説明

少なくとも1つの基準に従ってネットワークを選択することによりピア間でデータを伝送する方法、関連する管理装置及び通信装置

【課題】ピア間でピア・ツー・ピアモードでのコンテンツデータの伝送を可能にする。
【解決手段】インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークR1と第2の通信ネットワークR2とに通信装置E1−E4を用いて接続可能なピアP1−P4間で、ピア・ツー・ピアモードでデータを伝送するための方法である。この方法は、第1のピアP1で実行するピア・ツー・ピア形式の通信アプリケーションAが、同じ通信アプリケーションAが実行する少なくとも1つの第2のピアP3にデータを伝送しなければならないときに、伝送を実行するために選択された少なくとも1つの基準に従って第1R1及び第2R2のネットワークのうち1つを選択し、この選択されたネットワークを介して第2のピアP3にピア・ツー・ピアモードでデータを伝送するために選択されたネットワークに、その通信装置E1を介して第1のピアP1を接続することを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置を介して通信ネットワークに接続可能であり、P2Pアプリケーションが実行するピア(装置)間で、ピア・ツー・ピア(又はP2P)モードでコンテンツデータ(場合によってはマルチメディアデータ)を伝送することに関する。
【0002】
本発明は、有線であれ無線であれ、ピアを構成するユーザ装置間でコンテンツデータ(場合によってはマルチメディアデータ)を伝送可能な全ての通信ネットワーク(又はインフラストラクチャ)に関する。従って、これは、有線ネットワーク(中若しくは高ビットレートのデータ伝送回線(例えば、xDSL(x Digital Subscriber Line)形式の回線)を備えたグローバルネットワーク、又はケーブル若しくは光ファイバ等)でもよく、グローバル無線ネットワーク(例えば、移動(又はセルラ)形式のもの、ローカル(又は近接)形式の無線ネットワーク(WLAN(Wireless Local Area Network - IEEE802.11a、WiFi(802.11g)、ETSI Hiperlan/2)、WiMAX(IEEE802.16、ETSI HiperMAN)及びBluetooth標準)でもよい。
【0003】
更に、ここでの‘通信装置’は、少なくとも1つの第1の有線又は無線通信ネットワークに接続可能であり、インターネット(IP(internet Protocol))へのアクセスを提供し、第2の有線又は無線通信ネットワークに接続可能な如何なる形式の装置をも意味する。従って、これは、例えば、場合によってはピア(装置)の一部になる通信ゲートウェイ、レジデンシャルゲートウェイ又はモデムでもよい。
【0004】
更に、ここでの‘ピア装置’は、前述の形式の通信装置及び場合によっては統合された通信装置を介して、他のピア又はネットワーク装置とデータを交換可能な如何なる形式の装置をも意味する。従って、これは、例えば、前述の形式の通信装置を有する時点から又は通信装置に結合された時点から、固定又はポータブルコンピュータ、固定又は移動(若しくはセルラ)電話、パーソナルデジタルアシスタント(又はPDA、‘pocket PC’を含む)、コンテンツ受信機(例えば、デコーダ、レジデンシャルゲートウェイ又はSTB(セットトップボックス)等)でもよい。
【0005】
最後に、ここでの‘コンテンツ’は、テレビ、ビデオ、オーディオ(ラジオ又は音楽)、ゲーム、マルチメディアプログラム、コンピュータファイル(又はデータ)又はメッセージ(例えば、複数のピアに分散されたアプリケーションの実行を可能にする制御又はデータメッセージ)を規定する一式のデータを意味する。
【背景技術】
【0006】
或るP2Pネットワークは、(通信装置を介して)インターネットに接続されたピアで構成される。これらのピア間でのデータ(コンテンツ)伝送は、インターネットにアクセスを提供する少なくとも1つの通信ネットワーク(例えば、ADSLネットワーク等)を介して実行される。
【0007】
当業者にわかるように、一般的に、上りリンクと呼ばれるリンクで少なくとも1つの他のピアにデータを伝送するためにピアにとって利用可能な帯域は、下りリンクと呼ばれるリンクで他のピアからデータを受信するために同じピアにとって利用可能な帯域より特に小さい。この技術的制約のため、また、P2Pネットワークでは各ピアがサーバ及びクライアントの双方として動作し得ることを考慮して、P2Pネットワークの性能は、特に交換データレートの点で、上りリンクについてピアにとって利用可能な帯域に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、或るP2Pアプリケーション(例えば、ビデオストリームのブロードキャスト等)(コンテンツが予め記録されて完全に利用可能であるビデオオンデマンド(又はVoD)、コンテンツが非常に低いトラヒックの期間中に予め伝送されるプッシュ・ツー・ピア(push-to-peer)ブロードキャスト、コンテンツが生成されるとすぐに生でブロードキャストされるライブストリーミングを含む)は、クライアントピアの下りリンクの容量ではなく、サーバピアの上りリンクの容量により制限される。
【0009】
従って、本発明の目的は、この状況を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本発明は、まず、少なくともインターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとに通信装置(例えば、モデム等)を用いて接続可能なピア間で、ピア・ツー・ピアモードでデータを伝送するための方法を提案する。
【0011】
