説明

少なくとも一のシリコーン−ポリアミドポリマーで構造化された少なくとも一の油を含有する組成物

本発明は、シリコーン-ポリアミド型の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の液状脂肪相で、該ポリマーが室温で固体状であり、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解するものと、少なくとも一のシリコーンガムを含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが生理学的に許容可能な媒体を形成している、生理学的に許容可能な組成物、特に化粧品用組成物に関する。この組成物は、滲出がなく、適用されて、経時的に良好な保持力を有する光沢のある付着物を作り出す、安定したスティック形態のリップスティックであってよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、特定のポリマーで構造化された液状脂肪相を含有し、さらにシリコーンガムを含有する、ケラチン繊維等のケラチン物質、及び/又はヒトの唇、及び/又は頭皮を含む、皮膚のための手入れ用及び/又はトリートメント用及び/又はメークアップ用組成物に関する。
この組成物は経時的に安定しており、リップスティック等のメークアップ用スティック又はチューブの形態、又はリップバルム等のペーストの形態であってよく、その適用により、非粘着質で、軽い感じがあり、長時間にわたる帯着特性が生じる。
【0002】
化粧品又は皮膚科学製品において、構造化、すなわちゲル化及び/又は堅牢化された液状脂肪相は一般的に見られるものであり;特に固体状組成物、例えば脱臭剤、リップバルム、リップスティック、コンシーラ製品、アイシャドウ及び成形ファンデーションのケースでしかりである。この構造化は、ロウ及び/又はフィラーにより得られる。残念ながら、これらのロウ及びフィラーは組成物をマットにする傾向があり、このことは、特にリップスティック又はアイシャドウにおいて常に望まれているわけではない。消費者は、常に、良好な保持力又は長時間にわたる帯着特性を有するが、さらに光沢の増した皮膜を付与可能な、スティック形態のリップスティックを探求している。
【0003】
液状脂肪相を構造化することにより、特に暑く湿った地域における固体状組成物からの滲出(又はシネレシス)を制限し、また皮膚又は唇に付着させた後に、シワ又はコジワへのこの相の移動を制限することができ、このことは特にリップスティック又はアイシャドウに所望されている特徴である。これは、特に着色剤が充填されている場合に液状脂肪相の移動が大きいと、唇及び眼の周囲が好ましくない外観になるおそれがあり、特にシワ及びコジワにおいて顕著であるからである。多くの場合、消費者は、この移動を従来のリップスティック及びアイシャドウの主な欠点として挙げている。「移動」なる用語は、当初の適用部位を越えて組成物が移動することを意味する。
リップスティック又は他の化粧品の光沢は、一般的に液状脂肪相の種類に関連している。よって、リップスティックの光沢を増すために、組成物のロウ及び/又はフィラーの量を減らすことはできるが、この場合は液状脂肪相の移動性が大きくなる。換言すれば、室温で滲出しない適切な硬度を有するスティックを調製するために必要なロウ及びフィラーの量は、付着物の光沢の制限要因である。
【0004】
これらの欠点の少なくとも一を克服するために、ロウ及び/又はフィラーの全て又はいくつかを、液状脂肪相を構造化させるために、シリコーン-ポリアミド型のポリマーと置き換えることが考察されている。残念なことに、得られたスティックは機械的又は温度的に安定していない。
さらに、メークアップ用組成物は、経時的に良好な保持力又は長時間にわたる帯着特性を持つべきである、すなわち経時的な色調変化又は変調、又は経時的な付着物の漸次又は均質的な変化がほとんどないものであるべきである。付着物の色調変化又は変調は、リップスティックにおいては唾液との相互作用、ファンデーション及びアイシャドウにおいては皮膚から分泌される汗及び皮脂との相互作用によるものである。またメークアップ用組成物は移るべきではない、つまり、組成物が、少なくとも部分的にも移動せず、さらに組成物が接触し得るある種の支持体、例えばグラス、カップ、衣類又は皮膚上にシミを残さないものであるべき、ということを意味している。この結果、皮膚又は唇における皮膜の帯着性は平凡なものとなり、よって、使用者は皮膚又は唇に組成物を頻繁に再適用する必要がある。
【0005】
しかして、少なくとも一の上述した欠点を持たず、暑くて湿った地域においても経時的に良好な安定性を有し、経時的に良好な保持力又は長時間にわたる帯着特性を示し、光沢のある外観を有する付着物を、皮膚又は唇に生じせしめる組成物が必要とされている。さらにこの組成物は容易に製造可能で、適用中も経時的にも、乾ききった感のない付着物を付与することができる。
【0006】
本発明の主題の一つは、上述した少なくとも一の欠点を克服可能であり、顔の皮膚及び/又は唇、及び/又は体表面の成長部、すなわちケラチン物質、例えば爪又はケラチン繊維のための手入れ用及び/又はメークアップ用及び/又はトリートメント用組成物にある。
本発明者は驚くべきことに、少なくとも一のシリコーンガムと、融和性のある脂肪相と組合せた少なくとも一の特定の構造化ポリマーを使用することにより、唇に適用したときに、顕著な化粧品特性を有する付着物を生じるスティックが得られることを見出した。 特に、付着物は、光沢、柔軟性、快適感及び「耐移動性」の少なくとも一を示すことができる。さらに組成物は、室温(25℃)、並びに高温(典型的には47℃)でも経時的に安定可能である。
「安定」なる用語は、室温(25℃)、及び47℃で少なくとも1ヶ月、経時的に崩壊しない、硬質の組成物、特にスティックを称する。
【0007】
また本発明は、唇のメークアップ製品、例えばリップスティック、リップグロス及びリップペンシルばかりでなく、頭皮を含む皮膚及び唇の手入れ及び/又はトリートメント製品、例えばヒトの顔及びボディ又は唇のための抗日光手入れ製品、中でもスティック形態のもの、顔及びボディの皮膚のメークアップ除去製品、ヒトの顔及びボディ双方の皮膚のメークアップ製品、例えばスティック又は皿の形態に成形されていてもよいファンデーション、コンシーラ製品、ほほ紅、アイシャドウ、フェイスパウダー、転写入れ墨、ボディの衛生製品(すなわち、ケラチン物質の手入れ、メークアップ又はトリートメントに関連しない製品)、例えば脱臭剤、中でもスティック形態のもの、シャンプー、コンディショナー、及び眼のメークアップ製品、例えばアイライナー、アイペンシル及びマスカラ、例えばケーキ形態のもの、並びに体表面の成長部、例えば毛髪、睫毛及び眉毛等のケラチン繊維又は爪のメークアップ及び手入れ製品にも応用される。
【0008】
本発明の他の態様は、(i)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
− その鎖中に又はグラフト形態で1〜1000のオルガノシロキサン単位からなる少なくとも一のポリオルガノシロキサン基、及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な少なくとも二の基、
を有する少なくとも一の部分を有するポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)からなり、25℃で固体状であって、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する、少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油;及び
(ii)少なくとも一のシリコーンガム、
を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、
該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物にある。
【0009】
ここで使用される場合、「少なくとも一の」なる表現は一又は複数であることを意味し、よって個々の成分並びに混合物/組合物を含む。
液状脂肪相を構造化するポリマーは、室温(25℃)、大気圧(760mmHg)で固体状であり、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する。
ここで使用される場合、「ポリマー」なる表現は、少なくとも二の繰り返し単位、好ましくは少なくとも三の繰り返し端子、より好ましくは少なくとも10の繰り返し単位を有する化合物を意味する。
【0010】
本発明の組成物において、構造化ポリマーは、組成物の全重量に対して0.5〜80重量%、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
さらに構造化ポリマーは、液状脂肪相に含まれる油と共に、シリコーンガムの2〜40重量%であることが好ましい。
液状脂肪相は、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%のシリコーン油を含有する。
【0011】
本発明の組成物は、ペースト状、固体状、又は多かれ少なかれ粘度のあるクリームの形態にすることができる。また、単相又は多相エマルション、例えば水中油型又は油中水型エマルション又は油中水中油型エマルション、又は水中油中水型エマルション、又は油性の連続相を含有する堅牢なもしくは柔軟なゲルにすることもできる。例えば、液状脂肪相は組成物の連続相であってもよい。一実施態様において、組成物は無水である。また一実施態様において、組成物はスティック状又は皿状に成形された形態、例えば固体、さらには油性の堅牢なゲルの形態、例えば無水ゲル、中でも無水スティック形態をしている。さらなる実施態様において、組成物は不透明又は半透明の堅牢なゲル(顔料の存在の有無による)の形態をしており、特定の実施例においては、液状脂肪相は連続相を形成している。一実施態様において、組成物は鋳型成形及び流し込み成形されたスティックから選択される。
【0012】
液状脂肪相の構造化は、使用される構造化ポリマー及びシリコーンガムの種類に応じて変えることができ、スティック形態の堅牢な構造体が得られるようになされる。これらのスティックが有色である場合、それらにより、適用後に移動がなく、及び/又は特に色において経時的に良好な保持力を有し、均質な色調で光沢のある付着物を得ることができる。
本発明の組成物は、唇のための組成物、例えばスティック形態のリップスティック用組成物とすることができる。
【0013】
本発明の組成物において構造化剤として使用されるポリマーは、ポリオルガノシロキサン型のポリマー、例えば公報米国特許第5874069号、米国特許第5919441号、米国特許第6051216号及び米国特許第5981680号に記載されているものである。
本発明で適用される構造化ポリマーは、本発明のシリコーン油の存在下に配される前に、C-C低級アルコール類、特にエタノール、n-プロパノール又はイソプロパノール等の、ポリマーの水素相互作用を破壊可能な水素相互作用を有する溶媒に、予め溶解し得る固体である。また、共溶媒(cosolvent)として、これらの水素相互作用「破壊」溶媒を使用することもできる。これらの溶媒は、組成物に保持されるか、又は当業者によく知られている、選択的蒸発により除去してもよい。
【0014】
ポリマー鎖内部において水素相互作用を確立可能な二つの基を有するポリマーは、次の式:
【化1】

{上式中:
1)R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、
− それらの鎖に一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、フッ素原子で部分的又は全体的に置換可能な、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC40炭化水素ベース基、
− 場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいCないしC10アリール基、
− 一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表し;
2)X基は同一でも異なっていてもよく、その鎖に一又は複数の酸素及び/又は窒素原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状のCないしC30アルキレンジイル基を表し;
3)Yは、一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、及び/又は置換基として次の原子又は原子の基:
フッ素、ヒドロキシル、CないしCシクロアルキル、CないしC40アルキル、CないしC10アリール、フェニルで、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアミノアルキルで置換されていてもよいものの一つを担持可能な、飽和又は不飽和の、CないしC50で直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン又はアリールアルキレン基であり;
4)Yは次の式
【化2】

[上式中、
− Tは、場合によってはポリオルガノシロキサン鎖で置換されていてもよく、O、N及びSから選択される一又は複数の原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のCないしC24の三価又は四価の炭化水素ベース基を表すか、又はTはN、P及びAlから選択される三価の原子を表し、
− Rは、ポリマーの他の鎖に結合していてもよい、一又は複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素及び/又はスルホンアミド基を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル基を表す]
に相当する基を表し;
5)G基は同一でも異なっていてもよく、次の式:
【化3】

[上式中、Rは水素原子又は直鎖状又は分枝状のCないしC20アルキル基を表す]
から選択される二価の基を表し:ポリマーのR基の少なくとも50%は水素原子を表す条件で、ポリマーのG基の少なくとも二つは、次の式:
【化4】

以外の基であり;
6)nは2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜700、より好ましくは6〜200の範囲の整数である}
に相当する少なくとも一の部分を含むポリマーであってよい。
【0015】
本発明において、ポリマーのR、R、R及びR基の80%は、好ましくはメチル、エチル、フェニル及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択される。
【0016】
本発明において、Yは、場合によってはポリマー又はコポリマーの他の部分との結合を確立させるために、一又は二の自由原子価をさらに含有していてもよい、種々の二価の基を表すことができる。好ましくは、Yは:
a)直鎖状のCないしC20、好ましくはCないしC10アルキレン基、
b)共役していない不飽和及び環を含有可能なC30ないしC56の分枝状アルキレン基、
c)C-Cシクロアルキレン基、
d)場合によっては一又は複数のCないしC40アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
e)1〜5のアミド基を有するCないしC20アルキレン基、
f)ヒドロキシル、CないしCシクロアルカン、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアルキルアミン基から選択される一又は複数の置換基を有するCないしC20アルキレン基、
g)次の式:
【化5】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、及び
h)次の式:
【化6】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す。
【0017】
第2のファミリーのポリオルガノシロキサン類は、次の式(II):
【化7】

