説明

封筒用紙及び封書作成装置

【課題】封緘部分に郵送時の外力に耐えうる強度があると同時に開封が簡単な折り曲げて封書となる枚葉状の封筒用紙を提供する。
【解決手段】封筒用紙100の幅方向の両縁部に感圧式接着剤106を設け、それより内方に再湿糊107を設け、封筒に折った際に再湿糊が接着される紙面には接着力を調整する接着力調整層400を設ける。難接着性材料で構成される接着力調整層には用紙の表面が所定形状で露出する複数の接着部がある。再湿糊は接着力調整層を介して封筒用紙に接着するので、接着面積が規制され、接着力は所望の状態に設定できる。開封時に必要な剥離し易さと、郵送時に要求される取り扱いでのストレスに対する耐久性を両立させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を包み込みながら折り曲げて封書に加工できる枚葉状の封筒用紙に係り、特に封緘部分に郵送・配送時に必要な強度がある一方、開封のためのミシン目のように特殊な構造を設けることなく、封入封緘された封筒の状態から簡単に元の枚葉状の封筒用紙に広げることができる封筒用紙に関する。また、本発明は、そのような封筒用紙を作成するとともに、封筒となる用紙と内容物の用紙に印刷を施し、これらを折り畳むことによって封筒に内容物を封入封緘することができる封書作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、三つ折りして封書を作成する方法についての発明が開示されている。この発明で用いられている封書フォームと実質的に同様の封筒用紙を図18及び図19に示す。図18に示すように、この封筒用紙300は上紙片301、中紙片302、下紙片303の3つの紙片がミシン目で繋がったものである。上紙片301の表面には宛名が記載され、中紙片302及び下紙片303の表面には内容が記載される。中紙片302及び下紙片303の表面には、ミシン目を除く2つの紙片の外形に沿って、感圧接着剤305が略コ字形で帯状のパターンで形成されている。最終的に外側表面になる上紙片301の表面には感圧接着剤はない。また、上紙片301、中紙片302及び下紙片303の裏面には記載がないか、内容を透けて見通させないための印刷パターンが形成される。上紙片301及び中紙片302の裏面には、ミシン目及び辺の一部を除く外縁に沿って感圧接着剤305が帯状のパターンで形成されている。最終的に外側裏面になる下紙片301の裏面には感圧接着剤はない。
【0003】
宛て名と内容等を印刷した後、封筒用紙300を封筒の形状に成形する場合には、図18に示すように中紙辺302の表面と下紙辺303の表面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。さらに図19に示すように上紙辺301の裏面と中紙辺302の裏面とを合わせて両紙辺の各感圧接着剤305を互いに接触させる。この状態で封筒用紙300は三つ折りの封筒の形状となるが、感圧接着剤305はまだ接着されていない。
【0004】
その後、上記特許文献1の第4図に示すように、前記封筒の幅方向の長さよりも軸方向の寸法が大きいローラ対で封筒を挟み、封筒の全面に強い圧力を加えながら搬送する。上記特許文献1の第4図では、封筒の幅よりも長い2対のローラによって封筒の全面に圧力を加えている。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤は粘着性を生じ、封緘された封筒、すなわち封書が作成される。
【0005】
以上説明した技術では、封筒用紙を折り曲げて封書を作成するため、封筒用紙の各紙片の接着には圧力が必要な感圧接着剤を使用していた。この他、接着手段としては、封筒用紙を折り曲げる直前にホットメルト等の接着剤を塗布する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2521498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
封筒用紙を折り曲げて封書を作成する場合の接着手段としてホットメルト等の接着剤を用いる場合には、塗布装置が複雑高価であり、加熱手段も必要であり、全体として工場のような大型の装置となってしまうために設置場所の制約も大きく、メンテナンス作業も必要なことから、封書作成装置の接着手段としては採用しにくい。
【0008】
また、上記特許文献1と、図18及び図19を参照して説明した感圧接着剤を使用する封書作成装置においては、接着部には圧力を加えるだけであるため、メンテナンスは不要であり、ホットメルト等の接着剤を用いる装置に比べて単純であるために、比較的小型の装置とすることができる。
【0009】
しかしながら、感圧接着剤を使用する封書作成装置では、封筒の接着部分に加える圧力が概ね1ton/平方センチメートルと大きく、上述した例では接着部分が矩形の封筒の3辺乃至4辺に存在するため、所定の面積のある封筒の全面に圧力を加えられるように、封筒の幅よりも長いローラが必要であった(前記特許文献1の第4図参照)。このような加圧ローラを設けるとなれば、装置全体の機械構造は堅牢とせざるを得ず、結果として高価な装置となり、そのためオフィス設置機器として普及するには至らなかった。
【0010】
また、図18及び図19に示すような封筒用紙を用いて作成した封筒においては、受取人が接着部分を不規則に破いて開封するのではなく、整然と開いて封筒形状から元の枚葉状に戻すことが必要とされる場合がある。例えば、封筒用紙の内側に文面が印刷されていたり、封筒用紙の一部が返信用のハガキになっているような場合には、感圧接着剤で封緘されている封書の四辺を剥がして開封する際に、封筒用紙を破損してしまうと内容の判読やハガキとしての使用に支障を生じるからである。しかし、図18及び図19に示すような封筒用紙を用いて作成した封筒を開封するには、封筒の両縁部に沿って設けられたミシン目に沿って封筒の両縁部にある接着部を切り取り、次に封筒の他の縁部に幅方向に沿って設けられた接着部を開く必要があるが、封筒用紙を破損せずに接着部分のみを剥がすことは容易な作業ではなかった。この部分の接着剤として感圧接着剤以外の接着剤を使用しても、その作業の難易度は同様である。また、封筒の当該縁部に、切り開き易い開封用のジッパーと呼ばれるミシン目を幅方向に沿って設け、開封時にはこれを切り取り、又は切り離すことによって用紙を破損することなく開封できるようにすることもできるが、このような開封構造を設けることには次のような問題がある。すなわち、このようなジッパーは、開封時に必要な破れ易さと、郵送時に要求される取り扱いでのストレスに対する耐久性とが両立しなければならないが、これには技術的な困難を伴うという問題である。また、このような複雑なミシン目を製造するには専用のミシン目加工刃が必要であり、製造コストが嵩むこと、さらにジッパーの切り取り部にあてる面積が封書としての情報掲載面積を圧迫してしまうという問題もあった。
【0011】
本発明は、以上説明したような課題に鑑みてなされたものであり、内容物を包み込むようにして折り曲げて封書を作成する枚葉状の封筒用紙において、封緘部分に郵送・配送時に必要な強度が得られる一方、開封のためのミシン目のように特殊な構造を設けることなく、封入封緘された封筒の状態から簡単に元の枚葉状の封筒用紙に広げることができる封筒用紙を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された封筒用紙は、
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部を備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
折り曲げて封筒の形状に成型した前記封筒用紙を接着する接着剤と、
