説明

導光層を有するキーパッド、キーパッドアセンブリ及び携帯端末

【課題】ムラが無く、明るい照明を可能とするとともに、低消費電力、及び低製造コストを実現することができるキーパッド、キーパッドアセンブリ、及び携帯端末を提供する。
【解決手段】キーパッド210は、内部に光が進入する導光層220と、この導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタン270と、導光層220の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層240と、導光層240の上面側又は下面側に形成され、導光層220の内部に進入する光の一部をキーボタン270に向けて反射する少なくとも1つの反射パターン250と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末などに組み付けられるキーパッドに関し、詳しくは、導光層を有するキーパッドおよびキーパッドアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末に用いられるキーパッドは、一般に、板状を呈する弾性パッドと、この弾性パッドの第1面上に複数形成され、それぞれの上面に文字などが印刷されたキーボタンと、弾性パッドの第1面とは反対の第2面側に形成された複数の突起部(またはアクチュエータ)と、を備える。また、このような従来の携帯端末は、通常、上述したキーパッドをバックライトするための複数(通常は、約15〜20個)の発光素子を有する。
【0003】
図1は、従来技術によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。このキーパッドアセンブリ100は、キーパッド110と、スイッチ基板150と、複数の発光ダイオード(LED)170と、を備える。
【0004】
かかるキーパッドアセンブリ100において、キーパッド110は、板状を呈する弾性パッド120と、弾性パッド120の第1面122の上に複数個形成され、それぞれの上面にキャラクター(文字,数字,或いは図柄など)が印刷されたキーボタン140と、弾性パッド120の第1面122の反対側の第2面124上に形成された複数の突起部130と、を備える。
【0005】
弾性パッド120の第2面124上の各突起部130は、各キーボタン140の中央に対応する位置に配設される。弾性パッド120の第2面124には、複数の凹溝126が形成される。かかる凹溝126は、各突起部130の周囲に、発光ダイオード170と突起部130との干渉を避けるように配設される。
【0006】
スイッチ基板150は、板状のプリント回路基板(PCB)155と、このプリント回路基板155の上面上に、キーパッド110と対峙するように設けられた複数のスイッチ160と、を備える。各スイッチ160は、導電性の接点部材162と、接点部材162を完全に覆う導電性のドーム164と、からなる。
【0007】
複数の発光ダイオード170は、プリント回路基板155の上面上に搭載される。より具体的には、各発光ダイオード170は、弾性パッド120の対応する凹溝126により覆われるように位置する。
【0008】
ユーザが任意の一のキーボタン140を押圧すると、キーボタン140の下に位置するキーパッド110の部位がスイッチ基板150に向かって変形され、これにより、当該変形された部位に属した対応する突起部130が、対応するドーム164を押し下げる。この押し下げられたドーム164は、対応する接点部材162と電気的に接続される。
【0009】
スイッチ160の作動(操作)のためには、各発光ダイオード170は、対応するキーボタン140の下に位置してはならない。したがって、各発光ダイオード170から出力された光は、弾性パッド120を通ってキーボタン140を斜角(oblique angle)で照明することになり、その結果、キーボタン140の照明が不均一で(すなわちムラが)あり、かつ暗いという問題点があった。すなわち、従来は、各キーボタン140の中心部は照明が相対的に暗くなり、キーボタン140の周縁部は照明が相対的に明るくなっていた。なお、キーボタン140をムラ無く明るく照明するために、より多くの発光ダイオードを設けると、電力消費量が増え、製造コストが高騰する、というさらなる問題点が生じる。
【0010】
一方、これらの問題を解決するために、無機EL(Electro Luminance)を用いてキーボタンを照明する方法が提案されている。しかしながら、無機ELは、交流電源を使用する必要があることから、直流を交流に切り替えるためのインバータがさらに必要となり、しかも、無機ELに生じる電気的な雑音と音響雑音を解消することを余儀なくされる、という問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ムラが無く、明るい照明を可能とするとともに、低消費電力、及び低製造コストを実現することができるキーパッド、キーパッドアセンブリ、及び携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した問題点を解決するために、本発明の第1の側面によるキーパッドは、内部に光が進入する導光層と、導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、導光層の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、導光層の上面側又は下面側に形成され、導光層の内部に進入する光の一部をキーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を備える。
【0013】