[上式中、
− R及びRは同一でも異なっていてもよく、式(I)において上述したものであり、
− Rは、R及びRで上述した基を表し、又は式-X-G-Rの基を表し、ここでX及びGは式(I)において上述したものであり、Rは、場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一又は複数のヒドロキシル基及び/又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい、O、S及びNから選択される一又は複数の原子をその鎖内部に含有していてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50炭化水素ベース基、又は水素原子を表し、
− Rは式-X-G-Rの基を表し、ここでX、G及びRは上述したものであり、
− mは1〜998の範囲の整数であり、
− mは2〜500の範囲の整数である]
に相当する少なくとも一の部分を含むポリマーであってよい。
【0018】
本発明において、構造化剤として使用されるポリマーはホモポリマー、すなわちいくつかの同一の部分、特に式(I)又は式(II)の部分を含むポリマーであってよい。
【0019】
また本発明において、式(I)のいくつかの異なる部分を含むコポリマーからなるポリマー、すなわち基R、R、R、R、X、G、Y、m及びnの少なくとも一が、一つの部分と異なっているポリマーを使用することができる。さらにコポリマーは、基R、R、R、R、m及びmの少なくとも一が少なくとも一の部分と異なっている、式(II)のいくつかの部分から形成されてもよい。
【0020】
式(I)の少なくとも一の部分と式(II)の少なくとも一の部分を含むコポリマーを使用可能で、式(I)の部分と式(II)の部分は互いに同一でも互いに異なっていてもよい。
【0021】
本発明の一変形例において、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な二つの基を有する、少なくとも一の炭化水素ベース部分をさらに含むコポリマーを使用することもできる。
これらのコポリマーはブロックコポリマー又はグラフト化コポリマーであってよい。
【0022】
本発明の第1の実施態様において、水素相互作用を確立可能な基は、式-C(O)NH-及び-HN-C(O)-のアミド基である。
このケースにおいて、構造化剤は、次の式(III)又は(IV):
【化8】

又は
【化9】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは上述したものである]
の少なくとも一の部分を含むポリマーであってよい。
【0023】
このような部分は、
− 次の反応概略式:
【化10】

に従い、一又は複数のジアミン類と、α,ω-カルボン酸末端を有するシリコーンとの間で縮合反応させるか、
− 又は次の反応概略式:
CH=CH-X-COOH+HN-Y-NH
CH=CH-X-CO-NH-Y-NH-CO-X-CH=CH
に従い、ジアミンとα-不飽和カルボン酸の二つの分子を反応させ、
ついで、次の概略式:
【化11】

[上式中、X-(CH)-は上述したXに相当し、Y、R、R、R、R及びmは上述したものである]
に従い、エチレン性不飽和にシロキサンを付加するか、
− 又は次の反応概略式:
【化12】

に従い、式HOOC-Y-COOHの二酸とα,ω-NH末端を有するシリコーンとを反応させる、
ことにより得ることができる。
【0024】
これら式(III)又は(IV)のポリアミド類において、mは好ましくは1〜700、さらに好ましくは15〜500、より好ましくは15〜45の範囲であり、nは特に1〜500、好ましくは1〜100、さらに好ましくは4〜25の範囲である。
Xは1〜30の炭素原子、特に3〜10の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖であり、Yは1〜40の炭素原子、特に1〜20の炭素原子、好ましくは2〜6の炭素原子、特に6の炭素原子を有する不飽和及び/又は環を含有可能であるか、又は直鎖状又は分枝状であるアルキレン鎖であることが好ましい。
【0025】
式(III)及び(IV)において、X又はYを表すアルキレン基は、場合によってはそのアルキレン部分に、少なくとも一の次の要素:
1°)1〜5のアミド、尿素又はカルバマート基、
2°)C又はCシクロアルキル基、及び
3°)場合によっては、同一又は異なっている1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
を含有することができる。
【0026】
式(III)及び(IV)において、アルキレン基は:
− ヒドロキシル基、
− CないしCシクロアルキル基、
− 1ないし3のCないしC40アルキル基、
− 場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、
− CないしCヒドロキシアルキル基、及び
− CないしCアミノアルキル基、
からなる群から選択される少なくとも一の要素で置換されていてもよい。
【0027】
これらの式(III)及び(IV)において、Yは次の式:
【化13】

[上式中、Rはポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは次の式:
【化14】

(上式中、a、b及びcは独立して、1〜10の範囲の整数であり、R10は水素原子又はR、R、R及びRで記載されたもの等の基である)
の基を表す]
を表すものであってよい。
【0028】
式(III)及び(IV)において、R、R、R及びRは、好ましくは独立して、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキル基、好ましくはCH、C、n-C又はイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又はフェニル基で、場合によっては1ないし3のメチル又はエチル基で置換されていてもよいものを表す。
【0029】
先に示したように、ポリマーは式(III)又は(IV)の同一又は異なった部分を含み得る。
よって、ポリマーは、異なる長さの式(III)又は(IV)のいくつかの部分を含むポリアミド、すなわち次の式:
【化15】

[上式中、X、Y、n、及びRないしRは上述にて付与した意味を有し、m及びmは異なっており、1〜1000の範囲から選択され、pは2〜300の範囲の整数である]
に相当するポリアミドであってよい。
【0030】
この式において、前記部分は構造化されて、ブロックコポリマー、又はランダムコポリマー、又は交互コポリマーのいずれかを形成していてもよい。このコポリマーにおいて、前記部分は異なる長さであるばかりでなく、例えば異なる基Yを有する異なる化学構造であってもよい。このケースにおいて、コポリマーは次の式:
【化16】

[上式中、RないしR、X、Y、m、m、n及びpは、上述にて付与した意味を有し、YはYとして上述した基から選択されるが、Yとは異なるものである]
に相当するものであってよい。上述したように、種々の部分は構造化されて、ブロックコポリマー、又はランダムコポリマー、又は交互コポリマーのいずれかを形成していてもよい。
【0031】
この発明の一実施態様において、構造化ポリマーは、さらにグラフト化コポリマーからなるものであってもよい。よって、シリコーン単位を有するポリアミドはグラフト化されていてよく、さらに場合によってはアミド基を有するシリコーン鎖で架橋されてもよい。このようなポリマーは三官能性アミン類を用いて合成することができる。
【0032】
このケースにおいて、コポリマーは次の式:
【化17】

[上式中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、式(I)においてXとして付与した意味を有し、nは式(I)において記載したものであり、Y及びTは式(I)において記載したものであり、R11ないしR18はRないしRと同一の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲に入る数であり、pは2〜500の範囲の整数である]
の少なくとも一の部分を含んでいてよい。
【0033】
式(VII)において:
− pは1〜25、好ましくは1〜7の範囲であり、
− R11ないしR18はメチル基であり、
− Tは次の式:
【化18】

[上式中、R19は水素原子、又はRないしRと定めた基から選択される基であり、R20、R21及びR22は独立して、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、好ましくは次の式:
【化19】

(特にR20、R21及びR22は-CH-CH-を表す)
に相当するものである]
の一つに相当し、
− m及びmは15〜500、好ましくは15〜45の範囲であり、
− X及びXは-(CH)10-を表し、さらに
− Yは-CH-を表す、
であることが好ましい。
式(VII)のグラフト化シリコーン部分を有するこれらのポリアミド類は、式(II)のポリアミド-シリコーン類で共重合させて、ブロックコポリマー、交互コポリマー、又はランダムコポリマーを形成させてもよい。コポリマーにおけるグラフト化シリコーン部分(VII)の重量パーセンテージは、0.5重量%〜30重量%の範囲であってよい。
【0034】
本発明において、先に示したように、シロキサン単位はポリマー骨格又は主鎖に存在していてよいが、グラフト化又はペンダント鎖に存在していてもよい。主鎖において、シロキサン単位は上述したようなセグメントの形態であってよい。ペンダント又はグラフト化鎖において、シロキサン単位は個々に又はセグメントで見られる。
【0035】
本発明において、好ましいシロキサンベースのポリアミド類は:
− mが15〜50である式(III)のポリアミド類;
− 二又はそれ以上のポリアミド類の混合物であって、少なくとも一のポリアミドが15〜50の範囲のm値を有し、少なくとも一のポリアミドが30〜50の範囲のm値を有するもの;
− 15〜50の範囲から選択されるmと、30〜500の範囲から選択されるmを有し、mに相当する部分がポリアミドの全重量に対して1重量%〜99重量%を表し、mに相当する部分がポリアミドの全重量に対して1重量%〜99重量%を表す、式(V)のポリマー;
− 1)nが2〜10、特に3〜6に等しい80重量%〜99重量%のポリアミドと、
2)nが5〜500、特に6〜100の範囲にある1%〜20%のポリアミド、
とを組合せた、式(III)のポリアミドの混合物;
− 少なくとも一の基Y及びYが少なくとも一のヒドロキシル置換基を有している、式(VI)に相当するポリアミド類;
− 二酸の代わりに、活性化二酸(二酸塩化物、二無水物又はジエステル)の少なくとも一部分を用いて合成された式(III)のポリアミド類;
− Xが-(CH)-又は-(CH)10を表す式(III)のポリアミド類;及び
− ステアリルアルコール、ステアリン酸、オクタノール、オクチルアミン等の脂肪アミン類、脂肪アルコール、脂肪酸を含む一官能性アルコール、一官能性酸、一官能性アミン類からなる群から選択される一官能性鎖で終結している、式(III)のポリアミド類;
である。
【0036】
本発明において、ポリマー鎖の末端基は:
− 合成中にCないしC50一価アルコールを導入することにより、CないしC50アルキルエステル基で、
− シリコーンがα,ω-ジアミン化されている場合は一酸を、又はシリコーンがα,ω-ジカルボン酸である場合はモノアミンを終結基として取り込むことにより、CないしC50アルキルアミド基で;
終結していてよい。
【0037】
本発明の一変形例においては、シリコーンポリアミドと炭化水素ベースのポリアミドとのコポリマー、すなわち式(III)又は(IV)の部分と炭化水素べースのポリアミド部分を含むコポリマーを使用することができる。このケースにおいては、ポリアミド-シリコーン部分は、炭化水素ベースのポリアミドの末端に配列させてもよい。
【0038】
シリコーン類を含有しポリアミドをベースとする構造化剤は、脂肪酸二量体をベースとするポリアミド類をシリルアミド化(silylic amidation)することにより生成され得る。このアプローチは、末端部位としてポリアミドに存在する遊離酸部位と、オルガノシロキサン-モノアミン類及び/又はオルガノシロキサン-ジアミン類との反応(アミド化反応)、又はオリゴシロキサンアルコール類又はオリゴシロキサンジオール類との反応(エステル化反応)に関与している。エステル化反応は、当該技術で公知の酸触媒の存在が必要である。アミド化又はエステル化反応に使用される遊離酸部位を有するポリアミドは、比較的多数の酸末端基を有していることが所望される(例えば15〜20の高酸価を有するポリアミド類)。
【0039】
炭化水素ベースのポリアミド類の遊離酸部位をアミド化するためには、1〜300、特に2〜50、好ましくは2、6、9.5、12、13.5、23又は31のシロキサン基を有するシロキサンジアミン類を、脂肪酸二量体をベースとする炭化水素ベースのポリアミド類と反応させるために使用してよい。13.5のシロキサン基を有するシロキサンジアミン類が好ましく、最も好ましい結果は、高価のカルボン酸末端基を有するポリアミド類と、13.5のシロキサン基を有するシロキサン-ジアミンとを用いて得られる。
【0040】
反応は溶媒なしに高温時(約180〜200℃)に、又は共沸蒸留により溶液から生成した水を抽出するため、キシレン中で実施してよい。典型的には、アミド化効率及び反応速度は、シロキサンジアミンが長ければ長いほど、すなわちシロキサン基の数が多ければ多いほど低下する。シロキサン酸(siloxane acid)又は有機酸、例えば安息香酸と反応させることにより、ジアミノシロキサン類の最初のアミド化反応後に、遊離のアミン部位がブロックされ得る。
【0041】
ポリアミド類における遊離酸部位のエステル化は、触媒として試薬の全重量に対して約1重量%のパラ-トルエンスルホン酸を用いて、沸騰キシレン中で実施され得る。
ポリアミドのカルボン酸末端基で実施されるこれらの反応により、ポリマー鎖の末端のみがシリコーン部分の導入に至る。
【0042】
またポリアミド-シリコーンコポリマーは、遊離のアミン基を有するポリアミドを使用し、酸性基を有するシロキサンとアミド化反応させることにより調製することもできる。
さらに、当初のポリアミドのエチレンジアミン成分をオリゴシロキサンジアミンで置き換えるようなアミノ基転移を実施するために、高温(例えば200〜300℃)で、オリゴシロキサン-α,ω-ジアミンを用いて、エチレン-ジアミン成分等を有するポリアミドのアミノ基転移を行うことにより、シリコーンポリアミドと炭化水素ベースのポリアミドとのコポリマーをベースにした構造化ポリマーを調製することもできる。
【0043】
炭化水素ベースのポリアミドとポリアミド-シリコーンとのコポリマーは、ペンダントオリゴシロキサン基を有する炭化水素ベースのポリアミド骨格を含むグラフト化コポリマーであってよい。
これは、例えば:
− 脂肪酸二量体をベースにしたポリアミド類において、不飽和結合をヒドロシリル化することにより;
− ポリアミドのアミド基をシリル化することにより;又は
− 酸化により、不飽和ポリアミド類をシリル化する、すなわちアルコール類又はジオール類に不飽和基を酸化させることにより、シロキサンアルコール又はシロキサンカルボン酸と反応させてヒドロキシル基を形成させ、
得ることができる。さらに不飽和ポリアミド類のオレフィン部位はエポキシ化されてよく、ついでエポキシ基をシロキサンアミン類又はシロキサンアルコール類と反応させてもよい。
【0044】
本発明の第2の実施態様において、構造化ポリマーは、ウレタン又は尿素基を有するコポリマー又はホモポリマーからなる。
上述したように、ポリマーは、ポリマーの骨格、又は側鎖、もしくはペンダント基として、二又はそれ以上のウレタン及び/又は尿素基を有するポリオルガノシロキサン部分を含有してよい。
【0045】
骨格に少なくとも二のウレタン及び/又は尿素基を有するポリマーは、次の式:
【化20】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは式(I)にて上述で付与された意味を有し、Uは-O-又は-NH-を表し、次の式:
【化21】

