説明

定量ポンプ装置及び定量ポンプ装置の制御方法

定量ポンプ装置は、ポンプ室(16)と、このポンプ室(16)に隣接して配置されて可動体駆動部(6)によって移動可能な可動体(14)と、可動体駆動部(6)を制御する制御装置(26)とを備える。制御装置(26)は、定量ポンプ装置によって少なくとも所定の基準送出流量を生じさせるために、可動体(14)のストロークが第1の高いストローク速度(n)で開始され、その後に第2の低いストローク速度(n)で継続されるように可動体駆動部(6)を制御するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に記載の定量ポンプ装置、及び、定量ポンプ装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の定量ポンプ装置はポンプ室を備え、このポンプ室の一側は、例えば膜の形態の可動体に隣接している。可動体はポンプ室の容積を変化させることができ、それによってポンプ作用が達成される。可動体の駆動のためには適切な線形駆動部が備えられている。例えば、これは偏心器(カム)を介してピストン棒を直線状に往復運動させるステッピングモータの形態の回転駆動モータである。ポンプ室の入口側及び出口側にはそれぞれ逆止弁が配置されており、これらは吸引ストロークでは送出管路から送出される媒体がポンプ室に逆流するのを阻止し、押圧ストロークでは媒体が送出管路ではなく吸入管路へ押圧されるのを阻止する。
【0003】
例えば毎時ほんの数ミリリットルというきわめて少量の体積量もしくは送出流量の配量の場合には、きわめて緩徐なストローク速度が必要であり、例えば1押圧ストロークには数分、また15分以上も必要とする場合がある。このようなきわめて緩徐なストローク及び送出速度では、力不足のため、弁の迅速な閉鎖が確保されず、これは漏れ損失とともに、ひいては定量精度の悪化をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この問題に鑑みて、本発明の課題は、配量される量がきわめて少ない場合でも高い定量精度を保証する定量ポンプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載された特徴を有する定量ポンプ装置、及び請求項11に記載された特徴を有する定量ポンプ装置の制御方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属クレーム、以下の説明、及び添付の図面から明らかである。
【0006】
本発明による定量ポンプ装置は周知のポンプ室を備え、これに隣接して可動体が配置されている。したがって、可動体はポンプ室の壁を形成し、その移動によってポンプ室の容積を変化させることができる。吸引ストロークではポンプ室の容積は拡大し、押圧ストロークではポンプ室の容積が縮小するように可動体が動かされる。可動体を動かすために可動体駆動部が備えられており、これは、制御装置を介して制御もしくは調節可能である。制御装置を介して、可動体駆動部には特に速度、作動期間、及び運動方向を設定可能であり、配量される体積を可動体の制御を介して調整もしくは調節することができる。
【0007】
好ましくは、可動体駆動部は電気駆動モータ、特にステッピングモータであり、これは、配量される分量及び定量速度を設定値に従って維持するために、きわめて正確に制御されて可動体のストローク長さ及び/又はストローク速度を体系的に調整する。
【0008】
駆動モータはリニアモータ又は回転駆動電気モータであり得、回転運動は適切な伝動手段、例えばクランク駆動部、カム駆動部、偏心器又はスピンドルを介して可動体の直線運動に転換される。駆動モータとしては、ステッピングモータ以外に、例えばECモータ、サーボモータ、又は別の適切な電気駆動モータも用いることができる。
【0009】
本発明によれば、制御装置及び可動体駆動部は、ストローク中、例えば押圧ストロークもしくは吸引ストローク中でも可動体の移動速度が変更できるように構成される。これは可動体駆動部の速度、例えば駆動モータの回転数もしくは回転速度の変更によって行われる。制御装置は、さらに、定量ポンプによって所定の基準送出流量を生じさせるために、可動体駆動部の特殊な運転特性(作動特性)もしくは駆動特性を選択し、可動体駆動部をそれに応じて制御するように構成される。本発明によれば、このような特殊な駆動特性は、可動体のストロークが第1の高いストローク速度で開始され、その後に第2の低いストローク速度で継続されるように構成される。ストロークが高いストローク速度で開始されることによって、送出される媒体もしくは送出される液体にはストロークの初期に強めの衝撃もしくは急速な圧力上昇が与えられ、これが逆止弁の迅速な閉鎖をもたらす。その後、ストローク速度は可動体駆動部の適切な(相応の)制御によって低下し、ストロークの残りは可動体の低いストローク速度もしくは移動速度で遂行される。こうして、ストロークの全体(総ストローク)において、ストロークの初期でのストローク速度が高いにもかかわらず、単位時間当りで少量の体積量しか送出されないようにすることが達成される。したがって、この特殊な駆動特性は、逆止弁の迅速な閉鎖が確実でないという前述の問題を有するきわめて少量の体積流量の送出に特に適している。
