説明

導電性エンドレスベルト

【課題】紙やクリーニングブレードとの摩擦等に起因する、使用に伴う光沢度の低下を抑制した導電性エンドレスベルトを提供する。
【解決手段】画像形成装置に用いられる無端ベルト状の導電性エンドレスベルトである。基材樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、該ポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーと、からなる。ポリアルキレンテレフタレート樹脂としてはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を好適に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、紙等の記録媒体へと転写する際に用いられる導電性エンドレスベルト(以下、単に「ベルト」とも称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンター等における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
【0003】
この場合、カラープリンターやカラー複写機においても、基本的には前記プロセスに従ってプリントが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
【0004】
まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視化する際に、前記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を構成することが可能であるが、この方式では階調の制御が非常に難しく、高画質が得られないという問題点がある。
【0005】
第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラムの潜像を夫々マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるものの、4つの感光ドラムと、各感光ドラムごとに設けられた帯電機構および現像機構が1列に並べられた状態となり、装置が大型化すると
ともに高価なものとなる。
【0006】
図2にタンデム方式の画像形成装置の印字部構成例を示す。感光体ドラム1、帯電ロール2、現像ロール3、現像ブレード4、トナー供給ロール5およびクリーニングブレード6で構成する印字ユニットをイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの各トナーに対応して4個並べており、駆動ローラ(駆動部材)9により循環駆動されて転写搬送ベルト10で搬送した用紙上に、トナーを順次転写しカラー画像を形成する。転写搬送ベルトの帯電および除電は夫々帯電ロール7および除電ロール8で行う。また、用紙をベルトへ吸着させるための用紙帯電には吸着ローラ(図示せず)が使用される。これらの対応に
より、オゾンの発生を抑えることができる。吸着ローラでは、用紙を搬送路から転写搬送ベルトに乗せるとともに、転写搬送ベルトへの静電吸着を行う。また、転写後の用紙分離は、転写電圧を低くすることにより用紙と転写搬送ベルトの吸着力を弱くして、曲率分離のみで行うことができる。
【0007】
転写搬送ベルト10の材料としては抵抗体と誘電体があり、夫々に長所、短所を持っている。抵抗体ベルトは電荷の保持が短時間であるため、タンデム型の転写に用いた場合、転写での電荷注入が少なく4色の連続する転写でも比較的電圧の上昇が少ない。また、次の用紙の転写に繰り返して使用されるときも電荷が放出されており、電気的なリセットは必要としない。しかし、環境変動により抵抗値が変化するため、転写効率に影響すること、用紙の厚さや幅の影響を受けやすいことなどが短所となっている。
【0008】
一方、誘電体ベルトの場合は注入された電荷の自然放出はなく、電荷の注入、放出とも電気的にコントロールしなければならない。しかし、安定に電荷が保持されるので、用紙の吸着が確実で高精度な紙搬送が行える。誘電率は温湿度への依存性も低いため、環境に対しても比較的安定な転写プロセスとなる。欠点は、転写が繰り返されるごとにベルトに電荷が蓄積されるため、転写電圧が高くなることである。
【0009】
第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻き付けてこれを4回転させ、周回ごとに感光体上のマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉書等の厚紙である場合には、これを前記転写ドラムに巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されるという問題点がある。
【0010】
前記多重現像方式、タンデム方式および転写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が特に制限されるようなこともない方式として、中間転写方式が提案されている。
【0011】
即ち、この中間転写方式は、感光体上のトナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整するものであるから、高画質を得ることが可能であり、かつタンデム方式のように感光体を1列に並べる必要がないの
で装置が特に大型化することもなく、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が制限されることもないものである。
【0012】
中間転写方式によりカラー画像の形成を行う装置として、中間転写部材として無端ベルト状の中間転写部材を用いた画像形成装置を図3に例示する。
【0013】
図3中、11はドラム状の感光体であり、図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体11と接触しながら循環回転する中間転写部材20に転写される。この場合、感光体11から中間転写部材20への転写は、感光体11
と中間転写部材20とのニップ部において、中間転写部材20に電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、前記感光体11はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成される。なお、図3の装置にあっては、感光体11の周回ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
【0014】
次に、前記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。
【0015】
