射出成形用積層金型、射出成形方法及びダイカスト用積層金型
【課題】温度制御性能に優れ、安価で短時間で製造可能な射出成形用金型及びダイカスト用金型、精度の高い成形品を成形可能な射出成形用金型の使用方法を提供する。
【解決手段】本射出成形用金型1は、数枚の金属板10を加工、積層、接合してなる固定側金型2と、複数枚の金属板13を加工、積層、接合してなる可動側金型4と、該固定側金型2および該可動側金型4のうち少なくともいずれか一方に該金属板10、13を加工し積層および接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路3、5とを含む。
【解決手段】本射出成形用金型1は、数枚の金属板10を加工、積層、接合してなる固定側金型2と、複数枚の金属板13を加工、積層、接合してなる可動側金型4と、該固定側金型2および該可動側金型4のうち少なくともいずれか一方に該金属板10、13を加工し積層および接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路3、5とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の金属板を積層し形成する射出成形用金型、射出成形用金型の使用方法及びダイカスト用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、射出成形およびダイカスト成形においては、生産性向上の点から成形サイクルの短縮が求められている。成形サイクルの短縮には、冷却速度を早めることが望ましいが、一方で適正に冷却を行わないと、金型に温度分布が生じ成形品にひずみが生じたり、あるいは変形が起きる。このため金型の温度分布を調整する方法が重要となる。金型の温度分布の調整には、冷却用流路を設け、これに冷却水を通じることで行われることが多い。効率的な冷却を行なうには、冷却面積の確保と冷却用流路の配置がポイントとなる。このため射出成形用金型およびダイカスト用金型には多くの工夫がなされている。
【0003】
射出成形用金型においては、狭いコアを有する射出成形用金型の冷却方法として、コアの内部に冷却水路を設け冷却水を流通させる方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。深く大きい成形品を射出成形する場合のコアの冷却は難しく、コアの中心部から入った水がゲート部よりキャビティ先端まで切削された溝を通過するような流路を設ける技術が開示されている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
一方、ダイカスト用金型においても、冷却を行うための工夫がなされている。例えば下金型を一体型で形成すると、冷却媒体用の穴はキリ穴ではリング状にあけることが出来できず、またゲートの内面に近づけることが困難であるので、下金型を分割し合わせ面に溝を設置しこれに蓋をして冷却媒体通路を形成する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭64−26421号公報
【特許文献2】特開平9−277009号公報
【非特許文献1】白石順一郎,射出成形用金型,日刊工業新聞社,1986、p234
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、簡単な構造で金型の製作も比較的容易ではあるが、伝熱面積を大きく採ることができず、冷却性能が十分でない場合もある。よって深く大きい成形品などには適用が難しい。非特許文献1に記載の技術は、伝熱面積を大きく採ることが可能である。しかしながら冷却水路を形成するために、コアの内部を空洞とし、その空洞と同一形状の部材の外周面に冷却用の溝を設け、この部材をコアの空洞部に嵌合し、溝を形成させているので、金型の製作が容易ではなく製作に時間を要する。また溝のシールが難しく、冷却水がショートパスする場合もある。さらに冷却用の溝は機械加工で設けられるので、時間を要するとともに微細な加工は困難である。
【0006】
特許文献2の技術は、下金型を分割し合わせ面に溝を設置しこれに蓋をして冷却媒体通路を形成するので、金型の製造に時間を要する。またキャビティの形状に合わせて溝を設けるような場合は、金型の製作が非常に難しい。この点は非特許文献1に記載の技術も同様である。
【0007】
また、射出成形用金型およびダイカスト用金型は、冷却性能に優れた金型であると同時に、安価でまた短時間で製造可能な金型であることも求められている。さらに射出成形時の操作条件が緩和されることが望ましい。
【0008】
本発明の目的は、温度制御性能に優れ、安価で短時間で製造可能な射出成形用金型及びダイカスト用金型、精度の高い成形品を成形可能な射出成形用金型の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型及び該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、
を含むことを特徴とする射出成形用積層金型である。
【0010】
本発明で、前記温度調節用流路は、キャビティに沿うように形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型である。
【0011】
また本発明で、前記温度調節用流路は、らせん状に形成することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用積層金型である。
【0012】
また本発明で、前記温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の射出成形用積層金型である。
【0013】
また本発明は、請求項1から4のいずれか1に記載の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、
樹脂を射出する前に前記温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱し、樹脂を射出した後に前記温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することを特徴とする射出成形方法である。
【0014】
また本発明で、前記温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型である。
【0015】
また本発明は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、
を含むことを特徴とするダイカスト用積層金型である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、射出成形用金型は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、を含むので、温度調節用流路に冷却用流体を流通させ、射出成形サイクルを短縮させることができる。また温度調節用流路に加熱流体または冷却用流体を流通させることで、金型の温度を調節することもできる。
【0017】
また温度調節用流路は、金属板を接合して形成するので、微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を容易に設けることが可能である。微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を設けることができるので、伝熱面積を大きくすることが可能であり、金型の温度制御性に優れる。さらに複数枚の金属板を加工、積層、接合して金型を製造するので、安価にかつ短時間に金型を製造することができる。
【0018】
