定着装置において、高速印刷を求める場合には、トナー像定着に必要な熱供給の敏速化を目的とした表面層をPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体)樹脂などで薄くコーティングした加熱ローラ、高画質を求める場合には、トナー像の定着時の潰れやにじみを最小に抑えることを目的とした表面層をシリコンゴムなどで覆った加熱ローラ、また、或る程度の画質で且つ加熱ローラの耐久性も必要である場合には、シリコンゴム層の上にPFAチューブなどで被覆した加熱ローラな
どのように、数種類の加熱ローラの使用が要求されている。
【0006】
そこで、1台の画像形成装置で求められる要求に応じるためには、その要求に合った加熱ローラに変更する必要がある。しかし、加熱ローラは、種類により多少の差はあるが基本的には熱容量が大きく、最適なトナー像定着に必要な熱量を供給するための加熱ローラの維持温度である高温状態から冷えてローラ交換が可能になるまでにかなりの時間が必要であった。
【0007】
加熱ローラの交換に関しては、例えば後記のような特許文献1を挙げることができる。
【0008】
図16および図17は、この特許文献1に記載されている定着装置の一部断面図、および加熱ローラを交換するときの状態を示す斜視図である。
【0009】
図16に示すように加熱ローラ100の一端は、支承フランジ101を介してフレーム102に支承されている。支承フランジ101は軸受け103を有し、この軸受け103はセンタリング部材104とともに加熱ローラ100の開口端に嵌合されている。図示していないが、加熱ローラ100の他端も同様に軸受けを介して支承フランジに支承されている。
【0010】
支承フランジ101は、蝶ネジ106を介してフレーム102に固定されている。支承フランジ101には蝶ネジ107を介して保持つめ108が固定され、この保持つめ108は加熱ローラ100の交換時に加熱ローラ100を固定する機能を有している。
【0011】
加熱ローラ100の内側には複数本のヒータランプ105が配置され、ヒータランプ105の一端は保持部材109を介して支承フランジ101の中央部に保持されている。図示していないが、ヒータランプ105の他端も同様に保持部材を介して間接的に支承フランジに保持されている。
【0012】
同図に示すようにヒータランプ105を支承フランジ101の中央部に保持した状態で、ヒータランプ105の端部に設けられたコネクタ110は支承フランジ101よりも外側に突出している。支承フランジ101には加熱ローラ100の交換のためのグリップ111が一体に設けられているが、このグリップ111は支承フランジ101から突出した前記ヒータランプ105のコネクタ110を跨ぐように設けられている。
【0013】
加熱ローラ100を交換する際には、蝶ネジ106を緩めて、図17に示すように前記グリップ111を一方の手で持ち、加熱ローラ100を支承フランジ101などと一緒にフレーム102から引き抜く。このとき加熱ローラ100がフレーム102の開口部を通過する際にフレーム102への接触を防ぐために、フレーム102の開口部外周にフェルトを貼り付けて加熱ローラ100への傷防止を図っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この種の定着装置に用いられている加熱ローラは、直径が100mm程度、長さが500mm以上もある円筒形状のもので、それ自体でもかなりの重量がある。このような状況下において前記特許文献1に開示された定着装置では、前記グリップ111を一方の手で持ち、手袋120をした他方の手で加熱ローラ100を支えながら、加熱ローラ100を支承フランジ101などと共にフレーム102から引き抜く際に、加熱ローラ100などの重さと熱さとで抜き差し作業中の動作が不安定である。そのため加熱ローラ100の交換作業中に加熱ローラ100が例えばフレーム102などの他の部品と接触して、ローラ表面に傷を付ける危険があった。
【0015】
このように加熱ローラ100の姿勢が不安定であり、しかも加熱ローラ100の姿勢を安定化するための補助具がないため、前記特許文献1に開示された実施形態では、交換時に加熱ローラ100に手袋120を嵌めた手を添えて行なっている。しかし、高温状態の加熱ローラ100に触れると火傷をしたり、加熱ローラ100に付着している離型剤や潤滑油などが手袋120などに付いて汚れたりするなど、操作性に問題がある。
【0016】
また、前記グリップ111を一方の手で持って、加熱ローラ100を支承フランジ101などと共にフレーム102から引き抜く際に、フレーム102と接触して、ローラ表面に傷を付ける危険があるため、フレーム102の開口部付近にフェルトを貼り付けて保護している。しかし、離型剤や潤滑油が付着している加熱ローラ100を滑らせるため、フェルト上に汚れが溜り、加熱ローラ100の表面保護としては不十分な構成である。
【0017】
また加熱ローラ100の交換の度毎にフェルトを貼り付けたり剥がしたりする作業が必要であり、そのために交換作業が煩雑になる。さらに加熱ローラ100の交換の度毎にフェルトが汚れるから、汚れたフェルトの処分と新しいフェルトの準備が必要である。
【0018】
またヒータランプ105を引き抜く際に破損する可能性があるため、例えば特許文献2に記載の構成が提案されている。
【0019】
図18は、この特許文献2に記載の構成によりランプカートリッジ127を引き抜く状態を説明するための断面図である。
【0020】
ランプカートリッジ127を加熱ローラ114から引き抜く際、画像形成装置の後ろ側(図18に示す第2ランプホルダ129が配置されている側)にオペレータが行き、ハウジング159に設けられた貫通穴159aよりランプ保護部材164を挿入し、そのランプ保護部材164の先端内周部が第1ランプホルダ128に設けられている保持部130に嵌合して、ランプ保護部材164が保持される。
【0021】
このようにしてランプ保護部材164のセットが完了したら、オペレータは画像形成装置の前側(図18に示す第1ランプホルダ128が配置されている側)に移動し、規制部材165を第1ランプホルダ128に形成されている凹部(図示せず)から退避させて、ランプカートリッジ127の軸方向における規制を解除する。この状態で、ランプカートリッジ127をランプ保護部材164と一緒に加熱ローラ114から引き出される。
【0022】
この方法によりランプカートリッジ127の脱着時の損傷は防止でき、その取扱性は向上するが、ランプ保護部材164では加熱ローラ114の交換はできず、ランプカートリッジ127を交換するためのランプ保護部材164と、加熱ローラ114を交換するための治具が別々に必要であり、治具が多種にわたる。そのため、ランプ保護部材164と加熱ローラ114を交換するための治具を個別に保管、整理しなければならず、交換治具の保管、整理が煩雑であり、部品交換時や治具保管時に余分なスペースが必要であるなどの問題がある。
【0023】
また、ランプ保護部材164を画像形成装置に単体で挿入した場合、その先端部を第1ランプホルダ128に嵌合するが、ランプ保護部材164の挿入量は第1ランプホルダ128に突き当たる感触に頼っていた。そのためランプ保護部材164が第1ランプホルダ128に嵌合されない状態でランプカートリッジ127を抜き取ることがあり、ランプカートリッジ127の破損の原因となっていた。
【0024】
さらに、新品のランプカートリッジ127を画像形成装置内に装着する際に、加熱ローラ114の内側に設置されている加熱ローラ蓋115a,115bの中心穴にランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)が貫通するように、図18の図面に向って右側からランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)を挿入する訳であるが、画像形成装置の内部が目視できないため、特に挿入方向の奥側にある加熱ローラ蓋115bにランプ保護部材164(ランプカートリッジ127)を通し難く、作業性に問題がある。
【0025】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、交換治具の保管、整理が良好に行なわれ、しかも部品の交換作業が簡便である部品交換補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