また、タンデム方式と中間転写方式とを組み合わせた中間転写方式もある。図4に、無端ベルト状の中間転写部材を用いてカラー画像の形成を行う中間転写方式の画像形成装置を例示する。
【0016】
図示する装置においては、感光体ドラム52a〜52d上の静電潜像を夫々イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックにより現像する第1現像部54a〜第4現像部54dが、中間転写部材50に沿って順次配置されており、この中間転写部材50を図中の矢印方向に循環駆動させて、各現像部54a〜54dの感光体ドラム52a〜52d上に形成された4色のトナー像を順次転写することにより、この中間転写部材50上にカラーのトナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録媒体53上に転写することにより、プリントアウトを行う。ここで、上記いずれの装置においても、現像に用いるトナーの配列順は特に制限されるものではなく、任意に選択可能である。
【0017】
なお、図中、符号55は、中間転写部材50を循環駆動するための駆動ローラ若しくはテンションローラを示し、符号56は記録媒体送りローラ、符号57は記録媒体送り装置、符号58は記録媒体上の画像を加熱等により定着させる定着装置を示す。また、符号59は中間転写部材50に電圧を印加する電源装置(電圧印加手段)を示し、この電源装置59は、トナー像を、感光ドラム52a〜52dから上記中間転写部材50に転写する場合と、中間転写部材50から記録媒体53上に転写する場合とで、印加する電圧の正負を反転させることができるようになっている。
【0018】
従来、かかる無端ベルト状の転写搬送ベルト10や中間転写部材20,50等として使用される導電性エンドレスベルトとしては、半導電性の樹脂フィルムベルトまたは繊維補強体を有するゴムベルトが主に用いられている。このうち樹脂フィルムベルトとしては、例えば、ポリカーボネート(PC)にカーボンブラックを混合したものや、ポリアルキレンテレフタレートを主たる樹脂として用いるもの、熱可塑性ポリイミドを主たる樹脂として用いるものなどが知られている。
【0019】
また、例えば、特許文献1には、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートとカーボンブラックとからなる未延伸シームレスベルトが開示されている。さらに、特許文献2には、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)と、融点が100℃以上PATの融点以下であり、かつ、PATとの相溶性パラメーターの差が2.0未満である熱可塑性エラストマーとからなる樹脂成分に、機能性成分を加えた樹脂組成物からなるシームレスベルトが開示されている。さらにまた、特許文献3には、熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂、および、それ以外のエステル結合を有する熱可塑性樹脂からなる基材と、導電性材料とを含み、エステル結合を有する熱可塑性樹脂の温度270℃におけるMFR値および熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂とエステル結合を有する熱可塑性樹脂との重量比率が所定に規定された導電性エンドレスベルトが開示されている。
【特許文献1】特開平06−149081号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開平08−099374号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開2005−266760号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記特許文献1には、ポリアルキレンテレフタレートの中でもポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いることで、耐久性に優れたベルトが得られることが開示されている。しかし、特許文献1に係るベルトでは、転写搬送ベルトとして使用した際の印刷用紙との摩擦に起因する光沢度の低下や、中間転写ベルトとして使用した際のクリーニングブレードとの摩擦による光沢度の低下が大きく、満足のいくものではなかった。また、特許文献2に係る技術では、ポリアルキレンテレフタレートと相溶性の良い熱可塑性エラストマーからなる樹脂成分を用いることで、ポリアルキレンテレフタレート単独よりも耐久性に優れたベルトが得られるが、耐摩耗性の点では不十分であった。
【0021】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、紙やクリーニングブレードとの摩擦等に起因する、使用に伴う光沢度の低下を抑制した導電性エンドレスベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、上記問題を解決するために、鋭意検討した結果、ベルトの基材樹脂として、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、それより高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーとを組合せて用いることで、上記問題を解消できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0023】
すなわち、本発明は、画像形成装置に用いられる無端ベルト状の導電性エンドレスベルトにおいて、
基材樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、該ポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーと、からなることを特徴とするものである。
【0024】
