説明

小型電子筐体及びその製造方法

【課題】 アルミニウム合金材料を用いた筐体であって、より薄肉で加工性,生産性に優れ、一層の薄肉化を図ることができる携帯通信機用筐体と、このような筐体をより寸法精度よく円滑に製造できる製造方法を提供すること。
【解決手段】 筐体は少なくとも主要部がホロー断面部を有するアルミニウム合金製の押出形材からなり、前記押出形材には部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする。製造方法は、ホロー断面部を有する所定長さのアルミニウム合金製の押出形材に、部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方を形成するプレス打抜き加工工程を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には携帯電話機,モバイル端末,トランシーバ,デジタルカメラ、電子音楽再生装置、電子手帳、電子ブック、無線機器その他の小型電子機器の筐体(「スケルトン」に近い)及びその製造方法に関するものであり、さらに特別には、アルミニウム合金からなる携帯通信機用筐体等を含む小型電子筐体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば最近の携帯電話機などの携帯通信機端末は、移動体通信手段としての機能が一層増加するに伴い、その筐体における液晶表示部の占める割合が大きくなり、筐体に実装する部品点数も増加しているので、端末全体に占める質量のウエイトが高い筐体は、軽量化すなわち薄肉化することが望まれている。
携帯通信機の中で大量に販売されている携帯電話機の筐体には、量産性に優れているプラスチック材料の射出成形品が使用されているが、種々の問題がある。
その一は、プラスチック材料は金属材料に比べて引張強さ,弾性率,衝撃強度などの機械的特性が劣るほか、プラスチック材料による薄肉の成形品は、成形時の残留応力により変形が生じて熱的信頼性が低下するので、プラスチック材料の成形品による筐体の薄肉化には限界があることである。繊維強化プラスチック(FRP)を用いて機械的特性や熱的信頼性をある程度向上させることはできるが、繊維強化プラスチックを用いて1.5mm以下の肉厚の実用性のある筐体を製造することは困難である。
その二は、プラスチック成形品による筐体は、内部に実装した電子部品の回路から漏出して人体に好ましくない影響を与える電磁波を遮蔽することができないので、銅及びニッケルなどを無電解メッキやイオンプレーティングなどで表面処理を施すなど、電磁波をシールドする加工が必要なことである。
【0003】
前記のような背景により、最近アルミニウム合金素材(圧延板)に鍛造加工を施した筐体が提案されている(後記特許文献1)。すなわち、アルミニウム合金はプラスチック材料と比べて、密度が2.7g/cm3 と後者の0.8〜1.4g/cm3 より大きく、引張強さが約1.7倍、弾性率が約6倍であって、比強度(引張強さ/密度)及び比剛性(弾性率/密度)が相対的に大きいので、筐体の薄肉化が可能である。
アルミニウム合金を用いた筐体は電磁波を吸収又は反射するので、プラスチック材料にメッキを施した筐体に比較しても高い電磁波シールド性を有している。電磁障害規制がますます厳しくなる今日にあっては、筐体自体が高い電磁波シールド性を有しているという利点は決して小さくない。
また、アルミニウム合金からなる筐体は、アルマイト加工により高級感をかもし出すことができる等の利点があるほか、リサイクル性にも優れている。
【0004】
しかし、アルミニウム合金の圧延板に鍛造加工を施した筐体は、寸法精度が悪く表面形状及び性状が一定でないなどの問題がある。すなわち、熱間鍛造の場合には寸法精度、メタルの鍛造フロー方向による材料強度の異方性があり、冷間鍛造の場合には寸法精度は多少改善されるものの打抜きや切削加工に比べて加工性ならびに寸法精度が悪く、形状選択の自由度が低下するとともに、鍛造後の表面形状及び性状が好ましくないなどの問題がある。
【特許文献1】特開2002−64283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アルミニウム合金材料を用いた筐体であって、より薄肉で加工性、電磁波シールド性及びリサイクル性に優れ、形状選択の自由度が高く、しかも表面形状及び性状(意匠性)の好ましい携帯通信機用筐体等の小型電子筐体を提供することにある。
本発明における電子筐体は、携帯用のものに限らずホロー断面を有する形材を利用できる小型電子筐体であれば適用可能である。