【0010】
好ましくは、制御装置は、定量ポンプによって少なくとも所定の送出流量を生じさせるために、可動体の押圧ストロークが第1の高いストローク速度で開始され、その後に第2の低いストローク速度で継続されるように、可動体駆動部、例えば駆動モータを制御するように構成される。これにより、特に少量の送出流量のための押圧ストローク時に吸入チャンネルへの逆止弁が迅速かつ確実に閉鎖されるため、そこでは漏れ損失の発生が皆無又はわずかになるとともに、少量の送出流量でも高い定量精度が達成される。次いで、高いストローク速度による最初の衝撃(パルス)の後、制御装置によって、ストローク速度は、可動体駆動部の速度、すなわち例えば駆動モータの回転数の減少を通じて低下されるため、ストローク時には全体として少量の送出体積流量にしかならない。
【0011】
好ましい実施形態によれば、制御装置が、前述及び後述の特殊な駆動特性を押圧ストロークにおいて実行するように構成される場合でも、制御装置は、代替的に又は追加的に、前述又は後述の特殊な駆動方法を吸引ストロークで実行するようにも構成され得ることが理解される。
【0012】
したがって、好ましくは、制御装置は、所定の限界値よりも少ない送出流量にするために、可動体のストロークが第1の高いストローク速度で開始され、その後に第2の低いストローク速度で継続されるように可動体駆動部を制御するように構成される。正確な限界値は、ポンプ室の構造的形状、及び、特に、用いられる逆止弁の構造的形状に左右される。逆止弁の確実な閉鎖がもはや達成されないような少量の送出体積流量では、前述の可動体の特殊な運転特性が適用され、それに従ってストロークが高いストローク速度で開始され、その後この高いストローク速度に比べて低いストローク速度で継続される。適切な(相応の)所定の限界値が制御装置に設定され、もしくは制御装置の記憶装置に保存される。
【0013】
可動体駆動部のストローク速度の変更は、前述したように、制御装置による適切な制御によって行われるため、可動体駆動部は、制御装置の設定に基づいて、異なる速度もしくは回転数で作動可能である。ステッピングモータを用いる場合には、モータは所定数の個々のステップを所定の時間間隔で実行することができる。時間間隔当りの個々のステップの数は制御装置によって変更可能に設定され、これにより、駆動モータの回転数を変更することができる。
【0014】
さらに好ましくは、制御装置は、第1の高いストローク速度が、基準送出流量に必要とされるストローク速度よりも高速に設定されるように構成される。これによって、通常、基準送出流量に必要なストローク速度で発生する初期の迅速な圧力上昇に比べて大きな、迅速な初期の圧力上昇が、送出される媒体に作用し、これが弁、特に吸入チャンネルにおける弁の確実な閉鎖につながる。これを達成するためには、ストロークの初期に、本来高めの送出流量のためのストローク速度を選択しなければならない。これは後でストローク速度を低下させることによって再び調整され、全体として総ストロークにわたり、ストロークの初期に高めのストローク速度で達成されるよりも低い送出体積流量を達成する。
【0015】
ここで、さらに好ましくは、制御装置は、第2の低いストローク速度が、基準送出流量に必要とされるストローク速度よりも低速に設定されるように構成される。これによって、ストロークの初期に選択された、基準送出流量に必要とされるストローク速度よりも高いストローク速度と共に、平均して総ストロークにわたり基準送出流量を達成することができる。特に好ましくは、制御装置は、第1の高いストローク速度及び第2の低いストローク速度と共に、第1のストローク速度での部分ストロークの期間を、所望の基準送出流量に対応する、総ストロークでの平均の送出流量が達成されるように、所定の基準送出流量に応じて、選択もしくは計算するように構成される。ストローク中、高いストローク速度で作動する期間、及び、高めのストローク速度とそれに対する低めのストローク速度との絶対値は、所定の基準送出体積流量については制御装置の記憶装置に保存可能であり、又は、実際に選択された基準送出体積流量については制御装置にて所定のアルゴリズムに従って計算・更新され得る。また、ストローク中でも体積流量の監視が適切なセンサによって可能であるため、ストローク速度はストローク中でも制御装置によって所定の基準値に調節され得る。
【0016】
