説明

少なくとも3つの熱交換部を備える熱交換器、およびかかる熱交換器を含む熱エネルギー管理システム

【課題】スペース条件を最小に維持しながら、高温冷却回路および低温冷却回路の各々の機器の冷却の必要性に従って、必要な熱交換表面領域を配分する。
【解決手段】実質的に1つの同一平面に位置する少なくとも1つの第1熱交換部分(221)と、第2熱交換部分(223)と第3熱交換部分(222)とを備え、クラスターが前記熱交換部分(221;222;223)の各々における流体の独立した循環を可能にする熱交換器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車用熱交換器の分野における少なくとも3つの熱交換部を備える熱交換器、およびかかる熱交換器を含む熱エネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の自動車は、外部環境と熱交換を行って、冷却されるか、または逆に加熱されるようになっている多くの機器を、熱機関の他に備えている。その一例として、自動車の車室のための空調回路における凝縮機、過給式エアクーラー、または車室を暖房するためのラジエータを挙げることができる。
これら自動車には通常、2つの回路が取り付けられている。すなわち、温度が最高となっている熱機関および機器を冷却するのに使用される高温冷却回路と、温度がより低い機器を冷却するのに使用される低温冷却回路、例えば自動車の車室のための空調回路における凝縮機とが取り付けられている。これらの各回路には、熱を放出させるための冷却ラジエータが設けられている。
【0003】
公知の自動車では、高温ループのラジエータの熱交換用表面積、および低温ループの熱交換用表面積は、一定不変である。更に高温ラジエータは、専ら高温冷却回路の機器を冷却するのに使用され、他方、低温ラジエータは、専ら低温冷却回路の機器を冷却したり、または加熱したりするのに使用される。熱機関が所定の負荷状態にあるとき、特に低負荷状態にあるときには、熱機関を冷却する必要はない。
そのため、熱機関の冷却流体は、高温ラジエータをバイパスしている分岐管を通過して循環し、従って、高温ラジエータの冷却能力が利用されることはなく、冷却能力が損なわれている。
【0004】
また、高温冷却回路を冷却するために使用される高温熱交換部分と、低温冷却回路を冷却するために使用される低温熱交換部分とに、調節自在に熱交換表面領域を分割することができるようにする、表面領域分配手段を含む熱交換モジュールが知られている(特許文献1参照)。
この熱交換表面領域分配手段は、収集ボックス内に内蔵される調節自在なパーティション手段、例えば格納自在なパーティションからなっている。
【0005】
しかし、この熱交換モジュールには、いくつかの欠点がある。すなわち、表面積パーティション手段を含む収集ボックスにかなりのスペースが必要であり、同じパーティション手段で完全なシールを得ることが困難であり、かつ製造コストがかなり高くなるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス国特許第FR2844041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、かかる状況を改善することにある。そのために、本発明は、1つの同一平面に実質的に位置する少なくとも1つの第1熱交換部と、第2熱交換部と、第3熱交換部とを備え、クラスターが前記各熱交換部における流体の独立した循環を可能にするとともに、自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理することができるようにした、少なくとも3つの熱交換部を備える熱交換器、およびかかる熱交換器を含む熱エネルギー管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 1つの同一平面に実質的に位置する少なくとも1つの熱交換第1部分(221)と、熱交換第2部分(223)と、熱交換第3部分(222)とを備え、前記熱交換部分(221;222;223)の各々における流体を、独立して循環させるようになっている熱交換器とする。
【0009】
(2) 上記(1)項において、前記熱交換第1部分(221)は、高温冷却回路(2)または第1熱交換ループの流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第2部分(223)は、低温冷却回路(4)または第2熱交換ループの流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第3部分(222)は、必要に応じて、前記高温冷却回路(2)または第1熱交換ループ、低温冷却回路(4)または前記第2熱交換ループを冷却するためのものであり、前記高温冷却回路(2)または第1熱交換ループ、および前記低温冷却回路(2)または第2熱交換ループ内を循環する流体は、同じ流体であるものとする。
【0010】
(3) 上記(1)項または(2)項において、前記熱交換第1部分(221)、熱交換第2部分(223)および熱交換第3部分(222)の各々は、前記流体のための少なくとも1つの入口(100;104;108;114)と、少なくとも1つの出口(102;106;110)とを備える。
【0011】
(4) 上記(3)項において、前記熱交換第2部分(223)は、2つの通路(223−1;223−2)での前記流体の循環を可能にし、前記第1通路(223−1)および前記第2通路(223−2)は、前記流体のための入口(108;114)を備える。
【0012】
(5) 上記(3)項または(4)項において、前記熱交換器(22)は、前記低温冷却回路(4)または第2熱交換ループ内を循環する前記冷却流体をサブ冷却するための熱交換第4部分(224)も備え、この熱交換第4部分(224)は、入口(116)および出口(118)を有する。
【0013】
(6) 上記(5)項において、前記熱交換第4部分(224)と、前記低温冷却回路(4)または第2熱交換ループを冷却するための前記熱交換第2部分(223)とは、少なくとも1つの貫通オリフィスおよび切り替え手段を介して連通されており、前記貫通オリフィスは、前記熱交換第4部分の入口に対応しているものとする。
【0014】
(7) 上記(1)〜(6)項のうちのいずれかにおいて、前記熱交換器(22)は、別の流体の冷却をするようになっている少なくとも1つの熱交換第5部分(225)をも備える。
【0015】
(8) 上記(1)〜(7)項のうちのいずれかにおいて、複数のチューブと複数のフィンとのスタックから成る熱交換クラスターを備え、前記チューブは、同様のものとする。
【0016】
(9) 上記(1)〜(8)項のうちのいずれかにおいて、前記チューブは、収集ボックス(5;6)に開口し、前記収集ボックス(5;6)は、前記熱交換部分(221;222;223−1;223−2;224;225)の各々のための少なくとも1つの入口(100;104;108;114;116;120)と、少なくとも1つの出口(102;106;118;122)とを備える。
【0017】