のウレタン又は尿素基に相当するようになされる]
に相当する少なくとも一の部分を含むポリマーであってよい。
【0046】
この式(VIII)において、Yは、場合によってはCないしC15アルキル基、又はCないしC10アリール基で置換されていてもよい、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基であってよい。好ましくは-(CH)-基が使用される。
またYは、4,4'-ビフェニレンメタン、p-フェニレン、1,5-ナフチレン、2,4-及び2,6-トルイレン類、イソホロンジイソシアナートから誘導される基、メチレン-4,4-ビスシクロヘキシル基から選択される基等の、CないしC10アリール基又はCないしC15アルキル基で置換され得る、CないしC12脂環式又は芳香族基を表してもよい。一般的に、Yは直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基又はCないしC12シクロアルキレン基を表すことが好ましい。
さらにYは、ジオール又はジアミン型のカップリング剤の一又は複数の分子と、いくつかのジイソシアナート分子との縮合物に相当する、ポリウレタン又はポリ尿素ブロックを表してもよい。このケースにおいては、Yは、アルキレン鎖中にいくつかのウレタン又は尿素基を有する。
【0047】
それは、次の式:
【化22】

[上式中、Bは、Yにおいて上述にて付与された基から選択される基であり、Uは-O-又は-NH-であり、Bは:
・中和可能な又は第4級化可能な第3級アミン基、カルボン酸又はスルホン酸基等の、イオン化可能な基を場合によっては担持することができる、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基、
・シクロヘキサンジメタノール;ジオール基等のアルキレン、又はアルキル置換基、例えば1ないし3のメチル又はエチル基を場合によっては担持していてもよいCないしC12シクロアルキレン基、
・CないしCのアルキル置換基を場合によっては担持していてもよいフェニレン基、及び
・次の式:
【化23】

[上式中、Tは、一又は複数のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄及び窒素を含有可能な三価の炭化水素ベース基であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル鎖である]
の基、
から選択される]
に相当し得る。
【0048】
Tは、例えば次の式:
【化24】

又は
【化25】

[wは1〜10の範囲の整数であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖である]
を表すこともできる。
【0049】
Yが直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基である場合、-(CH)-及び-(CH)-基が好ましい。
上述にて付与されたYの式において、dは0〜5、好ましくは0〜3の範囲、さらに好ましくは1又は2に等しい整数であってよい。
【0050】
は、好ましくは直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基、特に-(CH)-又は-(CH)-、又は次の基:
【化26】

[Rはポリオルガノシロキサン鎖である]
である。
上述したように、構造化ポリマーは、異なる長さ及び/又は構造のシリコーンウレタン及び/又はシリコーン尿素部分から形成されてよく、ブロック又はランダムコポリマーの形態であってもよい。
【0051】
本発明において、シリコーンは、もはや骨格内部ではなく、側鎖分枝状部(side branches)に、ウレタン及び/又は尿素基を有してもよい。
このケースにおいて、ポリマーは次の式:
【化27】

[上式中、R、R、R、m及びmは、式(I)において上述にて付与された意味を有し、
− UはO又はNHを表し、
− R23は、フェニレン基、又はO及びNから選択される一又は複数のヘテロ原子を含有していてもよいCないしC40アルキレン基を表し、
− R24は、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50アルキル基から選択される]
の少なくとも一の部分を含んでよい。
【0052】
式(X)の少なくとも一の部分を含むポリマーは、シロキサン単位、及び尿素又はウレタン基を有しており、それらは本発明の組成物において構造化剤として使用され得る。
【0053】
シロキサンポリマーは、分枝状化により単一の尿素又はウレタン基を有してよく、又は二つの尿素又はウレタン基を有する分枝状部を含有していてもよく、又は一つの尿素又はウレタン基を有する分枝状部、及び二つの尿素及びウレタン基を有する分枝状部の混合物を含有していてもよい。
それらは、分枝状化、又はこれらのポリシロキサンとモノイソシアナート類とを反応させることにより、一又は二のアミノ基を有する分枝状のポリシロキサン類から得ることができる。
【0054】
アミノ及びジアミノ分枝状部を有するこの型の出発ポリマーの例として、次の式:
【化28】

に相当するポリマーを挙げることができる。
これらの式において、符号「/」は、セグメントが異なる長さで、ランダムな順序であってよいことを示しており、Rは、好ましくは1〜6の炭素原子、さらに好ましくは1〜3の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族基を表す。
【0055】
分枝状部を有するこれらのポリマーは、一官能性基とアミノ基の一つとを反応させ、水素相互作用を確立可能な基を形成させるために、ポリマー分子当たり少なくとも3のアミノ基を有するシロキサンポリマーと、唯一の一官能性基(例えば酸、イソシアナート又はイソチオシアナート)を有する化合物とを反応させることにより形成させることができる。水素相互作用を確立可能な基がこれらの側鎖において形成されるように、アミノ基がシロキサンポリマーの主鎖から伸長した側鎖にあるようにしてもよく、又は水素相互作用可能な基がポリマーの末端基となるように、アミノ基が主鎖の末端にあるようにしてもよい。
【0056】
シロキサン単位及び水素相互作用を確立可能な基を有するポリマーを形成するための手順として、直接ゲルが提供されるように、シリコーン溶媒においてシロキサンジアミンとジイソシアナートとを反応させることが挙げられる。反応はシリコーン流体で実施されてよく、結果として得られる生成物は、高温でシリコーン流体に溶解し、ついで、この系の温度を低下させて、ゲルが形成される。
【0057】
本発明の組成物に導入するのに好ましいポリマーは、水素相互作用を確立可能な基として、尿素基をポリマーの骨格に含有し、直鎖状であるシロキサン-尿素のコポリマーである。
【0058】
4つの尿素基で終結するポリシロキサンの例として、次の式:
【化29】

[上式中、Phはフェニル基であり、nは0〜300、特に0〜100、例えば50の数である]
のポリマーを挙げることができる。
【0059】
このポリマーはアミノ基を有する次のポリシロキサン:
【化30】

とイソシアン酸フェニルとの反応により得られる。
【0060】
シリコーンポリマー鎖に尿素又はウレタン基を有する式(VIII)のポリマーは、次の式:
【化31】

[上式中、m、R、R、R、R及びXは、式(I)で記載されたものである]
のα,ω-NH又は-OH末端基を有するシリコーンと、Yが式(I)に付与された意味を有するジイソシアナートOCN-Y-NCOと:場合によっては、Bが式(IX)に記載されたものである、式HN-B-NH又はHO-B-OHのジオール又はジアミンカップリング剤とを反応させることにより得ることができる。
2つの試薬、ジイソシアナートとカップリング剤との間の化学量論的割合に従えば、Yは、dが0に等しいか、又はdが1ないし5に等しい、式(IX)のものであってよい。
【0061】
式(II)又は(III)のポリアミドシリコーン類のケースとしては、異なる長さ及び構造を有する部分、特にシリコーン単位の数によりその長さが異なる部分を含むポリウレタン又はポリ尿素シリコーン類を、本発明において使用することができる。このケースにおいて、コポリマーは、例えば次の式:
【化32】

[上式中、R、R、R、R、X、Y及びUは式(VIII)において記載されたものであり、m、m、n及びpは式(V)において記載されたものである]
に相当するものであってよい。
【0062】
また分枝状のポリウレタン又はポリ尿素シリコーン類は、ジイソシアナートOCN-Y-NCOの代わりに、次の式:
【化33】

のトリイソシアナートを使用することにより得ることもできる。
【0063】
水素相互作用を確立可能な基を有するオルガノシロキサン鎖を含有する分枝状部を含むポリウレタン又はポリ尿素シリコーンは、このようにして得られる。このようなポリマーは、例えば次の式:
【化34】

[上式中、X及びXは同一又は異なっており、式(I)においてXとして付与された意味を有し、nは式(I)に記載したものであり、Y及びTは式(I)に記載したものであり、R11ないしR18はRないしRと同一の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である]
に相当する部分を含む。
【0064】
ポリアミド類のケースにおいて、このコポリマーは、分枝状化することなくポリウレタンシリコーン部分を含むことができる。
【0065】
この本発明の第2の実施態様において、好ましいシロキサンベースのポリ尿素類及びポリウレタン類は:
− mが15〜50である、式(VIII)のポリマー;
− 少なくとも一のポリマーが15〜50の範囲のm値を有し、少なくとも一のポリマーが30〜50の範囲のm値を有する、二又はそれ以上のポリマーの混合物;
− 15〜50の範囲から選択されるmと、30〜500の範囲から選択されるmを有し、mに相当する部分がポリマーの全重量に対して1重量%〜99重量%を表し、mに相当する部分がポリマーの全重量に対して1重量%〜99重量%を表す、式(XII)のポリマー;
− 1)nが2〜10、特に3〜6に等しい80重量%〜99重量%のポリマーと、
2)nが5〜500、特に6〜100の範囲にある1重量%〜20重量%のポリマー、
とを組合せた、式(VIII)のポリマーの混合物;
− 少なくとも一の基Yが少なくとも一のヒドロキシル置換基を有している、式(VIII)の二つの部分を含むコポリマー;
− 二酸の代わりに、活性化二酸(二酸塩化物、二無水物又はジエステル)の少なくとも一部分を用いて合成された式(VIII)のポリマー;
− Xが-(CH)-又は-(CH)10を表す式(VIII)のポリマー;及び
− ステアリルアルコール、ステアリン酸、オクタノール、オクチルアミン等の脂肪アミン類、脂肪アルコール、脂肪酸を含む一官能性アルコール、一官能性酸、一官能性アミン類からなる群から選択される一官能性鎖で終結している、式(VIII)のポリマー;
である。
【0066】
ポリアミド類のケースにおいて、ポリウレタン又はポリ尿素シリコーンと、炭化水素ベースのポリウレタン又はポリ尿素のコポリマーは、ポリエステル、ポリエーテル又はポリオレフィン等の、非シリコーン性のα,ω-二官能性ブロックの存在下で、ポリマーを合成させる反応を実施することにより、本発明で使用され得る。
【0067】
先に示したように、本発明のホモポリマー又はコポリマーからなる構造化剤は、ポリマーの主鎖にシロキサン部分、及びポリマーの主鎖又はその末端、もしくは主鎖の側鎖又は分枝状部において、水素相互作用を確立可能な基を有してよい。これは、次の5つの配列:
【化35】

