説明

導光板の製造方法、及び導光板

【課題】 硬化収縮のために発生するコアやクラッドの寸法精度の低下を抑制することができるとともに、少ない工程数で製造を行うことができる導光板の製造方法及び導光板を提供する。
【解決手段】 クラッド支持基板10上形成した複数条の細溝12を片面に備える板状のクラッド13を、当該クラッド13より高屈折率であるとともに透光性及び可塑性を有するコア材21に圧接し、コア材21をクラッド13に対応する形状に成型する。また、当該圧接した状態でコア材21を硬化し、コア支持基板20を分離する。
この製造方法によれば、コア材21はコア支持基板20とクラッド支持基板10上のクラッド13とに挟まれた状態で硬化されるため、コア材21の硬化収縮による寸法精度の低下を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の製造方法及び導光板に関し、特に、基板上に複数条のコアが所定ピッチで平行に配設された導光板の製造方法及び導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、高解像度の画像を短時間で印刷する機能が要求されている。
【0003】
高解像度の画像を印刷するためには、印刷画像の潜像を感光体上に形成する光源が、主走査方向に狭ピッチで露光できることが必要である。また、印刷を短時間で行うためには感光体上に潜像の形成を短時間で行うこと、すなわち、感光体への照射光量を十分大きくして、露光時間を短くすることが必要になる。
【0004】
上記光源に使用される代表的な発光素子として、LED(Light Emitting Diode)がある。しかし、このような発光素子を狭ピッチで配置するためには、発光素子を小さくする必要があるため、当該発光素子の発光面積は必然的に小さくなる。このため、発光面積の減少に伴って、発光素子が発する光量は小さくなり、発光素子を狭ピッチで配置することと、露光時間を短くすることとを両立させることは困難であった。
【0005】
そこで、本願出願人は、後掲の特許文献1において、図7の斜視図に示す光源100を提案している。図7に示すように、この光源100は、基板101上に感光体500の表面に対して垂直な方向(以下、光伝送方向という。)に伸びるコア(導光路)102が感光体500の表面に対して平行な方向(以下、主走査方向という。)に複数条配置された導光板200を備え、前記各コア102の上面に光伝送方向に長い発光面を有する発光素子300が形成されている。
【0006】
この発光素子300が発した光Dは、コア102内で全反射を繰り返して、コア102の光伝送方向の一端面である出射面から出射する。なお、コア102の光伝送方向の他端面には反射材103が積層されており、光Dの漏れを少なくしている。
【0007】
上記のように、コア102から出射された光は、GI(Graded Index)ファイバレンズやロッドレンズ等の光伝送手段400を介して感光体500の表面に結像される。したがって、上記複数条のコアの出射面を、感光体500に形成される潜像の1画素に要求される面積と同じ面積にするとともに、画素間のピッチと同じピッチで配列することで、主走査方向に狭ピッチで配置された、大光量を出射可能な光源100を実現することができる。
【0008】
上記図7では、基板101上にコア102が単純に所定の間隔をおいて配設された導光板200を用いた光源100を概念的に示したが、現実には、各コア102上面への発光素子300の形成を容易にするために、各コア102の間にコア102よりも低屈折率のクラッド102aを介在させて導光板200の上面が平面になる構成としている。以下では、このクラッド102aを備える導光板200の製造プロセスを図8及び図9に基づいて説明する。
【0009】
図8(a)に示すように、まず、スピンコートやスクリーン印刷等により基板101上に、熱硬化又はUV(Ultra Violet)硬化樹脂からなる液状のクラッド材102bを塗布した後、加熱やUV光照射等の硬化処理を行うことで、クラッド102aが成膜される。
【0010】
次に、クラッド102a上に、例えばUV硬化樹脂からなる液状の透光性を有するコア材102cが塗布される。このコア材102c上に、図8(b)に示すように、所定の間隔で複数条の開口部を有するマスク105が配置され、当該マスク105を介して上記コア材102cにUV光Eが照射される。このとき、マスク105によって遮光された部分に位置するコア材102cは硬化されない。したがって、硬化されていないコア材102cを、例えば、有機溶剤等を用いて洗浄除去することで、図8(c)に示すように、上記マスク105に対応するコア102のパターンが形成される。
【0011】
続いて、図8(d)に示すように、コア102の各パターン間に液状のクラッド材102bを充填して硬化処理を行い、各コア102をクラッド102aで被覆する。最後に、上記クラッド102aを上面から研磨して、上記コア102の表面を露出させることで、導光板200が得られる(図8(e))。
【0012】
