説明

射出成形機

【課題】 吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機において、設備コストが安くて、なおかつエネルギー効率を改善することができる射出成形機を提供する。
【解決手段】 吐出流量を変更可能なポンプ52が配設され油圧シリンダ21,29,44により少なくとも一部の作動を行う射出成形機11において、前記ポンプ52は回転数が固定設定されたモータ53により作動され、少なくとも油圧シリンダ21,29,44が不作動の際には、圧力センサ58の値が圧力設定値または圧力設定値に近づくと、吐出流量が減少またはゼロになるようカットオフ制御されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出流量を変更しない固定型ポンプが配設され、パイロット圧により作動される弁の開閉により油圧シリンダの少なくとも一部の作動を行う射出成形機としては特許文献1に記載されたものが知られている。しかし特許文献1では型締シリンダ等の油圧シリンダが作動されないときは油圧源であるポンプから送られる油は安全弁からタンクに戻されていた。そのためポンプは常にフル作動しておりエネルギー効率の点で問題があるとともに油温がより一層上昇するという問題があった。上記の問題を解決するものとしては特許文献2に記載されたものが知られている。しかし特許文献2は、ポンプにサーボモータを使用するため、コストが高くなるという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2001−315177号(請求項1、図1)
【特許文献2】特開2001−88191号(請求項1、0019、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明では、吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機において、設備コストが安くて、なおかつエネルギー効率を改善することができる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の射出成形機は、吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機において、ポンプは回転数が固定設定されたモータにより作動され、少なくとも油圧シリンダが不作動の際には、圧力センサの値が圧力設定値または圧力設定値に近づくと、吐出流量が減少またはゼロになるようカットオフ制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の射出成形機は、吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機において、ポンプは回転数が固定設定されたモータにより作動され、少なくとも油圧シリンダが不作動の際には、圧力センサの値が圧力設定値または圧力設定値に近づくと、吐出流量が減少またはゼロになるようカットオフ制御されるので、設備コストが安くて、なおかつエネルギー効率を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は本実施形態の射出成形機の平面図である。図2は、本実施形態の射出成形機の油圧回路の概略を示す図である。図3は本実施形態の射出成形機のポンプの制御を示す図である。
【0008】
射出プレスを含む射出圧縮成形が可能な射出成形機11は、型締装置12と射出装置13がベッド14上に配設されている。型締装置12の各部について説明すると、ベッド14上に固定金型15が取付けられる固定盤16と、受圧盤17とが互いに離隔して対向配置されている。固定盤16と受圧盤17の間には四本のタイバー18が設けられ、前記タイバー18には可動金型19が取付けられる可動盤20が型開閉方向に移動可能に配設されている。 受圧盤17の略中央部には固定盤16に対して可動盤20を型締する型締シリンダ21が固定されている。そして前記型締シリンダ21のシリンダ筒22の内周側には型締ラム23が摺動自在に内挿されている。なお実際には受圧盤17、型締シリンダ21のシリンダ筒22は鋳物により一体に形成されている。そして前記シリンダ筒22と型締ラム23との間には、型締ラム23と一体に設けられたピストン部24を境にして型締側油室25と型開側油室26が設けられ、それぞれ図2に示される油圧回路に接続されている。
【0009】