[上式中、連続線はシロキサンポリマーの主鎖であり、四角は水素相互作用を確立可能な基を表す]
に相当し得る。
【0068】
ケース(1)において、水素相互作用を確立可能な基は主鎖の末端に配列している。
ケース(2)において、水素相互作用を確立可能な二つの基は主鎖の末端にそれぞれ配列している。
ケース(3)において、水素相互作用を確立可能な基は、繰り返し部分において主鎖の内部に配列している。
ケース(4)及び(5)において、これらは、水素相互作用を確立可能な基を有さない部分と共重合する部分の第1列部分の主鎖の分枝状部に、水素相互作用を確立可能な基が配列しているコポリマーである。n、x及びy値は、ポリマーが、シリコーン油をベースとする脂肪相のゲル化剤として所望の特性を有するような値である。
【0069】
本発明において、少なくとも一のシリコーン油を含有する液状脂肪相の構造化は、疎水性表面を有する固体状粒子と組合せて、上述した一又は複数のポリマーにより得られる。
使用され得るポリマーの例としては、公報米国特許第5981680号の実施例1及び2に従い得られるシリコーンポリアミド類を挙げることができる。
【0070】
本発明の組成物の少なくとも一の構造化ポリマーは、50℃を超える、特に65℃〜190℃で、例えば150℃未満、さらに70℃〜130℃、またさらには80℃〜105℃の軟化点を有してよい。この軟化点は、当該技術で使用されている構造化ポリマーより低く、本発明の少なくとも一の構造化ポリマーの使用が容易になり、液状脂肪相の劣化が制限される。これらのポリマーは、非ロウ質ポリマーであってよい。
軟化点は、5〜10℃/分の温度上昇を伴う、「示差走査熱量測定法」(すなわちDSC法)といった、よく知られている方法により測定することができる。
【0071】
少なくとも一の構造化ポリマーはシリコーン油において良好な溶解性を有し、肉眼で均質に見える組成物が生成される。それらは、好ましくは500〜200000、例えば1000〜100000、好ましくは2000〜30000の平均分子量を有する。
【0072】
さらに本発明の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のための手入れ用、トリートメント用又はメークアップ用組成物に関する。
またさらに本発明の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、(ii)少なくとも一のシリコーンガム、及び少なくとも一の着色剤を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性(融和性)を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及び短鎖エステルが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のための手入れ用又はメークアップ用組成物に関する。
【0073】
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は皮膚、唇又は毛髪の手入れ製品に、少なくとも一の液状脂肪相を含有する組成物を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は唇、皮膚又は毛髪の手入れ製品に関する。
【0074】
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性(融和性)を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している無水組成物を含む、皮膚又はボディの手入れ製品又は脱臭製品に関する。
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している無水組成物を含むリップスティック用組成物に関する。
【0075】
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している無水組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質の手入れ、メークアップ又はトリートメント方法に関する。
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物を、ケラチン繊維、唇又は皮膚に適用することを含む、ケラチン繊維、唇又は皮膚の手入れ、メークアップ又はトリートメント方法に関する。
【0076】
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相で、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成しているものを組成物に含有せしめることを含む、唇、皮膚及びケラチン繊維から選択されるケラチン物質に、非滲出性、光沢及び快適感から選択される少なくとも一の特性を付与する無水組成物の提供方法に関する。
本発明の他の実施態様は、(i)少なくとも一の上述した構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している構造化された組成物を、皮膚、唇又はケラチン繊維に適用することを含む、皮膚、唇又はケラチン繊維のメークアップ又は手入れ方法に関する。
【0077】
スティック等の意図する用途に応じて、組成物の硬度を考慮することができる。組成物の硬度は、例えばグラム重量(gf)で表すことができる。本発明の組成物は、例えば20gf〜2000gf、中でも20gf〜900gf、さらには20gf〜600gfの範囲の硬度を有する。
【0078】
この硬度は2つの方法の一方で測定される。第1の硬度テストは、前記組成物にプローブを挿入し、特に高さ25mm、直径8mmのエボナイト製のシリンダーを具備するテクスチャー分析器(例えばレオ社(Rheo)のTA-XT2)を使用する方法に従う。硬度測定は20℃で、前記組成物の5サンプルの中心で実施される。シリンダーを2mm/sの前速度、次いで0.5mm/sの速度、最後に2mm/sの後速度、全置換量が1mmで、組成物の各サンプルに挿入する。記録された硬度値は観察された最大ピークになる。測定誤差は±50gfである。
第2の硬度テストは、スティック状組成物の直径を8.1mm、好ましくは12.7mm切断し、インデルコ−シャティヨン社(Indelco-Chatillon Co.)のDFGHS2張力測定器を使用し、速度100mm/分、20℃で硬度を測定することを含む、「チーズワイヤー」法である。この方法の硬度値は、上述した条件でスティックを切断するために要した剪断力を、グラムで表したものである。この方法によった場合、スティック形態をした本発明の組成物の硬度は、例えば30gf〜300gf、中でも30gf〜250gf、さらには30gf〜200gfの範囲にある。
本発明の組成物の硬度は、組成物が自己支持性を有し、容易に崩壊して、ケラチン物質に満足のいく付着物を形成できるような値であってよい。また、これらの硬度により、例えばスティック状又は皿状の形態に鋳型成形又は成形された本発明の組成物に、良好な衝撃強度を付与することができる。
【0079】
当業者であれば、所望の硬度及び考慮される用途に基づき、上述した概略の硬度テストの少なくとも一方を使用し、組成物を評価して選択するであろう。意図する用途を考慮して、これらの硬度テストの少なくとも一方から許容可能な硬度が得られるならば、組成物は本発明の範疇に入る。
明らかなように、本発明の組成物の硬度は、組成物が有利には自己支持性を有し、容易に崩壊して、皮膚及び/又は唇及び/又は体表面の成長部、例えばケラチン繊維に満足のいく付着物を形成できるようになされる。さらにこれらの硬度により、本発明の組成物は良好な衝撃強度を有する。
本発明のスティック形態の組成物は、変形可能で可撓性のある弾性的固体の性質を有しており、適用する際に、顕著に弾性的な柔軟性を付与する。従来技術のスティック形態の組成物はこのような弾力性や可撓性を有していなかった。
【0080】
液状脂肪相
本発明の目的において、「液状脂肪相」なる表現は、油とも称される、室温で液状の一又は複数の脂肪物質で、一般的に互いに融和性がある、すなわち肉眼で均質な相を形成するものからなり、室温(25℃)、大気圧(760mmHg、すなわち101kPa)で液状である脂肪相を意味する。「液状脂肪物質」なる表現は、全ての割合で水と不混和性である非水性の液状媒体を意味し、例えば、場合によってはエーテル、エステル、アミン、酸、カルバマート、尿素、チオール及びヒドロキシル基から選択される少なくとも一の官能基、及びN、O、S及びPから選択されるヘテロ原子を有することもでき、少なくとも5の炭素原子を有するフッ化炭化水素又は過フッ化炭化水素等のフルオロ又はペルフルオロ化合物;又はフルオロ、ペルフルオロ、(ポリ)アミノ酸、エーテル、ヒドロキシル、アミン、酸及びエステル基から選択される基で置換されていてもよい鎖を、末端又はペンダントして炭素鎖に有していてもよいシリコーン化合物、カルボン酸、ヒドロキシル、ポリオール、アミン、アミド、リン酸、ホスファート、エステル、エーテル、尿素、カルバマート、チオール、チオエーテル及びチオエステルから選択される少なくとも一の極性基を有することが可能で、少なくとも5の炭素原子をそれぞれ有する一又は複数の炭素鎖を有する炭化水素ベースの化合物である。
【0081】
一実施態様において、少なくとも一の液体は、構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有する少なくとも一の油を含有し得る。少なくとも一の油は、例えば、室温で油性の液体、及び炭化水素ベースの液状油を含む、無極性油及び極性油から選択される。一実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも一の構造化ポリマー、少なくとも一のシリコーンガム、及び少なくとも一の無極性油を含有する。本発明の無極性油は、例えば極性油に添加されてもよく、無極性油は、特に極性油の共溶媒として作用する。
【0082】
組成物の液状脂肪相は、例えば構造化ポリマーの単位に類似した基を有する液状油(類)を、30%を越えて、例えば40%を越えて、さらには50%〜100%含有し得る。一実施態様においては、シリコーン-ポリアミド型骨格を有する構造化された液状脂肪相は、多量、すなわち液状脂肪相の全重量に対して30%を越えて、例えば40%を越えて、又は50%〜100%の少なくとも一の無極性油、例えば炭化水素ベース油、シリコーン油又はそれらの混合物を含有している。本発明の目的において、「炭化水素ベース油」なる表現は、本質的に炭素と水素原子とを含み、場合によってはヒドロキシル、エステル、カルボキシル及びエーテル基から選択される少なくとも一の基を有する油を意味する。
部分的にシリコーンベースの骨格を有するポリマーで構造化された液状脂肪相において、この脂肪相は、液状脂肪相の全重量に対して30%を越えて、例えば40%を越えて、さらには液状脂肪相の全重量に対して50%〜100%の少なくとも一のシリコーンベースの液状油を含有し得る。
【0083】
例えば、本発明において有用な少なくとも一の極性油は次のものから選択することができる:
− グリセロールの脂肪酸エステルを含有するトリグリセリド類が高含有量の炭化水素ベースの植物性油であって、脂肪酸がC〜C24と種々の長さの鎖を有し、これらの鎖が直鎖状及び分枝状で、飽和及び不飽和の鎖から選択することができるもの;これらの油は、例えば小麦胚芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、カリテバター、ヒマシ油、スイートアーモンド油、マカダミア油、アプリコット油、大豆油、綿油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ゴマ油、マロー油、菜種油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、グレープシード油、クロフサスグリの種油、マツヨイグサ油、穀類油、大麦油、キノア油、オリーブ油、ライ麦油、ベニバナ油、ククイノキ油、トケイソウ油及びマスクローズ油;また、あるいはカプリル/カプリン酸のトリグリセリド類、例えばステアリネリーズ・デュボイス社(Stearineries Dubois)社から販売されているもの、又はダイナミットノーベル社(Dynamit Nobel)からミグリオール(Miglyol)810、812及び818の名称で販売されているものから選択することができる;
− 10〜40の炭素原子を有する合成エーテル;
− C〜C26脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール;及び
− C〜C26脂肪酸、例えばオレイン酸、リノレン酸又はリノール酸。
【0084】
本発明の少なくとも一の無極性油は、例えば、室温で液状の揮発性及び非揮発性、直鎖状及び環状のポリジメチルシロキサン(PDMS)から選択されるシリコーン油;アルキル又はアルコキシ基がシリコーン鎖に垂下して及び/又はその末端に存在して含有されるポリジメチルシロキサン類で、該基がそれぞれ2〜24の炭素原子を有するもの、フェニルシリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン類、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリカート類;合成及び鉱物性由来で、直鎖状及び分枝状、揮発性及び非揮発性の炭化水素から選択される炭化水素、例えば、揮発性の流動パラフィン(例えばイソパラフィン類及びイソドデカン)又は非揮発性の流動パラフィン及びその誘導体、流動ペトロラタム、流動ラノリン、ポリデセン類、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(Parleam)(登録商標)及びスクワラン;及びその混合物から選択される。一実施態様において、構造化油は、無極性油、例えば炭化水素、中でもアルカン類、例えばパーリーム(登録商標)油、イソドデカンを含むイソパラフィン、及びスクワラン、及びそれらの混合物から選択され、合成及び鉱物由来のものから選択される炭化水素油又は油の混合物であってよい。
一実施態様において、液状脂肪相は、一又は複数のシリコーン油、特にフェニルシリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン類を含有する。
一実施態様において、液状脂肪相は、例えば鉱物、植物及び合成由来の炭化水素ベース油、合成エステル又はエーテル、シリコーン油及びそれらの混合物から選択される少なくとも一の非揮発性油を含有する。
【0085】
実際、全ての液状脂肪相は、組成物の全重量に対して、例えば1重量%〜99重量%、さらには5重量%〜99重量%、5重量%〜95.5重量%、10重量%〜80重量%、及び20重量%〜75重量%の範囲の量で存在可能である。
【0086】
本発明の目的において、「揮発性溶媒又は油」なる表現は、室温、大気圧で、皮膚又は唇と接触して1時間未満に蒸発可能な任意の非水性媒体を意味する。本発明の揮発性溶媒(類)は有機溶媒、例えば室温で液状であり、室温、大気圧で0ではない蒸気圧、特に10−2〜300mmHg(1.33〜40000Pa)の範囲、例えば0.03mmHg(4Pa)を越える、さらには0.3mmHg(40Pa)を越える蒸気圧を有する揮発性化粧品用油である。「非揮発性油」なる表現は、室温、大気圧で、皮膚又は唇上に少なくとも数時間、そのまま残る油、例えば10−2mmHg(1.33Pa)未満の蒸気圧を有するものを意味する。
【0087】
本発明において、これらの揮発性溶媒は、皮膚、唇又は体表面の成長部、例えば爪及びケラチン繊維における組成物の保持力又は長時間にわたる帯着特性を助長する。溶媒は、炭化水素ベースの溶媒、シリコーン鎖に垂下して又はその末端にアルキル又はアルコキシ基を有していてもよいシリコーン溶媒、及びこれらの溶媒の混合物から選択することができる。
一実施態様において、揮発性油(類)は、組成物の全重量に対して0%〜95.5%、例えば2%〜75%、又は10%〜45%の範囲の量で存在可能である。この量は、所望する保持力又は長時間にわたる帯着特性に応じて、当業者により適切なものとされる。
【0088】
本発明の組成物の少なくとも一の液状脂肪相は、脂質小胞体の分散液をさらに含有してよい。本発明の組成物は、例えば流動的な無水ゲル、堅牢な無水ゲル、流動的な単純エマルション、流動的な多相エマルション、堅牢な単相エマルション又は堅牢な多相エマルションの形態であってもよい。単相エマルション又は多相エマルションは、分散した脂質小胞体を含有していてもよい水相、又は分散した脂質小胞体を含有していてもよい脂肪相から選択される連続相を含有していてもよい。一実施態様において、組成物は連続した油相又は脂肪相を含有しており、特に、例えばスティック又は皿状の形態の無水組成物である。無水組成物は、10重量%未満、例えば5重量%未満の水分を含有する。
【0089】
シリコーンガム
本発明の目的において、シリコーンガムとは、2500cStを超える粘度を有し、シロキサンの繰り返し単位を有するポリマー性シリコーンを意味する。これらのシリコーン類は、ポリジオルガノシロキサン類としても公知であり、次の式:
【化36】

