説明

射出成形機用射出装置

【課題】低生産性、低効率、溶融材料の漏れ、溶融材料の流れの停滞およびそれによる分解といった従来の射出装置の問題点のうち少なくともいくつかを解決する。
【解決手段】射出成形機用射出装置が提供される。当該射出成形機用射出装置は、フランジと、シャットオフノズルと、充填シリンダと、上記フランジに接続される射出シリンダとを具備する。上記充填シリンダは、溶融材料を上記シャットオフノズルを介して上記射出シリンダに供給し、上記フランジの内部には、上記射出シリンダに相互接続する射出経路が設けられ、上記射出シリンダは当該射出経路を介して射出を行うことが可能である。上記充填シリンダの内部には、充填スクリューが設けられ、当該充填スクリューの前部には、上記シャットオフノズルの入口を塞ぐことが可能な充填シャットオフアセンブリが設けられる。上記射出シリンダには射出スクリューが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機、特に、射出成形機用射出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機用射出装置は、射出成形サイクルにおいて、所定量のプラスチックを、所定の時間間隔以内に成形温度で均一に溶融および可塑化し、結果として得られた溶融材料を、或る一定の圧力および或る一定の速度で金型キャビティに射出し、金型キャビティに射出された溶融材料に対して圧力を保持するように機能する。
【0003】
一般的に用いられている射出装置として、プリプラ式射出装置は、まず、或る一定量の溶融材料を格納チャンバに格納し、次いで、格納された溶融材料をプランジャまたはスクリューによって金型キャビティに射出する。現在、最も一般的に用いられているプリプラ式射出装置は、3つのカテゴリに分類することができる。
【0004】
第1のカテゴリである、図1に示されるようないわゆるインライン射出タイプが、現在最も広く使用されている。スクリュー100が、可塑化後、溶融材料を直接押し出すことによって射出が行われる。射出完了後、システム圧力によって圧力を保持する。そして、圧力保持完了後、スクリューが後退し、可塑化を行う。このようにして、一連の射出成形サイクルが終了する。このカテゴリの装置では、可塑化率が低く、そのため、先行の工程が完了しなければ次の工程を実行することができないことによる、同期性の低さおよびサイクル時間の長さに起因して、生産効率が低くなる。
【0005】
第2のカテゴリは、圧力保持装置102とシャットオフノズル装置103とを追加することで第1のカテゴリに基づいて実施される。図2に示されるように、可塑化後、シャットオフノズルが開かれた状態で射出が行われる。そして、射出完了後、シャットオフノズル装置103内の油圧シリンダがプランジャ105を駆動して上方に移動させることで、プランジャの通過孔1051がフランジ106の射出経路1061に対して位置ずれし、シャットオフノズルが閉じる。圧力保持装置102の油圧シリンダ107がピストン108を押圧して下方に移動させ、圧力を保持して材料を補充する。その間、射出スクリュー101が同期して可塑化を行う。可塑化完了後、油圧シリンダ104がプランジャ105を駆動して下方に移動させることで、射出経路1061を開き、次の射出の準備を整える。このようにして、一連の射出成形サイクルが終了する。
【0006】
第3のカテゴリは、図3に示すような並行構造を有する。この構造では、可塑化および射出の機能が、1つのユニットではなく、2つのユニットによって実行される。つまり、可塑化がスクリュー101の独立した移動によって行われ、射出がプランジャ114によって独立して行われる。このようにして、上部のスクリュー101が主に可塑化に用いられ、下部のプランジャ114が主に射出に用いられる。切換弁115(図4に示される)を用いて射出経路1061を開閉する。シャットオフノズル116が閉じているとき、プランジャ114は射出を行うことができる。射出完了時、圧力を保持し、その間、可塑化スクリュー101が同期して可塑化を行うことができる。可塑化後、切換弁115は、射出経路1061を閉じ、シャットオフノズル116を開くように動作する。プランジャのリセット後、スクリュー101が溶融材料を押し出し、下に位置する格納チャンバ110に材料を供給する。これによって、次の射出を行う準備が整い、一連のサイクルが終了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第2のカテゴリおよび第3のカテゴリの射出装置では、可塑化プロセスがサイクルに含まれない。すなわち、可塑化および射出が独立して行われる。それゆえ、生産性および同期性が向上する。しかしながら、これらの装置は、構造にプランジャを組み入れていることで不利点を有している。詳細には、図2に示すように、プランジャ105とフランジ106との間、およびピストン108とスリーブ112との間に間隙が生じ得る。また、図3に示すように、プランジャ114とシリンダ113との間にも間隙が生じ得る。さらに、射出経路またはシャットオフノズルを制御して開閉させるために切換弁115を90度回転せざるを得ないため、高い圧力がかかった溶融材料が周囲環境と直接接触する場合がある。それゆえ、高圧力下にある溶融材料が漏れるかまたは滞留する場合がある。可能な限り漏れを低減するために、プランジャおよびピストンがより高い精度で係合する必要があるが、これによって、必然的に、装置および構成部品の製造がより難しくなり、製造コストが増加する。さらに、溶融材料の流れが停滞することによって、溶融材料がシリンダ内に長い時間滞留するおそれがあり、その結果、分解が起こる。つまり、可塑化の深刻な劣化が生じる。
【0008】
上述したように、3つのカテゴリの一般的な射出装置は、一般的に、低生産性、低効率、溶融材料の漏れ、溶融材料の流れの停滞およびそれによる分解、ならびに装置および構成部品の製造に関係する種々の困難といった不利点を被る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来技術に関係する上記諸問題を解決するために、本発明は、従来技術の、少なくともいくつかの問題を解決することが可能な、射出成形機専用の射出装置を提供する。
【0010】
本発明の第1の態様では、射出成形機用射出装置が提供される。当該射出装置は、フランジと、シャットオフノズルと、充填シリンダと、射出方向における上記フランジの上流端に接続された射出シリンダとを具備する。上記充填シリンダは、当該充填シリンダ内の溶融材料を、シャットオフノズルを介して上記射出シリンダに供給する。上記フランジの内部には、上記射出シリンダに相互接続された射出経路が設けられ、上記射出シリンダは、当該射出経路を介して射出を行うことができる。上記充填シリンダの内部には、充填スクリューが設けられ、当該充填スクリューの前部には、シャットオフノズルの入口を塞ぐことができる充填シャットオフヘッドが設けられる。上記射出シリンダには射出スクリューが設けられる。射出スクリューには、その前部に射出シャットオフヘッドが設けられる。上記射出シャットオフヘッドには、シャットオフノズルの出口を塞ぐとともに、上記射出シリンダ内の溶融材料を通過させることが可能なシャットオフリングが設けられる。
【0011】
本発明の第2の態様によると、第1の態様の射出成形機用射出装置では、上記充填シリンダが充填方向における上記フランジの上流端に接続される。上記シャットオフノズルは、上記フランジ内に設けられる。上記シャットオフノズルの出口は、上記射出経路に直接相互接続する。
【0012】
本発明の第3の態様によると、第1の態様または第2の態様の射出成形機用射出装置では、上記フランジは、充填フランジと、射出フランジとを含む。上記充填シリンダは、充填方向における上記充填フランジの上流端に接続される。上記射出シリンダは、上記射出方向における上記射出フランジの上流端に接続される。上記射出経路は、上記射出フランジ内に設けられ、上記シャットオフノズルは、上記充填フランジおよび上記射出フランジ内に設けられる。上記シャットオフノズルの出口は、上記射出経路に直接相互接続する。
【0013】