前記接着剤と対応する位置に難接着性材料によって所定パターンで形成され、前記接着剤の前記封筒用紙に対する接着力を調整する接着力調整層と、
を有することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載された封筒用紙は、請求項1記載の封筒用紙において、
前記接着力調整層は、前記封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われている難接着部と、前記封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われていない接着部とを有しており、前記接着部は所定の形状で複数個所に設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載された封筒用紙は、請求項2に記載の封筒用紙において、
前記接着剤と前記接着力調整層は、前記封筒用紙の異なる位置にそれぞれ形成されており、前記封筒用紙を折り曲げて封筒に成形すると互いに対面するように構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載された封筒用紙は、請求項2に記載の封筒用紙において、
前記接着力調整層の上に前記他の接着剤が設けられ、前記他の接着剤は前記接着部を介して前記封筒用紙の表面に接着していることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載された封書作成装置は、
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記印刷部には、難接着性材料によって前記封筒用紙に所望のパターンで印刷を行なう印刷手段が設けられており、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段と、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載された封筒用紙によれば、折り曲げて封筒の形状に成型した封筒用紙を接着して封緘する接着剤を設けるとともに、この接着剤と対応する位置には所定パターンの難接着性材料からなる接着力調整層を設けた。この接着剤は、所定パターンの接着力調整層を介して封筒用紙に接着するので、封筒用紙に対する接着面積が規制され、その結果として封筒用紙に対する接着力を所望の状態に設定することができる。従って、開封時に必要な剥離し易さと、郵送時に要求される取り扱いでのストレスに対する耐久性を両立させることができる。また、封筒の幅方向の両縁部に設けた感圧式接着剤に関しては、従来よりも小型の圧着ローラを使用した簡易な構成で両縁部の封緘を行なうことができる。
【0018】
請求項2に記載された封筒用紙によれば、封筒用紙を折り曲げて封筒の形状にした場合、接着剤は、接着力調整層の難接着部に対しては剥離し易い不十分な接着状態となるが、接着部においては難接着性材料で覆われていない封筒用紙の表面に対して当該接着剤の所期の接着力にて接着される。この接着部は所定の形状で複数個所に設けられているので、個々の接着部においてはその形状・面積に応じた所定の接着力を発揮し、複数個の総体としては個々の接着力の合計の接着力となる。
【0019】
請求項3に記載された封筒用紙によれば、接着剤と接着力調整層を封筒用紙の異なる位置に設ける構成であるため、接着剤と接着力調整層を封筒用紙上の同一位置に重ねて形成する場合に比べて位置合わせの精度を高く設定する必要がなく製造が容易である。
【0020】
請求項4に記載された封筒用紙によれば、接着力調整層の上に接着剤が設けられているので、封筒用紙の全面積において、印刷された情報をより読み取りやすい領域の面積をより広くとることができる。また、接着剤を封筒用紙の上に直接設ける構成の場合、その接着剤の種類によっては接着力を発揮する過程で用紙を変形させる場合も考えられるが、この封筒用紙では、接着剤は接着力調整層の上から設けられているので、接着力を発揮する過程において用紙に加わる力が小さくなり、用紙の変形が少なくなる効果が得られる。
【0021】
請求項5に記載された封書作成装置によれば、封筒用紙と内容物に印刷を施す共通の印刷部が、作成すべき封書ごとに封筒用紙と内容物を交互に印刷して排出する。そして、印刷された封筒用紙を専用の第1の搬送経路で搬送し、印刷された内容物を専用の第2の搬送経路で搬送し、両搬送経路が合流する位置に設けられた封入封緘部によって、封筒用紙と内容物をミスなく組み合わせ、内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘し、封書を作成することができる。
【0022】
そして、前記封書作成装置によれば、封入封緘部での工程において封筒の全面に圧力を加える必要がなく、その搬送方向とは交差する封筒の幅方向の両縁部のみに圧着手段がそれぞれ圧力を加えることにより、封筒用紙の幅方向の両縁部にある感圧接着剤を加圧して接着力を発揮させ、封緘を行なうことができる。
【0023】
また、封入封緘部では、封筒の幅方向の両縁部よりも内側の部分は、圧着手段よりも小さな圧力しか必要としない接着手段で封筒用紙を接着させることができる。さらに、印刷部に設けられた印刷手段により、難接着性材料によって封筒用紙に所望のパターンで印刷を行なうことができるので、接着力調整層を有する前記封筒用紙の製造に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る封筒用紙の表面の図である。
【図2】第1実施形態に係る封筒用紙の裏面の図である。
【図3】第1実施形態に係る封筒用紙設けられた接着力調整層の構造例を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(1)を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る封筒用紙の折り工程(2)を示す図である。
【図6】第1実施形態において、封筒用紙の折り工程が完了し、その他の接着剤を接着する直前の状態を示す断面図である。
【図7】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成の一部とその作用を示す模式的斜視図である。
【図8】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封筒の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図9】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における内容物の流れを矢印で示した模式的断面図である。
【図10】第1実施形態に係る封書作成装置の構造と、同装置における封緘作業と封緘後の封筒の排出工程を示した模式的断面図である。
【図11】第1実施形態の封書作成装置における封入封緘部の構成を示す模式的正面図である。
【図12】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊への水付け工程を示す模式的正面図である。
【図13】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部における再湿糊による接着工程を示す模式的正面図である。
【図14】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構を特に示す模式的斜視図である。
【図15】第1実施形態の封書作成装置の封入封緘部において封筒の位置合わせ機構の作用を示す模式的斜視図である。
【図16】第2実施形態において、封筒用紙の折り工程が完了し、その他の接着剤を接着する直前の状態を示す断面図である。