好ましい実施形態によれば、総ストロークの2%以上が第1の高いストローク速度で実行される。さらに好ましくは、総ストロークの20%未満が第1の高いストローク速度で実行される。ストロークは最大に可能なストロークである必要はなく、短縮されたストロークであり得る。したがって、これは総ストロークの小さな部分にすぎないため、配量対象の媒体の一定な配量については、ストロークの初期に、高いストローク速度によってわずかに妨げられるのみである。しかし、ストロークの初期にこの高いストローク速度がないと、弁の閉まりが悪いことに起因して、少量の送出体積流量では、望ましくない漏れと、ひいては定量精度の悪化とが生じるであろうから、ストロークの初期の高いストローク速度によって、全体としてより高い定量精度が達成される。
【0017】
第1の高いストローク速度から第2の低いストローク速度へのストローク速度の変更は、急激に行うこともできるが、緩やかに行うこともできる。多くの段階もしくはステップで変更を行うことが可能であり、又は、緩やかに変化する勾配を伴って変更を行うことも可能である。第1の高いストローク速度は、さらに好ましくは、毎分6ストローク以上であり、第2の低めのストローク速度は、好ましくは、毎分6ストロークよりも低い。第1の高いストローク速度は、さらに好ましくは、実質的に吸引ストロークでのストローク速度に対応する。第1の高いストローク速度は第2の低いストローク速度よりも数倍高く、好ましくは、第1の高いストローク速度は第2の低いストローク速度の3倍であり、さらなる好ましい実施形態によれば、5倍又は7倍もしくはそれ以上である。
【0018】
本発明はさらに定量ポンプ装置の制御方法に関し、この方法は、可動体のストロークを、第1の高いストローク速度で開始し、その後に、第2の低いストローク速度で継続するように、可動体のストロークを実行することを含む。ストロークは押圧ストローク又は吸引ストロークであり得る。この方法は、好ましくは、所定の限界値よりも少ない基準送出流量の場合に適用される。その他の点では、この方法は、好ましくは、本発明の定量ポンプ装置の作動についての前述の説明から明らかであるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による定量ポンプ装置を示す断面図である。
【図2】ストローク長さとモータ回転数との関係を表す図であって、少量の送出流量のための本発明による駆動特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を用いて本発明を例示的に説明する。
【0021】
本発明による定量ポンプ装置は駆動部ハウジング2を備え、その前面にはポンプヘッド4が設けられている。駆動部ハウジング2には電気駆動モータ6の形態で可動体駆動部が配置されており、これはステッピングモータとして構成されることが好ましい。駆動モータ6は歯車装置8を介して偏心器(カム)10を駆動する。偏心器10によって、駆動モータ6の回転駆動運動はピストン棒12の直線運動に変換される。ピストン棒12は、ポンプヘッド4内における膜(ダイヤフラム)14の、ストローク軸Xの方向でのストローク運動をひき起こす。膜14はポンプ室(定量室)16の一側に隣接して、ここに可動体を形成し、これによってポンプ室16の容積はポンピングもしくは定量の用途で変更可能である。ポンプ室16は、吸入ポート18及び送出ポート(圧力ポート)20と接続している。ポンプ室16への吸入ポート18用の流路には、吸入チャンネルに直列に2個の逆止弁22が配置されている。それに応じて、ポンプ室16から送出ポート20への流路には、送出チャンネル(圧力チャンネル)に直列に2個の逆止弁24が配置されている。ここではそれぞれ2個の逆止弁22及び24が備えられている。しかし、1個の逆止弁22及び1個の逆止弁24のみを用いる形態であってもよいことが理解されるであろう。
【0022】
モータハウジング2にはさらに制御装置もしくは制御電子装置26が配置されていて、これは操縦及びディスプレイ装置28と接続されており、これを介して、パラメータ、例えば送出流量を設定・調整可能であり、かつ、制御装置26から出力される情報を読取り可能である。例えば操縦及びディスプレイ装置28を介して設定・調整される所定の送出流量は、制御電子装置26によって、対応する駆動モータ6の作動もしくは調節に変換され、これにより、当該駆動モータが、対応する回転数で作動し、膜14が、対応するストローク速度でストローク軸Xの方向に移動する。ストローク長さも制御電子装置26によって、好ましくはステッピングモータとして構成される駆動モータ6の回転角度を介して制御可能である。
【0023】
きわめて少量の送出流量が選択されると、押圧ストロークの初期に吸入チャンネルの逆止弁22が場合によっては直ちに完全に閉鎖しないため、定量精度を損なう漏れ損失に至るという問題が生じる。これを回避するために、制御電子装置26は、制御電子装置26に保存された所定の限界値よりも少ない送出流量の場合には、特殊な駆動特性を用いて、弁22、24を閉鎖させるように構成され、もしくはプログラムされている。対応する限界値は、ポンプヘッド4及び特に逆止弁22及び24の、特性、大きさ、及び特殊な形状に依存する場合がある。この特殊な、以下で述べる駆動特性は、所定の限界値よりも少ない少量の送出流量で用いられ得ることが好ましいが、この駆動特性は別の送出流量でも用いられ得ることが理解される。