本発明の第4の態様によると、第1の態様〜第3の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記射出シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられた後方シャットオフアセンブリと、後方シャットオフアセンブリの前部に設けられた前方シャットオフアセンブリとを具備する。上記シャットオフリングは、上記前方シャットオフアセンブリに設けられる前方シャットオフリングである。
【0014】
本発明の第5の態様によると、第1の態様〜第4の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記後方シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられた後方シャットオフヘッドと、後方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した後方シャットオフワッシャと、後方シャットオフヘッドの後方シャットオフ溝に外嵌した後方シャットオフリングとを具備する。上記前方シャットオフアセンブリは、上記後方シャットオフヘッドの前部に設けられた前方シャットオフヘッドと、上記前方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した前方シャットオフワッシャと、上記前方シャットオフヘッドの前方シャットオフ溝に外嵌した前方シャットオフリングとを具備する。
【0015】
本発明の第6の態様によると、第1の態様〜第5の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記後方シャットオフワッシャの外径は、上記射出スクリュー用の摺動孔の内径未満である。上記後方シャットオフリングの外径は、上記射出スクリュー用の上記摺動孔の上記内径に等しい。上記前方シャットオフワッシャの外径は、上記射出経路の内径未満である。上記前方シャットオフリングの外径は、上記射出経路の上記内径に等しい。
【0016】
本発明の第7の態様によると、第1の態様〜第6の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記前方シャットオフリングの長さは、上記前方シャットオフリングが圧力保持の開始から上記射出スクリューの最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、上記射出方向における上記シャットオフノズルの上記出口の長さとの合計以上となるように設計される。
【0017】
本発明の第8の態様によると、第1の態様〜第7の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記射出シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられたシャットオフヘッドと、上記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャと、上記シャットオフヘッドの上記シャットオフ溝に外嵌した上記シャットオフリングとを具備する。上記射出経路の内径と、上記射出シリンダの内径とは等しい。上記シャットオフワッシャの外径は、上記射出経路の上記内径未満である。上記シャットオフリングの外径は、上記射出経路の上記内径に等しい。
【0018】
本発明の第9の態様によると、第1の態様〜第8の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記シャットオフリングの長さは、上記シャットオフリングが圧力保持の開始から上記射出スクリューの最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、上記射出方向における上記シャットオフノズルの上記出口の長さとの合計以上となるように設計される。
【0019】
本発明の第10の態様によると、第1の態様〜第9の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記充填シャットオフアセンブリは、上記射出シャットオフアセンブリと同一の構成を有する。
【0020】
本発明の第11の態様によると、第1の態様〜第10の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記フランジは、充填フランジと、射出フランジとを含む。上記充填シリンダは、充填方向における上記充填フランジの上流端に接続される。上記射出シリンダは、上記射出方向における上記射出フランジの上記上流端に接続される。上記射出経路は、上記射出フランジ内に設けられ、上記充填フランジおよび上記射出シリンダは、連通シリンダを介して直接相互接続される。上記シャットオフノズルは、上記充填フランジおよび上記連通シリンダに配置される。上記シャットオフノズルの上記出口は、上記射出シリンダに直接相互接続する。
【0021】
本発明の第12の態様によると、第1の態様〜第11の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記射出シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられるシャットオフヘッドと、上記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャと、上記シャットオフヘッドのシャットオフ溝に外嵌した上記シャットオフリングとを具備する。上記シャットオフワッシャの外径は、上記射出スクリュー用の摺動孔の内径未満である。上記シャットオフリングの外径は、上記射出スクリュー用の上記摺動孔の上記内径に等しい。
【0022】
本発明の第13の態様によると、第1の態様〜第12の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記シャットオフリングの長さは、上記シャットオフリングが圧力保持の開始から上記射出スクリューの最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、上記射出方向における上記シャットオフノズルの上記出口の長さとの合計以上となるように設計される。
【0023】
本発明の第14の態様によると、第1の態様〜第13の態様のいずれか1つの態様の射出成形機用射出装置では、上記充填シャットオフアセンブリは、上記射出シャットオフアセンブリと同一の構成を有する。
【0024】
本発明の第15の態様によると、射出成形機用射出装置が提供される。当該射出成形機用射出装置は、充填フランジと、射出フランジと、上記射出フランジの前部に接続されたノズルアセンブリと、上記充填シリンダの後部に接続された充填シリンダと、上記射出フランジの後部に接続された射出シリンダとを有する。当該射出装置は、上記ノズルアセンブリと上記射出シリンダとを接続する連通シリンダをさらに具備する。上記射出フランジの内部には、上記ノズルアセンブリと上記射出シリンダとを相互接続する射出経路が設けられる。上記連通シリンダの内部には、上記射出シリンダと上記充填フランジとを相互接続するシャットオフノズルが設けられる。上記充填シリンダおよび上記射出シリンダの内部には、充填スクリューおよび射出スクリューがそれぞれ設けられる。上記充填スクリューの前部には、先端で上記シャットオフノズルの入口を塞ぐことが可能な充填シャットオフアセンブリが設けられる。上記射出スクリューの前部には、上記射出シャットオフアセンブリが設けられる。上記射出シャットオフアセンブリには、上記シャットオフノズルの出口を塞ぐとともに、上記射出シリンダ内の溶融材料を通過させることが可能なシャットオフリングが設けられる。
【0025】
本発明の第16の態様によると、第15の態様の射出成形機用射出装置では、上記射出シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられたシャットオフヘッドと、上記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャと、上記シャットオフヘッドの上記シャットオフ溝に外嵌した上記シャットオフリングとを具備する。上記シャットオフワッシャの外径は、上記射出スクリュー用の摺動孔の内径未満であり、上記シャットオフリングの外径は、上記射出スクリュー用の上記摺動孔の上記内径に等しい。