本発明において、前記ポリアルキレンテレフタレート樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂が好適であり、前記ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂が好適である。また、前記ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマーを好適に用いることがでできる。さらに、本発明の導電性エンドレスベルトは、カルボジイミド化合物を含有することが好ましい。さらにまた、前記基材樹脂中に占める前記ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、前記ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、前記ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーとの質量比が、90/10〜50/50の範囲内であることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上記構成としたことにより、紙やクリーニングブレードとの摩擦等に起因する、使用に伴う光沢度の低下を抑制した導電性エンドレスベルトを実現することが可能となった。特に、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、それより高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーとの組み合わせを用いれば、耐屈曲性を向上する効果が得られ、さらにカルボジイミド化合物を配合すれば、より耐屈曲性を向上することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
導電性エンドレスベルトには、一般に、ジョイントありのものとジョイントなしのもの(いわゆるシームレスベルト)とがあるが、本発明においてはいずれのものであってもよい。好ましくはシームレスベルトである。本発明の導電性エンドレスベルトは、前述したように、タンデム方式および中間転写方式の画像形成装置における転写部材等として用いることができるものである。
【0027】
本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図2に参照符号10で示す転写搬送ベルトの場合、駆動ローラ9等の駆動部材により駆動され、これに伴い搬送される記録媒体上にトナーが順次転写され、カラー画像が形成される。
【0028】
また、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図3に参照符号20で示す中間転写部材の場合、これを駆動ローラ30等の駆動部材により循環駆動させ、感光体ドラム(潜像保持体)11と紙等の記録媒体26との間に配設することで、前記感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体26へと転写する。なお、図3の装置は、上述したように、中間転写方式によりカラー印刷を行うものである。
【0029】
さらに、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図4に参照符号50で示す中間転写部材の場合、感光体ドラム52a〜52dを備える現像部54a〜54dと紙等の記録媒体53との間に配設されて、駆動ローラ55等の駆動部材により循環駆動され、各感光体ドラム52a〜52dの表面に形成された4色のトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体53へと転写することで、カラー画像を形成する。なお、上記ではトナーが4色の場合について説明しているが、いずれの装置においても、トナーの色数が4色に限られないことは言うまでもない。
【0030】
本発明の導電性エンドレスベルトは、基材樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、かかるポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーと、からなる点に特徴を有する。ポリアルキレンテレフタレート樹脂とともに、ナフタレン環を含む樹脂ないし高融点エラストマーを用いたことで、ベルトの耐摩耗性を向上して、紙やクリーニングブレードとの摩擦に起因する光沢度の低下を改善することが可能となった。ここで、ナフタレン環を含むエラストマーとして、併用する熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点のものを用いるのは、主材料であるポリアルキレンテレフタレート樹脂と溶融時の粘度差が小さく相溶しやすいことに加え、樹脂全体の粘度を高く保てるため、無機物等の添加剤を分散させるのに有利であるためである。すなわち、一般的にエラストマーは、ベルトに好適に用いられるポリアルキレンテレフタレート樹脂より同温度での溶融粘度が低い場合が多く、融点がポリアルキレンテレフタレート樹脂より低いと溶融混合時の温度差が大きくなり相溶性が悪くなる。そこで、ポリアルキレンテレフタレート樹脂よりも高融点のものを用いることで、溶融混合時の温度差を小さくすることができ、相溶性を向上させることができるのである。さらに、樹脂全体の粘度を高く保てるため、無機物等の添加剤を分散させるのに有利となる。
【0031】
本発明において用いる熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂としては、例えば、PBT樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)樹脂等が挙げられるが、好適には、PBT樹脂を用いる。
【0032】
また、本発明において用いるナフタレン環を含む熱可塑性樹脂としては、骨格中にナフタレン環を有するものであれば特に限定されず、いかなる樹脂を用いてもよい。また、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーについても、上記熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点であって、骨格中にナフタレン環を有するものであれば特に限定されず、いかなる樹脂を用いてもよい。この場合、ナフタレン環の水素は、水酸基やカルボキシル基、アミノ基等の置換基により置換されていてもよく、構造中に5員環を有していてもよく、あるいは水素還元されていてもよい。このうちナフタレン環を含む高融点エラストマーを熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂とともに用いた場合には、ベルトの耐屈曲性向上および光沢度改善の効果を得ることができ、また、ナフタレン環を含む樹脂を熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂とともに用いた場合には、弾性率を低下させずに光沢度低下を改善する効果が得られる。さらに、ナフタレン環を含む樹脂および高融点エラストマーの双方を熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂と併用することで、所望の耐屈曲性および弾性率に調整することが可能であり、光沢度低下の改善効果を得ることも可能である。
【0033】
ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂としては、具体的には例えば、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂およびポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂が挙げられ、PBN樹脂が好適に用いられる。また、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系エラストマーが挙げられる。ポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントおよびソフトセグメントにポリエステルを用いたポリエステル−ポリエステル型のもの、並びに、ハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテルを用いたポリエステル−ポリエーテル型のものの双方を好適に用いることができる。なお、ポリエステル系エラストマーのハードセグメントは、一般にPBTまたはPBNを主成分として用いられており、いずれのものも使用可能であるが、耐屈曲性向上および光沢度低下抑制の効果を同時に得るためには、ナフタレン環を含むPBNが好適である。
【0034】
本発明のベルトにおいては、基材樹脂中に占める熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂とナフタレン環を含む熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーとの質量比が、90/10〜40/60の範囲内であることが好ましく、90/10〜50/50の範囲内であることがさらに好ましい。ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの含有量が少なすぎると、光沢度低下の抑制効果が十分に得られないおそれがある。一方、基材樹脂がナフタレン環を含む熱可塑性樹脂のみであると、耐屈曲性が不十分となるおそれがあり、また、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーのみであると、引張弾性率が不十分となるおそれがある。
【0035】
なお、本発明において基材樹脂として用いる熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系材料は、成形加熱時において加水分解による分子量低下を引き起こしやすいという難点がある。そのため、本発明のベルトには、カルボジイミド基を有する化合物を添加して、カルボジイミド基とカルボン酸との反応によりポリエステル系材料を再架橋させることで、分子量の低下を抑制することが好ましい。これにより、ベルトの脆化を防止することができ、耐久時におけるベルトの耐割れ性を向上することが可能となる。かかるカルボジイミド化合物は市場で容易に入手可能であり、例えば、日清紡績(株)製の商品名:カルボジライト等を挙げることができる。また、カルボジイミド化合物は、あらかじめマスターバッチ化されたペレット等の形態でも用いることができ、例えば、日清紡績(株)製の商品名:カルボジライトEペレット、Bペレット等を好適に用いることができる。
【0036】
かかるカルボジイミド化合物の添加量としては、特に制限されるものではないが、基材樹脂100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲内である。
【0037】
また、本発明のベルトには、導電性を調整するために、導電剤を適宜配合する。かかる導電剤としては、特に制限されるものではなく、公知の電子導電剤やイオン導電剤等を適宜用いることができる。
【0038】
このうち電子導電剤としては、具体的には例えば、ケッチェンブラック,アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラ−(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、具体的には例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
【0039】
また、高分子イオン導電剤としては、例えば、特開平9−227717号公報、特開平10−120924号公報、および、特開2000−327922号公報、特開2005−60658号公報等に記載されているものを用いることができるが、特に限定されない。
【0040】
具体的には、(A)有機ポリマー材料、(B)イオン導電可能なポリマーまたはコポリマー、および、(C)無機または低分子量有機塩、からなる混合物を挙げることができ、ここで、成分(A)は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアミド6、ポリアミド12等のポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステルであり、成分(B)は、オリゴエトキシ化アクリレートもしくはメタクリレート、芳香族環についてオリゴエトキシ化されたスチレン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテル尿素、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエステル−エーテルブロックコポリマーであり、また、成分(C)は、無機または低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛またはアンモニウム塩であり、好ましくは、LiClO、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaBF、KBF、NaCFSO、KClO、KPF、KCFSO、KCSO、Ca(ClO、Ca(PF、Mg(ClO、Mg(CFSO、Zn(ClO、Zn(PFまたはCa(CFSO等である。
【0041】
これらの中でも、成分(B)として、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分またはポリエステル−エーテルブロックコポリマー成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、さらに、これに加えて成分(C)として低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。また、かかるポリエーテルアミド成分およびポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(CH−CH−O)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12またはポリアミド6を含有するものが特に好ましく、さらに、成分(C)の低分子イオン導電剤成分としてはNaClOを含有する高分子イオン導電剤が特に好適である。かかる高分子イオン導電剤は、例えば、Irgastat(登録商標)P18およびIrgastat(登録商標)P22(共に、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド製)として市場で容易に入手可能である。