本発明の他の目的は、前記目的を達成する携帯通信機用筐体等の小型電子筐体を、より高い生産性と寸法精度で円滑に製造することができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る小型電子筐体は、前述の課題を解決するため、少なくとも主要部がホロー断面部を有するアルミニウム合金製の押出形材からなり、前記押出形材には部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方が形成されていることを最も主要な特徴としている。
前記孔や切欠部はプレス打抜き加工により形成するのが好ましい。
なお、ここで「部品取付用の」とは、孔又は切欠部に部品を係合又は嵌合して直接当該部位に部品を取り付けることのほか、部品を取り付けるために利用されるものを含むものである。
【0007】
本発明に係る小型電子筐体の第1の製造方法は、前述の課題を解決するため、ホロー断面部を有するアルミニウム合金製の所定長さの押出形材に、部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方を形成するプレス打抜き加工工程を含むことを最も主要な特徴としている。
【0008】
本発明に係る小型電子筐体の第2の製造方法は、前述の課題を解決するため、ホロー断面部を有するアルミニウム合金製の所定長さの押出形材を用いた小型電子筐体の表面仕上げ加工を除く加工工程において、押出形材に部品取付用の孔又は切欠部を形成するプレス打抜き加工工程あるいは部品取付用の孔及び切欠部を形成するプレス打抜き加工工程のみを含むことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る小型電子筐体は、少なくとも主要部にホロー断面部を有するアルミニウム合金製の押出形材によって構成し、前記押出形材に部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方を形成したので、より薄肉で加工性、電磁波シールド性及びリサイクル性に優れ、形状選択の自由度が高く、表面形状及び性状(意匠性)もより好ましい。
【0010】
本発明に係る小型電子筐体の第1の製造方法は、ホロー断面部を有するアルミニウム合金製の所定長さの押出形材に、部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方を形成するプレス打抜き加工によって形成するので、より高い生産性と寸法精度で円滑に前記本発明に係る小型電子筐体を製造することができる。
【0011】
本発明に係る小型電子筐体の第2の製造方法は、表面仕上げ加工を除く加工工程において、押出形材に部品取付用の孔又は切欠部を形成するプレス打抜き加工工程あるいは部品取付用の孔及び切欠部を形成するプレス打抜き加工工程のみを含むものであり、表面仕上げ加工を除く他の機械加工を施さないので、前記第1の製造方法と比べて生産性が一層向上する。
【0012】
本発明においてプレス打ち抜き加工を使用するのは、切削加工と比較して切粉の発生がなく、被加工材表面を傷つけない他、同時に多数部位を加工できるためであり、一般にはプレス打ち抜き加工を行なわない範囲や切欠部についても、プレス打ち抜き加工を適用していることから生産性が高いだけでなく表面を傷つけない利点がある。
さらにいずれの場合も打ち抜き加工時に、被加工材を十分拘束することにより、押出形材のプレス打ち抜き時の変形を極端に小さく抑えることができる等の効果がある。
なお、本発明においては、機械加工をほとんどまたは全く省いて、加工中の寸法変化を抑えることを可能にしたため、ホロー形状のアルミニウム合金製押出形材の小型電子筐体への使用が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面を参照しながら、本発明に係る小型電子筐体とその製造方法を、小型電子筐体の代表例である携帯電話機用筐体に適用した実施形態について説明する。
図1は一体型の(ヒンジにより二つの筐体が連結されていない)携帯電話機用筐体の主部を構成する押出形材1aの斜視図であり、この押出形材1aは、全体として扁平なほぼ長方形のホロー断面部10と、ホロー断面部10の両側部へ一体に形成されたリブ11とから構成され、各リブ11は先端部分が相対するように円弧状に曲がっている。
「扁平」とは、平行ないしほぼ平行なな二つの長辺を有する断面形状と定義する。したがって、扁平形状には、矩形や台形及びそれらのコーナの一部が所定寸法のRを持つものなど、種々の形状を含むものとし、例えば後述の図11(c)から(h)に示すもの等が全て含まれる。
押出形材1aの寸法は携帯電話機の設計に応じて選択されるが、図1に示す実施形態では、長さL=100mm、幅W=50mm、ホロー断面部の高さh1=10mm、リブの高さh2=6mm、ホロー断面部の肉厚=0.8mm、リブ11の肉厚=0.6mmであり、寸法精度はJIS特殊級を満足している。
【0014】
押出形材1aは長尺の押出形材を前記長さに切断したもので、長尺の押出形材は押出加工後ロール矯正その他の手段による矯正工程を経て前記のように切断することができるが、この実施形態では高精度の押出加工により矯正工程を省略している。