また、本発明の第2の側面によるキーパッドアセンブリは、内部に光が進入する導光層と、導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、導光層の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、導光層の上面側又は下面側に形成され、導光層の内部に進入する光の一部をキーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を有するキーパッドと、キーパッドと対向する上面上に形成された少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、を備え、キーボタンが押し下げられることに伴って、スイッチ基板に向かって変形された前記キーパッドの部位がスイッチを押し下げることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明の第3の側面は、上面上に少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、上面、下面、および側面を有する導光層と,スイッチの上方に位置するように導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと,を有するキーパッドと、導光層の各側面のうち少なくとも一の側面に隣り合うように配置された少なくとも1つの発光素子と、を備えたキーパッドアセンブリであって、導光層の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、キーボタンの下方に位置する導光層の上面側又は下面側に形成され、導光層の内部に進入する光の一部をキーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を備える。
【0015】
さらにまた、本発明の第4の側面による携帯端末は、内部に光が進入する導光層と、導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、導光層の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、導光層の上面側又は下面側に形成され、前記導光層の内部に進入する光の一部を前記キーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を有するキーパッドと、キーパッドと対向する上面上に形成された少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、を備え、キーボタンの押し下げに伴って、スイッチ基板に向かって変形されたキーパッドの部位が前記スイッチを押し下げる構成のキーパッドアセンブリを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるキーパッド、キーパッドアセンブリ、及びキーパッドアセンブリを用いた携帯端末は、キーボタンと突起部との間に、弾性を有する弾性層と軟性を有する導光層とを備えることによって、キーボタンをムラ無く明るく照明することが可能になる。また、本発明のキーパッド、キーパッドアセンブリ、及びキーパッドアセンブリを用いた携帯端末は、導光層を備えることから、必要な発光素子の数と電力消費量を減少させ、製造コストを安価にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明を説明するに当たり、関連する公知の機能や構成についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、適宜その説明を省略する。
【0018】
図2は、本発明の好適な実施の形態によるキーパッドアセンブリを示す断面図であり、図3は、該キーパッドアセンブリを示す平面図である。
【0019】
本実施形態のキーパッドアセンブリ200は、キーパッド210と、このキーパッド210と間隔をおいて配置されたスイッチ基板280と、少なくとも1つの発光素子320と、第2のプリント回路基板310と、を備える。
【0020】
キーパッドアセンブリ200において、キーパッド210は、導光層220と、上部弾性層230及び下部弾性層240と、導光層220の上面側に配置された複数のキーボタン270と、導光層220の下面側に形成された複数の突起部260及び複数の反射パターン250と、を備える。図3中、導光層220は点線により示される。
【0021】
導光層220は、その内部に取り込まれた(coupled)光をガイドする。このようにして取入れられた光は、導光層220の一方の側面から他方の側面の方向に進行する。導光層220は、それぞれコアおよびクラッドを有する複数の光ファイバが並設され相互に整列されてなる光ファイバアレイを備えることができる。各光ファイバのコアに取り入れられた光は、コアとクラッドとの境界(界面)における全反射によって、コアの内部に進入する。ここで、コアの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きい。
【0022】
導光層220は、軟性(すなわち曲がり易い特性)を有しており、キーボタン270が押し下げられるにつれて、スイッチ基板280の方へ局部的に変形される。光ファイバアレイとしては、複数のガラス(glass)またはプラスチック製の光ファイバ及びこれらの光ファイバを取り囲む樹脂製のコーティング層からなるリボン光ファイバを使用可能である。導光層220は、0.5mm以下の厚さを有し、好ましくは、0.25〜0.5mmの範囲の厚さを有する。
【0023】
導光層220は、さらに、軟性を有する光透過フィルム(optically transparent film)を備えることができる。この場合には、光透過フィルムの内部に取り込まれた光は、光透過フィルムとその外部の弾性層230,240との境界(界面)における全反射によって、光透過フィルムの内部に進入する。あるいは、光透過フィルムと、上部および下部弾性層230,240との屈折率および/または光の入射角を調節することにより、キーパッド210への取り込み光を、上部および下部弾性層230,240とその外部の空気層との境界(界面)における全反射によりキーパッド210の内部に進行させることが可能である。
【0024】
