対物光学系
【課題】内視鏡下での顕微観察が可能な拡大倍率を実現し、高精細な撮像素子に対応した高性能な撮像光学系。
【解決手段】少なくとも物体側から順に、正の第1群G1、第2群G2、第3群G3を有し、物点距離の変化に対し少なくとも第2群G2を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、最至近合焦時の光学倍率βの条件式を満足する。
【解決手段】少なくとも物体側から順に、正の第1群G1、第2群G2、第3群G3を有し、物点距離の変化に対し少なくとも第2群G2を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、最至近合焦時の光学倍率βの条件式を満足する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物光学系に関し、特に、合焦機能を有する対物に関するものであり、例えば、近接拡大観察可能な内視鏡対物レンズ、又は、マクロ撮影が可能なデジタルカメラやビデオカメラ、民生用の小型カメラ等の撮影レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療用内視鏡の分野では、病変の精密診断を行うために近接拡大観察が可能な光学系の要求が強まっている。このような拡大内視鏡対物レンズとして、正負正3群で構成され、負の第2群が動いて近点に合焦を行うタイプのものが、特許文献1から3に開示されている。また、負正負の3群で構成され、正の第2群が動いて合焦を行うタイプのものが、特許文献4に開示されている。
【0003】
また、診断の精度を向上させるために、内視鏡画像の高画質化が求められており、従来よりも高画素の撮像素子が採用されはじめている。このため、撮像素子の高画素化に対応した高性能な撮像光学系が必要になっている。
【0004】
一方、内視鏡下で病変部等の生体組織を診断するに際し、内視鏡下で病変部等の部位を顕微鏡下と同等程度の観察レベルまで近接拡大観察ができる、超拡大観察(顕微観察)の光学系の要求も高まってきている。このような内視鏡観察の延長で細胞観察等のための顕微観察ができる内視鏡対物光学系が、特許文献5から8等に開示されている。
【0005】
従来では、生体組織を顕微観察するためには内視鏡観察によって病変部を特定した後、生検によって細胞の一部を体外に取り出し顕微鏡によって観察するしかなかった。しかし、上記提案によれば、内視鏡観察の延長で、しかも、体内中で細胞観察ができるというメリットがある。
【0006】
また、デジタルカメラや、ビデオカメラ等の民生品分野の光学系でも、マクロ撮影等の高倍率化と小型化が望まれている。
【特許文献1】特公昭61−44283号公報
【特許文献2】特開平6−317744号公報
【特許文献3】特開平11−316339号公報
【特許文献4】特開2000−267002号公報
【特許文献5】特開2004−313769号公報
【特許文献6】特開2004−313772号公報
【特許文献7】特開2007−233036号公報
【特許文献8】特開2007−260305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の中、特許文献2から4、又は、7に記載の光学系は、最近接拡大観察時の倍率が顕微観察ができる程高くない。
【0008】
特許文献1には、高倍率な拡大内視鏡対物レンズが提案されているが、通常観察時の視野が狭く、病変部を発見するために生体内をスクリーニングしたり、病変部に処置を施す等の作業が困難なため、実用上問題が生じる。また、光学性能があまり良くなく拡大観察時の物体分解能の面で物足りない。
【0009】
特許文献5、6で提案されている顕微観察用の光学系は、倍率が固定で近接拡大観察のみが可能な光学系であるため、通常の内視鏡的な観察を行う光学系とは別体に設けられている。
【0010】
実際に顕微観察する際は、顕微観察用光学系モジュールをスコープの処置具挿通チャンネルを通して被写体まで導かなければならない。そのため、内視鏡的観察から顕微観察に切り替える際にパララックスが生じ、見ている範囲を特定するのが難しくなる。さらに、顕微観察用の光学系は細径のため、観察したい部位に固定するのが困難である。このため、この顕微観察が可能なスコープは熟練した観察技術を要する特定の医師にしか使用されていない。
【0011】
顕微観察時のスコープの安定感を得るため、処置具チャンネルとは別に、二つの光学系を一つの内視鏡にレイアウトすることも可能となるが、二本のスコープを一つにまとめたものと同等となり、特に外径の大型化を招き患者の負担は非常に大きなものとなる。
【0012】
上記問題点を鑑み、特許文献7の一部、また、特許文献8に、内視鏡的な通常観察から顕微観察を行う近接拡大観察まで一つの光学系で対応が可能な対物光学系が提案されている。特許文献7に開示されている光学系は、最近点での最大倍率が低めであり顕微観察には物足りない。そのため、モニターでの観察を想定した場合、十分な倍率を得るには電子拡大を併用しなければならず、観察倍率は大きくなるものの、画像の解像度が低くなり画質劣化を招く恐れがある。
【0013】
特許文献8に開示されている光学系は、最大倍率は十分であるものの、二つの群が動くことによって合焦している。そのため、複雑な構成の駆動機構を搭載する必要があり大型化の要因となる。また、可動レンズ群がそれぞれ全く独立に動くので、レンズ制御が難しくなるという欠点もある。
【0014】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内視鏡下での顕微観察が可能な拡大倍率を実現し、高精細な撮像素子に対応した高性能な撮像光学系を提供することである。また、別の目的は、小型のCCDに対応したデジタルカメラや携帯電話用カメラにおいて高倍率撮影が可能なマクロレンズ等にも適用可能な光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とするものである。
【0016】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0017】
以下、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0018】
通常の内視鏡観察から顕微観察までを1つの光学系で可能とするため、複数のレンズ群で構成すると共に、その複数のレンズ群の少なくとも1つが光軸上を移動することによって、通常の内視鏡観察から顕微観察を行う最至近物点における近接観察状態まで合焦を行えるように構成され、十分な顕微観察を行うための最近接時の最大倍率βは、条件式(1)を満足することが必要である。
【0019】
このような倍率を得られるレンズ構成としての第2の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0020】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0021】
例えば、生体組織に発生した病変を細胞レベルで観察し、細胞配列の乱れ、細胞核の異常な肥厚、細胞核を取り巻く毛細血管の異常な増殖等、正常細胞が癌化するときに特異的に現れる現象の観察を可能とするには、最至近合焦時において少なくとも条件式(1)を満たし、数10μmから数100μm四方の視野範囲において顕微観察に必要な分解能を確保することが必須となる。
【0022】
本発明の対物光学系を、高画素化された撮像素子と組み合わせた場合、条件式(1)を満たす光学系は、数μmから数10μmの分解能が得られる。19インチモニターに画像を表示して観察する場合を考えると、200〜500倍程度の倍率が得られ、細胞レベルでの観察が可能となる。これにより、細胞配列の乱れ、細胞核の異常な肥厚、細胞核を取り巻く毛細血管の異常な増殖等、正常細胞が癌化するときに特異的に現れる現象を観察することが可能になる。
【0023】
条件式(1)を満足しないで|β|が1.8以下の場合、光学系で足りない倍率を電子ズーム等の電気的補正手段を用いて補うことも考えられるが、収差補正が高精度でなされている場合を除いては、画質が劣化してしまうため、病変の診断に利用する画像として好ましくない。
【0024】
このような顕微観察は、内視鏡先端部を観察したい部位に固定し接触させて観察するのが望ましい。非常に狭い範囲を高倍率で観察するため、生体組織に押し当てるようにすることでブレを防ぎ、安定した画像が得られる。
【0025】
また、本発明の第3の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0026】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0027】
また、本発明の第4の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0028】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0029】
上記、第3、第4の発明の対物光学系は、正負正の3群で構成され、負の第2群を対物光学系の光軸方向に動かすことによって合焦を行っている。第2群を負の屈折力を有するレンズとし、その近傍に明るさ絞りを配置することで、可動レンズの外径を小型化することができる。このため、可動レンズを光軸方向に動かすための機構(例えば、可動レンズを保持するレンズ枠に接続され、そのレンズ枠に駆動力を与えるアクチュエーター等)を可動レンズの周囲に容易に配置することが可能になる。また、レンズの重量も小さくできるため、可動レンズを動かす機構にかかる負荷を低減することができる。
【0030】
上記第3の発明にある条件式(2)は、第1群の焦点距離に関するものである。
【0031】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
ただし、f:通常観察時の全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0032】
条件式(2)の下限の0.7を越えると、像面湾曲が大きく発生し、通常観察状態で像面がマイナスとなり好ましくない。上限の1.0を越えると、全長が大きくなり、大型化を招くことになる。特に内視鏡の場合、撮像光学系の全長が長くなることは、すなわち内視鏡先端硬質部(湾曲しない部分)の長さが長くなることを意味するので、内視鏡を患者の体内に挿入するときの患者の負担が大きくなり好ましくない。
【0033】
条件式(2)は、下記条件式(2’)のように上限を限定するとさらによい。
【0034】
0.7<f1 /f<0.95 ・・・(2’)
全長に関しては、条件式(2)の範囲であることが望ましいが、本発明の対物光学系を内視鏡に搭載るためには上限を条件式(2’)の範囲まで限定するとさらに望ましい。
【0035】
同様に、第3の発明にある条件式(3)は、第2群と第1群の焦点距離の比であり、球面収差と色収差補正に関する条件式である。
【0036】
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0037】
条件式(3)の範囲を越えると、倍率の色収差補正ができず画質劣化を招く。下限の1.62を越えて第2群の焦点距離が第1群の焦点距離に比べて相対的に小さくなりすぎると、Cラインがアンダー、Fラインがオーバーになり、条件式(3)の上限の2.75を越えて第2群の焦点距離が相対的に大きくなると、逆にCラインがオーバー、Fラインがアンダーになりすぎ好ましくない。また、条件式(3)の下限を越えた場合、球面収差と
軸上色収差にも影響が出てくる。このとき、球面収差はアンダーに、特に最近接観察時に大きく傾く。また、軸上色収差は、Fラインが補正過剰となり好ましくない。また、コマ収差についても補正困難となり好ましくない。
【0038】
上記第4の発明にある条件式(4)は、第1群と第3群の焦点距離の比であり、色収差補正と像面湾曲補正に関するものである。
【0039】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0040】
条件式(4)の範囲を越えると、通常観察時と最近接観察時において像面の変動が大きくなるため好ましくない。下限の0.25を越えると、像面湾曲が通常観察時にオーバー、最近接観察時にアンダーとなる。また、上限の0.45を越えると、逆に通常観察時にアンダー、最近接観察点時にオーバーとなる。
【0041】
また、条件式(4)の上限を越えた場合、倍率色収差補正が困難となり、Cラインがアンダーに、Fラインがオーバーになりすぎ画質劣化を招く。
【0042】
また、第1群と第2群の前後に配置される明るさ絞りは、負の屈折力を有する第2群と一体で移動するのが望ましい。このとき、遠点から最至近物点に合焦するように第2群を動かしていく際、明るさ絞りは第2群と共に物体側から像側に向かって移動する。
【0043】