に相当するものである。
この式において、末端Siはメチル以外とすることができ、またメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、アミル、ヘキシル、ビニル、アリル、シクロヘキシル、フェニル、フルオロアルキル、及びそれらの混合物から選択され、直鎖状、分枝状及び/又は官能化されていてもよい、R基が1〜6の炭素原子のアルキルであるような、繰り返しSiにおける置換を表してもよい。本発明で使用されるシリコーンガムは、式R'のトリオルガノシリル基で終結していてもよく、ここでR'は1〜6の炭素原子を有する一価の炭化水素基、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びそれらの混合物である。本発明で使用されるシリコーンガムは、構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、液状脂肪相、ポリマー及びシリコーンガムは生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0090】
特に好ましい流動性ジオルガノポリシロキサンポリマーは、ここでPDMSと称されるポリ(ジメチルシロキサン)である。またシリコーンガムの混合物、例えばジメチコーンとジメチコノールとの混合物である、商業的に入手可能なDC1503も有用である。他の有用なシリコーンガムは、DC1428フルイド(ダウ・コーニング社)、及びその内容が参照としてここに取り込まれる、米国特許第4574082号に記載のシリコーンガムである。
【0091】
付加的な添加剤
短鎖エステル
本発明において、エステルは、モノエステル、ジエステル又はポリエステルであってよい。これらのエステルは直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和であってよい。これらのエステルは、好ましくは分枝状で飽和したものであるべきである。またそれらは脂肪族又は芳香族であってよい。
これらのエステルは、6〜25の炭素原子、特に14〜22の炭素原子を有していてよい。それらは、2〜18の炭素原子を有する酸エステル、特に2〜20の炭素原子を有するアルコールエステル、又は2〜8の炭素原子を有するポリオール類、又はエステルが揮発せず、皮膚に浸透するように、炭素原子の数が10より多いという条件でそれらの混合物から選択され得る。
【0092】
特に、これらのエステルは、Rが1〜29の炭素原子を有する脂肪酸残基を表し、R'が2〜30の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖を表し、エステルが揮発せず、皮膚に浸透するように、R'の炭素原子数が10より多いという条件で、式RCOOR'に相当する炭化水素ベースのエステルである。
エステルは、次の:
− ネオペンタン酸エステル、例えばネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、
− イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソステアリル、イソノナン酸エチルヘキシル、
− イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル又はイソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、
− アルキル又はポリアルキルのオクタノアート類、デカノアート類又はリシノレアート類、例えばオクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、
− ポリアルキレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールジヘプタノアート類、ヘキサノアート-2-ジエチルプロピレングリコール、及びそれらの混合物、
− 安息香酸アルキル、特に12〜15の炭素原子を有する安息香酸アルキル、
− ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル及びリンゴ酸ジイソステアリル、
− ペンタエリトリトールエステル、
を含む非限定的列挙のものから選択され得る。
【0093】
また短鎖エステルの例には、プルセリン油(オクタン酸セトステアリル)、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、ジカプリルエステル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチル、及びイソステアリン酸イソステアリルも含まれる。
イソノナン酸イソノニル及びリンゴ酸ジイソステアリルが、この発明の実施態様において特に適している。
これ又はこれらの炭化水素ベースのエステル(類)は、組成物の全重量に対して5〜90重量%、特に10〜60重量%、さらには20〜50重量%のパーセンテージで、組成物に使用され得る。
短鎖エステルと構造化ポリマーとの間の重量比は、好ましくは1/4〜2/1、さらに好ましくは1/3〜1/1である。
【0094】
短鎖エステルに類似した化粧品特性を付与する付加的な成分は、
J-O-K
としても表され得る短鎖エーテルであり、ここでJ及びKは同一又は異なっており、1〜40の炭素原子、好ましくは7〜19の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、可能であれば一又は複数の二重結合を含むものを表す。このようなエーテルの例には、ジカプリルエーテルが含まれる。
【0095】
結晶性シリコーン化合物
本発明で使用され得る付加的な成分には、結晶性シリコーン化合物が含まれる。結晶性シリコーン化合物は、室温で固体状でその分子中にシリコーンを含有し、結晶特性を有する化合物である。この化合物又はこの種類の化合物は、液状脂肪相及び構造化剤と融和性がある。
結晶性シリコーン化合物は、次の式:
【化37】