【0026】
本発明の第17の態様によると、第15の態様または第16の態様の射出成形機用射出装置では、上記シャットオフリングの長さは、上記シャットオフリングが圧力保持の開始から上記射出スクリューの最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、上記射出方向における上記シャットオフノズルの上記出口の長さとの合計以上となるように設計される。
【0027】
本発明の第18の態様によると、射出成形機用射出装置が提供される。当該射出成形機用射出装置は、フランジと、上記フランジの前部に接続されたノズルアセンブリと、上記フランジの後部に接続された充填シリンダと、上記フランジの上記後部に接続された射出シリンダとを具備する。上記フランジの内部には、上記ノズルアセンブリと上記射出シリンダとを直線的に接続する射出経路と、上記射出経路中間部と上記充填シリンダとを接続するシャットオフノズルとが設けられる。上記充填シリンダおよび上記射出シリンダの内部には、充填スクリューおよび射出スクリューがそれぞれ設けられる。上記充填スクリューの前部には、先端で上記シャットオフノズルの入口を塞ぐことが可能な充填シャットオフアセンブリが設けられる。上記射出スクリューの前部には、後方シャットオフアセンブリが設けられる。後方シャットオフアセンブリの前部には、上記シャットオフノズルの出口を塞ぐとともに、上記射出シリンダ内の射出材料を通過させることが可能な前方シャットオフアセンブリが設けられる。
【0028】
本発明の第19の態様によると、第18の態様の射出成形機用射出装置では、上記後方シャットオフアセンブリは、上記射出スクリューの前部に設けられた後方シャットオフヘッドと、上記後方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した後方シャットオフワッシャと、上記後方シャットオフヘッドの後方シャットオフ溝に外嵌した後方シャットオフリングとを具備する。上記前方シャットオフアセンブリは、上記後方シャットオフヘッドの前部に設けられた前方シャットオフヘッドと、上記前方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した前方シャットオフワッシャと、上記前方シャットオフヘッドの前方シャットオフ溝に外嵌した前方シャットオフリングとを具備する。
【0029】
本発明の第20の態様によると、第19の態様または第20の態様の射出成形機用射出装置では、上記後方シャットオフワッシャの外径は、上記射出スクリュー用の摺動孔の内径未満である。上記後方シャットオフリングの外径は、上記射出スクリュー用の上記摺動孔の上記内径に等しい。上記前方シャットオフワッシャの外径は、上記射出経路の内径未満である。上記前方シャットオフリングの外径は、上記射出経路の内径に等しい。
【0030】
本発明の第21の態様によると、第19の態様または第20の態様の射出成形機用射出装置では、上記前方シャットオフリングの長さは、上記前方シャットオフリング圧力保持の開始から上記射出スクリューの最大ストロークの終点まで摺動する上記摺動距離と、上記射出方向における上記シャットオフノズルの上記出口の長さとの合計以上となるように設計される。
【0031】
本発明では、射出スクリューの前部に射出シャットオフアセンブリが設けられ、当該射出シャットオフアセンブリは、シャットオフノズルの出口を塞ぐとともに、射出シリンダ内の溶融材料を通過させることが可能である。それゆえ、本発明による上記構造を採用しない従来の射出装置と比較して、溶融材料が、高い圧力で周囲環境に接触することが防止される。よって、溶融材料の漏れが回避される。さらに、射出シャットオフアセンブリのシャットオフリングを圧力保持に用いることで、切換弁が省略される。それゆえ、切換弁の設置位置と周囲環境との間の間隙から生じる漏れ等の、切換弁に関係する諸問題が解決される。さらに、本発明ではダブルスクリュー構造が採用されているため、同期性が改善され、可塑化期間が短縮され、成形速度および生産効率が上がる。さらに、スクリューに必要とされる製造精度がプランジャおよびピストンの製造精度よりも格段に低いため、本発明によって、要求される製造精度が下がり、製造コストを削減することができる。
【0032】
さらに、本発明では、連通シリンダを用いた技術を採用して充填フランジと射出シリンダとを直接相互接続する。したがって、上記射出装置全体の設置および設計が容易になり、空間を十分に有効活用することができる。それゆえ、上記射出装置の設置の自由度(flexibility)が増す。
【0033】
本発明は、上記態様に決して限定されないことに留意されたい。例えば、当業者であれば、本発明を鑑みて、本発明の範囲から逸脱しない限り、上記各態様を組み合わせたり、変更したりすることが可能である(この場合、これらの組合せまたは変更の結果として得られる構造が本発明の目的を実現することができることが前提となる)。
【0034】
以下、本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照しながら非限定的な例によってさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術の第1の射出装置を示す構造図である。
【図2】従来技術の第2の射出装置を示す構造図である。
【図3】従来技術の第3の射出装置を示す構造図である。
【図4】図3に示す射出装置の切換弁の構造を示す拡大図である。
【図5a】本発明の一実施形態による射出装置を示す構造図である。
【図5b】単一シャットオフヘッドを採用した、上記実施形態の一変形例を示す図である。
【図5c】射出スクリューが射出状態にあり、かつ充填スクリューが封止状態にあることを示す、本発明の一実施形態による射出装置の構造図である。
【図6】射出スクリューが圧力保持状態にあり、かつ充填スクリューが可塑化状態にあることを示す、本発明の一実施形態による射出装置の構造図である。
【図7】射出スクリューと充填スクリューとが同時に可塑化状態にあることを示す、本発明の一実施形態による射出装置の構造図である。
【図8】材料が充填スクリューによって射出スクリューに充填される様子を示す、本発明の一実施形態による射出装置の構造図である。
【図9】本発明の一実施形態による射出装置の、射出スクリューの前方に配置される射出シャットオフアセンブリを示す斜視図である。
【図10】図9の正面図である。
【図11】図9の断面図である。
【図12】射出スクリューが射出状態にあり、かつ充填スクリューが封止状態にあることを示す、本発明の別の実施形態による射出装置の構造図である。
【図13】射出スクリューが圧力保持状態にあり、かつ充填スクリューが可塑化状態にあることを示す、本発明の別の実施形態による射出装置の構造図である。
【図14】射出スクリューと充填スクリューとが同時に可塑化状態にあることを示す、本発明の別の実施形態による射出装置の構造図である。
【図15】材料が充填スクリューによって射出スクリューに充填される様子を示す、本発明の別の実施形態による射出装置の構造図である。
【図16】本発明の別の実施形態による射出装置の、射出スクリューの前方に配置される射出シャットオフアセンブリを示す斜視図である。
【図17】図16の正面図である。
【図18】図16の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の具体的かつ例示的な実施形態を、添付の図面を参照しながら非限定的な例としてのみ説明する。本発明の実施形態は、例示に過ぎず、本発明を説明することが意図されていることに留意されたい。これらの実施形態は、本発明を限定することは決して意図されていない。さらに、当業者に既知である従来技術の構造は、本明細書では詳述せず、本発明に関連する構成要素または部分のみを説明する。
【0037】