この方法は、第1のピアで実行するピア・ツー・ピア形式の通信アプリケーションが、同じ通信アプリケーションが実行する少なくとも1つの第2のピアにデータを伝送しなければならないときに、伝送を実行するために選択された少なくとも1つの基準に従って第1及び第2のネットワークのうち1つを選択し、この選択されたネットワークを介して第2のピアにピア・ツー・ピアモードで通信アプリケーションのデータを伝送するために選択されたネットワークに、その通信装置を介して第1のピアを接続することを有するという事実を特徴とする。
【0012】
本発明による方法は、個別に又は組み合わせて取り込まれ得る他の特徴を有してもよく、特に、通信ネットワークは、最高の利用可能な帯域と、ネットワークを利用可能にする必要性と、飽和確率(saturation probability)と、待ち時間と、ネットワークオペレータの伝送コストとを少なくとも有するグループで選択された少なくとも1つの基準に従って選択されてもよい。
【0013】
ピアの通信アプリケーションのデータを伝送するためのネットワークを選択した後に、この通信アプリケーションが実行し、ピアが第1のネットワーク及び/又は第2のネットワークを介して通信できるピア識別子のリストにおいて、データの受信ピアが選択されたネットワークを介して到達可能であるか否かが決定され、そうである場合、データは選択されたネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで伝送され、そうでない場合、データは第1の通信ネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで自動的に伝送される。
【0014】
ピアの識別子のリストは、第2のネットワークを介して他のピアに問い合わせることにより、及び/又は他のピア及び/又はサービスサーバから生じた情報を受信することにより、及び/又は第2のネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を分析(傍受)することにより、構成されてもよい。
【0015】
ピア毎に、プライベートIPネットワークは、識別子が識別子のリストに属し、少なくとも1つの通信アプリケーションが実行するピアで、第2のネットワーク内で(ルーティング不可能なアドレス(non-routable address)で)構成されてもよい。
【0016】
本発明はまた、ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションが実行する少なくとも1つのピアの通信装置により、ピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送を管理するための装置を提案し、この装置は、インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークへの接続に適合した少なくとも1つの第1の通信モジュールと、第2の通信ネットワークへの接続に適合した第2の通信モジュールとを有する。
【0017】
この装置は、ピアの通信アプリケーションが、同じ通信アプリケーションが実行する少なくとも1つの他のピアにデータを伝送しなければならないときに、伝送を実行するために、少なくとも1つの選択された基準に従って第1及び第2のネットワークのうち1つを選択し、他のピアにピア・ツー・ピアモードで伝送するために、選択された通信ネットワークに接続できる通信モジュールに伝送される通信アプリケーションのデータを通信する役目をする第1の管理手段を有するという事実を特徴とする。
【0018】
本発明による装置は、個別に又は組み合わせて取り込まれ得る他の特徴を有してもよく、特に、第1の管理手段は、最高の利用可能な帯域と、ネットワークを利用可能にする必要性と、飽和確率(saturation probability)と、待ち時間と、ネットワークオペレータの伝送コストとを少なくとも有するグループで選択された少なくとも1つの基準に従って通信ネットワークを選択してもよい。
【0019】
ピアの識別子のリストを完成させることを考慮して第2のネットワークを介して通信でき、通信アプリケーションが実行し、ピアが第1のネットワーク及び/又は第2のネットワークを介して通信できるピアの識別子をピアについて決定する役目をする第2の管理手段を有してもよい。この場合、第1の管理手段は、ピアの通信アプリケーションのデータを伝送するためのネットワークを選択した後に、識別子リストにおいて、このデータの受信ピアが選択されたネットワークを介して到達可能であるか否かを決定し、そうである場合、選択されたネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで伝送するように、選択されたネットワークに接続された通信モジュールに伝送されるデータを通信し、そうでない場合、この第1の通信ネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで伝送するように、第1のネットワークに接続された第1の通信モジュールに伝送されるデータを通信する役目をしてもよい。
【0020】
第2の管理手段は、第2のネットワークを介して他のピアに問い合わせることにより、及び/又は第2の通信ネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を受信することにより、及び/又は第2の通信ネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を分析(傍受)することにより、ピア識別子を決定する役目をしてもよい。
【0021】
第2の管理手段は、通信アプリケーションがこれらのピアで実行しているという事実を警告するために、第2の通信ネットワークを介して他のピアに通信アプリケーションの識別子をブロードキャストするように第2の通信モジュールに命令する役目をしてもよい。