【図17】第3実施形態において、封筒用紙の折り工程が完了し、その他の接着剤を接着する直前の状態を示す断面図である。
【図18】従来の封筒用紙の構造と折り工程(1)を示す図である。
【図19】従来の封筒用紙の構造と折り工程(2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.第1実施形態(図1〜図15)
(1)本封書作成装置で使用される封書用紙について(図1〜図7)
図1は本実施形態で使用される封筒用紙100の表面(宛て名が印刷される側)を示す図であり、図2は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103、第4紙片104の4つの紙片が折り目で繋げられた矩形の用紙であり、3箇所で折り畳むことにより一枚の紙片の外形と同一形状の四つ折りの封筒になる。封筒用紙の各紙片の表面には、それぞれA、B、C、Dの名称を付し、封筒用紙の各紙片の裏面には、それぞれE、F、G、Hの名称を付し、説明の便宜に供するものとする。
【0026】
図1及び図2に示すように、第1紙片101(A、E)は封筒の内部に折り畳まれて内容物となる部分である。本実施形態では第1紙片101にはミシン目220が設けられており、開封後にミシン目220を切り離すことによって返信用ハガキとなる。また、第2紙片102(B、F)も封筒の内部に折り畳まれて内容物となる部分である。第2紙片102の表面及び裏面B、Fには、必要に応じて文面や画像等を印刷することができる。また、第3紙片103の表面Cは封筒の表に相当し、宛名が印刷される。第3紙片103の裏面Gには必要に応じて文面や画像等を印刷することができ、その上には折り畳まれた第1紙片101及び第2紙片102がこの順で重ねられる。また、第4紙片104の表面Dは封筒の裏に相当し、必要に応じて発送者の名称・住所等が印刷される。第4紙片104の裏面Hには文面や画像等を印刷することができ、この裏面Hが折り畳まれた第2紙片102の表面Bに重ねられる。なお、後述するように、封筒の内部に封入される内容物は、第3紙片103の裏面Gと、その上に重ねられる第1紙片101との間に挟まれる。図1に示すように、内容物40の幅は、封筒用紙100の紙片の両縁部に印刷された各感圧接着剤106の間隔よりも小さい。また、内容物40の幅と直交する方向の長さは、封筒用紙100の紙片の同方向の寸法よりもやや小さく、これを適当な折り数だけ折ることにより、この封筒用紙100から成形した封筒内に収納できるサイズとなる。
【0027】
図1に示すように、第1紙片101の表面A及び第2紙片102の表面Bには、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔で複数箇所に設けられている。なお、第3紙辺103及び第4紙辺104の各表面C、Dには感圧接着剤は設けられていない。また、図2に示すように、第1紙片101の裏面E及び第2紙片102の裏面Fには、表面A及びBの感圧接着剤106とは異なる位置となるように、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が所定間隔で複数箇所に設けられている。また、図2に示すように、第3紙片101の裏面G及び第4紙片102の裏面Hには、幅方向の両縁部に沿って感圧接着剤106が連続帯状に設けられている。この連続帯状の感圧接着剤106は第2紙片102の裏面Fにややはみ出して形成されている。
【0028】
感圧接着剤は、用紙に設けた感圧接着剤同士を密着させて所定の圧力を加えることによって接着力を発揮する種類の接着剤であり、マイクロカプセルを利用した2液式のものや天然ゴム系の接着材料などが知られている。これらの感圧接着剤106の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤106が互いに同じ位置に来て当接するように考慮されている。しかしながら、封筒用紙100を、例えば表面を上側にする等、同じ上下関係で多数枚を重ねた場合には、表面の感圧接着剤106と裏面の感圧接着剤106は対面せず、接触しないようになっている。感圧接着剤106同士を接触させて長期間放置すると、加圧しなくても、高温や多湿等の環境条件によっては自然に接着してしまうという不具合が発生することがあるが、実施形態の封筒用紙100によれば、そのような不具合が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0029】
図1に示すように、第2紙片102の表面Bには、封筒の幅方向の両縁部よりも内側であって第3紙片103との折り目に近接した2箇所の位置に、幅方向に沿った帯状のパターンで、感圧接着剤とは異なる他の接着剤として再湿糊107が設けられている。また、図2に示すように、第4紙片102の裏面Hには、封筒の幅方向の両縁部よりも内側であって第3紙片103との折り目とは反対側の辺に近接して、幅方向に沿った帯状のパターンで接着力調整層400が設けられている。接着力調整層400が設けられている位置は、この封筒用紙100を封筒に成形した際に、前記再湿糊107と対面する位置である。すなわち、この封筒用紙100を封筒に成形すると、前記再湿糊107は接着力調整層400を介して第4紙片104に接着されることとなる。
【0030】
再湿糊は、例えばアラビヤ糊等であり、用紙に塗布して乾いた状態では接着力はないが、水で濡らすと接着力が生じ、この状態で他の用紙と重ねて所要の圧力を加えれば両用紙は接着される。再湿糊で接着する場合の圧力は、感圧接着剤で必要とされる圧力に比べて相当低くても有効である。接着強度は両者とも少なくとも紙よりは相当に高いので、一つの封筒に2種類の接着剤を使用しても接着力の強弱による問題が生じることはない。また、再湿糊に替えて、通常は接着力がないが、感圧接着剤における加圧以外の何らかの操作で接着力が生じる接着剤を用いてもよい。例えば、熱、紫外線を含む光、その他の物理手段によって接着力を生じる接着剤や、前記感圧接着剤における加圧よりも低い加圧で接着力を発揮する他の感圧接着剤、また両面テープ等でもよい。
【0031】
接着力調整層400は、シリコンインクや、用紙をコーティングするために用いられるワックス(ろう)、剥離性のあるニス、その他各種接着剤に対する接着性が低く、剥離性を備えた物質から作られた層であればよく、ここでは、これらの物質・材料を総称して難接着性材料と呼ぶものとする。その形成パターンは、例えば図3に示すように、封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われている難接着部402と、封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われていない接着部401とを有するパターンであって、前記難接着性材料で覆われていない封筒用紙100の表面である複数の接着部401が所定の形状かつ所定の配置で分布するようなものである。具体的には、同図(a)では円形の接着部401が上下2列の等間隔で配置されたパターンであり、同図(b)では正方形の接着部が上下方向に3列交互に配置された市松模様のパターンであり、同図(c)では同図(a)よりも大きい円形の接着部が1列の等間隔で配置されたパターンである。
以上図3(a)〜(c)の例では、接着部が難接着性材料で囲まれていたが、同図(d)のように、難接着性材料が所定間隔で配置された矩形のパターンで形成され、難接着性材料の矩形パターンの隙間が封筒用紙100の表面が露出する接着部401となる構成でもよく、このような構成であっても同図中に例示した連続帯状の再湿糊107が接着すると、再湿糊107は一定の間隔で用紙を露出させている接着部401において一定の面積で用紙に接着することとなる。
【0032】