図5aは、本発明の例示的な一実施形態による射出成形機用射出装置を示す透視図である。図5aに示されるように、射出装置は、フランジ1と、フランジ1の前部に接続されるノズルアセンブリ2と、フランジ1の後部に接続される、充填シリンダ3および射出シリンダ4とを有する。フランジ1の内部には、射出経路11が設けられ、当該射出経路11は、ノズルアセンブリ2と、射出シリンダ4とを相互接続する。
【0038】
また、フランジ1には、シャットオフノズル12がさらに設けられ、当該シャットオフノズル12は、射出経路11の中間部と、充填シリンダ3とを相互接続する。シャットオフノズル12の入口121は充填シリンダ3に相互接続し、シャットオフノズル12の出口122は射出経路11の中間部に相互接続する。このようにして、充填シリンダ3が、シャットオフノズル12および射出経路11を介して射出シリンダ4に相互接続する。充填シリンダ3の内部には、充填スクリュー5が設けられる。充填スクリュー5の前部には、充填シャットオフアセンブリ7が設けられる。当該充填シャットオフアセンブリ7は、その先端でシャットオフノズル12の入口121を塞ぐことができる。射出シリンダ4の内部には、射出スクリュー6が設けられる。当該射出スクリュー6の前部には、射出シャットオフアセンブリが設けられる。
【0039】
さらに、充填シリンダ3および射出シリンダ4には、フィーダ(図示せず)に接続される、充填ポート31および充填ポート32がそれぞれ設けられる。
【0040】
図5aに示されるように、射出スクリュー6の前部に設けられた射出シャットオフアセンブリは、後方シャットオフアセンブリ8と、後方シャットオフアセンブリ8の前部に配置された前方シャットオフアセンブリ9とを有し得る。すなわち、後方シャットオフアセンブリ8および前方シャットオフアセンブリ9は、射出用のダブルシャットオフアセンブリを構成する。前方シャットオフアセンブリと後方シャットオフアセンブリとの接続は、ねじ接続または圧入接続等の既知の接続とすることができる。
【0041】
図9〜図11に示されるように、後方シャットオフアセンブリ8は、射出スクリュー6の前部に設けられた後方シャットオフヘッド81と、後方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した後方シャットオフワッシャ82と、後方シャットオフヘッドの後方シャットオフ溝811に外嵌した後方シャットオフリング83とを有することができる。本実施形態では、後方シャットオフワッシャ82の外径は、射出スクリュー用の摺動孔の直径未満であり、後方シャットオフリング83の外径は、射出スクリュー用の摺動孔の内径に等しい。
【0042】
図11から分かるように、後方シャットワッシャ82は、後方シャットオフ溝811の尾部(図11の左側)の肩部(参照符号は付していない)に当接して後方シャットオフヘッド81に外嵌している。後方シャットオフリング83は、後方シャットオフヘッド81に関して移動可能であるように後方シャットオフ溝811に外嵌している。後方シャットオフリング83が後方シャットヘッド81に関して移動可能であるため、可塑化プロセス中に後方シャットオフリング83が後方シャットオフヘッド81に関して前方(図11の右側)に移動すると、後方シャットオフリング83と後方シャットオフワッシャ82との間に間隙が形成される。溶融プラスチック材料は、この間隙と後方シャットオフ溝811とを介して前方シャットオフヘッドへ流れる。射出プロセス中に、射出によって生じる対抗力に起因して、後方シャットオフリング83が、後方(図11の左側)に移動して後方シャットオフワッシャ82に当接する。このようにして、後方シャットオフリング83と後方シャットオフワッシャ82との間が密閉状態になることで、溶融材料が射出プロセス中に再び流出することが防止される。
【0043】
同様に、前方シャットオフアセンブリ9は、後方シャットオフヘッド81の前部に設けられた前方シャットオフヘッド91と、前方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した前方シャットオフワッシャ92と、前方シャットオフヘッド91の前方シャットオフ溝911に外嵌した前方シャットオフリング93とを有することができる。本実施形態では、前方シャットオフワッシャ92の外径は、射出経路11の開口未満であり、前方シャットオフリング93の外径は、射出経路11の開口に等しい。
【0044】
図11に示すような構造では、前方シャットオフワッシャ92および後方シャットオフヘッド81は、1つの部品から形成される。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、前方シャットオフワッシャ92を別個の構成要素として形成して、これを後方シャットオフヘッド81に外嵌してもよい。前方シャットオフアセンブリ9では、後方シャットオフアセンブリ8と同様に、前方シャットオフワッシャ92が、前方シャットオフ溝911の尾部(図11の左側)の肩部(参照符号なし)に当接して前方シャットオフヘッド91に外嵌している。前方シャットオフリング93は、前方シャットオフヘッド91に関して移動可能であるように前方シャットオフ溝911に外嵌している。前方シャットオフリング93が前方シャットオフヘッド91に関して移動可能であるため、射出シャットオフアセンブリ(すなわち、後方シャットオフアセンブリ8および前方シャットオフアセンブリ9)は、圧力保持プロセス中に前方に移動することができる。このとき、前方シャットオフリング93は、供給圧力に起因して、前方シャットオフヘッド91に関して前方(図11の右側)に移動する。その結果、前方シャットオフリング93と前方シャットオフワッシャ92との間に間隙が形成される。したがって、溶融プラスチック材料(補充材料)が、この間隙と前方シャットオフ溝911とを介して前方シャットオフヘッドから流出する。このようにして、材料の補充が圧力保持プロセス中に実現される。材料の補充が終了した後、射出シャットオフアセンブリは停止する。このとき、前方シャットオフリング93が後方に移動し、システム圧力の対抗力を受けて前方シャットオフワッシャ92に当接する。このようにして、前方シャットオフリング93と前方シャットオフワッシャ92との間が密閉状態になることで、溶融材料が圧力保持プロセス中に再び流出することが防止される。
【0045】
圧力保持プロセスにおいて、材料を補充する必要がない場合には、射出シャットオフアセンブリが前方に移動し続ける必要はないことに留意されたい。この場合、前方シャットオフリング93がシステム圧力(圧力保持圧力)下で前方シャットオフワッシャ92に当接することによって、前方シャットオフリング93と前方シャットオフワッシャ92との間が密閉状態になり、したがって、溶融材料が再び流出することが防止される。
【0046】
図5aおよび図5cは、射出スクリュー6が射出成形状態にあり、かつ充填スクリュー5が封止状態にある、射出装置を示している。図5aおよび図5cに示されるような状況で、充填シャットオフアセンブリ7は、シャットオフノズル12の入口121を塞いで封止する。このとき、射出スクリュー6は、シャットオフノズル12を介して充填シリンダ3から射出シリンダ4に供給された溶融材料を、射出経路11を通じてノズルアセンブリ2に供給する。このようにして、溶融材料は、金型キャビティに射出される。射出プロセス中、充填スクリュー4は、シャットオフノズル12の入口121を塞ぎ、溶融材料が再び流出することを防止する。
【0047】
詳細には、射出プロセスにおいて、充填シャットオフアセンブリ7がシャットオフノズル12の入口121を塞ぐと同時に、射出スクリュー6によって押し出された溶融材料が後方シャットオフワッシャ82から後方シャットオフヘッド81の後方シャットオフ溝811へ流れ、前方シャットオフアセンブリ9を介して射出経路11に注入される。上述したように、前方シャットオフアセンブリ(詳細には、前方シャットオフリング93)が(図6に示すように)圧力保持プロセス中にシャットオフノズルの出口122を塞ぎ、システム全体の圧力を保持する。材料を補充する必要がある場合、補充に必要とされる溶融材料が、前方シャットオフワッシャ92の外壁から前方シャットオフヘッド91の前方シャットオフ溝911へ、そして、プラスチック金型へ流れる。換言すると、射出スクリュー6と、当該射出スクリュー6の前部に設けられたダブルシャットオフアセンブリとは、必要であれば、前進し続けることができる。したがって、上述したように、圧力保持プロセス中に材料を補充することができる。