ここで、絞りが固定された状態を想定すると、最近接観察状態において負の第2群が射出瞳位置から遠ざかるため、周辺光束の光線高が正の第3群で高くなってしまい、この群のレンズの外径の大型化を招くので好ましくない。本発明のように、正負正の3群で構成された対物光学系において、負の第2群と明るさ絞りとを一体で移動させるように構成したことにより、正の第3群のレンズ外径を大型化することなく、コンパクトな対物光学系を実現することができる。
【0044】
本発明において、さらに、条件式(5)を満足することが望ましい。
【0045】
条件式(5)は、第3群と第2群の焦点距離の比であり、主に第2群に移動量に関する条件式である。
【0046】
0.5<f2 /f3 <1.0 ・・・(5)
ただし、f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0047】
第2群の屈折力の強弱は移動量の大小に関係し、第2群の焦点距離が大きく、すなわち屈折力が小さくなり、条件式(5)の下限の0.5を越えると、第2群の移動量が大になり、特にレンズの駆動手段としてアクチュエーターを使用する場合には、レンズを駆動するストロークが長くなってしまい、アクチュエーターを含むレンズ駆動機構の大型化を招きかねず、また、複雑化を招く要因となる。条件式(5)の上限の1.0を越えて第2群の移動量が小となると、フォーカス感度が高くなりすぎる。特に最近接観察状態に近い物点では、わずかにレンズを動かしただけですぐに結像面が移動し、ピント合わせがしづらい光学系となってしまう。
【0048】
さらに、条件式(5)の下限を越えると、第3群の焦点距離が大きくなるため対物レンズのバックフォーカスが長くなる。その結果、撮像素子を含めた撮像光学系として全長が長くなり大型化してしまうので好ましくない。
【0049】
条件式(5)は、下記条件式(5’)のように限定すると、その効果がさらに大きくなる。
【0050】
0.57<f2 /f3 <0.90 ・・・(5’)
条件式(5)の下限を限定すると、フォーカス感度を低めに抑えることができ、さらに好ましい。また、上限を限定すると、全長の小型化により一層効果がある。
【0051】
本発明において、さらに、条件式(6)を満足することが望ましい。
【0052】
条件式(6)は、条件式(5)に関連して第2群の移動量を直接限定するものである。
【0053】
0.07<Δ2G/LTL<0.21 ・・・(6)
ただし、Δ2G:遠点から最至近まで合焦した際の第2群の移動量、
LTL:レンズ全長(第1面から撮像面までの距離)、
である。
【0054】
条件式(6)の下限の0.07を越えると、遠点である通常観察状態から最近点である近接拡大観察状態までの第2群の移動量が小さくなりすぎ、フォーカス感度が大きくなるため好ましくない。また、上限の0.21を越えると、移動量が大きくなりすぎ、それに伴って全長が長くなるため好ましくない。
【0055】
ここで、高画素化された撮像素子について、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
【0056】
0.5<(P/|β|)/IH<2.0 ・・・(7)
ただし、P:像面に配置される撮像素子の画素ピッチ(μm)、
β:最至近合焦時の光学倍率、
IH:像面に配置される撮像素子における最大像高(mm)、
である。
【0057】
上記条件式(7)の下限の0.5を越えると、画素ピッチが細かくなって、より高画素化されるが、回折の影響を受けやすくなり、各物点位置において光学系の十分な観察深度が得られない。また、条件式(7)の上限の2.0を越えると、画素ピッチが大きくなり、高画素化された撮像素子とは言えない。しかも、高解像な画像を得ようとすると、非常に大きな光学倍率が必要となり現実的ではない。
【0058】
本発明のような最近接拡大観察による顕微観察が可能な内視鏡対物光学系においても、通常観察時には広視野を確保し、病変部を発見するために生体内をスクリーニングしたり、病変部に処置を施す等の作業をする必要がある。そのためには、拡大観察時には高倍率を確保しつつ、通常観察時には下記条件式(8)を満足することが望ましい。
【0059】
ω>50° ・・・(8)
ただし、ω:遠点時の最大画角(°)、
である。
【0060】
この条件式(8)の範囲内であれば、近点への合焦機能のない内視鏡の診察と同程度の
視野範囲を通常観察での診断の際に確保することができ、顕微観察が可能な内視鏡対物光学系であっても広範囲な視野を確保できるため、通常の診断は問題なく行うことができる。
【0061】
また、本発明の内視鏡対物光学系では、明るさ絞りが光軸上に移動する際、絞り径が一定であることが望ましい。可変絞りの機構を搭載すると、既にレンズ駆動のためのアクチュエータ等が配置されていることもあり、撮像光学系を収納する鏡枠の更なる太径化を招くことになり好ましくない。
【0062】
また、本発明の対物光学系は、内視鏡以外でも活用できる。例えば、デジタルカメラの撮影等においても、等倍を超えるようなマクロ撮影を行う場合には、レンズ繰り出し量が大きくなることもあって、マクロコンバータレンズを装着することが多い。しかしながら、本発明の対物光学系を撮像光学系として用いることによって、マクロコンバータレンズを装着することなく、今までにない高倍率のマクロ撮影を行うことができる。
【0063】
また、一般的に、マクロレンズは、第1群が物体側に繰り出し、なおかつ複数群のフローティングによって合焦を行うが、本発明のレンズを用いると、インナーフォーカスでのマクロ撮影が可能となる。そのため、ワーキングディスタンスを決めてから撮影する場合には有利である。
【0064】
さらに、携帯電話用のカメラに本発明を適用すれば、手軽にマクロ撮影が楽しめるようになる。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、内視鏡下での顕微観察が可能な拡大倍率を実現し、高精細な撮像素子に対応した高性能な撮像光学系を提供し得る。また、小型のCCDに対応したデジタルカメラや携帯電話用カメラにおいて、高倍率撮影が可能なマクロレンズ等にも適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
次に、本発明の内視鏡対物光学系の実施の形態を下記実施例に基づいて説明する。
【0067】
実施例1
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図1に示す。また、本実施例の数値データを後記する表1に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表2に示す。後記する数値データにおいては、物体側から数えた光学面の面番号を“No”で示してあり、曲率半径は“r”で、面間隔又は空気間隔は“d”で、e線の屈折率は“ne ”で、アッベ数は“vd ”でそれぞれ示してある。曲率半径及び面間隔はmm単位である。また、図1では、面番号“No”が1、2、3、・・・・の光学面はr1 、r2 、r3 、・・・・で、面番号No1と2、2と3、3と4、・・・・の間の面間隔又は空気間隔はd1 、d2 、d3 、・・・・で示してある。以下、同じ。
【0068】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接
観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0069】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)の中の条件式(3)を除いて他は満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図9に夫々通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)での収差曲線図を示してある。収差曲線図中、歪曲収差を除いて横軸は収差量(mm)である。ただし、“E-003 ”は“×10-3”を意味する。また。歪曲収差の横軸は収差量(%)である。また、“ω”は画角(°)、“IH”は像高(mm)である。また、収差曲線の波長の単位はnmである。以下、同じ。
【0070】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0071】
実施例2
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図2に示す。また、本実施例の数値データを後記する表3に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表4に示す。
【0072】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0073】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図10に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0074】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0075】
実施例3
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図3に示す。また、本実施例の数値データを後記する表5に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表6に示す。
【0076】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと両凹負レンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0077】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)の中の条件式(1)を除いて他は満たしている。条件式(1)を満たしていないため、最大倍率は若干小さめとなるが、画素ピッチの細かいCCD又はCMOS等の撮像素子を想定しており、このような撮像素子に合わせて光学系は、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより十分な収差補正がなされている。そのため、良好な画質が得られており、光学倍率が小さい分を電子拡大で補っても観察上全く支障はない。このように画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図11に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0078】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0079】
実施例4
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図4に示す。また、本実施例の数値データを後記する表7に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表8に示す。
【0080】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズ正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する
。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと凹平負レンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1中、単レンズの負メニスカスレンズは特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0081】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図12に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0082】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0083】
実施例5
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図5に示す。また、本実施例の数値データを後記する表9に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表10に示す。
【0084】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0085】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図13に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0086】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0087】
実施例6
