説明

小型アスベスト、医療用廃棄物、一般廃棄物等、廃棄物混合溶融固形化処理装置

【課題】アスベスト、医療廃棄物、一般ゴミ等の廃棄物の燃焼溶融処理を、高速に行うことができる小型で簡易型と言える構造の炉を提供する。
【解決手段】炉壁より炉内に対して渦巻き状になるよう二次空気を導入し、内部で渦巻きを起こさせると同時に輻射熱を中央部に集約し、中央部に対して燃焼促進剤(ニトロ系)を投入或いは挿入し、燃焼溶融雰囲気を中央部に作る。その直下に耐熱トレイを設置するとともに、耐熱トレイと本体の隙間の部分に主燃焼用バーナーを取り付ける。渦巻き部分の中心部に大気より酸素を取り込み、廃棄物を燃焼助剤と共にゆっくりと攪拌し、酸素と助剤との相乗効果でスポット温度上昇部分を形成し、そのエリア内で有機物を燃焼溶融、無機物を溶融させる。廃棄物によっては主燃焼用バーナーの発生カロリーを活用し、廃棄物の溶融温度まで上昇させる。溶融物は排出管より取り出し固形物とし処理する。

【発明の詳細な説明】
[発明の詳細な説明]
【0001】
[発明の属する技術分野]
本発明は、現状アスベストなる有害危険物質を過去数十年前より建築物、構造物等の耐火被覆材として広く活用されてきましたが、現状極めて人体に有害であるということが特定でき、除去、廃棄することが非常に高価につき完全な決め手が現状ではありません。そこで今回発明した小型溶融固形化方式は先ず円筒状の処理室を形成し、(円筒状とは輻射熱を円筒状の中心部に全て集中するために行う形状であり、それに使われる材質は反射効率の良い物を使用し、又遠赤外線を出すような処理も行う場合もある)その処理室の周囲より円周上に対して空気で静圧をかけ円周上周囲に設けた吹き出し口より壁面に沿って回転方向に噴射することで、空気層を作り中心部の高温燃焼部より壁面を保護するとともに壁面に吹き込んだ空気の中で酸素は被酸化物と化合して水又は二酸化炭素、空気は上記の如く燃焼部分の高温帯から耐火物或いは耐熱金属等を酸化から保護するとともに外気を連続的に圧入することでこの現象は連続的に起き、内部に充満しすぎた空気は上記同様、排気口下部には水プールを設け、その水プールには静圧、送風管から分岐した空気を穴あきパイプ及びそれに付随する方法により、水プール底部よりエアーブローする場合がある。マイクロミクロンダストの大気中への飛散を防止し、そこから排煙燃焼室に流れ込み、それを経て排気口より排出される構造、排気口の中央部にハニカム状に設置した耐熱耐蝕鋼管、又はステンレス系耐熱耐蝕鋼管及びセラミック管等を設置し、その隙間を排気熱が通過することで熱交換用パイプ形状のパイプを加熱し、加熱した中に主燃焼用に必要な外気(大気)をブロアー、ターボブロアー、シロッコファン、多段式静圧ファン、軸流ファン等を使用し、それを内部に設けた主燃焼室に燃焼状況に合わせインバータ等を活用し、風量静圧の調整を自動的に行い、内部主燃焼室を溶融温度(つまりアスベストの溶融温度)まで上げそこに燃焼促進剤を適量挿入し、燃焼促進剤により中心部の燃焼各外炎部分を急激に温度上昇させることでアスベストを溶融瞬時に固形化するものである。又固形化したアスベストの溶融石は炉内主燃焼室下部に設けた耐火トレイの上に溶融石として堆積させ下部耐火トレイを定期的に排出勾配を持った状態で外部に安全な溶融石として排出される。耐熱トレイと内部空気回転層との中間位置に主燃焼用バーナー、石油系ガス系のものを設置し、耐火トレイと炉床部分との間に位置する排気口の一部に回転気流に合わせた方向に燃焼フレームが伸びるようバーナーをセットし、バーナーの先端部には主燃焼バーナーが燃焼中は上蓋は自動的にスライドし、バーナーを保護するような構造を有し、バーナー停止時はスライドし、耐熱耐蝕鋼又は主々の耐酸化鋼及び超耐火煉瓦、セラミック等を用いて停止時のバーナーを保護する構造を有し、バーナーに対する炉内静圧の逆流も同時に防止する構造とし、主燃焼バーナー停止時においても炉壁から円周方向に送風される空気の導入によりバーナー無しで炉内に可燃焼物を挿入することで炉の温度は一定条件まで上げることができる。