以上のようにして形成された導光板200の各コア102の上面に、有機あるいは無機の発光材料を用いた発光素子300が形成される。すなわち、蒸着やスピンコート等により、下層電極301、発光層302がサブミクロンオーダの膜厚で順に形成され、当該発光層302の上面に上層電極303が形成される。各層は、各コア102上に個別に形成されてもよいが、ここでは、製造プロセスを容易とするために、下層電極301は各コア102に個別な透明電極を形成し、発光層302と上層電極303は各発光素子300で共通の層(全下層電極301を覆う単一の層)を形成している(図8(f))。この場合、有機発光層302の膜厚は、その材質に応じて良好な発光特性が得られる範囲の膜厚に設定されるとともに、下層電極301の膜厚は有機発光層302が各下層電極301を確実に被覆できるように、有機発光層302の膜厚以下の膜厚に設定される。また、上層電極303は、当該上層電極303自身の電気抵抗が有機発光層302の発光特性を劣化させない程度の膜厚に設定される。
【0013】
一方、コア材102として非感光性の材料が使用される場合、上述のマスク105を介したUV光照射によってコア102のパターンを形成することができないため、導光板200は、図9に示す製造プロセスにより形成される。
【0014】
まず、上記と同様に、基板101上に成膜されたクラッド102a上にコア材102cが蒸着やスパッタ等により成膜される(図9(a))。
【0015】
次に、コア材102c上に、所定ピッチで配置された窒化膜からなるマスクパターン106が、例えば、フォトリソグラフィにより形成される(図9(b))。そして、当該マスクパターン106をエッチングマスクとして、上記コア材102cに対するエッチングが行われ、コア102のパターンが形成される(図9(c))。
【0016】
続いて、上記マスクパターン106をリン酸等で除去した後、上記と同様に、コア102の各パターン間に液状のクラッド材102bを充填して硬化処理を行い、コア102を被覆するクラッド102aを形成する(図9(d))。
【0017】
その後、上記と同様に、コア102を被覆したクラッド102aを上面から研磨して上記コア102の表面を露出させることで、導光板200が得られる(図9(e))。
【0018】
更に、以上のように形成された導光板200の各コア102の上面に、上記と同様にして有機発光材料等を用いた発光素子300が形成される(図9(f))。
【特許文献1】国際公開第2004/039595号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述のように、コア102の材質とクラッド102aの材質とは異なるため、通常、コアの硬度とクラッドの硬度は異なる。このように硬度の異なる材質が混在する面に対して研磨を行った場合、高硬度の材質の研磨量は低硬度の材質の研磨量よりも小さくなる。このため、上記導光板200の上面の研磨を行った場合、コア102とクラッド102aの界面に、コア102とクラッド102aの硬度差に応じた段差が形成されてしまう。
【0020】
上述のように、発光層302や上層電極303は導光板200の上面全体を覆う層として形成される。しかしながら、上記研磨に起因する段差が生じた状態で、導光板200の上面全体を覆う層を形成した場合、図10に矢印Aで示すように、上層電極303が断線することがある。また、この断線を防止するために、例えば、上層電極303の膜厚を増大させた場合であっても、発光層302を挟んで分離されるべき下層電極301と上層電極303とが短絡することになる。また、仮にこの断線や短絡のような欠陥が製造時に顕在化しなかった場合でも、上記段差の存在により有機発光素子の長期信頼性は確実に低下する。
【0021】
一方、コア材102cやクラッド材102bとして使用される液状の材料は、硬化の際に収縮する性質を有している。この硬化収縮は、例えば、上述した図8(b)に示すようなコア102のパターンを形成する硬化処理では、パターンを変形させたり、パターンの配置間隔(ピッチ)にずれを発生させたりする。
【0022】
また、図8(d)や図9(d)に示すような液状の材料を全面に塗布した場合の硬化処理では、硬化収縮によるクラッド材102bの収縮量は、基板101に拘束されていない上面側で大きくなるため、クラッド102aに反りを発生させる恐れがある。このような反りは、結果的に各コア102のパターンの配置精度を低下させることになる。
【0023】
各コア102の寸法精度が低下することは、特に、上述の高解像度を目的とした画像形成装置の光源のように、各コア102を狭ピッチで配置する場合や、各画素の光量を確保するために導光板200のサイズを大きくする場合に問題となる。
【0024】
本発明は、上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、硬化収縮によるコアやクラッドの変形を抑制することができるとともに、従来の製造方法に比べて少ない工程数で製造を行うことができる導光板の製造方法及び導光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、本発明にかかる導光板の製造方法は、まず、クラッド支持基板上に、複数条の細溝を片面に備える板状のクラッドを形成する。また、このクラッドの形成とは別に、コア支持基板上に前記クラッドより高屈折率であるとともに透光性を有する可塑性のコア材を、例えばスクリーン印刷やスピンコート等により供給し、コア材の層を形成する。
【0026】
次に、クラッド支持基板上のクラッドの細溝を備える面をコア支持基板上のコア材に対向させた状態で圧接し、当該圧接した状態でコア材を硬化させることで、細溝に充填された複数条のコアを有する導光板が形成される。
