説明

容器集合体

【課題】合成材料の特性の特徴をもちしかも既存の構造を改善する高圧力マイクロ波補助化学反応用の改良された容器を提供することにある。
【解決手段】高圧力マイクロ波補助化学反応用自動密封容器集合体であって、重合体反応シリンダと、該シリンダ用円形重合体キャップと、該キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダとからなり、前記重合体反応シリンダは一端が閉じ、他端が前記キャップを受けるように開いており、前記重合体反応シリンダの開放端はそこから内方に面取りされたリップからなり、前記円形重合体キャップは、該キャップが前記重合体シリンダの上に置かれたときに、前記面取りリップに係合する下方面取り縁を有し、化学反応からの圧力が前記重合体シリンダ内で増加したとき、前記チョークが前記重合体シリンダに対して自動密封機構を与えるように、前記チョーク・シリンダが前記重合体シリンダの内径とほぼ同じ外径を有する、容器集合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波補助化学反応に関し、さらに詳しく言えば、大惨事事故なしに高圧力に耐える反応容器構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波補助化学反応は、化学反応を開始または促進するためにマイクロ波の使用に関係する。マイクロ波補助化学反応は、多くの状況下でマイクロ波放射に応答する材料を加熱するさいに特に有用である。反応が対流または伝導加熱のような多くの従来の技術を用いて開始または促進される場合よりも、合成加熱がより急速に起こる。
マイクロ波補助化学反応は、水分決定、灰化、消化、抽出、その他を含む様々な化学工程に用いられる。いくつかの状況下では、これらの様々な技術は、ガスの発生または膨張のために高圧力に耐えられなければならない密封容器において好ましくまたは必ず実施される。
したがって、高圧力マイクロ波補助化学反応に適した多数の圧力容器が開発されてきた。このような容器は、高圧力に耐えられる構造上の能力を提供するマイクロ波透過材料から代表的にはつくられる。高強度重合体は、これらの材料の代表であり、必要なマイクロ波透過性および耐化学的浸食性を提供する。しかし、これらの材料はもろいので、圧力下での欠陥が容器を急激に破壊し、その内容物を突然放散する傾向がある。
このような容器の構造における最近の進歩は、反応容器の外側部分の1つとして合成スリーブを使用することであった。その合成材は、プラスチック(重合体)層および編地層をいくつか交互に重ねたものからつくられる。この合成材構造においては、他方の材料からは得られない特性を与えることによって、そしていずれかの材料のみからよりは良好な特性を構造体にもたせることによって、材料が互いに相乗的に補完しあう。マイクロ波容器用スリーブの場合、この容器のプラスチック部分は、耐化学性および構造強度を提供する。編地部分は、可撓性および破壊または粉砕せずに形状を変える能力のみならず、追加の強度を提供する。したがって、プラスチック編地組成容器が圧力の下で故障した場合に、それらはむしろ緩やかに故障する傾向がある。異なった言い方をすれば、圧力容器がガスを保持するように構成されていたとしても、圧力容器は高圧力条件を満たす強度を提供しない。代案として、エンジニアリングレジンおよびその他の材料は、高圧に耐えることはできるが、粉砕によって故障する傾向にある。しかし、合成構造体に一緒に用いられる場合には、粉砕を防止しながら、その組合せが容器に高圧を維持するための強度を与える。
このような合成編地容器のバージョンは、例えば、米国特許第5,427,741号および同第5,520,886号に開示されている。両特許は、本発明に共に譲渡されている。別のバージョンは、出願中の譲渡された1998年4月20日付け米国特許出願第09/062,858号に述べられている。その内容は、全体的にここで参考として組み込まれる(’858出願)。
合成圧力容器はそれらの長所のためにより広く用いられるようになったので、改善されうる特定の特徴がより明らかになった。特に、例えば、出願中の’858出願に示された容器構造を考えたとき、織られた編地ヤーンの可撓性は、容器が高圧にさらされた場合にそれがわずかにゆがむような傾向になっている。容器の特徴は、圧力が除去されるか解除された後でさえも、容器がゆがんだままになるようになっている。「ゆがみ」によって、非常にわずかな形状変化、ときには0.001in程度、のみが起きることが理解されるであろう。それにもかかわらず、ガスと共に処理したとき、このような寸法変化は、容器が高圧の下で有効なシールを維持することを防止するのに十分である。