なお、図3(a)〜(d)のいずれの場合においても、この接着力調整層400は再湿糊107と封筒用紙100との接着を所定の状態に規制して安定させるための手段であるから、両者を対面・接触させた場合、接着力調整層400の形成範囲は、再湿糊107の形成範囲を含み、これよりも大きいことが好ましい。すなわち、再湿糊107は接着力調整層400の接着部においてのみ封筒用紙100と接着され、接着力調整層400からはみ出して不規則に封筒用紙100と接着することがないようにすることが好ましい。
【0033】
このように、接着力調整層400では、封筒用紙100の表面が表れる難接着性材料に設けられた孔又は隙間である接着部401の形状、面積、配置パターンが一定に定められており、再湿糊107は、このようなパターンの接着部401を介してのみ封筒用紙100に接着し、接着力調整層400の難接着性材料に対しては接着力が殆ど働かない。そして、接着力調整層400における接着部401の上記パターンは、封筒の開封し易さと、郵送乃至配送中に加わる外力に耐えうる強度の確保という一般には相反すると考えられる2つの課題を同時に解決するため、次のように定められている。
【0034】
まず、個々の接着部401における再湿糊107の接着強度は、封筒用紙100の強度よりも小さい所定の値に設定されている。これによって、再湿糊107と接着部401による封筒用紙100の封緘部分を開封する際には、用紙を端から幅方向に順次開いていけば、接着部401を介して用紙に接着されている再湿糊107は、用紙を損傷することなく用紙から剥離し、又は用紙の表面を一部剥ぎ取ったとしても用紙に孔を明けるほどの損傷を与えることなく用紙から剥離することができる。従って、封筒用紙100を破くことはなく、小さな力できれいに開封することができる。接着部401における再湿糊107の接着力は、再湿糊107の種類が同じであれば、接着力調整層400に形成される接着部401の形状、寸法、配置間隔等によって決まる。また、接着力が一定である多数のドット状の接着部401を端から順に連続的に剥離していく作業を行なうと、開封者は接着部401の連続的な剥離音を耳にするとともに、指先には小気味よい連続的な開封感覚を感じとることができるので、開封の確実性を触覚乃至聴覚で確認することができる。従って、接着部401の配置パターンは規則的である方が上述した連続した剥離音や開封間隔を得ることができるので好ましい。
【0035】
次に、接着力調整層400に設けられたすべての接着部401における再湿糊107の接着強度の合計は、郵送乃至配送中に封筒の封緘部に加わると考えられる外力よりも大きくなるように設定されている。これによって、再湿糊107による封筒用紙100の封緘部が、郵送乃至配送中に加わる外力で開封されてしまう不都合が起こる恐れは少なくなる。
【0036】
この封筒用紙100によれば、封緘した封筒を開封する場合には、小さな力で用紙を大きく損傷することなく開くことができるため、開いた封筒用紙100に印刷されている情報が読みやすく、また封筒用紙100の一部を利用した返信ハガキなどがある場合にも、その利用に支障が生じることがない。また、再湿糊107による封着部分の強度は全体としては十分に設定されているため、封筒の郵送、配送時には、再湿糊107による封緘部分が外力で開封されてしまう事故が起こる可能性は小さい。
【0037】
また、この実施形態では、再湿糊107は2本の帯状に形成されており、接着力調整層400は連続した1本の帯状に形成されていたので、これら両者による封筒の封緘部分を開封する際には、2本の帯状の再湿糊107の間に相当する用紙の隙間から指を入れて接着している再湿糊107を開いていくことができる。しかしながら、上述したように再湿糊107は接着力調整層400によって小さな力で端から連続的にきれいに剥がしていくことができるので、再湿糊107は必ずしもそれぞれ2本に分けて形成する必要はなく、接着力調整層400と同様に1本の帯状に形成してもよい。
【0038】
また、図1及び図2に示すように、封筒用紙100の幅方向の両側であって感圧接着剤106よりも内側の位置には、幅方向と直交する方向に連続したミシン目220が形成されており、封筒は開封しやすくなっている。しかしながら、本実施形態によれば、封筒を開封する際には、まず接着部401の再湿糊107を上述したように小さな力で用紙を破損せずにきれいに剥がしていくことができるので、その後で幅方向の両端にある感圧接着剤106の部分を広げて剥離していけば、封筒を元の用紙状に展開する作業は容易に行なえる。従って幅方向の両側のミシン目は必須とは言えない。
【0039】
なお、図2に示すように、第2紙辺102の裏面Fには、封筒の幅方向の両縁部よりも内側であって第3紙片103との折り目に近接した位置に、幅方向に沿った帯状のパターンで剥離層405が設けられている。この剥離層405は、前記接着力調整層400と同様に難接着性材料で形成されているが、機能及び目的は異なる。この剥離層405は、封筒用紙100を同じ上下関係で重ねた場合には、他方の封筒用紙100の再湿糊107と対面する位置関係にある。この剥離層405がなければ、封筒用紙100を同じ上下関係で多数枚重ねた場合には、湿度等の条件によっては、再湿糊107が他方の封筒用紙100に接着されてしまう事態も考えられる。しかし、剥離層405があれば、多数枚の封筒用紙100を重ねた場合に再湿糊107に接着性が生じても、用紙同士が接着することはなく、また仮に接着したとしても封筒用紙100に損傷を与えることなく、容易に剥離することができる。
【0040】
宛て名や内容等を印刷した後、封筒用紙100を封筒の形状に成形する場合の折り等の加工手順を説明する。
図4に示すように、第1紙辺101を封筒用紙100の裏面側に折り曲げる。第1紙辺101の裏面Eが第2紙辺102の裏面Fに重なり、第1紙辺101の表面Aが封筒用紙100の裏面側に表れる。図示はしないが、折り成形した内容物を第1紙辺101の表面Aの上に配置し、図4中に矢印で示すように、第1紙辺101、第2紙辺102及び内容物を、さらに第3紙辺103の裏面Gに重ねるように折り曲げる。その結果、図5に示す状態となる。ここで、第2紙辺102の表面Bに設けられた再湿糊107に図示しない手段で水を付けた後、図5中に矢印で示すように第4紙辺104を封筒用紙100の裏面側に折り曲げる。この状態を模式的に示したのが図6の断面図である。第4紙辺104の裏面Hが第2紙辺102の表面Bに重なり、第2紙辺102の再湿糊107は、第4紙辺104の接着力調整層400に対面する。また、各紙辺101〜104の各感圧接着剤106は互いに対面乃至接触する。この状態で封筒用紙100は四つ折りの封筒の形状とはなるが、感圧接着剤106はまだ接着されてはいない。なお、図6においては、図4及び図5では図示を省略した内容物40が二つ折りの状態で封入されている。
【0041】
その後、封筒の幅以上の長さがある図示しないローラによって封筒50の全面を挟持して搬送し、第2紙辺102の再湿糊107と第4紙辺104の接着力調整層400を接着する。また、図7に示すように、圧着ローラ80によって、封筒50の幅方向の両縁部にある感圧接着剤106を接着させる。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向、すなわち搬送方向とは交差する方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106の接着力を発揮させて封緘を行なうことができる。これによって、対面する各紙辺の間で接触している感圧接着剤106は粘着性を生じ、内容が密封された封筒50の形態が実現される。
なお、以上説明した封筒用紙100の封入封緘作業は、以下に説明する第1実施形態の封書作製装置1によって自動的に実行される。
【0042】