【0022】
第2の管理手段は、装置が第2の通信ネットワークに接続可能であり、ルーティングテーブルを更新できるように、第2の通信ネットワークを介してこれらのピアにより受信されたピアの識別子を、第1の管理手段に通信する役目をしてもよい。
【0023】
本発明はまた、ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションが実行する少なくとも1つのピア用の通信装置を提案し、インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークへの接続に適合した第1の通信モジュールと、第2の通信ネットワークへの接続に適合した第2の通信モジュールと、前述のうち1つの形式のピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送を管理する装置の少なくとも一部とを有する。
【0024】
本発明はまた、ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションと、前述のうち1つの形式の通信装置とを有するピアを提案する。
【0025】
このピアはまた、通信アプリケーションに結合され、ピアのオーバーレイ(overlay)を構成する役目をする生成手段を有してもよく、ピアのオーバーレイにより、これらのピアは、第1及び第2の通信ネットワークを介して通信でき、受信して通信アプリケーションを対象とするデータを受信するため又は伝送されるデータを提供するために、装置の第1の管理手段と通信してもよい。
【0026】
例えば、このような生成手段は、ピアが第2の通信ネットワークを介してデータを交換することができるピアの識別子を、第1の通信ネットワークを介してサービスサーバに伝送する命令をする役目をしてもよい。
【0027】
本発明は、限定的ではないが、第1及び第2の通信ネットワークがそれぞれグローバルネットワーク(有線及び/無線ネットワーク(場合によっては衛星又はハイブリッド型)及びローカル(又は近接)無線ネットワークである状況に特に適する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の有線ネットワークと第2の無線ネットワークとを介して構成された本発明によるP2Pネットワークの概略図
【図2】ピアと、このピア及び本発明による管理装置の実施例に関連する通信装置と、サービスサーバとの間に存在する関係の概略図
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになる。
【0030】
添付図面は、本発明を実施するための役目をするだけでなく、必要に応じて、その定義に寄与する。
【0031】
本発明の目的は、少なくとも(IPプロトコルを用いて)インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとを介して構成されたP2Pネットワークのピア間で、ピア・ツー・ピアモード(又はP2P)でコンテンツデータの伝送を可能にすることであり、第2の通信ネットワークでは、同じIPプロトコルが使用され得ることが好ましい。
【0032】
以下では、第1の(通信)ネットワークが、インターネット(IP)へのアクセスを提供し、P2Pネットワークの全てのピア(装置)間の接続性を確保するグローバル有線ネットワーク(例えば、ADSL形式)である非限定的な方法で検討される。しかし、本発明は、この形式の第1の通信ネットワークに限定されない。実際に、少なくとも1つのアクセスネットワーク(有線及び/又は無線)を有し、ピアが結合される通信装置又はピアが有する通信装置を介してピア(装置)間でコンテンツデータ(場合によってはマルチメディア)を伝送可能な如何なる形式の第1の通信ネットワーク(又はインフラストラクチャ)にも関係する。従って、アクセスネットワークは、有線ネットワーク(ケーブル又は光ファイバネットワーク等)でもよく、無線ネットワーク(移動(又はセルラ)ネットワーク又はローカルエリアネットワーク(WLAN、WiMAX及びBluetooth標準)等)でもよい。
【0033】
更に、以下では、非限定的な例として、第2の(通信)ネットワークが、第1のネットワークR1と同じIPプロトコルを使用し、ピア間の独立した物理リンクを介してP2Pネットワークの特定のピアにアクセスを提供する無線ローカルエリア(又は近接)ネットワーク(例えば、WiFi形式)であることが検討される。しかし、本発明は、この形式の第2の通信ネットワークに限定されない。実際に、少なくとも1つのアクセスネットワーク(有線及び/又は無線)を有し、ピアが結合される通信装置又はピアが有する通信装置を介してピア(装置)間でコンテンツデータ(場合によってはマルチメディア)を伝送可能な如何なる形式の第2の通信ネットワーク(又はインフラストラクチャ)にも関係する。従って、アクセスネットワークは、有線ネットワーク(ADSLネットワーク、ケーブルネットワーク又は光ファイバネットワーク等)でもよく、無線ネットワーク(移動(又はセルラ)ネットワーク又はローカルエリアネットワーク(WLAN、WiMAX及びBluetooth標準)等)でもよい。
【0034】
更に、以下では、非限定的な例として、通信装置(Ej)が、ピア(装置)(Pi)に接続されたモデム又はピア(装置)(Pi)に設置されたモデムであることが検討される。しかし、本発明は、この形式の通信装置に限定されない。インターネット(IP)及び第2の有線又は無線通信ネットワークにアクセスを提供する第1の有線及び/又は無線通信ネットワークのノードに少なくとも接続できる如何なる形式の通信装置にも関係する。従って、これはまた、例えば、通信ゲートウェイ又はレジデンシャルゲートウェイでもよい。
【0035】