型締ラム23の可動盤20側には一対のハーフナット28がハーフナット用シリンダ29によって型開閉方向と直角方向に進退移動されるよう設けられている。また型締ラム23の内周側の貫通孔には型締ラム23と同軸に僅かな間隔を隔ててメカニカルラム27が内挿されている。メカニカルラム27は、可動盤20の背面に固定され前記ハーフナット28と噛合されるための係合溝が形成されている。また可動盤20と受圧盤17との間には型開閉機構が設けられている。本実施形態において型開閉機構は、可動盤20にサーボモータ30が固定され、受圧盤17にボールナット31が固定され、サーボモータ30の駆動軸に直結されたボールネジ32が前記ボールナット31に挿通された電動機構から構成されている。なお型開閉機構は、固定盤16と可動盤20またはベッド14と可動盤20の間に設けてもよく、駆動源も限定されない。また可動盤20とメカニカルラム27の内部には図示しないエジェクタ機構が設けられている。本実施形態ではエジェクタ機構は、サーボモータとボールネジ機構を用いた電動機構であるが、油圧シリンダを用いた油圧機構でもよい。
【0010】
また射出装置13について説明すると、ベッド14の上にはハウジングプレート36が前後進および旋回可能に設けられている。そしてハウジングプレート36には、図示しないスクリュが内蔵され先端にノズル34が設けられた加熱筒35が取付けられている。前記ハウジングプレート36の両側には射出用サーボモータ37が取付けられている。スクリュの後端はスクリュコネクタ38を介してバックプレート39に軸支されるとともに、バックプレート39に固定された計量用モータ40の駆動部に直結されている。またバックプレート39の両側にはボールナット41が固定されている。そして前記射出用サーボモータ37の駆動部に直結されたボールネジ42が前記ボールナット41に挿通されている。ハウジングプレート36の上部には樹脂材料を供給および貯蔵するホッパ43が取付けられている。ハウジングプレート36の前部には、射出時に射出装置13のノズルを固定金型15に押圧するためのシフトシリンダ44が配設され、そのロッド44aが固定盤16に取付けられている。
【0011】
次に図2により本実施形態の油圧回路について説明する。本実施形態で油圧回路により作動されるのは、型締シリンダ21、ハーフナット用シリンダ29、シフトシリンダ44である。油圧回路の油圧源であってタンク51に接続されるポンプ52は、斜板の角度を変えることにより吐出流量(押し退け容積)を変更することができる斜板式アキシアルピストンポンプである。ポンプ52の駆動源として使用されるモータ53は、回転数が固定設定される三相誘導モータである。三相誘導モータは、回転数を変更制御することは出来ないが、コストの点で、インバータを使用したモータやサーボモータと比較して有利である。
【0012】
前記ポンプ52は、バネによって復帰される制御シリンダ54によって斜板の角度が変更され、モータ53の1回転当りの吐出流量が制御される。そして前記制御シリンダ54は、圧力制御用弁、ロードセンシング弁等からなる制御ユニット56によってパイロットライン55を介して油圧的に制御される。またポンプ52からの油が送られる下流側(各シリンダ側)のメイン管路57には、圧力センサ58が設けられている。前記圧力センサ58、制御ユニット56、制御シリンダ54等は、制御装置59に接続され、ポンプ52の吐出流量を制御することによる流量制御と圧力制御(クローズドループ制御)が可能となっている。
【0013】
メイン管路57には制御装置59からの信号により制御される電磁比例圧力制御弁60が配設され、メイン管路57全体の圧力を制御している。メイン管路57から分岐し型締シリンダ21に接続される管路61には、ポンプ52側から順にシーケンス弁62と電磁四方切換弁63が配設されている。そして前記電磁四方切換弁63のAポートとBポートは、型締シリンダ21の型締側油室25と型開側油室26に接続され、型締側油室25には圧力センサ64が取付けられている。また前記Aポートと型締側油室25との間の管路79から分岐して圧抜用管路80が設けられ電磁切換弁81と絞り弁82を介してタンク51に接続されている。
【0014】
メイン管路57から分岐したパイロットライン65と前記圧抜用管路80から分岐したパイロットライン66の接続部にはシャトル弁67が配設されている。そして前記シャトル弁67から分岐したパイロットライン68は、パイロットチェック弁69、切換弁70を介してカートリッジ弁71に接続されている。カートリッジ弁71は一方のポートが型締シリンダ21の型締側油室25に接続され、他方のポートがタンク51に接続されている。