(2)本封書作成装置の機構について(図8〜図11)
第1実施形態の封書作製装置1は、作製すべき封書ごとに処理を行なう。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物40に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物40を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については、封筒50の形態となるように封筒用紙100を折るとともに、内容物40にも必要に応じて折りを施す。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、内容物40を封筒50に封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0043】
まず、封書作製装置1は、封筒50及び内容物40となる用紙を印刷して排出する印刷部2を備えている。この印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面等に、複数種類の被印刷体(内容物40となる枚葉状の用紙30や封筒用紙100)を収納可能な複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。本例では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物40となる枚葉状の用紙30が収納されている。
【0044】
これら給紙台Pから出た用紙等は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。本例では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェット装置C、K、M、Yが配置されている。また、さらに、封筒用紙に接着力調整層400を形成するために、難接着性材料であるシリコンインクを吐出できる印刷手段である第5のインクジェット装置Sが4つのインクジェット装置C、K、M、Yの隣に設けられている。このインクジェット装置Sを使用すれば、封筒用紙に所望のパターンで接着力調整層400を印刷し、また剥離層405を印刷することができる。
【0045】
このループ状の搬送路5には、印刷手段の下流の隣部に、ほぼ水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられている。さらに、第2の排出路7と給紙台Pからの導入路との間にはスイッチバック路8が分岐して設けられている。このスイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段である。このスイッチバック路8を用い、用紙の上下面を逆転させて搬送路5を2回通過させれば、インクジェット装置C、K、M、Yで用紙の上下両面にカラー画像を形成するカラー両面印刷を行なうことができる。
【0046】
次に、前記印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物40となる用紙30を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物40を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0047】
すなわち、前記印刷部2の第1の排出路6は水平に延設されて外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流では第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0048】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、前述したように、第2の搬送経路20の一方の経路21は内容物40の用紙を折り手段に搬送する案内路であり、第1及び第2の搬送経路10,20の切り替えは、第2の搬送経路20の分岐点に設けられた図示しない切り替えフラップで行なう。
【0049】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折って封筒50の形態を作製するために第1の折り手段が設けられている。この第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0050】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸の形状に湾曲しつつ水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後に詳述する封入封緘手段に導かれている。
【0051】
次に、封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された用紙を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。この第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を有している。
【0052】
この経路21の中途には、用紙搬送ローラ22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送した用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙を折り畳むための折り手段が設けられている。この折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び1つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラがはゴム製であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。さらに、図示はしないが、主折りローラAと搬送ローラDによる搬送方向の先方位置には、搬送された用紙の先端が突き当たる突き当て部材が設けられており、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラBの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。また、同様に主折りローラAと折りローラBによる搬送方向の先方位置にも突き当て部材があり、突き当たった用紙を撓ませて主折りローラAと折りローラCの間に用紙の撓み部を導いて用紙を折ることができるようになっている。従って、これら折り手段によれば、用紙を2回以上折ることができる。
【0053】
封入封緘部3の筐体9の内部において、前記第2の搬送経路20は、折り手段で折られた用紙30を前記経路21と略直交する斜め上方に連続して搬送する他方の経路26を有している。この他方の経路26は、封筒用紙100を斜め下方に送る前述した第1の搬送経路10の他方の経路13よりも下方の位置にあり、前記封入封緘手段において第1の搬送経路10の経路13と合流している。
【0054】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。この封入封緘手段は、封筒用紙100に必要に応じてさらに折りを与える第2の折り手段であるとともに、折られた封筒用紙100に内容物40を整合させた後にさらに折りを加えることにより、内容物40を封筒内に包み込ませる封入手段でもあり、さらにこの封筒を封緘する封緘手段も備えている。
【0055】