(10) 1つの同一平面に実質的に位置し、それぞれ流体を独立して循環させるようになっている、熱交換第1部分(221)と、熱交換第2部分(223)と、熱交換第3部分(222)とを少なくとも備えた熱交換器であって、前記熱交換第1部分(221)は、第1熱交換ループ(2)の流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第2部分(223)は、第2熱交換ループ(4)の流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第3部分(222)は、必要に応じて、前記第1熱交換ループ(2)又は前記第2熱交換ループ(4)を冷却するためのものであり、前記高温冷却回路(2)の冷却流体又は前記低温冷却回路(4)の冷却流体が流れる流体通路(304)を備えており、前記熱交換第3部分(222)内の流体通路(304)を、外管(305)と内管(306)とにより構成される2重管とし、前記外管(305)と前記内管(306)との一方には、前記高温冷却回路(2)の冷却流体と前記低温冷却回路(4)の冷却流体との一方を、他方の管には他方の流体を、それぞれ別個に循環させ、もって、流体相互間で熱交換をなしうるようにしたことを特徴とする熱交換器とする。あるいは、上記構成において、前記外管(305)または内管(306)の一方にのみ、前記冷却流体のいずれか一方を循環させうるようになす熱交換器とする。
【0018】
(11) 上記(10)項において、前記熱交換第3部分(222)を、少なくとも2以上の独立した部分(222(1);222(2))に区画する。
【0019】
(12) 上記(11)項において、前記熱交換第3部分(222)を、少なくとも熱交換表面積が異なる2以上の独立した部分(222(1);222(2))に区画する。
【0020】
(13) 上記(1)〜(12)項のうちのいずれか1項に記載の熱交換器を用いて、自動車の熱機関によって発生される熱エネルギーを管理するためのシステムであって、自動車の熱機関を冷却するための高温ラジエータを含む高温冷却回路(2)と、自動車の機器を冷却するための低温ラジエータを含む低温冷却回路(4)とを備え、前記高温ラジエータと前記低温ラジエータとをもって熱交換器(22)の一部を形成する。
【0021】
(14) 上記(13)項において、前記熱交換器(22)の外側に、前記高温冷却回路(2)または第1熱交換ループ、または前記低温冷却回路(4)または第2熱交換ループから生じる前記流体を前記熱交換第3部分(222)に割り当てるための第1分配手段(40)が設けられているものとする。
【0022】
(15) 上記(13)項または(14)項において、前記熱交換器(22)の外側に、前記熱交換第3部分(222)を離間する前記流体を前記高温冷却回路(2)または第1熱交換ループ、または前記低温冷却回路(4)または第2熱交換ループに割り当てるための第2分配手段(42)が設けられているものとする。
【0023】
(16) 上記(15)項において、前記熱交換第3部分(222)と前記第2部分(223)と第3分配手段(44)が接続しているものとする。
【0024】
(17) 上記(16)項において、前記分配手段(40;42;44)は、1つ以上のバルブであるものとする。
【0025】
(18) 上記(13)〜(17)項のうちのいずれかにおいて、前記高温冷却回路(2)は、前記熱機関(8)を通過するように冷却流体を循環させるためのポンプ(14)が取り付けられたメインネットワークを備え、前記メインネットワークは、短絡パイプ(24)およびスペースヒーター(18)を含む加熱パイプ(16)も備え、前記低温冷却回路(4)は、二次ポンプ(30)、および少なくとも1つの機器用熱交換器(32)を含む二次ネットワークを備え、前記メインネットワークと前記二次ネットワークとは、相互接続手段によって接続されており、この相互接続手段は、少なくとも前記熱機関の負荷状態に応じて、前記メインネットワークと前記二次ネットワークとの間で、制御された状態で前記冷却流体を循環させるか、またはこの循環を阻止することを可能にする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の熱交換器は、スペース条件を最小に維持しながら、高温冷却回路および低温冷却回路における機器の冷却の必要性に従って、必要な熱交換表面領域を調節することができ、かつ流体分配手段は収集ボックス内に内蔵されていないという点で、特に有利である。
【0027】
また、熱交換第3部分における第1熱交換ループまたは第2熱交換ループの冷却流体が流れる部分を少なくとも2重管とし、この2重管の外管または内管に、前記第1熱交換ループと第2熱交換ループの冷却流体をそれぞれ別個に循環させて、前記両ループの冷却流体間で熱交換をなしうるようにするとともに、前記外管または内管の一方にのみ、前記冷却流体のいずれか一方を循環させうるようになすことにより、前記両ループの冷却流体を、たとえば外気(空気)と熱交換するだけでなく、両ループの冷却流体相互間の熱交換により、種々の状況に応じて肌理細かく熱管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムの第1実施形態を示す略図である。(実施例1)
【0029】
【図2】同システムに用いられる熱交換器の斜視略図である。
【0030】
【図3】同システムに用いられる熱交換器を改良した第2実施形態を示す斜視略図である。(実施例2)
【0031】
【図4】本発明に係る自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムにおける熱交換器の熱交換第3部分を改良した第3実施形態を示す略図である。(実施例3)
【0032】
【図5】図4における熱交換器の熱交換第3部分に用いられる冷却流体の収集ボックスを示す斜視略図である。
【0033】
【図6】図5のVI−VI線における拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0034】
添付図面を参照して、本発明を非限定的に説明する次の記載を読めば、本発明の上記以外の利点および特徴が明らかとなると思う。
図1は、本発明に係る自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムの第1実施形態を示す略図、図2は、同システムに用いられる熱交換器の斜視略図である。
【0035】
図1に示すように、本発明による自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムは、例えば自動車の熱機関(エンジンブロック)8に接続された熱機関入口パイプ6、および四方向弁12に接続された熱機関出口パイプ10が設けられた高温冷却回路2を備えている。
熱機関8内には、機械式または電気式の循環ポンプ14によって、矢印15で略示する冷却流体が通過しうるように循環させている。
高温冷却回路2は、加熱パイプ16を備え、この加熱パイプ16には、スペースヒーター18が取り付けられている。循環ポンプ14は、スペースヒーター18内の冷却流体も循環させるようになっている。
【0036】
冷却流体は、後で詳細に説明するように、四方向弁12から高温ラジエータパイプ20を通って、この高温ラジエータパイプ20に接続された、本発明に係わる熱交換器22に流入させることにより、熱交換されるようになっている。
熱交換器22によって熱交換された冷却流体は、最後に、分岐パイプまたは短絡パイプ24を通って、矢印25で略示するように、熱交換器22を横断することなく、熱機関8へ戻るようにしている。
【0037】
四方向バルブ12は、入口通路12Aと、3つの出口通路、すなわち加熱パイプ16に接続された出口通路12Bと、高温ラジエータパイプ20に接続された出口通路12Cと、短絡パイプ24に接続された出口通路12Dとを備えている。
【0038】
本発明による自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムは、二次冷却回路または低温冷却回路4も備え、この低温冷却回路4には、例えば低温ラジエータパイプ28が設けられており、このパイプ28には、電動低温循環ポンプ30および1つ以上の熱交換器32−1または32−2が取り付けられている。
図示の例は、自動車の機器を冷却したり、または必要な場合には加熱したりするようになっている2つの熱交換器32−1および32−2を示している。
熱交換器32−1および32−2は、例えば空調回路の凝縮機および過給エアクーラーとすることができる。