ローラおよびそのローラに対して圧接可能に設けられたローラとで構成される2本のローラのうちの少なくとも一方のローラが、ランプカートリッジを内蔵し、前記ローラがそのローラの軸方向に沿って、また前記ランプカートリッジがそのランプカートリッジの軸方向に沿って交換可能に配置され、
前記ローラと対向するフレームに交換用開口部が形成されている定着装置から、前記ローラを交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト、ならびにランプカートリッジを交換する際に用いるランプ保護部材を備えた定着装置の部品交換補助具であって、
前記ローラ挿抜用案内シャフトとランプ保護部材はともに筒状をしており、
前記ローラ挿抜用案内シャフトは、前記ローラの内側に挿入、固定されて、前記ローラを前記交換用開口部を通して出し入れする際に、前記ローラの案内として機能し、
前記ランプ保護部材は、前記ローラと前記ランプカートリッジの間に挿入されて、前記ランプカートリッジを覆ってそのランプカートリッジと共に前記交換用開口部を通して出し入れでき、
前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納される構造になっていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納する構造が、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか一方に、一方の開口端から軸方向に延びるように切り込んだガイド溝と、そのガイド溝の端部から軸方向と鎖交する方向に延びた係止溝とを有し、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか他方に、前記ガイド溝から係止溝の中を移動する突部を設け、
その突部が前記係止溝内に有るときには、前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフト内にあって抜け止めされており、
前記突部が前記ガイド溝を通ってガイド溝から外れることにより、前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトから抜き出せる構造になっていることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記ランプ保護部材を内装した前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材の挿入後端部が定着装置よりも外側に突出しており、
なおかつ、前記ランプ保護部材の挿入後端部が前記ローラ挿抜用案内シャフトの挿入後端部よりも更に外側に突出していることを特徴とするものである。
【0029】
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3の手段において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、当該ローラ挿抜用案内シャフトが軸方向に移動するのを阻止するストッパーが設けられていることを特徴とするものである。
【0030】
本発明の第5の手段は前記第1ないし第4の手段において、
前記ランプ保護部材の外径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの内径と略同寸になっており、前記ランプ保護部材の挿抜の際に前記ローラ挿抜用案内シャフトがガイドとして機能することを特徴とするものである。
【0031】
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5の手段において、
前記ローラの開口端付近の内側に前記開口端を塞ぐローラ蓋を有し、
そのローラ蓋の中心部に前記ローラ挿抜用案内シャフトが貫通する貫通穴を有し、その貫通穴の内径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの外径と略同寸であることを特徴とするものである。
【0032】
本発明の第7の手段は前記第1ないし第6の手段において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトが金属筒からなり、前記ランプ保護部材が紙筒からなることを特徴とするものである。
【0033】
本発明の第8の手段は前記第1ないし第7の手段において、
前記ローラの抜き出し方向先端部側に着脱可能に取り付けられて、前記ローラの抜き出しを支援する支援ユニットを有し、
その支援ユニットは、前記ローラと連結するローラ連結部と、前記ローラを支持するためのハンドル部を有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明は前述のような構成になっており、前記従来技術の欠点を解消し、交換治具の保管、整理が良好に行なわれ、しかも部品の交換作業が簡便である部品交換補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例における加熱ローラ付近の断面図である。
【図2】本発明の実施例においてランプ保護部材とローラ挿抜用案内シャフトの着脱機構を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例においてランプカートリッジの脱着を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施例においてランプ保護部材とランプカートリッジを抜き出した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例において一方の保持部材を取り除いた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例で用いる支援ユニットの斜視図である。
【図7】その支援ユニットの断面図で、同図(a)は2つのラッチのレバー部を互いに外側に開いた状態を示す図、同図(b)はレバー部を互いに内側に回転した状態を示す図である。
【図8】本発明の実施例に用いる支承ローラ部材を示す図で、同図(a),(b)は支承ローラ部材が作動位置にある状態を示す側面図ならびに平面図、同図(c),(d)は支承ローラ部材が作動位置から待機位置に移動する途中の状態を示す側面図ならびに平面図、同図(e),(f)は支承ローラ部材が待機位置にある状態を示す側面図ならびに平面図である。
【図9】本発明の実施例において支援ユニットに対する2つの支承ローラ部材の配置を示す図である。
【図10】本発明の実施例において2つの支承ローラ部材で加熱ローラを支持した状態を示す一部断面図である。
【図11】本発明の実施例において加熱ローラの交換手順を示す工程図である。
【図12】図13の矢印X−X方向から視たアブソーバとホルダの挟持片部との関係を示す図で、同図(a)は支援ユニットを加熱ローラ内に挿入したときの状態を示す図、同図(b)は支援ユニットをアブソーバに取り付ける直前の状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例において加熱ローラに支援ユニットを取り付けた状態を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例において加熱ローラの抜き出しの途中の状態を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例に係るレーザービームプリンタの概略構成図である。
【図16】特許文献1に記載されている定着装置の一部断面図である。
【図17】その定着装置の加熱ローラを交換するときの状態を示す斜視図である。
【図18】特許文献2に記載されている定着装置においてランプカートリッジを引き抜く状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
(レーザービームプリンタの全体構成)
始めに本発明を適用した電子写真方式のレーザービームプリンタについて、その全体構成を図15とともに説明する。
【0037】
同図において、1はレーザービームプリンタであり、そのコントローラ22からの印刷動作開始信号に基づいて感光ドラム21が矢印方向に回転する。感光ドラム21は、レーザービームプリンタ1の印刷速度に相当する速度で回転し、印刷動作が終了するまで回転を続ける。感光ドラム21が回転を開始すると、コロナ帯電器2に高電圧が印加され、感光ドラム21の表面に例えば正の電荷が均一に帯電される。