また本発明によれば、温度調節用流路はキャビティに沿うように形成するので、キャビティと温度調節用流路との距離を小さくすることが可能である。このため金型の温度を調節する能力が高く、射出成形サイクルを短縮させることができる。また温度調節用流路はキャビティに沿うように形成するので、温度調整が容易であり、成形品の変形などを防止することができる。
【0019】
また本発明によれば温度調節用流路は、らせん状に形成するので伝熱面積を大きくとることができる。またせん状に設けられるので、温度調整が容易となる。
【0020】
また本発明によれば、温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であるので、金属板間の接合力が強く温度調節用流体の漏れが生じにくい。また金属板の接合方法は、拡散接合であるので、微細な流路であっても金属板を接合するとき、温度調節用流路が閉塞することがなく、微細な温度調節用流路を設けることができる。これにより温度調節性能に優れた金型を製造することができる。
【0021】
また本発明によれば、本発明の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、樹脂を射出する前に温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱するので、射出時に金型の温度が高く、樹脂の流動性がよくなる。これにより製品の薄肉化が可能となり、また転写性がよくなる効果がある。さらに成形品のそりが減少する効果もあり、射出成形条件を緩和することができる。また樹脂を射出した後に温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却するので、射出成形サイクルを短縮することも可能である。
【0022】
また本発明によれば、温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成するので、温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することで、キャビティの温度分布を均一にすることができる。これにより成形品のそりの発生を抑制し、成形精度を高めることができる。
【0023】
また本発明によれば、ダイカスト用金型は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、固定側金型及び可動側金型のうち少なくともいずれか一方に金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、を含み、形成されているので、冷却能力が高くダイカストの製造サイクルを短縮することができる。また冷却用流路は、金属板を接合して形成するので、微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を容易に設けることが可能である。微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を設けることができるので、伝熱面積を大きくすることが可能であり、冷却能力に優れる。さらに複数枚の金属板を加工、積層、接合して金型を製造するので、安価にかつ短時間に金型を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1の金型の断面図の一部を示す図である。図2は、図1の射出成形用金型1の固定側金型2の温度調節用流路3を示す図である。図3は、図1の射出成形用金型1の可動側金型(コア)4の温度調節用流路5を示す図である。図4は、図2(a)の切断面線IV−IVから見た断面図である。また図5は、図3の切断面線V−Vから見た断面図である。
【0025】
図1から図5に示す射出成形用金型1は、薄肉深物製品を成形するための金型である。射出成形用金型1は、図1に示すように固定側金型2と可動側金型(コア)4とを含み構成される。固定側金型2は、正面図である図2(b)および図4に示すようにキャビティ6に沿うように設けられた温度調節用流路3を有する。また平面図である図2(a)に示すように温度調節用流路3は、らせん状に設けられている。温度調節用流路3はゲート7の近傍に入口8を有し、温度調節用の加熱流体または冷却用流体はらせん状の流路を流下し、排出口9を通じて固定側金型2の上部から排出される。固定用金型2は、図1又は図4に示すように金属板10を積層して形成する。温度調節用流路3も金属板10を加工し積層することで形成される。
【0026】
同様に可動側金型(コア)4も、正面図である図3(b)および図5に示すように温度調節用流路5がキャビティ6に沿って設けられている。温度調節用流路5は可動側金型(コア)4の中心部の近傍に入口11を有し、温度調節用流体は可動側金型(コア)4の先端かららせん状の流路を流下し、排出口12を通じて可動側金型(コア)4の下部から排出される。可動側金型(コア)4も、図1又は図5に示すように金属板13を積層して形成する。温度調節用流路5も金属板13を加工し積層することで形成される。
【0027】
このように固定側金型2又は可動側金型(コア)4は、キャビティ6に沿って、温度調節用流路3、5を備えるので、成形品の冷却を効率的に行なうことができる。本発明の実施の形態では、図4または図5に示すように温度調節用流路3、5の断面をフィン形状としたので、さらに加熱または冷却効率を高めることができる。また本発明の実施の形態では、温度調節用流路3、5をらせん状にすることで冷却面積を大きくしている。このような温度調節用流路3、5を設けることで金型2、4の温度調整も容易に行なうことができる。
【0028】
後述の実施例(図10参照)に示すように、本射出成形用金型1は温度制御性能が高い。これは温度調節用流路の伝熱面積が大きいこと、温度調節用流路がキャビティの近くに設けられていることによる。本射出成形用金型1の伝熱性能の高さを活かし、温度調節用流路3、5に金型を加熱する加熱流体、及び金型を冷却する冷却流体を交互に流すことで、射出成形を容易に行なうこともできる。
【0029】
具体的には次のような手順で行なう。樹脂を射出する前に予め温度調節用流路3、5に加熱流体を通じ、金型を予熱しておく。加熱用流体は特に限定されるものではないが、予熱する温度に応じて、加熱した油、温水またはスチームを使用することができる。予熱温度も使用する樹脂に応じて適宜最適な温度に設定すればよい。樹脂を射出する前に予め金型を予熱することで、樹脂を射出するときの樹脂の流動性がよくなる。樹脂の流動性がよくなることで、製品の薄肉化が可能となり、転写性もよくなる。さらに成形品のそりが減少する効果や、樹脂の硬化プロセスによる残留応力が減少する効果も得られる。
【0030】
金型に樹脂を射出した後に、温度調節用流路3、5に冷却用流体を通じて金型を冷却する。以上の方法により射出成形条件を緩和することが可能となり、また射出成形サイクルも短縮することができる。従来の金型に設けられるような温度調節用流路は、伝熱面積も少なく、またキャビティと温度調節用流路との距離が長いので冷却性能が低い。このため金型に温度調節用の流体を流しても、金型の温度は温度調節用の流体温度に追従することができず、金型を加熱、冷却する操作を交互に行なうことはできない。しかしながら本射出成形用金型1は、冷却性能が高いことからこのような方法を用いることができる。
【0031】
金型を加熱、冷却するにあたり、固体側金型2あるいは可動側金型4のそれぞれに、加熱流体を流通させるための流路と、冷却用流体を流通させるための流路と、を別々の設けることも可能である。
【0032】