【0024】
前述の駆動特性を、図2を用いて詳しく説明する。図2は、押圧ストロークのストローク長さHと駆動モータ6のモータ回転数nとの関係を示す。この図における点30は押圧ストロークの始点を表し、同図における点32は押圧ストロークの終点を表し、ここでは膜14の全ストローク長さHがストローク軸Xの方向で達成されている。特殊な駆動特性に従い、ストロークが、駆動モータ6の高い回転数nで開始される。制御電子装置26は、駆動モータ6がこの回転数で作動するように、当該駆動モータを適切に駆動する。これは、歯車装置8及び偏心器10により、押圧ストロークにおける膜14の、対応する比例の第1の高いストローク速度を生じさせる。高い回転数nに基づく高いストローク速度は、ストロークの初期にポンプ室16内の液体に対して衝撃(パルス)もしくは急激な圧力上昇を与え、すなわち高い圧力を生じさせ、これにより吸入側の逆止弁22の密で確実な閉鎖が生じる。高い回転数nは、押圧ストロークの点34までの、対応するストローク長さに相当する所定の時間、維持される。その後、押圧ストロークは、駆動モータ6の低い回転数nで継続される。したがって、この低い回転数nは、歯車装置8及び偏心器10を介して生じる膜14の低いストローク速度に対応する。この低い回転数nもしくは低いストローク速度は押圧ストロークの終点32まで維持される。膜14の低いストローク速度と比例しているこの低い回転数nも、制御電子装置26による駆動モータ6の適切な(相応の)制御によって設定される。
【0025】
制御電子装置26は、所定の基準回転数nに応じて回転数n及びnを選択する。この基準回転数nは、基準ストローク速度に比例しており、これは、例えば操縦及びディスプレイ装置28での入力によって設定される基準送出流量に比例している。この比例の設定回転数については、この設定回転数で駆動モータ6が駆動されなければならないものであり、この設定回転数は、対応する基準送出流量用の制御電子装置26の記憶装置に保存され得るか、又は制御電子装置26により実際に計算・更新され得る。ここで示した特殊な駆動特性のために、さらに、所定の基準送出流量のために、高い第1のストローク速度に比例して適切に選択される高い回転数n、及び膜14の第2の低いストローク速度に比例する適切に低い駆動回転数nに加えて、高い回転数nでの部分ストロークの期間(持続時間)が保存されている。あるいは、これらの回転数n及びnは、制御電子装置26に保存されたアルゴリズムに基づいて実際に計算・更新され得る。
【0026】
膜14が第1の高いストローク速度で動かされ、もしくは駆動モータ6が第1の高い回転数nで動かされるストローク長さ34もしくは期間と、膜14の第1の高いストローク速度及び第2の低いストローク速度に対応する第1の回転数nの高さ及び第2の回転数nの高さとは、制御電子装置26によって、総ストローク長さ(ストロークの全体の長さ)32にわたり平均してモータ6の基準回転数nに対応する所望の基準送出流量が達成されるように設定・調整される。したがって、平均して、高い初期回転数nにより、総押圧ストローク(押圧ストロークの全体)32にわたって高い体積量が配量されないようにすることが確保される。この体積量は、一定のストローク速度での配量に対して一定のままであり、ここで、当該ストローク速度は、基準回転数nに比例する。また、高いストローク速度、すなわち高い回転数nで実行されるストローク長さ34も、好ましくは総ストローク(ストロークの全体)32の長さと比べて小さくもしくは短く選択されるため、ストロークの初期のきわめて短時間のみに高い送出流量が発生する。しかしこれは総ストローク長さにわたる総送出流量に関してごくわずかであり、逆止弁22及び24の閉まりが改善されているので、結局は高い定量精度につながる。点34は、好ましくは、総押圧ストローク32の2〜20%の範囲内に対応する。
【0027】
前述した例では、押圧ストロークの過程で2つの回転数n及びnしか使用されておらず、回転数は点34で急激に変化している。しかし、回転数を多段階的に又は緩徐に低下させて変更することも可能であろう。総押圧ストロークにわたり多くのさまざまな回転数を使用する場合でも、これらは、これら回転数とこれら回転数に比例するストローク速度とが使用される高さ及び期間に従って、好ましくは、平均して、総ストロークにて所望の基準送出流量が達成されるように、設定・調整される。
【符号の説明】
【0028】
2 駆動部ハウジング
4 ポンプヘッド
6 駆動モータ
8 歯車装置
10 偏心器
12 ピストン棒
14 膜
16 ポンプ室
18 吸入ポート
20 送出ポート
22、24 逆止弁
26 制御電子装置、制御装置
28 操縦及びディスプレイ装置