さらに、’858出願に示す容器においては、容器の反応部分用蓋は、平面対平面接触構造(例えば、その図2および4)を用いた容器の頂部に密着される。合成スリーブのわずかな可撓性の場合におけるように、平面対平面接触からのわずかなずれがガスを逃がすことになる。ある場合には、このような自動通気が望ましいこともあり、所望の圧力限度内に反応を維持する助けにもなる。しかし、その他の場合においては、故意でない通気がガス(試液を含む)を解放し、意図した反応が起こることを防止する。
したがって、保護合成スリーブの利点を取り入れるが、現在の容器の特性を改善し、かつ、ゆがみまたは漏れの可能性を減じる圧力容器の要請が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,427,741号明細書
【特許文献2】米国特許第5,520,886号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、合成材料の特性の特徴をもちしかも既存の構造を改善する高圧力マイクロ波補助化学反応用の改良された容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の実施例に係る高圧力マイクロ波補助化学反応用自動密封容器集合体は、重合体反応シリンダと、該シリンダ用円形重合体キャップと、該キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダとからなり、前記重合体反応シリンダは一端が閉じ、他端が前記キャップを受けるように開いており、前記重合体反応シリンダの開放端はそこから内方に面取りされたリップからなり、前記円形重合体キャップは、該キャップが前記重合体シリンダの上に置かれたときに、前記面取りリップに係合する下方面取り縁を有し、化学反応からの圧力が前記重合体シリンダ内で増加したとき、前記チョークが前記重合体シリンダに対して自動密封機構を与えるように、前記チョーク・シリンダが前記重合体シリンダの内径とほぼ同じ外径を有する。
好ましくは、前記キャップおよび前記シリンダはフッ素処理された炭化水素からなる。
また好ましくは、支持フレームからさらになり、圧力が前記容器の内側に発生されたとき前記蓋が前記シリンダからずれないようにするために、前記フレームは前記シリンダにそいかつ該シリンダの閉鎖端を横断して延びている。
また好ましくは、前記フレームは、前記蓋を前記シリンダに押し付ける調節自在締付け手段からなる。
また好ましくは、前記締付け手段は、前記フレーム内にあるネジ付き開口と、該ネジ付き開口にあるボルトとからなる。
本発明の他の実施例に係る高圧力マイクロ波補助化学反応用自動密封容器集合体は、重合体シリンダと、該シリンダ用円形重合体キャップと、該キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダと、前記重合体シリンダを包囲する合成スリーブと、支持フレームとからなり、前記重合体シリンダは一端が閉じ、他端が前記キャップを受けるように開いており、前記重合体シリンダの開放端はそこから内方に面取りされたリップからなり、前記円形重合体キャップは、該キャップが前記重合体シリンダの上に置かれたときに、前記面取りリップに係合する下方面取り縁を有し、前記合成スリーブは、巻線がフィラメントおよびヤーンからなる群から選択された少なくとも1つの巻線層を含み、圧力が前記容器の内側に発生したとき、前記蓋が前記シリンダからずれないようにするために前記シリンダにそいかつ前記蓋および該シリンダの閉鎖端を横断して、前記フレームが延びている。
好ましくは、前記キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダからさらになり、該チョーク・シリンダは、化学反応から発生する圧力が前記重合体シリンダ内で増加するとき、チョークが前記重合体シリンダに対して自動密封機構を与えるように、前記重合体シリンダの内径とほぼ同じ外径を有する。
また好ましくは、前記フレームは、前記キャップに隣接した該フレーム内にあるネジ付き開口と、該ネジ付き開口内で締め付けられたとき、前記キャップを受ける該ネジ付き開口内にあるボルトとからなる。