本実施の形態では、固定側金型2及び可動側金型(コア)4の両方に温度調節用流路3、5を設けているが、必ずしも固定側金型2、可動側金型(コア)4の両方に温度調節用流路を設ける必要はなく、いずれか一方であってもよい。また本実施の形態では、温度調節用流路3、5をキャビティ6に沿うように、またキャビティ全体を包むように設けているが、温度調節用流路3、5はキャビティ6の一部を冷却するものであってもよい。
【0033】
例えばキャビティの形状からキャビティの特定の場所の温度が局所的に高くなると予測される場合は、この温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に温度調節用流路を設ける。この温度調節用流路に冷却用流体を通じることでキャビティの温度分布を均一にすることが可能となり、そりのない精度の高い成形品を成形することができる。このように射出成形用金型1の使用目的などにあわせて温度調節用流路3、5を設ければよい。
【0034】
図1から図5に示すような複雑な温度調節用流路3、5を設けることは、従来のような金属ブロックを機械加工し金型を製造する方法では容易ではないが、本発明では薄い金属板10、13を加工、積層、接合して金型を形成するので、微細な流路または複雑な流路も比較的容易に形成することができる。
【0035】
図6は金属板を用いて射出成形用金型1を製作する手順を示すフローチャートである。ステップS1からステップS5までの組み合わせや順序は、一例を示すだけであり変更してもよいことはもちろんである。
【0036】
ステップS1では、金型の3次元CADデータをコンピュータに入力する。コンピュータは入力された3次元CADデータを基に、演算手段によりスライスデータの作成を行う(ステップS2)。コンピュータのメモリにはスライスデータを作成するためのプログラムが記憶されており、演算手段はこのプログラムに従い入力された3次元CADデータから予め定めた金属板10、13の厚さ毎のスライスデータを作成する。スライスデータは、成形品の形状データ、温度調節用流路に関するデータ、金属板10、13を積層するときの位置決め用の基準穴などである。また、予め所定の寸法に切断された金属板10、13を使用しない場合には、所定の寸法の金属板10、13を得るためのデータを取得する。
【0037】
使用する金属板10、13の厚さは、加工装置の能力などから予め定めておくが、温度調節用流路3、5の形状を考慮し決定することが望ましい。これは図4または図5に示すように、温度調節用流路3、5は金属板10、13のうち流路に該当する部分をレーザなどで切断し、金属板10、13を積層することで形成するので、流路の大きさが金属板10、13の厚さに大きく依存することによるものである。図1から図5に示す実施形態では、同一の厚さの金属板10、13を使用しているけれども、温度調節用流路3、5の形成されない部分などについては、温度調節用流路の形状を考慮する必要がないので、金型の製作時間が最小となるようにたとえば厚い金属板を使用するようなことも可能である。また温度調節用流路を設ける領域であっても金属板10、13の厚さは、必ずしも同一である必要はない。
【0038】
使用する金属板の材質は、一般に金型の用途または加工装置の仕様により決定する。金型全体を同一の材質の金属板とすることも可能であるが、異種の材質の金属板を使用することも可能である。たとえば本実施の形態のように温度調節用流路3、5を設けて金型を冷却するような場合は、温度調節用流路3、5を設ける領域の材質を熱伝導性の高い銅または銅合金とし、強度が必要な領域にはステンレス材を使用するなど金型の用途や要求事項に応じて使用する材質を選定することも可能である。また加工性を考慮し金属板の材質を決定することで、加工時間を短縮し金型の製造時間を短縮することができる。
【0039】
ステップS3では、金属板の加工を行う。金属板の加工は、成形品の成形面を形成する領域および温度調節用流路3、5などである。その他必要に応じて金属板10、13を積層するときの位置決め用の基準穴を加工する。また予め所定の寸法に切断された金属板10、13を使用しない場合には、金属板を切断し所定の寸法の金属板を得る。積層金型は金属板を加工して金型を形成するので、温度調節用流路が複雑な形状を有していても、一枚一枚の金属板の加工は容易であり、金型の製造を短時間に行なうことができる。また薄い金属板を使用すれば非常に微細な流路を設けることができる。またキャビティ6の近傍に温度調節用流路3、5を設けることも容易に行なうことができる。
【0040】
また温度調節用流路3、5の断面形状は、金属板10、13を加工することから断面形状が基本的には矩形であり、円形の溝に比較してキャビティ6近傍に広い伝熱面積をとることができることも特徴の一つである。さらに図1から図5に示す実施形態のように、温度調節用流路3、5の断面形状をフィン形状にすることもできる。フィンの厚さが金属板1枚の厚さに相当するので、製作は容易である。ステップS3での金属板の加工は金属板の切断が主であり、レーザ切断、プラズマ切断、ミーリング切断などを用いることができる。これらは単独でまたは組み合わせて使用することも可能である。切断部にバリやドロスが発生した場合は、通常の研磨方法例えばグラインダによる研磨などによりこれらを除去する。
【0041】
次にステップS4で金属板を所定の場所に所定の順番に積層する。本実施形態のように金属板の外周面の形状が略同一の場合は、Vブロックを基準面として積層することができる。この他に金属板に基準穴を設けて、基準ピンにこれを嵌入してもよい。なお金属板を積層した積層体の接合を複数に分けて行なうような場合は、積層も複数回に分けて行なう。
【0042】
積層が終了した後は、ステップS5で積層した金属板10、13の接合を行う。金属板の接合には、スポット溶接、シーム溶接などの溶接による接合、銅蝋、銀蝋などの蝋付けによる接合、はんだを用いた接合、接着剤による接合などを用いることも可能であるが、シール性などの点から接合力の強い拡散接合を用いることが望ましい。金属板間の結合力が弱いと、温度調節用流体が流路から洩れたり、または金属板間に樹脂が侵入して成形不能となるためである。さらに微細な流路を形成するような場合にあっては、金属板間の接合に蝋材の箔を使用すると、箔が流路にはみ出し流路を塞ぐおそれがあるが、拡散接合ではこのような懸念がない。
【0043】
拡散接合は、金属板同士を密着させ接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。拡散接合は常法に従い、積層した金属板の積層体を真空炉内に設置し、積層体に荷重を加え、さらに積層体を加熱することで行なうことができる。拡散接合を行なう場合において、積層体に加えられる荷重が不十分であると接合力が弱くなる。よって本固定用金型2のように、キャビティ6と温度調節用流路3が荷重を加えられる方向に重なり合い、荷重を十分に与えることが出来ない場合は、後述の実施例1に示すように拡散接合を2回に分けて行なうなどの方法を用い、積層体に十分に荷重を加えることが望ましい。なお、接合面に材質の異なる材料を挿入することで、接合が容易になる場合もある。
【0044】
以上の実施形態では金属積層体に金属板10、13を使用する例を説明したけれども、金属ブロックを一部に含み複数枚の金属板を積層し金型を形成することも可能である。例えば可動側金型4のうちらせん状の温度調節用流路5を有しない部分においては、金属ブロックを使用することも可能である。金属ブロックの使用の有無は、金型の加工性、製作時間などを考慮し決定すればよい。
【0045】
図7は発明の他の実施形態としてのダイカスト用金型20の断面図である。また図8は図7の切断面線VIII−VIIIから見た断面図である。図1から図5に示す実施形態に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。ダイカスト用金型20は、固定側金型21と可動側金型22とを含み構成される。固定側金型21及び可動側金型22とも金属板10、13を積層し形成する。