この熱交換器は、低温冷却回路4内を循環する低温冷却流体との熱交換によって冷却される。低温冷却流体は、熱交換器22内でも冷却される。
【0039】
発生する熱エネルギーを管理するためのシステムは、熱交換器22の割り当て可能な部分と称される部分、すなわち熱交換第3部分222における高温冷却回路2、および/または低温冷却回路4から生じる流体を配分するための少なくとも1つの第1分配手段40も備えている。
この第1分配手段40は、熱交換器22の外側に設けられている。
【0040】
熱交換第3部分222の出口側には、第2分配手段42が設けられており、これら第2分配手段42は、熱交換器22における熱交換第3部分222を離れて、高温冷却回路2または低温冷却回路4に向かう流体の向きを定めるか、または割り当てることを可能にしている。
ここでは、第2分配手段42も、熱交換器22の外側に設けられている。
【0041】
本発明の特定の実施形態では、2つの分配手段40および42の一方だけが設けられている。
【0042】
流体の一部または全てが、熱交換器22における熱交換第3部分222を離間し、熱交換器22の熱交換第2部分223に進むように、流体の向きを再び定めるのに、第3分配手段44を使用することもできる。
したがって、この第3分配手段44は、熱交換第3部分222と熱交換第2部分223との間の接続を可能にする。
冷却流体は、熱交換器22の熱交換第2部分223を通過することにより、より低い温度レベルまで冷却される。
【0043】
分配手段40と42は、同時に作動させてもよいし、同時に作動させなくてもよい。
同様に、分配手段40と44とを、高温冷却回路2および低温冷却回路4の冷却条件に従って、コーディネートしてもよい。
【0044】
これら分配手段40;42および44は、本例では、高温冷却回路2および低温冷却回路4内の適当な位置に設置されたセンサ(図示せず)からの情報を受信する制御手段(図示せず)によって作動させられるバルブとなっている。
センサからの情報は、例えばパイプ10内の熱機関8の出口での冷却流体の温度、熱機関の回転速度、熱機関によって高温冷却回路2内に放出される熱パワーとすることができる。
この制御手段は、これらの情報のうちの1つ以上を考慮に入れることができるものである。
【0045】
熱交換器22の割り当て可能な熱交換第3部分222内の高温冷却回路2および低温冷却回路4から離間する流体の配分は、高温冷却回路2および低温冷却回路4内の冷却の必要度に従って制御される。
【0046】
従って、熱機関8が低負荷または部分負荷で作動するとき、これらの冷却手段は、極めて重大なものとはいえず、高温冷却流体の大部分は、短絡パイプ24を通って循環する。
この状態では、熱交換器32により図式化されている低温機器を冷却するために、熱交換器22の割り当て可能な第3部分222のうちの熱交換表面領域を再利用できる。
従って、冷却能力がより大きくなっている凝縮機を提供することにより、熱交換器の性能、例えば空調回路の熱性能を改善できる。
【0047】
これとは対照的に、熱機関が高い負荷で作動するときは、かなりの量の冷却流体がエンジンブロックを通過するように循環させ、放出された熱パワーを抽出しなければならない。
このような条件下では、熱機関8を冷却するために、熱交換器22の割り当て可能な熱交換第3部分222の熱交換表面領域を使用する。
【0048】
前記システムに用いられる熱交換器22は、図2に示すように、例えばチューブとフィンとの積み重ね体から成る熱交換クラスター(図示していない)を備える。
これらのチューブは、全て同一であり、互いに並列となっている。熱交換器22の内部を冷却流体が循環し、この冷却流体は、外部環境、例えば大気との間で熱交換を行うようになっている。
【0049】
熱交換器22のチューブは、それら2つの端部の各々で収集ボックスに接続されており、例えば冷却流体のための入口収集ボックス、および冷却流体の出口のための出口ボックスへそれぞれ接続されている。
【0050】
この実施形態では、熱交換表面領域は、高温熱交換部分、すなわち熱交換第1部分221と、低温熱交換部分、すなわち熱交換第2部分223と、熱交換第1部分221と熱交換第2部分223との間に設置された割り当て可能な部分、すなわち熱交換第3部分222との3つの異なる部分からなっている。
【0051】
熱交換第1部分221は、特に高温冷却回路2または第1熱交換ループ内で循環する冷却流体を冷却するためのものであり、熱交換第2部分223は、低温冷却回路4内、または第2熱交換ループ内で循環する冷却流体を冷却するためのものである。
熱交換第3部分222は、必要に応じて、特に第1または第2熱交換ループ内を循環する冷却流体を冷却するためのものである。
【0052】
第1熱交換ループ2および第2熱交換ループ4内を循環する冷却流体は、1つの同じ流体であり、例えばグリコールが添加された水である。
【0053】
熱交換器22の3つの熱交換部分221;222および223は固定されている。換言すれば、これらの部分は、熱交換器22における所定の数の熱交換チューブを含んでいる。
【0054】
図示の実施形態においては、熱交換第1部分221のチューブは、一端が高温入口収集器51に開口しており、他端が高温出口収集器61に開口している。
【0055】
熱交換第3部分222のチューブの入口端部は、割り当て可能な入口収集器52に接続されており、その出口端部は、割り当て可能な出口収集器62に接続されている。
【0056】
熱交換第1部分221、熱交換第2部分223および熱交換第3部分222は、冷却流体のための少なくとも1つの入口および出口を有している。
【0057】
従って、入口収集器51および52は、それぞれ、前記冷却流体の入口のためのノズル100および104を備え、出口収集器61および62は、それぞれ、前記流体の出口のためのノズル102および106を備えている。
【0058】
高温冷却回路2からの冷却流体は、入口収集器51に流入し、熱交換第1部分221を横断した後、出口収集器61から離間する。
同じように、高温冷却回路2または低温冷却回路4からの冷却流体は、割り当て可能な入口収集器52の流入し、割り当て可能な熱交換第3部分222を横断した後、割り当て可能な出口収集器62から離間する。
【0059】
熱交換第2部分223のチューブは、冷却流体が熱交換第2部分223に流入するための入口収集器53−1と、同じ冷却流体の出口のための出口収集器53−2とにパーティション112によって分割された収集器および中間収集器63にそれぞれ接続されている。
従って、この冷却流体は、熱交換第2部分223内で2回通過循環と称される循環をする。
換言すれば、低温冷却回路4からの冷却流体は、入口ノズル108を通って入口収集器53−1に流入し、次に第1熱交換部分、すなわち熱交換第2部分223の第1通路223−1を通過する。
次に、冷却流体は、中間収集器63内をほぼ1回曲がり、第2熱交換部分すなわち第2部分223の第2通路223−2を通過する。
最後に、冷却流体は、冷却流体出口ノズル110を通って出口収集ボックス53−2から離間する。
【0060】
中間収集器63は、第2冷却流体の入口114を備えている。この例では、第2冷却流体の入口は、第2部分223の第2熱交換部分223−2に位置している。
必要に応じ、第3部分222から離間する冷却流体を、この第2冷却流体の入口114により、第2部分223の第2熱交換部分223−2に通過させ、冷却流体を所望の温度とすることが可能となっている。
従って、第1通路223−1および第2通路223−2は、それぞれ、冷却流体のための入口を備えている。
【0061】
本発明の熱交換器22は、2つの収集ボックス5および6を備え、これらのボックスには、各チューブの端部が挿入されている。