【0027】
本製造方法によれば、コア材は、コア支持基板とクラッド支持基板に拘束されたクラッドとに挟まれた状態で硬化されるため、硬化収縮によるコアの変形を抑制することができる。このため、上記導光板を高精度で形成することができる。
【0028】
また、上記方法において、コア材の成型に使用するクラッドは、公知のフォトリソグラフィ等の微細加工技術を使用して形成してもよいが、クラッド材に液状材料等の可塑性の材料を採用し、金型等のクラッド用成形型を用いたプレス成型によって形成することが好ましい。このとき、クラッド材はクラッド用成形型に圧接された状態で硬化する。
【0029】
このようにすれば、レジスト塗布、露光、現像等の多工程からなるフォトリソグラフィに比べ、工程を簡略化することができる。また、硬化収縮によるクラッドの変形は、クラッド用成形型とクラッド支持基板とによって抑制されるため、クラッドの細溝を精度良く形成することができる。
【0030】
さらに、上記コア支持基板のコアが形成される面を平滑面とすれば、コア支持基板を分離した後に露出するコアの表面は平滑面になるため、上記従来の製造プロセスにおいて必要であった研磨工程を省略することも可能である。ここで、平滑面とは、コアの表面に形成される発光素子の下層電極の膜厚に比べて十分に小さい表面粗さ及び平面度を有する面である。
【0031】
加えて、上記クラッド支持基板は、上記クラッドを上記コア材に圧接してコア材を成型するときに、クラッド支持基板とコア支持基板との間隔を特定の距離に制限するスペーサを備えることが好ましい。
【0032】
上記スペーサは、クラッド支持基板とコア支持基板とが接近可能な最小間隔を制限する。このため、クラッドをコア材に圧接するときの両基板間の間隔の管理が容易になる上、スペーサにより制限された距離以下に両基板が接近することがないので、クラッドがコア支持基板に接触して、各細溝を仕切る隔壁が破損するという不具合を防止することができる。なお、スペーサにより制限させる間隔は、少なくともクラッドの細溝の深さより大きければよい。
【0033】
なお、上記製造方法において、まず、コア支持基板上にコアを形成し、当該コア支持基板のコアが形成された面を型として、クラッド支持基板上に配した可塑性のクラッド材を成型する構成としても、同様の作用及び効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、コア材およびクラッド材の硬化処理が、コア支持基板、クラッド支持基板、コア用成形型、及びクラッド用成形型のいずれか2つに挟まれた状態で行われるため、コア材及びクラッド材の硬化収縮による寸法精度の低下を抑制することができる。このため、画像形成装置の光源等に使用可能な導光板を精度良く製造することができる。
【0035】
さらに、上記コア支持基板のコアが形成される面を平滑面とすれば、コア支持基板の分離により露出するコアの表面を平滑面にすることができるため、従来の製造方法で必要であった研磨工程を省略することでき、工程をより簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
【0037】
図1、図2及び図3は、本実施の形態に係る導光板2を適用した画像形成装置の光源1の製造プロセスを示す模式図である。また、図4は、光源1の概略平面図である。
【0038】
本実施の形態に係る導光板2は、図8および図9に示した従来の導光板200と同様に、基板上に、所定ピッチで複数条設けられた細溝12を備えるクラッド11と、当該細溝12に充填されたコア22とを備えている。
【0039】
以下、図1から図3に基づいて、本実施の形態に係る導光板2の製造方法、並びに、当該導光板2を適用した画像形成装置の光源1の製造方法を説明する。
【0040】
まず、図1(a)に示すように、シリコン、石英、ガラス等からなるクラッド支持基板10上に、熱硬化型またはUV硬化型の樹脂材料等からなる可塑性のクラッド材11がスクリーン印刷、スピンコート、滴下等により供給され、クラッド材11の層が形成される。図1(a)の例では、クラッド支持基板10は、厚さが1mm程度の透光性を有するガラス基板であり、クラッド材11は、屈折率が1.5のUV硬化型のエポキシ樹脂である。
【0041】
クラッド支持基板10は、後に詳述するスペーサ40を備える。当該スペーサ40は、その厚さ(高さ)が後の工程で重要となるため、その上面にクラッド材11が塗布されることは好ましくない。このため、上記クラッド材11の塗布を、スピンコートのように塗布領域を選択できない方法を用いて行う場合、スペーサ40上にマスキング等を行う。
【0042】
次に、図1(b)及び図1(c)に示すように、タングステンカーバイド(WC)や石英等の材質からなるクラッド用成形型50が上記クラッド材11に圧接される。クラッド用成形型50のクラッド材11との接合面には、圧接時に、クラッド材11に所定ピッチの複数条の細溝12が成型されるように、各細溝12に対応する複数の突条51が刻設されている。
【0043】