【0046】
固定側金型21には、ダイカスト鋳物を冷却するための冷却用流路23を備える。冷却用流路23は、キャビティ6に沿うように形成され、冷却用流体は下部のランナ24側から入り、固定側金型21の上部から排出される。同様に、可動側金型22にもダイカスト鋳物を冷却するための冷却用流路25が形成されている。冷却用流路25は、キャビティ6に沿うように形成され、冷却用流体は下部のランナ24側から入り、可動側金型22の上部から排出される。
【0047】
このようにダイカスト用金型20は、冷却用流路23、25がキャビティ6に沿うように形成されるので冷却性能が高い。また冷却用流路23、25は、金属板10、13を加工して形成するので加工が容易であり、複雑な冷却用流路を備えるダイカスト用金型20を短時間で製造することができる。本発明の実施形態では、冷却用流路を固定側金型21、可動側金型22の両方に形成する例を示したけれども、必ずしも固定側金型21、可動側金型22の両方に形成する必要はない。またキャビティ6の一部を冷却するように冷却用流路を設けてもよいことは、射出成形用金型の場合と同じである。なお、本ダイカスト用金型の製造手順は、図6に示した射出成形用金型の製造手順と同一であるのでここでは説明を省略する。
【0048】
(実施例1)複雑な流路を含む射出成形用金型を、金属板を積層し製造した例を示す。
本射出成形用金型は、肉厚0.4mm、高さ30mm、長さ22mm、幅17mmの薄肉深物製品用の金型である。金型の形状は図1から図5に示す形状と略同一である。材料には厚さ1mmの炭素工具鋼SK5を使用した。この金属板をスライスデータに基づきレーザ切断し、バリを砥石で取り除いた後、メタノールで脱脂しVブロックをガイドにして積層した。積層体を瞬間接着剤で仮止めした後、真空炉内で拡散接合により積層体を接合した。
【0049】
拡散接合は、積層体が横にずれないように真空炉内にセットした時点で加圧を開始し、その後炉の温度を上昇させて行なった。真空炉内の圧力は1×10−4torr(0.013Pa)とした。可動側金型4であるコアの接合は、接合圧力を6.9MPa、接合温度1100℃、接合時間180分で行なった。一方固定型金型2は、図9に示すようにキャビティ6を形成する成形面の上に温度調節用流路30があるので、その上下部分は拡散接合時に無加圧状態となり、接合強度が不足する予測される。そこでまずキャビティ6を形成する部分のみを接合し、その後キャビティ6を形成する積層体の上にゲート周りの積層体を積層して接合する2工程で接合を行なった。接合条件は、接合圧力を4.9MPa、接合温度850℃、接合時間180分で行なった。なお、ゲート周りの加圧は、図9に示すようにキャビティ内に積層体と同じ金属板を同じ枚数積層してスペーサ31として、固定用金型とスペーサとの間に離形剤32を塗布して接合した。
【0050】
この金型の冷却効果を図10に示す。図10は、固定側金型および可動側金型の両方に30℃の冷却水を流した場合と、固定側金型および可動側金型の両方とも冷却水を流さなかった場合の可動側金型の先端部の温度を示した図である。一回当たりの冷却時間は3秒とした。温度測定は可動側金型の先端の成形面から2mmの位置に熱電対を設置することで行なった。図10に示すように冷却を行なった場合、離形後にコアの先端部の温度が低下していることが分かる。このようにコアの冷却を行なえば成形サイクルを短縮することが可能であり、しかも冷却水と同じ温度に応答性よく成形面温度を制御できることが分かる。
【0051】
図11はそりの測定結果を示す図である。ここでそりは、成形品の各寸法を図12に示すようにa、b、c、dとした場合、式(1)で定義した。
【0052】
【数1】
図11に示すようにコア温度を固定側金型の温度よりも低くすることでそりを少なくできることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1の金型の断面図の一部を示す図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は、図1の射出成形用金型1の固定側金型2の温度調節用流路3を示す平面図及び正面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、図1の射出成形用金型1の可動側金型(コア)4の温度調節用流路5を示す平面図及び正面図である。
【図4】図2(a)の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】図3(a)の切断面線V−Vから見た断面図である。
【図6】本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1を製造する手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の他の形態としてのダイカスト用金型20の金型の断面図の一部を示す図である。
【図8】図7の切断面線VIII−VIIIから見た断面図である。
【図9】本発明の実施例1の固定側金型の拡散接合時の加圧方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施例1の射出成形用金型の冷却性能を示す図である。
【図11】本発明の実施例1の射出成形用金型を用いて射出成形したときの成形品のそりを示すグラフである。
【図12】本発明の実施例1の射出成形用金型を用いて射出成形したときの成形品の各部の寸法を表す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 射出成形用金型
2、21 固定側金型
3、5、30 温度調節用流路
4、22 可動側金型
6、 キャビティ
10、13 金属板
20 ダイカスト用金型
23、25 冷却用流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の金属板を積層し形成する射出成形用金型、射出成形用金型の使用方法及びダイカスト用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、射出成形およびダイカスト成形においては、生産性向上の点から成形サイクルの短縮が求められている。成形サイクルの短縮には、冷却速度を早めることが望ましいが、一方で適正に冷却を行わないと、金型に温度分布が生じ成形品にひずみが生じたり、あるいは変形が起きる。このため金型の温度分布を調整する方法が重要となる。金型の温度分布の調整には、冷却用流路を設け、これに冷却水を通じることで行われることが多い。効率的な冷却を行なうには、冷却面積の確保と冷却用流路の配置がポイントとなる。このため射出成形用金型およびダイカスト用金型には多くの工夫がなされている。
【0003】
射出成形用金型においては、狭いコアを有する射出成形用金型の冷却方法として、コアの内部に冷却水路を設け冷却水を流通させる方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。深く大きい成形品を射出成形する場合のコアの冷却は難しく、コアの中心部から入った水がゲート部よりキャビティ先端まで切削された溝を通過するような流路を設ける技術が開示されている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
一方、ダイカスト用金型においても、冷却を行うための工夫がなされている。例えば下金型を一体型で形成すると、冷却媒体用の穴はキリ穴ではリング状にあけることが出来できず、またゲートの内面に近づけることが困難であるので、下金型を分割し合わせ面に溝を設置しこれに蓋をして冷却媒体通路を形成する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭64−26421号公報