収集ボックス5および6には、収集器51;52;53−1;53−2;61;62および63を構成するパーティションが設けられている。
【実施例2】
【0062】
図3は、同システムに用いられる熱交換器を改良した第2実施形態を示す斜視略図である。
【0063】
図3に示すように、本実施形態では、熱交換22の表面が5つの異なる部分からなっている。
すなわち、高温冷却回路2からの冷却流体の熱交換部分である熱交換第1部分221と、低温冷却回路4からの冷却流体の熱交換部分である熱交換第2部分223と、熱交換第1部分221と熱交換第2部分223との間に設けられた割り当て可能な部分、すなわち熱交換第3部分222とを備えている。
これら3つの熱交換部分は、図2に示す第1実施形態で説明した部分と同一である。
【0064】
この実施形態では、熱交換器22は、サブ冷却部分と称される熱交換第4部分224と、補助冷却部分と称される熱交換第5部分225とを有する追加熱交換部分も備えている。これらの熱交換部分221;222(2)23;224および225も固定されている。
【0065】
熱交換第4部分224は、特に低温冷却回路4または第2熱交換ループを循環する冷却流体のためのものである。
この熱交換第4部分は、冷却流体のための入口および出口を備えている。
【0066】
熱交換第4部分224は、ノズル116が設けられた入口収集器54と、ノズル118が設けられた出口収集器64とを備えている。
この熱交換第4部分224により、熱交換第2部分223を離間する冷却流体の一部またはすべての温度を下げることが可能となる。
この機能により、低温冷却回路4から生じる冷却流体を、少なくとも2つの熱交換レベルまで冷却できる。
次に、低温冷却回路4に取り付けられた熱交換器32−1;32−2を、より効果的に冷却することが可能である。
当然ながら、別の通路およびそれに対応する出口を設けることにより、冷却流体を3つ以上の熱交換レベルで冷却することもできる。
【0067】
熱交換第4部分224と、低温冷却回路4または第2熱交換ループを冷却するための部分とは、互いに連通しており、このような連通は、種々の連通手段によって行わせることができる。
この連通手段は、収集ボックスの外部に位置させることができ、この場合、バルブとすることができる。
別の実施形態では、少なくとも1つの貫通オリフィス、およびこのオリフィスの連通手段により、連通状態を得ることを提案するものであり、この場合の貫通オリフィスは、特にサブ冷却のための熱交換第4部分224の入口に対応している。
【0068】
このサブ冷却のための熱交換第4部分224の内部での冷却流体の流れは、熱交換器22の熱交換第2部分223を通過する流れよりも弱くなる。
【0069】
この冷却システムは、冷却剤のための凝縮ステージと、サブ冷却ステージとを含む空調回路の凝縮器を冷却するのに使用できる。
次に、熱交換第2部分223から生じる冷却流体により、この凝縮ステージを冷却し、サブ冷却のための熱交換第4部分から生じる冷却流体によりサブ冷却ステージを冷却する。
【0070】
補助冷却部分と称される第5熱交換部分225は、別の冷却流体、例えば変速機のオイル、すなわち自動変速ギアボックスのオイルを冷却するようになっている。
この熱交換第5部分225のチューブは、他の4つの部分のチューブと同一であり、入口収集器55および出口収集器65にも接続されている。
各収集器は、前記別の冷却流体のための入口ノズル120または出口ノズル122を備えている。
【実施例3】
【0071】
図4は、本発明に係る自動車の熱機関によって生じる熱エネルギーを管理するためのシステムにおける熱交換器の熱交換第3部分を改良した第3実施形態を示す略図である。
【0072】
図4に示すように、本実施形態では、熱交換器22における熱交換第3部分222の構成を除き、前記した図1に示す実施形態と同様である。
すなわち、熱交換第3部分222は、熱交換表面積が異なる2つの独立した熱交換部分222(1);222(2)に区画して形成されており、これに応じて、熱交換器22の外側に設けた第1分配手段40および第2分配手段42も、それぞれ2つの四方向弁からなる第1分配手段40(1);40(2)および第2分配手段42(1);42(2)を備える。
熱交換第3部分222の部分222(2)と熱交換第2部分223との間は、第3分配手段44によって接続されている。
【0073】
第1分配手段40(1)は、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)に配分するようになっており、第2分配手段42(1)は、熱交換第3部分222の部分222(1)を離れて、高温冷却回路2または熱交換第3部分222の部分222(2)に向かう流体の向きを定めるか、または割り当てることを可能にしている。
【0074】
第1分配手段40(2)は、高温冷却回路2または低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)に配分するようになっており、第2分配手段42(2)は、四方向弁からなる熱交換第3部分の部分222(1)と部分222(2)との間の接続を可能にするとともに、熱交換第3部分の部分222(2)を離れて、熱交換第3部分の部分222(1)または熱交換第2部分の部分223に向かう冷却流体の向きを定めるか、または割り当てることを可能にしている。
【0075】
また、熱交換第3部分222の2つの独立した部分222(1)と部分222(2)とは、熱交換器22の外側に設けられた、2つの四方向弁からなる第4分配手段50(1);50(2)によって、低温冷却回路4から生じる冷却流体が通過可能に接続されている。
第4分配手段50(1)は、低温冷却回路4から生じる冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)に配分するとともに、この熱交換第3部分222の部分222(1)を離れて、熱交換第3部分222の部分222(2)または熱交換第2部分223に向かう冷却流体の向きを定めるか、または割り当てることを可能にしている。
第4分配手段50(2)は、熱交換第3部分222における部分222(1)を離れる、第4分配手段50(1)から分配された低温冷却回路4からの冷却流体または空気(外気)を、熱交換第3部分222の部分222(2)、または第3分配手段44を介して熱交換第2部分223または低温冷却回路4に向かう冷却流体の向きを定めるか、または割り当てることを可能にしている。
これにより、熱交換第3部分222の部分222(1)または部分222(2)に低温冷却回路4から生じる冷却流体を通過させることにより、より低い温度レベルまで冷却させることができる。
【0076】
第1分配手段40(1);40(2)と第2分配手段42(1);42(2)と第4分配手段50(1);52(2)は、同時に作動させてもよいし、同時に作動させなくてもよい。
同様に、第1分配手段40(1);40(2)と第3分配手段44とを、高温冷却回路2および低温冷却回路4の冷却条件に従って、コーディネートしてもよい。
【0077】
図5は、本発明に係る熱交換器における熱交換第3部分に用いられる熱交換部を示す斜視略図、図6は、図5のVI−VI線における拡大断面図である。
【0078】
熱交換器22における熱交換第3部分222は、2つの独立した部分222(1)または部分222(2)の基本形態が、図5に示すように、収集ボックス302と、この収集ボックス302内を高温冷却回路2または第1熱交換ループ、または低温冷却回路4または第2熱交換ループの冷却流体のいずれかの冷却流体が蛇行しながら通過するように貫通させた流体通路304とをもって構成されている。
この流体通路304は、2重管からなるとともに、その外管305または内管306に、高温冷却回路2または第1熱交換ループと低温冷却回路4または第2熱交換ループの冷却流体をそれぞれ別個に循環させて、前記両ループの冷却流体間で熱交換をなしうるようにするか、あるいは、前記外管305または内管306の一方にのみ、前記両ループの冷却流体のいずれか一方を循環させうるようになっている。