上記圧接の過程で、クラッド材11はクラッド用成形型50の各突条51の間に充填され、各突条51に対応する形状に成型される。このとき、クラッド支持基板10とクラッド用成形型50との間で存在場所がなくなった余分なクラッド材11は、クラッド用成形型50の外縁部で外部に開放された各突条51の光伝送方向の端部(長手方向の端部)から外部に押し出される。なお、上記成型は、クラッド材11中に気泡が閉じ込められることを防止するため、チャンバー内等の真空下で行われることが好ましい。
【0044】
また、クラッド用成形型50をクラッド支持基板10に圧接する際には、クラッド用成形型50とクラッド支持基板10とが互いに接触することを防止するとともに、クラッド用成形型50とクラッド支持基板10との間隔W1を特定の距離に制限するために、クラッド用成形型50とクラッド支持基板10との間にスペーサ40が設けられる。このスペーサ40は、クラッド支持基板10とクラッド用成形型50との間隔が決定できる構成であれば任意の構成を採用することができるが、後述の理由により、クラッド支持基板10と一体に形成された構成であることが好ましい。
【0045】
本実施の形態では、スペーサ40を、クラッド支持基板10に一体に形成した光伝送方向に伸びる凸部として構成している。この凸部は、例えば、切削加工、インジェクション成型等の任意の方法により形成すればよく、その形成方法は特に限定されるものではない。なお、スペーサ40はクラッド支持基板10と一体に形成される必要はなく、クラッド支持基板10と別体の部材からなるスペーサ40が、クラッド支持基板10に接着剤等により固定される構成であってもよい。
【0046】
続いて、図1(c)に示すように、スペーサ40を介してクラッド用成形型50がクラッド材11に圧接された状態で、クラッド材11に対してUV光Eが十分な光量で照射され、クラッド材11の硬化処理が行われる。
【0047】
上述のように、本実施の形態では、クラッド支持基板10にガラス基板を採用しているため、上記UV光Eはクラッド支持基板10を介してクラッド材11に照射している。ここで、クラッド用成形型50の材質に透光性を有する材質を採用し、クラッド用形成型50を介してUV光Eをクラッド材11に照射して硬化処理を行ってもよいことは勿論である。また、クラッド材11として、熱硬化樹脂を採用した場合は、当該硬化処理は加熱により行えばよい。
【0048】
上記硬化処理によりクラッド材11は硬化され、突条51が刻設されたクラッド用成形型50に対応する形状に成型されたクラッド13が得られる。このとき、クラッド材11は硬化に伴って収縮しようとする。しかしながら、クラッド用成形型50がクラッド材11に圧接された状態で硬化処理が行われるため、硬化収縮によるクラッド材11の主走査方向の変形は、クラッド用成形型50の突条51によって抑制される。したがって、クラッド材11が硬化収縮する際に、細溝12のピッチずれは発生せず、クラッド13を精度良く形成することができる。
【0049】
また、クラッド材11は、クラッド支持基板10とクラッド用成形型50とに挟まれた状態で硬化処理が行われる。このため、硬化収縮によりクラッド13に反りが発生することもない。
【0050】
一方、クラッド材11の厚さ方向の収縮は抑制されないため、硬化処理後に得られるクラッド13の厚さは、硬化処理前のクラッド材11の厚さに比べ小さくなる。すなわち、図1(d)に示すように、クラッド13の厚さ(各細溝12を分離する隔壁14の上面の高さ)は、スペーサ40の上面の高さより硬化収縮した量Xだけ低くなる。
【0051】
上記収縮量Xは、樹脂材料の材質、硬化条件(UV硬化型であればUV光照射時の時間に対するUV光照射量プロファイル、熱硬化型であれば加熱時の時間に対する温度プロファイル)によって調整可能である。例えば、収縮率が約1%となるように材質及び硬化条件を調整した場合、スペーサ40の高さが100μmとすれば、収縮量Xは1μmとなる。
【0052】
また、クラッド材11の光伝送方向の収縮も抑制されないため、クラッド13は光伝送方向に変形する。しかし、導光板2の光伝送方向の長さは、後述のように、ダイシング等による分割時に調節されるため、特に問題とならない。
【0053】
以上説明したように、上述の製造方法により、所定のピッチで設けられた複数条の細溝12を備えるクラッド13を、ピッチずれを発生させることなく精度良く形成することができる。
【0054】
ここで、上記細溝12の構造について説明する。各細溝12のピッチは、例えば、本方法により製造される導光板2を適用する画像形成装置の光源1が要求する解像度によって定まる間隔である。すなわち、解像度が200dpi(dot par inch)であれば各細溝12のピッチは127μm(2.54cm/200)であり、解像度が2400dpiであれば各細溝12のピッチは10.58μm(2.54cm/2400)である。
【0055】
また、各細溝12を仕切る隔壁14の幅は、各細溝12に充填される各コア(後述する)により伝送される光が、光学的に隔離される幅に設定される必要がある。しかしながら、各細溝12のピッチは解像度に応じて定まるため、各隔壁14の幅が大きくなると細溝12自体の幅が小さくなり(コアの幅が小さくなり)、伝送できる光量が小さくなってしまう。このため、上記隔壁14の幅はできるだけ小さいことが好ましい。このような条件を満足する上記隔壁14の幅は、例えば、解像度が200dpiの場合は24μm、解像度が2400dpiの場合は2μmである。この場合、上記細溝12の幅は、解像度が200dpiのとき103μm、解像度が2400dpiのとき8.58μmとなる。なお、各隔壁14の高さは、各コアの一端面から出射される光の断面を正方形にするために、細溝12の幅と同一にしている。