形材の押出条件及び材質を以下例示する。
材質:JIS6063合金(JIS3003又は6061合金の使用も可)
使用ビレット:130φ×400mm
均質化処理:560℃×4hr保持(昇温速度:40℃/hr)
押出速度:5〜10m/min
押出温度:460〜530℃
その他:
ダイスのベンディングを防止するためダイス厚みを厚く、雄型ブリッジの剛性を高めるなどの工夫をし、ベアリング仕上げをRmax:2μm、5μm(通常20μm)とした高精度ダイスを使用した。
【0015】
Rmax2μmの押出ダイスで押出を行なった押出形材を高精度押出材A、Rmax5μmの押出ダイスで押出を行った押出形材を高精度押出材Bとし、比較のために通常ダイスでの押出を行ない、これを通常押出材とした。
押出材を押出・整直後、所定長さに切断してプレス打ち抜き加工前の寸法精度を測定した結果と、これらに後述のプレス打抜き加工を行った後の寸法精度を測定した結果とを表1に示した。寸法精度の比較は筐体ホロー断面部のリブを有しない扁平部分の直線部の両側端をA1、A11とし、その間を10等分した測定点を順にA1,、、、、、,A11とした時にこれらのA2,、、、、、,A10までの測定点の真の直線からのずれの最大値を真直度で示した。ここで、最大値を示す位置が各測定点からずれている場合は、その最大値を示す点から最も近い測定点の値を最大値に書き換えて表示した。前記高精度ダイスで押出した場合には、直線部長さ40mm当たり、真直度は、0.15mm以下を満足する。これに対し、通常ダイスで押出しを行った押出形材の場合の真直度は直線部長さ40mm当たり、約0.5mmから1mmの真直度を示した。
【0016】
【表1】

【0017】
ここで、通常の方法で押出を行った場合には、部品取り付けのために必要な真直度が悪く携帯電話機用筐体として使用するには、真直度が不足するので、この場合は、押出形材断面寸法の矯正が必要になる。押出形材の寸法矯正を行なって、プレス打ち抜き加工前の真直度は、直線部長さ40mm当たり、0.20mm以下にすることができれば携帯電話機用筐体として使用することができる。このように、ロール成形等を行なえば、通常の押出方法で行った押出形材(例えば表1の真直度0.50mmの形材)は、上記の真直度0.20mm以下という寸法の範囲に入るように矯正することができるので、本発明に係る筐体に使用することができる。
【0018】
押出形材の断面形状の矯正は、前述のように長尺で行なう方が生産性に優れるために望ましいが、製品長さに切断した後や最終製品形状に加工した後も適当な矯正手段を用いれば、矯正を行なうことができる。
その矯正方法もロール成形の他、プレス矯正などの方法を用いることができる。特に矯正の対象となるのは、画像表示装置や近接して配置される数値を記した押しボタンなどの取付部であって、これらの取付部分の寸法精度は、プレス打ち抜き後の真直度が直線部の長さ40mm当たりで0.30mm以下であることが必要で、0.25mm以下であることがより望ましい。
【0019】
押出形材1aには多数の部品取付用の孔や切欠部が形成され、これらの孔や切欠部の数,配置,形状及び大きさ等は携帯電話機の設計に対応するものであるが、この実施形態について以下説明する。
図2(a)で示すように、押出形材1aには、両側のリブ11の一端に所定長さの部品取付用の切欠部11aを形成し、ホロー断面部10のリブ11が形成されている面(以下説明の便宜上この面を「背面」と言い、背面の反対側の面を「正面」と言う。)にそれぞれ部品取付用の切欠部10a及び孔10bを形成している。
図2(b)で示すように、ホロー断面部10には一方の側面に部品取付用の孔10cを形成し、正面に画像等の表示部が係合状に取り付けられる方形の大きな孔10d、入力・操作スイッチが嵌合状に取り付けられる一群の孔10e、及び他の小さな孔10f,10g,10gをそれぞれ形成し、(a)図のような筐体1を製造する。
前記のように製造された筐体1は、ショットブラスト又はヘアライン加工などを行った後、アルマイトによる表面仕上げ加工が施される。
押出形材の特質として長手方向に同一断面形状をしており、これを打ち抜き加工した図2(b)の筐体1も当然、上端部及び下端部に他の部材を挿入して筐体を完成させる必要があるが、この部分は端部断面に一致する部材を端部に適宜挿入し(嵌め込み)、接着又はねじ止め等で当該端部に固定し、筐体全体を完成することができる。形材端部に嵌め込む部材としてはアルミニウム材料に限らず樹脂などを使用することもできる。例えば、図2(b)10g等の孔を取付け孔として利用できる。
【0020】
前記の部品取付用の孔や切欠部は、以下に説明するようにプレス打抜き加工により形成するのが好ましい。図3は、押出形材1aのリブ11へ前記(a)図の切欠部11aを加工するためのプレス打抜き装置2の部分切断正面図であり、図4は図3の装置2の部分切断側面図である。