最後に、以下では、非限定的な例として、ピア(装置)(Pi)が、場合によっては通信装置(Ej)に取り付けられた固定又はポータブルコンピュータであることが検討される。しかし、本発明は、この形式のピア装置に限定されない。通信装置(Ej)を介して他のピア又はネットワーク装置とデータを交換できる如何なる形式の装置にも関係する。従って、これはまた、例えば、固定又は移動(又はセルラ)電話、パーソナルデジタルアシスタント(又はPDA、‘pocket PC’を含む)、コンテンツ受信機(例えば、デコーダ、レジデンシャルゲートウェイ又はSTB(セットトップボックス)等)でもよい。
【0036】
図1は、通信装置Ej(ここではモデム)と、第1R1及び第2R2の通信ネットワークとを介して、ピア間でコンテンツデータを交換できるピアPi(ここではコンピュータ)を有するピア・ツー・ピア(又はP2P)ネットワークを概略的に示している。インデックスiは、ここでは1から4の範囲の値になるが、2以上の如何なる値になってもよい。同様に、インデックスjは1から4の範囲の値になるが、2以上の如何なる値になってもよい。
【0037】
図示の非限定的な例では、各モデム(又は通信装置)Ejは単一のピアPiに接続される点に留意すべきである(従って、i=j)。しかし、これは必須ではない。実際に、複数(少なくとも2つ)のピアPiは、同じ通信装置Ejに接続されてもよい。
【0038】
また、図示の非限定的な例では、異なるモデム(又は通信装置)Ejは第1のネットワーク(ここではADSL形式)R1と異なる通信ノードNn(ここではn=1〜4)に接続される点に留意すべきである。しかし、これは必須ではない。実際に、複数(少なくとも2つ)のモデムEjは、同じ通信ノードNnに接続されてもよい。
【0039】
ADSL形式の第1のネットワークR1の場合、通信ノードNnは、例えば、電話交換局内で電話回線とIPバックボーンとの間の相互接続を提供するDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)である。IPルーティングが第1のネットワークR1内で、DSLAMの下流に位置して後者に接続された他の通信ノードで行われる点に留意すべきである。
【0040】
各モデムEjは、関連する通信ノードNnとの通信を設定する役目をする第1の通信モジュールMC1を有する。
【0041】
WiFi形式の第2のネットワークR2は、モデムEjが電波を介して接続できるアクセスポイントPAを有する。このため、後者は、周辺(すなわち、無線範囲内)に位置するアクセスポイントPAとの通信を設定する役目をする第2の通信モジュールMC2を有する。特にWiFi形式の第2のアドホックネットワークR2の場合(すなわち、インフラストラクチャがない場合)には、通信装置Ej(ピアPiでもよい)自体がアクセスポイントPAを構成してもよい。
【0042】
P2Pネットワーク内でピアPi間で交換されるコンテンツデータは、コンテンツ配信サービス(例えば、ビデオストリーム配信サービス(ビデオオンデマンド又はVoD)、プッシュ・ツー・ピア(push-to-peer)、ライブストリーミング、番組ブロードキャストサービス(例えば、テレビ、ラジオ又は音楽番組)、ファイル(又はデータ)ブロードキャストサービス、又はメッセージブロードキャストサービス(例えば、複数のピアに分散されたアプリケーションの動作を可能にする制御又はデータメッセージ)等)のフレームワーク内で、少なくとも1つのコンテンツサーバ(図示せず)から生じる。
【0043】
このサービスは、例えば、P2Pアプリケーション管理モジュールMGA及びオーバーレイ管理モジュールMGRを用いてサービスサーバSSにより制御されてもよい。このサービスサーバSSは、第1のネットワークR1に接続される。特に、これは、そのオーバーレイ管理モジュールMGRを用いてP2Pネットワークのオーバーレイ(overlay)を構成及び更新する役目をする。
【0044】
図示の非限定的な例では、モデムE1〜E3はそれぞれピアP1〜P3の外部になっているが、モデムE4はピアP4の一部である点に留意すべきである。
【0045】
本発明は、ピアPi間でピア・ツー・ピアモードで(コンテンツ)データを伝送することができる方法を提案する。
【0046】
本発明による方法は、第1のピア(例えば、P1)で実行されているピア・ツー・ピア形式(P2P)の通信アプリケーションが、同じ通信アプリケーションAが実行する少なくとも1つの第2のピア(例えば、P3)に上りリンクでデータを伝送しなければならないときに常に、連続して完了する2つの主要ステップを有する。
【0047】
第1の主要ステップは、少なくとも1つの選択された基準に従って、第1のピアP1のモデムE1が接続することができる第1R1及び第2R2のネットワークのうち1つを選択することを有する。これは、例えば、伝送されるコンテンツデータの受信時に起動される。
【0048】
この通信ネットワークの選択は、例えば、少なくとも最高の利用可能な帯域と、ネットワークを利用可能にする必要性と、飽和確率(saturation probability)と、待ち時間と、ネットワークオペレータの伝送コスト(特に使用される帯域に関する)との中から選択される少なくとも1つの基準に従って行われてもよい。
【0049】
コストの基準が選択された場合、選択は、第1のネットワーク(ここではADSL形式)R1ではなく、第2のネットワーク(ここではWiFi形式)R2を使用するために行われることが好ましい。この理由は、第2のネットワークR2を介してピア間でリンクを設定することは、オペレータのコストがないからである。
【0050】
