説明

導電パターンが黒化処理された電磁波遮蔽ガラスおよびその製造方法

【課題】
【解決手段】本発明は、a)ガラスの前側と後側のうちの少なくともいずれか一つの側に導電パターンを形成するステップ、およびb)前記導電パターンの表面を還元性金属イオンを含む溶液を用いて黒化させるステップを含む電磁波遮蔽ガラスの製造方法および黒化処理された電磁波遮蔽ガラスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波遮蔽機能を十分に発揮するための低い比抵抗を維持しつつ、黒化処理され、ディスプレイ装置のコントラストにも影響のない電磁波遮蔽ガラスの製造方法およびそれにより製造された電磁波遮蔽ガラスに関する。
【0002】
本出願は2007年4月2日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−32218号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
一般的に、ディスプレイ装置とはTVやコンピュータ用モニターなどを合わせて言う言葉であり、画像を形成するディスプレイパネルを有するディスプレイ組立体と、ディスプレイ組立体を支持するケーシングとを含む。
【0004】
ディスプレイ組立体は、画像を形成するCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、およびPDP(Plasma display Panel)のようなディスプレイパネルと、ディスプレイパネルを駆動するための駆動回路基板と、ディスプレイパネルの前方に配置される光学フィルタとを含む。
【0005】
光学フィルタは、外部から入射した外光が再び外部に反射することを防止する反射防止膜と、リモートコントロールのような電子機器の誤作動を防止するためにディスプレイパネルから発生した近赤外線を遮蔽する近赤外線遮蔽膜と、色調節染料を含んで色調を調節することにより色純度を高める色補正膜、およびディスプレイ装置を駆動する時にディスプレイパネルから発生する電磁波を遮蔽するための電磁波遮蔽膜を含む。
【0006】
ここで、電磁波遮蔽膜は、透明な材質のフィルムと、銀、銅などの電気伝導度に優れた金属材質がフィルム上に形成される導電メッシュパターンとから構成される。
【0007】
従来技術においては、PDPからの有害な電磁波を遮蔽するために銅材質のメッシュパターンをフォトエッチング方式により製造している。しかし、フォトエッチング方式は、工程が複雑で、製造費用の上昇を招き、PDPフィルタの原材料のうちの最も高価である。よって、LCDとの競争力向上のために低価の原材料開発の必要性が台頭しており、導電ペーストを印刷方法によりメッシュパターンに印刷する技術が開発されてきた。
【0008】
この中、初期技術としてのスクリーン印刷方法は、線幅50μm以下の微細パターンの印刷が不可能であり、画面の視認性が不良な短所があった。それに比べ、オフセット印刷方法は、比較的に微細パターンの均一な印刷が可能であるため、PDPフィルタ用電磁波遮蔽フィルムの製造方法としてその可能性が提起されてきた。
【0009】
オフセット印刷方法を利用して製造した電磁波遮蔽フィルムがその特性を十分に発揮するためにはその材料の開発必要性がある。
【0010】
このために金属粉末を含む導電ペーストの使用が開発されているが、前記導電ペーストを用いてオフセット印刷方法を利用する場合、金属光沢によりPDPからの光や外部光などが反射してコントラストに良くない影響を与えるために黒化処理が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記問題を解決するために導電パターンを十分に黒化しつつも面抵抗を減少させることができる電磁波遮蔽ガラスの製造方法およびそれにより製造された電磁波遮蔽ガラスを提供することを目的とする。
【0012】
また、黒化処理された電磁波遮蔽ガラスに反射防止フィルム、近赤外線遮蔽フィルム、色補正フィルムなどをさらに付着して製造したPDPフィルタおよびそれを含むPDP装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するために、本発明は、導電パターンを固定するための焼成ステップを通し、別途の黒化処理ステップを経ることなく、面抵抗が上昇することなく、導電パターンとガラス基材との間の界面が黒化された電磁波遮蔽ガラスの製造方法および黒化処理された電磁波遮蔽ガラスを提供する。
【0014】
すなわち、フィルム形態の電磁波遮蔽部を省略し、ガラス板面に直接電磁波遮蔽部を形成して構造および製造工程を簡素化することができ、特に焼成温度に制約を受けることなく、焼成温度を自由に調節して十分に焼成できることにより、最適な伝導度を有する電磁波遮蔽部が備えられた、黒化処理された電磁波遮蔽ガラスおよびその製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィルム形態の電磁波遮蔽膜を省略し、ガラス表面に印刷方法を利用して直接導電パターンを形成することにより、電磁波遮蔽ガラスおよびそれを含むディスプレイ装置の構造を簡素化することができる。
【0016】
すなわち、フィルム形態の電磁波遮蔽部を別途に製作および付着する過程を省略するため、製造費用の節減および全体的な製造工程の簡素化を図ることができる。