【0021】
3はプレス打抜き装置2を据付けるためのテーブルであり、このテーブル3の上にはダイス4が設置されている。5はホロー断面部10の幅方向が垂直になるように押出形材1aがセットされる中子であり、この中子5は、セットされた押出形材1aのホロー断面部10の一方の側壁を介して前記ダイス4の上面と平行する状態で、前記テーブル3の上に垂直に設置された取付ブロック50(図4)へその一端が固定されている。前記中子5の長さは、図4で示されているように押出形材1aの長さよりも若干(1〜3mm程度)短く設計されている。
【0022】
6は前記押出形材1aの上部のリブ11へ近接して垂下するように設置されパンチであり、作業側のであるその下端部は、下部のリブ11の内側において前記押出形材1aの背面と近接ないし接触するように鉤状に形成されている。
7は前記押出形材1aの全長にわたってその正面と平行するように設置された押圧部材であり、この押圧部材7は、テーブル3上に設置されたスクリュージャッキ形態の押圧装置70により、矢印i(図3)の方向に水平移動して押出形材1aをその正面方向から前記中子5へ押付けるように作動する。8はダイス4の手前側(図3)の端面へ取り付けられた他の押圧部材であり、この押圧部材8は、図3で示す垂下状態から矢印kのように時計方向に180度回転した後、スクリュージャッキ形態の押圧装置80により、図4の矢印jの方向に移動して前記押出形材1aを取付ブロック50へ押付けるように作動する。
4aは他のダイスであり、前記押出形材1aの上部のリブ11とパンチ6の鉤状の下端部との間に位置し、かつ、前記押出形材1aの背面及びパンチ6の垂直部と近接する状態で前記ダイス4に固定されている。4bは、前記他のダイス4aと平行してパンチ6と近接する状態で前記ダイス4の上面側部ヘ設置されたガイド部材である。
【0023】
前記プレス打抜き装置2の中子5へ当該中子5が挿入された状態となるように押出形材1aをセットし、ハンドル71により押圧装置70を作動させて押圧部材7を矢印iの方向に前進させ、形材1aを中子5に押付け、当該形材1aをその長さ方向と打抜き方向との二方向と直交する方向に拘束する。
次いで、押圧部材8を起立するように図3の矢印kのように180度回転させ、ハンドル81を操作して押圧装置80を作動させ、押圧部材8により押出形材1aを取付ブロック50へ押付けることにより当該形材1aを長さ方向に拘束する。
形材1aの前記拘束状態でパンチ6を下降させ、下部のリブ11の端部を打抜くことにより当該リブ11へ前記(a)図の切欠部11aを加工する。
他方のリブ11へ切欠部11aを加工するには、中子5が図3とは逆向きに設置され、当該中子5にリブ11,11が図3の左向きになる状態で形材1aをセットしたときに、各部が当該形材1aと前記のように対応するように設置された打抜き装置を使用する。
前記プレス打抜き装置2を使用した加工工程を含む筐体の製造方法は、請求項17の小型電子筐体の製造方法と対応している。
【0024】
図5は、押出形材1aの背面へ前記(a)図の切欠部10a及び孔10bを加工するためのプレス打抜き装置2aの部分切断正面図である。前記プレス打抜き装置2と同じ構成部分は説明を省略し、異なる構成部分についてのみ以下説明する。
中子5aはダイス4を兼ねており、その幅方向が水平になるように取付ブロック50に固定され、ホロー断面部10の背面が上向きになる状態で押出形材1aがセットされる。
テーブル3の上には中子5aの両側へ近接して平行するように押圧部材7,7aが設置されており、各押圧部材7,7aは、垂直(下降)方向の押圧力が水平方向に変換される押圧装置70,70aにより、それぞれ矢印i,i1の方向へ均等に移動し、前記形材1aを両側から挟む状態で打抜き方向及び当該形材1aの長さ方向の二方向と直交する方向に拘束するように構成されている。
他の押圧部材8は、押圧作動に先立って前記形材1aのレベルまで上昇するようにテーブル3上に設置されている。
9はストリッパであり、パンチ6の下降と同調して僅かに下降し、パンチ6による打抜きよりもやや速く前記形材1aに接触して、ホロー断面部10の背面をダイス4を兼ねる中子5aに押付けるように作動する。
【0025】
前記プレス打抜き装置2aの中子5aに形材1aを図示の状態にセットし、押圧部材8を形材1aのレベルまで上昇させ、ハンドル81の操作により押圧装置80を作動させ、形材1aを取付ブロック50ヘ押付けて長さ方向に拘束する。次いで、パンチ6と同調して押圧装置70,70aが下降方向に作動し、押圧部材7,7aにより形材1aを長さ方向及び打抜き方向の二方向と直交する方向に拘束した直後に、パンチ6により形材1aの背面に前記(a)図の切欠部10a及び孔10bが打抜き加工される。
なお、加工する孔や切欠部の大きさや数その他の条件によっては、形材1aをその長さ方向にのみ拘束するか、あるいは形材1aをその長さ方向及び打抜き方向の二方向と直交する方向にのみ拘束した状態で打抜き加工を行うことができる。