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図6に示す。また、本実施例の数値データを後記する表11に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表12に示す。
【0088】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、平凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。また、第3群G3の像側には平行平面板F2が配置されている。平行平面板F1、F2は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0089】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図14に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0090】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0091】
実施例7
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図7に示す。また、本実施例の数値データを後記する表13に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表14に示す。
【0092】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。また、第3群G3の像側には平行平面板F2が配置されている。平行平面板F1、F2は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0093】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図15に
図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0094】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0095】
実施例8
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図8に示す。また、本実施例の数値データを後記する表15に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表16に示す。
【0096】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0097】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図16に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0098】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0099】
以下の表1〜表16に、上記実施例1〜8の数値データとパラメータを示す。記号は、上記の他、焦点距離はFD、物点距離はOD、FナンバーはFNo、通常観察状態はNP、中間状態はMP、最近接観察状態はCPで示す。
【0100】
表1(実施例1)
No r d ne vd
1 ∞ 0.3200 1.88814 40.78
2 1.3704 0.4520
3 ∞ 0.3100 1.51564 75.00
4 ∞ 1.8470
5 -10.6402 1.0380 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.2800 1.93429 18.90
7 -2.3221 0.0200
8 2.1477 0.7040 1.48915 70.23
9 -2.2494 0.2400 1.85504 23.78
10 -4.7343 D10
11(絞り) ∞ 0.0160
12 -3.3558 0.2400 1.77621 49.60
13 0.6995 0.5500 1.85504 23.78
14 1.6703 D14
15 7.2107 1.2280 1.48915 70.23
16 -2.1635 0.0400
17 2.6506 1.5800 1.48915 70.23
18 -2.3866 0.2800 1.93429 18.90
19 -18.7551 1.9540
20 ∞ 1.2000 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0101】
表2(実施例1)
パラメータ NP MP CP
FD 1.317 1.559 1.567
FNo 6.082 6.612 7.834
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.533 1.400
D14 1.504 1.139 0.272
IH:1.2mm
β :-2.00
P :2.8 μm 。
【0102】
表3(実施例2)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 0.9858 0.874
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 0.941
5 -4.8526 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -1.9928 0.020
8 3.0108 0.860 1.48915 70.23
9 -1.9465 0.240 1.85504 23.78
10 -4.1423 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 20.2767 0.240 1.77621 49.60
13 0.9664 0.550 1.85504 23.78
14 1.8050 D14
15 5.8416 1.158 1.48915 70.23
16 -2.5464 0.110
17 6.1872 1.629 1.56606 60.67
18 -2.0860 0.280 1.93429 18.90
19 -12.0725 1.468
20 ∞ 1.220 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0103】
表4(実施例2)
パラメータ NP MP CP
FD 1.298 1.429 1.363
FNo 7.541 7.689 8.201
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.635 2.296
D14 2.368 1.901 0.240
IH:1.2mm
β :-2.13
P :3.2 μm 。
【0104】
表5(実施例3)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.3317 0.800
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.791
5 -81.4733 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.8526 0.020
8 2.4750 0.500 1.48915 70.23
9 127.6395 D9
10(絞り) ∞ 0.015
11 -15.3349 0.448 1.85504 23.78
12 -1.2758 0.475 1.77621 49.60
13 2.2060 D13
14 4.0011 1.023 1.48915 70.23
15 -3.5513 0.040
16 2.3078 1.382 1.48915 70.23
17 -3.4525 0.280 1.93429 18.90
18 5.2124 0.967
19 ∞ 1.350 1.51825 64.14
20(像面) ∞ 。
【0105】
表6(実施例3)
パラメータ NP MP CP
FD 1.380 1.462 1.377
FNo 7.552 7.647 7.885
OD 12.50 2.00 0.00
D9 0.245 0.648 1.835
D13 2.602 2.199 1.012
IH:1.2mm
β :-1.65
P :2.1 μm 。
【0106】
表7(実施例4)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.1392 1.750
3 5.2800 0.310 1.51564 75.00
4 2.8470 0.295
5 -22.1047 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.4207 0.020
8 3.7480 0.730 1.48915 70.23
9 -2.7666 0.240 1.85504 23.78
10 -3.8129 D10
11(絞り) ∞ 0.020
12 -22.7856 0.240 1.77621 49.60
13 0.9533 0.513 1.85504 23.78
14 1.8529 D14
15 10.5496 0.932 1.48915 70.23
16 -2.6945 0.040
17 3.3427 1.016 1.48915 70.23
18 -4.2610 0.280 1.93429 18.90
19 ∞ 3.232
20 ∞ 1.350 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0107】
表8(実施例4)
パラメータ NP MP CP
FD 1.348 1.617 1.565
FNo 6.797 7.378 9.143
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.770 2.460
D14 2.424 1.822 0.132
IH:1.2mm
β :-2.60
P :3.2 μm 。
【0108】
表9(実施例5)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.0920 0.874
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.341
5 8193.6408 1.038 1.82017 46.62
6 -1.9112 0.280 1.93429 18.90
7 -2.4683 0.020
8 3.1410 0.926 1.48915 70.23
9 -2.0897 0.240 1.85504 23.78
10 -5.5191 D10
11(絞り) ∞ 0.015
12 -21.0571 0.280 1.77621 49.60
13 0.9616 0.480 1.85504 23.78
14 1.7815 D14
15 7.5218 0.802 1.48915 70.23
16 -2.8584 0.111
17 2.9704 0.980 1.51825 64.14
18 -7.1080 0.100
19 -5.6050 0.280 1.93429 18.90
20 11.8650 2.522
21 ∞ 1.500 1.51825 64.14
22(像面) ∞ 。
【0109】
表10(実施例5)
パラメータ NP MP CP
FD 1.573 1.766 1.428
FNo 7.524 7.960 9.317
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.676 2.288
D14 2.374 1.866 0.254
IH:1.2mm
β :-2.81
P :3.5 μm 。
【0110】
表11(実施例6)
No r d ne vd
1 ∞ 0.380 1.88814 40.78
2 0.9874 0.538
3 ∞ 0.420 1.51564 75.00
4 ∞ 0.725
5 -6.1755 1.300 1.77621 49.60
6 -1.3747 0.320 1.93429 18.90
7 -2.0667 0.020
8 2.9281 1.080 1.48915 70.23
9 -1.7301 0.300 2.01169 23.78
10 -2.6722 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 ∞ 0.220 1.77621 49.60
13 0.9752 0.390 1.85504 23.78
14 1.5469 D14
15 4.1576 1.143 1.48915 70.23
16 -3.6602 0.046
17 2.9525 1.155 1.75844 52.32
18 -7.1726 0.195
19 -4.0923 0.360 1.93429 18.90
20 4.9202 0.570
21 ∞ 0.400 1.52498 59.89
