説明

屋根葺き構造及び役物部材

【課題】屋根設置部材の桁方向側部の防水性を確保すると共に、該屋根設置部材を桁方向に位置調整可能とする屋根葺き構造を提供する。
【解決手段】傾斜屋根1の屋根面2に、雨水を処理する働き部5、7を有する屋根材3と、該屋根材3に代わって屋根面を覆う屋根設置部材4とが傾斜屋根1の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設され、該屋根設置部材4の桁方向の両側部には、屋根材との間に役物部材20L、20Rが介在しており、該役物部材20L、20Rは、屋根材3と屋根設置部材4の間の屋根面を覆う役物本体21L、21Rと、該役物本体21L、21Rと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋22L、22Rとを備え、該樋22L、22Rは、屋根設置部材4の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材4と屋根面2の対向面間に延伸されて屋根設置部材4と重合するアンダーラップ部26L、26Rを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物における切り妻屋根等の傾斜屋根の屋根面に屋根瓦等の屋根材と太陽電池モジュール等の屋根設置部材とを敷き列べて構成される屋根葺き構造及び屋根材と屋根設置部材との間に介在する役物部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の建物における切り妻屋根等の傾斜屋根の屋根面に、屋根瓦等の屋根材と太陽電池モジュール等の屋根設置部材を敷き列べて構成される屋根葺き構造が知られている。
該屋根葺き構造においては、所定の配列パターンを有して敷き列べられる屋根材の中途部に屋根設置部材が設置されており、屋根面の流れ方向と直交する桁方向の幅が異なる屋根材と屋根設置部材とを桁方向に隣り合わせて配設すると、屋根材の配列パターンが屋根設置部材の一方の側部にてずれてしまう場合がある。ここで、現場にて該屋根設置部材の一方の側部に配設される屋根材を適当な幅に切断する等することによって上述の如きずれを補正することは困難であり、また、作業者の熟練を要する。
【0003】
また、桁方向に隣接する屋根材間には、該屋根材間の防水性を確保するための嵌合防水構造が桁方向に隣接する屋根材どうしを嵌合させることにより形成されるが、屋根材と屋根設置部材の間では該嵌合防水構造を形成することができないため、屋根材と屋根設置部材の間の防水性が確保されず、該屋根材と屋根設置部材の間から屋根面に雨水が浸入する虞があった。
そこで、特許文献1の太陽電池モジュールの敷設方法においては、桁方向に隣り合う太陽電池モジュールと瓦の間に防水部材を介在させる構成が提案されている。
【0004】
該防水部材は、太陽電池モジュールの敷設によって生じる瓦のずれを補正する桁方向の幅を有すると共に、瓦側側部に樋部が設けられると共に太陽電池モジュール側側部の開口部が設けられているものであって、樋部が瓦の防水部材側側部の下側に廻り込み、開口部が太陽電池モジュールの樋部を上側から覆うことにより、瓦と防水部材の間の防水性が確保されると共に、太陽電池モジュールと防水部材の間の防水性が確保されるのである。
【特許文献1】特開2002−180603号公報(第12図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記敷設方法は、防水部材の桁方向の幅を瓦のずれに対応させた大きさに形成することにより前記瓦のずれを補正するものであって、このような敷設方法においては、瓦のずれの大きさに応じた複数種類の防水部材が必要となり、製造コストが増大するばかりでなく、太陽電池モジュールを桁方向に位置調整することにより解消される程度の僅かな瓦のずれに対応できない問題がある。
また、太陽電池モジュールの樋部を防水部材の開口部によって覆うことにより太陽電池モジュールと防水部材間の防水性が確保されているが、このような防水構造は当該太陽電池モジュールと防水部材との間のみによって成立するものであって、例えば樋部を備えていない別種の太陽電池モジュールや他の屋根設置部材との間で上述の如き防水構造を形成することができない。このため、設置すべき屋根設置部材に応じた複数種類の防水部材が必要となり、これによっても製造コストの増大を招いてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、屋根設置部材の桁方向側部の防水性を確保すると共に、該屋根設置部材を桁方向に位置調整可能とする屋根葺き構造を提供するようにしたものである。
また、本発明は、上記問題点に鑑み、屋根設置部材の桁方向側部の防水性を確保すると共に、該屋根設置部材を桁方向に位置調整可能とする役物部材を提供するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、傾斜屋根の屋根面に、雨水を処理する屋根材と、該屋根材に代わって屋根面を覆う屋根設置部材とが傾斜屋根の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設され、該屋根設置部材の桁方向の両側部若しくは一方の側部には、屋根材との間に役物部材が介在している屋根葺き構造であって、
該役物部材は、前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体と、該役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋とを備え、該樋は、屋根設置部材の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材と屋根面の対向面間に延伸されて屋根設置部材と重合するアンダーラップ部を有している点にある。