【特許文献2】特開平9−277009号公報
【非特許文献1】白石順一郎,射出成形用金型,日刊工業新聞社,1986、p234
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、簡単な構造で金型の製作も比較的容易ではあるが、伝熱面積を大きく採ることができず、冷却性能が十分でない場合もある。よって深く大きい成形品などには適用が難しい。非特許文献1に記載の技術は、伝熱面積を大きく採ることが可能である。しかしながら冷却水路を形成するために、コアの内部を空洞とし、その空洞と同一形状の部材の外周面に冷却用の溝を設け、この部材をコアの空洞部に嵌合し、溝を形成させているので、金型の製作が容易ではなく製作に時間を要する。また溝のシールが難しく、冷却水がショートパスする場合もある。さらに冷却用の溝は機械加工で設けられるので、時間を要するとともに微細な加工は困難である。
【0006】
特許文献2の技術は、下金型を分割し合わせ面に溝を設置しこれに蓋をして冷却媒体通路を形成するので、金型の製造に時間を要する。またキャビティの形状に合わせて溝を設けるような場合は、金型の製作が非常に難しい。この点は非特許文献1に記載の技術も同様である。
【0007】
また、射出成形用金型およびダイカスト用金型は、冷却性能に優れた金型であると同時に、安価でまた短時間で製造可能な金型であることも求められている。さらに射出成形時の操作条件が緩和されることが望ましい。
【0008】
本発明の目的は、温度制御性能に優れ、安価で短時間で製造可能な射出成形用金型及びダイカスト用金型、精度の高い成形品を成形可能な射出成形用金型の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型及び該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、
を含むことを特徴とする射出成形用積層金型である。
【0010】
本発明で、前記温度調節用流路は、キャビティに沿うように形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型である。
【0011】
また本発明で、前記温度調節用流路は、らせん状に形成することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用積層金型である。
【0012】
また本発明で、前記温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の射出成形用積層金型である。
【0013】
また本発明は、請求項1から4のいずれか1に記載の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、
樹脂を射出する前に前記温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱し、樹脂を射出した後に前記温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することを特徴とする射出成形方法である。
【0014】
また本発明で、前記温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型である。
【0015】
また本発明は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、
を含むことを特徴とするダイカスト用積層金型である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、射出成形用金型は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、を含むので、温度調節用流路に冷却用流体を流通させ、射出成形サイクルを短縮させることができる。また温度調節用流路に加熱流体または冷却用流体を流通させることで、金型の温度を調節することもできる。
【0017】
また温度調節用流路は、金属板を接合して形成するので、微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を容易に設けることが可能である。微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を設けることができるので、伝熱面積を大きくすることが可能であり、金型の温度制御性に優れる。さらに複数枚の金属板を加工、積層、接合して金型を製造するので、安価にかつ短時間に金型を製造することができる。
【0018】
また本発明によれば、温度調節用流路はキャビティに沿うように形成するので、キャビティと温度調節用流路との距離を小さくすることが可能である。このため金型の温度を調節する能力が高く、射出成形サイクルを短縮させることができる。また温度調節用流路はキャビティに沿うように形成するので、温度調整が容易であり、成形品の変形などを防止することができる。
【0019】
また本発明によれば温度調節用流路は、らせん状に形成するので伝熱面積を大きくとることができる。またせん状に設けられるので、温度調整が容易となる。
【0020】
また本発明によれば、温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であるので、金属板間の接合力が強く温度調節用流体の漏れが生じにくい。また金属板の接合方法は、拡散接合であるので、微細な流路であっても金属板を接合するとき、温度調節用流路が閉塞することがなく、微細な温度調節用流路を設けることができる。これにより温度調節性能に優れた金型を製造することができる。
【0021】
また本発明によれば、本発明の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、樹脂を射出する前に温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱するので、射出時に金型の温度が高く、樹脂の流動性がよくなる。これにより製品の薄肉化が可能となり、また転写性がよくなる効果がある。さらに成形品のそりが減少する効果もあり、射出成形条件を緩和することができる。また樹脂を射出した後に温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却するので、射出成形サイクルを短縮することも可能である。
【0022】
また本発明によれば、温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成するので、温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することで、キャビティの温度分布を均一にすることができる。これにより成形品のそりの発生を抑制し、成形精度を高めることができる。
【0023】