【0017】
また、導電ペーストをガラス表面に直接印刷するため、導電ペーストの焼成温度に制約を受けることなく、焼成温度を自由に調節して十分に焼成できることにより、最適な伝導度を有する電磁波遮蔽部によって遮蔽効率を向上させることができる。
【0018】
また、焼成後黒化ステップを経るにつれ、面抵抗が上昇することなく、金属光沢による眩しさを防止できる電磁波遮蔽ガラスを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施状態として、a)ガラスの前側と後側のうちの少なくともいずれか一つのガラス表面に導電パターンを形成するステップ、b)前記ガラス表面に形成された前記導電パターンを焼成するステップ、およびc)前記導電パターンの表面を還元性金属イオンを含む溶液を用いて黒化させるステップを含む黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法を含む。
【0020】
前記a)導電パターンを形成するステップにおいて、前記導電パターンは導電ペーストを直接ガラス表面に印刷する方法により形成してもよい。
【0021】
前記導電ペーストは特に限定されないが、銅、銀、金、およびアルミニウムのうちから選択された1種以上の金属粉末に高分子バインダーおよびペーストとガラス基材との付着力を向上させるためのガラスフリット(Glass Frit)を含むことができ、電気導電に優れ、低い比抵抗を有する銀(Ag)成分を金属成分として含む導電ペーストが好ましい。
【0022】
前記導電ペーストは、例えば、先ず高分子バインダーを有機溶媒に溶解させた後に金属粉末、ガラスフリット、および必要な場合には添加剤を添加して混合し、3段ロールミル(Roll mill)を用いて、粉砕ステップを経て金属粉末およびガラスフリットが均一に分散されるように製造することができる。
【0023】
前記有機溶媒は印刷方法、特にオフセット印刷時に有機溶媒によってブランケットの膨潤による印刷性の低下を防止するべきであり、ブチルカルビトールアセテート(Butyl Carbitol Acetate)、カルビトールアセテート(Carbitol Acetate)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、セロソルブアセテート(Cellosolve Acetate)および、テルピネオール(Terpineol)などを用いることが好ましい。
【0024】
前記導電ペーストは60〜80重量%の金属粉末、5〜20重量%の有機溶媒、5〜20重量%の高分子バインダー、および5〜15重量%のガラスフリットを含むことが好ましい。前記ガラスフリットは、焼成した場合にガラス基材面に移動してガラス基材と導電パターンとの密着力を向上させる役割を果たすため、ガラスの軟化温度以下で溶けてガラス基材側に移動できるべきであり、軟化点が400℃周りであるガラスフリットの場合、金属粉末の融点より低いために先に溶けてガラス基材面に移動して密着力を有することになるので好ましい。
【0025】
ガラス表面に導電パターンを印刷する方法としては、オフセット印刷方法、スクリーン印刷方法、グラビア印刷方法、およびインクジェット印刷方法からなる群から選択することができ、これらに限定されず、ガラス表面に直接印刷できる方法であれば技術分野に公知された全ての印刷方法を利用することができる。
【0026】
ここで、前記オフセット印刷方法は、凹凸が形成された平板の凹部に前記導電ペーストを充填するステップ;前記平板に印刷ブランケットを接触させ、前記導電ペーストを前記平板の前記凹部から前記印刷ブランケットに転写するステップ;および前記印刷ブランケットをガラス表面に接触させ、前記導電ペーストを前記印刷ブランケットからガラス表面に転写し、ガラス表面に導電パターンが形成されるステップを含む。ここで、凹凸の凹部の代わりに凸部を利用して通常のオフセット印刷方法により導電ペーストをガラス表面に転写することもできる。
【0027】
前記導電パターンをガラス基材上に形成した後に400〜700℃で焼成すると、ペーストに均一に添加されていたガラスフリットは一定温度以上で溶けてガラス基材側に移動し融着され、導電ペーストとガラス基材との間の付着力を向上させる。400℃以下である場合にはガラスフリットの軟化点より低くなって付着力低下の問題が発生し、700℃以上である場合にはガラスの曲げまたは表面凹凸による歪み点が発生してディスプレイ用としては適用し難い。
【0028】
また、導電パターンが形成されるガラス基材が強化ガラスの条件を満たせるためには、500〜650℃で導電パターンが形成されたガラスを焼成することが好ましく、600〜650℃で焼成することがより好ましい。
【0029】
焼成時間は焼成温度が高いほど短縮され、3〜30分程度であってもよいが、生産性を考慮すると3〜10分程度が好ましい。
【0030】
前記導電ペーストを用いてオフセット印刷方法のような印刷方法により印刷すれば、線幅20μm以下の微細パターンの形成は可能であるが、銀のような金属の光沢によりPDPからの光や外部光などが反射してコントラストに良くない影響を与えるため、これを解決するための黒化処理ステップが求められる。
【0031】
前記黒化処理ステップは還元性金属イオンを含む溶液を用いて行うことができる。