【0008】
なお、本発明において、流れ方向とは傾斜屋根の棟側端部から軒側端部に向かう方向のことを示し、桁方向とは該流れ方向及び傾斜屋根の屋根面の法線方向と直交する方向のことを示しており、上下方向とは屋根面の法線方向のことを示している。
上記技術的手段においては、役物部材の樋が屋根設置部材の役物部材側の側部の下側を覆って延伸されているため、樋は、屋根設置部材の役物本体側の形状に拘わらず役物本体と屋根設置部材との間の隙間に流れ込む雨水を受けることができ、これによって、前記隙間より屋根面に雨水が浸入することはない。
【0009】
また、樋には屋根設置部材と重合するアンダーラップ部が設けられているので、該アンダーラップ部との重ね代を伸縮させて屋根設置部材を桁方向に移動させることができ、これによって、屋根設置部材の桁方向の位置調整が可能となるのである。
また、前記屋根設置部材は、屋根材の流れ方向の長さよりも大きい流れ方向の長さを有し、前記役物部材は、屋根設置部材及び複数段の屋根材の間に介在していることが好ましい。
また、前記複数段の屋根材は、流れ方向に隣り合う屋根材同士が桁方向に順次ずれるように配設されており、前記役物本体は、屋根材側の側縁部が前記複数段の屋根材のずれに対応して凹凸状に形成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記屋根材は、屋根面を覆って雨水を処理する働き部を備え、該働き部は、流れ方向及び桁方向に所定の寸法を有し、前記屋根設置部材は、屋根材の働き部の桁方向の幅の(1/2)×n倍の桁方向の幅を有し、前記役物本体は、屋根材の働き部の桁方向の幅の1/2若しくは1/4の桁方向の幅を有していることが好ましい。
なお、nは0以上の整数を示している。
また、前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の他の技術的手段は、傾斜屋根の屋根面に、雨水を処理する屋根材と、該屋根材に代わって屋根面を覆う屋根設置部材とが傾斜屋根の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設され、該屋根設置部材の桁方向の両側部若しくは一方の側部には、屋根材との間に役物部材が介在している屋根葺き構造であって、
該役物部材は、前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体を備えると共に、役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋を備え、前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されている点にある。
【0012】
該技術的手段においては、役物部材の樋が役物本体と屋根設置部材との間に配設されるため、屋根設置部材の役物本体側の形状に拘わらず該樋が役物本体と屋根設置部材との間の隙間に流れ込む雨水を受けることとなり、これによって、前記隙間より屋根面に雨水が浸入することはない。
また、第1覆い体と第2覆い体を摺動させて役物本体を桁方向に伸縮させることにより、役物本体の桁方向の幅を調整することができ、これによって、屋根設置部材と役物本体の間の隙間及び屋根材と役物本体の間の隙間を塞ぐことができ、屋根設置部材と屋根材の間の防水性の向上が図られるのである。また、役物本体を伸縮させて樋上に設置した屋根設置部材を桁方向に移動させることができ、これによって、屋根設置部材の桁方向の位置調整が可能となるのである。
【0013】
また、前記役物本体の屋根材側側部は、その上面が隣接する屋根材の役物部材側側部の上面と略面一となる高さを有していることが好ましい。
また、前記役物部材は、隣接する屋根材と役物本体の間の隙間から屋根面への雨水の浸入を防止するように屋根材の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部を備えていることが好ましい。
また、前記屋根材は、桁方向の一側に樋部を有すると共に他側に桁方向に隣接する屋根材の樋部を上側から覆う覆い部を有し、前記役物部材の前記嵌合防水部は、屋根材の樋部を上側から覆うように該樋部と嵌合していることが好ましい。
【0014】
また、前記屋根材は、桁方向の一側に樋部を有すると共に他側に桁方向に隣接する屋根材の樋部を上側から覆う覆い部を有し、前記役物部材の前記嵌合防水部は、屋根材の覆い部の下側に回り込むように該覆い部と嵌合していることが好ましい。
また、本発明の他の技術的手段は、傾斜屋根の屋根面に桁方向に隣り合うように設置された屋根材と屋根設置部材との間に介在される役物部材であって、
前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体と、該役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋とを備え、該樋は、屋根設置部材の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材と屋根面の対向面間に延伸されて屋根設置部材と重合するアンダーラップ部を有している点にある。
【0015】
上記技術的手段においては、樋が屋根設置部材の役物部材側の側部を下側を覆って延伸されているため、樋は、屋根設置部材の役物本体側の形状に拘わらず役物本体と屋根設置部材との間の隙間に流れ込む雨水を受けることができ、これによって、前記隙間より屋根面に雨水が浸入することはない。