また本発明によれば、ダイカスト用金型は、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、固定側金型及び可動側金型のうち少なくともいずれか一方に金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、を含み、形成されているので、冷却能力が高くダイカストの製造サイクルを短縮することができる。また冷却用流路は、金属板を接合して形成するので、微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を容易に設けることが可能である。微細な流路あるいは複雑な経路を有する流路を設けることができるので、伝熱面積を大きくすることが可能であり、冷却能力に優れる。さらに複数枚の金属板を加工、積層、接合して金型を製造するので、安価にかつ短時間に金型を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1の金型の断面図の一部を示す図である。図2は、図1の射出成形用金型1の固定側金型2の温度調節用流路3を示す図である。図3は、図1の射出成形用金型1の可動側金型(コア)4の温度調節用流路5を示す図である。図4は、図2(a)の切断面線IV−IVから見た断面図である。また図5は、図3の切断面線V−Vから見た断面図である。
【0025】
図1から図5に示す射出成形用金型1は、薄肉深物製品を成形するための金型である。射出成形用金型1は、図1に示すように固定側金型2と可動側金型(コア)4とを含み構成される。固定側金型2は、正面図である図2(b)および図4に示すようにキャビティ6に沿うように設けられた温度調節用流路3を有する。また平面図である図2(a)に示すように温度調節用流路3は、らせん状に設けられている。温度調節用流路3はゲート7の近傍に入口8を有し、温度調節用の加熱流体または冷却用流体はらせん状の流路を流下し、排出口9を通じて固定側金型2の上部から排出される。固定用金型2は、図1又は図4に示すように金属板10を積層して形成する。温度調節用流路3も金属板10を加工し積層することで形成される。
【0026】
同様に可動側金型(コア)4も、正面図である図3(b)および図5に示すように温度調節用流路5がキャビティ6に沿って設けられている。温度調節用流路5は可動側金型(コア)4の中心部の近傍に入口11を有し、温度調節用流体は可動側金型(コア)4の先端かららせん状の流路を流下し、排出口12を通じて可動側金型(コア)4の下部から排出される。可動側金型(コア)4も、図1又は図5に示すように金属板13を積層して形成する。温度調節用流路5も金属板13を加工し積層することで形成される。
【0027】
このように固定側金型2又は可動側金型(コア)4は、キャビティ6に沿って、温度調節用流路3、5を備えるので、成形品の冷却を効率的に行なうことができる。本発明の実施の形態では、図4または図5に示すように温度調節用流路3、5の断面をフィン形状としたので、さらに加熱または冷却効率を高めることができる。また本発明の実施の形態では、温度調節用流路3、5をらせん状にすることで冷却面積を大きくしている。このような温度調節用流路3、5を設けることで金型2、4の温度調整も容易に行なうことができる。
【0028】
後述の実施例(図10参照)に示すように、本射出成形用金型1は温度制御性能が高い。これは温度調節用流路の伝熱面積が大きいこと、温度調節用流路がキャビティの近くに設けられていることによる。本射出成形用金型1の伝熱性能の高さを活かし、温度調節用流路3、5に金型を加熱する加熱流体、及び金型を冷却する冷却流体を交互に流すことで、射出成形を容易に行なうこともできる。
【0029】
具体的には次のような手順で行なう。樹脂を射出する前に予め温度調節用流路3、5に加熱流体を通じ、金型を予熱しておく。加熱用流体は特に限定されるものではないが、予熱する温度に応じて、加熱した油、温水またはスチームを使用することができる。予熱温度も使用する樹脂に応じて適宜最適な温度に設定すればよい。樹脂を射出する前に予め金型を予熱することで、樹脂を射出するときの樹脂の流動性がよくなる。樹脂の流動性がよくなることで、製品の薄肉化が可能となり、転写性もよくなる。さらに成形品のそりが減少する効果や、樹脂の硬化プロセスによる残留応力が減少する効果も得られる。
【0030】
金型に樹脂を射出した後に、温度調節用流路3、5に冷却用流体を通じて金型を冷却する。以上の方法により射出成形条件を緩和することが可能となり、また射出成形サイクルも短縮することができる。従来の金型に設けられるような温度調節用流路は、伝熱面積も少なく、またキャビティと温度調節用流路との距離が長いので冷却性能が低い。このため金型に温度調節用の流体を流しても、金型の温度は温度調節用の流体温度に追従することができず、金型を加熱、冷却する操作を交互に行なうことはできない。しかしながら本射出成形用金型1は、冷却性能が高いことからこのような方法を用いることができる。
【0031】
金型を加熱、冷却するにあたり、固体側金型2あるいは可動側金型4のそれぞれに、加熱流体を流通させるための流路と、冷却用流体を流通させるための流路と、を別々の設けることも可能である。
【0032】
本実施の形態では、固定側金型2及び可動側金型(コア)4の両方に温度調節用流路3、5を設けているが、必ずしも固定側金型2、可動側金型(コア)4の両方に温度調節用流路を設ける必要はなく、いずれか一方であってもよい。また本実施の形態では、温度調節用流路3、5をキャビティ6に沿うように、またキャビティ全体を包むように設けているが、温度調節用流路3、5はキャビティ6の一部を冷却するものであってもよい。
【0033】
例えばキャビティの形状からキャビティの特定の場所の温度が局所的に高くなると予測される場合は、この温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に温度調節用流路を設ける。この温度調節用流路に冷却用流体を通じることでキャビティの温度分布を均一にすることが可能となり、そりのない精度の高い成形品を成形することができる。このように射出成形用金型1の使用目的などにあわせて温度調節用流路3、5を設ければよい。
【0034】
図1から図5に示すような複雑な温度調節用流路3、5を設けることは、従来のような金属ブロックを機械加工し金型を製造する方法では容易ではないが、本発明では薄い金属板10、13を加工、積層、接合して金型を形成するので、微細な流路または複雑な流路も比較的容易に形成することができる。
【0035】
図6は金属板を用いて射出成形用金型1を製作する手順を示すフローチャートである。ステップS1からステップS5までの組み合わせや順序は、一例を示すだけであり変更してもよいことはもちろんである。
【0036】
ステップS1では、金型の3次元CADデータをコンピュータに入力する。コンピュータは入力された3次元CADデータを基に、演算手段によりスライスデータの作成を行う(ステップS2)。コンピュータのメモリにはスライスデータを作成するためのプログラムが記憶されており、演算手段はこのプログラムに従い入力された3次元CADデータから予め定めた金属板10、13の厚さ毎のスライスデータを作成する。スライスデータは、成形品の形状データ、温度調節用流路に関するデータ、金属板10、13を積層するときの位置決め用の基準穴などである。また、予め所定の寸法に切断された金属板10、13を使用しない場合には、所定の寸法の金属板10、13を得るためのデータを取得する。
【0037】
使用する金属板10、13の厚さは、加工装置の能力などから予め定めておくが、温度調節用流路3、5の形状を考慮し決定することが望ましい。これは図4または図5に示すように、温度調節用流路3、5は金属板10、13のうち流路に該当する部分をレーザなどで切断し、金属板10、13を積層することで形成するので、流路の大きさが金属板10、13の厚さに大きく依存することによるものである。図1から図5に示す実施形態では、同一の厚さの金属板10、13を使用しているけれども、温度調節用流路3、5の形成されない部分などについては、温度調節用流路の形状を考慮する必要がないので、金型の製作時間が最小となるようにたとえば厚い金属板を使用するようなことも可能である。また温度調節用流路を設ける領域であっても金属板10、13の厚さは、必ずしも同一である必要はない。
【0038】