【0038】
回転多面鏡3は、レーザービームプリンタ1に電源が投入されると直ちに回転を開始し、電源が投入されている間、高精度に定速回転が維持される。半導体レーザなどの光源4から出力した光は、回転多面鏡3で反射し、fθレンズ5を通じて感光ドラム21上を走査しながら照射する。ドットイメージに変換された文字データや図形データがレーザービームのオン/オフ信号としてコントローラ22からレーザービームプリンタ1に送られると、感光ドラム21の表面にレーザービームが照射される部分と照射されない部分、所謂、静電潜像が形成される。
【0039】
この静電潜像を保持した感光ドラム21の領域が現像装置6と対向する位置に到達すると、静電潜像にトナーが供給され、前述のレーザービームの照射により感光ドラム21上の電荷が消失した部分に、例えば正電荷に帯電したトナーが静電気により吸引されて感光ドラム21上にトナー像が形成される。
【0040】
用紙ホッパ11に収納された連続した用紙(被記録媒体)7は用紙搬送トラクタ8によって、感光ドラム21上に形成された前記トナー像が転写位置に到達するタイミングと同期させて、感光ドラム21と転写器10の間に向けて搬送される。感光ドラム21上に形成されたトナー像は、用紙7の背面側にトナー像と逆極性の電荷を付与する転写器10の作用によって用紙7上に吸引される。
【0041】
このようにして用紙7は、用紙搬送トラクタ8、転写器10、用紙搬送トラクタ9およびバッファプレート24を経て定着装置12に搬送される。定着装置12に到達した用紙7は、内部に複数のヒータを有するプレヒータ13で予熱された後、内部に複数本のヒータランプ25を備えた加熱ローラ14と加圧ローラ15からなる一対の定着ローラによって形成されるニップ部によって加熱・加圧されながら挟持・搬送され、トナー像が用紙7に溶融定着される。
【0042】
加熱ローラ14と加圧ローラ15によって送り出されてきた用紙7は、用紙送出しローラ16によってスタッカテーブル19側へ送り出されるとともに、スイングフィン17の揺動動作によってミシン目に沿って交互に折り分けられ、さらに、回転するパドル18で折りたたみ状態が整えられながら、スタッカテーブル19上に積み重ねられて行く。感光ドラム21の転写位置を通過した領域は、清掃装置20で清掃され、次の印刷動作に備えられる。
【0043】
バッファプレート24は、用紙搬送トラクタ9および定着ローラ(加熱ローラ14,加圧ローラ15)間で用紙搬送速度差が生じた場合に、用紙7に発生する弛み、あるいは張りを吸収するためのものである。23は印刷動作中のレーザービームプリンタ1の状態に基づく情報を表示したりする表示画面である。26は加熱ローラ14表面に接触可能に、且つ巻き取り可能に設けられたウェブ部材で、加熱ローラ14表面への離型剤や潤滑油の塗布を行うためのものである。
【0044】
(加熱ローラ付近の構造)
次に図1を用いて定着装置12の加熱ローラ14付近の構造について説明する。
加熱ローラ14は、例えばアルミニウム等の金属製素管14aと、その素管14aの周面の通紙領域Aw上に設けられた表面層14bから構成されている。この表面層14bは、例えばPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体)樹脂などの被膜、シリコンゴム層、シリコンゴム層とその上を覆うPFAチューブなどで構成されている。
【0045】
加熱ローラ14の両端開口部付近の内側には、例えばアルミニウム等からなる略円盤状の加熱ローラ蓋(以下、アブソーバという)14c,14dが固定されている。このアブソーバ14c,14dは、加熱ローラ14の内側に挿入された複数本のヒータランプ25からの輻射熱が加熱ローラ14の外側に放出して、加熱ローラ14の表面温度が変動したり、機内が高温になるのを防止している。
【0046】
同図に示すようにアブソーバ14c,14dは、加熱ローラ14の通紙領域Awよりも少し外側に設置されており、従ってアブソーバ14cとアブソーバ14dの間隔は通紙領域Awの軸方向の長さよりも若干長くなっている。更に各ヒータランプ25の長さは、アブソーバ14cとアブソーバ14dの間隔よりも若干長くなっている。
【0047】
アブソーバ14c,14dの全部あるいはその一部が加熱ローラ14の通紙領域Awよりも内側にあると、ヒータランプ25からの輻射熱の伝達がアブソーバ14c,14dによって邪魔され、そのために加熱ローラ14の表面温度が所望の温度に達しない懸念があるから、アブソーバ14c,14dは加熱ローラ14の通紙領域Aw内に入らないように配置されている。
【0048】
加熱ローラ14の両端部は、センタリング部材46,47を有する保持部材48,49を介して定着装置のフレーム50,50に支持されている。
【0049】
保持部材48には軸受51を介してセンタリング部材46が設けられ、そのセンタリング部材46が加熱ローラ14の一方の開口端内側に挿入されている。又、軸受51は、それの周方向に設置された複数のスプリング52と、保持部材48の内側端面に取り付けられたストッパー板53により、加熱ローラ14の熱膨張や周囲の支持部材の寸法的なばらつきを吸収できるようになっている。
【0050】
加熱ローラ14に組み込んだ状態では、スプリング52が若干圧縮されて同図に示すようにセンタリング部材46ならびに軸受51とストッパー板53の間に隙間が形成されている。保持部材48は複数の蝶ネジ54によって一方のフレーム50に固定されている。
【0051】
保持部材49には加熱ローラ14を回転駆動するモータ(図示せず)からの駆動力を受けるギア55が設けられ、保持部材49は軸受56,57を介してハウジング58,59により回転自在に支持されている。
【0052】
加熱ローラ14のセンタリング部材47と対向する開口端部には軸方向に沿って延びたキー溝(図示せず)が形成され、一方、センタリング部材47の端部にはキー溝に嵌入するキー(図示せず)が設けられ、加熱ローラ14とセンタリング部材47はこのキー構造を介して連結されている。従って前記モータの駆動力は、ギア55、保持部材49、センタリング部材47ならびにキー構造を介して加熱ローラ14に伝達され、加熱ローラ14が所定の方向に回転される。
【0053】
なお、フロント側(加熱ローラ14が挿入されるフレーム50側に相当し、「オペレーション側」とも呼ぶ)に位置する保持部材48により、加熱ローラ14の軸方向が拘束される。一方、リア側に設けられるセンタリング部材47のキーと対応するキー溝の幅を略同寸とすることにより、加熱ローラ14の回転方向が拘束される。なお、キー及びキー溝の位置は任意であるものの、確認し易い位置が好ましい。本実施例においては、後述する支援ユニット40のホルダ43に対して周方向に90°ずらして配置されている。
【0054】
また、キー溝は前記したリア側に加えて、フロント側にも設けられ、互いに180°位相をずらして配置されている。これは、加熱ローラ14のガタツキ防止のためである。なお、本実施例ではキー溝をフロント側、リア側各1つとしたが、これに限定されず、例えばそれぞれ2つとしても構わない。
【0055】
キー及びキー溝が前記のように支援ユニット40に対して90°ずれた状態で設置されているため、支援ユニット40をアブソーバ14cに合わせれば、自ずと、フロント側のキー溝及びリア側のキー溝の位置は定まる。
【0056】
加熱ローラ14からセンタリング部材46,47への熱の流出や損傷を防ぐために、加熱ローラ14の両端とセンタリング部材46,47との間に耐熱性合成樹脂からなるリング60が介挿されている。なお、センタリング部材47側のリング60には、加熱ローラ14のキー溝と対応する位置に溝状の切欠部(図示せず)が形成され、キーとキー溝の嵌合を許容している。
【0057】
加熱ローラ14の熱源となる複数本のヒータランプ25は、各ヒータランプ25の両端を保持するランプホルダ61、62により束ねられてランプカートリッジ63を構成しており、このランプカートリッジ63は図に示すように加熱ローラ14の内側中央部に設置される。
【0058】
(ランプ保護部材とローラ挿抜用案内シャフトの構成)
次に図2を用いてランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30の構成について説明する。
【0059】
