説明

小型内視鏡のための対物レンズ設計

【課題】全体的に内視鏡直径を最小にし、著しく内視鏡の光学性能を犠牲にすることなく、最小のサイズで、単純で、製造および実装するのに高価ではないような内視鏡対物レンズ系設計を提供する。
【解決手段】全体的に負の屈折力をもつ第1のレンズ群と、全体的に正の屈折力をもつ第2のレンズ群と、第1および第2のレンズ群の間に配置された開口絞りとを有する内視鏡対物レンズ系設計であって、第1のレンズ群は、その凹面が内視鏡の対物端部に面する状態で平凹レンズを含むことを特徴とする、内視鏡対物レンズ系設計が一般的に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡内の対物レンズとして利用することのできる対物レンズ配置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、一般に、見られる状態の画像を該内視鏡の先端部から基端部へと伝えるために使われる一連のレンズを含み、そこでは、画像が使用者によって観察され、イメージセンサーによって獲得され、ビデオカメラによって記録され、および/または、電子的手段によって処理されうる。(この出願を通して、内視鏡の「先端」の終端は対物側端部のことを言い、一方で「基端」の終端は像側端部のことを言う。)内視鏡における対物レンズ系が、開口絞りで分割された2つのレンズ群をしばしば含むことが、この技術でよく知られている。Kanamoriらの特許文献1およびLeiの特許文献2に開示されているように、第1のレンズ群が全体的に負の屈折力をもつ一方で、第2のレンズ群は全体的に正の屈折力をもつ。内視鏡対物レンズ系のこのよく知られた光学設計形態は反転望遠鏡として言及される。
【0003】
反転望遠鏡タイプの内視鏡対物レンズ配置10が図1に示されている。レンズ配置10は、内視鏡の先端部14の最も近くにあって全体的に負の屈折力をもった第1のレンズ群11と、内視鏡の基端部18のより近くにあって全体的に正の屈折力をもった第2のレンズ群12と、前記第1のレンズ群11と前記第2のレンズ群12との間に位置させられた開口絞り13と、像取り込みデバイス25とをもつ。第1のレンズ群11は、負の屈折力(屈折パワー)をもつレンズ素子16を含む。レンズ素子16は、その凹面19が開口絞り13および内視鏡の基端部18に面するように位置している。第1のレンズ群11は、光学系と内視鏡に対する外部環境との間のバリアの役割を果たすカバーガラス15をも含む。
【0004】
内視鏡は、腹腔内視鏡検査、子宮鏡内視検査、および大腸内視鏡検査のような最低限の侵襲的外科技術において使われるように意図される。結果として、外科患者の身体組織へのストレスを制限するために、可能な限り内視鏡のサイズを減らすことが好ましい。これらの目的のための内視鏡の最も重要な寸法は、その外径であって、それは内視鏡内のレンズの直径によって実質的に制限される。そのために、内視鏡のサイズを減らすことは、レンズの直径を減らすことによって最も良く達成される。
【0005】
反転望遠鏡形状の1つの利点は、小さな直径の内視鏡のための比較的大きな視野が可能である、ということである。大きな視野を得るために、反転望遠鏡設計は、一般に、第1のレンズ群において1つ以上の負の屈折力レンズを使用する。開口絞りに面したその凹面をもつ負の屈折力レンズ表面は、通常、全体的に負の屈折力をもつ第1のレンズ群の負の屈折力の大部分を提供する。多くの内視鏡において、第1のレンズ群は、その凹面が開口絞りに面する状態で、一つの負の屈折力レンズである。
【0006】
上述のように、内視鏡の意図された適用のために、可能な限りレンズの直径を減らすことが好ましい。残念ながら、レンズの直径が減少するに従って、レンズの視野のサイズを維持するために、その屈折力は増やされなければならない。直径が減少し、レンズがより小さくなるに従って、レンズの曲面を製造することはますます難しくなる。結果として、実質的に小さい曲率半径を備えたレンズを作ることは難しく、しばしば不可能となる。従って、レンズ直径の要求が一層厳しくなり、より小さなレンズの要求に従って、十分な屈折力を備えたレンズを製造することは、小さな曲率半径を作ることについての困難性に起因して一層難しく、しばしば不可能になる。
【0007】
次に内視鏡設計者は、内視鏡設計への従来のアプローチを利用する時の選択に直面する。一方では、光学系の性能は内視鏡のサイズの何らかの著しい縮小の犠牲の下に維持することができる。他方、内視鏡は、光学性能を犠牲にしてサイズを減らすることができる。より小さなサイズに従来の内視鏡レンズ形状を単純に縮小することはできない、ということが見出だされた。内視鏡の全体的なサイズと光学系の性能は、レンズの生産性によって制限される。
【0008】
Nakamukaの特許文献3は、これらの問題に対処しようとする内視鏡のための対物レンズ系の設計を対象としている。Nakamukaは、内視鏡の先端部に面する凹面をもった、第1のレンズ群内の負の第1のレンズを含む対物レンズ系を開示している。しかしながら、これらの設計のそれぞれは、次の条件により制限される:
2.0<f/f<5.0