【0042】
また、ポリオレフィンのブロックと、親水性ポリマーのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合してなるブロック共重合体も、本発明における高分子イオン導電剤として好適に用いることができる。かかるポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特には、ポリプロピレンおよびポリエチレンが好適である。
【0043】
また、親水性ポリマーとしては、官能基として水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。例えば、両末端水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等である。
【0044】
本発明において高分子イオン導電剤として使用できるかかるブロック共重合体は、ペレスタット230,300,303(三洋化成(株)製)等として市場で容易に入手可能である。また、上記ブロック共重合体にリチウム化合物LiCF3SO3を含有させることで添加量を少なくしても帯電防止効果を維持する効果を得ることができ、かかるブロック共重合体とリチウム化合物との混合物として、サンコノールTBX−310(三光化学工業(株)製)が市販されている。
【0045】
本発明において、上記導電剤は、1種を単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、例えば、電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせて用いることもでき、この場合、印加される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現させることができる。
【0046】
上記導電剤の配合量としては、電子導電剤については、基材樹脂100質量部に対し、通常100質量部以下、例えば1〜100質量部、特には1〜80質量部、とりわけ5〜50質量部である。また、イオン導電剤については、基材樹脂100質量部に対し、通常0.01〜10質量部、特には0.05〜5質量部の範囲である。さらに、高分子イオン導電剤については、基材樹脂100質量部に対し、通常1〜500質量部、好ましくは10〜400質量部である。本発明においては特に、導電性材料としてカーボンブラックを用いて、これを基材樹脂100質量部に対し、5〜30質量部にて添加することが好ましい。
【0047】
なお、導電性材料として高分子イオン導電剤を用いる場合には、基材樹脂と高分子イオン導電剤との相溶性を高めるために、相溶化剤を添加してもよい。
【0048】
また、本発明のベルトには、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分に加えて他の機能性成分を適宜添加することも可能であり、例えば、各種充填材、補強材、難燃剤、酸化防止剤、相溶化剤、カップリング剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することができる。さらに、着色剤を添加して着色を施してもよい。
【0049】
なお、本発明のベルトは、少なくとも基層と表層とを内側から順次有する積層構造とすることもできる(図示せず)。この場合、基層、表層またはそれ以外の層のいずれの層に、上記熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、所定の樹脂および/またはエラストマーとの組み合わせを適用してもよい。
【0050】
本発明の導電性エンドレスベルトの厚さは、転写搬送ベルトまたは中間転写部材等の形態に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは50〜200μmの範囲内である。また、その表面粗さとしては、好適には、JIS10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3μm以下とする。さらに、体積抵抗率としては、10Ω・cm〜1013Ω・cmの範囲内に調整することが好ましい。さらにまた、本発明のベルトの引張弾性率は、1000MPa以上、特には1500〜3000MPaとすることが好ましい。
【0051】
また、本発明の導電性エンドレスベルトには、図1に一点鎖線で示すように、図2の画像形成装置における駆動ローラ9または図3の駆動ローラ30などの駆動部材と接触する側の面に、該駆動部材に形成した嵌合部(図示せず)と嵌合する嵌合部を形成してもよく、本発明の導電性エンドレスベルトは、このような嵌合部を設け、これを駆動部材に設けた嵌合部(図示せず)と嵌合させて走行させることにより、導電性エンドレスベルトの幅方向のずれを防止することができる。
【0052】
この場合、前記嵌合部は、特に制限されるものではないが、図1に示すように、ベルトの周方向(回転方向)に沿って連続する凸条とし、これを駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した溝に嵌合させるようにすることが好ましい。
【0053】
なお、図1(a)では、1本の連続する凸条を嵌合部として設けた例を示したが、この嵌合部は多数の凸部をベルトの周方向(回転方向)に沿って一列に並べて突設してもよく、また嵌合部を2本以上設けたり(図1(b))、ベルトの幅方向中央部に設けてもよい。更に、嵌合部として図1に示した凸条ではなく、ベルトの周方向(回転方向)に沿った溝を設け、これを前記駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した凸条と嵌合させるようにしてもよい。
【0054】
本発明の導電性エンドレスベルトは、上記基材樹脂および導電剤等を含む樹脂組成物の押出し成形により好適に製造することができ、具体的には例えば、二軸混練機により上記各種配合成分を含む樹脂組成物を混練し、得られた混練物を環状ダイスを使って押出し成形することにより製造することができる。または、静電塗装等の粉体塗装法、ディップ法または遠心注型法も好適に採用することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