前記ランプ保護部材64はランプカートリッジ63の交換時に用いられ、前記ローラ挿抜用案内シャフト30は加熱ローラ14の交換時に用いられるもので、それぞれ別部材で構成されている。
【0060】
ランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30は共に筒状をしており、ランプ保護部材64の外径はローラ挿抜用案内シャフト30の内径と略同寸に設計されて、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30の内側で抜き差し可能になっている。
【0061】
ローラ挿抜用案内シャフト30は金属あるいは耐熱性の硬質合成樹脂から構成され、所定の剛性を有している。一方、ランプ保護部材64は、ランプカートリッジ63の保護のために紙筒あるいは軟質合成樹脂から構成されている。
【0062】
図2は、ランプ保護部材64とローラ挿抜用案内シャフト30の着脱機構を説明するための図である。
【0063】
図2(a)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30c付近の内面には、そのローラ挿抜用案内シャフト30の内側に向けて係止ピン30dが突設されている。前記ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cとは、図3に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置の所定位置に装着した際に画像形成装置から外側に突出しているローラ挿抜用案内シャフト30の後端部のことを指す。
【0064】
前記係止ピン30dと対向する位置には、押圧バネ30eがローラ挿抜用案内シャフト30の内側に向けて突出している。この押圧バネ30eは図2(h)や図3に示すように側面形状が逆V字状をした板バネからなり、ローラ挿抜用案内シャフト30の外側からバネ挿入穴30f〔図2(h)参照〕を通して内側に挿入され、押圧バネ30eの基端部30e−1〔図2(h)参照〕はローラ挿抜用案内シャフト30の外周面に固定され、押圧バネ30eの他端部30e−2〔図2(f)参照〕はローラ挿抜用案内シャフト30に固定されていない自由端となっている。
【0065】
例えば図2(d)に示すように、前記ランプ保護部材64の一方の端部64aからランプ保護部材64の軸方向に沿ってガイド溝64bが所定の長さ形成され、さらにガイド溝64bの先端部からランプ保護部材64の周方向に延びた係止溝64cが連通して形成されている。従って、前記ガイド溝64bと係止溝64cにより平面形状がL字形(鉤形)をした溝が形成されている。
【0066】
また、前記ガイド溝64bの端部64a側の開放端には、係止ピン30dの挿入をスムーズにするためにテーパー部64dが設けられている。前記ガイド溝64bならびに係止溝64cの溝幅は、前記係止ピン30dの外径より若干大きくなっている。
【0067】
さらに、ランプ保護部材64の周壁で前記係止溝64cと対向する位置には、前記押圧バネ30eの先端部が挿入されて、押圧バネ30eの弾性変形を許容する大きさの嵌入穴64eが形成されている〔図2(a)、図3参照〕。
【0068】
図2において、(a)と(b)はローラ挿抜用案内シャフト30にランプ保護部材64が装着された状態を示す断面図と一部斜視図、(c)〜(f)はローラ挿抜用案内シャフト30からランプ保護部材64を抜き出す途中の状態を示す断面図と一部斜視図、(g)と(h)はローラ挿抜用案内シャフト30からランプ保護部材64を離脱した直後の状態を示す断面図と一部斜視図である。
【0069】
図2の(a)と(b)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dがランプ保護部材64の係止溝64cに嵌入するとともに、ローラ挿抜用案内シャフト30の押圧バネ30eがランプ保護部材64の嵌入穴64eに嵌入することにより、ランプ保護部材64はローラ挿抜用案内シャフト30から抜けることなく、ローラ挿抜用案内シャフト30内に保持され、1つの部材として取り扱われたり、あるいは保管、整理される。
【0070】
この状態から同図(a)、(b)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30を保持した状態でランプ保護部材64を矢印C方向に回転すると、同図(d)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dがランプ保護部材64のガイド溝64bの一端に当接し、ランプ保護部材64はそれ以上回転できなくなる。
【0071】
次に同図(f)に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の軸方向に沿ってランプ保護部材64を矢印D方向に引くと、ローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dは相対的にランプ保護部材64のガイド溝64bを通り、また、ローラ挿抜用案内シャフト30の押圧バネ30eはランプ保護部材64の嵌入穴64eの端縁によって押圧されて、ローラ挿抜用案内シャフト30の外側に押しやられて図2(e)に示すように弾性変形する。同図(h)に示すように、押圧バネ30eはランプ保護部材64の挿抜方向に沿って傾斜面を有しているから、嵌入穴64eに対する押圧バネ30eの出し入れはスムーズに行なわれる。
【0072】
このようにして係止ピン30dと係止溝64cの係合ならびに押圧バネ30eと嵌入穴64eの係合が外れると、ランプ保護部材64を矢印D方向から引き抜くことができる。
【0073】
ランプ保護部材64をローラ挿抜用案内シャフト30内に収めるには、前述とは逆の手順で行なえばよい。
【0074】
図3に示すように、ランプ保護部材64を内装したローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置にセットした場合、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cは画像形成装置の後面よりも外側に突出しており、ランプ保護部材64の挿入後端部はローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cよりもさらに外側に突出している。このようにランプ保護部材64の端部がローラ挿抜用案内シャフト30の端部から突出していることにより、前述のように、ローラ挿抜用案内シャフト30に対してランプ保護部材64を回転操作したり押し出したりすることが容易にできる。
【0075】
本実施例ではローラ挿抜用案内シャフト30側に係止ピン30dを設け、ランプ保護部材64側にガイド溝64bと係止溝64cを形成したが、反対に、ローラ挿抜用案内シャフト30側にガイド溝と係止溝を形成し、ランプ保護部材64側に係止ピンを設けることもできる。
【0076】
但し、溝とピンの構成を、図3の位置のまま単純に逆にして保護部材64に設けた場合、保護部材64は矢印B方向に引き抜かれる関係上、ローラ挿抜用案内シャフト30に設けるべきピン30dの位置からランプホルダ61の溝部に係合する右側端部まで、ガイド溝を設ける必要がある。
【0077】
この場合、ローラ挿抜用案内シャフト30の軸方向の大半にガイド溝がスリット状に形成されることになるため、剛性の観点からは好ましくない。従って、保護部材64へのピンの設置位置を引き抜き側(オペレーション側:ランプホルダ61側)に近い場所に設ける。なお、ピンの高さは、ローラ挿抜用案内シャフト30の肉厚以下とする。
【0078】
(ローラ交換補助具の構成)
次に加熱ローラ14を交換するためのローラ交換補助具について説明する。本実施例に係るロール交換補助具は、ローラ挿抜用案内シャフト30と支援ユニット40と支承ローラ部材70とから構成されている。
【0079】
ローラ挿抜用案内シャフト30の長さは図3に示すように左右のフレーム50,50の間隔よりも若干長く、ローラ挿抜用案内シャフト30の外径は保持部材48の内径、一方のアブソーバ14dの内径、ならびにハウジング59の内筒部59bの内径と略同寸に設計されている。前述のように、ローラ挿抜用案内シャフト30の内側には、ランプ保護部材64が設置できるようになっている。
【0080】