本実施形態では、(それ自体は復元力を有しない)軟性を有する導光層220を用いたが、他の実施形態として、導光層220は、弾性を有するものであってもよい。ここで、「軟性」は、「弾性」を含む概念であって、曲げられることができる特性を意味する。これに対して、「弾性」は、軟性及び(自己)復元力を有する特性を意味する。
【0025】
上部弾性層230は、導光層220の上面に設けられ、板状を呈する。この上部弾性層230は、方形板などの任意の形状を有することができる。また、上部弾性層230は、弾性を有することから、キーボタン270が押し下げられた後に、そのキーボタン270を元の位置に戻す役割を担う。すなわち、上部弾性層230は、変形された後に原形に戻る自己復元力(自己復元特性)を有しており、これによって、キーボタン270が操作された後に、そのキーボタン270を元の位置に戻す。
【0026】
上部および下部弾性層230,240の材質としては、良好なクリック感を提供し、キーボタン270同士の干渉現象を抑える他、繰り返し作動しても永久変形(塑性変形)が発生しないようにするために、低い硬度、高い弾性変形率、高い弾性復元力、及び高い光透明度(光透過性)を有する材質から形成され、好ましくは、ポリウレタン、シリコンなどの材質から形成される。
【0027】
複数のキーボタン270は、上部弾性層230の上面の上に形成され、それぞれその上面に文字、数字などが印字される。これらのキーボタン270は、上部弾性層230と同一または異なる材質によって一体に形成されても良く、或いは、ポリカーボネートやアクリル系の樹脂などの材質で形成された後に、上部弾性層230の上面に取り付けられても良い。複数のキーボタン270は、それぞれ、円柱,楕円柱などの任意の形状を有することができる。
【0028】
下部弾性層240は、導光層220の下面に設けられ、板状を呈する。この下部弾性層240は、方形板などの任意の形状を有することができる。また、下部弾性層240は、弾性を有することから、キーボタン270が押し下げられた後に、上部弾性層230と共に、そのキーボタン270を元の位置に戻す機能を遂行する。
【0029】
導光層220の厚さが0.2mm以下(例えば、0.1〜0.125mmの範囲)の場合には、上部弾性層230を除去して下部弾性層240のみを用いても良い。すなわち、上部および下部弾性層230,240は、キーパッド210に復元力を供給する機能を有し、下部弾性層240だけで十分な復元力を供給できる程度に導光層220が十分薄い場合には、上部弾性層230を除去することができる。
【0030】
複数の突起部260は、下部弾性層240の下面上に形成される。これらの突起部260は、下部弾性層240と同一または異なる材質によって一体に形成されても良く、或いはポリカーボネートやアクリル系樹脂などの材質で形成された後に、下部弾性層240の下面に取り付けられても良い。
【0031】
各突起部260は、円錐台、側面が台形の六面体、直方体、などの任意の形状を有することができる。各突起部260は、対応するキーボタン270の下方に(かつ、キーパッドアセンブリ200の厚み方向又は第1のプリント回路基板290の上面と直交する方向に、)整列される。
【0032】
各突起部260の大きさと形状は、スイッチ基板280に設けられるドーム305の大きさを考慮して決定される。例えば、幅(或いは直径)が5mmである断面略半円形のドームが用いられる場合には、突起部260は、2mmの幅と、0.2〜0.3mmの厚さを有することができる。
【0033】
本実施形態では、複数の反射パターン250は、導光層220の下面に、かつ、該導光層と下部弾性層240との間に位置するように形成され、それぞれ、導光層220内に進入する光の一部を、対応するキーボタン270の方向に反射する。反射パターン250は、それぞれ、導光層220の下面上に局所的に形成され、かつ、導光層220と下部弾性層240との間に形成される。導光層220内に全反射によって進入する光は、反射パターン250に入射される。ここで、この反射パターン250によりキーボタン270側へ乱反射された光のほとんどは、全反射の条件を満たさない(すなわち、入射角が臨界角よりも小さい場合である)ため、キーボタン270を透過して外部に出射される。
【0034】
また、反射パターン250により乱反射されずにそのまま通過する光と、乱反射された光の一部は、全反射の条件を満たしていることから、導光層220内に進入し続け、これにより、他のキーボタンを照明することに寄与する。すなわち、反射パターン250は、乱反射を生じさせることによって、入射光の一部のみをキーボタン270の照明に用い、残りの入射光は他のキーボタンの照明に用いる。さらに、反射パターン250は、任意の方向への乱反射により、キーボタン270の均一な(すなわちムラの無い)照明を実現する。
【0035】
好ましくは、反射パターン250は、スクラッチ(Scratching)、レージング(Lasing)、整形、印刷などを経て形成される。導光層220が光ファイバアレイを備える場合には、反射パターン250は、光ファイバアレイの下面からコアの表面まで延びる。
【0036】
スイッチ基板280は、第1のプリント回路基板290と、ドームシート300と、を備える。
【0037】
第1のプリント回路基板290は、その上面上に形成された複数の導電性の接点部材295を備える。そして、各接点部材295は、対応するドームシート300のドーム305と共にスイッチ(295,305)を構成する。なお、スイッチ295,305は、対応する突起部260の下方に整列される。
【0038】
ドームシート300は、第1のプリント回路基板290の上面に貼り付けられ、半球状を呈する複数の導電性ドーム305を備える。各ドーム305は、対応する接点部材295を完全に覆う。
【0039】
ユーザが任意の一のキーボタン270を押圧して押し下げると、そのキーボタン270の下に位置するキーパッド210の部位がスイッチ基板280に向かって変形する。その結果、変形された部位に属した対応する突起部260が対応するドーム305を押圧して押し下げ、当該押し下げられたドーム305は、対応する接点部材295と電気的に接続される。
【0040】