プレス打抜き装置2aを使用した加工工程を含む筐体の製造方法は、請求項12の小型電子筐体の製造方法と対応する一形態である。
【0026】
図6は、押出形材1aの側面へ前記(b)図の孔10cを加工するためのプレス打抜き装置2bの部分破断断面図である。
ダイス4を兼ねる中子5aは、その幅方向が垂直になるように取付ブロック50に固定され、この中子5aには、ホロー断面部10の背面が図の右向きになる状態で押出形材1aがセットされる。
押圧部材7と押圧部材8は、図2の打抜き装置2におけるそれらと同様に作動するようにテーブル3の上に設置されている。
ストリッパ9はパンチ6とはやや先行しつつ同調して下降し、パンチ6による打抜きよりもわずかに速く形材1aに接触し、当該形材1aの被加工面を中子5aに押付けるように構成されている。
【0027】
前記プレス打抜き装置2bの中子5aに形材1aを図示の状態にセットし、押圧部材8を矢印kのように180度回転させて形材1aのレベルに位置させ、ハンドル71の操作により押圧装置70を作動させて押圧部材7を矢印iの方向に前進させ、形材1aを中子5に押付け、当該形材1aをその長さ方向及び打抜き方向と直交する方向に拘束する。また、ハンドル81の操作により押圧装置80を作動させ、形材1aを取付ブロック50ヘ押付けて長さ方向に拘束する。
次いで、パンチ6をストリッパ9と同調するように下降させることにより、形材1aの側面に前記(b)図の10cが打抜き加工される。
なお、加工する孔や切欠部の大きさや数その他の条件によっては、形材1aをその長さ方向にのみ拘束するか、あるいは形材1aをその長さ方向及び打抜き方向の二方向と直交する方向にのみ拘束した状態で打抜き加工を行うことができるが、通常は長さ方向及び打抜き方向と直交する方向にのみ拘束した状態で打抜き加工を行う。
前記プレス打抜き装置2bを使用した加工工程を含む筐体の製造方法は、請求項12の小型電子筐体の製造方法と対応する一形態である。
【0028】
形材1aへ部品取付用の孔や切欠部を打抜き加工する前に、当該形材1aの被加工面へ分散するようにあらかじめ位置決め孔を加工し、これらの位置決め孔を利用して部品取付用の孔や切欠部を加工することがでる。
この加工方法は、例えば部品取付用の孔や切欠部が所定の領域に密集している場合に、形材1aの前記孔や切欠部を加工しようとする位置の、ストリッパの孔との位置合わせが簡単で、かつ、打抜き時に形材1aが動かないように拘束するのが容易あるという利点がある。
以下その実施形態について説明する。
【0029】
形材1aの正面の図2(b)に示す被加工面の各孔10d,10e,10fを加工する前に、図7で示すように、前記被加項面へバランス良く分散する状態にあらかじめ二つの位置決め孔10gと四つの位置決め孔10hを加工する。二つの孔10gは部品取付用の孔であるが、他の四つの位置決め孔10hは位置決め専用の孔であり、表示部取付用の方形で広い孔10dの被加工部内に納まる位置に加工する。
これらの各位置決め孔10g,10hはドリル等によって形成することもできるが、プレス打抜き加工により形成するのが好ましい。位置決め孔10g,10hをプレス打抜き加工するには、図5のプレス打抜き装置2aにおける中子5aを各位置決め孔10g,10hが加工される位置とそれらの寸法に合わせて構成し、ストリッパ及びパンチを前記中子に適合するように構成したプレス打抜き装置を使用すればよい。
【0030】
図7で示すように加工された各位置決め孔10g,10hを利用して、先ず部品取付用の一群の孔10eと部品取付用の小さい孔10fとを、図8及び図9で示すプレス打抜き装置2cを使用して加工する。
図8は部品取付用の小さな孔10gを加工する部分の一部切断正面図であり、図9は入力・操作スイッチを取り付けるための一群の孔10eを加工する部分の一部切断正面図である。
【0031】
二つの位置決め孔10gは図8で示されているが、他の四つの位置決め孔10hはそれらの加工位置と装置2cを部分的に切断した切断位置とが異なるため図示されていない。
ダイス4を兼ねる中子5aは、その幅方向が水平になるように図示されていない取付ブロックに固定され、この中子5aには、ホロー断面部10の背面が図の下向きになる状態で押出形材1aがセットされる。中子5aには、図8のように形材1aに加工された各位置決め孔10g,10g及び他の各位置決め孔と対応するように、各位置決め孔5bが加工されている。
押圧部材7は、図示されていない押圧装置により前記形材1aを中子5aへ押付けるように構成され、押圧部材8は、図5の打抜き装置2aにおけるそれと同様に作動するようにテーブル3の上に設置されている。
ストリッパ9はパンチ6と同調かつやや先行して下降し、パンチ6による打抜きよりもわずかに速く形材1aに接触し、当該形材1aの被加工面を中子5aに押付けるように構成されている。