なお、熱交換第3部分222における222(1)と部分222(2)は、例えば2重管からなる流体通路304の管径あるいは長さを互いに異ならせることにより、それぞれ熱交換表面積が異なる2つの独立した熱交換部分に容易に区画することができる。
【0079】
すなわち、熱交換第3部分222の冷却流体の循環形態としては、第1に、高温冷却回路2または第1熱交換ループからの冷却流体を熱交換第1部分221のみで冷却し、低温冷却回路4または第2熱交換ループからの冷却流体を熱交換第2部分223のみで冷却する場合に、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)のそれぞれの収集ボックス302内を蛇行させて貫通させた流体通路304の外管305及び内管306の双方に、第1熱交換ループまたは第2熱交換ループの冷却流体、空気冷却のための空気(外気)等のすべての冷却流体を循環させない形態(形態I)が考えられる。
第2に、第1熱交換ループからの冷却流体が、熱交換第1部分221のみでは冷却効果が低い場合には、熱交換第3部分222の外管305に高温冷却回路2または第1熱交換ループからの冷却流体を循環させ、その内管306に空気(外気)を循環させる形態(形態II)が考えられる。
第3に、第2の循環形態における2空気(外気)に代えて、低温冷却回路4または第2熱交換ループからの冷却流体を内管306に循環させる形態(形態III)が考えられる。
第4に、低温冷却回路4または第2熱交換ループからの冷却流体を外管305に循環させ、その内管306に空気(外気)を循環させる形態(形態IV)が考えられる。
【0080】
本発明の熱エネルギー管理システムは、前記した熱交換第3部分222の冷却流体の循環形態I〜IVを、表1に示すように、例えば、No.1〜16の16通りの熱管理が行われるように、適宜コーディネートされる。
【0081】
表1におけるNo.1の形態、すなわち熱交換部分22で通常の熱管理する場合では、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)に通じる全ての分配手段40(1);40(2);42(1);42(2);50(1);50(2)の通路を遮断することにより、高温冷却回路2の冷却流体の冷却が熱交換第1部分221により行われるとともに、低温冷却回路4の冷却流体の冷却が熱交換第2部分223でそれぞれ行われる。
【0082】
表1におけるNo.2の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、必要に応じて熱交換第3部分222の部分222(1)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、第1分配器40(1)の通路A、Bを連通させて開き、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;Cと第4分配手段50(2)の通路A;Bとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、前記部分222(1)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体を、その内管306を通る空気(外気)でもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた冷却流体は、第2分配手段42(1)の通路A;Bを連通させて開くことにより、再び高温冷却回路2における熱交換第1部分221の下流側に戻され、矢印25で示す熱交換後の冷却流体として、ポンプ14を通して熱機関8の高温冷却回路2を循環させる。
【0083】
表1におけるNo.3の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で低温冷却回路4からの冷却流体によって冷却して熱管理する場合では、前記したように高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における流体通路304の外管305に導入して、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路A;Cと第4分配手段50(2)の通路A;Cとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)の流体通路304の内管306に、低温冷却回路4からの冷却流体を導入し、部分222(1)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、その内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路A;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させる。
【0084】
表1におけるNo.4の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、第1分配器40(1)の通路A;Cと第1分配器40(2)の通路A;Bとをそれぞれ連通させて開き、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入する。
一方、第4分配手段50(1)の通路B;Dと第4分配手段50(2)の通路D;Bとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、その内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた冷却流体は、第2分配手段42(2)の通路D;Aと第2分配手段42(1)の通路D;Bとをそれぞれ連通させて開くことにより、再び高温冷却回路2に戻すように循環させる。
【0085】
表1におけるNo.5の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)で低温冷却回路4からの冷却流体によって冷却し熱管理する場合では、前記したように高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入して、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路A;Dと第4分配手段50(2)の通路D;Cとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(2)の流体通路304の内管306に、低温冷却回路4からの冷却流体を導入し、部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、その内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路D;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、再び低温冷却回路4を循環させる。
【0086】
表1におけるNo.6の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)と部分222(2)との双方で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)における流体通路304のそれぞれの外管305に導入するとともに、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)から離れた冷却流体を、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路B;C;Dと第4分配手段50(2)の通路A;B;Dとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)及び部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、それらの内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