【0048】
さらに、射出スクリュー6は、射出プロセス中に可塑化を行うことができる。
【0049】
本実施形態の動作プロセスを、特に図5〜図8を参照しながら説明する。なお、図5〜図8の構造の、図5aの構造との唯一の相違点はフランジの構造にあるが、これは後で説明する。
【0050】
図5cに示されるように、射出中に、充填スクリュー5の充填シャットオフアセンブリ7の前端がシャットオフノズル12の入口121を隙間なく塞ぎ、この時点で、射出スクリュー6が前進し始め、これに伴って充填シリンダ4内の溶融材料が前方へ流れ、後方シャットオフアセンブリ8と前方シャットオフアセンブリ9とを通過して射出経路11に入る。このようにして、材料を、ノズルアセンブリ2を介してプラスチック金型に射出することができる。
【0051】
図6に示されるように、射出スクリュー6が前進し続けることでシャットオフノズル12の出口122が前方シャットオフアセンブリ9(特に、前方シャットオフリング93)によって塞がれると、射出スクリュー6は、プラスチック金型に対して圧力を保持し、必要であれば、材料を補充する。充填スクリュー5は、射出スクリュー6による圧力保持と並行して、固体プラスチックを可塑化することができる。
【0052】
圧力を保持し、必要な材料を補充した後、射出スクリュー6も、図7に示すように、必要に応じて固体プラスチックを可塑化することができる。このようにして、充填スクリュー5と射出スクリュー6とが同時に可塑化を行うことができることによって、可塑化時間が節約され、可塑化容量が増加する。
【0053】
最終段階で、充填スクリュー5は、充填シリンダ3内の溶融材料が射出シリンダ4に供給されるように前進し始める。これによって、次のサイクルの射出を実行する準備が整う。充填プロセスは、或る一定量の射出用溶融材料が蓄積されたときに終了する。このようにして、一連のサイクルが完了する。
【0054】
ここで、射出スクリュー6は、上記射出サイクルにおいて可塑化を全く行わず、充填スクリュー5のみが可塑化を行う場合があることに留意されたい。射出スクリュー6は、充填スクリュー5から供給された材料が不十分である場合にのみ機能することができる。これによって、効率をさらに上げることができる。しかしながら、射出スクリュー6および充填スクリュー5を同時に機能させることで、射出装置の効率を最大にすることができる。
【0055】
図5aに示した実施形態では、フランジ1は、例えば、従来技術を示す図3に示すように、1つの部品から成る。しかしながら、本発明は決してこれに限定されない。例えば、図5cは、図5aに示した上記実施形態の一変形例を示しており、ここでは、フランジ1が、充填フランジ1’と、射出フランジ1’’とを有している。
【0056】
この場合、充填シリンダ3が充填フランジ1’の後部(図5cの右側)に接続され、射出シリンダ4が射出フランジ1’’の後部(図5cの右側)に接続される。射出経路11が射出フランジ1’’内に設けられ、射出シリンダ4に相互接続する。シャットオフノズル12の第1の部分が充填フランジ1’内に設けられる。第1の部分の一端は、入口121として機能し、充填シリンダ3に相互接続する。シャットオフノズル12の第2の部分は、射出フランジ1’’内に設けられる。第2の部分の一端は、出口122として機能し、射出経路11に相互接続する。シャットオフノズル12のこれら2つの部分の他端は密閉状態で接続される。このため、図8に示すように、充填シリンダ3が、シャットオフノズル12を介して充填シリンダ3内の溶融材料を射出シリンダ4に供給することができることによって、溶融材料が射出シリンダ4によって射出経路11を介してノズルアセンブリ2に注入され、さらに、ノズルアセンブリを介して金型に射出される。なお、充填フランジ1’内に配置されるシャットオフノズル12の部分と、射出フランジ1’’内に配置される部分との密閉接続は、封止カバー(slip)もしくは接着剤または溶接等を利用する等、従来技術において既知の任意の技術によって実現することができる。
【0057】
図5cに示すような上記ダブルフランジ実施形態に関係する動作プロセスは、図5aに示すものと同一であるため、ここでは省略する。
【0058】
図5cおよび図5aに示すような実施形態では、材料を圧力保持プロセス中に補充することができるのが好ましい。それゆえ、前方シャットオフリング93の長さは、好ましくは、前方シャットオフリングが圧力保持の開始から射出スクリュー6の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、射出方向におけるシャットオフノズル12の出口122の長さとの合計以上であるように設定される。このため、圧力保持に影響を及ぼすことなく、ノズルアセンブリに材料を補充することができ、射出精度がさらに上がる。
【0059】
図5cおよび図5aに示すような実施形態では、後方シャットオフアセンブリ8と前方シャットオフアセンブリ9とから構成されるダブルシャットオフアセンブリ(図9〜図11を参照のこと)が射出シャットオフアセンブリとして採用される。しかし、本発明は決してこれに限定されない。例えば、図16〜図18に示されるような単一シャットオフアセンブリ8’を射出シャットオフアセンブリとして採用してもよい。図5bは、単一シャットオフヘッドを採用する一変形例を示す。
【0060】
この場合、射出シャットオフアセンブリ8’は、射出スクリュー6の前部に設けられたシャットオフヘッド81’と、シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャ82’と、シャットオフヘッドのシャットオフ溝811’に外嵌したシャットオフリング83’とを有する。この変形例では、射出経路11の内径と射出シリンダ4の内径とが等しく、シャットオフワッシャ82’の外径が、射出経路11の内径未満であり、シャットオフリング83’の外径が射出経路11の内径に等しい。このため、射出時に、射出スクリュー6が溶融材料を押し出し、当該溶融材料がシャットオフワッシャ81’からシャットオフ溝811’’へ流れて射出経路に注入される。そして、圧力保持中にシャットオフリング83’がシャットオフノズル12の出口122を隙間なく塞ぐことでシステム圧力を保持する。
【0061】
なお、本実施形態による射出シャットオフアセンブリ8’は、システムに対して圧力を保持し、かつ材料を補充することができることを除いて、ダブルシャットオフアセンブリの後方シャットオフアセンブリ8と同じである。射出シャットオフアセンブリ8’が可塑化および射出プロセスを行う方法は、後方シャットオフアセンブリ8の方法と同じであるため省略する。
【0062】
この変形例では、材料を圧力保持プロセス中に補充することができるのが好ましい。つまり、射出スクリュー6および射出シャットオフアセンブリ8’が、圧力保持プロセス中に溶融材料を射出経路に押し出すように前進し続けることができる。それゆえ、シャットオフリング83の長さは、好ましくは、シャットオフリングが圧力保持の開始から射出スクリュー6の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、射出方向におけるシャットオフノズル12の出口122の長さとの合計以上であるように設計される。これにより、材料補充を圧力保持プロセス中に実行するべく材料補充プロセス中に圧力保持を継続できることが保証される。
【0063】
上記実施形態およびその変形例では、充填シャットオフアセンブリ7の構造は、具体的な必要に応じて、射出シャットオフアセンブリと同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0064】