また好ましくは、前記キャップおよび前記シリンダはフッ素処理された炭化水素からなる。
また好ましくは、マイクロ波透過内側シリンダ重合体層と、巻線がフィラメントおよびヤーンからなる群から選択された前記内側シリンダ重合体層に隣接しかつ同心の第1マイクロ波透過巻線層と、該巻線層にある構造重合体層と、マイクロ波透過外側重合体層とからなる。
また好ましくは、前記第1巻線層と前記外側重合体層との間の構造重合体および織物の複数対隣接同心層からさらになる。
また好ましくは、前記複数対隣接同心層の前記織物層は、織られた編地、編まれた編地、不織編地、ニット編み編地からなる群から選択されている。
また好ましくは、前記複数対隣接同心層の前記織物層は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択されている。
また好ましくは、前記内側重合体層および前記外側重合体層は、テトラフルオロエチレン・ポリマからなる。
また好ましくは、前記シリンダの内側でおよび前記キャップに対して作用する圧力において前記フレームの撓みが前記キャップを前記シリンダから離しかつ内部圧力を開放するように、前記フレームは前記圧力によって発生された所定の力の下で撓む。
また好ましくは、マイクロ波放射源と、該放射源にマイクロ波連通した空所と、該空所内にある上述した複数の容器とからなる、マイクロ波補助化学反応用装置。
また好ましくは、前記放射源が、マグネトロン、クリストロン、固体素子、スイッチング電源からなる群から選択されている。
また好ましくは、前記放射源と前記空所との間に波案内をさらに有する。
本発明は、マイクロ波透過容器用保護合成スリーブによってこの目的に合致する。そのスリーブは、マイクロ波透過内側シリンダ重合体層と、内側シリンダ重合体層に隣接しかつ同心の第1マイクロ波透過巻線層とからなる。その第1マイクロ波透過巻線層において、巻線は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択される。マイクロ波透過外側重合体層は、基本的なスリーブ構造を完成する。
別の観点においては、本発明はスリーブがつくられる合成材料からなる。
さらに別の観点においては、本発明は、合成スリーブを組み入れたマイクロ波補助化学反応用圧力容器集合体からなる。
【発明の効果】
【0006】
正規の基礎にマイクロ波補助化学反応を用いる者によって認められているように、ここに記載した容器集合体は代表的なものであり、多くの場合には、マイクロ波放射源、それにマイクロ波連通した空所(共振器)、空所にあるここに記載した形式の複数の反応容器からなるマイクロ波補助化学反応用装置に用いられる。多くの場合には、容器は、空所において確立されたマイクロ波パターンをかいしてわずかに容器を動かすことを助ける往復ターンテーブルに置かれる。マグネトロンは、それらの入手可能性、信頼性、費用の有効性のためにこのような装置の源として代表的に用いられる。クライストロン、固体源、またはスイッチング電源(コンバータまたはインバータ)のようなその他の源が、例えば、発明の名称「マイクロ波補助化学反応における連続可変電源の使用」として1998年4月21日付け米国特許出願第09/063,545号に記載されたものと組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明にもとづくマイクロ波補助化学反応用圧力容器の実施例の斜視図である。
【図2】図1の2−2線にそってみた圧力容器およびそのフレームの断面図である。
【図3】本発明にもとづく圧力容器の内側ライナおよび蓋部分の拡大分解部分図である。
【図4】本発明にもとづく合成材スリーブ、容器ライナ、およびその蓋の分解斜視図である。
【図5】本発明にもとづく合成材スリーブの部分破断斜視図である。
【図6】図5の6−6線からみた断面図であって、スリーブを形成するように用いられる合成材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、図1の斜視図において10で示されている高圧力マイクロ波透過補助化学反応用自動密封容器集合体である。容器集合体10は、図4、5、6に詳細に示す保護合成スリーブ11を含む。スリーブ11は、マイクロ波透過重合体反応シリンダ12(例えば、図3、4)およびシリンダ12用円形重合体キャップ13を包囲する。本発明はここではシリンダ容器およびスリーブの用語で記載されているが、また、これらは代表的には最も好ましく、製造および使用に便利ではあるが、多角形のようなその他の形状が、シリンダの構造上の完全性を提供する限り、使用されてもよいことは理解されるであろう。