ここで、fは系における第3のレンズの焦点距離であり、fは系の全体的な焦点距離である。Nakamukaは、2.0未満のf/fの値が、要求されるよりも大きな第3のレンズの直径をもたらすことになり、5以上のf/fの値が画像に好ましくない色むらをもたらすことになる、と述べられた理由によりこの制限を課している。しかしながら、2.0未満にf/fを設計することは、第3のレンズに、より大きな直径を要求しない一方で、同時に画像における色むらを最小にする、ということが見出された。
【特許文献1】米国特許第5,005,957号明細書
【特許文献2】米国特許第6,618,207号明細書
【特許文献3】米国特許第6,134,056号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の内視鏡対物レンズ形状を使うことは、この分野における大きな価値となる小型内視鏡の作製を制限してきた。次に要求されるのは、内視鏡の使用が非実用的になり、あるいは好ましくなくなる程度には系の光学性能を犠牲にすることなく、レンズの直径を最小にする内視鏡レンズ構成設計である。この設計が単純で、実装するのに高価でないことも好ましい。
【0010】
従って、本発明の目的は、内視鏡対物レンズ系設計を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、内部のレンズの直径を最小にし、それによって全体的に内視鏡直径を最小にする内視鏡対物レンズ系設計を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、著しく内視鏡の光学性能を犠牲にすることなく、最小のサイズの内視鏡対物レンズ系設計を提供することである。
【0013】
本発明のまたさらなる目的は、単純で、製造および実装するのに高価ではないような内視鏡対物レンズ系設計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらおよび他の目的は、負の屈折力をもつ第1のレンズ群を有し、前記第1のレンズ群内のあるレンズを、その凹面が内視鏡の先端部に面する状態で平凹形であるようにした、内視鏡対物レンズ配置を提供することによって、本発明の一実施の態様の通りに達成される。
【0015】
本発明の第1の実施の態様においては、全体的に焦点距離fをもつ内視鏡対物レンズ配置であって、内視鏡の先端部において負の屈折力をもつ第1のレンズ群と、第1のレンズ群の基端側に配置された開口絞りと、開口絞りの基端側に配置された正の屈折力をもつ第2のレンズ群と、その凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある、第1のレンズ群内の平凹形の第1のレンズと、開口絞りのすぐ基端側に配置された、第2のレンズ群内の平凸形の第2のレンズと、第2の平凸レンズの基端側に配置され、fの焦点距離をもつ、第2のレンズ群内の平凸形の第3のレンズと、を有し、次の条件:f/f<2.0を満足する。
【0016】
いくつかの実施の態様は、平凹形の前記第1のレンズによって、第1のレンズ群の実質的にすべての負の屈折力が提供される、平凹形の第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつ、第1または第2のレンズ群のいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつ、という特徴をさらに含むことができる。いくつかの実施の態様は、第1のレンズ群において無視できる屈折力をもつカバーガラスを含むこともできる。いくつかの実施の態様は、ダブレット(複レンズ)を形成し、横の色収差(倍率色収差)を修正するよう適合された第4のレンズおよび第5のレンズをさらに含むことができる。いくつかの実施の態様においては、第4のおよび第5のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつ。いくつかの実施の態様は、横の色収差および/または像歪曲収差(image distortion)を修正するための電子画像処理手段をも含むことができる。いくつかの実施の態様は、色修正フィルタおよび/または赤外線フィルタを含むことができる。いくつかの他の実施の態様は、対物レンズ配置内に配置された色修正フィルタおよび/または赤外線遮断フィルタを含むことができる。
【0017】
本発明の第2の実施の態様においては、内視鏡対物レンズ配置は、内視鏡の先端部において負の屈折力をもつ第1のレンズ群と、第1のレンズ群の基端側に配置された開口絞りと、開口絞りの基端側に配置された正の屈折力をもつ第2のレンズ群と、凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある、第1のレンズ群内の平凹形の第1のレンズと、第1のレンズ群または第2のレンズ群のいずれかに配置され、その状況で、第2および第3のレンズがダブレットを形成するよう適合される第2のレンズおよび第3のレンズと、を有する。
【0018】