使用する金属板の材質は、一般に金型の用途または加工装置の仕様により決定する。金型全体を同一の材質の金属板とすることも可能であるが、異種の材質の金属板を使用することも可能である。たとえば本実施の形態のように温度調節用流路3、5を設けて金型を冷却するような場合は、温度調節用流路3、5を設ける領域の材質を熱伝導性の高い銅または銅合金とし、強度が必要な領域にはステンレス材を使用するなど金型の用途や要求事項に応じて使用する材質を選定することも可能である。また加工性を考慮し金属板の材質を決定することで、加工時間を短縮し金型の製造時間を短縮することができる。
【0039】
ステップS3では、金属板の加工を行う。金属板の加工は、成形品の成形面を形成する領域および温度調節用流路3、5などである。その他必要に応じて金属板10、13を積層するときの位置決め用の基準穴を加工する。また予め所定の寸法に切断された金属板10、13を使用しない場合には、金属板を切断し所定の寸法の金属板を得る。積層金型は金属板を加工して金型を形成するので、温度調節用流路が複雑な形状を有していても、一枚一枚の金属板の加工は容易であり、金型の製造を短時間に行なうことができる。また薄い金属板を使用すれば非常に微細な流路を設けることができる。またキャビティ6の近傍に温度調節用流路3、5を設けることも容易に行なうことができる。
【0040】
また温度調節用流路3、5の断面形状は、金属板10、13を加工することから断面形状が基本的には矩形であり、円形の溝に比較してキャビティ6近傍に広い伝熱面積をとることができることも特徴の一つである。さらに図1から図5に示す実施形態のように、温度調節用流路3、5の断面形状をフィン形状にすることもできる。フィンの厚さが金属板1枚の厚さに相当するので、製作は容易である。ステップS3での金属板の加工は金属板の切断が主であり、レーザ切断、プラズマ切断、ミーリング切断などを用いることができる。これらは単独でまたは組み合わせて使用することも可能である。切断部にバリやドロスが発生した場合は、通常の研磨方法例えばグラインダによる研磨などによりこれらを除去する。
【0041】
次にステップS4で金属板を所定の場所に所定の順番に積層する。本実施形態のように金属板の外周面の形状が略同一の場合は、Vブロックを基準面として積層することができる。この他に金属板に基準穴を設けて、基準ピンにこれを嵌入してもよい。なお金属板を積層した積層体の接合を複数に分けて行なうような場合は、積層も複数回に分けて行なう。
【0042】
積層が終了した後は、ステップS5で積層した金属板10、13の接合を行う。金属板の接合には、スポット溶接、シーム溶接などの溶接による接合、銅蝋、銀蝋などの蝋付けによる接合、はんだを用いた接合、接着剤による接合などを用いることも可能であるが、シール性などの点から接合力の強い拡散接合を用いることが望ましい。金属板間の結合力が弱いと、温度調節用流体が流路から洩れたり、または金属板間に樹脂が侵入して成形不能となるためである。さらに微細な流路を形成するような場合にあっては、金属板間の接合に蝋材の箔を使用すると、箔が流路にはみ出し流路を塞ぐおそれがあるが、拡散接合ではこのような懸念がない。
【0043】
拡散接合は、金属板同士を密着させ接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。拡散接合は常法に従い、積層した金属板の積層体を真空炉内に設置し、積層体に荷重を加え、さらに積層体を加熱することで行なうことができる。拡散接合を行なう場合において、積層体に加えられる荷重が不十分であると接合力が弱くなる。よって本固定用金型2のように、キャビティ6と温度調節用流路3が荷重を加えられる方向に重なり合い、荷重を十分に与えることが出来ない場合は、後述の実施例1に示すように拡散接合を2回に分けて行なうなどの方法を用い、積層体に十分に荷重を加えることが望ましい。なお、接合面に材質の異なる材料を挿入することで、接合が容易になる場合もある。
【0044】
以上の実施形態では金属積層体に金属板10、13を使用する例を説明したけれども、金属ブロックを一部に含み複数枚の金属板を積層し金型を形成することも可能である。例えば可動側金型4のうちらせん状の温度調節用流路5を有しない部分においては、金属ブロックを使用することも可能である。金属ブロックの使用の有無は、金型の加工性、製作時間などを考慮し決定すればよい。
【0045】
図7は発明の他の実施形態としてのダイカスト用金型20の断面図である。また図8は図7の切断面線VIII−VIIIから見た断面図である。図1から図5に示す実施形態に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。ダイカスト用金型20は、固定側金型21と可動側金型22とを含み構成される。固定側金型21及び可動側金型22とも金属板10、13を積層し形成する。
【0046】
固定側金型21には、ダイカスト鋳物を冷却するための冷却用流路23を備える。冷却用流路23は、キャビティ6に沿うように形成され、冷却用流体は下部のランナ24側から入り、固定側金型21の上部から排出される。同様に、可動側金型22にもダイカスト鋳物を冷却するための冷却用流路25が形成されている。冷却用流路25は、キャビティ6に沿うように形成され、冷却用流体は下部のランナ24側から入り、可動側金型22の上部から排出される。
【0047】
このようにダイカスト用金型20は、冷却用流路23、25がキャビティ6に沿うように形成されるので冷却性能が高い。また冷却用流路23、25は、金属板10、13を加工して形成するので加工が容易であり、複雑な冷却用流路を備えるダイカスト用金型20を短時間で製造することができる。本発明の実施形態では、冷却用流路を固定側金型21、可動側金型22の両方に形成する例を示したけれども、必ずしも固定側金型21、可動側金型22の両方に形成する必要はない。またキャビティ6の一部を冷却するように冷却用流路を設けてもよいことは、射出成形用金型の場合と同じである。なお、本ダイカスト用金型の製造手順は、図6に示した射出成形用金型の製造手順と同一であるのでここでは説明を省略する。
【0048】
(実施例1)複雑な流路を含む射出成形用金型を、金属板を積層し製造した例を示す。
本射出成形用金型は、肉厚0.4mm、高さ30mm、長さ22mm、幅17mmの薄肉深物製品用の金型である。金型の形状は図1から図5に示す形状と略同一である。材料には厚さ1mmの炭素工具鋼SK5を使用した。この金属板をスライスデータに基づきレーザ切断し、バリを砥石で取り除いた後、メタノールで脱脂しVブロックをガイドにして積層した。積層体を瞬間接着剤で仮止めした後、真空炉内で拡散接合により積層体を接合した。
【0049】
拡散接合は、積層体が横にずれないように真空炉内にセットした時点で加圧を開始し、その後炉の温度を上昇させて行なった。真空炉内の圧力は1×10−4torr(0.013Pa)とした。可動側金型4であるコアの接合は、接合圧力を6.9MPa、接合温度1100℃、接合時間180分で行なった。一方固定型金型2は、図9に示すようにキャビティ6を形成する成形面の上に温度調節用流路30があるので、その上下部分は拡散接合時に無加圧状態となり、接合強度が不足する予測される。そこでまずキャビティ6を形成する部分のみを接合し、その後キャビティ6を形成する積層体の上にゲート周りの積層体を積層して接合する2工程で接合を行なった。接合条件は、接合圧力を4.9MPa、接合温度850℃、接合時間180分で行なった。なお、ゲート周りの加圧は、図9に示すようにキャビティ内に積層体と同じ金属板を同じ枚数積層してスペーサ31として、固定用金型とスペーサとの間に離形剤32を塗布して接合した。
【0050】