【0056】
さて、上記クラッド13の加工とは別に、図2(a)に示すように、石英、ガラス等からなるコア支持基板20上に、スクリーン印刷、スピンコート、滴下等により、熱硬化型またはUV硬化型の樹脂材料等からなる可塑性のコア材21の層が形成される。図2(a)の例では、コア支持基板20は、厚さが1mm程度の透光性を有するガラス基板であり、コア材21は、屈折率が1.7のUV硬化型アクリル樹脂である。このとき、コア材21の塗布厚は、上記クラッド13に形成する細溝12の深さ以上であればよい。
【0057】
なお、コア支持基板20のコア材21が塗布される面は平滑面であることが好ましい。ここで、平滑面とは、後述のコアの表面に形成される発光素子の下層電極の膜厚に比べて十分に小さい表面粗さ及び平面度を有する面である。
【0058】
次に、図2(b)、及び図2(c)に示すように、上記コア支持基板20上に塗布したコア材21に、上記クラッド13の細溝12を備える面が圧接される。このとき、コア材21はクラッド13の各細溝12に充填されるとともに、余分なコア材21がクラッド13の光伝送方向(長手方向)の端部から押し出され、クラッド13に対応した形状に成型される。
【0059】
このとき、クラッド支持基板10とコア支持基板20との間には上記スペーサ40を配置し、両基板間の間隔W2を上述のクラッド支持基板10とクラッド用成形型50との圧接時の間隔W1(図1(c)に示す)と同一の間隔になるようにしている。
【0060】
図1(d)に示したように、クラッド13の隔壁14の上面とスペーサ40の上面とは面一ではなく、隔壁14の上面が収縮量Xだけクラッド支持基板10側に縮んでいる。このため、両支持基板間に上記スペーサ40を配置すると、隔壁14の上面(図2(c)では下面)とコア支持基板20との間には収縮量Xに対応する空間(上記の例では、1μm程度の間隙)を設けることができ、隔壁14とコア支持基板20とが接触して隔壁14が破損する恐れがない。
【0061】
また、クラッド支持基板10がスペーサ40を備える構成とすれば、上述のクラッド材11成型時のクラッド支持基板10とクラッド用成形型50との間隔W1、及び、コア材21成型時のコア支持基板20とクラッド支持基板10との間隔W2は当然に同一の間隔となるため、これらの間隔を管理する必要がなく、製造が非常に容易になる。なお、この圧接は、上記クラッド材11の成型と同様に、チャンバー内等の真空下で行われることが好ましい。
【0062】
続いて、上記のようにクラッド支持基板10がコア支持基板20に圧接された状態で、図2(c)に示すように、コア材21に対してUV光Eが十分な光量で照射され、コア材21の硬化処理が行われる。
【0063】
上述のように、コア支持基板20にガラス基板を採用しているため、上記UV光Eはコア支持基板20を介してコア材21に照射することができる。この硬化処理により、上記収縮量Xに対応する空間に対応する膜状の層(以下、被覆層23という)により連結された各コア22が得られる。
【0064】
上記硬化処理において、コア材21は収縮する。しかし、コア22の主走査方向の変形はクラッド13の細溝12(隔壁14)によって抑制されるため、各コア22のピッチずれは発生しない。また、コア22の幅が隔壁14の幅に比べて大きいため、コア材21の収縮量が大きくなり、コア22とクラッド13(特に、隔壁14の先端部)との間に隙間が形成されることが考えられるが、本実施の形態では、被覆層23により各コア22が連結されているため、このような隙間の形成を抑制することができる。
【0065】
なお、クラッド13の材質に透光性を有する材質を採用した場合は、クラッド13を介してUV光Eをコア材21に照射して硬化処理を行ってもよく、コア材21に熱硬化樹脂を採用した場合は、加熱により硬化処理を行えばよい。
【0066】
また、コア材21は、コア支持基板20とクラッド支持基板10(クラッド13)とに挟まれた状態で硬化処理が行われるため、硬化処理後に得られるコア22に反りが発生することもない。
【0067】
コア材21の硬化処理が完了した後、上記コア支持基板20をコア22及び被覆層23から分離することで、所定ピッチで配置された複数条のコア22を備える導光板2が得られる。このコア支持基板20の分離は、例えば、コア支持基板20をコア22が形成されていない面から加熱し、コア支持基板20とコア22及び被覆層23との接合強度を低下させることで行うことができる。この加熱は、例えば、ホットプレート等の面状の熱源をコア支持基板20に接触させる等により上記接合面を均等に加熱することが好ましく、加熱温度は、コア22及び被覆層23とコア支持基板20との接合面がコア材21のガラス転移温度Tgとなる温度にすることが好ましい。これにより、コア支持基板20との接合面の近傍のコア22及び被覆層23をガラス転移状態にすることができ、コア支持基板20を分離することができる。
【0068】
このようにして、コア支持基板20の分離により露出したコア22及び被覆層23の表面は、コア支持基板20の平滑面と同等の平滑さを有する平滑面24となる。
【0069】