【0015】
上記メイン管路57から2個のハーフナット用シリンダ29に接続される菅路72には、電磁比例減圧弁73に続いて電磁切換弁74が配設され、Aポート、Bポートが前記2個のハーフナット用シリンダ29のシリンダ側油室とロッド側油室に接続されている。またシフトシリンダ44への管路75についても電磁比例減圧弁76が設けられ、絞り弁77を介して電磁四方切換弁78が配設されている。そして前記電磁四方切換弁78のAポートとBポートは、シフトシリンダ44のシリンダ側油室とロッド側油室に接続され、Tポートはタンク51に接続されている。
【0016】
次に本発明の射出成形機11の制御方法について、油圧によって作動される部分を中心に説明する。可動盤20が型開位置に停止している間に前回の成形サイクル時に成形された成形品が取出される。可動盤20が型開位置に停止している間、各シリンダ21,29,44は作動していない。従ってメイン管路57の油圧は、前記パイロットライン65等のパイロット圧が保持される圧力にポンプ52によりカットオフ制御されている。
【0017】
具体的には制御装置59には、パイロット圧を保持可能な圧力設定値として例えば図3に示されるように5MPaが設定されている。各シリンダが不作動の際には、図3の(a)に示される吐出流量となるよう制御装置59から制御ユニット56および制御シリンダ54を介してポンプ52の斜板の角度が設定される。この際モータ53の回転数は一定のままである(負荷の変化による意図しない回転数の増減を除く)。また圧力センサ58による検出値が制御装置59に送られ、圧力設定値であるa2に対してa1まで近づくまでは、斜板の角度は一定のまま流量制御が行われる。そして前記圧力センサ58による検出値が制御切換点であるa1になると、制御装置59により流量制御から圧力制御に切換えられる。圧力制御時においては圧力センサ58の値が圧力設定値となるように制御装置59から制御ユニット56および制御シリンダ54を介してポンプ52の斜板の角度を変更して吐出流量を減少させる。なお実際には前工程においてメイン管路57の圧力が前記圧力設定値よりも高くなっている場合は、吐出流量がゼロとなるようポンプ52の斜板の角度が調整される。
【0018】
次に型開閉機構である型開閉用サーボモータを作動させて型閉工程を行う。この型閉工程の際に同時にシフトシリンダ44を作動させて射出装置13を前進させノズル34を固定金型15に当接(ノズルタッチ)させる。この際、ノズルタッチされて圧力センサ58の検出値が圧力設定値であるb2に対してb1まで昇圧されるまでは、図3の(b)に示される吐出流量となるようポンプ52の斜板の角度が一定に制御される。そして圧力センサ58の検出値がb1まで昇圧されると流量制御から圧力制御に切換えられる。なお圧力設定値b2に対して圧力制御に切換える制御切換点であるb1の値が近いほど早く昇圧完了するが、あまり両者の値が近すぎると、急速に流量が減少されることによりハンチング等の問題を引き起こす可能性がある。本実施形態では設定圧は制御装置59により14MPaに設定されており、14MPaに到達するとポンプ52からの吐出流量は実質的にゼロとなる。この際電磁比例圧力制御弁60は、前記の14MPaよりも高い設定圧(油圧回路の安全が確保される設定圧)となっている。従って従来のようにポンプの吐出流量のほぼ全量がリリーフ弁からタンクに戻されるようなことはないので、油温の上昇が比較的抑えられ、エネルギー効率を改善できる。そして以後の射出工程、保圧工程、計量工程の後にノズル34が後退するまでシフトシリンダ44の圧力を前記圧力に保つよう圧力が封じ込められる。なお型閉工程において、シフトシリンダ44によるノズルタッチおよび昇圧がされた後に再び、ポンプ52の吐出流量はパイロット圧を保持可能な最低吐出流量に制御される。
【0019】
次に型閉工程が完了したことが図示しないリミットスイッチ等により検出されるとハーフナット用シリンダ29に接続される電磁切換弁74が切換えられ、ハーフナット用シリンダ29のロッドが伸長するとともにハーフナット28が前進してメカニカルラム27の係合溝と噛合される。この際のポンプ52の制御はシフトシリンダ44の制御と基本的に同じであり、ハーフナット用シリンダ29は油室の容量が小さいので、図3の(b)に示される吐出流量となるよう制御装置59等によりポンプ52の斜板の角度が設定され、油が送られる。そして圧力センサ58の検出値がb1になると流量制御から圧力制御に切換えられ、圧力センサ58の値がb2となるとポンプ52からの吐出流量は実質的にゼロとなる。