【0032】
前記プレス打抜き装置2cの中子5aに形材1aを図示の状態にセットし、形材1aの各位置決め孔とそれらに対応する中子5aの各位置決め孔5bとを一致させ、一致する各寮位置決め孔にまたがるように、各位置決め孔5bへそれぞれ位置決めピン5cを挿入する。
押圧部材7を形材1aの対応する側面ヘ押付けることにより、当該形材1aをその長さ方向及び打抜き方向の二方向と直交する方向に拘束するとともに、押圧部材8を形材1aのレベルまで上昇させ、押圧部材8により当該形材1aを図示されていない取付ブロックに押付ける。
この状態でパンチ6及びストリッパ9を同調して下降させ、形材1aの正面に前記(b)図で示すように一群の孔10eと小さな孔10fとを打抜き加工する。一群の孔10eと小さな孔10fは、各位置決めピン5cから外れた位置に加工される。
なお、加工する孔,切欠部の大きさやそれらの数その他の条件によっては、形材1aをいずれの方向にも拘束しないか、又は形材1aをその長さ方向にのみ拘束するか、あるいは形材1aをその長さ方向及び打抜き方向と直交する方向にのみ拘束した状態で打抜き加工を行うことができる。
前記プレス打抜き装置2cを使用した加工工程を含む筐体の製造方法は、請求項13,請求項14の筐体の製造方法と対応する形態である。
【0033】
前記のように、形材1aの正面に部品取付用の各孔10e及び10fを加工した後、図10のプレス打抜き装置2dを使用して、形材1aの正面に残っている四つの位置決め孔10hをカバーする領域に表示部取付用の孔10dを加工する。
図10のプレス打抜き装置2dにおいて、ダイス4を兼ねた中子5aは、リブ11,11が形成されている形材1aの背面が下向き状に当該形材1aがセットされるように構成され、中子5aの孔及びパンチ6の加工面の寸法が図5の装置2aのそれらとはやや大きくなっている。その他の構成は図5の装置2aと同様に構成されているのでそれらの説明は省略する。
【0034】
図10のプレス打抜き装置2dの中子5aに形材1aを同図の状態にセットし、押圧部材8を形材1aのレベルまで上昇させ、ハンドル81の操作で形材1aの方向へ必要量前進する押圧部材8により、形材1aを取付ブロック50ヘ押付けて長さ方向に拘束する。パンチ6及びストリッパ9を下降させると、それらと同調して押圧部材7,7aが両側から形材1aに向かって前進し、両者により形材1aを長さ方向及び打抜き方向と直交する方向に拘束し、同時に形材1aの正面はストリッパ9により中子5aへ押付けられ、それらよりやや遅れたタイミングで下降するパンチ6により形材1aに孔10dが打抜き加工される。
なお、加工する孔や切欠部の大きさや数その他の条件によっては、形材1aをその長さ方向にのみ拘束するか、あるいは形材1aをその長さ方向及び打抜き方向と直交する方向にのみ拘束した状態で打抜き加工を行うことができる。
プレス打抜き装置2dを使用した加工工程を含む筐体の製造方法は、請求項12の小型電子筐体の製造方法と対応する形態である。
【0035】
前記各プレス打抜き装置による孔や切欠部の加工条件を以下例示する。
加工速度:機械式プレスでは1m/sec、油圧プレスでは0.05m/sec
型締め力:3000〜6000N
パンチ押込み量:4mm
工具のクリアランス(パンチとダイスの段差):0.04mm(孔の打抜きの場合)
:0.04mm(切欠部のせん断の場合)
本発明においては、スクリュージャッキ形式の押圧装置で押圧部材を押圧しす部分に関しては、生産性を考慮して油圧シリンダーやエアシリンダーなどの駆動による押圧方法に変更することが可能であり、量産過程においては、その方が望ましい。
【0036】
前記実施形態の小型電子筐体によれば、ホロー断面部10を有する押出形材1aを用い、当該押出形材1aに部品取付用の孔や切欠部を形成したので、より薄肉で加工性、意匠性及び電磁波シールド性に優れており、形状選択の自由度がより高い。
最大肉厚部の厚みが1mm以下でも十分な強度を有する。
【0037】
前記実施形態の小型電子筐体の製造方法によれば、ホロー断面部10を有するアルミニウム合金製の押出形材を所定長さに切断し、切断後の押出形材1aに部品取付用の孔や切欠部をプレス打抜き加工のみにより形成したので、前記のように優れた特性を備えた筐体の生産性及び寸法精度が向上する。また、前記実施形態のプレス打抜き加工は高精度の位置合わせが可能で打ち抜きクリアランスも小さいので、バリがほとんど発生しない。バリ取り等の仕上げ加工は、孔断面の形状を整えるために行なっても良いが、特に行う必要はない。
また、プレス打抜き加工前後の被打抜き面の真直度の変化量を直線部40mm当たり0.10mm以下に抑えることができる。従って、プレス打抜き加工後の小型電子筐体のスケルトンの寸法精度は、40mm当たり0.30mm以下にすることができ、高精度押出材Aの形材を用いれば、望ましい範囲として、40mm当たり0.25mm以下も、最も望ましい範囲として、0.20mm以下も実現可能である。また、この寸法精度は仕上げ加工時に多少の工夫を行なえば仕上げ加工によっても変化しない。