【0032】
前記還元性金属イオンとは、本発明において、導電パターンと接触する時に導電パターンから電子を受け入れて酸化数が減少する現象を示す金属イオンであり、前記導電パターンの表面を黒化させることができる条件を満たせる還元性金属イオンであれば特に限定されない。
【0033】
前記還元性金属イオンとしてはFeまたはCuイオンを含むことができ、前記還元性金属イオンを含む溶液の溶媒としては水などを用いることができる。
【0034】
前記還元性金属イオンを含む溶液は還元性金属イオンの他にもClイオンをさらに含むことができる。
【0035】
前記還元性金属イオンを含む溶液がClイオンをさらに含む場合、前記Clイオンと前記還元性金属イオンを含む溶液に前記導電パターンを浸漬すれば、前記Clイオンによる結晶成長(crystal growth)現象が発生することにより、前記導電パターンの表面に塩素塩(Cl塩)結晶が形成される。
【0036】
このように、前記導電パターンの表面に塩素塩結晶が形成されれば、前記導電パターンの面抵抗(Ω/□)が減少し、伝導度が向上する。
【0037】
具体的には、前記還元性金属イオンを含む溶液は、FeCl2溶液、FeCl3溶液、CuCl2溶液、およびK3Fe(CN)6溶液、Clイオンを含む溶液が添加されたK3Fe(CN)6溶液のうちから選択することができる。
【0038】
前記FeCl3溶液は、全体重量に対して0.01〜50重量%のFeCl3、および全体重量が100重量%になるように残量の水を含むことができる。
【0039】
前記CuCl2溶液は、全体重量に対して0.01〜50重量%のCuCl2、および全体重量が100重量%になるように残量の水を含むことができる。
【0040】
前記K3Fe(CN)6溶液は、全体重量に対して0.01〜50重量%のK3Fe(CN)6、および全体重量が100重量%になるように残量の水を含むことができる。
【0041】
前記K3Fe(CN)6溶液にClイオンを含む溶液が添加される場合、前記K3Fe(CN)6溶液は、全体重量に対して0.01〜50重量%のK3Fe(CN)6、全体重量に対して0.01〜50重量%のClイオンを含む溶液、および全体重量が100重量%になるように残量の水を含むことができる。ここで、前記K3Fe(CN)6溶液に添加されるClイオンを含む溶液はHClであることが好ましいが、これに限定されない。
【0042】
前記還元性金属イオンと前記Clイオンを含む溶液は前述した例に限定されず、導電パターンの表面にCl塩結晶が形成できるようにClイオンと導電パターンの表面を酸化させるための還元性金属イオンを含む様々な他の溶液を用いることもできる。
【0043】
前記黒化処理ステップは、前記導電パターンが印刷されたガラスを前記還元性金属イオンを含む溶液が含まれた黒化槽に3〜300秒間浸漬させる回分式(Batch)によって行ってもよい。
【0044】
本発明に係る導電パターンの製造方法は、前記黒化処理ステップで黒化処理された前記導電パターンを洗浄する洗浄ステップ;および前記洗浄ステップで洗浄された前記導電パターンを乾燥する乾燥ステップをさらに含むことができる。
【0045】
前記乾燥ステップにおいては、前記導電パターンを50〜120℃で3〜10分間乾燥させることができる。
【0046】
本発明の他の一実施状態として、ガラス、および前記ガラスの前側と後側のうちの少なくともいずれか一つの側に形成された導電パターンを含み、前記導電パターンの表面が還元性金属イオンを含む溶液によって黒化処理されることを特徴とする電磁波遮蔽ガラスを含む。
【0047】
本発明のまた他の一実施状態として、前記電磁波遮蔽ガラス、および反射防止フィルム、近赤外線遮蔽フィルム、および色補正フィルムのうちから選択される少なくとも一つ以上のフィルムを含むPDPフィルタを含む。
【0048】
また、本発明のまた他の実施形態として、前記PDPフィルタを含むPDP装置を含む。
【実施例】
【0049】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明の保護範囲が下記実施例だけに限定されるものではない。
【0050】
[実施例:黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造]
(1)導電ペーストの製造
高分子バインダーおよび有機溶媒の重量の和の10重量%になるように、高分子バインダーであるエチルセルロース(TCI製品)をブチルカルビトールアセテート(Butyl Carbitol Acetate)に溶解して有機バインダー樹脂液を製造し、これは、全体ペースト重量の20重量%になるようにした。前記有機バインダー樹脂液に純度99.99%の銀粉末(Chansung Corp.のHAG−050S)を全体ペースト重量の75重量%ほど添加し、ガラスフリット(奥野製品、G3−3889)を全体ペースト重量の5重量%ほど添加した後に十分に混合した。その次、3段ロールミルを利用して固まっていた銀粉末とガラスフリットを均一に分散させ、ロールミルにより分散したペーストの形状を有したことを確認した後にこれを回収した。
【0051】
(2)導電パターンの印刷および焼成
前記方法により製造された導電ペーストをオフセット印刷方法によりガラス基材上に導電パターンを形成し、600℃で10分間焼成した後に常温に冷却して導電パターンを有するガラスを製造した。