いくつかの実施の態様においては、第1のレンズは、第1のレンズ群の実質的にすべての負の屈折力を提供する。いくつかの実施の態様においては、第1または第2のレンズ群のいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつ。いくつかの実施の態様においては、第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつ。いくつかの実施の態様においては、第1のレンズ群は、無視できる屈折力をもつカバーガラスを含む。いくつかの実施の態様においては、第2のレンズと第3のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつ。いくつかの実施の態様においては、ダブレットは横の色収差を修正するよう適合される。他の実施の態様においては、横の色収差および/または像歪曲収差は電子画像処理手段によって修正される。いくつかの実施の態様においては、第2のレンズ群は、その凸面が内視鏡の基端部に面する状態で開口絞りに隣接し、その次にその凸面が内視鏡の先端部に面する状態で平凸素子が続く平凸正レンズ素子を有する。いくつかの実施の態様においては、第2のレンズの先端に面する表面および第3のレンズの基端に面する表面は平面である。いくつかの実施の態様においては、色修正フィルタおよび/または赤外線フィルタが対物レンズ配置内部に配置される。
【0019】
本発明の第3の実施の態様においては、内視鏡対物レンズ配置は、内視鏡の先端部から順に、カバーガラスと、その凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある平凹形の第1のレンズと、開口絞りと、その凸面が内視鏡の基端部に面する状態にある平凸形の第2のレンズと、ダブレットを形成するよう適合された第3のレンズおよび第4のレンズと、を有する。
【0020】
いくつかの実施の態様においては、対物レンズ配置におけるいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつ。いくつかの実施の態様においては、第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつ。いくつかの実施の態様においては、第3のレンズと第4のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつ。いくつかの実施の態様においては、ダブレットは横の色収差を修正するよう適合される。いくつかの実施の態様においては、第3のレンズの先端に面する表面、および/または、第2のレンズの基端に面する表面は平面である。いくつかの実施の態様においては、横の色収差および/または像歪曲収差は電子画像処理手段によって修正される。いくつかの実施の態様においては、色修正フィルタおよび/または赤外線フィルタが対物レンズ配置内の選択された位置に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明およびその特別の利点と特徴は、添付の図面を参照して考慮された以下の詳細な説明から一層明白になるであろう。
【0022】
添付の図面において、示されたモデルを用いることによってその一般的で進歩的な概念を限定することなく、本発明は実証される。図面は添付の通りである。
【0023】
さて図2を参照すると、本発明による、全体的な焦点距離fをもつ内視鏡対物レンズ配置30が示されている。図1に示した内視鏡対物レンズ配置10のように、対物レンズ配置30は、内視鏡の先端部34の最も近くにあって全体的に負の屈折力をもった第1のレンズ群31と、内視鏡の基端部38のより近くの全体的に正の屈折力をもった第2のレンズ群32と、第1のレンズ群31と第2のレンズ群32との間にある開口絞り33と、像取り込みデバイス45とをもつ。
【0024】
第1のレンズ群31は、平凹レンズ36を含む。レンズ36は、該レンズ36の曲面39が内視鏡の先端部34に面するように置かれる。第1のレンズ群31は、内視鏡の先端部34にあるカバーガラス35を含み、内視鏡の光学部材を外部環境から分離する役割を果たす。図2に示した実施形態においては、レンズ36は、第1のレンズ群31のすべての負の屈折力を受けもつ。他の実施形態において第1のレンズ群は正または負の屈折力をもった他の光学素子を含みうる、ということに注意すべきである。
【0025】
第2のレンズ群32は、開口絞り33に直ちに隣接する平凸レンズ46と、その凸面が内視鏡の先端部34に面し、焦点距離fをもった第2の平凸レンズ41を含む。レンズ41は、f/fが2.0未満であるように設計される。上述のように、このパラメータは、画像の色むらの著しい縮小を可能にする一方で、レンズの直径を増やさない。内視鏡対物レンズ配置30は。色補正および/または赤外線透過の減少のためのフィルタ40をも含む。フィルタ40は第2のレンズ群内において示されるが、他の実施形態においては第1のレンズ群に配置することもでき、あるいはさらに他の実施形態においては、全く存在しないようにもできる。
【0026】