このとき酸化を急激に促進し、スポット的に温度を上昇させるため燃焼促進剤を上部投入口又は予め設けた複数、単数の促進剤を自動挿入口より連続挿入及び間欠挿入し、炉内の主燃焼溶融エリア部分周辺の温度を高温に上げ、本発明でいうアスベストの溶融は1350度以上と溶融時間の問題があるので促進剤、主燃焼用バーナー、燃焼助材(木片、燃焼可能な廃ゴミ等も共用燃焼可能)の様なことをすることにより、より強固で安全な溶融物にすることができる。又燃焼促進剤を主燃部に投与、連続、断続、間欠何れかの方法で行うことにより溶融前の状態である石綿状の状態から瞬時に固形状態に促進されるため、外部に排ガスと一緒に飛散することが無い。これらの条件下で連続処理又はバッチ処理が可能なように炉壁には冷却余熱を兼ねた空気を多段式ターボファン、シロッコファン、セミシロッコファン、ターボファン等の送風機何れかを付け、炉の外壁と燃焼室の中間に過給帯等の空洞を設け、その空洞に上記に記載した様々な送風機を選択し適切な物を使用する。炉の内壁側に空気の気流方向が一定になり回転するよう空洞部の静圧を保ちながら、炉内に挿入できるよう角度をつけた穴を内壁に均等に開け、主処理室周囲の温度上昇を抑え、尚かつ渦巻き状に挿入することにより可燃物つまり(酸化されるもの)を内部に挿入口より投入することにより可燃物は中心部渦巻き帯に巻き込まれ、そこに燃焼促進剤等を挿入することで急激な温度上昇を起こし、殆どの可燃物がセラミック状になる溶融炉であり、本発明は燃焼促進剤を使用し、渦巻き現象で主燃焼部分、渦巻きの中心部の温度を上げられることが大きな発明であり、これにより今まで燃焼溶融出来なかった物までが出来るようになったことで医療用廃棄物など高温瞬間燃焼の必要な廃棄物が処理できるようになった。上記で排熱の熱交換を表記致していますが同じような方法で水等を媒体として通過させることで排熱利用が可能になる。その一端には燃焼促進剤、ニトロ系物質を協用するため炉の制作が安価で炉を保護するために全ての高熱部分に炉内で必要な空気の挿入を行うがため、必要部分以外の温度上昇が少なく排熱温度は高くなるが故、その排熱を活用し、円筒状渦巻き二次空気層の部分に様々な送風機の中でもそれらに有効な静圧の取れる送風機を選択し、静圧送風ダクト又は単数、複数の熱交換用耐熱耐蝕パイプの中を通し、本原理の円筒状炉壁面内部にある空洞化静圧体に加圧して送り込み、炉内部二次空気渦巻き状流域に熱空気層として回収加熱補助することもある。熱エネルギーや回転エネルギーに変えることが小型でも可能になり、本発明の装置に直接取り付けるか、本発明の装置から取り出した高圧蒸気又は温水等を使って発電用タービンを直接駆動するか低温媒体を加温し間接的に駆動することもある。何れにしても本発明は小型簡易溶融省エネ装置として使用はもちろん医療廃棄物などの高温溶融処理を必要とする物も処理物の中に入り、高温燃焼処理より二次公害等を出さないということも必態の事項である。
【0002】
[従来の技術]
従来、アスベストについては安全で使いやすい物とされ、難燃性に優れ、それらの特徴を生かし、火災などの発生時被害を最小限度に食い止めるため使用されていたが、現在ではガンなどの発病の根源の一つであることが実証され、その使用も出来なくなったのが必然的な物であり又それらの製造等に従事する人たちにとっても健康を害することが判明し、使用と製造が法律で規制され、今まで大量に構築物や建築物に生かされてきた物の撤去と廃棄が社会問題となっている。これらの廃棄に当たってはまだこれといった方法が見つけられていない。中間的な方法としてはプラスチック容器に封じ込め土中に埋設するぐらいの方法が有力候補として考えられているが問題点が多すぎて許可されていない。医療廃棄物についても高温の溶融炉のあるところ又は電炉、高炉等で補助的に処理されているのが現状で人が物に詰めて移動するには限界があり、もし万が一、中間で汚染されたら大変なことになるのが現状である。
【0003】
[発明が解決しょうとする課題]