まず封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム性であり、用紙の折りのためであるから加圧力は小さく、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて前述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって折られた後に、さらに第2の折り手段である主折りローラA”等に送られ、ここで封入前段のさらなる折りが必要に応じて実行される。
【0056】
但し、詳細は後述するが、本実施形態では封筒用紙100を四つ折りにして内部に内容物40を封入するので、封筒用紙100は第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた後は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過した待機経路46付近で、内容物40の整合に備えて待機することとなる。そして、第2の搬送経路20を経て送られてくる内容物40と整合した後に、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過して2回目の折りを施され、内容物40の封筒50への封入が行なわれる。
【0057】
次に、図8〜図10及び図11に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、後方に向けてやや傾斜した経路31が配置されている。この経路31の後端付近には、封筒用紙100の再湿糊107に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒50にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0058】
加水手段60は、封筒用紙100の幅方向の両縁部よりも内側に設けられた再湿糊107に加水する装置であって、経路31の下方に配置した水タンク61と、水タンク61の水に浸漬されたフェルト材等からなる吸水部62と、経路31の上方に配置した揺動アーム63と、この揺動アーム63を駆動する回転カム64を備えている。
【0059】
第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’等によって一回折られた封筒用紙100は、第2の折り手段である主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過したところで待機し、第2の搬送経路20の他方の経路26に沿って送られた内容物40が待機中の封筒用紙100に整合され、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過して2回目の折りを施される。
【0060】
図12に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送される。ここで、封筒用紙100は、第2紙片102の表面Bが下向きとなり、再湿糊107が加水手段60の吸水部62と対面した状態にある。これは、図5において、第4紙片104が矢印の方向に畳まれる前の状態であって、第2紙辺102の表面Bを下に向けた状態に近い。ここで回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、再湿糊107が吸水部62に押し付けられて加水される。
【0061】
図13に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られる。これによって、第4紙片104が折られて、第4紙片104の裏面Hが第2紙片102の表面Bに重なり、再湿糊107と接着力調整層400が接着される。
【0062】
次に、図8〜図10及び図11に示すように、封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47は、第1の搬送経路10の一方の経路11や、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行となっている。
【0063】
この経路47の中途には、図7を参照して既に説明したように、封入封緘手段の一部を構成する圧着手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、封筒用紙100の感圧接着剤106にある程度の圧力を加える手段であるから、剛性の高い金属で構成する。この圧着ローラ80は上下1組で左右2対が設けられており、内容物40が封入された封筒50の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤106による封緘を行なうことができる。
【0064】
図11に示すように、各圧着ローラ80は、支点81を中心として揺動可能とされた支持アーム82の先端に取り付けられている。この支持アーム82の後端には付勢手段83が取り付けられており、1組の圧着ローラ80は互いに所定の圧力をもって接触するように構成されている。従って、1組の圧着ローラ80,80の間に封筒50を導き入れ、圧着ローラ80を送り方向に駆動すれば、封筒50は両縁部のみに所定の圧力を受けながら先方に搬送されていく。なお、付勢手段83によって圧着ローラ80が封筒用紙100に与える圧力は、感圧接着剤106の種類にもよるが、例えば700N/cm程度とすることができる。
【0065】
ここで、前記圧着ローラ80の幅は、前記封筒用紙100の幅方向の両縁部に設けられた感圧式接着剤106の塗布幅よりも小さい。また、左右2対の圧着ローラ80,80の間隔は、封筒50内に封入された内容物40の幅よりも大きく、封筒50の幅よりも小さい。従って、圧着ローラ80による封緘工程では、封筒50の幅方向の両縁部の感圧接着剤106だけを圧着ローラ80の幅分の面積で確実に加圧して予定通りの接着力で接着でき、しかもその際、内容物40は圧着ローラ80の加圧を受けないので、内容物40が封筒と一緒に接着されてしまうことがない。なお、一例を挙げれば、通常のサイズの封筒を形成する場合、封筒用紙100の両縁部に設ける感圧接着剤106の幅は、圧着ローラ80の位置ずれを考慮して5mm程度とすることができ、圧着ローラ80の幅は、封筒用紙100の確実な接着を考慮して3mm程度とすることができる。
【0066】
上述したように、圧着ローラ80は幅が狭く、組み立てられた封筒の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを圧着ローラ80で挟んで加圧する必要があるため、圧着ローラ80に対する封筒の幅方向の位置合わせは正確に行なう必要がある。
【0067】
そこで、図14に示すように、本実施形態の封入封緘部には、主折りローラA”及び第2折りローラC”と、圧着ローラ80との間に位置合わせローラ65が設けられている。位置合わせローラ65の軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きく、封筒用紙100を挟持したまま、軸方向に移動して位置を調整することができる。また、位置合わせローラ65のやや下流側の上方にはエッジセンサ66が設けられており、位置合わせローラ65に挟持された封筒用紙100の縁部を捉え、位置合わせローラ65の位置を修正するために封筒用紙100の位置情報を取得できるようになっている。
【0068】
従って、図14又は15に示すように、位置合わせローラ65に搬送されている封筒50の縁部をエッジセンサ66が捉え、その位置情報に基づいて位置合わせローラ65を移動させれば、圧着ローラ80に対して封筒50の幅方向の位置を最適に調整できる。これによって、組み立てられた封筒50の両縁部の感圧接着剤106の部分のみを確実に圧着ローラ80で加圧することができる。
【0069】