なお、上述のように、コア支持基板20のコアが形成される面は平滑面であることが好ましいが、上記加熱温度を上記接合面の極近傍のコア22及び被覆層23だけが溶融する温度(融点)として、コア支持基板20の分離により露出するコア22及び被覆層23の表面を、一旦、溶融状態にすることで平滑化を行ってもよい。
【0070】
以上のようにして構成された導光板2の各コア22に対応する位置には、図3及び図4に示すように、コア22の位置ごとに発光可能な有機発光素子30が形成される。
【0071】
まず、図3(a)に示すように、上記平滑面24上の全面にITO等からなる透明な下層電極層34がスパッタ等により成膜される。そして、この下層電極層34に対してフォトリソグラフィ及びエッチングを行うことで、図3(b)に示すような各コア22に対応する位置に電気的に分離された下層電極31のパターンが形成される。
【0072】
このように各下層電極31が形成された導光板2上に、8−キノリノールアルミニウム錯体等からなる有機発光層32が蒸着等により成膜される(図3(c))。この場合、有機発光層32は、図4に示すように、各下層電極31に駆動電力を供給する結線を行うための一部の非被覆領域Bを除く一面に成膜される。
【0073】
そして、図3及び図4に示すように、上層電極33が有機発光層32上にアルミニウム等を蒸着することで一面に形成され、発光素子30を備える画像形成装置の光源1が完成される。なお、この構成において、下層電極31と上層電極33とが重なる領域が発光領域となる。なお、本実施の形態では、下層電極31及び有機発光層32を0.1μm、上層電極33を0.2μmの膜厚で成膜しているため、下層電極31と平滑面24との間に形成される段差が、上層電極33の断線や下層電極31と上層電極33との短絡を発生させることはない。
【0074】
ところで、上記で説明した光源1では、上記被覆層23が隣接するコア22を連結しているため、特定のコア22の上面に形成した発光素子30が発した光が、当該被覆層23を介して隣接するコアに漏れる現象(クロストーク)が発生する。このようなクロストークが大きいと、特定のコアから光が出射される際に、隣接するコアからも光が出射されることになるため、図7に示す感光体500上に明確な潜像を形成することが困難となる。したがって、被覆層23の厚さを小さくして、クロストークを小さくすることにより、潜像を良好に形成できる構造とする必要がある。このような条件を満足する被覆層23の厚さは、例えば、解像度が200dpiの場合は1μm、解像度が2400dpiの場合は0.1μmである。このため、上記導光板2の製造方法では上述の収縮量Xが、この条件を満足するように、クラッド材11の材質と塗布膜厚、及び、スペーサ40の高さが設定される。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態に係る導光板2の製造方法によれば、従来の製造方法で必要であった研磨工程が不要であり、簡単なプロセスで、良好な導光板2を得ることが可能となる。
【0076】
また、上記製造方法によれば、導光板2を適用して画像形成装置の光源1を構成する場合に、有機発光素子30を平滑面24上に形成することができるため、発光素子30を形成する際の断線や短絡等の欠陥の発生を確実に防止することができる。
【0077】
なお、上述のようにして構成された光源1は、例えば、ダイシング等により所望のサイズに分割された後、図7に示す従来の光源100と同様に、導光板2の光伝送方向の一端面が感光体500に向けられて配置される。
【0078】
また、導光板2と感光体500の間には、GIファイバレンズ等の光伝送手段400が設けられ、上記一端面から出射した光が感光体500の表面に結像される。なお、導光板2の各コア22の光出射端と反対側の面には、反射材103が蒸着あるいは塗布されている。
【0079】
以上の構成によれば、感光体500上には、上記コア22により集光され、当該コア22の一端面から出射された十分な光量を有する光が結像されるため、高解像度の画像を短時間で印刷することが可能となる。
【0080】
なお、上記説明では、クラッド13をクラッド用成形型50により成型したが、これに限定されるものではない。すなわち、本実施の形態に係る製造方法では、導光板2が形成されるまでの間、クラッド13がクラッド支持基板10に拘束されていること、及びコア22がコア支持基板20に拘束されていることが必須であり、これにより、クラッド13及びコア22の変形(ピッチずれや反り)を抑制する効果を奏するものである。したがって、クラッド13がクラッド支持基板10上に、例えば、フォトリソグラフィ及びエッチング等で形成された場合であっても、上述のコア22の形成方法を採用することで、コア22を精度良く形成することが可能である。
【0081】
(第2の実施の形態)
上記ではクラッド13を成形型としてコア材21の成型を行う製造方法について説明したが、逆に、コア22を成形型としてクラッド13の成型を行うことも可能である。そこで、第2の実施の形態では、コア22を成形型としてクラッド材11の成型を行う製造方法を、図5及び図6の模式図に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同一の機能または構造を有する部位には、同一の符号を付している。
【0082】
