説明

導波管スロットアンテナ基板の製造方法

【課題】 スルーホール部とアンテナ開口部とを有する導波管スロットアンテナ基板においてアンテナ開口部の寸法精度が高いスロットアンテナ基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 銅張基板1の銅箔2膜厚を減少させるハーフエッチング工程と、銅箔2の所望領域に貫通穴部4aを設ける穴あけ工程と、銅張基板1を溶液に浸し銅箔2と前記貫通穴部4aの内壁面とを導電化する無電解めっき工程と、所望領域以外の領域に周囲が銅箔2で囲まれたアンテナ開口部3を形成する写真製版工程と、アンテナ開口部3と離間した所望領域以外の領域に周囲が銅箔2で囲まれた導波管変換部5aを形成する導波管接続パターン形成工程と、形成されたアンテナ開口部3の寸法を測定する検査工程と、貫通穴部4aの内壁面に積層すると共に前記アンテナ開口部の外周に積層する金属層8を形成する電解めっき工程とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はミリ波などの高周波帯域で用いる導波管スロットアンテナの開口部を高精度で形成しアンテナ特性を向上させる導波管スロットアンテナ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2002−344117号公報図1(特許文献1参照)には、プリント配線板において、目的とする設計値の幅および厚みをもつ銅配線パターンを容易に形成する方法として厚み12μm以下の銅箔をサブトラクティブ法でパターニングした後、電解銅めっき法でパターン上に銅めっきする微細パターンの形成法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−344117号公報(第1図 段落「0017」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、銅箔2の膜厚の薄いものを使用するので高い寸法精度のパターンを形成することは可能であるものの、通常、銅張積層板は、銅箔と基材とをアンカー効果によって強固に接着させており、薄い銅箔を用いると、接着面を平滑にする必要があり、表面積が減少するため、ピール強度の低下が生じる。すなわち、銅箔2と基材1とのピール強度が低下するとエッチング時には溶液などの作用でさらにピール強度が低下する場合があり、後工程の基板ベーキング時やリフロー時に銅箔の膨れやファインパターンの剥がれが生じるという課題があった。また、特許文献1では、アンテナ開口部とスルーホール部との関係については言及されていない。
【0005】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、スルーホール部とアンテナ開口部とを有する導波管スロットアンテナ基板において、アンテナ開口部の寸法精度が高い導波管スロットアンテナ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の導波管スロットアンテナ基板の製造方法は、銅張基板の銅箔をエッチングし、この銅箔の膜厚を減少させるハーフエッチング工程と、前記銅箔の所望領域に貫通穴部を設ける穴あけ工程と、前記銅張基板を溶液に浸し前記銅箔と前記貫通穴部の内壁面とを導電化する無電解めっき工程と、前記所望領域以外の領域に周囲が銅箔で囲まれたアンテナ開口部をエッチングにより形成する写真製版工程と、前記アンテナ開口部と離間した前記所望領域以外の領域に周囲が銅箔で囲まれた導波管変換部をエッチングにより形成する導波管接続パターン形成工程と、形成された前記アンテナ開口部の寸法を測定する検査工程と、前記貫通穴部の内壁面に積層すると共に前記アンテナ開口部の外周に積層する金属層を形成する電解めっき工程とを備え、予め算出された前記金属層の塗布量と前記アンテナ開口部の側面付着量との情報から前記電解めっき工程で溶液の濃度、めっきエネルギー、若しくは浸漬時間を制御して前記アンテナ開口部の開口面積を縮め所定の寸法にするものである。
【0007】
請求項2に係る発明の導波管スロットアンテナ基板の製造方法は、前記貫通穴部は、前記導波管変換部から前記アンテナ開口部までの両側に沿って設けられ、前記貫通穴部を障壁として前記銅張基板の内部を伝播する高周波電力の伝送路を構成する請求項1に記載のものである。
【0008】
請求項3に係る発明の導波管スロットアンテナ基板の製造方法は、前記アンテナ開口部はアレイ状に設置された請求項1又は2に記載のものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、写真製版工程で形成されたアンテナ開口部のパターン寸法を測定してから電解めっき工程でアンテナ開口部の外周側面付着量を調整するのでアンテナ開口部の側面付着量の寸法を正確に制御することで高周波電力のアンテナ利得の損失や有効通過帯域幅の通過損失のずれを軽減する効果がある。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えて導波管変換部からアンテナ開口部までの銅張基板の誘電体内部を伝播する高周波電力の伝送路を両側に沿って設けた障壁として貫通穴部を設けているので、伝送経路における高周波電力の漏れを防止でき伝送損失の少ない導波管スロットアンテナ基板を得る効果がある。