‘最高の帯域’の形式の基準が使用される場合、E1モデムのレベルで、第1R1及び第2R2のネットワークを介したその2つの上りリンクのうちどちらが、検討中の時間に最高の利用可能な帯域を提供するかが決定される。WiFi形式の第2R2のネットワークの場合、帯域は一般的に約10Mbpsであるが、ADSL形式の第1R1のネットワークの場合、帯域は一般的に約1Mbpsである。従って、WiFi上りリンクがピアPiにより使用されていない場合、又は使用されているがサービスの制約を満たすことができる場合には常に、(場合によってはADSL上りリンクに加えて)コンテンツの(上りリンク)伝送のためにそれを選択することが好ましい。
【0051】
この第1のネットワークの選択ステップは、少なくとも1つの他のPi’のピア(i’≠i)にデータを伝送しようとするピアPiのモデムEj、又はこのピアPiにより完了されてもよい。これを行うことにより、ピアPiが2つのR1及びR2のネットワークのうち1つに接続するために使用するモデムEj(又は通信装置)、及び/又はピアPiが有さなければならないモデムEj若しくはピアPiが結合されなければならないモデムEjは、本発明によるデータ伝送管理装置Dの少なくとも一部になる。
【0052】
図2に示すように、この(管理)装置Dは、ピアPiの通信アプリケーションAが少なくとも他のピアPi’に伝送しようとするコンテンツデータを受信したときに、少なくとも1つの選択された基準に従ってR1及びR2のネットワークのうち1つを選択する少なくとも1つの第1の管理モジュールMG1を有する。
【0053】
図示の非限定的な例では、装置Dは、モデムEjの統合部分である。しかし、これは必須ではない。従って、この第1の管理モジュールMG1はピアPi内に位置してもよい。
【0054】
以下では、非限定的な例として、選択された基準が最高の帯域であることが検討される。従って、第1の管理モジュールMG1は、関係するピアPiのモデムEjの上りリンクで、このデータ伝送を実行する最高の帯域を提供するものを、第1R1及び第2R2のネットワークから選択する。
【0055】
第1の管理モジュールMG1がネットワークを選択すると、2つの状況が生じ得る。
【0056】
第1のネットワークR1が選択され、(それぞれの)第2の受信ピアPi’がこの第1のネットワークR1を介して確実に到達可能であり、第1の管理モジュールMG1が識別子のリストへのアクセスを有する。この識別子のリストは、第2のピアPi’の識別子を決定するために、関係するピアPiのモデムEjが第1のネットワークR1及び第2のネットワークR2を介して通信でき、このピアPiでデータを伝送しようとするものと同じ通信アプリケーションAが実行するピアPi’の識別子を含む。
【0057】
或いは、第2のネットワークR2が選択され、第1の管理モジュールMG1が、前述の識別子のリストにおいて、(それぞれの)第2の受信ピアPi’がこの第2のネットワークR2を介して到達可能であるか否かを決定しなければならない。そうである場合、第1の管理モジュールMG1は、第2のネットワークR2の選択を維持する。反対の場合、第1の管理モジュールMG1は、その選択を変更しなければならず、従って、最終的に第1のネットワークR1を選択する。
【0058】
これらのピア識別子は、例えば、パブリックIPアドレス(従って第1のネットワークR1を介してルーティング可能)でもよく、プライベートIPアドレス(従ってルーティング不可能(例えば、192.168.18.0/24の形式))でもよい点に留意すべきである。また、同じピアは、識別子のリスト内で、第1のネットワークR1により割り当てられたパブリックIPアドレスと、(以下に示す)検討されるピアPiにより割り当てられて第2のネットワークR2を介して使用可能なプライベートIPアドレスとに関連してもよい点に留意すべきである。
【0059】
例えば、識別子のリストは、関係するピアPiのオーバーレイ生成モジュールMGNに格納される。また、例えば、他のPi’のピア及び/又はサービスサーバSSから生じた情報から、関係するピアPiのオーバーレイ生成モジュールMGNにより構成されてもよい。
【0060】
例えば、他のPi’のピアから生じた情報は、好ましくはピアPiのモデムEjに位置するが(図2に示す)、変形としてピアPiに位置してもよい装置Dの第2の管理モジュールMG2により、オーバーレイ生成モジュールMGNに与えられてもよい。
【0061】
より正確には、例えば、モデムEjに関連する装置Dの第2の管理モジュールMG2は、モデムEj’が第2のネットワークR2を介して自分のモデムEjとデータを交換できるか否かを決定するために、第2のネットワークR2のアクセスポイントPAを介して他のピアPi’に問い合わせてもよい。また、場合によっては第2の通信モジュールMC2を介して受信され、第2のネットワークR2を介して他のピアPi’から生じたメッセージを分析してもよい。また、第2のネットワークR2でピアPi’間で交換されるメッセージを傍受してもよい。
【0062】
例えば、これらのメッセージは、ピアPiのモデムEjに関連する装置Dの第2の管理モジュールMG2により、場合によっては定期的に生成されてもよい。これらは、通信アプリケーションAが実行するピアPiの識別子をそれぞれ有し、場合によってはピアPiが同じオーバーレイ生成モジュールMGNに結合された複数の通信アプリケーションを有する場合に後者(A)の識別子をそれぞれ有する。
【0063】
例えば、ピアPiで実行する通信アプリケーションAの識別子は、記録段階中に、ピアPiのオーバーレイ生成モジュールMGNにより、このピアPiのモデムEjに関連する装置Dの第2の管理モジュールMG2に与えられる。
【0064】
従って、ピアPiのモデムEjの第2の管理モジュールMG2は、このピアPiのオーバーレイ生成モジュールMGNに、自分のピアPiの識別子のリストを完成させるために、受信したアプリケーション識別子とピア識別子とのそれぞれの対を通信してもよい。
【0065】