まず、図5(a)に示すように、透光性を有する石英、ガラス等からなるコア支持基板20上に、スクリーン印刷、スピンコート、滴下等により、熱硬化型またはUV硬化型の樹脂材料等からなる可塑性のコア材21の層が形成される。図5(a)の例では、第1の実施の形態と同様に、コア支持基板20に厚さが1mm程度の透光性を有するガラス基板、コア材21に屈折率が1.7のUV硬化型アクリル樹脂を使用している。また、コア支持基板20のコア材21が供給される面を平滑面としている。
【0083】
次に、図5(b)及び図5(c)に示すように、コア支持基板20上のコア材21に、タングステンカーバイド(WC)等の材質からなるコア用成形型60が圧接される。コア用成形型60のコア材21との接合面には、圧接時にコア材21を、所定ピッチで設けられた複数の突条からなるパターンに成型するための、複数条の溝61が刻設されている。なお、各溝61の端部は、上記圧接の過程で余分なコア材21がコア用成形型60の外縁部から排出されるように外部に開放されている。また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態とは異なり、各コア22が独立したパターンとなるように、上記コア用成形型60の溝61以外の部分は面一にしている。
【0084】
上記圧接により、コア用成形型60の各溝61にコア材21が充填される。この状態で、図5(c)に示すように、コア支持基板20を介してコア材21に十分な光量のUV光Eを照射することで、コア材21の硬化処理が行われる。
【0085】
これによりコア材21は硬化され、複数条のコア22のパターンがコア支持基板20上に形成される(図5(d))。なお、硬化処理はコア用成形型60がコア材21に圧接された状態で行われるため、第1の実施の形態と同様に、各コア22にピッチずれや反りが発生することはない。
【0086】
一方、図6(a)に示すように、上記コア22の加工とは別に、シリコン、石英、ガラス等からなるクラッド支持基板10上に、スクリーン印刷、スピンコート、滴下等により、熱硬化型またはUV硬化型の樹脂材料等からなるクラッド材11の層が形成される。ここでは、クラッド支持基板10を厚さが1mm程度の透光性を有するガラス基板とし、クラッド材11を、屈折率が1.5のUV硬化型のエポキシ樹脂としている。また、クラッド支持基板10がスペーサ40を備える点は、第1の実施の形態と同様である。
【0087】
次に、図6(b)及び図6(c)に示すように、コア支持基板20のコア22が形成された面がクラッド材11に圧接され、上記クラッド材11はコア22を包み込む形状に成型される。このとき、クラッド支持基板10が備えるスペーサ40は、コア支持基板20に当接し、コア支持基板20とクラッド支持基板10との間隔を各コア22がクラッド支持基板10に接触しない間隔に制限する。このため、各コア22がクラッド支持基板10に接触して破損する恐れはない。
【0088】
上述のように、コア22がクラッド材11に圧接された状態で、クラッド材11に対してUV光Eが十分な光量で照射され、クラッド材11の硬化処理が行われる。上述のように、コア支持基板20及びコア22は透光性を有しているので、UV光Eは、コア支持基板20を介して照射すればよい。
【0089】
上記硬化処理によりクラッド材11は硬化され、クラッド材11がコア22の三方(コア支持基板20側の面を除く三方)を包み込んだ状態のクラッド13が得られる。この硬化処理においてもクラッド材11が硬化収縮により変形しようとするが、各コア22はコア用支持基板20に拘束されているため各コア22にピッチずれは発生しない。また、クラッド材11は、クラッド支持基板10とコア支持基板20とに挟まれた状態で硬化されるため、クラッド13に反りが発生することもない。
【0090】
このとき、クラッド材11は硬化収縮することになるが、図1(d)で示した状態とは異なり、クラッド13の各隔壁14の間にはコア22が存在している。このため、クラッド材11は、コア22との接触面が拘束された状態であり、上述の収縮量Xに相当する段差が発生しない。仮に、クラッド13に硬化収縮による変形が生じた場合でも、図6(d)の拡大部に示したように、クラッド13の隔壁14の幅方向中央部だけが収縮した緩やかな斜面が形成されることになるため、その上面に形成する発光素子30に不具合を生じる段差が形成されることはない。
【0091】
コア材21の硬化処理が完了した後、上記コア支持基板20をコア22から分離することで、所定ピッチで配置された複数条のコア22を備える導光板2が得られる(図6(d))。このコア支持基板20の分離は、第1の実施の形態と同様に、コア支持基板20を加熱することで行えばよい。
【0092】
以上のようにして構成された導光板2の各コア22には、コア22の位置ごとに発光可能な有機発光素子30が形成された後に分割されて画像形成装置に適用されるが、第1の実施の形態と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態に係る製造方法では、コア材21及びクラッド材11が硬化収縮する際の変形を抑制して、コア22及びクラッド13を精度良く形成することができるとともに、従来の製造方法で必要であった研磨工程が不要であり、簡単なプロセスで導光板2を得ることが可能となる。
【0094】