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、アレイ状に複数のアンテナ開口部を設置したのでアンテナ開口部の有効面積領域が拡張され、スロットアンテナとしての送受信領域が広まり、広範囲の送受信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板の斜視図である。図1において、1は基材の両面に銅箔を形成した銅張基板(銅張積層板)、1aは銅張基板1の基材となる誘電体、2は銅張基板1の表面銅箔であり、誘電体1aの両側に銅箔2a、2bを有する。3はミリ波帯域などの高周波電力を外部に送信又は外部電波を受信する機能を有するアンテナ開口部(開口部パターン)、4は銅張基板1の表裏を電気接続するスルーホール部である。5は銅張基板1と接続される導波管、5aは導波管5と銅張基板1との接続部(導波管変換部)であり、銅箔2bのパターンの一部を剥ぎ取って導波管5の端部と接続(変換)する構成としている。
【0013】
図2は、図1に示した導波管スロットアンテナ基板表面の平面図であり、接続部5aから導波管5の高周波電力は、スルーホール部4を障壁として銅張基板1の内部を分波されてアンテナ開口部3側に伝送される。すなわち、スルーホール部4と表面銅箔2により誘電体導波管を形成しており、複数のアンテナ開口部3に高周波電力は伝播する。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0014】
図3は、図2に示した導波管スロットアンテナ基板のA−A断面図であり、銅箔2aには周囲の銅箔を除去されたアンテナ開口部3が設置される。銅箔2bには周囲の銅箔が除去された導波管変換部5aが設置される。6は導波管5と銅張基板1とを固定する半田材又は導電性の接着剤で構成した接続手段である。なお、銅張基板1内部を伝播する高周波電力は双方向性がある。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0015】
次に動作について説明する。図1において、導波管5から伝送されてきた高周波電力(信号)は、導波管変換部5aで誘電体(導波管)内に取り込まれ、地導体となる表面銅箔2とスルーホール部4とで囲まれた誘電体1aの内部をアンテナ開口部3に向かって伝播する。アンテナ開口部3はアレイ状に構成され、所定の電気波長の長さで長溝形状としている。また、スルーホール部4は、短絡地導体となる銅箔2aと地導体となる銅箔2bとを電気接続するほか、アンテナ開口部3や導波管5とのインピーダンス調整機能の役目も果たす。
【0016】
図4は、図1に示した導波管スロットアンテナ基板表面の部分拡大平面パターン図であり、アンテナ開口部3は、所定の設計中心周波数(fc)に対して寸法幅(W)が0.2mm、寸法長さ(L)が1.7mmであるのに対応して銅箔2aの幅は0.24mm(W)X1.74mm(L)となっている。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0017】
次に、この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板の製造方法について図5を用いて説明する。図5において、4aはスルーホール部4形成前の貫通穴部、7は銅めっき層(無電解めっき層)、8は金属層(電解めっき層)、21a及び21bは表面銅箔(銅箔)2a、2bがハーフエッチングにより薄膜化された銅箔を示す。
【0018】
図5(a)は銅張積層板(銅張基板)1を表しており、誘電体1aはBTレジン又は汎用のFR−4材料を用いた汎用基材が適当である。表面銅箔2は圧延銅又は電解銅を用いた汎用銅箔が適当であり、2aは誘電体1aの一方の表面側に形成した導箔、2bは誘電体1aの他方の表面側に形成した導箔とする。導箔2は両面にそれぞれ18μm(1/2オンス銅箔)の厚みを有する。銅張積層板1は、銅箔2と基材1aとの接着面をアンカー効果(くい込み)によって強固に接着されている。本実施の形態1では、両面銅張基板を用いて説明しているが、多層のプリプレグを用いた誘電体1aであっても良い。
【0019】
図5(b)はハーフエッチング工程を示しており、図4(a)の銅張積層板1をエッチング液を用いて表面銅箔2をハーフエッチングすることで厚さ5〜6μmの銅箔21a、21bを得る。ハーフエッチングは本実施の形態1では銅箔2a、2bの両方を薄膜化したがアンテナ開口部3が一方の面にある場合には銅箔2aのみを薄膜化しても良い。
【0020】
図5(c)は、スルーホール部4を形成する穴あけ工程を示しており、等間隔で所望領域にNC(数値制御)で銅張積層板1の表裏を貫通させる貫通穴4aをドリルで形成する。
【0021】
図5(d)は、無電解めっき工程を示しており、化学銅をめっき液とした槽に5〜10分程度銅張積層板1を浸漬し、主として貫通穴(貫通穴部)4aの内壁面に銅めっき層7を施し、誘電体1aの表裏銅箔2の導通を確保する。銅めっき層7は本実施の形態1では、銅材を使用したがニッケル(Ni)材を使用した無電解ニッケルめっきであっても同等の役目を果たす。また、無電解めっき工程は、貫通穴部4aの導通が目的であるので表面銅箔2の貫通穴部4aを除く領域はマスクなどを行って表面にめっき材が付着しないようにしても良い。なお、貫通穴(貫通穴部)4aにめっきが施されたものをスルーホール穴部4と呼ぶ。
【0022】