図3は本発明の第2の実施形態を示す。図2に示した第1の実施形態のように、内視鏡対物レンズ配置50は、先端部54において全体的に負の屈折力をもった第1のレンズ群51と、基端部58において全体的に正の屈折力をもった第2のレンズ群52と、2つのレンズ群を分離する開口絞り53と、像取り込みデバイス65とをもつ。
【0027】
レンズ配置50内の第1のレンズ群51は、その凹面が内視鏡の先端部54に面する、負の屈折力をもった平凹レンズ56を含む。この実施形態においては、第1のレンズ群51は、2つのレンズ62と63から成るダブレット61をも含む。ダブレット61は、レンズ62と63が接触する界面64をもつ。ダブレット61は横の色収差を修正する主要な目的をもち、光学系の他の光学収差を修正することができる。レンズ62と63は、実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもった2つの異なる材料で構成できる。レンズ62と63は、界面64に対向するそれらの面が曲面または平面のいずれかであるように構成することができる。いくつかの実施形態において、表面64は、内視鏡の先端部54において凹形とすることができる一方で、他の実施形態においては、先端部54において凸形とすることができる。
【0028】
第2のレンズ群52は、内視鏡の基端部58のより近くにあって全体的に正の屈折力をもつ。第2の実施形態は、内視鏡の先端部54に、やはり内視鏡の光学部材を外部環境から分離する役割を果たすカバーガラス55をも含む。内視鏡対物レンズ配置50は、色補正および/または赤外線透過の減少のためのフィルタ60をも含む。フィルタ60は、第2のレンズ群内において示されるが、他の実施形態においては第1のレンズ群に配置することもでき、あるいはさらに他の実施形態においては、全く存在しないようにもできる。
【0029】
さて、図4を参照すると、本発明の第3の実施形態が示されている。対物レンズ配置70は、先端部74において全体的に負の屈折力をもった第1のレンズ群71と、基端部78において全体的に正の屈折力をもった第2のレンズ群72と、2つのレンズ群を分離する開口絞り73と、像取り込みデバイス85とをもつ。
【0030】
レンズ配置70内の第1のレンズ群71は、その凹面が内視鏡の先端部54に面する、負の屈折力をもった平凹レンズ76を含む。この実施形態においては、第2のレンズ群72は、2つのレンズ82と83から成るダブレット81をも含む。ダブレット81は、レンズ82と83が接触する界面84をもつ。ダブレット81は、横の色収差を修正する主要な目的をもち、光学系の他の光学収差を修正することができる。レンズ82と83は、実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもった2つの異なる材料で構成できる。レンズ82と83は、界面84に対向するそれらの面が曲面または平面のいずれかであるように構成することができる。いくつかの実施形態において、表面84は、内視鏡の先端部74において凹形とすることができる一方で、他の実施形態においては、先端部74において凸形とすることができる。
【0031】
第3の実施形態は、内視鏡の先端部74にカバーガラス75をも含み、やはり内視鏡の光学部材を外部環境から分離する役割を果たす。内視鏡対物レンズ配置70は、色補正および/または赤外線透過の減少のためのフィルタ80をも含む。フィルタ80は、第1のレンズ群内において示されるが、他の実施形態においてはレンズ配置70内の様々な位置に配置することもでき、あるいはさらに他の実施形態においては、存在しないようにもできる。
【0032】
本発明は、小さなサイズをもった内視鏡内に好都合に使用される。本発明による対物レンズ系は内視鏡内で使用でき、その状況で、このシステム内の最大のレンズの直径は1ミリメートルであるかそれ未満である。このようなシステムにおいて、本発明によれば、いずれかの第1のレンズ群31、51、または71の平凹レンズ36、56、または76の曲面39、59、または79が、0.5ミリメートルであるかそれを超える曲率半径をもつことを可能にする。
【0033】
Leiの特許文献2(米国特許第6,618,207号明細書)に記載されているように、内視鏡によって生成されるイメージは、しばしば歪曲される。内視鏡によって生成されたイメージは横の色収差にも悩まされ、赤色光および青色光の異なる屈折挙動のために画像の赤色および青色が分離されるようになる。これは、本発明を利用する内視鏡における場合も当てはまる。一般に、本発明による対物レンズ配置で生成される横の色収差および/または歪曲は、電子画像処理手段を使って部分的または完全に修正することができる。このような電子画像処理は、一般に、内視鏡システムに結合されたコンピュータまたは電子プロセッサによってなされ、それは内視鏡からイメージを受け取って、歪曲に対する修正のために画像を処理し、そしてモニター上に修正された画像を表示する。
【0034】