【0087】
表1におけるNo.7の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で低温冷却回路4からの冷却流体により冷却し、部分222(2)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)における流体通路304の外管305に導入し、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)から離れた冷却流体を、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路A;Cを連通させて開き、熱交換第3部分222における部分222(1)の流体通路304の内管306に、低温冷却回路4からの冷却流体を導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;Dと第4分配手段50(2)の通路D;Bとをそれぞれ連通させて開いて、部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、それらの内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体または空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路A;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、再び低温冷却回路4を循環させる。
【0088】
表1におけるNo.8の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)と部分222(2)との双方で低温冷却回路4からの冷却流体により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)における流体通路304の外管305に導入し、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)から離れた冷却流体を、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させている状態において、第4分配手段50(1)の通路A;C;Dを連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)及び部分222(2)の流体通路304の内管306に、低温冷却回路4からの冷却流体を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、それらの内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体と熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた熱交換後の低温冷却回路4からの冷却流体とは、第4分配手段50(2)の通路A;Cと通路D;Cを介して、それぞれ第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の直接下流側に戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、再び低温冷却回路4を循環させる。
【0089】
表1におけるNo.9の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で空気(外気)により冷却し、部分222(2)で低温冷却回路4からの冷却流体により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)における流体通路304の外管305に導入し、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路B;Cと第4分配手段50(2)の通路A;Bとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)に空気(外気)を導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路A;Dを連通させて開いて、部分222(2)の流体通路304の内管306に、低温冷却回路4からの冷却流体を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体と、それらの内管306を通る空気(外気)または低温冷却回路4からの冷却流体とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路D;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の直接下流側に戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させる。
【0090】
表1におけるNo.10の形態、すなわち低温冷却回路4の冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、第1分配器40(1)の通路D;B(または通路C;B)と第1分配器40(2)の通路C;D(または通路C;A)とをそれぞれ連通させて開き、低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;Cと第4分配手段50(2)の通路A;Bとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)に空気(外気)を導入し、部分222(1)の外管305を通る低温冷却回路4からの冷却流体と、その内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第2分配器42(1)の通路A;C(または通路A;D)及び第2分配器42(2)の通路B;C(または通路A;C)を介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の直接下流側に戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させる。
【0091】
表1におけるNo.11の形態、すなわち低温冷却回路4の冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、第1分配器40(2)の通路C;Bを連通させて開き、低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;Dを連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、部分222(2)の外管305を通る低温冷却回路4からの冷却流体と、その内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第2分配器42(2)の通路D;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の直接下流側に戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させるようになっている。
【0092】