ハウジング59の外側側面には、ローラ挿抜用案内シャフト30を固定(ロック)するための板状のストッパー31がピン32によってスライド可能に保持されている。ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30c側の周壁には、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置まで挿入したときに、前記ストッパー31が嵌入するように係合溝30aが設けられている。
【0081】
ストッパー31と係合溝30aの係合により、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置に固定(ロック)すると、後述する加熱ローラ14、保持部材48ならびに支援ユニット40の挿抜動作のときにローラ挿抜用案内シャフト30が軸方向に位置ずれすることなく、前述の各部材の挿抜動作をスムーズに行うことができる。
【0082】
図4に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部の外周には、支援ユニット40などの挿入をスムーズにするための傾斜面30bが形成され、ローラ挿抜用案内シャフト30を所定の位置に固定したときに、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部(傾斜面30b)はフレーム50の側面より若干外側に突出している。
【0083】
また、図4に示すように、ローラ挿抜用案内シャフト30の挿入方向先端部の内周には、ランプ保護部材64の挿入をスムーズにするための傾斜面30cが形成されている。
【0084】
支援ユニット40は図6ならびに図7に示すように、支援ユニット本体45と、支援ユニット本体45の側面に回動可能に取り付けられた2つのラッチ41と、そのラッチ41の動作をホルダ43に伝えるシャフト42と、一端がシャフト42に連結されて他端が外側に折れ曲がったホルダ43(図7参照)と、部品公差を吸収し加熱ローラ14の固定を確実にさせるためのコイル状のバネ44と、支援ユニット本体45の側面に取り付けられたハンドル66とから構成されている。
【0085】
支援ユニット本体45の中央部に軸方向に沿って貫通した挿通穴45dが設けられ、支援ユニット本体45の一方の側面にフランジ部45cが形成されて、加熱ローラ14の交換時に加熱ローラ14の開口端と接触する位置には図14に示すようにリング65が設けられている。前記挿通穴45dの内径は、ローラ挿抜用案内シャフト30の外径と略同寸に設計されている。
【0086】
前記2つのラッチ41は同形状をしており、一方の端部に形成された半円柱状の回転部41aと、その回転部41aの内側に偏心して設けられた軸部41bと、回転部41aとは反対側に設けられたレバー部41cを有している。この2つのラッチ41は、挿通穴45dを間にして対向するように支援ユニット本体45に取り付けられている。
【0087】
図7に示すようにシャフト42の一端は、ラッチ41の軸部41bに連結されている。さらにホルダ43のシャフト42と連結する側とは反対側の端部には、支援ユニット本体45の側面45aと対向するように屈曲した挟持片部43aが設けられている。
【0088】
コイル状のバネ44は支援ユニット本体45に設けられた段状のバネ受け部45eとラッチ41との間に介在され、そのバネ44の内側にシャフト42が挿通して、ラッチ41はバネ44の弾性力により常に外方向に弾性付勢されているが、ラッチ41には図6に示すように抜け止め手段41dが設けられている。
【0089】
図7(a)は、2つのラッチ41のレバー部41cが互いに外側に向いている状態を示している。このときラッチ41の軸部41bは支援ユニット本体45寄りの位置にあり、従ってホルダ43の挟持片部43aと支援ユニット本体45の側面45aの間隔はL1と大きくなっている。この間隔L1は、アブソーバ14cの厚みより若干広く設計されている。図6も同じように、2つのラッチ41のレバー部41cが互いに外側に向いている状態を示している。
【0090】
この状態から図7(b)に示すように、2つのラッチ41のレバー部41cを互いに内側に回転して倒すと、ラッチ41の軸部41bは支援ユニット本体45から離れる方向に移動し、その偏心に伴ってシャフト42ならびにホルダ43も移動して、ホルダ43の挟持片部43aと支援ユニット本体45の側面45aの間隔はL2と狭くなる。この間隔L2は、アブソーバ14cの厚みより若干狭く設計されている。
【0091】
支承ローラ部材70は図8に示すように、支承ローラ71と、その支承ローラ71を回転自在に支持する第1シャフト72と、その第1シャフト72を一方の自由端部に固定するローラプレート73と、そのローラプレート73の基端部側に設けられた第2シャフト74と、その第2シャフト74を回転自在に支持するホルダープレート75から主に構成されている。
【0092】
ローラプレート73の一方の側端には、折り曲げによってフック76が一体に設けられ、ホルダープレート75にはフック76が嵌入(係合)する溝部77(図8(e)参照)が形成されている。溝部77の幅寸法は、フック76の板厚と略同寸に設定されている。またホルダープレート75には溝部77と平行に延びて前記第2シャフト74が挿通する長穴75aが形成され、後述するようにローラプレート73は上下動可能に支持されている。
【0093】
図8の(a),(b)は、画像形成装置から加熱ローラ14を引き出すとき或いは挿入するときの支承ローラ部材70の状態を示す図で、(a)は側面図、(b)平面図である。図8(a)に示すようにローラプレート73に設けられているフック76がホルダープレート75に設けられている溝部77に挿入されて(ロック状態)、ローラプレート73の起立状態が維持され、従って支承ローラ71は図14に示すようにフレーム50の交換用開口部78に臨んでいる。
【0094】
図8の(c),(d)は、支承ローラ部材70を前述の作動位置から後述の待機位置に移す途中の状態を示す図で、(c)は側面図、(d)平面図である。図8(c)に示すようにローラプレート73を矢印E方向に持ち上げて、フック76を溝部77から外し(ロック解除)、次にローラプレート73を第2シャフト74を中心に矢印F方向に約180°回転する。
【0095】
図8の(e),(f)は、支承ローラ部材70が待機位置ある状態を示す図で、(e)は側面図、(f)平面図である。この状態ではローラプレート73は第2シャフト74に吊り下げられており、従って支承ローラ71は図3に示すように下位置にあってフレーム50の交換用開口部78から離れた待機位置にある。
【0096】
図9は、支援ユニット40に対する支承ローラ部材70の配置を示す図である。本実施例の場合、2つの支承ローラ部材70a,70bが用いられ、フレーム50の交換用開口部78の近傍で、支援ユニット40のハンドル66を手で持って加熱ローラ14を引き抜く動作が円滑に実施できる位置に設置されている。
【0097】
具体的に2つの支承ローラ部材70a,70bの設置位置を、加熱ローラ14の下側で、かつ図9に示すように加熱ローラ14のローラ中心Oを通る垂直線79上を0°とすると、支承ローラ71a,71bのローラ軸と直交する中心線80が垂直線79に対して±30°〜±60°程度、好ましくは±40°〜±50°(本実施例では45°)の範囲で交わる位置(角度θ)に設定し、垂直線79を中心として左右対称の位置に支承ローラ部材70a,70bが配置されている。このようにすることにより、支援ユニット40による加熱ローラ14の引出時に支承ローラ部材70a,70bがその動作を干渉することなく、図10に示すように、点Pで接触して加熱ローラ14を安定に支え、それを引き出す際の不安定要素を排除することができる。
【0098】
図中の符号81は、支承ローラ部材70a,70bを左右対称の位置に取り付ける取付プレートで、この取付プレート81を介して支承ローラ部材70a,70bがフレーム50の外側に固定される(図4参照)。
【0099】
本実施例では支承ローラ部材70を加熱ローラ14の下方に2個設置したが、加熱ローラ14の上方にも1〜2個程度の支承ローラ部材70を設置することも可能である。この場合も下方の支承ローラ部材70a,70bと同様に、支援ユニット40による加熱ローラ14の引出時に障害にならない位置に設置する必要がある。なお、加熱ローラ14に対する拘束力が高くならないように、上部に設置する支承ローラ部材70は加熱ローラ14との間に所定量の隙間を設ける必要がある。
【0100】
(ランプカートリッジの脱着)