なお、図8〜図10に示すように、本実施形態の封書作製装置1は、以上説明した印刷部2及び封入封緘部3の各機構を制御するための制御手段90を備えている。なお、図示の例では、制御手段90は印刷部2内に配置されているが、封入封緘部3内に配置してもよいし、印刷部2及び封入封緘部3の外部に別体として配置してもよい。
【0070】
(3)本封書作成装置の動作について(図8〜図10、図12〜図15)
次に、以上説明した本実施形態の封書作製装置1において、封筒用紙100に宛て名等を印刷し、さらに複数枚の内容物40に必要な印刷を施して折り畳み、封筒用紙100を折り畳んで成形した封筒50に内容物40を封入封緘する全体の手順について通して説明する。
【0071】
図8に示すように、印刷部2では、封筒用紙100が給紙台P1から送り出される。本実施形態では、封筒用紙100は印刷部2の給紙台P1からP4のいずれにあっても良い。この封筒用紙100は、ループ状の搬送路5を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで両面に印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。一般に封筒50の外面となる面には宛て名等が印刷され、封筒50の内面となる面には、封入される内容物40の印刷内容とともに、宛先に送られるべき何らかの情報が必要に応じて印刷される。封筒50の内面に印刷された情報は、受取人が封筒50を切り開くことによって読むことができる。また、インクジェット装置C、K、M、Yによる印刷工程の前又は後に、インクジェット装置Sを用いてシリコンインキによる接着力調整層400及び剥離層405の印刷を行なってもよい。
【0072】
封筒用紙100は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第1の搬送経路10の一方の経路11から折り手段に送られる。封筒用紙100は、主折りローラA’と用紙搬送ローラD’によって先方に送られ、図示しない突き当て部材に突き当って撓み、撓んだ部分から主折りローラA’と第1折りローラB’の間に入り、さらに挟持搬送されて通紙方向先端部の一部に折り目がつけられる。一部が折られた未完成の封筒は、封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過した位置で内容物40の整合に備えて待機する。内容物40の整合後、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”の間を通過して内容物40を包み込みながら2回目の折りを施され、内容物は省略しているが、ほぼ図5に示した状態となる。
【0073】
図9に示すように、封筒用紙100に続き、定められた一定の間隔を空けて内容物40として必要な用紙30が給紙台P2乃至P4の何れかからループ状の搬送路5に送り込まれ、この搬送路を1周する間にインクジェット装置C、K、M、Yで用紙30の両面が印刷される。両面印刷でなく片面印刷を選択することもできる。内容物40の用紙30は、図示しない切り替えフラップの切り替えにより、第2の搬送経路20の一方の経路21に送られる。用紙30は必要枚数が溜まるまで第2の搬経路20の一方の経路21にある整合部23に貯留され、必要枚数が揃ったところで整合部23が開いて折り手段(主折りローラA等)に送り込まれる。折り手段で行なわれる複数回の折りにより、所望の状態に折り畳まれた用紙30は、第2の搬送経路20の他方の経路26を経て封入封緘部(主折りローラA”等)に送り込まれる。本実施形態では、内容物40は内三つ折りとなっている(図6に示す例では他の例として二つ折りで示してある)。この内容物40は、主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間を通過した位置で待機している折りかけの封筒用紙100に整合される。
【0074】
図10に示すように、整合された封筒用紙100と内容物40は、さらに主折りローラA”と第2折りローラB”で先方に搬送されて2回目の折りを施され、封筒用紙100の内部に内容物40が包み込まれていく。ここで、加水手段60の回転カム64が作動して揺動アーム63が揺動し、封筒用紙100の再湿糊107を吸水部62に押し付けて加水する。
【0075】
図13に示すように、主折りローラA”と第2折りローラC”によって封筒用紙100が先方に送られ、第4紙片104が折られ、第4紙片104の裏面Hにある接着力調整層400が第2紙片102の表面Bにある再湿糊107に接着されて封筒50の形状となり、位置合わせローラ65に入る。
【0076】
図15に示すように、封筒50を挟持した位置合わせローラ65は、図14に示すエッジセンサ66で把握された封筒50の位置を元に軸方向の位置を調整し、封筒50の感圧接着剤106が圧着ローラ80と重なる位置に来るように封筒50を移動させる。そして、封筒50は圧着ローラ80を通過することによって両縁部が貼り合わされ、封筒50の封緘が行なわれる。
【0077】
本実施形態によれば、内容物40と整合した封筒用紙100を折って封筒50にする過程で、まず再湿糊107で紙片同士を接着し、その後に、封筒50の幅方向の位置決めを正確に行なってから圧着ローラ80に送り込み、幅の狭い圧着ローラ80で確実に感圧接着剤106を加圧している。従って、幅が狭く小さい力で高い圧力を出せる圧着ローラ80により感圧接着剤106を接着に必要十分な幅で確実に接着させることができる。
【0078】
そして、封入・封緘が完了して完成した封書は、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出され、順次積み上げられて取り出しを待つ。
【0079】
以上説明したように、折り曲げて封筒を作成する本実施形態の封筒用紙100は、封筒の幅方向の両端は感圧接着剤106で接着し、感圧接着剤106よりも内方の接着を再湿糊107で行なうようにしているが、その再湿糊107が接着する相手の紙面に、紙面が規則的に露出している多数の接着部401を備えた接着力調整層400を難接着性材料によって構成している。この接着部401の各点ごとの接着力は用紙の破れ強度よりも弱い一定の値に設定されているので、片側から順番に剥がしていけば、一定の力で容易に開封することができる。また、開封する際の手応えが一定なので安定した好ましい感触を得ることができる。また、接着部401の1点ごとの接着力は小さくても、必要な数の接着部401を設けて全体としての接着力は必要な程度に大きく設定してあるので、郵送乃至配送中の負荷で再湿糊107の封緘部分が剥がれてしまう事故は確実に防止できる。
【0080】
前記再湿糊107は、一般的にスポンジ状の突起状部材を用いてスタンプ式に塗布する工程で形成するため、小さな点状に形成することは困難であり、仮に点状に形成できたとしても、粘性の高い糊を安定した径のドット状に形成することはさらに困難であるため、再湿糊107の塗布パターンの制御で接着力の調整を行なうことは事実上不可能であった。ところが、本実施形態では、再湿糊107は一様な帯状に形成し、これと対面する紙面に難接着性材料を用いてドット状の孔が多数形成されたパターンを印刷したので、再湿糊107による安定した小径の点接着を実現することができ、開封しやすさと、郵送中等の事故による開封の起こり難さとを共に実現することができた。
【0081】
また、本実施形態の封筒用紙100によれば、接着剤107と接着力調整層400を封筒用紙100の異なる位置に設ける構成であるため、接着剤107と接着力調整層400を封筒用紙100上の同一位置に重ねて形成する場合に比べ、位置合わせの精度を高く設定する必要がなく、製造が容易であるという効果がある。
【0082】
2.第2実施形態(図16)