本実施形態では、導光板220に少なくとも1個の発光素子320が第2のプリント回路基板310を介して搭載される。ここで、第2のプリント回路基板310は、下部弾性層240の下面の周縁部に取り付けられる。そして、図2に示すように、少なくとも1つの発光素子320は、その発光面が導光層220の側面と対向するように、第2のプリント回路基板310の上面に搭載される。これにより、発光素子320から発せられた光は、導光層220の側面を通ってその内部に取り込まれる。第2のプリント回路基板310としては、通常の軟性(フレキシブル)プリント回路基板(FPCB)を使用することができ、また、発光素子320としては、通常の発光ダイオードを使用することができる。
【0041】
図4は、本発明の他の実施の形態によるキーパッドを示す断面図である。本実施形態のキーパッド210’は、図2におけるキーパッド210から上部弾性層230を除去した構成を有する。
【0042】
本実施形態では、キーボタン270は、導光層220の上面に(上部弾性層230を介さずに直接)取り付けられる。そして、この導光層220内に全反射によって進入する光は、反射パターン250に入射される。ここで、反射パターン250によりキーボタン270の方向に乱反射された光のほとんどは、全反射の条件を満たさない(すなわち、入射角が臨界角よりも小さい場合である)ため、キーボタン270を透過して外部に出射される。また、反射パターン250により乱反射されずにそのまま通過する光と、乱反射された光の一部は、全反射の条件を満たしていることから、導光層220内に進入し続け、これにより、他のキーボタンを照明することに寄与する。
【0043】
図5は、本発明のさらに他の実施の形態によるキーパッドを示す断面図である。本実施形態のキーパッド210″は、図4におけるキーパッド210’とは反射パターンの位置が異なる構成を有する。すなわち、本実施形態では、反射パターン(250’)は、導光層(220’)の下面側に、かつ、突起部260と、この突起部260の周囲とに配置された構成となっている。
【0044】
本実施形態では、導光層220’は、軟性を有する光透過フィルムからなり、キーパッド210″の内部に取り込まれた光は、導光層220’および下部弾性層240とその外部の空気層との境界(界面)における全反射によって、キーパッド210″の内部に進入する。
【0045】
反射パターン250’は、中央部252と周縁部254とにより構成され、中央部252は突起部260の下面に形成され、周縁部254は突起部260の周囲に形成される。本実施形態では、図5に示すように、反射パターン250’の周縁部254が下部弾性層240に形成された構成となっているが、導光層220’側に形成された構成としても構わない。
【0046】
キーパッド210″内に全反射により進入する光は、反射パターン250’に入射する。ここで、反射パターン250’によりキーボタン270側へ乱反射された光のほとんどは、全反射の条件を満たさない(すなわち、入射角が臨界角よりも小さい場合である)ため、キーボタン270を透過して外部に出射される。また、反射パターン250’により乱反射されずにそのまま通過する光と、乱反射された光の一部は、全反射の条件を満たしていることから、キーパッド210″内に進入し続け、これにより、他のキーボタンを照明することに寄与する。
【0047】
なお、上述した各実施形態では、反射パターン(250)が導光層(220)の下面側に形成された例を挙げたが、さらに他の実施形態として、反射パターン(250)が導光層(220)の上面側に形成されることもできる。好ましくは、反射パターンは、キーボタン270と接する導光層(220)上面の部位に形成されることができる。
【0048】
図6は、図2に示したキーパッドアセンブリを備える携帯用端末機を示す前面図である。携帯用端末機400は、通常のバータイプ(bar type)の携帯用端末機であり、従来と比較して、単に、キーパッドアセンブリの具体的な構成のみにおいて差がある。従って、携帯用端末機400の内部構成についての詳細な説明は省略し、外観を中心にして簡略に説明する。
【0049】
携帯用端末機400は、全体的な外観を形成するハウジング410と、ハウジング410の前面に露出されるスピーカ装置420と、表示装置(display apparatus)430と、キーパッドアセンブリ200及びマイク装置(microphone apparatus)440とを含む。
【0050】
スピーカ装置420は、ハウジング410の上端側に配置されて、入力された電気信号を音声信号に変換して出力する。マイク装置440は、ハウジング410の下端側に配置されて、入力された音声信号を電気信号に変換して出力する。
【0051】
表示装置430は、スピーカ装置420とマイク装置440との間に配置されて、携帯用端末機400の作動状態を視覚的に表示する。すなわち、表示装置430は、アンテナ受信感度、バッテリー充電レベル状態、及びキーパッドアセンブリ200のキーボタン270により入力された電話番号などの情報を表示する。
【0052】
キーパッドアセンブリ200は、表示装置430とマイク装置440との間に配置されて、図2に示すような構成を有する。このキーパッドアセンブリ200は、ハウジング410の内部に格納(搭載)されるが、図6に示すように、キーパッドアセンブリ200の構成要素のうち複数のキーボタン270のみがハウジング410の前面に露出するように、ハウジング410に取付けられる。
【0053】
以上、本発明のキーパッドアセンブリがバータイプの携帯用端末機に適用されるものを例示して説明したが、本発明のキーパッドアセンブリは、ホルダー(folder)タイプ、スライド(slide)タイプなどの任意のタイプの携帯用端末機にも適用されることができることは勿論である。
【0054】
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の技術によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。