容器集合体10はフレーム14をさらに含む。フレーム14には、合成スリーブ11、反応シリンダ12、キャップ13が構造支持円板15と共に嵌合する。反応シリンダ12が強度よりも化学的不活性に合わせられるように、構造支持円板15が補強の目的で含められる。フレーム14は、キャップ13に対して締め付けられるボルト17を受けるネジ切り開口16(図2)を含む。使用のさいには、ボルト17は低圧力でキャップ13を固定し、他方、キャップ13自体は、ここでさらに詳細に述べるように、高圧力で自動密封機構を伴って開口を固定することを助ける。高圧力操作のために、キャップ13およびボルト17は、キャップ13の追加の強度を加える構造円板(図示せず)と組み合わされてしばしば用いられる。キャップ13の材料は、代表的には化学的抵抗性のあるものから選ばれる。
上述した’858出願において述べたように、フレーム14の一目的は、容器が他の(高)圧力において通気するように(フレームの撓みのような)、特定の圧力において容器を密封状態に維持することである。フレームの設計および材料は、したがってこの目的のために選択される。
図2、3、4に示すように、反応シリンダ12は一端で閉じられ、他端でキャップ13を受けるように開放されている。反応シリンダ12は、開放端から内方に面取りされたリップ13からなり、また、キャップ13は、それがシリンダ12に置かれたときに面取りリップ20に係合する面取り下方縁21を有する。特定の実施例においては、キャップ13は、面取り下方縁21から下がるチョーク・シリンダ22からさらになる。チョーク・シリンダ22は、マイクロ波補助化学反応からの圧力がシリンダ12内で増加したとき、チヨーク・シリンダ22がシリンダ12に対して自動密封機構を与えるように、重合体シリンダ12の内径とほぼ同じ外径を有する。チヨーク・シリンダ22と共にキャップ13に対してボルト17の使用が、反応シリンダ12を高低圧力において密封されるように維持する。ボルト17は低圧力でキャップ13を固定状態に維持し、他方、高圧力において付属チヨーク・シリンダ22の内壁に対してガスによって発生された圧力が、意図された圧力でまったく有効に容器を密封するように、反応容器12の内周に内壁を押し付ける。
その他の実施例においては、’858出願において述べたように、チヨーク・シリンダ22が省略される。これらの実施例においては、キャップ13が特定の圧力において容器12からしばらくの間離れるように、フレームが特定の圧力において撓むように設計される。このようにして、フレームが容器12に対して最初の向きに集合体を戻すので、集合体は圧力を解放し、直ちにそれ自体を再密封する。上述したように、フレームの構造設計は、フレームがキャップを開く圧力を決定するように選択される。
反応シリンダ12およびキャップ13は、容器集合体10におけるその他のすべての材料と共に、マイクロ波透過材料からつくられ、また、好適実施例においては反応シリンダ12およびキャップ13は、TEFLON(登録商標)として市販されているポリテトラフルオロエチレンのような重合フッ化炭化水素からつくられる。
マイクロ波透過、化学的不活性、構造的に妥当な重合体として知られているものは、これらの特性に合致するその他の重合体が容器およびキャップとして使用されかつ不適切な実験をせずに選択されうることを認識するであろう。例えば、フルオロポリマおよびその他の材料は、米国特許第5,520,886号の第5コラム、第17−55行にも記載されている。米国特許第5,520,886号は、ここに完全に参考として組み入れられる。
図1および2に示すように、支持フレーム14は、容器内に発生された圧力が所望の解放点に達するまで、蓋13がシリンダからずれないようにシリンダの閉鎖端を横切るばかりではなく、蓋13を横切って反応シリンダ12および合成スリーブ11の長手方向にそって延びている。
反応シリンダ12の面取りリップ20およびキャップ13の面取り縁21は、平面状で互いに単純に支持する平面よりもこの種の容器装置においてより有効な密封を形成する。面取りリップ20および面取り縁21の使用は、蓋13および反応シリンダ12間の面接触面積を非常に増加し、ガス圧力がシリンダ12内で増加するときに、全体の容器集合体が経験する様々な応力の下でより十分な密封を与える。