要するに、ピアPiの識別子のリストは、ピアのオーバーレイ生成モジュールMGNにより構成され(従って、従来技術のピアを備えたものと比較してこの目的に適している)、このピアPiが第1のネットワークR1及び/又は第2のネットワークR2を介してP2Pで通信できるネットワークP2Pの他のピアPi’の識別子のリストを有する。
【0066】
例えば、このピアPiが第1のネットワークR1を介してP2Pで通信できるP2Pネットワークの他のピアPi’の識別子は、例えばインターネットを介して(従って、第1のネットワークR1及びモデムEjを介して)サービスサーバSSのオーバーレイ管理モジュールMGRにより与えられたパブリックIPアドレスである。
【0067】
例えば、ピアPiが第2のネットワークR2を介してP2Pで通信できるP2Pネットワークの他のピアPi’の識別子は、例えばこのピアPiに関連する第2の管理モジュールMG2により周辺で検出されたピアPi’にオーバーレイ生成モジュールMGNにより割り当てられたプライベートIPアドレスである。ここでは、周辺(又は近接)の概念は、論理的な意味ではなく、物理的な意味で理解されなければならない。
【0068】
オーバーレイ生成モジュールMGNがプライベートIPアドレス(又は識別子)を割り当てるピアは、併せて通信アプリケーションAに専用のものでもよい一種のプライベートIPネットワークを構成する。
【0069】
ピアPiのオーバーレイ生成モジュールMGNは、場合によっては、例えばモデムEjの第1の通信モジュールMC1と第1のネットワークR1とを介して、サービスサーバSSのオーバーレイ管理モジュールMGRに、パブリック識別子(パブリックIPアドレス)を有する自分のピアPiの識別子のリストの少なくとも一部を与える役目をしてもよい点に留意すべきである。従って、オーバーレイ管理モジュールMGRは、制御するP2Pネットワークのグローバル・オーバーレイを更新し、データを交換することができることを意味するピアのパブリック識別子のリストを後者の異なるピアPiに伝送してもよい。
【0070】
本発明による処理の第2の主要ステップは、ネットワークの最終的な選択(検討中の時間にそれぞれ選択された基準を満たすもの(例えば、最高の帯域を提供するもの)、又は第2の受信ピアPi’との通信を可能にする唯一のもの)の後に始まる。
【0071】
この第2の主要ステップは、この選択されたネットワークR2を介して第2のピア(ここではP3)に通信アプリケーションAのデータをピア・ツー・ピアモードで伝送するために最終的に選択されたネットワーク(例えば、R2)に、モデム(ここではE1)を介して第1のピア(ここではP1)を接続することを有する。
【0072】
この第2のステップは、関係するモデムEjに関連する装置Dの第1の管理モジュールMG1により制御されることが好ましい。より正確には、第1の管理モジュールMG1が、IPパケットの形式で前に受信したデータの伝送に使用されなければならないネットワークを最終的に選択したときに、IPパケットのヘッダに含まれる宛先アドレスを調べ、第2の受信ピアPi’のレベルに到達するように、選択されたネットワークに接続されたモデムEjの通信モジュールMC1又はMC2に後者(IPパケット)をルーティングする。
【0073】
第1の管理モジュールMG1により使用されるルーティングテーブルは、何らかのIPルーティングテーブルと同様に、デフォルトルート(インターネット)と、第2のネットワークR2の特定のサブネットワークに特有の特定のルートとを有する点に留意すべきである。
【0074】
このルーティングテーブルは、第2の管理モジュールMG2により与えられ得る情報であり、そのモデムEjがこれから第2のネットワークR2を介して通信できる新たに識別されたピアPi’の識別子を含む情報で、第1の管理モジュールMG1により更新されることが好ましい。
【0075】
第1の管理モジュールMG1は、IPパケットを第2のネットワークR2にルーティングする前に、場合によっては(ピアPiの)元のIPアドレスが第2の管理モジュールMG2で記録されたピアに実際に対応することを検査してもよい点に留意すべきである。
【0076】
また、本発明による管理装置Dは、ソフトウェアモジュールの形式で実現されてもよい点に留意すべきである。特に、第1の管理モジュールMG1は、ファイヤウォール、NAT(Network Translation Address)及びIPルーティング形式の技術を使用してもよい。しかし、管理装置Dはまた、部分的に又は完全にハードウェア回路の形式で実現されてもよく、ソフトウェアモジュールとハードウェア回路との組み合わせで実現されてもよい。
【0077】
前述では、ピアPiに関連する通信装置Ej内に完全に位置する本発明による管理装置Dの実施例について説明した。しかし、このような装置Dは、(例えば、その第2の管理モジュールMG2に関して)通信装置Ej内に部分的に位置してもよく、(例えば、その第1の管理モジュールMG1に関して)ピアPi内に部分的に位置してもよい。
【0078】
本発明では、少なくともP2Pアプリケーションは、ローカルエリア(又は近接)ネットワーク(例えばWiFi形式)へのアクセスを有してもよく、このため、インターネット回線を軽減し、無線という用語の意味で周辺(又は近い)ピアを発見することが可能になる。
【0079】
従って、クライアントピアが少なくとも一部のコンテンツを与える可能性のあるサーバピアを検索するときに、例えば、第2のネットワークR2を介して通信できる周辺でその検索を開始してもよい。周辺のピアがそれを満たすことができる場合、第2のネットワークを介して所要のコンテンツデータを直ちに伝送する。しかし、周辺のピアがそれを満たすことができない場合、第1のネットワークを介してのみ到達できるピアで再びその検索を開始し、後者のピアが依然としてそれを満たすことができない場合、再びコンテンツサーバでその検索を開始する。
【0080】