【図3】図2におけるキーパッドアセンブリの平面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるキーパッドを示す断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態によるキーパッドを示す断面図である。
【図6】図2に示したキーパッドアセンブリを備える携帯用端末機を示す前面図である。
【符号の説明】
【0056】
200 キーパッドアセンブリ
210 キーパッド
220 導光層
230 上部弾性層
240 下部弾性層
250 反射パターン
260 突起部
270 キーボタン
280 スイッチ基板
290 第1のプリント回路基板
295 接点部材(スイッチ)
300 ドームシート
305 ドーム(スイッチ)
310 第2のプリント回路基板
320 発光素子
400 携帯用端末機(携帯端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光が進入する導光層と、
前記導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、
前記導光層の前記上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、
前記導光層の上面側又は下面側に形成され、前記導光層の内部に進入する光の一部を前記キーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、
を備えることを特徴とするキーパッド。
【請求項2】
前記キーボタンと前記導光層との間に挿置されるように、前記導光層の上面に配置された上部弾性層をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項3】
前記下部弾性層の下面側に形成された少なくとも1つの突起部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項4】
前記反射パターンは、前記導光層の下面側に、かつ、前記突起部と前記突起部の周囲とに配置されるように形成された
ことを特徴とする請求項3に記載のキーパッド。
【請求項5】
前記反射パターンは、前記導光層の下面に、かつ、前記導光層と前記下部弾性層との間に位置するように形成された
ことを特徴とする請求項3に記載のキーパッド。
【請求項6】
前記反射パターンは、乱反射を生じさせるものであることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項7】
前記導光層は、それぞれコアおよびクラッドを有する複数の光ファイバからなる光ファイバアレイ、または光透過フィルムを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項8】
前記導光層は、複数のグラスまたはプラスチック光ファイバ及びこれら光ファイバを取り囲む樹脂製のコーティング層からなるリボン光ファイバを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項9】
前記下部弾性層の材質は、ポリウレタンまたはシリコンであることを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項10】
前記下部弾性層は、前記キーボタンが操作された後に前記キーボタンを元の位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載のキーパッド。
【請求項11】
内部に光が進入する導光層と、前記導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、前記導光層の前記上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、前記導光層の上面側又は下面側に形成され、前記導光層の内部に進入する光の一部を前記キーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を有するキーパッドと、
前記キーパッドと対向する上面上に形成された少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、を備え、
前記キーボタンの押し下げに伴って、前記スイッチ基板に向かって変形された前記キーパッドの部位が前記スイッチを押し下げること
を特徴とするキーパッドアセンブリ。
【請求項12】
前記導光層の側面に対向して配置され、前記導光層の内部に光を供給するための少なくとも1つの発光素子をさらに備える
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項13】
前記下部弾性層の下面の周縁部に取り付けられるプリント回路基板をさらに有し、
前記発光素子は、前記プリント回路基板の上面に搭載される
ことを特徴とする請求項12に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項14】
前記キーボタンと前記導光層との間に挿置されるように、前記導光層の上面に配置された上部弾性層をさらに備える
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項15】
前記キーパッドは、前記下部弾性層の下面側に形成された少なくとも1つの突起部をさらに備え、
前記スイッチは、前記突起部によって押し下げられる
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項16】
前記反射パターンは、前記導光層の下面側に、かつ、前記突起部と前記突起部の周囲とに配置されるように形成された
ことを特徴とする請求項15に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項17】
前記反射パターンは、前記導光層の下面に、かつ、前記導光層と前記下部弾性層との間に位置するように形成された
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項18】