さらに、改良された合成スリーブによって与えられた構造上の安定性は、面取りチョーク・キャップ13が、耐久性を増すばかりではなく、さもなければなるであろう有効性を面取りチョーク・キャップ13に与える。
好適実施例においては、合成スリーブ11は、マイクロ波透過内側シリンダ重合体層23と、それに隣接しかつ同心の第1マイクロ波透過巻線層24と、マイクロ波透過外側重合体層25とからなる。第1マイクロ波透過巻線層24において巻線(図5)は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択される。
本発明によれば、フィラメントまたはヤーンが編まれるか、ニット編みされるか、不織である少なくとも1つの(たぶんいくつかの)織物層を組み込むことが、編地層が例えば、織られた合成スリーブによる場合よりも多くの動作サイクルに対してスリーブ11の構造上の完全性を維持することがわかった。特に、巻線が張力下でつくられた場合に、巻線が高圧力にさらされても影響を受けずに留まっている格別な強い構造形体を形成することがわかった。このことは、巻線が容器12の内側の半径方向力に対して直接に円周方向になり、ガスが内側シリンダ12に対して圧力を発生するときにスリーブ11全体にわたって伝達される結果をもたらすように見える。ここに使用されている「織物」という用語は、繊維、フィラメント、ヤーン、編地を含む。例えば、Hoechst Celanese Dictionary of Fiber & Textile Technology (1990 Hoechst Celanese Corporation)の第157ページ参照。このようにして、フィラメントまたはヤーンの層は、織られた、不織の、ニット編み、または編まれた編地と同様に織物層として適正にここでは呼ばれる。
圧力下で一般に要求される強度上の利点を得るために、合成スリーブ11は、巻線層24と外側重合体層25との間に少なくとも1つの構造重合体層26からさらになることが好ましい。好適実施例においては、構造重合体層26は、最も好ましいポリイミドのような材料をもつエンジニアリングレジンである。内側層23および外側層25は、化学的不活性のために代表的に選択され、ポリテトラフルオロエチレンまたはその他の一般的な活性重合体材料からしばしばつくられる。適切なエンジニアリングレジンは、当業者にとっては周知であり、不適切な実験をせずに選択され、製造される。代表的な樹脂は、米国特許第5,520,886号の第6コラム、第10−40行、あるいはLewis, Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 12th Editionの第464−65ページ(「工業材料」)に記載されている。
図6に示すように、最も好適な実施例においては、合成スリーブ11は、巻線層24および外側重合体層25に加えて、構造重合体および編地の複数対の隣接同心層からさらになる。図6は、好適エンジニアリングレジンの3つの追加編地層27、30、31および2つの追加層32、33を示す。
編地層27、30、31は層24と同様に巻かれるか、あるいは代案として、1つの巻線層によって与えられる強度上の利点のために、追加の編地層は合成スリーブにおいて前に用いられた、織られた、不織の、編まれた、もしくはニット編みされた編地からなる。このようにして、少なくとも1つ(たぶん、いくつかの)および潜在的にすべての編地層が巻かれることが理解されるであろう。
図示した実施例は最内織物層として巻線層24を示すけれども、単巻線層が組み込まれた場合には、それは最内織物層、最外織物層または1またはそれを超える層からなることは理解されるであろう。さらに、織物層は、巻線層上の巻線層および(特別の好適な実施例においては)巻線層(またはその他の編地層)上の巻線層を含む互いに隣接して直接に定置される。
層24をつくるために用いられる巻線は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択される。TEFLON(登録商標)被覆ヤーンが現在最も好適である。その他のヤーンまたはフィラメントは、それらがマイクロ波透過、化学反応不活性、適度な強度の要求された特性をもつ場合に、使用されうる。