表1におけるNo.12の形態、すなわち低温冷却回路4の冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)と部分222(2)との双方で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、第1分配器40(1)の通路D;B(または通路C;B)と第1分配器40(2)の通路C;D;B(または通路C;A;B)とをそれぞれ連通させて開いて、低温冷却回路4からの冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)のそれぞれの収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;C;Dと第4分配手段50(2)の通路A;B;Dとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)及び部分222(2)のそれぞれの流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)のそれぞれの外管305を通る低温冷却回路4の冷却流体と、それらの内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)から離れた低温冷却回路4からのそれぞれの冷却流体は、第2分配器42(1)の通路A;C(または通路A;D)及び第2分配器42(2)の通路B;D;C(または通路A;C;D)を介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させるようになっている。
【0093】
表1におけるNo.13の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)で、低温冷却回路4の冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)でそれぞれ空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管第305に導入し、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させるとともに、低温冷却回路4からの冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入し、熱交換後に、再び低温冷却回路4に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路B;C;Dと第4分配手段50(2)の通路A;B;Dとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)及び部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、それぞれの部分222(1)及び部分222(2)のそれぞれの外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体または低温冷却回路4の冷却流体と、それらの内管306を通る空気(外気)とでもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(2)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第2分配器42(2)の通路D;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させる。
【0094】
表1におけるNo.14の形態、すなわち高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)で低温冷却回路4の冷却流体により冷却し、低温冷却回路4の冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、前記したように高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における流体通路304の外管305に導入して、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させるとともに、低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入して、熱交換後に、再び低温冷却回路4に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路A;Cを連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)の流体通路304の内管306に低温冷却回路4の冷却流体を導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;Dと第4分配手段50(2)の通路D;Bをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、部分222(1)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体を、その内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体でもって熱交換する一方、部分222(2)の外管305を通る低温冷却回路4の冷却流体を、その内管306を通る空気(外気)でもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222における部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路A;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させる。
【0095】
表1におけるNo.15の形態、すなわち低温冷却回路4の冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で空気(外気)により冷却し、高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)で空気(外気)により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入して、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させた状態において、第1分配器40(1)の通路D;Bと第1分配器40(2)の通路C;Dとをそれぞれ連通させて開き、低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路B;C;Dと第4分配手段50(2)の通路A;B;Dとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)及び部分222(2)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入し、それぞれの部分222(1)の外管305を通る低温冷却回路4の冷却流体及び部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体を、それぞれ空気(外気)でもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222の部分222(1)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第2分配器42(1)の通路A;C及び第2分配器42(2)の通路B;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または設定温度以上の場合には、熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されて、低温冷却回路4を循環させるようになっている。