前記反射パターンは、乱反射を生じさせるものであることを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項19】
前記導光層は、それぞれコアおよびクラッドを有する複数の光ファイバからなる光ファイバアレイ、または光透過フィルムを備える
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項20】
前記導光層は、複数のグラスまたはプラスチック光ファイバ及びこれら光ファイバを取り囲む樹脂製のコーティング層からなるリボン光ファイバを備える
ことを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項21】
前記下部弾性層の材質は、ポリウレタンまたはシリコンであることを特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項22】
前記下部弾性層は、前記キーボタンが操作された後に前記キーボタンを元の位置に戻すこと
を特徴とする請求項11に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項23】
上面上に少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、上面、下面、および側面を有する導光層と,前記スイッチの上方に位置するように前記導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと,を有するキーパッドと、前記導光層の各側面のうち少なくとも一の側面に隣り合うように配置された少なくとも1つの発光素子と、を備えたキーパッドアセンブリであって、
前記導光層の前記上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、
前記キーボタンの下方に位置する前記導光層の上面側又は下面側に形成され、前記導光層の内部に進入する光の一部を前記キーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、
を備えることを特徴とするキーパッドアセンブリ。
【請求項24】
前記下部弾性層の周縁部に取り付けられるプリント回路基板をさらに備え、
前記発光素子は、前記プリント回路基板の上面に搭載される
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項25】
前記キーボタンと前記導光層との間に挿置されるように、前記導光層の上面に配置された上部弾性層をさらに備える
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項26】
前記キーパッドは、前記下部弾性層の下面側に形成された少なくとも1つの突起部をさらに有し、
前記スイッチは、前記突起部によって押し下げられる
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項27】
前記反射パターンは、前記導光層の下面側に、かつ、前記突起部と前記突起部の周囲とに配置されるように形成された
ことを特徴とする請求項26に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項28】
前記反射パターンは、前記導光層の下面に、かつ、前記導光層と前記下部弾性層との間に位置するように形成された
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項29】
前記反射パターンは、乱反射を生じさせるものであることを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項30】
前記導光層は、それぞれコアおよびクラッドを有する複数の光ファイバからなる光ファイバアレイ、または光透過フィルムを有する
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項31】
前記導光層は、複数のグラスまたはプラスチック光ファイバ及びこれら光ファイバを取り囲む樹脂製のコーティング層からなるリボン光ファイバを備える
ことを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項32】
前記下部弾性層の材質は、ポリウレタンまたはシリコンであることを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項33】
前記下部弾性層は、前記キーボタンが操作された後に前記キーボタンを元の位置に戻すこと
を特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項34】
前記反射パターンは、前記導光層の上面または下面の上に形成されることを特徴とする請求項23に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項35】
内部に光が進入する導光層と、前記導光層の上面側に配置された少なくとも1つのキーボタンと、前記導光層の前記上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層と、前記導光層の上面側又は下面側に形成され、前記導光層の内部に進入する光の一部を前記キーボタンに向けて反射する少なくとも1つの反射パターンと、を有するキーパッドと、
前記キーパッドと対向する上面上に形成された少なくとも1つのスイッチを有するスイッチ基板と、を備え、
前記キーボタンの押し下げに伴って、前記スイッチ基板に向かって変形された前記キーパッドの部位が前記スイッチを押し下げる
ことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−318905(P2006−318905A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129815(P2006−129815)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】