したがって、別の観点において、本発明は、マイクロ波透過構造媒体に固定されたマイクロ波透過巻線編地からなる保護合成スリーブ材料自体からなる。巻線層は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択される。前述した実施例におけるように、構造媒体は第1重合体、好ましくはポリイミドのようなエンジニアリングレジンであることが好ましい。内外層は、化学反応不活性について選択され、好ましくはポリテトラフルオロエチレンからなる。その材料は、多くの対の追加構造重合体および追加構造織物層を含むことができる(合計4または5の織物(巻線層を含む)が最も好ましい)。
図5、6に示す合成スリーブは、ここに記載した一例の最終構造を達成するのに適した仕方で形成されてもよい。好適技術においては、TEFLON(登録商標)テープが、合成スリーブの所望の内径と同じ直径を有するマンドレル(好ましくは、表面硬化アルミニューム)に巻き付けられる。適正に巻き付けられたとき、TEFLON(登録商標)テープが、マンドレル上にシリンダを形成する。
次の工程において、ヤーンまたはフィラメントが互いに密に隣接して張力をかけてTEFLON(登録商標)テープに巻き付けられる。ヤーンは、所望の端構造体に付属して単独または多数回(すなわち、巻付け層の上に巻付け層を形成するように)に巻き付けられる。ヤーン層は、所望のエンジニアリングレジンのテープによって巻き付けられる(すなわち、被覆される)。
次に、好適な実施例においては、編まれたファイバーグラス編地がマンドレル上のエンジニアリングレジン・テープの層上にソックスとして加えられる。加えられる前に、ファイバーグラス・ソックスは、マイクロ波技術を用いて加熱処理されて、最終合成スリーブにおいてマイクロ波放射に応答する炭素またはその他の不純物を除去する。上述したように、引き続く編地層は第1編地層のように織られるよりはむしろ交互に織られる。
さらに、必要ならば、2またはそれを超える巻線層が互いに隣接するか、または巻線層がいかなる重合体層なしに織られた(またはその他の編地)層に隣接する。
エンジニアリングレジン・テープおよび編地または巻線の追加の層が、各層の所望数の層を得るために同様に追加される。
次々と最終工程まで、TEFLONN(登録商標)テープの別の層が編地の最外層に巻き付けられる。最終巻線工程として、熱収縮テープがマンドレルにシリンダ前駆材料の最外被覆に巻き付けられる。マンドレルおよび巻線ソックス式層が、樹脂を溶かすために適切な温度(好適な実施例においては、325℃に約40分間)加熱される。同時に、テープは、それに追加の構造強度を与える全体構造に圧縮力を加える熱の影響下で収縮する。
加熱工程後、マンドレルおよび包囲材料dが冷却され、その後スリーブがマンドレルから取り外され、ここに記載された容器と共に使用する適切な長さに切断される。
【符号の説明】
【0009】
10 容器集合体
11 合成スリーブ
12 反応シリンダ
13 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧力マイクロ波補助化学反応用自動密封容器集合体であって、重合体反応シリンダと、該シリンダ用円形重合体キャップと、該キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダとからなり、前記重合体反応シリンダは一端が閉じ、他端が前記キャップを受けるように開いており、前記重合体反応シリンダの開放端はそこから内方に面取りされたリップからなり、前記円形重合体キャップは、該キャップが前記重合体シリンダの上に置かれたときに、前記面取りリップに係合する下方面取り縁を有し、化学反応からの圧力が前記重合体シリンダ内で増加したとき、前記チョークが前記重合体シリンダに対して自動密封機構を与えるように、前記チョーク・シリンダが前記重合体シリンダの内径とほぼ同じ外径を有する、容器集合体。
【請求項2】
前記キャップおよび前記シリンダはフッ素処理された炭化水素からなる、請求項1に記載の容器集合体。
【請求項3】
支持フレームからさらになり、圧力が前記容器の内側に発生されたとき前記蓋が前記シリンダからずれないようにするために、前記フレームは前記シリンダにそいかつ該シリンダの閉鎖端を横断して延びている、請求項1に記載の容器集合体。
【請求項4】
前記フレームは、前記蓋を前記シリンダに押し付ける調節自在締付け手段からなる、請求項3に記載の容器集合体。