【0038】
押出形材1aの断面形状は電子機器の設計に応じて設計されるが、携帯電話機用筐体に使用する場合にあっては、図11の(c)〜(h)図でそれらの一部を例示するように、ホロー断面部10が全体として扁平形状であるのが好ましい。しかし、扁平でなくとも断面がホロー形状を有し、打ち抜き加工時に位置合わせが可能な形状であれば、任意の断面形状のものを使用することができる。
前記実施形態及び(h)図で示すように、ホロー断面部10の片面又は両面には片側部又は両側部にリブ11を形成することができる。また両側の間にも他のリブを形成することができるほか、ホロー断面部10の内部に形成することもできる。
また、ホロー断面部10の内部には、加工性や部品取付性を損なわない限り、ホロー全体を数個のホローに区分するように隔壁を形成することができる。
【0039】
前記実施形態では一体型の筐体について説明したが、例えば折畳み型携帯電話機における送話部側筐体と受話側筐体のように、複数の筐体を有する場合にはその一方又は双方について実施することができるほか、筐体全体の中の主要部を構成するものであれば、本発明による筐体に他のアルミニウム押出形材等を組み合わせて筐体全体を構成する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る小型電子筐体の代表例として携帯通信機用に使用される押出形材の一形態を示す斜視図である。
【図2】図1の押出形材にプレス打抜き加工を施したものの斜視図であって、(a)図は形材のリブと当該リブが形成されている面(背面)に部品取付用の切欠部や孔をプレス打抜き加工した状態の斜視図、(b)図は形材の一方の側面と背面とに部品取付用の孔をプレス打抜き加工して筐体とした状態の斜視図である。
【図3】図1の押出形材のリブに切欠部を加工するためのプレス打抜き装置の一部切を切断した概略正面図である。
【図4】図3のプレス打抜き装置の一部切を切断した概略側面図である。
【図5】図1の押出形材の背面に部品取付用の孔と切欠部を加工するためのプレス打抜き装置の一部を切断した概略正面図である。
【図6】図1の押出形材の側面に部品取付用の孔を加工するためのプレス打ち抜き装置の1部を切断した概略正面図である。
【図7】図2の(a)図の押出形材の正面に位置決め孔を加工した状態の斜視図である。
【図8】図7の押出形材の正面に位置決め孔を利用して部品取付用の孔を加工するためのプレス打抜き装置の一部を切断した概略正面図である。
【図9】図7の押出形材の正面に位置決め孔を利用して部品取付用の他の孔を加工するためのプレス打抜き装置の他の一部を切断した概略正面図である。
【図10】図7の押出形材の正面の一部の位置決め孔を含む領域に部品(表示部)取付用の大きい孔を形成するためのプレス打抜き装置の一部切断した概略正面図である。
【図11】本発明に係る携帯通信機用筐体に使用される押出形材の他の形態を示す図で、(c),(d),(e),(f),(g),(h)の各図はそれぞれ異なる形態の押出形材の端面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 携帯通信機用筐体
1a 押出形材
10 ホロー断面部
11 リブ
10a,11a 部品取付用の切欠部
10b〜10f 部品取付用の孔
10g 位置決め孔を兼ねる部品取付用の孔
10h 位置決め孔
2,2a,2b,2c プレス打抜き装置
3 テーブル
4,4a ダイス
4b ガイド部材
5 中子
5a ダイスを兼ねる中子
5b 位置決め孔
5c 位置決めピン
6 パンチ
7,7a,8 押圧部材
70,70a,80 押圧装置
71,81 ハンドル
9 ストリッパ





【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも主要部がホロー断面部を有するアルミニウム合金製の押出形材からなり、前記押出形材には部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする小型電子筐体。
【請求項2】
前記部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方はプレス打抜き加工により形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の小型電子筐体。
【請求項3】
前記押出形材は最大肉厚部の厚みが1.0mm以下である、請求項1又は2に記載の小型電子筐体。
【請求項4】
前記押出形材のホロー断面部は全体として扁平形状である、請求項1〜3のいずれかに記載の小型電子筐体。
【請求項5】