下記の表中に示す配合にて、各実施例および比較例の導電性エンドレスベルトを作製した。具体的には、各配合成分を二軸混練機により溶融混練して、得られた混練物を所定の環状ダイスを用いて押出機により押出すことで、内径φ155mm、総厚さ100μmの単層ベルトを得た。なお、各ベルトのカーボンブラックの配合量については、測定電圧500Vで体積抵抗が10Ω・cmとなるように調整した。混練温度は250℃、押出温度は260℃であった。得られた各実施例および比較例のベルトにつき、下記の手順に従い、評価を行った。これらの結果を下記の表中に併せて示す。
【0056】
<引張弾性率の測定>
以下に示す条件にて、引張弾性率の測定を行った。
装置:(株)島津製作所製、引張試験機 EZ test(解析ソフト:Trappezium)
サンプル:短冊形状(長さ100mm×幅10mm×標準厚み100μm)
引張速度:5mm/sec
データサンプリング間隔:100msec
測定方法:0.5〜0.6%伸度での傾き(記載ある場合はJISに記載の接線法)
測定環境:室温(23±3℃、55±10%RH)
【0057】
<耐折れ回数>
各ベルトから長さ100mm、幅15mmの試験片を切り出し、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機を用いて、折り曲げ速度175回/min、回転角度135度、引張荷重14.7N(1.5kgf)の条件で耐折り曲げ回数を測定した。結果は、比較例1を8000とする指数にて表示した。数値が大なるほど結果は良好である。
【0058】
<光沢度>
各ベルトを市販のレーザービームプリンタ(LBP,タンデム型の紙搬送タイプ、図2と同等の構成の装置)に装着し、印字前(初期)と、2万枚通紙後(印字耐久後)の光沢度をそれぞれ測定して、下記式に従い光沢度の変化率を求めた。光沢度の測定には、グロスメーター((株)堀場製作所製)を用いた。
光沢度変化率=(耐久後の光沢度−初期光沢度)/初期光沢度×100(%)の絶対値
【0059】
【表1】

*1 PBT:ポリプラスチックス(株)製ジュラネックス800FP(融点223℃)
*2 PBN:帝人化成(株)製TQB−OT(融点243℃)
*3 ポリエステルエラストマー(1):東洋紡(株)製ペルプレンEN−16000(融点241℃)
*4 ポリエステルエラストマー(2):東洋紡(株)製ペルプレンEN−5000(融点233℃)
*5 ポリエステルエラストマー(3):東洋紡(株)製ペルプレンE−450B(融点222℃)
*6 カルボジイミド化合物:日清紡(株)製カルボジライトEペレット
*7 カーボンブラック:電気化学工業(株)製デンカブラック粒状
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
【表4】

【0063】
上記表中に示すように、本発明を満足する基材樹脂の組み合わせを用いた各実施例のベルトにおいては、いずれも耐久後の光沢度変化が、本発明を満足しない比較例1,2よりも小さくなっていることがわかる。特に、実施例5〜7,10のベルトにおいては、カルボジイミド化合物を添加したことにより、耐折れ性がより向上している。これに対し、比較例3のベルトにおいては、光沢度の変化率は小さいものの、耐折れ性が不十分となっている。また、比較例4のベルトについても、光沢度の変化率は小さいものの、弾性率が低く不十分となっている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る導電性エンドレスベルトの幅方向断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例としての転写搬送ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成装置の他の例としての中間転写部材を用いた中間転写装置を示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成装置の他の例としての中間転写部材を用いた他の中間転写装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0065】
1、11、52a〜52d 感光体ドラム
2、7 帯電ロール
3 現像ロール
4 現像ブレード
5 トナー供給ロール
6 クリーニングブレード
8 除電ロール
9、30、55 駆動ローラ(駆動部材)
10 転写搬送ベルト
12 一次帯電器
13 画像露光
14、35 クリーニング装置
19 給紙カセット
20 中間転写部材
25 転写ローラ
26、53 記録媒体
29、61 電源
41、42、43、44 現像器
50 タンデム中間転写部材
54a〜54d 第1現像部〜第4現像部
56 記録媒体送りローラ
57 記録媒体送り装置
58 定着装置
59 電源装置(電圧印加手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられる無端ベルト状の導電性エンドレスベルトにおいて、
基材樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、該ポリアルキレンテレフタレート樹脂より高融点の、ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーと、からなることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
【請求項2】
前記ポリアルキレンテレフタレート樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂である請求項1記載の導電性エンドレスベルト。
【請求項3】
前記ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂がポリブチレンナフタレート樹脂である請求項1または2記載の導電性エンドレスベルト。
【請求項4】
前記ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
【請求項5】
カルボジイミド化合物を含有する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
【請求項6】
前記基材樹脂中に占める前記ポリアルキレンテレフタレート樹脂と、前記ナフタレン環を含む熱可塑性樹脂、および/または、前記ナフタレン環を含む熱可塑性エラストマーとの質量比が、90/10〜50/50の範囲内である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−199059(P2009−199059A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285223(P2008−285223)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】