【0096】
表1におけるNo.16の形態、すなわち低温冷却回路4の冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(1)で空気(外気)により冷却し、高温冷却回路2の過剰に加熱された冷却流体を、熱交換第3部分222の部分222(2)で低温冷却回路4からの冷却流体により冷却して熱管理する場合では、前記したように、高温冷却回路2からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(2)における流体通路304の外管305に導入し、熱交換後に、再び高温冷却回路2に戻すように循環させる一方、低温冷却回路4からの冷却流体を熱交換第3部分222の部分222(1)における収集ボックス302内を通る流体通路304の外管305に導入し、熱交換後に、再び低温冷却回4に戻すように循環させた状態において、第4分配手段50(1)の通路B;Cと第4分配手段50(2)の通路A;Bとをそれぞれ連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(1)の流体通路304の内管306に空気(外気)を導入するとともに、第4分配手段50(1)の通路A;Dを連通させて開いて、熱交換第3部分222における部分222(2)の流体通路304の内管306に低温冷却回路4からの冷却流体を導入し、それぞれの部分222(1)の外管305を通る低温冷却回路4の冷却流体を、その内管306を通る空気(外気)でもって熱交換し、部分222(2)の外管305を通る高温冷却回路2の冷却流体を、その内管306を通る低温冷却回路4からの冷却流体でもって熱交換することにより行われる。
なお、熱交換後に、熱交換第3部分222における部分222(2)から離れた低温冷却回路4からの冷却流体は、第4分配手段50(2)の通路D;Cを介して第3分配手段44に送られ、この第3分配手段44により、再び低温冷却回路4における熱交換器32−2の下流側に直接戻されるか、または熱交換第2部分223に導入されて、熱交換後に、低温冷却回路4における熱交換器32−2の上流側に戻されるようになっている。
【0097】
以上説明したように、本発明の熱エネルギー管理システムによれば、熱交換第3部分222の部分222(1)及び部分222(2)でもって、高温冷却回路2または第1熱交換ループと低温冷却回路4または第2熱交換ループの冷却流体を、空気(外気)と熱交換するだけでなく、両ループの冷却流体相互間の熱交換により、種々の状況に応じて肌理細かく熱管理することができる。
【0098】
【表1】

【0099】
本発明は、単なる例として上に説明した実施形態だけに限定されず、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、当業者が考えつくことができるすべての変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0100】
2 高温冷却回路
4 低温冷却回路
6 機関入口パイプ
8 熱機関
10 機関出口パイプ
12 四方向弁
12A 入口通路
12B 出口通路
12C 通路
12D 通路
14 ポンプ
15 冷却流体
16 加熱パイプ
18 スペースヒーター
20 高温ラジエータパイプ
22 熱交換器
24 短絡パイプ
25 熱交換後の冷却流体
28 低温ラジエータパイプ
30 低温循環ポンプ
32−1;32−2 熱交換器
40;40(1);40(2) 第1分配手段
42;42(1);42(2) 第2分配手段
44 第3分配手段
50(1);50(2) 第4分配手段
51;52 入口収集器
53 収集器
53−1 入口収集器
53−2 出口収集器
54;55 入口収集器
61;62 出口収集器
63 中間収集器
64;65 出口収集器
100;102;104;106;118;120;122 ノズル
221 熱交換第1部分
222 熱交換第3部分
222(1);222(2) 部分
223 熱交換第2部分
223−1 第1通路
223−2 第2通路
224 熱交換第4部分(サブ冷却部分)
225 熱交換第5部分(補助冷却部分)
302 収集ボックス
304 流体通路(2重管)
305 外管
306 内管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの同一平面に実質的に位置し、それぞれ流体を独立して循環させるようになっている、熱交換第1部分(221)と、熱交換第2部分(223)と、熱交換第3部分(222)とを少なくとも備えた熱交換器であって、
前記熱交換第1部分(221)は、第1熱交換ループ(2)の流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第2部分(223)は、第2熱交換ループ(4)の流体を冷却するためのものであり、前記熱交換第3部分(222)は、必要に応じて、前記第1熱交換ループ(2)又は前記第2熱交換ループ(4)を冷却するためのものであり、前記高温冷却回路(2)の冷却流体又は前記低温冷却回路(4)の冷却流体が流れる流体通路(304)を備えており、
前記熱交換第3部分(222)内の流体通路(304)を、外管(305)と内管(306)とにより構成される2重管とし、
前記外管(305)と前記内管(306)との一方には、前記高温冷却回路(2)の冷却流体と前記低温冷却回路(4)の冷却流体との一方を、他方の管には他方の流体を、それぞれ別個に循環させ、もって、流体相互間で熱交換をなしうるようにしたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
1つの同一平面に実質的に位置し、それぞれ流体を独立して循環させるようになっている、熱交換第1部分(221)と、熱交換第2部分(223)と、熱交換第3部分(222)とを少なくとも備えた熱交換器であって、
前記熱交換第1部分(221)は、第1熱交換ループ(2)の流体を冷却するためのものであり、
前記熱交換第2部分(223)は、第2熱交換ループ(4)の流体を冷却するためのものであり、
前記熱交換第3部分(222)は、必要に応じて、前記第1熱交換ループ(2)又は前記第2熱交換ループ(4)を冷却するためのものであり、前記高温冷却回路(2)の冷却流体又は前記低温冷却回路(4)の冷却流体が流れる流体通路(304)を備えており、
前記熱交換第3部分(222)内の流体通路(304)を、外管(305)と内管(306)とにより構成される2重管とし、
前記外管(305)と前記内管(306)との一方にのみ、前記冷却流体のいずれか一方を循環させうるようになすことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器を用いて、自動車の熱機関によって発生される熱エネルギーを管理するためのシステムであって、
自動車の熱機関を冷却するための高温ラジエータを含む高温冷却回路(2)と、自動車の機器を冷却するための低温ラジエータを含む低温冷却回路(4)とを備え、前記高温ラジエータと前記低温ラジエータとをもって熱交換器(22)の一部を形成する、熱エネルギー管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−117716(P2011−117716A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246571(P2010−246571)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(506280029)
【Fターム(参考)】