また、上記製造方法によれば、有機発光素子30が平滑面上に形成されるため、発光素子30を形成する際の断線や短絡という欠陥が発生することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る製造方法は、複数条のコアが配設された導光板を従来に比べ、簡単なプロセスで精度良く形成することが可能であり、この製造方法により得られる導光板は、高解像度の印刷を可能とする画像形成装置の光源等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の導光板の製造方法を示す模式図。
【図2】本発明の導光板の製造方法を示す模式図。
【図3】本発明の導光板を適用した画像形成装置の光源の製造方法を示す模式図。
【図4】本発明の導光板を適用した画像形成装置の光源の平面図。
【図5】本発明の導光板の製造方法を示す模式図。
【図6】本発明の導光板の製造方法を示す模式図。
【図7】画像形成装置に適用された従来の光源を示す斜視図。
【図8】従来の導光板の製造方法を示す模式図。
【図9】従来の導光板の製造方法を示す模式図。
【図10】従来の光源の段差による欠陥を示す図。
【符号の説明】
【0097】
1 光源
2 導光板
10 クラッド支持基板
12 細溝
13 クラッド
14 隔壁
20 コア支持基板
22 コア
23 被覆層
24 平滑面
30 有機発光素子(発光素子)
31 下層電極
32 有機発光層
33 上層電極
100 光源
101 基板
102 コア
102a クラッド
103 反射材
200 導光板
300 発光素子
400 光伝送手段
500 感光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッド支持基板上に、複数条の細溝を備える板状のクラッドを形成するステップと、
コア支持基板上に、前記クラッドより高屈折率であるとともに透光性を有する可塑性のコア材を供給するステップと、
前記クラッドの細溝を備えた面を前記コア材に圧接するステップと、
前記クラッドを前記コア材に圧接した状態で前記コア材を硬化し、前記細溝に対応した部分をコアとなすステップと、
前記コア支持基板と前記硬化したコア材から分離するステップと、
を有することを特徴とする導光板の製造方法。
【請求項2】
前記クラッドを形成するステップが、
前記クラッド支持基板上に、可塑性のクラッド材を供給するステップと、
前記細溝に対応する複数の突条を備えたクラッド用成形型を前記クラッド材に圧接するステップと、
前記クラッド用成形型を前記クラッド材に圧接した状態で当該クラッド材を硬化し、突条に対応する前記細溝を備えたクラッドとなすステップと、
を有する請求項1に記載の導光板の製造方法。
【請求項3】
前記クラッド支持基板上に、前記クラッドを前記コア材に圧接する際の前記クラッド支持基板と前記コア支持基板との間隔を特定の距離に制限するスペーサを設けた請求項1または2に記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
コア支持基板上に、透光性を有する突条であるコアを複数形成するステップと、
クラッド支持基板上に、前記コアより低屈折率である可塑性のクラッド材を供給するステップと、
前記コア支持基板の各コアを備えた面を前記クラッド材に圧接するステップと、
前記各コアを前記クラッド材に圧接した状態で前記クラッド材を硬化し、コア支持基板面を除いて各コアを包み込んだクラッドとなすステップと、
前記コア支持基板と前記各コアとを分離するステップと、
を有することを特徴とする導光板の製造方法。
【請求項5】
前記コアを形成するステップが、
前記コア支持基板上に、可塑性を有するコア材を供給するステップと、
前記突条に対応する複数条の細溝を備えたコア用成形型を前記コア材に圧接するステップと、
前記コア用成形型を前記コア材に圧接した状態で当該コア材を硬化し、前記細溝に対応した部分をコアとなすステップと、
を有する請求項4に記載の導光板の製造方法。
【請求項6】
前記クラッド支持基板上に、前記コアを前記クラッド材に圧接する際の前記コア支持基板と前記クラッド支持基板との間隔を、特定の距離に制限するスペーサを設けた請求項4または5に記載の導光板の製造方法。
【請求項7】
前記スペーサが前記クラッド支持基板に一体に形成された凸部である請求項3または6に記載の導光板の製造方法。
【請求項8】
前記コア支持基板のコアが形成される面が平滑面である請求項1から7のいずれかに記載の導光板の製造方法。
【請求項9】
クラッド支持基板上に設けられた、複数条の細溝を上面に備える板状のクラッドと、
前記クラッドより高屈折率である透光性の材質からなるとともに前記細溝に充填されたコアと、
前記クラッド支持基板に設けられ、前記コアの上面と同一の高さにその上面が位置するスペーサと、
を備えたことを特徴とする導光板。
【請求項10】
前記スペーサが前記クラッド支持基板に一体に形成された凸部である請求項9に記載の導光板。
【請求項11】
前記細溝が所定のピッチで設けられた請求項9または10に記載の導光板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−106361(P2006−106361A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292930(P2004−292930)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】