30 押圧ストロークの始点
32 押圧ストロークの終点
34 押圧ストローク点、高い速度の部分ストロークの終点
X ストローク軸
n モータ回転数
、n 回転数
基準回転数
H ストローク長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室(16)と、該ポンプ室(16)に隣接して配置されて可動体駆動部(6)によって移動可能な可動体(14)と、前記可動体駆動部(6)を制御する制御装置(26)と、を備える定量ポンプ装置であって、
前記制御装置(26)は、前記定量ポンプ装置によって少なくとも所定の基準送出流量を生じさせるために、前記可動体(14)のストロークが第1の高いストローク速度(n)で開始され、その後に第2の低いストローク速度(n)で継続されるように前記可動体駆動部(6)を制御するように構成されることを特徴とする定量ポンプ装置。
【請求項2】
前記制御装置(26)は、前記定量ポンプ装置によって少なくとも所定の送出流量を生じさせるために、前記可動体(14)の押圧ストロークが第1の高いストローク速度(n)で開始され、その後に第2の低いストローク速度(n)で継続されるように前記可動体駆動部(6)を制御するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の定量ポンプ装置。
【請求項3】
前記制御装置(26)は、所定の限界値よりも少ない送出流量にするために、前記可動体(14)のストロークが第1の高いストローク速度(n)で開始され、その後に第2の低いストローク速度(n)で継続されるように、前記可動体駆動部(6)を制御するように構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定量ポンプ装置。
【請求項4】
前記ストローク速度を変更するために、前記可動体駆動部(6)は、前記制御装置(26)の適切な制御によって、異なる回転数(n)又は異なる速度で作動可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項5】
前記可動体駆動部(6)はステッピングモータであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項6】
前記制御装置(26)は、前記第1の高いストローク速度(n)が、基準送出流量に必要とされるストローク速度よりも高速に設定されるように構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項7】
前記制御装置(26)は、前記第2の低いストローク速度(n)が、基準送出流量に必要とされるストローク速度よりも低速に設定されるように構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項8】
前記制御装置(26)は、基準送出流量に対応する、前記ストロークの全体(32)での平均の送出流量が達成されるように、前記第1の高いストローク速度(n)及び前記第2の低いストローク速度(n)と共に前記第1の高いストローク速度(n)での部分ストロークの期間(34)が設定されるように構成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項9】
前記ストロークの全体の2%以上が前記第1の高いストローク速度(n)で実行されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項10】
前記ストロークの全体の20%未満が前記第1の高いストローク速度(n)で実行されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の定量ポンプ装置。
【請求項11】
可動体(14)のストロークを、第1の高いストローク速度(n)で開始し、その後に、第2の低いストローク速度(n)で継続するように、前記可動体(14)のストロークを実行することを特徴とする定量ポンプ装置の制御方法。
【請求項12】
前記方法を、所定の限界値よりも少ない基準送出流量で用いることを特徴とする請求項11に記載の定量ポンプ装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−519830(P2013−519830A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553215(P2012−553215)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000722
【国際公開番号】WO2011/101119
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(507223672)
【氏名又は名称原語表記】GRUNDFOS MANAGEMENT A/S
【Fターム(参考)】