本発明を、部材や特徴などの特別な配置を参照しつつ説明してきたが、これらは可能なすべての配置または特徴を使い果たすことを意図したものではなく、実際には、当業者にとって他の多くの変更と変化が確認可能であろう。従って、本発明の範囲を決定するためには、前述の明細書よりはむしろ添付の特許請求の範囲に対して、主に参照がなさるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来の技術において見られる従来の内視鏡対物レンズ配置を示す。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す。
【符号の説明】
【0036】
10 内視鏡対物レンズ配置
11 第1のレンズ群
12 第2のレンズ群
13 開口絞り
14 先端部
15 カバーガラス
16 レンズ素子
18 基端部
19 凹面
25 像取り込みデバイス
30 内視鏡対物レンズ配置
31 第1のレンズ群
32 第2のレンズ群
33 開口絞り
34 先端部
35 カバーガラス
36 平凹レンズ
38 基端部
39 曲面
40 フィルタ
41 レンズ
45 像取り込みデバイス
46 平凸レンズ
50 内視鏡対物レンズ配置
51 第1のレンズ群
52 第2のレンズ群
53 開口絞り
54 先端部
55 カバーガラス
56 平凹レンズ
58 基端部
59 曲面
60 フィルタ
61 ダブレット
62 レンズ
63 レンズ
64 界面
65 像取り込みデバイス
70 内視鏡対物レンズ配置
71 第1のレンズ群
72 第2のレンズ群
73 開口絞り
74 先端部
75 カバーガラス
76 平凹レンズ
78 基端部
79 曲面
80 フィルタ
81 ダブレット
82 レンズ
84 界面
85 像取り込みデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的に焦点距離fをもつ内視鏡対物レンズ配置であって、
内視鏡の先端部において負の屈折力をもつ第1のレンズ群と、
前記第1のレンズ群の基端側に配置された開口絞りと、
前記開口絞りの基端側に配置された正の屈折力をもつ第2のレンズ群と、
その凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある、前記第1のレンズ群内の平凹形の第1のレンズと、
開口絞りのすぐ基端側に配置された、前記第2のレンズ群内の平凸形の第2のレンズと、
第2の平凸レンズの基端側に配置され、fの焦点距離をもつ、前記第2のレンズ群内の平凸形の第3のレンズと、
を有し、内視鏡対物レンズ配置が次の条件:
/f<2.0
を満足することを特徴とする内視鏡対物レンズ配置。
【請求項2】
平凹形の前記第1のレンズは、第1のレンズ群の実質的にすべての負の屈折力を提供することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項3】
前記第1のレンズ群または前記第2のレンズ群のいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項4】
平凹形の前記第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項5】
前記第1のレンズ群は、無視できる屈折力をもつカバーガラスを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項6】
平凹形の第4のレンズと平凸形の第5のレンズが内部に配置され、前記第4および第5のレンズがダブレットを形成するよう適合されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項7】
前記第4のレンズと前記第5のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項8】
前記ダブレットは横の色収差を修正するよう適合されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項9】
横の色収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項10】
像歪曲収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項11】
色修正フィルタが内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項12】
赤外線遮断フィルタが内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項13】
内視鏡の先端部において負の屈折力をもつ第1のレンズ群と、
前記第1のレンズ群の基端側に配置された開口絞りと、
前記開口絞りの基端側に配置された正の屈折力をもつ第2のレンズ群と、
その凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある、前記第1のレンズ群内の平凹形の第1のレンズと、
前記第1のレンズ群または前記第2のレンズ群のいずれかに配置された第2および第3のレンズであって、該第2および第3のレンズがダブレットを形成するよう適合される第2のレンズおよび第3のレンズと、
を有することを特徴とする内視鏡対物レンズ配置。
【請求項14】