に相当するアルキルシロキサンロウのクラスに属する。これは、RSiO[(CH)SiO](RCHSiO)SiRとも書くことができ、ここで、Rはアルキル鎖であり、xは0であってよい。置換基Rは、1と同程度に少ないか、又はシリコーン化合物が室温で結晶化するように、50又はそれ以上であってもよい。
【0096】
結晶性シリコーン化合物の例には、限定されるものではないが、C20-C24アルキルメチコーン、C24-28アルキルジメチコーン、C20-24アルキルジメチコーン、C24-28アルキルジメチコーンであり、シルケア(SilCare)41M40、シルケア41M50、シルケア41M70及びシルケア41M80の名称で、アーチミカ・ファイン・ケミカルズ(Archimica Fine Chemicals)、ゲーンズビル、FLから商業的に入手可能なものが含まれる。アーチミカ社からシルケア41M65として、又はダウ・コーニング社、ミッドランド、ミシガンからDC-2503として入手可能なステアリルジメチコーンもしかりである。同様に、シルケア1M71又はDC-580として販売されているステアロキシトリメチルシランを、この発明の実施態様において使用してもよい。さらに、同様に、結晶性化合物はアビルワックス(ABIL WAX)9810、9800又は2440の名称でデグッサ・ケア・スペシャリティーズ(Degussa Care Specialties)、ホープウェル、VAから、又はベルシル(BelSil)SDM5055の名称で、ワッカー-ケミー(Wacker-Chemie)GmbH、ブルグハウセン、ドイツから、又はシルソフト(Silsoft)の名称で、OSiスペシャリティーズ、グリニッチ、CTから入手可能である。他の結晶性シリコーン化合物には、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric)、フェアフィールド、CTから入手可能なSF-1632、又はGE's SF1642、並びにAMS-C30ロウとして、ダウ・コーニング社から入手可能なC30-45アルキルメチコーンが含まれる。
【0097】
付加的な添加剤
また本発明の組成物は、特に分散剤、例えばポリ(2-ヒドロキシステアリン酸)、酸化防止剤、精油、防腐剤、香料、ロウ、媒体に分散する脂溶性ポリマー、フィラー、中和剤、化粧品用及び皮膚科学用の活性剤、例えばエモリエント、保湿剤、ビタミン類、必須脂肪酸、サンスクリーン剤、及びそれらの混合物から選択され、考慮される分野で一般的に使用されている任意の付加的な添加剤をさらに含有していてよい。これらの添加剤は(存在するならば)、組成物の全重量に対して0%〜20%(例えば0.01%〜20%)、さらには0.01%〜10%の割合で、組成物中に存在していてよい。
本発明の組成物は添加剤として、水相増粘剤(aqueous-phase thickener)又はゲル化剤で増粘又はゲル化していてもよい水、及び/又は水に可溶の成分を含有する水相をさらに含有することができる。前記水は、組成物の全重量に対して0.01〜50%、例えば0.5〜30%とすることができる。
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物の有利な特性が、考慮される添加によって悪影響を受けないか、実質的に受けないように注意して、任意の付加的な添加剤及び/又はその量を選択するであろう。
【0098】
本発明の組成物は、ケラチン物質、例えば皮膚、唇及び/又は体表面の成長部の手入れ用組成物、又はティント又は非ティントの皮膚科学用組成物の形態、抗日光用組成物又はボディの衛生用組成物の形態、特に脱臭製品の形態、又はスティック形態をしたメークアップ除去製品の形態にすることができる。それは、皮膚、体表面の成長部又は唇の手入れ用ベース(冷気及び/又は日光及び/又は風から唇を保護するためのリップバルム、又は皮膚、爪又は毛髪の手入れ用クリーム)として使用することもできる。ここで記載するように、脱臭製品は個人的な衛生製品であって、ケラチン繊維を含むケラチン物質の手入れ、メークアップ又はトリートメントには関係ない。
また本発明の組成物は、皮膚を着色するメークアップ製品の形態のもの、例えば手入れ又はトリートメント特性を有していてもよいファンデーション、ほほ紅、フェイスパウダー、アイシャドウ、コンシーラ製品、アイライナー、体のメークアップ製品;唇のメークアップ製品、例えば手入れ又はトリートメント特性を有していてもよいリップスティック;爪、睫毛等の体表面の成長部のメークアップ製品、特にマスカラケーキの形態のもの、又は眉毛及び毛髪用のもの、例えばペンシルの形態のものであってもよい。
【0099】
言うまでもなく、本発明の組成物は化粧品的又は皮膚科学的に許容可能、すなわち無毒で生理学的に許容可能な媒体を含有しており、ヒトの皮膚、体表面の成長部又は唇に適用可能なものである。本発明の目的において、「化粧品的に許容可能な」なる表現は、好ましい外観、匂い、感触及びテイストの組成物を意味する。
有利には組成物は、少なくとも一の化粧品用活性剤及び/又は少なくとも一の皮膚用活性剤、すなわち皮膚、唇又は体の成長部に対して有益な効果を有する薬剤、及び/又は少なくとも一の着色剤を含有する。
【0100】
着色剤
本発明の組成物は、少なくとも一の着色剤をさらに含有していてよい。本発明の着色剤は、化粧品用又は皮膚科学用組成物に通常使用されている脂質親和性染料、親水性染料、顔料、及び真珠光沢顔料(すなわち真珠母)、及びそれらの混合物から選択され得る。この着色剤が存在するならば、それは、組成物の全重量に対して0.01%〜50%、例えば0.5%〜40%、さらには5%〜30%の割合で一般的に存在する。フリー又はコンパクトパウダーの形態の組成物のケースにおいて、媒体に不溶の固体状粒子の形態の着色剤(真珠母及び/又は顔料)の量は、組成物の全重量に対して90%までである。
脂溶性染料は、例えばスーダンレッド(Sudan Red)、D&C Red 17、D&C Green 6、β-カロテン、大豆油、スーダンブラウン(Sudan Brown)、D&C Yellow 11、D&C Violet 2、D&C Orange 5、キノリンイエロー又はアナトーである。それらは組成物の重量に対して0.1%〜20%、例えば0.1%〜6%である(存在するならば)。水溶性染料は、例えばビートルート汁又はメチレンブルーであり、組成物の全重量に対して6%までとすることができる。
【0101】
顔料は、白色又は有色、ゴニオクロマティック(goniochromatic)又はそうではなく、無機物及び/又は有機物で、被覆された又は被覆されていないものであってよい。無機顔料としては、表面処理されていてもよい二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は酸化セリウム、並びに酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルーを挙げることができる。有機顔料としては、カーボンブラック、D&C型の顔料、アルミニウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、コチニールカルミンをベースとしたレーキ類を挙げることができる。前記顔料が存在するならば、それらは、組成物の全重量に対して0.1%〜50%、例えば0.5%〜40%、さらには2%〜30%とすることができる。
真珠光沢顔料は、白色の真珠光沢顔料、例えば、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、有色の真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄を有するチタンマイカ、特にフェリックブルー又は酸化クロムを有するチタンマイカ、上述したタイプの有機顔料を有するチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢顔料から選択され得る。真珠光沢顔料が存在するならば、それらは、組成物の全重量に対して0.1%〜20%、例えば0.1%〜15%とすることができる。
一実施態様において、着色剤は顔料(真珠光沢のあるもの又はないもの)である。
【0102】
ロウ
組成物は、スティック形態の構造化を改善するために、一又は複数のロウを含有してよいが、この堅牢な形態はロウがなくても得ることができる。本発明の目的において、ロウは、室温(25℃)、大気圧(760mmHg、すなわち101KPa)で固体状であり、状態の可逆的な固相/液相変化を被り、40℃を越える、例えば約55℃を越えて200℃までの融点を有し、固体状態で非等方性の結晶組織を有する脂質親和性の脂肪化合物である。結晶の大きさは、組成物を曇らせ、多かれ少なかれ不透明な外観になるように、結晶が光を屈折及び/又は散乱させるような大きさである。ロウはその融点に達することにより油と混和することができ、顕微鏡下に均質な混合物を形成することができるが、混合物での温度を室温まで戻すと、混合物の油中でロウが再結晶する。混合物におけるこの再結晶化が、混合物の光沢低減の原因である。よって、組成物は、有利にはほとんど、又は全くロウを含有せず、特に5%未満のロウしか含有しない。
【0103】
本発明の目的において、ロウは化粧品及び皮膚科学において一般的に使用されているものであり;それらは、例えば天然由来のもの、例えばミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクーリー(ouricury)ロウ、モクロウ、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、パラフィンロウ、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンロウ、ラノリンロウ、モンタンロウ、オゾケライト、及び水素化油、例えば水素化ホホバ油、並びに合成由来のロウ、例えばエチレンの重合により得られたポリエチレンロウ、フィッシャー−トロプッシュ合成法によって得られたロウ、40℃、例えば55℃以上で固体状のグリセリド類及び脂肪酸エステル、シリコーンロウ、例えば40℃、例えば55℃以上で固体状のアルキル-及びアルコキシ-ポリ(ジ)メチルシロキサン及び/又はポリ(ジ)メチルシロキサンエステルである。
本発明において、融点値は5℃又は10℃/分の割合で温度が上昇する、「示差走査熱量測定法」により測定される融解ピークに相当するものである。
【0104】
脂溶性又は分散性ポリマー
また本発明の組成物は、構造化ポリマー及び少なくとも一のレオロジー剤以外の、媒体に分散する又は脂溶性で、皮膜形成特性を有し、例えば500〜1000000、中でも1000〜500000、さらには5000〜100000、特に5000〜20000の平均分子量を有する少なくとも一のポリマーをさらに含有可能である。この少なくとも一の脂溶性ポリマーは、粘度の増加、及び/又は皮膜の保持力の改善に寄与し得る。少なくとも一の脂溶性ポリマーは、30℃以下の軟化点を有する。
本発明で使用可能な脂溶性ポリマーの例として;ポリアルキレン類、特にポリブテン、ポリ(メタ)アクリラート類、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC〜Cアルキル基を有するアルキルセルロース類、例えばエチルセルロース及びプロピルセルロース、脂肪相と融和性のあるシリコーンポリマー、並びにビニルピロリドン(VP)コポリマー、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0105】
ビニルピロリドンコポリマー、C〜C30のコポリマー、例えばC〜C22アルケン、及びそれらを組組合せたものを使用することもできる。本発明で使用可能なVPコポリマーの例としては、VP/酢酸ビニル、VP/メタクリル酸エチル、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン又はVP/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのコポリマーを挙げることができる。
皮膜の保持力だけではなく、感触及びコンシステンシーのために、7000〜7500の平均分子量を有するPVP/ヘキサデセンコポリマー、又は8000〜9000の平均分子量を有するPVP/エイコセンコポリマーを使用することもできる。
本発明の組成物に脂溶性又は分散性ポリマーが存在するならば、それらは、組成物の全重量に対して0.01%〜20%(活性物質として)、例えば1%〜10%の量で使用することができる。
【0106】
本発明の組成物は、化粧品又は皮膚科学で一般的に使用されている公知の方法により製造され得る。それは、ポリマーを少なくともその軟化点で加熱し、シリコーンガム、着色剤(類)及び添加剤(類)をそこに添加し、ついで澄んだ透明な溶液が得られるまで、全てを一緒に混合することを含む方法により製造され得る。温度を下げた後、次に揮発性溶媒(類)を得られた混合物に添加する。ついで、得られた均質な混合物を、リップスティック用鋳型等の適切な鋳型で、又は包装品(特にケース又は皿)において直接成形することができる。
【0107】
本発明の他の態様は、(i)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
− その鎖中に又はグラフト形態で1〜1000のオルガノシロキサン単位からなる少なくとも一のポリオルガノシロキサン基、及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な少なくとも二の基、
を有する少なくとも一の部分を有するポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)からなり、室温で固体状であって、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する、少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油;及び
(ii)少なくとも一のシリコーンガム、
を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、
該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、スティック形態のリップスティック用組成物にある。
【0108】
結晶性シリコーン化合物及び構造化ポリマーにより、ロウが含有されていなくても、30〜300gf、例えば30〜250gf、さらには30〜200gfの範囲の硬度を有する変形可能な弾性的固体の外観の組成物を付与することができる。硬度は上述した「チーズワイヤー」法により測定される。非ロウ質ポリマーは、その骨格が上述したようなヘテロ原子を有する単位を含むポリマーであってもよく、さらに、エステル基を介して骨格に結合するアルキル末端基(類)を含んでいてもよい、ポリアミドであってもよい。
本発明の態様は、上述した組成物、特に化粧品用組成物をケラチン物質に適用することを含む、ヒトのケラチン物質、特に皮膚、唇及び体表面の成長部の手入れ、メークアップ又はトリートメント美容方法にある。
【0109】
また本発明の態様は、滲出がなく、及び/又はケラチン物質に光沢及び/又は快適感がある付着物を作り出すことができ、固体状の組成物、例えばロウを含有しない組成物を得るための、化粧品用組成物、又は生理学的に許容可能な組成物の調製における、
(i)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
− その鎖中に又はグラフト形態で1〜1000のオルガノシロキサン単位からなる少なくとも一のポリオルガノシロキサン基、及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素から選択される、水素相互作用を確立可能な少なくとも二の基、
を有する少なくとも一の部分を有するポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)からなり、室温で固体状であって、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する少なくとも一のポリマー;及び
(ii)少なくとも一のシリコーンガム、
との組合せで、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成しているものにある。
さらに本発明の組成物は、水相増粘剤で増粘していてもよく、又はゲル化剤でゲル化していてもよい水、及び/又は水溶性の成分をさらに含有してよい。
【実施例】
【0110】
次の実施例において、本発明をさらに詳細に例証する。量は重量パーセンテージで付与される。
次の実施例の調製手順は、以下の通りである:
顔料を含有しない組成物:
1.A相を均質になるまで混合し、110℃まで加熱;
2.油浴の温度が110℃に達した時に、B相を添加、融解し、相が均質になるまで攪拌する;
3.塊を混合し、放置して90℃-95℃まで冷却;
4.リップスティック用の鋳型にバルクを注ぐ。
顔料を含有する組成物:
1.ディスコンチ(Disconti)ミルにA相(油相)の一部を充填;
2.約65℃〜70℃まで加熱;
3.顔料(C相)を添加。65℃〜70℃で40-45分挽く。分散液に塊体がないことをチェック。これにより着色相が形成;
4.融解ケトルにおいて105℃-110℃まで加熱することにより、ロウ及びポリマー構造化剤(B相)を融解;
5.ミルから着色相を排出;
6.20-30分、残存油相でミルをすすぐ;
7.すすぎ残留物と共に着色相が完成;
8.溶融ケトルに着色相を添加し、103℃-105℃で加熱;
9.均一になるまで20-30分混合;
10.放置して90℃-95℃まで冷却し、リップスティック用の鋳型にバルクを注ぐ。
【0111】
実施例1:唇用組成物
成分のINCI名 成分の商品名 %w/w
A相
水素化ポリイソブテン ポリシンラン(Polysynlane)V 10.00
ポリグリセリル-2-ジイソ デルモール(Dermol)DGDIS 10.00
ステアラート
リンゴ酸ジイソステアリル シェルセモール(Schercemol)DISM 16.00
フェニルトリメチコーン DC556 10.00
イソノナン酸イソノニル ウィックノール(Wickenol)151 19.95
ジメチコーンとジメチコノ DC1503フルイド(Fluid) 10.00
ール
B相
ポリアミドジメチルシロキ 米国特許第5981680号の実 16.00
サン 施例3
C相
顔料 顔料 3.05
マイカ マイカ・マイクロ(Mica Micro)C-3000 2.00
シリカ MSS-500/3H 1.00
マイカ及び二酸化チタン チミロン・スーパー・シルバー 2.00
(Timiron Super Silver)
【0112】
実施例2:唇用組成物
成分のINCI名 成分の商品名 %w/w
A相
ポリグリセリル-2-ジイソ デルモールDGDIS 31.00
ステアラート
ジメチコーン ダウ・コーニング200, 5cSt 14.89
ジメチコーンとジメチコノ DC1403 5.00
ール
安息香酸C12-15アルキル フィンソルブ(Finsolv)TN 9.00
ネオペンタン酸イソドデシル DUB VCI10 10.00
B相
C30-45アルキルジメチコーン SF-1642 10.00
ポリアミドジメチルシロキ 米国特許第5981680号の実 15.00
サン 施例3
C相
顔料 5.11
【0113】
実施例3:リップバルム
成分のINCI名 成分の商品名 %w/w
A相
ポリグリセリル-2-ジイソ デルモールDGDIS 43.0
ステアラート
ジメチコーン ダウ・コーニング200, 5cSt 30.0
C12-15安息香酸アルキル フィンソルブTN 9.00
ジメチコーン DC1423フルイド 4.0
B相
ステアリルジメチコーン DC2503化粧品用ロウ 4.0
ポリアミドジメチルシロキ 米国特許第5981680号の実 10.00
サン 施例3
この組成物は水和され、良好な光沢を付与し、快適な帯着感があり、絹のような感触を有する。
2002年6月10日に出願された米国特許第10/166760号及び米国特許第10/166755号の開示は、参照としてここに導入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
− その鎖中に又はグラフト形態で1〜1000のオルガノシロキサン単位からなる少なくとも一のポリオルガノシロキサン基、及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な少なくとも二の基、
を有する少なくとも一の部分を有するポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)からなり、25℃で固体状であって、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する、少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油;及び
(ii)少なくとも一のシリコーンガム、
を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、
該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、構造化ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物。
【請求項2】
構造化ポリマーが、次の式:
【化1】

{上式中:
1)R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、
− それらの鎖に一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、フッ素原子で部分的又は全体的に置換可能な、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC40炭化水素ベース基、
− 場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいCないしC10アリール基、
− 一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表し;
2)X基は同一でも異なっていてもよく、その鎖に一又は複数の酸素及び/又は窒素原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状のCないしC30アルキレンジイル基を表し;
3)Yは、一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、及び/又は置換基として次の原子又は原子の基:
フッ素、ヒドロキシル、CないしCシクロアルキル、CないしC40アルキル、CないしC10アリール、フェニルで、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアミノアルキルで置換されていてもよいものの一つ、
を担持可能な、飽和又は不飽和、CないしC50で直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン又はアリールアルキレン基であり;
4)Yは次の式
【化2】