また、射出スクリュー6と射出シャットオフアセンブリとから成る射出システムが本発明の上記実施形態に採用されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、プランジャ構造(図示せず)を、射出スクリュー6および射出シャットオフアセンブリ7の代わりに採用してもよい。この場合、プランジャ構造の前部によってシャットオフノズルの出口を塞ぐことで圧力を保持する。しかしながら、このプランジャ構造のサイズは、射出シリンダ4の内径が射出経路11の内径に等しく、プランジャの外径が射出シリンダの内径に等しくなるように設計される必要がある。このことから明らかなように、このプランジャ構造は、機械加工精度に対する要件が厳しいため、好ましくない。さらに、プランジャが射出スクリューおよぶ射出シャットオフアセンブリの代わりであるため、射出シリンダが可塑化を行うことができず、プランジャと射出シリンダとの間に隙間が生じ得るという問題も残る。
【0065】
例示的な別の実施形態を、図12〜図15を参照しながら説明する。なお、上記実施形態と本実施形態との相違点のみを説明し、同一または同様の構造に関する説明は省略する。また、同一または同様の構成要素には同じ参照符号を付す。
【0066】
また、充填シリンダ3および射出シリンダ4の充填ポート31、32は、図12〜図15には示していない。
【0067】
図12は、本発明による別の例示的な実施形態を示す。図12に示される実施形態では、フランジ1は、充填フランジ1’と、射出フランジ1’’とを含む。射出方向における射出フランジ1’’の下流端(射出フランジ1’’の前部、すなわち、図12の左側)には、ノズルアセンブリ2が接続される。射出方向における射出フランジ1’’の上流端(射出フランジ1’’の後部、すなわち、図12の右側)には、射出シリンダ4が接続される。射出フランジ1’’内には射出経路11が設けられ、射出シリンダ4に相互接続する。充填方向における充填フランジ1’の上流端(充填フランジ1’の後部、すなわち、図12の右側)には、充填シリンダ3が接続される。充填フランジ1’は、連通シリンダ9’を介して射出シリンダ4に直接相互接続する。さらに、充填フランジ1’内には、シャットオフノズル12の一部が設けられる。この部分の一端は、シャットオフノズル12の入口121として機能し、充填シリンダ3に相互接続する。充填スクリュー5の充填シャットオフアセンブリ7は、入口121を塞ぐことができる。シャットオフノズル12の別の部分は、連通シリンダ9’内に設けられる。この部分の一端は、出口122として機能し、射出シリンダ4に直接相互接続する。シャットオフノズルのこの2つの部分の他端は、密閉状態で接続される。充填シリンダ3内の溶融材料は、シャットオフノズル12から直接、射出シリンダ4に充填される。
【0068】
図示されるように、図5cに示される構造の、図12に示される構造との相違点は、連通シリンダ9’が採用されていることであり、この連通シリンダ9'によって、射出装置の構成が大幅に簡略化され、充填シリンダおよび射出シリンダの設計が容易になる。
【0069】
図12に示す例示的な実施形態では、射出スクリュー6の前端には単一シャットオフアセンブリ、すなわち、射出シャットオフアセンブリ8’が設けられる。射出シャットオフアセンブリは、射出スクリューの前部に設けられたシャットオフヘッド81’と、シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャ82’と、シャットオフヘッドのシャットオフ溝811’に外嵌したシャットオフリング83’とを有する。この実施形態では、シャットオフワッシャ82の外径は、射出スクリューの摺動孔の内径未満であり、シャットオフリング83の外径は、射出スクリューの摺動孔の内径に等しい。このため、射出スクリュー6が溶融材料を押し出し、当該溶融材料がシャットオフヘッド81’のシャットオフ溝811’を通ってシャットオフワッシャ82’から流出して射出経路11に注入される。そして、圧力保持プロセス中に、シャットオフリング83’がシャットオフノズル12の出口122を隙間なく塞ぐことでシステム圧力を保持する。
【0070】
なお、本実施形態による射出シャットオフアセンブリ8’は、システム圧力を保持し、かつ材料を補充することができることを除いて、ダブルシャットオフアセンブリの後方シャットオフアセンブリ8と同じである。この射出シャットオフアセンブリ8’が可塑化および射出プロセスを行う方法は、後方シャットオフアセンブリ8の方法と同じであるため省略する。
【0071】
本実施形態では、材料を圧力保持プロセス中に補充することができるのが好ましい。つまり、射出スクリュー6および射出シャットオフアセンブリ8’は、圧力保持プロセス中に溶融材料を射出経路に押し出すように前進し続けることができる。それゆえ、シャットオフリング83’の長さは、好ましくは、シャットオフリングが圧力保持の開始から射出スクリュー6の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、射出方向におけるシャットオフノズル12の出口122の長さとの合計以上となるように設計される。これにより、材料供給を圧力保持プロセス中に実行するべく材料供給プロセス中に圧力保持を継続できることが保証される。
【0072】
ここまで、連通シリンダ9’が充填フランジ1’と射出シリンダ5との間に直接接続される実施形態を説明してきた。しかし、本発明は決してこれに限定されない。例えば、図示しないが、連通シリンダ9’を、充填シリンダ4と射出シリンダ5との間に直接接続してもよい。この場合、シャットオフノズル12は、その入口121が充填シリンダ3に直接連通し、その出口が射出シリンダ5に直接連通した状態で、連通シリンダ9’内に直接設けられる。
【0073】
本発明の上記実施形態では、射出スクリュー6の前部に単一射出シャットオフアセンブリが設けられる構造を説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、射出スクリュー6および射出シャットオフアセンブリの代わりに、プランジャアセンブリ(図示せず)を採用してもよい。この場合、構造のサイズは、射出シリンダの内径が射出経路11の内径に等しくなるようにする必要がある。しかし、プランジャが材料補充を行うことができず、プランジャと射出シリンダとの間に間隙が生じ得るという問題が残るため、この構造は好ましくない。
【0074】
さらに、充填シャットオフアセンブリ7の構造は、具体的な必要に応じて、射出シャットオフアセンブリと同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0075】
図13〜図15は、異なる段階における実施形態による射出装置をそれぞれ示す。これらの段階は、図5〜図8に示した段階に対応するため、ここでは説明しない。
【0076】
種々の実施形態を本明細書において説明してきた。本発明では、充填スクリューと射出スクリューとによって構成されるダブルスクリュー構造を採用して可塑化を行う。これによって、同期性が改善され、可塑化期間が短縮され、成形速度および生産効率が上がる。さらに、本発明では、射出シャットオフアセンブリによって内部で密閉式の圧力保持が行われ、図3に示すような弁構造が採用されないため、当該弁構造を採用する場合に起こる、弁設置位置と周囲環境との間の間隙の問題が解決される。それゆえ、高い圧力がかかった溶融材料が周囲環境に接触することがなく、漏れが回避される。一方、本発明は、射出スクリューを介して射出を行うため、プランジャとフランジまたはシリンダとの間に間隙が生じない。したがって、溶融材料の流れの停滞が起こらない。この意味で、本発明による構造は合理的である。このため、溶融材料の漏れおよび流れの停滞がないため、可塑化品質が大幅に改善される。最後に、材料射出が、徐々に前進するスクリューを通じて実施される。スクリューに必要とされる製造精度がプランジャおよびピストンの製造精度よりも格段に低いため、本発明によって、必要とされる製造精度が下がり、製造コストを削減することができる。
【0077】
本発明を具体的な実施形態に言及して説明してきたが、上記実施形態は、例示に過ぎず、本発明を決して限定しないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の明細書を鑑みて本発明を変更および改良することができ、変更形態および改良形態は、添付の特許請求の範囲によって規定される範囲に入る。本発明の範囲は、請求項およびこれらの均等物によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ(1;1’,1’’)と、