22 ∞ 0.600
23 ∞ 1.800 1.51825 64.14
24(像面) ∞ 。
【0111】
表12(実施例6)
パラメータ NP MP CP
FD 1.242 1.520 1.226
FNo 8.517 9.456 11.436
OD 13.50 1.35 0.00
D10 0.160 0.869 2.417
D14 2.546 1.837 0.289
IH:1.06mm
β :-2.71
P :4.2 μm 。
【0112】
表13(実施例7)
No r d ne vd
1 ∞ 0.280 1.88814 40.78
2 0.9473 0.500
3 ∞ 0.400 1.51564 75.00
4 ∞ 1.000
5 6.9425 1.000 1.59143 61.14
6 -1.3398 0.520 1.93429 18.90
7 -1.8321 0.015
8 3.0694 0.897 1.48915 70.23
9 -1.6461 0.200 2.01169 28.27
10 -3.2015 D10
11(絞り) ∞ 0.02
12 11.3687 0.176 1.77621 49.60
13 1.0145 0.200 1.85504 23.78
14 1.5239 D14
15 11.4412 0.876 1.48915 70.23
16 -2.4314 0.050
17 2.2561 1.000 1.49846 81.54
18 -9.0813 0.170
19 -5.5265 0.284 1.93429 18.90
20 6.8860 0.250
21 ∞ 0.270 1.52498 59.89
22 ∞ 1.526
23 ∞ 1.080 1.51825 64.14
24(像面) ∞ 。
【0113】
表14(実施例7)
パラメータ NP MP CP
FD 1.271 1.512 1.216
FNo 8.079 8.661 10.200
OD 13.50 1.28 0.00
D10 0.128 0.853 2.587
D14 2.587 1.862 0.128
IH:1.06mm
β :-2.79
P :4.8 μm 。
【0114】
表15(実施例8)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.3186 0.550
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.656
5 -13.4783 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.3537 0.020
8 2.4400 0.659 1.48915 70.23
9 -2.1307 0.240 1.85504 23.78
10 -4.0769 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 -6.1895 0.240 1.77621 49.60
13 0.7967 0.550 1.85504 23.78
14 1.5453 D14
15 9.1245 1.276 1.48915 70.23
16 -2.2055 0.040
17 2.5086 1.670 1.48915 70.23
18 -2.6699 0.280 1.93429 18.90
19 -167.6532 1.545
20 ∞ 1.350 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0115】
表16(実施例8)
パラメータ NP MP CP
FD 1.321 1.520 1.492
FNo 5.515 5.892 6.834
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.534 1.479
D14 1.609 1.243 0.298
IH:1.20mm
β :-1.97
P :2.8 μm 。
【0116】
また、表17に、各実施例の構成における条件式(1)から(8)の数値を示す。
表17
条件式 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)
実施例1 -2.00 0.75 1.53 0.39 0.59 0.09 1.17 64.1
実施例2 -2.13 0.92 2.49 0.35 0.86 0.15 1.25 64.6
実施例3 -1.65 0.88 2.37 0.36 0.85 0.11 1.06 65.5
実施例4 -2.60 0.92 1.97 0.36 0.71 0.15 1.03 65.6
実施例5 -2.81 0.77 1.91 0.35 0.67 0.14 1.04 52.4
実施例6 -2.71 0.93 1.86 0.40 0.74 0.15 1.46 65.6
実施例7 -2.79 0.94 2.08 0.38 0.79 0.18 1.62 65.1
実施例8 -1.97 0.78 1.64 0.39 0.64 0.09 1.19 65.3
。
【0117】
本発明の対物光学系は、例えば次のように構成することができる。
【0118】
〔1〕 少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0119】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0120】
〔2〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0121】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0122】
〔3〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0123】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0124】
〔4〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0125】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0126】
〔5〕 内視鏡に用いられることを特徴とする上記1〜4の何れか1項記載の対物光学系。
【0127】
〔6〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、4、5の何れか1項記載の対物光学系。
【0128】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0129】
〔7〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜6の何れか1項記載の対物光学系。
【0130】
0.7<f1 /f<0.95 ・・・(2’)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0131】
〔8〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、4、5、6、7の何れか1項記載の対物光学系。
【0132】
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0133】
〔9〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、3、5、6、7、8の何れか1項記載の対物光学系。
【0134】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0135】
〔10〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜9の何れか1項記載の対物光学系。
【0136】
0.5<f2 /f3 <1.0 ・・・(5)
ただし、f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0137】
〔11〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記10記載の対物光学系。
【0138】
0.57<f2 /f3 <0.90 ・・・(5’)
〔12〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜11の何れか1項記載の対物光学系。
【0139】
0.07<Δ2G/LTL<0.21 ・・・(6)
ただし、Δ2G:遠点から最至近まで合焦した際の第2群の移動量、
LTL:レンズ全長(第1面から撮像面までの距離)、
である。
【0140】
〔13〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜12の何れか1項記載の対物光学系。
【0141】
0.5<(P/|β|)/IH<2.0 ・・・(7)
ただし、P:像面に配置される撮像素子の画素ピッチ(μm)、
β:最至近合焦時の光学倍率、
IH:像面に配置される撮像素子における最大像高(mm)、
である。
【0142】
〔14〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜13の何れか1項記載の対物光学系。
【0143】
ω>50° ・・・(8)
ただし、ω:遠点時の最大画角、
である。
【0144】
〔15〕 絞りは前記第2群と一体で動くことを特徴とする上記1〜3、5〜14の何れか1項記載の対物光学系。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】実施例1の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図2】実施例2の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図3】実施例3の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図4】実施例4の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図5】実施例5の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図6】実施例6の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図7】実施例7の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図8】実施例8の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図9】実施例1の収差曲線図である。
【図10】実施例2の収差曲線図である。
【図11】実施例3の収差曲線図である。
【図12】実施例4の収差曲線図である。
【図13】実施例5の収差曲線図である。
【図14】実施例6の収差曲線図である。
【図15】実施例7の収差曲線図である。
【図16】実施例8の収差曲線図である。
【符号の説明】
【0146】
G1…第1群
G2…第2群
G3…第3群
F1、F2…平行平面板
CG…カバーガラス
I…像面
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物光学系に関し、特に、合焦機能を有する対物に関するものであり、例えば、近接拡大観察可能な内視鏡対物レンズ、又は、マクロ撮影が可能なデジタルカメラやビデオカメラ、民生用の小型カメラ等の撮影レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療用内視鏡の分野では、病変の精密診断を行うために近接拡大観察が可能な光学系の要求が強まっている。このような拡大内視鏡対物レンズとして、正負正3群で構成され、負の第2群が動いて近点に合焦を行うタイプのものが、特許文献1から3に開示されている。また、負正負の3群で構成され、正の第2群が動いて合焦を行うタイプのものが、特許文献4に開示されている。
【0003】
また、診断の精度を向上させるために、内視鏡画像の高画質化が求められており、従来よりも高画素の撮像素子が採用されはじめている。このため、撮像素子の高画素化に対応した高性能な撮像光学系が必要になっている。
【0004】
一方、内視鏡下で病変部等の生体組織を診断するに際し、内視鏡下で病変部等の部位を顕微鏡下と同等程度の観察レベルまで近接拡大観察ができる、超拡大観察(顕微観察)の光学系の要求も高まってきている。このような内視鏡観察の延長で細胞観察等のための顕微観察ができる内視鏡対物光学系が、特許文献5から8等に開示されている。
【0005】
従来では、生体組織を顕微観察するためには内視鏡観察によって病変部を特定した後、生検によって細胞の一部を体外に取り出し顕微鏡によって観察するしかなかった。しかし、上記提案によれば、内視鏡観察の延長で、しかも、体内中で細胞観察ができるというメリットがある。