図5(e)は、写真製版工程を示しており、感光性フォトレジスト(図示せず)を用いて露光・現像後、エッチングし、サイズが0.24mm(W)X1.74mm(L)の所定のアンテナ開口部3を形成する。したがってアンテナ開口部3は周囲が銅箔2で覆われた(囲まれた)抜きパターンとなる。同様にアンテナ開口部3から離間した導波管変換部5aも表面銅箔2を一部剥ぎ取って抜きパターンを形成する。導波管変換部5の形成工程(導波管接続パターン形成工程)は、銅張積層板1の一部パターンを導波管5の形状に合わせて剥ぎ取るだけなのでエッチングにより前工程で予め形成しておいても良い。また、送受信領域の妨げにならない場合には、導波管変換部5は表面銅箔2a側に設置しても良い。
【0023】
図5(f)は、電解めっき工程を示しており、電解銅めっき液槽に銅張積層板1を浸漬し、主としてアンテナ開口部3周辺に金属層8を銅めっきすることでアンテナ開口部3の側面(厚み方向)も銅めっきされる。同時に貫通穴部4aの内壁面の導通の強化も図る。導通強化された貫通穴部4aをスルーホール穴部4と呼ぶ。
【0024】
なお、本実施の形態1では、金属層8は銅材を使用したが電解金などの金(Au)材を使用した電解金めっきであっても同等の役目を果たす。
【0025】
電解めっき工程におけるめっき厚は機器の使用環境に対するスルーホールの信頼性と基板厚等により設定され、10μm〜30μmが望ましい。本実施の形態1ではスルーホール穴部4のめっき厚を20μm程度としているので電解めっき前工程におけるアンテナ開口部の寸法は設計寸法より幅・長さとも大きい表面形状としている。すなわち、幅・長さで決まる外周より大きい寸法としている。図5中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0026】
図6は、銅張積層板1に設置されるアンテナ開口部3の寸法を図4のB−B断面を参考にして説明する図である。銅箔2aには無電解めっき層7が付着するが、写真製版工程でアンテナ開口部3のめっき層はエッチングされる。したがって、感光性フォトレジストサイズで定められた開口部パターン3寸法(W)が形成され0.24mmとなる。同様に開口部パターン3寸法(L)は1.74mmとなる。
【0027】
以上のことから、本実施の形態1では、電解めっき工程でめっき後の開口部パターン3寸法(W)を正確に0.20mmとし、開口部パターン3寸法(L)を正確に1.70mmとするため開口部パターン3外周側面に付着する金属層8の側面付着量を制御する。
【0028】
図7は、導波管スロットアンテナ基板のアンテナ開口部3の寸法が変化した場合のアンテナ利得に関する周波数特性を説明する図である。fhは通過帯域上限周波数、flは通過帯域下限周波数、fcは通過帯域中心周波数とし、アンテナ開口部3のパターンサイズが1.7mm(L)X0.2mm(W)が最適値とした場合、伝送損失(利得損失)は、所定の通過帯域に対して15μmの寸法偏差で約0.5dB程度、30μmの寸法偏差では1.5dB程度となり、アンテナ開口部3のパターン精度がアンテナ利得損失に大きな影響を及ぼすことが解かる。また所定の通過帯域幅(fl〜fh)に対する利得損失にもずれが発生する。
【0029】
図8は、アンテナ開口部3の側面に付着する電解銅の付着時間(浸漬時間)と付着量(付着幅)との関係を示す図である。図8では、電解銅の溶液濃度(A>B)、めっき電流(A>B)、浸漬時間により、30μm程度の側面付着量の変化があることが解かる。この付着量の変化を情報として電解めっき工程で、最適な付着量を塗布する。すなわち、アンテナ開口部3のパターンサイズが1.70mm(L)X0.2mm(W)を最適値とした場合、写真製版工程5(e)後にアンテナ開口部3の外周部寸法を測定(検査)する。そして最適値と測定したそれぞれのアンテナ開口部3寸法の平均値との差分を求めてから電解めっき工程5(f)で、差分に相当する溶液濃度、電解めっきエネルギー(めっき電圧、めっき電流、めっきパルスデュティなど)、若しくは浸漬時間を制御する。
【0030】
すなわち、写真製版工程で形成されたアンテナ開口部3のパターン寸法を測定してから電解めっき工程でアンテナ開口部3の外周側面付着量を制御し、アンテナ開口部3の開口面積を縮め所定の寸法に調整する。
【0031】
以上から予め算出された金属層8の塗布量と開口パターン部3の側面付着量との関係(情報)から電解めっき工程で溶液の濃度や浸漬時間を制御して金属層8で囲まれたアンテナ開口部3寸法を最適値に調整するので開口部パターン3の側面付着量の寸法を高精度に制御することが可能となり、アンテナ利得の損失や側面付着量のばらつきにより帯域周波数における中心周波数からの通過損失のずれがあっても仕様で定められた有効通過帯域幅の通過損失のずれを軽減する効果がある。
【0032】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による導波管スロットアンテナ基板について図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2による導波管スロットアンテナ基板の断面図である。図9において、11は銅張積層板1を介して両面に貼り付けられた誘電体(補強板)であり、アンテナ開口部3や導波管変換部5aの設置領域を除き銅張積層板1を覆う構造としている。図9中、図3と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0033】