前記第1のレンズは、第1のレンズ群の実質的にすべての負の屈折力を提供することを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項15】
前記第1のレンズ群または前記第2のレンズ群のいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項16】
前記第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項17】
前記第1のレンズ群は、無視できる屈折力をもつカバーガラスを含むことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項18】
前記第2のレンズと前記第3のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項19】
前記ダブレットは横の色収差を修正するよう適合されることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項20】
横の色収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項21】
像歪曲収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項22】
前記第2のレンズ群は、その凸面が内視鏡の基端部に面する状態で開口絞りに隣接し、その次にその凸面が内視鏡の先端部に面する状態で平凸素子が続く平凸正レンズ素子を有することを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項23】
前記第2のレンズの先端に面する表面および前記第3のレンズの基端に面する表面は平面であることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項24】
色修正フィルタが内部に配置されることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項25】
赤外線遮断フィルタが内部に配置されることを特徴とする請求項13に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項26】
内視鏡の先端部から順に、
カバーガラスと、
その凹面が内視鏡の先端部に面する状態にある平凹形の第1のレンズと、
開口絞りと、
その凸面が内視鏡の基端部に面する状態にある平凸形の第2のレンズと、
ダブレットを形成するよう適合された第3のレンズおよび第4のレンズと、
を有することを特徴とする内視鏡対物レンズ配置。
【請求項27】
前記対物レンズ配置におけるいずれかのレンズは、1ミリメートル未満かそれに等しい直径をもつことを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項28】
前記第1のレンズの曲面は、0.5ミリメートルを超えるかそれに等しい曲率半径をもつことを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項29】
前記第3のレンズと前記第4のレンズは実質的に同じ屈折率をもつが、異なる分散をもつことを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項30】
前記ダブレットは横の色収差を修正するよう適合されることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項31】
前記第3のレンズの先端に面する表面、および/または、前記第4のレンズの基端に面する表面は平面であることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項32】
横の色収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項33】
像歪曲収差が電子画像処理手段によって修正されることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項34】
色修正フィルタが内部の選択された位置に配置されることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。
【請求項35】
赤外線フィルタが内部の選択された位置に配置されることを特徴とする請求項26に記載の内視鏡対物レンズ配置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−262193(P2008−262193A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92290(P2008−92290)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(506010792)カール・ストーツ・イメージング・インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】