【0006】
また、デジタルカメラや、ビデオカメラ等の民生品分野の光学系でも、マクロ撮影等の高倍率化と小型化が望まれている。
【特許文献1】特公昭61−44283号公報
【特許文献2】特開平6−317744号公報
【特許文献3】特開平11−316339号公報
【特許文献4】特開2000−267002号公報
【特許文献5】特開2004−313769号公報
【特許文献6】特開2004−313772号公報
【特許文献7】特開2007−233036号公報
【特許文献8】特開2007−260305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の中、特許文献2から4、又は、7に記載の光学系は、最近接拡大観察時の倍率が顕微観察ができる程高くない。
【0008】
特許文献1には、高倍率な拡大内視鏡対物レンズが提案されているが、通常観察時の視野が狭く、病変部を発見するために生体内をスクリーニングしたり、病変部に処置を施す等の作業が困難なため、実用上問題が生じる。また、光学性能があまり良くなく拡大観察時の物体分解能の面で物足りない。
【0009】
特許文献5、6で提案されている顕微観察用の光学系は、倍率が固定で近接拡大観察のみが可能な光学系であるため、通常の内視鏡的な観察を行う光学系とは別体に設けられている。
【0010】
実際に顕微観察する際は、顕微観察用光学系モジュールをスコープの処置具挿通チャンネルを通して被写体まで導かなければならない。そのため、内視鏡的観察から顕微観察に切り替える際にパララックスが生じ、見ている範囲を特定するのが難しくなる。さらに、顕微観察用の光学系は細径のため、観察したい部位に固定するのが困難である。このため、この顕微観察が可能なスコープは熟練した観察技術を要する特定の医師にしか使用されていない。
【0011】
顕微観察時のスコープの安定感を得るため、処置具チャンネルとは別に、二つの光学系を一つの内視鏡にレイアウトすることも可能となるが、二本のスコープを一つにまとめたものと同等となり、特に外径の大型化を招き患者の負担は非常に大きなものとなる。
【0012】
上記問題点を鑑み、特許文献7の一部、また、特許文献8に、内視鏡的な通常観察から顕微観察を行う近接拡大観察まで一つの光学系で対応が可能な対物光学系が提案されている。特許文献7に開示されている光学系は、最近点での最大倍率が低めであり顕微観察には物足りない。そのため、モニターでの観察を想定した場合、十分な倍率を得るには電子拡大を併用しなければならず、観察倍率は大きくなるものの、画像の解像度が低くなり画質劣化を招く恐れがある。
【0013】
特許文献8に開示されている光学系は、最大倍率は十分であるものの、二つの群が動くことによって合焦している。そのため、複雑な構成の駆動機構を搭載する必要があり大型化の要因となる。また、可動レンズ群がそれぞれ全く独立に動くので、レンズ制御が難しくなるという欠点もある。
【0014】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内視鏡下での顕微観察が可能な拡大倍率を実現し、高精細な撮像素子に対応した高性能な撮像光学系を提供することである。また、別の目的は、小型のCCDに対応したデジタルカメラや携帯電話用カメラにおいて高倍率撮影が可能なマクロレンズ等にも適用可能な光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とするものである。
【0016】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0017】
以下、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0018】
通常の内視鏡観察から顕微観察までを1つの光学系で可能とするため、複数のレンズ群で構成すると共に、その複数のレンズ群の少なくとも1つが光軸上を移動することによって、通常の内視鏡観察から顕微観察を行う最至近物点における近接観察状態まで合焦を行えるように構成され、十分な顕微観察を行うための最近接時の最大倍率βは、条件式(1)を満足することが必要である。
【0019】
このような倍率を得られるレンズ構成としての第2の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0020】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0021】
例えば、生体組織に発生した病変を細胞レベルで観察し、細胞配列の乱れ、細胞核の異常な肥厚、細胞核を取り巻く毛細血管の異常な増殖等、正常細胞が癌化するときに特異的に現れる現象の観察を可能とするには、最至近合焦時において少なくとも条件式(1)を満たし、数10μmから数100μm四方の視野範囲において顕微観察に必要な分解能を確保することが必須となる。
【0022】
本発明の対物光学系を、高画素化された撮像素子と組み合わせた場合、条件式(1)を満たす光学系は、数μmから数10μmの分解能が得られる。19インチモニターに画像を表示して観察する場合を考えると、200〜500倍程度の倍率が得られ、細胞レベルでの観察が可能となる。これにより、細胞配列の乱れ、細胞核の異常な肥厚、細胞核を取り巻く毛細血管の異常な増殖等、正常細胞が癌化するときに特異的に現れる現象を観察することが可能になる。
【0023】
条件式(1)を満足しないで|β|が1.8以下の場合、光学系で足りない倍率を電子ズーム等の電気的補正手段を用いて補うことも考えられるが、収差補正が高精度でなされている場合を除いては、画質が劣化してしまうため、病変の診断に利用する画像として好ましくない。
【0024】
このような顕微観察は、内視鏡先端部を観察したい部位に固定し接触させて観察するのが望ましい。非常に狭い範囲を高倍率で観察するため、生体組織に押し当てるようにすることでブレを防ぎ、安定した画像が得られる。
【0025】
また、本発明の第3の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0026】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0027】
また、本発明の第4の発明は、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする。
【0028】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0029】
上記、第3、第4の発明の対物光学系は、正負正の3群で構成され、負の第2群を対物光学系の光軸方向に動かすことによって合焦を行っている。第2群を負の屈折力を有するレンズとし、その近傍に明るさ絞りを配置することで、可動レンズの外径を小型化することができる。このため、可動レンズを光軸方向に動かすための機構(例えば、可動レンズを保持するレンズ枠に接続され、そのレンズ枠に駆動力を与えるアクチュエーター等)を可動レンズの周囲に容易に配置することが可能になる。また、レンズの重量も小さくできるため、可動レンズを動かす機構にかかる負荷を低減することができる。
【0030】
上記第3の発明にある条件式(2)は、第1群の焦点距離に関するものである。
【0031】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
ただし、f:通常観察時の全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0032】
条件式(2)の下限の0.7を越えると、像面湾曲が大きく発生し、通常観察状態で像面がマイナスとなり好ましくない。上限の1.0を越えると、全長が大きくなり、大型化を招くことになる。特に内視鏡の場合、撮像光学系の全長が長くなることは、すなわち内視鏡先端硬質部(湾曲しない部分)の長さが長くなることを意味するので、内視鏡を患者の体内に挿入するときの患者の負担が大きくなり好ましくない。
【0033】
条件式(2)は、下記条件式(2’)のように上限を限定するとさらによい。
【0034】
0.7<f1 /f<0.95 ・・・(2’)
全長に関しては、条件式(2)の範囲であることが望ましいが、本発明の対物光学系を内視鏡に搭載るためには上限を条件式(2’)の範囲まで限定するとさらに望ましい。
【0035】
同様に、第3の発明にある条件式(3)は、第2群と第1群の焦点距離の比であり、球面収差と色収差補正に関する条件式である。
【0036】
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0037】
条件式(3)の範囲を越えると、倍率の色収差補正ができず画質劣化を招く。下限の1.62を越えて第2群の焦点距離が第1群の焦点距離に比べて相対的に小さくなりすぎると、Cラインがアンダー、Fラインがオーバーになり、条件式(3)の上限の2.75を越えて第2群の焦点距離が相対的に大きくなると、逆にCラインがオーバー、Fラインがアンダーになりすぎ好ましくない。また、条件式(3)の下限を越えた場合、球面収差と
軸上色収差にも影響が出てくる。このとき、球面収差はアンダーに、特に最近接観察時に大きく傾く。また、軸上色収差は、Fラインが補正過剰となり好ましくない。また、コマ収差についても補正困難となり好ましくない。
【0038】
上記第4の発明にある条件式(4)は、第1群と第3群の焦点距離の比であり、色収差補正と像面湾曲補正に関するものである。
【0039】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0040】
条件式(4)の範囲を越えると、通常観察時と最近接観察時において像面の変動が大きくなるため好ましくない。下限の0.25を越えると、像面湾曲が通常観察時にオーバー、最近接観察時にアンダーとなる。また、上限の0.45を越えると、逆に通常観察時にアンダー、最近接観察点時にオーバーとなる。
【0041】
また、条件式(4)の上限を越えた場合、倍率色収差補正が困難となり、Cラインがアンダーに、Fラインがオーバーになりすぎ画質劣化を招く。
【0042】
また、第1群と第2群の前後に配置される明るさ絞りは、負の屈折力を有する第2群と一体で移動するのが望ましい。このとき、遠点から最至近物点に合焦するように第2群を動かしていく際、明るさ絞りは第2群と共に物体側から像側に向かって移動する。
【0043】
ここで、絞りが固定された状態を想定すると、最近接観察状態において負の第2群が射出瞳位置から遠ざかるため、周辺光束の光線高が正の第3群で高くなってしまい、この群のレンズの外径の大型化を招くので好ましくない。本発明のように、正負正の3群で構成された対物光学系において、負の第2群と明るさ絞りとを一体で移動させるように構成したことにより、正の第3群のレンズ外径を大型化することなく、コンパクトな対物光学系を実現することができる。
【0044】
本発明において、さらに、条件式(5)を満足することが望ましい。
【0045】
条件式(5)は、第3群と第2群の焦点距離の比であり、主に第2群に移動量に関する条件式である。
【0046】
0.5<f2 /f3 <1.0 ・・・(5)
ただし、f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0047】
第2群の屈折力の強弱は移動量の大小に関係し、第2群の焦点距離が大きく、すなわち屈折力が小さくなり、条件式(5)の下限の0.5を越えると、第2群の移動量が大になり、特にレンズの駆動手段としてアクチュエーターを使用する場合には、レンズを駆動するストロークが長くなってしまい、アクチュエーターを含むレンズ駆動機構の大型化を招きかねず、また、複雑化を招く要因となる。条件式(5)の上限の1.0を越えて第2群の移動量が小となると、フォーカス感度が高くなりすぎる。特に最近接観察状態に近い物点では、わずかにレンズを動かしただけですぐに結像面が移動し、ピント合わせがしづらい光学系となってしまう。
【0048】
さらに、条件式(5)の下限を越えると、第3群の焦点距離が大きくなるため対物レンズのバックフォーカスが長くなる。その結果、撮像素子を含めた撮像光学系として全長が長くなり大型化してしまうので好ましくない。
【0049】
条件式(5)は、下記条件式(5’)のように限定すると、その効果がさらに大きくなる。
【0050】
0.57<f2 /f3 <0.90 ・・・(5’)
条件式(5)の下限を限定すると、フォーカス感度を低めに抑えることができ、さらに好ましい。また、上限を限定すると、全長の小型化により一層効果がある。
【0051】
本発明において、さらに、条件式(6)を満足することが望ましい。
【0052】
条件式(6)は、条件式(5)に関連して第2群の移動量を直接限定するものである。
【0053】
0.07<Δ2G/LTL<0.21 ・・・(6)
ただし、Δ2G:遠点から最至近まで合焦した際の第2群の移動量、
LTL:レンズ全長(第1面から撮像面までの距離)、
である。
【0054】