【請求項5】
前記締付け手段は、前記フレーム内にあるネジ付き開口と、該ネジ付き開口にあるボルトとからなる、請求項4に記載の容器集合体。
【請求項6】
高圧力マイクロ波補助化学反応用自動密封容器集合体であって、重合体シリンダと、該シリンダ用円形重合体キャップと、該キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダと、前記重合体シリンダを包囲する合成スリーブと、支持フレームとからなり、前記重合体シリンダは一端が閉じ、他端が前記キャップを受けるように開いており、前記重合体シリンダの開放端はそこから内方に面取りされたリップからなり、前記円形重合体キャップは、該キャップが前記重合体シリンダの上に置かれたときに、前記面取りリップに係合する下方面取り縁を有し、前記合成スリーブは、巻線がフィラメントおよびヤーンからなる群から選択された少なくとも1つの巻線層を含み、圧力が前記容器の内側に発生したとき、前記蓋が前記シリンダからずれないようにするために前記シリンダにそいかつ前記蓋および該シリンダの閉鎖端を横断して、前記フレームが延びている、容器集合体。
【請求項7】
前記キャップの下方面取り縁から下がるチョーク・シリンダからさらになり、該チョーク・シリンダは、化学反応から発生する圧力が前記重合体シリンダ内で増加するとき、チョークが前記重合体シリンダに対して自動密封機構を与えるように、前記重合体シリンダの内径とほぼ同じ外径を有する、請求項6に記載の容器集合体。
【請求項8】
前記フレームは、前記キャップに隣接した該フレーム内にあるネジ付き開口と、該ネジ付き開口内で締め付けられたとき、前記キャップを受ける該ネジ付き開口内にあるボルトとからなる、請求項6に記載の容器集合体。
【請求項9】
前記キャップおよび前記シリンダはフッ素処理された炭化水素からなる、請求項6に記載の容器集合体。
【請求項10】
マイクロ波透過内側シリンダ重合体層と、巻線がフィラメントおよびヤーンからなる群から選択された前記内側シリンダ重合体層に隣接しかつ同心の第1マイクロ波透過巻線層と、該巻線層にある構造重合体層と、マイクロ波透過外側重合体層とからなる、請求項6に記載の容器集合体。
【請求項11】
前記第1巻線層と前記外側重合体層との間の構造重合体および織物の複数対隣接同心層からさらになる、請求項10に記載の容器集合体。
【請求項12】
前記複数対隣接同心層の前記織物層は、織られた編地、編まれた編地、不織編地、ニット編み編地からなる群から選択された、請求項11に記載の容器集合体。
【請求項13】
前記複数対隣接同心層の前記織物層は、フィラメントおよびヤーンからなる群から選択された、請求項11に記載の容器集合体。
【請求項14】
前記内側重合体層および前記外側重合体層は、テトラフルオロエチレン・ポリマからなる、請求項10に記載の容器集合体。
【請求項15】
前記シリンダの内側でおよび前記キャップに対して作用する圧力において前記フレームの撓みが前記キャップを前記シリンダから離しかつ内部圧力を開放するように、前記フレームは前記圧力によって発生された所定の力の下で撓む、請求項6に記載の容器集合体。
【請求項16】
マイクロ波放射源と、該放射源にマイクロ波連通した空所と、該空所内にある請求項6に記載の複数の容器とからなる、マイクロ波補助化学反応用装置。
【請求項17】
前記放射源が、マグネトロン、クリストロン、固体素子、スイッチング電源からなる群から選択された、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記放射源と前記空所との間に波案内をさらに有する、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−234369(P2010−234369A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113981(P2010−113981)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【分割の表示】特願2000−602382(P2000−602382)の分割
【原出願日】平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願人】(500119569)シーイーエム・コーポレーション (16)
【Fターム(参考)】