更に、プッシュ・ツー・ピア形式のサービスの場合、例えば、コンテンツは、非常に低いトラヒックの期間中に、第1のネットワークR1を介してピアに事前にブロードキャストされてもよい。コンテンツがピアに格納されると、検討中の時間に可能である場合には、それを使用してもよく、第2のネットワークを介して要求側のクライアントピアに伝送してもよい。本発明は、ピアに多くのコンテンツを事前に伝送することが可能であり、従って、コンテンツサーバの負荷を低減することが可能であることがわかる。実際に、ピアがほぼ確実に見るビデオ形式のコンテンツを表示ほど迅速にダウンロードできない場合、コンテンツはこれらのピアに対してプッシュされ、近接の無線リンク(例えばWiFi)で、周辺が十分に迅速にダウンロードできるように、ピアにコンテンツを伝送するのに十分であることが確保される。従って、3つのピアのグループでは、ビデオを一回のみロードすればよく、このことは、他のビデオを配置する空間を残す。
【0081】
一般的には、本発明は、同時に機能する2つの上りリンクを有するため、サーバピアが多くのクライアントピアにサービス提供することが可能になる。また、第1のネットワークR1の上りリンクが過負荷であるサーバピアは、他のピアに対して、第1のネットワークR1によってのみ到達可能なクライアントピアにコンテンツデータを伝送することを支援するように要求することが可能になる。より正確には、サーバピアは、第2のネットワークR2を介して、第1のネットワークR1の上りリンクが過負荷になっていない支援を求めるサーバにデータを伝送し、これにより、後者のサーバは、次に第1のネットワークR1を介して最終的な受信クライアントピアに伝送する。同様に、下りリンク帯域が飽和しているピアは、第2のネットワークR2を介して周辺ピアに支援を要求することができる。
【0082】
本発明は、一例のみとしての前述の管理装置、通信装置、ピア及び伝送方法の実施例に限定されず、特許請求の範囲の枠組み内で当業者が検討することができる全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0083】
Ej 通信装置
Pi ピア
R1 第1のネットワーク
R2 第2のネットワーク
Nn 通信ノード
PA アクセスポイント
SS サービスサーバ
MGA P2Pアプリケーション管理モジュール
MGR オーバーレイ管理モジュール
A 通信アプリケーション
D データ伝送管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともインターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとに通信装置を用いて接続可能なピア間で、ピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送方法であって、
第1のピアで実行するピア・ツー・ピア形式の通信アプリケーションが、同じ通信アプリケーションが実行する少なくとも1つの第2のピアにデータを伝送しなければならないときに、i)前記伝送を実行するための少なくとも1つの選択された基準に従って前記第1及び第2のネットワークのうち1つを選択し、ii)前記選択されたネットワークを介して前記第2のピアにピア・ツー・ピアモードで前記データを伝送するために選択された前記ネットワークに、前記装置を介して前記第1のピアを接続することを有し、
ピアの通信アプリケーションのデータを伝送するためのネットワークを選択した後に、前記通信アプリケーションが実行し、前記ピアが前記第1のネットワーク及び/又は前記第2のネットワークを介して通信できるピア識別子のリストにおいて、前記データの受信ピアが前記選択されたネットワークを介して到達可能であるか否かが決定され、そうである場合、前記データ伝送は前記選択されたネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで実行され、そうでない場合、前記データは前記第1の通信ネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで自動的に伝送されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記通信ネットワークは、最高の利用可能な帯域と、ネットワークを利用可能にする必要性と、飽和確率と、待ち時間と、ネットワークオペレータの伝送コストとを少なくとも有するグループから選択された少なくとも1つの基準に従って選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピアの識別子のリストは、前記第2のネットワークを介して他のピアに問い合わせることにより、及び/又は他のピア及び/又はサービスサーバから生じた情報を受信することにより、及び/又は前記第2のネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を分析することにより、構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ピア毎に、プライベートIPネットワークは、識別子が識別子のリストに属し、前記通信アプリケーションが実行するピアで、前記第2のネットワーク内で構成されることを特徴とする、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションが実行する少なくとも1つのピアの通信装置により、ピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送を管理するための装置であって、
前記装置は、インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークへの接続に適合した少なくとも1つの第1の通信モジュールと、第2の通信ネットワークへの接続に適合した第2の通信モジュールとを有し、