条件式(6)の下限の0.07を越えると、遠点である通常観察状態から最近点である近接拡大観察状態までの第2群の移動量が小さくなりすぎ、フォーカス感度が大きくなるため好ましくない。また、上限の0.21を越えると、移動量が大きくなりすぎ、それに伴って全長が長くなるため好ましくない。
【0055】
ここで、高画素化された撮像素子について、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
【0056】
0.5<(P/|β|)/IH<2.0 ・・・(7)
ただし、P:像面に配置される撮像素子の画素ピッチ(μm)、
β:最至近合焦時の光学倍率、
IH:像面に配置される撮像素子における最大像高(mm)、
である。
【0057】
上記条件式(7)の下限の0.5を越えると、画素ピッチが細かくなって、より高画素化されるが、回折の影響を受けやすくなり、各物点位置において光学系の十分な観察深度が得られない。また、条件式(7)の上限の2.0を越えると、画素ピッチが大きくなり、高画素化された撮像素子とは言えない。しかも、高解像な画像を得ようとすると、非常に大きな光学倍率が必要となり現実的ではない。
【0058】
本発明のような最近接拡大観察による顕微観察が可能な内視鏡対物光学系においても、通常観察時には広視野を確保し、病変部を発見するために生体内をスクリーニングしたり、病変部に処置を施す等の作業をする必要がある。そのためには、拡大観察時には高倍率を確保しつつ、通常観察時には下記条件式(8)を満足することが望ましい。
【0059】
ω>50° ・・・(8)
ただし、ω:遠点時の最大画角(°)、
である。
【0060】
この条件式(8)の範囲内であれば、近点への合焦機能のない内視鏡の診察と同程度の
視野範囲を通常観察での診断の際に確保することができ、顕微観察が可能な内視鏡対物光学系であっても広範囲な視野を確保できるため、通常の診断は問題なく行うことができる。
【0061】
また、本発明の内視鏡対物光学系では、明るさ絞りが光軸上に移動する際、絞り径が一定であることが望ましい。可変絞りの機構を搭載すると、既にレンズ駆動のためのアクチュエータ等が配置されていることもあり、撮像光学系を収納する鏡枠の更なる太径化を招くことになり好ましくない。
【0062】
また、本発明の対物光学系は、内視鏡以外でも活用できる。例えば、デジタルカメラの撮影等においても、等倍を超えるようなマクロ撮影を行う場合には、レンズ繰り出し量が大きくなることもあって、マクロコンバータレンズを装着することが多い。しかしながら、本発明の対物光学系を撮像光学系として用いることによって、マクロコンバータレンズを装着することなく、今までにない高倍率のマクロ撮影を行うことができる。
【0063】
また、一般的に、マクロレンズは、第1群が物体側に繰り出し、なおかつ複数群のフローティングによって合焦を行うが、本発明のレンズを用いると、インナーフォーカスでのマクロ撮影が可能となる。そのため、ワーキングディスタンスを決めてから撮影する場合には有利である。
【0064】
さらに、携帯電話用のカメラに本発明を適用すれば、手軽にマクロ撮影が楽しめるようになる。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、内視鏡下での顕微観察が可能な拡大倍率を実現し、高精細な撮像素子に対応した高性能な撮像光学系を提供し得る。また、小型のCCDに対応したデジタルカメラや携帯電話用カメラにおいて、高倍率撮影が可能なマクロレンズ等にも適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
次に、本発明の内視鏡対物光学系の実施の形態を下記実施例に基づいて説明する。
【0067】
実施例1
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図1に示す。また、本実施例の数値データを後記する表1に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表2に示す。後記する数値データにおいては、物体側から数えた光学面の面番号を“No”で示してあり、曲率半径は“r”で、面間隔又は空気間隔は“d”で、e線の屈折率は“ne ”で、アッベ数は“vd ”でそれぞれ示してある。曲率半径及び面間隔はmm単位である。また、図1では、面番号“No”が1、2、3、・・・・の光学面はr1 、r2 、r3 、・・・・で、面番号No1と2、2と3、3と4、・・・・の間の面間隔又は空気間隔はd1 、d2 、d3 、・・・・で示してある。以下、同じ。
【0068】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接
観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0069】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)の中の条件式(3)を除いて他は満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図9に夫々通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)での収差曲線図を示してある。収差曲線図中、歪曲収差を除いて横軸は収差量(mm)である。ただし、“E-003 ”は“×10-3”を意味する。また。歪曲収差の横軸は収差量(%)である。また、“ω”は画角(°)、“IH”は像高(mm)である。また、収差曲線の波長の単位はnmである。以下、同じ。
【0070】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0071】
実施例2
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図2に示す。また、本実施例の数値データを後記する表3に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表4に示す。
【0072】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0073】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図10に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0074】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0075】
実施例3
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図3に示す。また、本実施例の数値データを後記する表5に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表6に示す。
【0076】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと両凹負レンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0077】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)の中の条件式(1)を除いて他は満たしている。条件式(1)を満たしていないため、最大倍率は若干小さめとなるが、画素ピッチの細かいCCD又はCMOS等の撮像素子を想定しており、このような撮像素子に合わせて光学系は、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより十分な収差補正がなされている。そのため、良好な画質が得られており、光学倍率が小さい分を電子拡大で補っても観察上全く支障はない。このように画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図11に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0078】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0079】
実施例4
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図4に示す。また、本実施例の数値データを後記する表7に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表8に示す。
【0080】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズ正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する
。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと凹平負レンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1中、単レンズの負メニスカスレンズは特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0081】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図12に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0082】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0083】
実施例5
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図5に示す。また、本実施例の数値データを後記する表9に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表10に示す。
【0084】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0085】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図13に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0086】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0087】
実施例6
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図6に示す。また、本実施例の数値データを後記する表11に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表12に示す。
【0088】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、平凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。また、第3群G3の像側には平行平面板F2が配置されている。平行平面板F1、F2は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0089】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図14に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0090】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0091】
実施例7
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図7に示す。また、本実施例の数値データを後記する表13に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表14に示す。
【0092】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと、両凹負レンズとにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。また、第3群G3の像側には平行平面板F2が配置されている。平行平面板F1、F2は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0093】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図15に
図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0094】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0095】
実施例8