本発明が今社会問題になっているアスベストの簡易的完全溶融処理(半セラミック的物質、無機無公害)物質に安価で持ち運び等も可能な溶融処理装置である故に本原理は基本構造としては一般的に炉全体の蓄熱量により、カロリーの投入量により決まってくるが、この場合コストが非常に高い物になり使用可能な温度に上昇するまで時間がかかりすぎて燃料の投入量が多い割に高い温度を形成するのが不可能であった。又医療廃棄物等パッキングして搬送するという大変危険な行為を社会的に行っているのが現状で発生場所で直ちに処理できる方法がない。これらの点から考慮すると簡易的な溶融炉が無いのが現状である。又簡易的に行うことが溶融という状況下から非常に高温が要求され、溶融が難しい。又大電力を必要とし、結果的には二酸化炭素の排出量を増加するのが現状でありこの現状を如何にして解消するかが課題になっている。又エネルギー問題で高温燃焼を行った際に排出される排熱の利用方法等が問題になっている。これらを有効的に活用するにはどうすればよいかも課題となる。今までの焼却炉方式では灰分が多く、物によっては重金属等の混じった灰分となっている。特にアスベストのように無機物質で針状の微細粒子についてはその処理の方法如何では大変多くの二次的汚染を招く恐れがありこれらを処理の場所と処理の方法によって解消しようとしている物であり、それに加えて一般雑廃棄物についても混合処理等を含む処理を可能にするため、それらの課題を捕らえたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は従来、難しかったアスベスト等の溶融及び医療用廃棄物、一般廃棄物の高密度、高温燃焼簡易方式を使った方法でその解決方法は先ず炉壁、炉内の均一燃焼方式から円筒渦巻き燃焼方式にすることにより、熱と空気から吸気した酸素を中心部の必要ポイントエリアに集中して加熱し、それに燃焼促進剤即ちニトロ系物質を安全範囲で相乗し、更に完全酸化と燃焼促進を図り内部に付着しやすいスス等の付着を抑制し、炉内クリーニングも兼ねたものであり、炉体本体と燃焼室壁面に隙間及び空洞を設け、それに対してブロアー、多段、単段、シロッコファン等で静圧過給し、円筒炉内で一方方向に空気を導く穴を開け、内部炉壁に対して冷却するような形をとり、燃焼炉内部で渦巻きを起こし、渦巻きの中心部に主バーナーを設置し、渦巻き内の雰囲気のみ部分的に高温にし、更にそれに対してニトロ系燃焼促進剤を挿入することにより、燃焼速度が速まり又熱が中心状に集中するため中心トレイの真上中心部を部分的に高温エリアとして作り出す。その部分に対して主燃焼バーナーを固定し、バーナー運転時にはバーナーダンパーが開くような構造にし、停止時にはバーナーダンパーが閉じるように構築することでバーナーに対しての逆火することを防止し、バーナーの損傷を防ぐべき構造とし、下部耐熱トレイは連続処理の場合、定期的に内部の燃焼溶融物を排出するような構造にし、断続処理の場合、内部の燃焼溶融物を上部の投入口より取り出す簡易構造とする。
【0005】
[発明の実施の形態]
本発明の原理は図面で説明する▲1▼から▲3▼に記載された図面の各部の名称及び機能につき、実施の上から空気の流れも出来るだけわかりやすいように矢視により図中に記し、本原理を分かりやすく出来るだけ描くように努めましたが、本申請書の発明の詳細の部分を出来るだけ詳細に書くことで本図で十分ご理解頂けるものと思いますが、先ず挿入した加圧空気が燃焼室内部壁面に円筒方向に回転するよう加圧空気噴射ノズルを円弧と平行状に吹き出すことを特に詳細に記載したものでそれに加え、耐熱トレイ上に燃焼溶融等を目的としたものを上部投入口より投入し、上部投入口は燃焼室内部の静圧が幾分高いため、一様にハッチを油圧シリンダー、空圧シリンダー、電動シリンダー等で自動開閉出来るよう本原理に記する内容からして出来るだけ危険のないような方法を講じたものであり、この他にもこの炉を制御する制御板等が必要となりますが、本原理の説明には図面の必要性が無いと判断致しましたので添付していません。又熱回収にあたる原水の取り入れ方法等については上水からの上水圧での取り入れに関わらず無圧状態の場合ラインポンプや給水加圧方式ポンプを使うということについても本原理の装置を稼働させる上でどうしても必要となる場合、発明の実施の形態を以て補足事項とさせて頂きます。
【発明の効果】
【0006】