シャットオフノズル(12)と、
充填シリンダ(3)と、
射出方向における前記フランジ(1;1’,1’’)の上流端に接続される射出シリンダ(4)とを具備し、
前記充填シリンダ(3)は、前記充填シリンダ(3)内の溶融材料を、前記シャットオフノズル(12)を介して前記射出シリンダ(4)に供給し、
前記フランジ(1;1’,1’’)の内部には、前記射出シリンダ(4)に相互接続された射出経路(11)が設けられ、当該射出シリンダ(4)は、当該射出経路(11)を介して射出を行うことが可能であり、
前記充填シリンダ(3)の内部には、充填スクリュー(5)が設けられ、当該充填スクリュー(5)の前部には、前記シャットオフノズル(12)の入口(121)を塞ぐことが可能な充填シャットオフアセンブリ(7)が設けられ、
前記射出シリンダ(4)には射出スクリュー(6)が設けられ、
前記射出スクリュー(6)の前部には、射出シャットオフアセンブリ(8,9;8’)が設けられ、
前記射出シャットオフアセンブリ(8,9;8’)には、前記シャットオフノズル(12)の出口(122)を塞ぐとともに、前記射出シリンダ(4)内の前記溶融材料を通過させるシャットオフリング(93;83’)が設けられる
射出成形機用射出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記充填シリンダ(3)は、充填方向における前記フランジ(1)の上流端に接続され、
前記シャットオフノズル(12)は、前記フランジ(1)内に設けられ、
前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)は、前記射出経路(11)に直接相互接続する
射出成形機用射出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記フランジ(1)は、充填フランジ(1’)と、射出フランジ(1’’)とを含み、
前記充填シリンダ(3)は、充填方向における前記充填フランジ(1’)の上流端に接続され、
前記射出シリンダ(4)は、前記射出方向における前記射出フランジ(1’’)の上流端に接続され、
前記射出経路(11)は、前記射出フランジ(1’’)内に設けられ、
前記シャットオフノズル(12)は、前記充填フランジ(1’)および前記射出フランジ(1’’)内に設けられ、
前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)は、前記射出経路(11)に直接相互接続する
射出成形機用射出装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記射出シャットオフアセンブリ(8,9)は、前記射出スクリューの前部に設けられる後方シャットオフアセンブリ(8)と、前記後方シャットオフアセンブリ(8)の前部に設けられた前方シャットオフアセンブリ(9)とを具備し、
前記シャットオフリングは、前記前方シャットオフアセンブリ(9)に設けられた前方シャットオフリング(93)である
射出成形機用射出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記後方シャットオフアセンブリ(8)は、
前記射出スクリュー(6)の前記前部に設けられた後方シャットオフヘッド(81)と、
前記後方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した後方シャットオフワッシャ(82)と、
前記後方シャットオフヘッドの後方シャットオフ溝(811)に外嵌した後方シャットオフリング(83)とを具備し、
前記前方シャットオフアセンブリ(9)は、
前記後方シャットオフヘッド(81)の前部に設けられた前方シャットオフヘッド(91)と、
前記前方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した前方シャットオフワッシャ(92)と、
前記前方シャットオフヘッド(91)の前方シャットオフ溝(911)に外嵌した前記前方シャットオフリング(93)とを具備する
射出成形機用射出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記後方シャットオフワッシャ(82)の外径は、前記射出スクリュー(6)用の前記摺動孔の内径未満であり、
前記後方シャットオフリング(83)の前記外径は、前記射出スクリュー(6)用の前記摺動孔の前記内径に等しく、
前記前方シャットオフワッシャ(92)の外径は、前記射出経路(11)の内径未満であり、
前記前方シャットオフリング(93)の前記外径は、前記射出経路(11)の前記内径に等しい
射出成形機用射出装置。
【請求項7】
請求項5に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記前方シャットオフリング(93)の長さは、前記前方シャットオフリング(93)が圧力保持の開始から前記射出スクリュー(6)の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、前記射出方向における前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)の長さとの合計以上となるように設計される
射出成形機用射出装置。
【請求項8】
請求項2または3に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記射出シャットオフアセンブリ(8’)は、
前記射出スクリュー(6)の前部に設けられたシャットオフヘッド(81’)と、
前記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャ(82’)と、
前記シャットオフヘッドの前記シャットオフ溝(811’)に外嵌した前記シャットオフリング(83’)とを具備し、
前記射出経路(11)の内径と、前記射出シリンダ(4)の内径とは等しく、
前記シャットオフワッシャ(82’)の外径は、前記射出経路(11)の前記内径未満であり、
前記シャットオフリング(83’)の外径は、前記射出経路(11)の前記内径に等しい
射出成形機用射出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記シャットオフリング(83’)の長さは、前記シャットオフリング(83’)が圧力保持の開始から前記射出スクリュー(6)の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、前記射出方向における前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)の長さとの合計以上となるように設計される
射出成形機用射出装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記充填シャットオフアセンブリ(7)は、前記射出シャットオフアセンブリ(8,9;8’)と同一の構成を有する
射出成形機用射出装置。
【請求項11】
請求項1に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記フランジ(1)は、充填フランジ(1’)と、射出フランジ(1’’)とを含み、
前記充填シリンダ(3)は、充填方向における前記充填フランジ(1’)の上流端に接続され、
前記射出シリンダ(4)は、前記射出方向における前記射出フランジ(1’’)の前記上流端に接続され、
前記射出経路(11)は、前記射出フランジ(1’’)内に設けられ、前記充填フランジ(1’)および前記射出シリンダ(4)は、連通シリンダ(9’)を介して直接相互接続され、
前記シャットオフノズル(12)は、前記充填フランジ(1’)および前記連通シリンダ(9’)内に設けられ、
前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)は、前記射出シリンダ(4)に直接相互接続する