【0020】
ハーフナット28の噛合が確認されると、次に型締シリンダ21に接続される電磁四方切換弁63が切換えられ、ポンプ52からメイン管路57を介して型締シリンダ21の型締側油室25に油が送られ型締工程が行われる。この際も当初メカニカルラム27が前進してメカニカルラム27の係合溝とハーフナット28の溝とが当接するまでの間と、当接後に圧力センサ58の値が圧力設定値であるc2に対してc1まで近づくまでの間は、図3の(c)に示される最大吐出流量となるよう制御装置59等によりポンプ52の斜板が制御される。従って本実施形態では、圧力定値に近づくまでの吐出流量(斜板の角度)は、各シリンダの油室の容量や、求められる速度により適宜に変更されるようになっている。
【0021】
なお本実施形態では、射出圧縮成形による多段型締力制御を行うために、圧力センサ64の検出値が設定値であるc3に到達すると、図3に示される破線(d)のように制御装置59から電磁比例圧力制御弁60に指令を出し、該電磁比例圧力制御弁60を介してタンク51に油を戻す型締力のクローズドループ制御を行う。だから実際には型締工程では、制御切換点であるc1が検出されることやc1からc2までの間の圧力制御によるポンプ52のカットオフ制御は行われない。また設定型締力に到達してから僅かに遅延して、射出装置13の側ではスクリュを前進させて射出工程を行い、射出工程の後に保圧工程を行う。
【0022】
また圧力センサ64の値が設定値c3に到達すると、制御装置59によるポンプ52の制御は、図3に示される(e)に移行され、斜板の角度を変更して吐出流量を低下させる。多段型締力制御の各段階において、型締力を例えば15MPaに変更する際は、制御装置59から電磁比例圧力制御弁60に指令を出すことにより、図3に示される破線(f)に油圧および型締力を制御することができる。なお射出工程開始後に、更に型締力を急速に上昇させる場合は、ポンプ52の吐出流量を図3に示される(c)の最大吐出流量とし、電磁比例圧力制御弁60の設定値c3を更に高い値に設定して制御を行ってもよい。このように前記電磁比例圧力制御弁60を介して油をタンク51に逃がす制御を行うと、より機敏な制御ができる。従って本実施形態では、制御の機敏性を求められる場合と、省エネ性が求められる場合とで要求に応じて、電磁比例圧力制御弁制御とカットオフ制御とを使い分けるようにすることができる。
【0023】
次に冷却工程において型締力を低減できる場合、または冷却工程において厳密な型締力制御が必要でない場合は、電磁四方切換弁63を閉鎖(センターポジションに復帰)する。そしてパイロットライン65,66等のパイロット圧が最低保持できるようにポンプ52の吐出流量を制御する。また前記冷却工程と並行して射出装置13の側では計量工程が完了するとシフトシリンダ44が作動されて射出装置13が後退位置に戻される。その際のポンプ制御もノズルタッチ時と基本的に同じである。
【0024】
冷却工程が完了して次の圧抜工程では、電磁切換弁81を切換え、型締側油室の油の一部をタンク51に逃がす。この際絞り弁82によりショックを起こすことなく圧抜きができる。そして型締側油室25および管路80の圧力がパイロットライン65の圧力以下となるとシャトル弁67が図2の右側に移動される。
【0025】
次の強力型開工程では、電磁四方切換弁63を切換えてPポートとBポートを接続し、型締シリンダ21の型開側油室26に油を送り込み、可動金型19の型開きを行う。この際型締側油室25の油はAポートとTポートを介してもタンク51へ戻されるが強力型開を高速で行うために必要な時間当り流量がドレン出来ない。そのため前記電磁四方切換弁63の切換えと同時または僅かに前後して、切換弁70を切換えてパイロットライン68を介してパイロット圧をカートリッジ弁71に送り、カートリッジ弁71を開放作動させる。この際にパイロットライン65にはパイロット圧が保たれているのでカートリッジ弁71の応答性が良好である。そのことにより型締シリンダ21の型締側油室25の油は、弁の流路の断面積が大きいカートリッジ弁71を介して急激に大量にタンク51に戻される。強力型開工程では当初の離型時が最も力が必要であり、後半の可動金型19、可動盤20、およびメカニカルラム27等の移動時は、前記可動金型19等の重量(移動時の摩擦)と釣り合う力でポンプ52の吐出流量を制御して速度制御が行われる。