前記押出形材はホロー断面部の幅方向の少なくとも一辺の片側又は両側に起立したリブを有し、少なくとも一部のリブには切欠部が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の小型電子筐体。
【請求項6】
前記筐体が携帯電話機用筐体である請求項1〜5のいずれかに記載の小型電子筐体。
【請求項7】
ホロー断面部を有するアルミニウム合金製の所定長さの押出形材に、部品取付用の孔及び切欠部の少なくとも一方を形成するプレス打抜き加工工程を含むことを特徴とする、小型電子筐体の製造方法。
【請求項8】
ホロー断面部を有するアルミニウム合金製の所定長さの押出形材を用いた小型電子筐体の表面仕上げ加工を除く加工工程において、押出形材に部品取付用の孔又は/及び切欠部を形成するプレス打抜き加工のみを含むことを特徴とする、小型電子筐体の製造方法。
【請求項9】
前記押出形材を所定長さに切断する前に当該押出形材をロール矯正又はその他の矯正を施す工程を含む、請求項7又は8に記載の小型電子筐体の製造方法。
【請求項10】
前記押出形材のホロー断面部は全体として扁平形状である、請求項7〜9のいずれかに記載の小型電子筐体の製造方法。
【請求項11】
前記押出形材にはホロー断面部の幅方向の片面又は両面の少なくとも一側部又は両側部に起立したリブを有する、請求項10に記載の小型電子筐体の製造方法。
【請求項12】
前記ホロー断面部に対するプレス打抜き加工工程においては、打抜き加工を行う前に前記ホロー断面部の被加工材内面に中子が接触する状態に前記押出形材にダイスを兼ねた前記中子を挿入し、前記押出形材を次の(A)及び(B)に記載された状態に保つ、請求項7〜11のいずれかに記載の小型電子筐体の製造方法。
A.前記押出形材を長さ方向に拘束した状態とする。
B.前記中子に対して前記押出形材をその長さ方向及び打抜き加工方向の二方向と直交する一方向から押圧部材で押付けて拘束した状態とする。
【請求項13】
前記ホロー断面部に対するプレス打抜き加工工程においては、打抜き加工を行う前に、前記押出形材の被加工面に複数の位置決め孔を加工した後、前記ホロー断面部の被加工内面に中子が接触する状態に前記押出形材にダイスを兼ねた前記中子を挿入し、前記各位置決め孔及び前記中子に形成された位置決め孔にそれぞれ位置決めピンを挿入した状態で位置合わせを行う、請求項7〜11のいずれかに記載の小型電子筐体の製造方法。
【請求項14】
前記ホロー断面部に対するプレス打抜き加工工程においては、前記押出形材の被加工面に前記プレス打抜き加工を行う前に、前記押出形材をさらに次の(C)及び(D)に記載された状態に保つ、請求項13に記載の小型電子筐体の製造方法。
(C).前記押出形材を長さ方向に拘束した状態とする。
(D).前記中子に対して前記押出形材をその長さ方向及び打抜き加工方向の二方向と直交する一方向から押圧部材により押圧することにより、前記押出形材を各位置決めピンに押付けて拘束した状態とする。
【請求項15】
前記プレス打抜き加工工程の後に、前記押出形材における被加工面の位置決め孔の全部又は一部を内包し、かつ既加工部以外の位置に、新たな孔又は切欠部を形成するプレス打抜き加工工程をさらに含む、請求項14に記載の小型電子筐体の製造方法。
【請求項16】
ホロー断面部を有する所定長さの押出形材に部品取付用の孔を加工するプレス打ち抜き工程は、請求項12から請求項15に記載の加工工程を含むことを特徴とする小型電子筐体の製造方法。
【請求項17】
前記押出形材のリブに対するプレス打抜き加工工程においては、ホロー内に中子を挿入し、当該押出形材を次ぎの(E)及び(F)に記載された状態に保ち、前記孔及び切欠部の少なくとも一方を形成しようとする被加工リブに打抜き加工を行う、請求項11に記載の小型電子筐体の製造方法。
(E).前記押出形材を長さ方向に拘束した状態とする。
(F).前記孔及び切欠部の少なくとも一方を形成しようとする被加工リブが位置する反対側より前記押出形材のホロー断面部を前記中子に押圧部材で押付けて拘束した状態とする。
【請求項18】
アルミニウム合金製の押出形材のホロー断面の一部に直線部を有する小型電子筐体において、その筐体の打ち抜き加工上り又は仕上げ加工上がりの状態で、真直度が筐体断面の直線部長さ40mm当たり、0.30mm以下である小型電子筐体。











【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−185969(P2006−185969A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375052(P2004−375052)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000107538)古河スカイ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】