【0052】
(3)導電パターンの黒化処理
還元性金属イオンを含む化合物としてFeCl3(Kanto Chemical社、16019−02)を還元性溶液の1重量%になるように蒸留水に添加した後に十分に攪拌した。このように製造した黒化溶液に導電パターンが形成されたガラスを1分間浸漬して導電パターンを黒化処理した。
【0053】
(4)電磁波遮蔽ガラスの検定
実施例により製作された製品に対して面抵抗および黒化度を測定した。面抵抗は低抵抗測定計を使い、4−probe法で印刷されたパターンの表面を測定した。印刷されたガラスの黒化度は印刷されたガラスの反射率を分光光度計(Spectrophotometer)で測定した後に黒化度値Lに換算し、その結果を表1に示す。ここで、黒化度値Lが小さいほど黒いということを意味する。
【0054】
[比較例1:黒化処理しない電磁波遮蔽ガラスの製造]
ガラス表面に形成された導電パターンを黒化処理しないということを除いては、実施例と同じ組成および方法により電磁波遮蔽ガラスを製造し、面抵抗および黒化度を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
[比較例2:金属酸化物で黒化処理した電磁波遮蔽ガラスの製造]
実施例による導電ペーストに黒化処理物質として酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅を含む金属酸化物の混合物を5重量%の含量で添加して導電ペーストを製造した。製造した導電ペーストを用いて実施例と同じ印刷方法により導電パターンを形成し、焼成ステップを経た後、別途の黒化ステップを省略して電磁波遮蔽ガラスを製造した。製造された電磁波遮蔽ガラスに対して実施例と同じ方法により面抵抗および黒化度を測定し、その結果を表1に示す。
【0056】
[比較例3:カーボンブラックで黒化処理した電磁波遮蔽ガラスの製造]
実施例の組成物の他に、黒化処理物質としてカーボンブラックを25重量%の含量でさらに添加して導電ペーストを製造した。製造した導電ペーストを用いて実施例と同じ印刷方法により導電パターンを形成し、焼成ステップを経た後、別途の黒化ステップを省略して電磁波遮蔽ガラスを製造した。製造された電磁波遮蔽ガラスに対して実施例と同じ方法により面抵抗および黒化度を測定し、その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

表1に示すように、黒化処理ステップだけを除いては実施例と同様に製造された比較例1の場合、面抵抗は同一であるが、黒化度が非常に大きいため、金属光沢によるPDPのコントラスト低下を発生させる。還元性金属イオンを含む溶液として黒化処理する代わりに金属酸化物を導電ペーストに混合して黒化処理した比較例2の場合、黒化度は実施例による電磁波遮蔽ガラスに近似した値で良好であるが、面抵抗が急激に上昇するため、電磁波遮蔽性能を発揮するのに問題があった。また、比較例2の金属酸化物の代わりにカーボンブラックを用いた比較例3の場合、添加量が導電ペーストの25重量%になるように増加させても黒化度が実施例に比べて優れておらず、特に面抵抗が約10倍上昇するため、電磁波の遮蔽性能に非常に不利であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ガラスの前側と後側のうちの少なくともいずれか一つのガラス表面に導電パターンを形成するステップ;
(b)前記ガラス表面に形成された前記導電パターンを焼成するステップ;および
(c)前記導電パターンの表面を還元性金属イオンを含む溶液を用いて黒化させるステップを含む黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項2】
前記(a)導電パターンを形成するステップにおいて、導電ペーストを用いて印刷方法によりガラス表面に導電パターンを形成することを特徴とする、請求項1に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項3】
前記導電ペーストは、銀、銅、金、およびアルミニウムからなる群から選択された一つ以上の金属粉末、高分子バインダー、およびガラスフリットを有機溶媒に分散させて製造することを特徴とする、請求項2に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒は、ブチルカルビトールアセテート(Butyl Carbitol Acetate)、カルビトールアセテート(Carbitol Acetate)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、セロソルブアセテート(Cellosolve Acetate)、およびテルピネオール(Terpineol)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項5】
前記導電ペーストは、60〜80重量%の金属粉末、5〜15重量%のガラスフリット、5〜20重量%の高分子バインダー、および5〜20重量%の有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項2に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項6】