前記通信アプリケーションが、同じ通信アプリケーションが実行する少なくとも1つの他のピアにデータを伝送しなければならないときに、i)前記伝送を実行するために、少なくとも1つの選択された基準に従って前記第1及び第2のネットワークのうち1つを選択し、ii)前記他のピアにピア・ツー・ピアモードで伝送するために、選択された前記通信ネットワークに接続できる通信モジュールに伝送される前記データを通信するように適合された第1の管理手段を有し、
ピアの識別子のリストを完成させることを考慮して前記第2のネットワークを介して通信でき、通信アプリケーションが実行し、前記ピアが前記第1のネットワーク及び/又は前記第2のネットワークを介して通信できるピアの識別子を前記ピアについて決定するように構成された第2の管理手段を有し、
前記第1の管理手段は、ピアの通信アプリケーションのデータを伝送するためのネットワークを選択した後に、前記識別子のリストにおいて、前記データの受信ピアが前記選択されたネットワークを介して到達可能であるか否かを決定し、そうである場合、前記選択されたネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで伝送するように、前記選択されたネットワークに接続された前記通信モジュールに伝送される前記データを通信し、そうでない場合、前記第1の通信ネットワークを介してピア・ツー・ピアモードで伝送するように、前記第1のネットワークに接続された前記第1の通信モジュールに伝送される前記データを通信するように適合されることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記第1の管理手段は、最高の利用可能な帯域と、ネットワークを利用可能にする必要性と、飽和確率と、待ち時間と、ネットワークオペレータの伝送コストとを有するグループから選択された少なくとも1つの基準に従って前記通信ネットワークを選択するように適合されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の管理手段は、前記第2のネットワークを介して他のピアに問い合わせることにより、及び/又は前記第2の通信ネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を受信することにより、及び/又は前記第2の通信ネットワークを介して他のピアにより伝送された情報を分析することにより、ピアの識別子を決定するように適合されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の管理手段は、前記通信アプリケーションが前記ピアで実行しているという事実を警告するために、前記第2の通信ネットワークを介して他のピアに前記通信アプリケーションの識別子をブロードキャストするように前記第2の通信モジュールに命令する。ように適合されることを特徴とする、請求項5ないし7のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の管理手段は、装置が前記第2の通信ネットワークに接続可能であり、ルーティングテーブルを更新できるように、前記第2の通信ネットワークを介して前記ピアにより受信されたピアの識別子を、前記第1の管理手段に通信するように適合されることを特徴とする、請求項5ないし8のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションが実行する少なくとも1つのピア用の通信装置であって、
インターネットへのアクセスを提供する第1の通信ネットワークへの接続に適合した第1の通信モジュールと、第2の通信ネットワークへの接続に適合した第2の通信モジュールとを有し、
請求項5ないし9のうちいずれか1項に記載のピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送を管理する装置の少なくとも一部を更に有することを特徴とする通信装置。
【請求項11】
ピア・ツー・ピア形式の少なくとも1つの通信アプリケーションを有するピアであって、
請求項10に記載の通信装置を更に有することを特徴とするピア。
【請求項12】
前記通信アプリケーションに結合され、ピアのオーバーレイを構成するように適合された生成手段を有し、ピアのオーバーレイにより、前記ピアは、前記第1及び第2の通信ネットワークを介して通信でき、受信して前記通信アプリケーションを対象とするデータを受信するため又は伝送されるデータを提供するために、装置の前記第1の管理手段と通信することを特徴とする、請求項11に記載のピア。
【請求項13】
前記生成手段は、前記ピアが前記第2の通信ネットワークを介してデータを交換することができるピアの識別子を、前記第1の通信ネットワークを介してサービスサーバに伝送する命令をするように適合されることを特徴とする、請求項12に記載のピア。
【請求項14】
有線及び/又は無線形式の第1のグローバル通信ネットワーク且つ無線形式の第2のローカル通信ネットワークの場合における、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のデータ伝送方法の使用、請求項5ないし9のうちいずれか1項に記載のピア・ツー・ピアモードでのデータ伝送を管理するための装置の使用、請求項10に記載の通信装置の使用、及び請求項11ないし13のうちいずれか1項に記載のピアの使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−113710(P2010−113710A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−234382(P2009−234382)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】