ランプカートリッジ63を加熱ローラ14から取り出す際には、ローラ挿抜用案内シャフト30と一体化したランプ保護部材64を図3の矢印Bに示すように、ハウジング59の貫通孔59a側から挿入し、ハウジング59の内筒部59b、ランプホルダ62の傾斜部62a、保持部材48に案内される。
【0101】
ランプ保護部材64の内径はランプホルダ62の外径ならびにランプホルダ61の小径部61aの外径と略同寸に設計されており、ランプ保護部材64の挿入方向先端部が前記ランプホルダ61の小径部61aと嵌合して停止する所までランプ保護部材64(ローラ挿抜用案内シャフト30)を挿入し、ランプ保護部材64と前記小径部61aとの摩擦力により、ランプ保護部材64をランプホルダ61に保持する。
【0102】
図3に示すように保持部材48の前面には、ランプホルダ61が抜けないように固定(ロック)するための板状のストッパー91が上下動可能に設けられており、ランプホルダ61の周面には前記ストッパー91の下端部が嵌入する係合溝(図示せず)が形成されている。
【0103】
前述のようにランプ保護部材64をランプホルダ61に保持すると、前記ストッパー91を持ち上げてランプホルダ61のロックを解除し、ストッパー91の上位置状態をネジ(図示せず)で固定する。
【0104】
次に図3に示すローラ挿抜用案内シャフト30の挿入後端部30cより外側に出ているランプ保護部材64の後端部を手で持って、ランプ保護部材64を図2(a)に示すように矢印C方向に約45°回転することにより、ローラ挿抜用案内シャフト30によるランプ保護部材64の係合を解除することができる。
【0105】
その後ランプ保護部材64を図2(f)、(h)に示すように矢印D方向に押し込むことにより、ランプホルダ61も一緒に押し出され、ランプホルダ61を収納したランプ保護部材64を画像形成装置から取り出すことができる。
【0106】
このとき、図2(e)に示す押圧バネ30eのランプ保護部材64に対する保持力は、ランプ保護部材64とランプホルダ61の小径部61aとの嵌合(摩擦力)による保持力よりも小さくなるように設定されている。
【0107】
ランプカートリッジ63を加熱ローラ14内に挿入する際には、ランプ保護部材64の前記ガイド溝64b等が形成されていない側の開口部からランプカートリッジ63を挿入する。その際図3に示すように、ランプホルダ62の先端部には傾斜部62aが設けられているから、ランプカートリッジ63の挿入はスムーズに行なわれる。そしてランプ保護部材64の前記開口端をランプホルダ61の小径部61aに嵌合することにより、ランプ保護部材64へのランプカートリッジ63の収納が終了する。
【0108】
ランプカートリッジ63を収納したランプ保護部材64を図2に示すテーパー部64d側を先端にして、図3に示す矢印A方向からローラ挿抜用案内シャフト30内に挿入する。この挿入に際して、ランプ保護部材64のテーパー部64dがローラ挿抜用案内シャフト30内の係止ピン30dと対向した状態で挿入できるように、保持部材48の前面とランプ保護部材64の周面には位置合わせ用の例えばライン等の指標(図示せず)が設けられており、この指標に従ってランプ保護部材64がローラ挿抜用案内シャフト30内に挿入される。この際、ローラ挿抜用案内シャフト30の内周面はランプ保護部材64の挿入ガイドとして役立つ。
【0109】
ランプ保護部材64の挿入が終了する少し前に、ランプ保護部材64のテーパー部64dがローラ挿抜用案内シャフト30内の係止ピン30dと対向し、さらにランプ保護部材64を挿入すると、テーパー部64dの案内により係止ピン30dが相対的にガイド溝64b内に挿入されて〔図2(f)参照〕、係止ピン30dがガイド溝64bの終端に当接する〔図2(d)参照〕。
【0110】
この状態で図3に示すように、ランプ保護部材64の挿入先端部はローラ挿抜用案内シャフト30の端部30cよりも外側に突出しているから、そのランプ保護部材64の挿入先端部とローラ挿抜用案内シャフト30の端部30cを手で持って、ローラ挿抜用案内シャフト30に対してランプ保護部材64を図2(a)に示す矢印Aとは逆の方向に回転する。
【0111】
これによりローラ挿抜用案内シャフト30の係止ピン30dはランプ保護部材64の係止溝64cに入り、図2(b)に示すように係止ピン30dと係止溝64cが係合し、ランプ保護部材64がローラ挿抜用案内シャフト30内で一体に連結される。
【0112】
その後、ストッパー31を持ち上げてローラ挿抜用案内シャフト30との係合を解除して、ランプ保護部材64と共にローラ挿抜用案内シャフト30を図3に示すように画像形成装置から矢印A方向に引き抜くことにより、ランプホルダ61の装着が完了する。
【0113】
前述のようにランプカートリッジ63をランプ保護部材64で覆って取り出しあるいは挿入を行うことにより、ランプカートリッジ取扱中のヒータランプ25の損傷を防止することができる。特に紙筒は断熱性があり、所定の機械的強度を有し、安価で入手し易いためランプ保護部材64として好適である。
【0114】
(加熱ローラの交換手順)
次に加熱ローラ14の交換手順について説明する。加熱ローラ14の交換は、それ自体が耐用寿命に達したとき、あるいは前述のようにプリンタで求められる要求に応じるために、その要求に合った加熱ローラ14に変更するときに行われる。
【0115】
図11は、加熱ローラ14の交換手順を示した工程図である。
同図に示すようにまず手順1で、ランプ保護部材64を内装したローラ挿抜用案内シャフト30を画像形成装置に装着して(図3参照)、その後ランプ保護部材64と共にランプカートリッジ63を加熱ローラ14の内側から抜き出す。この操作は前述の(ランプカートリッジの脱着)の項目で説明したので、重複する説明は省略する。ランプ保護部材64とランプカートリッジ63を抜き出した状態が図4に示されている。
【0116】
抜き出したランプカートリッジ63はランプ保護部材64を被せたままにしておくことにより、ランプカートリッジ63は剛性のあるランプ保護部材64内に収納されているから、交換作業中にランプカートリッジ63が不用意に損傷することはない。なお、ランプカートリッジ63がすでに古くなっている場合は、このタイミングで新しいランプカートリッジ63と交換することもできる。
【0117】
次に手順2で、蝶ネジ54を緩めて、センタリング部材46、軸受51、スプリング52ならびにストッパー板53などを保持した保持部材48を矢印B方向に抜き出す。このときローラ挿抜用案内シャフト30の先端部はフレーム50の外側面よりも若干外側に突出しているから、ローラ挿抜用案内シャフト30のガイドによりフレーム50の開口端などに衝突することなく、スムーズに抜き出すことができる。なお、抜き出し途中でセンタリング部材46が加熱ローラ14から離れることにより、スプリング52の復元力によりセンタリング部材46ならびに軸受51がストッパー板53に当接する。
【0118】
このとき図4に示されているように支承ローラ部材70の支承ローラ71は待機位置(下位置)にあるから、保持部材48の抜き出し動作に障害を及ぼすことはない。
【0119】
次に手順3で、支援ユニット40を傾斜面30bが形成されているローラ挿抜用案内シャフト30の先端部側からハンドル66を持って挿入する。このとき図7(a)に示すように、ラッチ41のレバー部41は互いに外側に開いた状態になっており、従って支援ユニット本体45の側面45aとホルダ43の挟持片部34aの間隔は広い間隔L1となっている。
【0120】
図12は、図13のX−X方向から視たアブソーバ14cとホルダ43の挟持片部43aとの関係を示す図で、同図(a)は支援ユニット40を加熱ローラ14内に挿入したときの状態を示す図、同図(b)は支援ユニット40をアブソーバ14cに取り付けたときの状態を示す図である。
【0121】
図12(a)に示すようにアブソーバ14cの内周部には、ホルダ43の挟持片部34aが挿通する大きさの切欠部67が2つ対向するように形成されている。支援ユニット40を加熱ローラ14内に挿入すると、図13に示すように、ホルダ43の挟持片部43aはアブソーバ14cの切欠部67を通過して、アブソーバ14cの図面に向って左側に位置し、支援ユニット本体45のフランジ部45cがフレーム50の外側面に当接したところでアブソーバ14cの挿入が停止する。
【0122】
この状態でハンドル66をもって支援ユニット40を図12(a)に示すように矢印方向に所定角度回転すると、図12(b)に示すようにホルダ43の挟持片部43aは切欠部67から外れてアブソーバ14cの他の内周部と対向する。