本実施例の内視鏡対物光学系の構成を示す光軸を通る断面図を図8に示す。また、本実施例の数値データを後記する表15に、その通常観察状態(a)、中間状態(b)、最近接観察状態(c)の3状態における変動パラメータの値を表16に示す。
【0096】
本実施例の内視鏡対物光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1、負の屈折力の第2群G2、正の屈折力の第3群G3で構成されている。第1群G1は、物体側より順に、平凹負レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズ、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成さている。第2群G2は、物体側より順に、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを貼り合せた負の接合レンズにて構成され、光軸上を像側に移動することにより通常観察状態から最近接観察状態への合焦作用を持たせている。第1群G1と第2群G2の間に明るさ絞りSが配置されており、合焦時には第2群G2と一体となって移動する。第3群G3は、物体側より順に、両凸正レンズと、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとを貼り合せた正の接合レンズにより構成されている。第1群G1には、平凹負レンズと物体側の接合レンズの間に平行平面板F1が配置されている。平行平面板F1は特定の波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外領域の光等をカットするためのフィルターである。内視鏡対物光学系の像面I近傍には撮像素子が配置され、この内視鏡対物光学系と合わせて撮像光学系を構成している。撮像素子には、撮像面を保護するためのカバーガラスCGが貼り付けられている。
【0097】
本実施例の撮像光学系は上記のように構成されると共に、条件式(1)から(8)全て満たしている。また、第1群G1から第3群G3までの各群の焦点距離を適切な値にすることにより、画質劣化がなくコンパクトな撮像光学系を構成することができる。図16に図9と同様の本実施例の収差曲線図を示してある。
【0098】
さらに、撮像素子には、上述した高画素化された撮像素子の条件式(7)を満たすものを採用したので、各物点において高精細な画像を得ることができる。
【0099】
以下の表1〜表16に、上記実施例1〜8の数値データとパラメータを示す。記号は、上記の他、焦点距離はFD、物点距離はOD、FナンバーはFNo、通常観察状態はNP、中間状態はMP、最近接観察状態はCPで示す。
【0100】
表1(実施例1)
No r d ne vd
1 ∞ 0.3200 1.88814 40.78
2 1.3704 0.4520
3 ∞ 0.3100 1.51564 75.00
4 ∞ 1.8470
5 -10.6402 1.0380 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.2800 1.93429 18.90
7 -2.3221 0.0200
8 2.1477 0.7040 1.48915 70.23
9 -2.2494 0.2400 1.85504 23.78
10 -4.7343 D10
11(絞り) ∞ 0.0160
12 -3.3558 0.2400 1.77621 49.60
13 0.6995 0.5500 1.85504 23.78
14 1.6703 D14
15 7.2107 1.2280 1.48915 70.23
16 -2.1635 0.0400
17 2.6506 1.5800 1.48915 70.23
18 -2.3866 0.2800 1.93429 18.90
19 -18.7551 1.9540
20 ∞ 1.2000 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0101】
表2(実施例1)
パラメータ NP MP CP
FD 1.317 1.559 1.567
FNo 6.082 6.612 7.834
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.533 1.400
D14 1.504 1.139 0.272
IH:1.2mm
β :-2.00
P :2.8 μm 。
【0102】
表3(実施例2)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 0.9858 0.874
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 0.941
5 -4.8526 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -1.9928 0.020
8 3.0108 0.860 1.48915 70.23
9 -1.9465 0.240 1.85504 23.78
10 -4.1423 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 20.2767 0.240 1.77621 49.60
13 0.9664 0.550 1.85504 23.78
14 1.8050 D14
15 5.8416 1.158 1.48915 70.23
16 -2.5464 0.110
17 6.1872 1.629 1.56606 60.67
18 -2.0860 0.280 1.93429 18.90
19 -12.0725 1.468
20 ∞ 1.220 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0103】
表4(実施例2)
パラメータ NP MP CP
FD 1.298 1.429 1.363
FNo 7.541 7.689 8.201
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.635 2.296
D14 2.368 1.901 0.240
IH:1.2mm
β :-2.13
P :3.2 μm 。
【0104】
表5(実施例3)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.3317 0.800
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.791
5 -81.4733 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.8526 0.020
8 2.4750 0.500 1.48915 70.23
9 127.6395 D9
10(絞り) ∞ 0.015
11 -15.3349 0.448 1.85504 23.78
12 -1.2758 0.475 1.77621 49.60
13 2.2060 D13
14 4.0011 1.023 1.48915 70.23
15 -3.5513 0.040
16 2.3078 1.382 1.48915 70.23
17 -3.4525 0.280 1.93429 18.90
18 5.2124 0.967
19 ∞ 1.350 1.51825 64.14
20(像面) ∞ 。
【0105】
表6(実施例3)
パラメータ NP MP CP
FD 1.380 1.462 1.377
FNo 7.552 7.647 7.885
OD 12.50 2.00 0.00
D9 0.245 0.648 1.835
D13 2.602 2.199 1.012
IH:1.2mm
β :-1.65
P :2.1 μm 。
【0106】
表7(実施例4)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.1392 1.750
3 5.2800 0.310 1.51564 75.00
4 2.8470 0.295
5 -22.1047 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.4207 0.020
8 3.7480 0.730 1.48915 70.23
9 -2.7666 0.240 1.85504 23.78
10 -3.8129 D10
11(絞り) ∞ 0.020
12 -22.7856 0.240 1.77621 49.60
13 0.9533 0.513 1.85504 23.78
14 1.8529 D14
15 10.5496 0.932 1.48915 70.23
16 -2.6945 0.040
17 3.3427 1.016 1.48915 70.23
18 -4.2610 0.280 1.93429 18.90
19 ∞ 3.232
20 ∞ 1.350 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0107】
表8(実施例4)
パラメータ NP MP CP
FD 1.348 1.617 1.565
FNo 6.797 7.378 9.143
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.770 2.460
D14 2.424 1.822 0.132
IH:1.2mm
β :-2.60
P :3.2 μm 。
【0108】
表9(実施例5)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.0920 0.874
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.341
5 8193.6408 1.038 1.82017 46.62
6 -1.9112 0.280 1.93429 18.90
7 -2.4683 0.020
8 3.1410 0.926 1.48915 70.23
9 -2.0897 0.240 1.85504 23.78
10 -5.5191 D10
11(絞り) ∞ 0.015
12 -21.0571 0.280 1.77621 49.60
13 0.9616 0.480 1.85504 23.78
14 1.7815 D14
15 7.5218 0.802 1.48915 70.23
16 -2.8584 0.111
17 2.9704 0.980 1.51825 64.14
18 -7.1080 0.100
19 -5.6050 0.280 1.93429 18.90
20 11.8650 2.522
21 ∞ 1.500 1.51825 64.14
22(像面) ∞ 。
【0109】
表10(実施例5)
パラメータ NP MP CP
FD 1.573 1.766 1.428
FNo 7.524 7.960 9.317
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.676 2.288
D14 2.374 1.866 0.254
IH:1.2mm
β :-2.81
P :3.5 μm 。
【0110】
表11(実施例6)
No r d ne vd
1 ∞ 0.380 1.88814 40.78
2 0.9874 0.538
3 ∞ 0.420 1.51564 75.00
4 ∞ 0.725
5 -6.1755 1.300 1.77621 49.60
6 -1.3747 0.320 1.93429 18.90
7 -2.0667 0.020
8 2.9281 1.080 1.48915 70.23
9 -1.7301 0.300 2.01169 23.78
10 -2.6722 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 ∞ 0.220 1.77621 49.60
13 0.9752 0.390 1.85504 23.78
14 1.5469 D14
15 4.1576 1.143 1.48915 70.23
16 -3.6602 0.046
17 2.9525 1.155 1.75844 52.32
18 -7.1726 0.195
19 -4.0923 0.360 1.93429 18.90
20 4.9202 0.570
21 ∞ 0.400 1.52498 59.89
22 ∞ 0.600
23 ∞ 1.800 1.51825 64.14
24(像面) ∞ 。
【0111】
表12(実施例6)
パラメータ NP MP CP
FD 1.242 1.520 1.226
FNo 8.517 9.456 11.436
OD 13.50 1.35 0.00
D10 0.160 0.869 2.417
D14 2.546 1.837 0.289
IH:1.06mm
β :-2.71
P :4.2 μm 。
【0112】
表13(実施例7)
No r d ne vd
1 ∞ 0.280 1.88814 40.78
2 0.9473 0.500
3 ∞ 0.400 1.51564 75.00
4 ∞ 1.000