[上式中、
− Tは、場合によってはポリオルガノシロキサン鎖で置換されていてもよく、O、N及びSから選択される一又は複数の原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のCないしC24の三価又は四価の炭化水素ベース基を表すか、又はTはN、P及びAlから選択される三価の原子を表し、
− Rは、ポリマーの他の鎖に結合していてもよい、一又は複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素及び/又はスルホンアミド基を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル基を表す]
に相当する基を表し;
5)G基は同一でも異なっていてもよく、次の式:
【化3】

[上式中、Rは水素原子又は直鎖状又は分枝状のCないしC20アルキル基を表す]
から選択される二価の基を表し:ポリマーのR基の少なくとも50%は水素原子を表す条件で、ポリマーのG基の少なくとも二つは、次の式:
【化4】

以外の基であり;
6)nは2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜700、より好ましくは6〜200の範囲の整数である}
に相当する少なくとも一の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Yが:
a)直鎖状のCないしC20、好ましくはCないしC10アルキレン基、
b)共役していない不飽和及び環を含有可能なC30ないしC56の分枝状アルキレン基、
c)C-Cシクロアルキレン基、
d)場合によっては一又は複数のCないしC40アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
e)1〜5のアミド基を有するCないしC20アルキレン基、
f)ヒドロキシル、CないしCシクロアルカン、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアルキルアミン基から選択される一又は複数の置換基を有するCないしC20アルキレン基、
g)次の式:
【化5】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、及び
h)次の式:
【化6】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
構造化ポリマーが、次の式(II):
【化7】

[上式中、
− R及びRは同一でも異なっていてもよく、式(I)において上述したものであり、
− Rは、R及びRで上述した基を表し、又は式-X-G-Rの基を表し、ここでX及びGは式(I)において上述したものであり、Rは、場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一又は複数のヒドロキシル基及び/又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい、O、S及びNから選択される一又は複数の原子をその鎖内部に含有していてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50炭化水素ベース基、又は水素原子を表し、
− Rは式-X-G-Rの基を表し、ここでX、G及びRは上述したものであり、
は1〜998の範囲の整数であり、
は2〜500の範囲の整数である]
に相当する少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ポリマーが、次の式(III)又は(IV):
【化8】

又は
【化9】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは請求項2に記載したものである]
の少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
X及び/又はYが、少なくとも一の次の要素:
1°)1〜5のアミド、尿素又はカルバマート基、
2°)C又はCシクロアルキル基、及び
3°)− ヒドロキシル基、
− CないしCシクロアルキル基、
− 1ないし3のCないしC40アルキル基、
− 場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、
− CないしCヒドロキシアルキル基、及び
− CないしCアミノアルキル基、
からなる群から選択される少なくとも一の要素で置換されていてもよく、及び/又は場合によっては、同一又は異なっている1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
をアルキレン部分に有するアルキレン基を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
Yが次の式:
【化10】

[上式中、Rはポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tが次の式:
【化11】

(上式中、a、b及びcは独立して、1〜10の範囲の整数であり、R10は水素原子又は請求項2においてR、R、R及びRで記載されたもの等の基である)
の基を表す]
を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
、R、R及びRが独立して、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキル基、好ましくはCH、C、n-C又はイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又はフェニル基で、場合によっては1ないし3のメチル又はエチル基で置換されていてもよいものを表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
構造化ポリマーが、次の式:
【化12】

[上式中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、請求項2において、Xにて付与された意味を有し、n、Y及びTは請求項2で記載されたものであり、R11ないしR18は、請求項2のRないしRと同様の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である]の少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
− pが1〜25、好ましくは1〜7の範囲であり、
− R11ないしR18がメチル基であり、
− Tが次の式:
【化13】

[上式中、R19は水素原子、又はRないしRと定めた基から選択される基であり、R20、R21及びR22は独立して、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、好ましくは次の式:
【化14】

(特にR20、R21及びR22は-CH-CH-を表す)
に相当するものである]
の一つに相当し、
− m及びmが15〜500、好ましくは15〜45の範囲であり、
− X及びXが-(CH)10-を表し、さらに
− Yが-CH-を表す、
請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ポリマーが、次の式:
【化15】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは、請求項2に記載の式(I)にて上述で付与された意味を有し、Uは-O-又は-NH-を表し、次の式:
【化16】

のウレタン又は尿素基に相当するようになされる]
に相当する少なくとも一の部分を含み、又は
Yは、4,4'-ビフェニレンメタン、p-フェニレン、1,5-ナフチレン、2,4-及び2,6-トルイレン類、イソホロンジイソシアナートから誘導される基、メチレン-4,4-ビスシクロヘキシル基から選択される基等の、場合によってはCないしC15アルキル基、又はCないしC10アリール基で置換されていてもよいCないしC12脂環式又は芳香族基を表し;又は
Yは直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基又はCないしC12シクロアルキレン基を表し、又は
Yは、次の式:
【化17】

[上式中、Bは、Yにおいて上述にて付与された基から選択される基であり、Uは-O-又は-NH-であり、Bは:
中和可能な又は第4級化可能な第3級アミン基、カルボン酸又はスルホン酸基等の、イオン化可能な基を場合によっては担持することができる、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基、
シクロヘキサンジメタノール;ジオール基等のアルキレン、又は1ないし3のメチル又はエチル基等のアルキル置換基を場合によっては担持していてもよいCないしC12シクロアルキレン基、
ないしCのアルキル置換基を場合によっては担持していてもよいフェニレン基、及び
次の式:
【化18】

[上式中、Tは、酸素、硫黄及び窒素等の一又は複数のヘテロ原子を含有可能な三価の炭化水素ベース基であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル鎖である]
の基、
から選択される]
に相当する、ジオール又はジアミン型の一又は複数のカップリング剤と、いくつかのジイソシアナート分子との縮合物に相当する、ポリウレタン又はポリ尿素ブロックを表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマーが、次の式:
【化19】

[上式中、R、R、R、m及びmは、式(I)において上述にて付与された意味を有し、
− UはO又はNHを表し、
− R23は、フェニレン基、又はO及びNから選択される一又は複数のヘテロ原子を含有していてもよいCないしC40アルキレン基を表し、
− R24は、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50アルキル基から選択される]
の少なくとも一の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
構造化ポリマーが、次の式:
【化20】

[上式中、X及びXは同一又は異なっており、請求項10においてXとして付与された意味を有し、n、Y及びTは請求項10に記載したものであり、R11ないしR18は、請求項10のRないしRと同一の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である]
の少なくとも一の部分を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
構造化ポリマーが、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な二の基を有する炭化水素ベース部分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
構造化ポリマーが、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な二の基を有する炭化水素ベース部分をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも一の構造化ポリマーが、組成物の全重量に対して0.5%〜80%、好ましくは2%〜60%、より好ましくは5%〜40%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、50℃を超える軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、150℃未満の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、70℃〜130℃の範囲の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、500〜200000、好ましくは1000〜100000、さらに好ましくは2000〜30000の範囲の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が30〜300gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が30〜200gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
組成物の少なくとも一の液状脂肪相が、少なくとも一の構造化ポリマーとの親和性を有する少なくとも一の無極性油及び少なくとも一の極性油から選択される少なくとも一の油を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも一の極性油が、
− グリセロールの脂肪酸エステルを含有するトリグリセリド類が高含有量の炭化水素ベースの植物性油であって、脂肪酸が4〜24の炭素原子を有する鎖を含み、該鎖が直鎖状及び分枝状で、飽和及び不飽和の鎖から選択され得るもの;
− Rが1〜40の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rが1〜40の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖から選択され、但しR+R≧10である、式RCOORの合成油又はエステル;
− 10〜40の炭素原子を有する合成エーテル;
− C〜C26脂肪アルコール;及び
− C〜C26脂肪酸;
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも一の無極性油が:
− 室温で液状の揮発性及び非揮発性、直鎖状及び環状のポリジメチルシロキサン類から選択されるシリコーン油;
− フェニルシリコーン類、特にフェニルトリメチコーン;及び合成及び鉱物性由来で、直鎖状及び分枝状、揮発性及び非揮発性の炭化水素から選択される炭化水素;
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、組成物の全重量に対して1重量%〜99重量%の範囲の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、組成物の全重量に対して10重量%〜80重量%の範囲の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、炭化水素ベース溶媒及びシリコーン溶媒から選択される、少なくとも一の揮発性溶媒を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも一のシリコーンガムが、ポリ(ジメチルシロキサン)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
が1〜18の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rが、例えば、1〜18の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖から選択される、式RCOORのものから選択される少なくとも一の短鎖エステルをさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記少なくとも一の短鎖エステルが、ネオペンタン酸イソデシル、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリルエステル、イソノナン酸イソノニル、及びそれらの混合物から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも一の結晶性シリコーン化合物をさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記少なくとも一の結晶性シリコーン化合物が、組成物の全重量に対して0.05重量%〜35重量%の範囲の量で存在している、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
酸化防止剤、精油、防腐剤、香料、フィラー、ロウ、中和剤、ガム、媒体に分散する脂溶性ポリマー、化粧品用及び皮膚科学用の活性剤、分散剤、及び水相増粘剤又はゲル化剤で増粘又はゲル化していてもよい水、及び場合によっては水混和性化合物を含有する水相から選択される少なくとも一の付加的な添加剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
少なくとも一の着色剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記少なくとも一の着色剤が、脂質親和性染料、親水性染料、顔料、及び真珠母から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
前記少なくとも一の着色剤が、0.01%〜50%の割合で存在している、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が固体状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が、鋳型成形及び流し込み成形されたスティックから選択される固体状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が堅牢なゲルの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が少なくとも一のロウをさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項41】
前記少なくとも一のロウが、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクーリーロウ、モクロウ、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、パラフィンロウ、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンロウ、ラノリンロウ、モンタンロウ、オゾケライト、及び水素化油、ポリエチレンロウ、フィッシャー−トロプッシュ合成法によって得られたロウ、40℃以上で固体状のグリセリド類及び脂肪酸エステルから選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が無水スティックの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項43】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のためのメークアップ用又は手入れ用又はトリートメント用組成物。
【請求項44】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、(ii)少なくとも一のシリコーンガム、及び少なくとも一の着色剤を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のためのメークアップ用又は手入れ用又はトリートメント用組成物。
【請求項45】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は皮膚、唇又は毛髪の手入れ製品に、少なくとも一の液状脂肪相を含有する組成物を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は唇、皮膚又は毛髪の手入れ製品。
【請求項46】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、無水組成物を含むリップスティック用組成物。
【請求項47】
(i)及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している無水組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質を手入れ、メークアップ又はトリートメントする方法。
【請求項48】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物を、ケラチン繊維、唇又は皮膚に適用することを含む、ケラチン繊維、唇又は皮膚を手入れ、メークアップ又はトリートメントする方法。
【請求項49】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相で、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成しているものを組成物に含有せしめることを含む、唇、皮膚及びケラチン繊維から選択されるケラチン物質に、非滲出性、光沢及び快適感から選択される少なくとも一の特性を付与する、無水組成物を提供する方法。
【請求項50】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している構造化された組成物を、皮膚、唇又はケラチン繊維に適用することを含む、皮膚、唇又はケラチン繊維をメークアップ又は手入れする方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
− その鎖中に又はグラフト形態で1〜1000のオルガノシロキサン単位からなる少なくとも一のポリオルガノシロキサン基、及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な少なくとも二の基、
を有する少なくとも一の部分を有するポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)からなり、25℃で固体状であって、25〜250℃の温度で液状脂肪相に溶解する、少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油;及び
(ii)少なくとも一のシリコーンガム、
を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、
該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、構造化ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物。
【請求項2】
構造化ポリマーが、次の式:
【化1】

{上式中:
1)R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、
− それらの鎖に一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、フッ素原子で部分的又は全体的に置換可能な、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC40炭化水素ベース基、
− 場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいCないしC10アリール基、
− 一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表し;
2)X基は同一でも異なっていてもよく、その鎖に一又は複数の酸素及び/又は窒素原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状のCないしC30アルキレンジイル基を表し;
3)Yは、一又は複数の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含有可能で、及び/又は置換基として次の原子又は原子の基:
フッ素、ヒドロキシル、CないしCシクロアルキル、CないしC40アルキル、CないしC10アリール、フェニルで、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアミノアルキルで置換されていてもよいものの一つ、
を担持可能な、飽和又は不飽和、CないしC50で直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン又はアリールアルキレン基であり;
4)Yは次の式
【化2】