【0123】
この状態で図7(b)に示すように、2つのラッチ41のレバー部41cを互いに内側に回転することにより、シャフト42を介してホルダ43の挟持片部34aが支援ユニット本体45側に引き寄せられて、アブソーバ14cの内周部がホルダ43の挟持片部34aと支援ユニット本体45の側面45aの間で挟持される。このようにして、アブソーバ14cを介して支援ユニット40が加熱ローラ14に取り付けられる。
【0124】
次に手順4で、支承ローラ71を作動位置に移動してロックする。この支承ローラ71の移動とロックは、図8(e)に示すローラプレート73を矢印F方向とは反対方向に180°回転させ、フック76を溝部77に嵌入することによってなされる。この移動で図5に示すように、支承ローラ71はフレーム50の交換用開口部78内に臨む。
【0125】
次に手順5で、支援ユニット40のハンドル66を持って高温状態のままの加熱ローラ14を画像形成装置から抜き出す。このときローラ挿抜用案内シャフト30はハウジング59の内筒部59bにより確実に保持されており、アブソーバ14dの内周部がローラ挿抜用案内シャフト30の外周面上を摺動する。
【0126】
そしてフレーム50から外に出た加熱ローラ14の部分は、図10に示すように支承ローラ71a,71bによって安定に支承され、加熱ローラ14の引き出しに伴って支承ローラ71a,71bは回転する。このようにして約200℃の高温状態にある加熱ローラ14の一部を手で支える必要がなく、加熱ローラ14の抜き出しがスムーズにかつ安全に行われる。
【0127】
なお、加熱ローラ14が抜き出されても、センタリング部材47や保持部材49はそのまま残っている。図14は、この加熱ローラ14の抜き出し途中の状態を示している。
【0128】
次に手順6で、図示していないが交換する新しい加熱ローラ14に支援ユニット40を取り付けて、ローラ挿抜用案内シャフト30を利用して支援ユニット40と共に加熱ローラ14を装着する。この装着時にも支承ローラ71a,71bが使用されて、新しい加熱ローラ14がスムーズに挿入される。
【0129】
次に手順7で、支承ローラ71a,71bをロック解除して、待機位置に移動する。この支承ローラ71a,71bのロック解除と待機位置への移動手順は先に図8を用いて説明したので、重複する説明は省略する。
【0130】
次に手順8で、支援ユニット40を加熱ローラ14から取り出し、
手順9で、ローラ挿抜用案内シャフト30を利用して保持部材48を装着して
手順10で、ランプ保護部材64で覆われたランプカートリッジ63をローラ挿抜用案内シャフト30の案内により加熱ローラ14内に装着し、ストッパー31を外して、ランプ保護部材64と共にローラ挿抜用案内シャフト30を抜き出して加熱ローラ14の交換を終了する。
【0131】
なお、前記手順6での新しい加熱ローラ14の装着は手順5の加熱ローラ14の抜き出しと逆の操作、前記手順7での支承ローラ71のロック解除・待機位置への移動は手順3の支援ユニット40の装着と逆の操作、前記手順8での支援ユニット40の取り出しは手順3の支援ユニット40の装着と逆の操作、前記手順9での保持部材48の装着は手順2の保持部材48の抜き出しと逆の操作、前記手順10でのランプカートリッジ63の装着及びローラ挿抜用案内シャフト30の抜き出しは手順1のローラ挿抜用案内シャフト30の装着及びランプカートリッジ63の抜き出しと逆の操作であるので、それらの説明は省略する。
【0132】
前記実施例では加熱ローラ14の交換の場合について説明したが、加圧ローラ15にも熱源(ランプカートリッジ)を持たせた構成とする加熱加圧ローラの交換にも本発明を適用することは可能である。
【0133】
また、ランプ保護部材64を除いた交換補助具は、ランプカートリッジを有しない加圧ローラ15の形状を対向する加熱ローラ14と同様の形状で構成しておくことで、加圧ローラ15の交換にも流用可能である。これにより、交換補助具を複数用意する必要がなく、交換治具の保管においてスペースが効率的になり、また、治具の維持管理コストも低減可能となる。
【0134】
前記実施例では加熱ローラ14側に離型剤や潤滑油を塗布したが、加圧ローラ15側、あるいは加熱ローラ14と加圧ローラ15の両方に離型剤や潤滑油を塗布する定着装置(画像形成装置)にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1・・・レーザービームプリンタ、2・・・コロナ帯電器、3・・・回転多面鏡、4・・・光源、5・・・fθレンズ、6・・・現像装置、7・・・用紙、8・・・用紙搬送トラクタ、9・・・用紙搬送トラクタ、10・・・転写器、11・・・用紙ホッパ、12・・・定着装置、13・・・プレヒータ、14・・・加熱ローラ、14a・・・素管、14b・・・表面層、14c・・・加熱ローラ蓋(アブソーバ)、14d・・・加熱ローラ蓋(アブソーバ)、15・・・加圧ローラ、16・・・用紙送出しローラ、17・・・スイングフィン、18・・・パドル、19・・・スタッカテーブル、20・・・清掃装置、21・・・感光ドラム、22・・・コントローラ、23・・・表示画面、24・・・バッファプレート、25・・・ヒータランプ、26・・・ウェブ部材、30・・・ローラ挿抜用案内シャフト、30a・・・係合溝、30b・・・傾斜面、30c・・・挿入後端部、30d・・・係止ピン、30e・・・押圧バネ、30f・・・バネ挿入穴、30e−1・・・基端部、30e−2・・・他端部、31・・・ストッパー、32・・・ピン、40・・・支援ユニット、41・・・ラッチ、41a・・・回転部、41b・・・軸部、41c・・・レバー部、41d・・・抜け止め手段、42・・・シャフト、43・・・ホルダ、43a・・・挟持片部、43b・・・付根部、44・・・バネ、45・・・支援ユニット本体、45a・・・側面、45c・・・フランジ部、45d・・・挿通穴、45e・・・バネ受け部、46・・・センタリング部材、47・・・センタリング部材、48・・・保持部材、49・・・保持部材、50・・・フレーム、51・・・軸受、52・・・スプリング、53・・・ストッパー板、54・・・蝶ネジ、55・・・ギア、56・・・軸受、57・・・軸受、58・・・ハウジング、59・・・ハウジング、59a・・・貫通孔、59b・・・内筒部、60・・・リング、61・・・ランプホルダ、62・・・ランプホルダ、62a・・・傾斜部、63・・・ランプカートリッジ、64・・・ランプ保護部材、64a・・・端部、64b・・・ガイド溝、64c・・・係止溝、64d・・・テーパー部、64e・・・嵌入穴、65・・・リング、66・・・ハンドル、67・・・切欠部、70・・・支承ローラ部材、71・・・支承ローラ、72・・・第1シャフト、73・・・ローラプレート、74・・・第2シャフト、75・・・ホルダープレート、76・・・フック、77・・・溝部、78・・・交換用開口部、79・・・垂直線、80・・・中心線、81・・・取付プレート。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特表平5−504633号公報
【特許文献2】特開2002−23535号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラおよびそのローラに対して圧接可能に設けられたローラとで構成される2本のローラのうちの少なくとも一方のローラが、ランプカートリッジを内蔵し、前記ローラがそのローラの軸方向に沿って、また前記ランプカートリッジがそのランプカートリッジの軸方向に沿って交換可能に配置され、
前記ローラと対向するフレームに交換用開口部が形成されている定着装置から、前記ローラを交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト、ならびにランプカートリッジを交換する際に用いるランプ保護部材を備えた定着装置の部品交換補助具であって、
前記ローラ挿抜用案内シャフトとランプ保護部材はともに筒状をしており、
前記ローラ挿抜用案内シャフトは、前記ローラの内側に挿入、固定されて、前記ローラを前記交換用開口部を通して出し入れする際に、前記ローラの案内として機能し、
前記ランプ保護部材は、前記ローラと前記ランプカートリッジの間に挿入されて、前記ランプカートリッジを覆ってそのランプカートリッジと共に前記交換用開口部を通して出し入れでき、