本発明は今大変社会問題となっているアスベスト処理又は今後大きな社会問題を起こすと見込まれる医療廃棄物及び雑廃棄物等の遠距離輸送一括処理に対して、廃棄物が見込まれる場所の近くに配置或いは車両搭載し、移動又は更に小型化し医療現場で直接使用が可能な大きさにすることが可能であり、特にアスベスト処理ではアスベストのミクロン針状ダストが飛散するということで今までこれといった処理方法が確立できなかったが、雰囲気でオブラードし、渦巻き状接触燃焼により飛散の防止を可能にした物であり同じように医療廃棄物若しくは雑廃棄物等を同時に溶融、酸化無機物にすることができ、炉本体の構造も極めて簡易的な構造で炉全体の温度上昇を活用せず、エリア燃焼、集中輻射、輻射熱等を一カ所に集中するため、熱効率が極めて高く、それに含めて燃焼助材(ニトロ系燃焼促進剤)の協用により今まで考えられなかった物まで急激に酸化、溶融を起こし、大気中に有害なダスト等を排出しないような複合処理等も同時に可能になり、排気筒手前に熱交換機を付けることで極めて効率の良い燃焼条件を兼ね備え、回収した熱はエネルギー源としてあらゆる用途に活用でき、二次公害の無い方法と言え、又あらゆる廃棄物を急速につまり瞬時に近く燃焼、溶融できることがクリーンな環境を作る上でとても重要なことである。又通常の回転燃焼と違い空気を強制的に送り込み、炉内で回転させながら中心部は円周率が低く、非処理材が渦巻きの中央部で静かに回転しながら燃焼溶融するため、排気が極めて清浄化されたもので、しかも燃焼促進剤をしようするため満遍なく攪拌され、中心部下部に溶融されたものは固形化して重量が増すため落下し、回収しやすくなる等の原理を作り得た物である。
【0007】
[使用可能例]
本発明はまさに現在社会問題として問題となっているアスベストの処理が安全尚かつスムーズに出来るよう原理を構築した物でその一つにはアスベスト即ちボロベスト又は石綿ともいう人工的に作られた耐火断熱性の良い物ですが、現在医学的に発ガン性物質として又他の病気の誘因性を持つもので大変生命体にとっては大変危険な物と実証されてきました。これらの問題を解決するには、現在様々な試みをされていますが、皆十分と言えません。そこで本発明を使用することにおいて簡易的に場所を移動しながら本件の根源となる近くに設置し、処理を可能とした物でこの処理は高温瞬間溶融と一般廃棄物等を同時に処理できるよう、空気層の筒の中側で燃焼促進剤を協用し、範囲高温で完全に溶融し、固形物として安全な状態で処理後に廃棄でき、その廃棄の方法は多種多様であるが、例えばコンクリートの骨材等に使えるなど有効リサイクルが可能になるものである。医療廃棄物についてはこれには当てはまらないが、完全にセラミック化するため、最終処分と定めることが出来ることである。何れにしても殆どの物が溶融、グラスロック化できる。更に排出される熱エネルギーを有効に活用して省エネルギーを全体像で測ることも可能であり、焚き込みと立ち上がりが早く、万が一、化成品等が混じっていても有害なダイオキシン等の発生が無く、環境にも適している。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
助燃剤としてニトロ系燃焼促進剤を使用すると共に主燃焼バーナーを保護するためバーナー停止時、耐熱耐蝕ダンパー等を設置するなどの方法を用い、これらを効率的に行うため圧縮酸素と酸素分離器等から発せられる酸素を過剰に供給することもあること。
【請求項2】
排気熱及び炉外部壁熱を回収し、ボイラー暖房等の熱源、発電及び温水を得て、他に転嫁すること。
【請求項3】
炉内に空気の渦巻きベルトを形成し、炉壁を保護すると共に炉内に渦巻きを起こし、燃焼物を攪拌すること。
【請求項4】
送風機にインバーター等を使用し、炉内空気層ベルトの大きさと渦巻きの早さ、空気の量を調整すること。
【請求項5】
本発明の装置にアスベスト又は医療廃棄物及び一般可燃ゴミなどの有害物質を混合燃焼し、溶融固形化すること。
【請求項6】
底部排気ゲート下に水プールを設け、ダストの飛散を防止すると共にミクロンダスト回収用水プール及びウォータースクリーン等を形成し、その器には循環方式を使用し、排熱の回収をするよう構造を取り入れると共に更にその後に排ガスが収縮する際、発生する微小ダストについては静電集塵システム等を活用し、大気汚染を防ぐこと。

【公開番号】特開2008−196710(P2008−196710A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154011(P2006−154011)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【出願人】(500182932)
【Fターム(参考)】