第1実施形態では、図6に示したように、第2紙辺102の表面Bに再湿糊107を設け、第4紙辺104の裏面Hに接着力調整層400を設け、封筒用紙100を封筒50の形状に折り畳んだ際に再湿糊107と接着力調整層400が対面して互いに接着されるように構成されていた。
しかしながら、再湿糊107と接着力調整層400は常に異なる紙面上に別々に形成する必要があるものではなく、図16に示す第2実施形態のように構成することもできる。すなわち、この例では、第2紙辺102の表面Bに、多数の接着部401(孔)を有する接着力調整層400を設け、その上から接着力調整層400よりも狭い範囲で再湿糊107を設け、再湿糊107を各接着部401に入り込ませて予め第2紙辺102に接着させたものである。この状態で封筒用紙100を折り畳んで封筒形状にすると、第4紙片104は大きな面積で再湿糊107に接着されるが、再湿糊107と第2紙辺102との接着強度は接着力調整層400で規定された通りであり、第4紙片104と再湿糊107の接着強度よりも小さい。従って、開封時には、再湿糊107が付着した第4紙辺104を、一定の小さな力で第2紙片102から剥がしていくことができる。
【0083】
第1実施形態では、再湿糊107と接着力調整層400を実質的に透明とし、下地の用紙の印刷が視認できるように構成することは可能であるが、用紙に印刷された情報を読み取る条件は、用紙の上に何も存在しない場合と同一とはいえない。従って、用紙の上に印刷される再湿糊107や接着力調整層400の面積はなるべく小さい方が印刷された情報の読み取りには都合がよい。本実施形態では、再湿糊107と接着力調整層400の両方を同一紙片上の略同一位置に重ねて形成できるので、印刷された情報がより読み取りやすい領域の面積をより広くとることができる。また、再湿糊107は加水して使用し、用紙に貼り合わせた後で乾燥して収縮することによって接着力を発揮するが、この乾燥・収縮の影響で用紙が変形することがある。本実施形態では、再湿糊107は部分的にではあっても接着力調整層400の上に設けられているので、加水された再湿糊107が乾燥して収縮する際には接着力調整層400の上で滑るため、用紙に加わる力が小さくなり、用紙の変形が少なくなる効果が得られる。
【0084】
3.第3実施形態(図17)
この例では、第2紙辺102の表面Bに、再湿糊107を設け、その上から、多数の接着部401(孔)を有する接着力調整層400を設けて再湿糊107を覆ったものである。この状態で封筒用紙100を折り畳んで封筒形状にすると、第4紙片104は接着力調整層400の接着部401を介して再湿糊107に接着される。従って、開封時には、接着力調整層400で覆われた再湿糊107が設けられた第2紙片102から、第4紙辺104を一定の小さな力で剥がしていくことができる。
【0085】
この実施形態によれば、第2実施形態と同様、再湿糊107と接着力調整層400の両方を同一紙片上に形成できるので、印刷された情報がより読み取りやすい領域の面積をより広くとることができる。また、シリコンインクを吐出するインクジェット装置Sを備えた第1実施形態の封書作成装置を用いれば、予め必要位置に再湿糊107を塗布しておいた封筒用紙100に対し、その再湿糊107の上からシリコンインクを印刷して接着力調整層400を形成し、本実施形態の封筒用紙を形成することができる。
【0086】
4.実施形態の変形例について
以上説明した各実施形態の封書作製装置1は印刷部2を備えているが、この印刷部2は既設の画像形成装置であってもよい。すなわち、既に事業所等に設置してある通常の画像形成装置を本発明における印刷部2とし、これに封入封緘部3を接続することによって本発明の封書作製装置1とすることができる。このため、1台の既設の画像形成装置を利用して封筒用紙100,200と内容物40の印刷を行なうことができ、自動的な封書作製装置の設置コストが少なくて済む。
【0087】
また、内容物40の用紙30は必ずしも折る必要はなく、封筒の大きさとの関係により、折らずに元のサイズのままで封筒に封入することとしてもよい。また、各実施形態では、封筒用紙100,200及び内容物40の用紙30として枚葉状の用紙を使用したが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…封書作製装置
2…印刷部
3…封入封緘部
10…第1の搬送経路
20…第2の搬送経路
30…内容物となる用紙
40…内容物 60…接着手段としての加水手段
80…圧着手段としての圧着ローラ
90…制御手段
100…封筒用紙
106…感圧接着剤
107…接着力調整層に対応する接着剤としての再湿糊107
400…接着力調整層
401…接着部
402…難接着部
S…難接着性材料であるシリコンインクを吐出する印刷手段としてのインクジェット装置
A,A’…主折りローラ
B.B’…第1折りローラ
C…第2折りローラ
D,D’…用紙搬送ローラ
A”…主折りローラ
B”…第1折りローラ
C”…第2折りローラ
D”…用紙搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を内包するように封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部を備えた封書作成装置に適用される封筒用紙において、
折り曲げて封筒の形状に成型した前記封筒用紙を接着する接着剤と、
前記接着剤と対応する位置に難接着性材料によって所定パターンで形成され、前記接着剤の前記封筒用紙に対する接着力を調整する接着力調整層と、
を有することを特徴とする封筒用紙。
【請求項2】
前記接着力調整層は、前記封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われている難接着部と、前記封筒用紙の表面が前記難接着性材料で覆われていない接着部とを有しており、前記接着部は所定の形状で複数個所に設けられていることを特徴とする請求項1記載の封筒用紙。
【請求項3】
前記接着剤と前記接着力調整層は、前記封筒用紙の異なる位置にそれぞれ形成されており、前記封筒用紙を折り曲げて封筒に成形すると互いに対面するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の封筒用紙。
【請求項4】
前記接着力調整層の上に前記接着剤が設けられ、前記接着剤は前記接着部を介して前記封筒用紙の表面に接着していることを特徴とする請求項2に記載の封筒用紙。
【請求項5】
作成すべき封書ごとに封筒となる封筒用紙及び内容物をそれぞれ印刷する印刷部と、前記印刷部で印刷された前記封筒用紙を搬送する第1の搬送経路と、前記印刷部で印刷された前記内容物を搬送する第2の搬送経路と、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路が合流する位置に配置され、前記内容物を内包するように前記封筒用紙を折り曲げて封入封緘することによって封書を作成する封入封緘部とを備えた封書作成装置において、
前記印刷部には、難接着性材料によって前記封筒用紙に所望のパターンで印刷を行なう印刷手段が設けられており、
前記封入封緘部には、その搬送方向とは交差する前記封筒の幅方向の両縁部にそれぞれ圧力を加えて封緘を行なう圧着手段と、前記封筒の幅方向の両縁部よりも内側において前記封筒用紙を接着させる接着手段が設けられていることを特徴とする封書作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−71759(P2013−71759A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212814(P2011−212814)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】