[上式中、
− Tは、場合によってはポリオルガノシロキサン鎖で置換されていてもよく、O、N及びSから選択される一又は複数の原子を含有可能な、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のCないしC24の三価又は四価の炭化水素ベース基を表すか、又はTはN、P及びAlから選択される三価の原子を表し、
− Rは、ポリマーの他の鎖に結合していてもよい、一又は複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素及び/又はスルホンアミド基を含有可能なポリオルガノシロキサン鎖、又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル基を表す]
に相当する基を表し;
5)G基は同一でも異なっていてもよく、次の式:
【化3】

[上式中、Rは水素原子又は直鎖状又は分枝状のCないしC20アルキル基を表す]
から選択される二価の基を表し:ポリマーのR基の少なくとも50%は水素原子を表す条件で、ポリマーのG基の少なくとも二つは、次の式:
【化4】

以外の基であり;
6)nは2〜500、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜700、より好ましくは6〜200の範囲の整数である}
に相当する少なくとも一の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Yが:
a)直鎖状のCないしC20、好ましくはCないしC10アルキレン基、
b)共役していない不飽和及び環を含有可能なC30ないしC56の分枝状アルキレン基、
c)C-Cシクロアルキレン基、
d)場合によっては一又は複数のCないしC40アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
e)1〜5のアミド基を有するCないしC20アルキレン基、
f)ヒドロキシル、CないしCシクロアルカン、CないしCヒドロキシアルキル及びCないしCアルキルアミン基から選択される一又は複数の置換基を有するCないしC20アルキレン基、
g)次の式:
【化5】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、及び
h)次の式:
【化6】

[上式中、R、R、R、R、T及びmは上述したものである]
のポリオルガノシロキサン鎖、
から選択される基を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
構造化ポリマーが、次の式(II):
【化7】

[上式中、
− R及びRは同一でも異なっていてもよく、式(I)において上述したものであり、
− Rは、R及びRで上述した基を表し、又は式-X-G-Rの基を表し、ここでX及びGは式(I)において上述したものであり、Rは、場合によっては一又は複数のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一又は複数のヒドロキシル基及び/又は一又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい、O、S及びNから選択される一又は複数の原子をその鎖内部に含有していてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50炭化水素ベース基、又は水素原子を表し、
− Rは式-X-G-Rの基を表し、ここでX、G及びRは上述したものであり、
は1〜998の範囲の整数であり、
は2〜500の範囲の整数である]
に相当する少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ポリマーが、次の式(III)又は(IV):
【化8】

又は
【化9】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは請求項2に記載したものである]
の少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
X及び/又はYが、少なくとも一の次の要素:
1°)1〜5のアミド、尿素又はカルバマート基、
2°)C又はCシクロアルキル基、及び
3°)− ヒドロキシル基、
− CないしCシクロアルキル基、
− 1ないし3のCないしC40アルキル基、
− 場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、
− CないしCヒドロキシアルキル基、及び
− CないしCアミノアルキル基、
からなる群から選択される少なくとも一の要素で置換されていてもよく、及び/又は場合によっては、同一又は異なっている1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、
をアルキレン部分に有するアルキレン基を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
Yが次の式:
【化10】

[上式中、Rはポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tが次の式:
【化11】

(上式中、a、b及びcは独立して、1〜10の範囲の整数であり、R10は水素原子又は請求項2においてR、R、R及びRで記載されたもの等の基である)
の基を表す]
を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
、R、R及びRが独立して、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキル基、好ましくはCH、C、n-C又はイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又はフェニル基で、場合によっては1ないし3のメチル又はエチル基で置換されていてもよいものを表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
構造化ポリマーが、次の式:
【化12】

[上式中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、請求項2において、Xにて付与された意味を有し、n、Y及びTは請求項2で記載されたものであり、R11ないしR18は、請求項2のRないしRと同様の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である]の少なくとも一の部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
− pが1〜25、好ましくは1〜7の範囲であり、
− R11ないしR18がメチル基であり、
− Tが次の式:
【化13】

[上式中、R19は水素原子、又はRないしRと定めた基から選択される基であり、R20、R21及びR22は独立して、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、好ましくは次の式:
【化14】

(特にR20、R21及びR22は-CH-CH-を表す)
に相当するものである]
の一つに相当し、
− m及びmが15〜500、好ましくは15〜45の範囲であり、
− X及びXが-(CH)10-を表し、さらに
− Yが-CH-を表す、
請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ポリマーが、次の式:
【化15】

[上式中、R、R、R、R、X、Y、m及びnは、請求項2に記載の式(I)にて上述で付与された意味を有し、Uは-O-又は-NH-を表し、次の式:
【化16】

のウレタン又は尿素基に相当するようになされる]
に相当する少なくとも一の部分を含み、又は
Yは、4,4'-ビフェニレンメタン、p-フェニレン、1,5-ナフチレン、2,4-及び2,6-トルイレン類、イソホロンジイソシアナートから誘導される基、メチレン-4,4-ビスシクロヘキシル基から選択される基等の、場合によってはCないしC15アルキル基、又はCないしC10アリール基で置換されていてもよいCないしC12脂環式又は芳香族基を表し;又は
Yは直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基又はCないしC12シクロアルキレン基を表し、又は
Yは、次の式:
【化17】

[上式中、Bは、Yにおいて上述にて付与された基から選択される基であり、Uは-O-又は-NH-であり、Bは:
中和可能な又は第4級化可能な第3級アミン基、カルボン酸又はスルホン酸基等の、イオン化可能な基を場合によっては担持することができる、直鎖状又は分枝状のCないしC40アルキレン基、
シクロヘキサンジメタノール;ジオール基等のアルキレン、又は1ないし3のメチル又はエチル基等のアルキル置換基を場合によっては担持していてもよいCないしC12シクロアルキレン基、
ないしCのアルキル置換基を場合によっては担持していてもよいフェニレン基、及び
次の式:
【化18】

[上式中、Tは、酸素、硫黄及び窒素等の一又は複数のヘテロ原子を含有可能な三価の炭化水素ベース基であり、Rはポリオルガノシロキサン鎖又は直鎖状又は分枝状のCないしC50アルキル鎖である]
の基、
から選択される]
に相当する、ジオール又はジアミン型の一又は複数のカップリング剤と、いくつかのジイソシアナート分子との縮合物に相当する、ポリウレタン又はポリ尿素ブロックを表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマーが、次の式:
【化19】

[上式中、R、R、R、m及びmは、式(I)において上述にて付与された意味を有し、
− UはO又はNHを表し、
− R23は、フェニレン基、又はO及びNから選択される一又は複数のヘテロ原子を含有していてもよいCないしC40アルキレン基を表し、
− R24は、場合によっては1ないし3のCないしCアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和のCないしC50アルキル基から選択される]
の少なくとも一の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
構造化ポリマーが、次の式:
【化20】

[上式中、X及びXは同一又は異なっており、請求項10においてXとして付与された意味を有し、n、Y及びTは請求項10に記載したものであり、R11ないしR18は、請求項10のRないしRと同一の基から選択される基であり、m及びmは1〜1000の範囲の数であり、pは2〜500の範囲の整数である]
の少なくとも一の部分を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
構造化ポリマーが、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な二の基を有する炭化水素ベース部分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
構造化ポリマーが、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらを組合せたものから選択される、水素相互作用を確立可能な二の基を有する炭化水素ベース部分をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも一の構造化ポリマーが、組成物の全重量に対して0.5%〜80%、好ましくは2%〜60%、より好ましくは5%〜40%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、50℃を超える軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、150℃未満の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、70℃〜130℃の範囲の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも一の構造化ポリマーが、500〜200000、好ましくは1000〜100000、さらに好ましくは2000〜30000の範囲の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が30〜300gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が30〜200gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
組成物の少なくとも一の液状脂肪相が、少なくとも一の構造化ポリマーとの親和性を有する少なくとも一の無極性油及び少なくとも一の極性油から選択される少なくとも一の油を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも一の極性油が、
− グリセロールの脂肪酸エステルを含有するトリグリセリド類が高含有量の炭化水素ベースの植物性油であって、脂肪酸が4〜24の炭素原子を有する鎖を含み、該鎖が直鎖状及び分枝状で、飽和及び不飽和の鎖から選択され得るもの;
− Rが1〜40の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rが1〜40の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖から選択され、但しR+R≧10である、式RCOORの合成油又はエステル;
− 10〜40の炭素原子を有する合成エーテル;
− C〜C26脂肪アルコール;及び
− C〜C26脂肪酸;
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも一の無極性油が:
− 室温で液状の揮発性及び非揮発性、直鎖状及び環状のポリジメチルシロキサン類から選択されるシリコーン油;
− フェニルシリコーン類、特にフェニルトリメチコーン;及び合成及び鉱物性由来で、直鎖状及び分枝状、揮発性及び非揮発性の炭化水素から選択される炭化水素;
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、組成物の全重量に対して1重量%〜99重量%の範囲の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、組成物の全重量に対して10重量%〜80重量%の範囲の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも一の液状脂肪相が、炭化水素ベース溶媒及びシリコーン溶媒から選択される、少なくとも一の揮発性溶媒を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも一のシリコーンガムが、ポリ(ジメチルシロキサン)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
が1〜18の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rが、例えば、1〜18の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖から選択される、式RCOORのものから選択される少なくとも一の短鎖エステルをさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記少なくとも一の短鎖エステルが、ネオペンタン酸イソデシル、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリルエステル、イソノナン酸イソノニル、及びそれらの混合物から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
少なくとも一の結晶性シリコーン化合物をさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
前記少なくとも一の結晶性シリコーン化合物が、組成物の全重量に対して0.05重量%〜35重量%の範囲の量で存在している、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
酸化防止剤、精油、防腐剤、香料、フィラー、ロウ、中和剤、ガム、媒体に分散する脂溶性ポリマー、化粧品用及び皮膚科学用の活性剤、分散剤、及び水相増粘剤又はゲル化剤で増粘又はゲル化していてもよい水、及び場合によっては水混和性化合物を含有する水相から選択される少なくとも一の付加的な添加剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも一の着色剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
前記少なくとも一の着色剤が、脂質親和性染料、親水性染料、顔料、及び真珠母から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
前記少なくとも一の着色剤が、0.01%〜50%の割合で存在している、請求項35又は36に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が固体状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が、鋳型成形及び流し込み成形されたスティックから選択される固体状である、請求項1に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が堅牢なゲルの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物が少なくとも一のロウをさらに含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項42】
前記少なくとも一のロウが、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクーリーロウ、モクロウ、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、パラフィンロウ、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンロウ、ラノリンロウ、モンタンロウ、オゾケライト、及び水素化油、ポリエチレンロウ、フィッシャー−トロプッシュ合成法によって得られたロウ、40℃以上で固体状のグリセリド類及び脂肪酸エステルから選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が無水スティックの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項44】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のためのメークアップ用又は手入れ用又はトリートメント用組成物。
【請求項45】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、(ii)少なくとも一のシリコーンガム、及び少なくとも一の着色剤を含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している皮膚、唇又はケラチン繊維のためのメークアップ用又は手入れ用又はトリートメント用組成物。
【請求項46】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は皮膚、唇又は毛髪の手入れ製品に、少なくとも一の液状脂肪相を含有する組成物を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、リップスティック、ほほ紅、メークアップ除去製品、ボディのメークアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラ製品、シャンプー、コンディショナー、抗日光製品、又は唇、皮膚又は毛髪の手入れ製品。
【請求項47】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している、無水組成物を含むリップスティック用組成物。
【請求項48】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している無水組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質を手入れ、メークアップ又はトリートメントする方法。
【請求項49】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している組成物を、ケラチン繊維、唇又は皮膚に適用することを含む、ケラチン繊維、唇又は皮膚を手入れ、メークアップ又はトリートメントする方法。
【請求項50】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相で、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成しているものを組成物に含有せしめることを含む、唇、皮膚及びケラチン繊維から選択されるケラチン物質に、非滲出性、光沢及び快適感から選択される少なくとも一の特性を付与する、無水組成物を提供する方法。
【請求項51】
(i)請求項1に記載の少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の油、及び(ii)少なくとも一のシリコーンガムを含む、少なくとも一の液状脂肪相を含有し、該油が、該構造化ポリマー及び/又はシリコーンガムとの親和性を有し、さらに該液状脂肪相、ポリマー、及びシリコーンガムが、生理学的に許容可能な媒体を形成している構造化された組成物を、皮膚、唇又はケラチン繊維に適用することを含む、皮膚、唇又はケラチン繊維をメークアップ又は手入れする方法。

【公表番号】特表2006−513234(P2006−513234A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564707(P2004−564707)
【出願日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/028564
【国際公開番号】WO2004/060331
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】