【0026】
型締シリンダ21により可動金型19等が一定位置まで移動されると可動盤20等が停止され、ハーフナット用シリンダ29に対して電磁切換弁74が切換えられ、ハーフナット28が後退される。そして型開閉機構であるサーボモータ等により可動金型19等が型開完了位置まで移動される。この型開工程時または可動盤20が型開完了位置に停止時に、型締シリンダ21の型締側油室25に油を送り、強力型開工程によりずれた型締シリンダ21の型締ラム23の位置をハーフナット28により噛合可能な定位置に戻す。なお型開工程時の各シリンダ21,29,44が不作動時にはポンプ52から送られる油はカットオフ制御され省エネ化が図られる。
【0027】
本発明については、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本発明は、電気モータ(サーボモータ)による作動によって一部の駆動が行われるハイブリッド式射出成形機に有効であるが限定されない。またポンプにより作動される油圧シリンダの目的、数等は、限定されず、パイロット圧により作動される油圧シリンダも型締シリンダに限定されず、他の油圧シリンダであってもよい。またパイロット圧によって作動されるのは強力型開工程に限定されず、他の作動の際に、パイロット圧を保持しておくことによりパイロット作動弁の開閉等を迅速に行うようにしてもよい。
【0028】
ポンプの種類は斜板式アキシアルピストンポンプに限定されず他の種類のポンプでもよい。また駆動手段のモータも三相誘導モータに限定されない。またポンプの制御においては、圧力設定値において吐出流量がゼロになるものに限らず、圧力設定値において吐出量が微量に制御されるものであってもよい。そしてポンプから吐出された油がリリーフ弁からドレンされるものを完全に除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態の射出成形機の平面図である。
【図2】本実施形態の射出成形機の油圧回路の概略を示す図である。
【図3】本実施形態の射出成形機のポンプの制御を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
11 射出成形機
12 型締装置
13 射出装置
16 固定盤
20 可動盤
21 型締シリンダ
29 ハーフナット用シリンダ
44 シフトシリンダ
52 ポンプ
53 モータ
54 制御シリンダ
57 メイン管路
58,64 圧力センサ
59 制御装置
60 電磁比例圧力制御弁
63,78 電磁四方切換弁
55,65,66,68 パイロットライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出流量を変更可能なポンプが配設され油圧シリンダにより少なくとも一部の作動を行う射出成形機において、
前記ポンプは回転数が固定設定されたモータにより作動され、少なくとも油圧シリンダが不作動の際には、圧力センサの値が圧力設定値または圧力設定値に近づくと、吐出流量が減少またはゼロになるようカットオフ制御されることを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記油圧シリンダの少なくとも一つは、パイロット圧により作動される弁の開閉により駆動され、前記パイロット圧が保持されるようにカットオフ制御されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記油圧シリンダの少なくとも一つは、メイン管路に対して圧力が封入可能に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記メイン管路には圧力制御弁が配設され、前記油圧シリンダの少なくとも一つの作動時には、カットオフ制御されずに、圧力制御弁により圧力制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の射出成形機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−255476(P2009−255476A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110133(P2008−110133)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000155159)株式会社名機製作所 (255)
【Fターム(参考)】