射出成形機用射出装置。
【請求項12】
請求項11に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記射出シャットオフアセンブリ(8’)は、
前記射出スクリュー(6)の前部に設けられるシャットオフヘッド(81’)と、
前記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャ(82’)と、
前記シャットオフヘッドのシャットオフ溝(811’)に外嵌した前記シャットオフリング(83’)とを具備し、
前記シャットオフワッシャ(82’)の外径は、前記射出スクリュー(6)用の摺動孔の内径より小さく、
前記シャットオフリング(83’)の外径は、前記射出スクリュー(6)用の前記摺動孔の前記内径に等しい
射出成形機用射出装置。
【請求項13】
請求項12に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記シャットオフリング(83’)の長さは、前記シャットオフリング(83’)が圧力保持の開始から前記射出スクリュー(6)の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、前記射出方向における前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)の長さとの合計以上となるように設計される
射出成形機用射出装置。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記充填シャットオフアセンブリ(7)は、前記射出シャットオフアセンブリ(8’)と同一の構成を有する
射出成形機用射出装置。
【請求項15】
充填フランジ(1’)と、
射出フランジ(1’’)と、
前記射出フランジ(1’’)の前部に接続されるノズルアセンブリ(2)と、
前記充填シリンダ(1’)の後部に接続される充填シリンダ(3)と、
前記射出フランジ(1’’)の後部に接続される射出シリンダ(4)と、
前記ノズルアセンブリ(2)と前記射出シリンダ(4)とを接続する連通シリンダ(9’)とを具備し、
前記射出フランジ(1’’)の内部には、前記ノズルアセンブリ(2)と前記射出シリンダ(4)とを相互接続する射出経路(11)が設けられ、
前記連通シリンダ(9’)の内部には、前記射出シリンダ(4)と前記充填フランジ(1’)とを相互接続するシャットオフノズル(12)が設けられ
前記充填シリンダ(3)および前記射出シリンダ(4)の内部には、充填スクリュー(5)および射出スクリュー(6)がそれぞれ設けられ、
前記充填スクリュー(5)の前部には、先端で前記シャットオフノズルの入口(121)を塞ぐ充填シャットオフアセンブリ(7)が設けられ、
前記射出スクリュー(6)の前部には、射出シャットオフアセンブリ(8)が設けられ、
前記射出シャットオフアセンブリ(8)には、前記シャットオフノズルの出口(122)を塞ぎ、前記射出シリンダ(4)内の溶融材料を通過させるシャットオフリング(83)が設けられる
射出成形機用射出装置。
【請求項16】
請求項15に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記射出シャットオフアセンブリ(8)は、
前記射出スクリュー(6)の前部に設けられたシャットオフヘッド(81)と、
前記シャットオフヘッドの外壁に外嵌したシャットオフワッシャ(82)と、
前記シャットオフヘッドの前記シャットオフ溝(811)に外嵌した前記シャットオフリング(83)とを具備し、
前記シャットオフワッシャ(82)の外径は、前記射出スクリュー用の摺動孔の内径未満であり、
前記シャットオフリング(83)の外径は、前記射出スクリュー用の前記摺動孔の前記内径に等しい
射出成形機用射出装置。
【請求項17】
請求項15または16に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記シャットオフリング(83)の長さは、前記シャットオフリング(83)が圧力保持の開始から前記射出スクリュー(6)の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、前記射出方向における前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)の長さとの合計以上となるように設計される
射出成形機用射出装置。
【請求項18】
フランジ(1)と、
前記フランジ(1)の前部に接続されたノズルアセンブリ(2)と、
充填シリンダ(3)と、
前記フランジ(1)の後部に接続された射出シリンダ(4)と、
前記フランジ(1)の内部には、前記ノズルアセンブリ(2)と前記射出シリンダ(4)とを直線的に接続する射出経路(11)と、前記射出経路(11)の中間部と前記充填シリンダ(3)とを接続するシャットオフノズル(12)とが設けられ、
前記充填シリンダ(3)および前記射出シリンダ(4)の内部には、充填スクリュー(5)および射出スクリュー(6)がそれぞれ設けられ、
前記充填スクリュー(5)の前部には、先端で前記シャットオフノズルの入口(121)を塞ぐことが可能な充填シャットオフアセンブリ(7)が設けられ、
前記射出スクリュー(6)の前部には、後方シャットオフアセンブリ(8)が設けられ、
前記後方シャットオフアセンブリ(8)の前部には、前記シャットオフノズルの出口(122)を塞ぐとともに、前記射出シリンダ(4)内の射出材料を通過させることが可能な前方シャットオフアセンブリ(9)が設けられる
射出成形機用射出装置。
【請求項19】
請求項18に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記後方シャットオフアセンブリ(8)は、
前記射出スクリュー(6)の前部に設けられた後方シャットオフヘッド(81)と、
前記後方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した後方シャットオフワッシャ(82)と、
前記後方シャットオフヘッドの後方シャットオフ溝(811)に外嵌した後方シャットオフリング(83)とを具備し、
前記前方シャットオフアセンブリ(9)は、
前記後方シャットオフヘッド(81)の前部に設けられた前方シャットオフヘッド(91)と、
前記前方シャットオフヘッドの外壁に外嵌した前方シャットオフワッシャ(92)と、
前記前方シャットオフヘッド(91)の前方シャットオフ溝(911)に外嵌した前方シャットオフリング(93)とを具備する
射出成形機用射出装置。
【請求項20】
請求項19に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記後方シャットオフワッシャ(82)の外径は、前記射出スクリュー(6)用の摺動孔の内径未満であり、
前記後方シャットオフリング(83)の外径は、前記射出スクリュー(6)用の前記摺動孔の前記内径に等しく、
前記前方シャットオフワッシャ(92)の外径は、前記射出経路(11)の内径未満であり、
前記前方シャットオフリング(93)の外径は、前記射出経路(11)の前記内径に等しい
射出成形機用射出装置。
【請求項21】
請求項19または20に記載の射出成形機用射出装置であって、
前記前方シャットオフリング(93)の長さは、前記前方シャットオフリング(93)が圧力保持の開始から前記射出スクリュー(6)の最大ストロークの終点まで摺動する摺動距離と、前記射出方向における前記シャットオフノズル(12)の前記出口(122)の長さとの合計以上となるように設計される
射出成形機用射出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−51373(P2012−51373A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−189486(P2011−189486)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(509344906)震雄▲資▼▲産▼管理有限公司 (3)
【Fターム(参考)】