前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納される構造になっていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納する構造が、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか一方に、一方の開口端から軸方向に延びるように切り込んだガイド溝と、そのガイド溝の端部から軸方向と鎖交する方向に延びた係止溝とを有し、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか他方に、前記ガイド溝から係止溝の中を移動する突部を設け、
その突部が前記係止溝内に有るときには、前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフト内にあって抜け止めされており、
前記突部が前記ガイド溝を通ってガイド溝から外れることにより、前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトから抜き出せる構造になっていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項3】
請求項2に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材を内装した前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材の挿入後端部が定着装置よりも外側に突出しており、
なおかつ、前記ランプ保護部材の挿入後端部が前記ローラ挿抜用案内シャフトの挿入後端部よりも更に外側に突出していることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、当該ローラ挿抜用案内シャフトが軸方向に移動するのを阻止するストッパーが設けられていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材の外径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの内径と略同寸になっており、前記ランプ保護部材の挿抜の際に前記ローラ挿抜用案内シャフトがガイドとして機能することを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラの開口端付近の内側に前記開口端を塞ぐローラ蓋を有し、
そのローラ蓋の中心部に前記ローラ挿抜用案内シャフトが貫通する貫通穴を有し、その貫通穴の内径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの外径と略同寸であることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトが金属筒からなり、前記ランプ保護部材が紙筒からなることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラの抜き出し方向先端部側に着脱可能に取り付けられて、前記ローラの抜き出しを支援する支援ユニットを有し、
その支援ユニットは、前記ローラと連結するローラ連結部と、前記ローラを支持するためのハンドル部を有していることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項1】
ローラおよびそのローラに対して圧接可能に設けられたローラとで構成される2本のローラのうちの少なくとも一方のローラが、ランプカートリッジを内蔵し、前記ローラがそのローラの軸方向に沿って、また前記ランプカートリッジがそのランプカートリッジの軸方向に沿って交換可能に配置され、
前記ローラと対向するフレームに交換用開口部が形成されている定着装置から、前記ローラを交換する際に用いるローラ挿抜用案内シャフト、ならびにランプカートリッジを交換する際に用いるランプ保護部材を備えた定着装置の部品交換補助具であって、
前記ローラ挿抜用案内シャフトとランプ保護部材はともに筒状をしており、
前記ローラ挿抜用案内シャフトは、前記ローラの内側に挿入、固定されて、前記ローラを前記交換用開口部を通して出し入れする際に、前記ローラの案内として機能し、
前記ランプ保護部材は、前記ローラと前記ランプカートリッジの間に挿入されて、前記ランプカートリッジを覆ってそのランプカートリッジと共に前記交換用開口部を通して出し入れでき、
前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納される構造になっていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトの内側に着脱可能に収納する構造が、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか一方に、一方の開口端から軸方向に延びるように切り込んだガイド溝と、そのガイド溝の端部から軸方向と鎖交する方向に延びた係止溝とを有し、
前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材いずれか他方に、前記ガイド溝から係止溝の中を移動する突部を設け、
その突部が前記係止溝内に有るときには、前記ランプ保護部材は前記ローラ挿抜用案内シャフト内にあって抜け止めされており、
前記突部が前記ガイド溝を通ってガイド溝から外れることにより、前記ランプ保護部材を前記ローラ挿抜用案内シャフトから抜き出せる構造になっていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項3】
請求項2に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材を内装した前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、前記ローラ挿抜用案内シャフトならびにランプ保護部材の挿入後端部が定着装置よりも外側に突出しており、
なおかつ、前記ランプ保護部材の挿入後端部が前記ローラ挿抜用案内シャフトの挿入後端部よりも更に外側に突出していることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトを定着装置に装着した際、当該ローラ挿抜用案内シャフトが軸方向に移動するのを阻止するストッパーが設けられていることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ランプ保護部材の外径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの内径と略同寸になっており、前記ランプ保護部材の挿抜の際に前記ローラ挿抜用案内シャフトがガイドとして機能することを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラの開口端付近の内側に前記開口端を塞ぐローラ蓋を有し、
そのローラ蓋の中心部に前記ローラ挿抜用案内シャフトが貫通する貫通穴を有し、その貫通穴の内径が前記ローラ挿抜用案内シャフトの外径と略同寸であることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラ挿抜用案内シャフトが金属筒からなり、前記ランプ保護部材が紙筒からなることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の定着装置の部品交換補助具において、
前記ローラの抜き出し方向先端部側に着脱可能に取り付けられて、前記ローラの抜き出しを支援する支援ユニットを有し、
その支援ユニットは、前記ローラと連結するローラ連結部と、前記ローラを支持するためのハンドル部を有していることを特徴とする定着装置の部品交換補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−164204(P2011−164204A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24472(P2010−24472)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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