次に動作について説明する。表面銅箔2により誘電体導波管を形成している点については実施の形態1と同様である。図9において導波管5から伝送されてきた高周波電力は、導波管変換部5aで誘電体導波管内に取り込まれ、地導体となる表面銅箔2とスルーホール部4とで囲まれた誘電体1aの内部をアンテナ開口部3に向かって伝播する。アンテナ開口部3はアレイ状に構成され、所定の電気波長の長さで長溝形状としている。
【0034】
また、スルーホール部4は、短絡地導体となる表面銅箔2aと地導体となる表面銅箔2bとを電気接続する。また、誘電体導波管の伝送線路に沿って伝送線路を挟むように誘電体などの補強板11を貼り付けることにより、銅箔2a、2bなどの地導体による伝送線路の機械的強度を強化する構成としている。なお、誘電体に代えて金属板(補強板)を貼り付けることにより、表面銅箔2の地導体を含む伝送線路の電気性能の強化を図っても良く、誘電体や金属板表面に電磁遮蔽塗料や耐湿防止塗料を塗布しても良い。
【0035】
以上から実施の形態2による導波管スロットアンテナ基板によれば表面銅箔2により誘電体導波管を形成している伝送線路に補強板11を貼り付けさらに補強板11の表面に電磁遮蔽塗料や防湿塗料を施すことにより誘電体導波管の伝送線路の機械的強度を強化するとともに環境条件の変化があっても導波管スロットアンテナ基板の性能を安定に維持する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板表面の平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による図2に示した導波管スロットアンテナ基板の断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板表面の部分拡大平面パターン図である。
【図5】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板の製造方法を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板の銅張基板に設置されるアンテナ開口部の寸法を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板のアンテナ開口部の寸法が変化した場合のアンテナ利得に関する周波数特性を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態1による導波管スロットアンテナ基板のアンテナ開口部の側面に付着する電解銅の付着時間と付着量との関係を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2による導波管スロットアンテナ基板の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・銅張積層板(銅張基板) 1a・・誘電体(基材) 2・・銅箔(表面銅箔)
2a・・一方の表面銅箔(銅箔) 2b・・他方の表面銅箔(銅箔)
3・・アンテナ開口部(開口部パターン) 4・・スルーホール部
4a・・貫通穴部(貫通穴) 5・・導波管 5a・・導波管変換部(接続部)
6・・接続手段
7・・銅めっき層(無電解めっき層) 8・・金属層(電解めっき層)
11・・補強板 21・・薄膜化された表面銅箔 21a・・銅箔 21b・・銅箔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅張基板の銅箔をエッチングし、この銅箔の膜厚を減少させるハーフエッチング工程と、前記銅箔の所望領域に貫通穴部を設ける穴あけ工程と、前記銅張基板を溶液に浸し前記銅箔と前記貫通穴部の内壁面とを導電化する無電解めっき工程と、前記所望領域以外の領域に周囲が銅箔で囲まれたアンテナ開口部をエッチングにより形成する写真製版工程と、前記アンテナ開口部と離間した前記所望領域以外の領域に周囲が銅箔で囲まれた導波管変換部をエッチングにより形成する導波管接続パターン形成工程と、形成された前記アンテナ開口部の寸法を測定する検査工程と、前記貫通穴部の内壁面に積層すると共に前記アンテナ開口部の外周に積層する金属層を形成する電解めっき工程とを備え、予め算出された前記金属層の塗布量と前記アンテナ開口部の側面付着量との情報から前記電解めっき工程で溶液の濃度、めっきエネルギー、若しくは浸漬時間を制御して前記アンテナ開口部の開口面積を縮め所定の寸法にする前記導波管スロットアンテナ基板の製造方法。
【請求項2】
前記貫通穴部は、前記導波管変換部から前記アンテナ開口部までの両側に沿って設けられ、前記貫通穴部を障壁として前記銅張基板の内部を伝播する高周波電力の伝送路を構成する請求項1に記載の導波管スロットアンテナ基板の製造方法。
【請求項3】
前記アンテナ開口部はアレイ状に設置された請求項1又は2に記載の導波管スロットアンテナ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−114826(P2010−114826A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287788(P2008−287788)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】