5 6.9425 1.000 1.59143 61.14
6 -1.3398 0.520 1.93429 18.90
7 -1.8321 0.015
8 3.0694 0.897 1.48915 70.23
9 -1.6461 0.200 2.01169 28.27
10 -3.2015 D10
11(絞り) ∞ 0.02
12 11.3687 0.176 1.77621 49.60
13 1.0145 0.200 1.85504 23.78
14 1.5239 D14
15 11.4412 0.876 1.48915 70.23
16 -2.4314 0.050
17 2.2561 1.000 1.49846 81.54
18 -9.0813 0.170
19 -5.5265 0.284 1.93429 18.90
20 6.8860 0.250
21 ∞ 0.270 1.52498 59.89
22 ∞ 1.526
23 ∞ 1.080 1.51825 64.14
24(像面) ∞ 。
【0113】
表14(実施例7)
パラメータ NP MP CP
FD 1.271 1.512 1.216
FNo 8.079 8.661 10.200
OD 13.50 1.28 0.00
D10 0.128 0.853 2.587
D14 2.587 1.862 0.128
IH:1.06mm
β :-2.79
P :4.8 μm 。
【0114】
表15(実施例8)
No r d ne vd
1 ∞ 0.320 1.88814 40.78
2 1.3186 0.550
3 ∞ 0.310 1.51564 75.00
4 ∞ 1.656
5 -13.4783 1.038 1.82017 46.62
6 -1.5020 0.280 1.93429 18.90
7 -2.3537 0.020
8 2.4400 0.659 1.48915 70.23
9 -2.1307 0.240 1.85504 23.78
10 -4.0769 D10
11(絞り) ∞ 0.016
12 -6.1895 0.240 1.77621 49.60
13 0.7967 0.550 1.85504 23.78
14 1.5453 D14
15 9.1245 1.276 1.48915 70.23
16 -2.2055 0.040
17 2.5086 1.670 1.48915 70.23
18 -2.6699 0.280 1.93429 18.90
19 -167.6532 1.545
20 ∞ 1.350 1.51825 64.14
21(像面) ∞ 。
【0115】
表16(実施例8)
パラメータ NP MP CP
FD 1.321 1.520 1.492
FNo 5.515 5.892 6.834
OD 12.50 1.88 0.00
D10 0.168 0.534 1.479
D14 1.609 1.243 0.298
IH:1.20mm
β :-1.97
P :2.8 μm 。
【0116】
また、表17に、各実施例の構成における条件式(1)から(8)の数値を示す。
表17
条件式 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)
実施例1 -2.00 0.75 1.53 0.39 0.59 0.09 1.17 64.1
実施例2 -2.13 0.92 2.49 0.35 0.86 0.15 1.25 64.6
実施例3 -1.65 0.88 2.37 0.36 0.85 0.11 1.06 65.5
実施例4 -2.60 0.92 1.97 0.36 0.71 0.15 1.03 65.6
実施例5 -2.81 0.77 1.91 0.35 0.67 0.14 1.04 52.4
実施例6 -2.71 0.93 1.86 0.40 0.74 0.15 1.46 65.6
実施例7 -2.79 0.94 2.08 0.38 0.79 0.18 1.62 65.1
実施例8 -1.97 0.78 1.64 0.39 0.64 0.09 1.19 65.3
。
【0117】
本発明の対物光学系は、例えば次のように構成することができる。
【0118】
〔1〕 少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0119】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0120】
〔2〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0121】
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【0122】
〔3〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0123】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0124】
〔4〕 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
【0125】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0126】
〔5〕 内視鏡に用いられることを特徴とする上記1〜4の何れか1項記載の対物光学系。
【0127】
〔6〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、4、5の何れか1項記載の対物光学系。
【0128】
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0129】
〔7〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜6の何れか1項記載の対物光学系。
【0130】
0.7<f1 /f<0.95 ・・・(2’)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
である。
【0131】
〔8〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、4、5、6、7の何れか1項記載の対物光学系。
【0132】
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【0133】
〔9〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1、2、3、5、6、7、8の何れか1項記載の対物光学系。
【0134】
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0135】
〔10〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜9の何れか1項記載の対物光学系。
【0136】
0.5<f2 /f3 <1.0 ・・・(5)
ただし、f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【0137】
〔11〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記10記載の対物光学系。
【0138】
0.57<f2 /f3 <0.90 ・・・(5’)
〔12〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜11の何れか1項記載の対物光学系。
【0139】
0.07<Δ2G/LTL<0.21 ・・・(6)
ただし、Δ2G:遠点から最至近まで合焦した際の第2群の移動量、
LTL:レンズ全長(第1面から撮像面までの距離)、
である。
【0140】
〔13〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜12の何れか1項記載の対物光学系。
【0141】
0.5<(P/|β|)/IH<2.0 ・・・(7)
ただし、P:像面に配置される撮像素子の画素ピッチ(μm)、
β:最至近合焦時の光学倍率、
IH:像面に配置される撮像素子における最大像高(mm)、
である。
【0142】
〔14〕 下記条件式を満足することを特徴とする上記1〜13の何れか1項記載の対物光学系。
【0143】
ω>50° ・・・(8)
ただし、ω:遠点時の最大画角、
である。
【0144】
〔15〕 絞りは前記第2群と一体で動くことを特徴とする上記1〜3、5〜14の何れか1項記載の対物光学系。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】実施例1の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図2】実施例2の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図3】実施例3の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図4】実施例4の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図5】実施例5の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図6】実施例6の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図7】実施例7の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図8】実施例8の内視鏡対物光学系の構成を示す断面図である。
【図9】実施例1の収差曲線図である。
【図10】実施例2の収差曲線図である。
【図11】実施例3の収差曲線図である。
【図12】実施例4の収差曲線図である。
【図13】実施例5の収差曲線図である。
【図14】実施例6の収差曲線図である。
【図15】実施例7の収差曲線図である。
【図16】実施例8の収差曲線図である。
【符号の説明】
【0146】
G1…第1群
G2…第2群
G3…第3群
F1、F2…平行平面板
CG…カバーガラス
I…像面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【請求項2】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【請求項3】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【請求項4】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【請求項5】
内視鏡に用いられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の対物光学系。
【請求項1】
少なくとも物体側から順に、正の第1群、第2群、第3群を有し、物点距離の変化に対し少なくとも前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行う対物光学系であって、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【請求項2】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
|β|>1.8 ・・・(1)
ただし、β:最至近合焦時の光学倍率、
である。
【請求項3】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
0.7<f1 /f<1.0 ・・・(2)
1.62<f2 /f1 <2.75 ・・・(3)
ただし、f:全系の焦点距離(遠点合焦点時)、
f1 :第1群の焦点距離、
f2 :第2群の焦点距離の絶対値、
である。
【請求項4】
物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群で構成され、物点距離の変化に対し前記第2群を絞りと一体で光軸に沿って動かすことにより合焦を行い、下記条件式を満足することを特徴とする対物光学系。
0.25<f1 /f3 <0.45 ・・・(4)
ただし、f1 :第1群の焦点距離、
f3 :第3群の焦点距離、
である。
【請求項5】
内視鏡に用いられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の対物光学系。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−294496(P2009−294496A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148995(P2008−148995)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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