前記印刷方法は、オフセット印刷方法、インクジェット印刷方法、およびスクリーン印刷方法からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項7】
前記オフセット印刷方法は、
(a) 凹部及び凸部を含む平板の凹部に前記導電ペーストを充填するステップ;
(b)前記平板に印刷ブランケットを接触させ、前記導電ペーストを前記平板の前記凹部から前記印刷ブランケットに転写するステップ;および
(c)前記印刷ブランケットを前記ガラス表面に接触させ、前記導電ペーストを前記印刷ブランケットから前記ガラス表面に転写し、前記ガラス表面に前記導電パターンが形成されるステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項8】
前記焼成ステップは400〜700℃で行われることを特徴とする、請求項1に記載の電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項9】
前記還元性金属イオンを含む溶液は、FeCl2溶液、FeCl3溶液、CuCl2溶液、およびK3Fe(CN)6溶液からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項10】
前記還元性金属イオンを含む溶液はClイオンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の黒化処理された電磁波遮蔽ガラスの製造方法。
【請求項11】
ガラス、および前記ガラスの前側と後側のうちの少なくともいずれか一つの側に形成された導電パターンを含み、前記導電パターンの表面が還元性金属イオンを含む溶液によって黒化処理された電磁波遮蔽ガラス。
【請求項12】
前記導電パターンは、導電ペーストを用いて印刷方法によりガラス表面に形成されることを特徴とする、請求項11に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項13】
前記導電ペーストは、銀、銅、金、およびアルミニウムからなる群から選択された一つ以上の金属粉末、高分子バインダー、およびガラスフリットを有機溶媒に分散させて製造することを特徴とする、請求項12に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項14】
前記有機溶媒は、ブチルカルビトールアセテート(Butyl Carbitol Acetate)、カルビトールアセテート(Carbitol Acetate)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、セロソルブアセテート(Cellosolve Acetate)、およびテルピネオール(Terpineol)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項15】
前記導電ペーストは、60〜80重量%の金属粉末、5〜15重量%のガラスフリット、5〜20重量%の高分子バインダー、および5〜20重量%の有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項12に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項16】
前記印刷方法は、オフセット印刷方法、インクジェット印刷方法、およびスクリーン印刷方法からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項17】
前記導電パターンが形成されたガラスは黒化処理する前に400〜700℃で焼成することを特徴とする、請求項11に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項18】
前記還元性金属イオンを含む溶液は、FeCl2溶液、FeCl3溶液、CuCl2溶液、およびK3Fe(CN)6溶液のうちから選択されることを特徴とする、請求項11に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項19】
前記還元性金属イオンを含む溶液はClイオンをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の電磁波遮蔽ガラス。
【請求項20】
請求項11による電磁波遮蔽ガラス、および前記電磁波遮蔽ガラスの前側または後側に付着した反射防止フィルム、近赤外線遮蔽フィルム、および色補正フィルムからなる群から選択される少なくとも一つのフィルムを含むPDPフィルタ。
【請求項21】
請求項20によるPDPフィルタを含むPDP装置。

【公表番号】特表2010−524227(P2010−524227A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502018(P2010−502018)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【国際出願番号】PCT/KR2008/001851
【国際公開番号】WO2008/120951
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】