この金型の冷却効果を図10に示す。図10は、固定側金型および可動側金型の両方に30℃の冷却水を流した場合と、固定側金型および可動側金型の両方とも冷却水を流さなかった場合の可動側金型の先端部の温度を示した図である。一回当たりの冷却時間は3秒とした。温度測定は可動側金型の先端の成形面から2mmの位置に熱電対を設置することで行なった。図10に示すように冷却を行なった場合、離形後にコアの先端部の温度が低下していることが分かる。このようにコアの冷却を行なえば成形サイクルを短縮することが可能であり、しかも冷却水と同じ温度に応答性よく成形面温度を制御できることが分かる。
【0051】
図11はそりの測定結果を示す図である。ここでそりは、成形品の各寸法を図12に示すようにa、b、c、dとした場合、式(1)で定義した。
【0052】
【数1】
図11に示すようにコア温度を固定側金型の温度よりも低くすることでそりを少なくできることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1の金型の断面図の一部を示す図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は、図1の射出成形用金型1の固定側金型2の温度調節用流路3を示す平面図及び正面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、図1の射出成形用金型1の可動側金型(コア)4の温度調節用流路5を示す平面図及び正面図である。
【図4】図2(a)の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】図3(a)の切断面線V−Vから見た断面図である。
【図6】本発明の実施の一形態としての射出成形用金型1を製造する手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の他の形態としてのダイカスト用金型20の金型の断面図の一部を示す図である。
【図8】図7の切断面線VIII−VIIIから見た断面図である。
【図9】本発明の実施例1の固定側金型の拡散接合時の加圧方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施例1の射出成形用金型の冷却性能を示す図である。
【図11】本発明の実施例1の射出成形用金型を用いて射出成形したときの成形品のそりを示すグラフである。
【図12】本発明の実施例1の射出成形用金型を用いて射出成形したときの成形品の各部の寸法を表す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 射出成形用金型
2、21 固定側金型
3、5、30 温度調節用流路
4、22 可動側金型
6、 キャビティ
10、13 金属板
20 ダイカスト用金型
23、25 冷却用流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型及び該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、
を含むことを特徴とする射出成形用積層金型。
【請求項2】
前記温度調節用流路は、キャビティに沿うように形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項3】
前記温度調節用流路は、らせん状に形成することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用積層金型。
【請求項4】
前記温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1に記載の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、
樹脂を射出する前に前記温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱し、樹脂を射出した後に前記温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することを特徴とする射出成形方法。
【請求項6】
前記温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項7】
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、
を含むことを特徴とするダイカスト用積層金型。
【請求項1】
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型及び該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び接合し形成する温度調節用流体を流通させる温度調節用流路と、
を含むことを特徴とする射出成形用積層金型。
【請求項2】
前記温度調節用流路は、キャビティに沿うように形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項3】
前記温度調節用流路は、らせん状に形成することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用積層金型。
【請求項4】
前記温度調節用流路を形成する金属板の接合方法は、拡散接合であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1に記載の射出成形用積層金型を用いた射出成形方法であって、
樹脂を射出する前に前記温度調節用流路に加熱流体を通じ金型を予熱し、樹脂を射出した後に前記温度調節用流路に冷却用流体を通じ金型を冷却することを特徴とする射出成形方法。
【請求項6】
前記温度調節用流路は、キャビティの温度が高くなると予測される部分の近傍の金型内に形成することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用積層金型。
【請求項7】
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる固定側金型と、
複数枚の金属板を加工、積層、接合してなる可動側金型と、
該固定側金型および該可動側金型のうち少なくともいずれか一方に該金属板を加工し積層及び拡散接合し形成する冷却用流路と、
を含むことを特徴とするダイカスト用積層金型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−82096(P2006−82096A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267431(P2004−267431)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年3月16日、17日、18日 社団法人精密工学会主催の「2004年度 精密工学会春季大会学術講演会」において文書をもって発表
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(504010017)株式会社積層金型研究所 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年3月16日、17日、18日 社団法人精密工学会主催の「2004年度 精密工学会春季大会学術講演会」において文書をもって発表
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(504010017)株式会社積層金型研究所 (13)
【Fターム(参考)】
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