また、樋には屋根設置部材と重合するアンダーラップ部が設けられているので、該アンダーラップ部との重ね代を伸縮させて屋根設置部材を桁方向に移動させることができ、これによって屋根設置部材の桁方向の位置調整が可能となるのである。
【0016】
また、本発明の他の技術的手段は、傾斜屋根の屋根面に桁方向に隣り合うように設置された屋根材と屋根設置部材との間に介在される役物部材であって、
前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体を備えると共に、役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋を備え、前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されている点にある。
【0017】
該技術的手段においては、樋が役物本体と屋根設置部材との間に配設されるため、屋根設置部材の役物本体側の形状に拘わらず該樋が役物本体と屋根設置部材との間の隙間に流れ込む雨水を受けることとなり、これによって、前記隙間より屋根面に雨水が浸入することはない。
また、第1覆い体と第2覆い体を摺動させて役物本体を桁方向に伸縮させることにより、役物本体の桁方向の幅を調整することができ、これによって、屋根設置部材と役物本体の間の隙間及び屋根材と役物本体の間の隙間を塞ぐことができ、屋根設置部材と屋根材の間の防水性の向上が図られるのである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の屋根葺き構造によれば、屋根設置部材の桁方向側部の防水性が確保され、しかも、該屋根設置部材の桁方向の位置調整が可能となるのである。
また、本発明の役物部材によれば、屋根設置部材の桁方向側部の防水性が確保され、しかも、該屋根設置部材の桁方向の位置調整が可能となるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図13は、本発明の第1の実施の形態を示している。
図12に示す如く、本実施の形態の屋根葺き構造においては、傾斜屋根1の屋根面2に、雨水を処理する屋根材3と、該屋根材3に代わって屋根面2を覆う屋根設置部材4とが傾斜屋根1の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設されている。
なお、本実施の形態においては、傾斜屋根1の棟側端部から軒側端部に向かう方向を流れ方向とし、該流れ方向及び傾斜屋根1の屋根面2の法線方向と直交する方向(一方の妻側端部から他方の妻側端部に向かう方向)を桁方向とする。また、前記法線方向を上下方向とする。
【0020】
図11に示す如く、屋根面2は、垂木(図示省略)上に野地板2aを張設し、該野地板2aの上面をアスファルトルーフィング等から構成される防水層2bによって覆うことにより形成され、該屋根面2には、桁方向に延伸された桟材2cが流れ方向に所定の間隔を有して固定されている。
また、図12に示す如く、屋根面2は、屋根材3を桁方向に配設して形成される屋根材列3aの間に、屋根設置部材4を桁方向に連接して形成される屋根設置材列4aを設置することによってこれら屋根材3及び屋根設置部材4に覆われている。
【0021】
屋根材列3a及び屋根設置部材列4aは、屋根面2の軒方向から棟方向に向けて段状に葺き上げられることにより屋根面2上に敷設されており、本実施の形態においては、軒側から数えて2段目から9段目にかけて屋根設置部材列4aが設けられており、各屋根設置部材列4aは、屋根材3と隣り合うこととなる桁方向の最外縁が互いにずれることなく敷き列べられている。
屋根材列3aは、桁方向の幅(以下、働き幅という)を所定寸法に形成した働き部5を有する陶器製の屋根瓦6と、該屋根瓦5の略1/2の働き幅に形成された働き部7を有する陶器製の半瓦8の2種類の屋根材3によって形成されている。
【0022】
図7及び図8に示す如く、屋根瓦6は、上述の如き働き部5と、該働き部5の桁方向の左右一側(本実施の形態においては左側)に配備された樋部9とから構成されている。働き部5の上面には、桁方向側部に沿って波形凸部10、11がそれぞれ形成され、左右一側(本実施の形態においては右側)の波形凸部11の下面には、隣接する屋根瓦6又は半瓦8の樋部9を上方から覆う覆い部12が設けられている。
また、働き部5の棟側端部には、下方に向けて突出する下凸部13と、上方に向けて突出する上凸部14とが形成されており、働き部5の軒側端部には、流れ方向に向けて雨水を流すための水下り部15が形成されている。
【0023】
図9及び図10に示す如く、半瓦8は、働き部7と該働き部の桁方向の左右一側(本実施の形態においては左側)に配備された樋部9とから構成されており、働き部7の働き幅が屋根瓦6の働き部5の働き幅の略1/2の大きさに形成されている以外は屋根瓦6と同じ構成を有している。
屋根設置部材4は、図5及び図6に示す如く、太陽電池としての機能を有する本体18と、該本体18の桁方向の両側部を覆って配備された枠部材19とから構成されている。該本体18は、ソーラーセルをガラスで封入してなる複数の太陽電池を有し、これら複数の太陽電池をモジュール基板の上面に貼り付けて構成されたものである。
【0024】
また、本実施の形態において、屋根設置部材4の本体18は、流れ方向の長さ(以下、働き長さという)が前記屋根瓦6の働き部5の働き長さと同じ大きさに形成されると共に、働き幅が前記屋根瓦6の働き部5の働き幅の(1/2)×n倍(本実施の形態においてはn=6)の大きさに形成されている。
屋根設置部材4の桁方向の両側部若しくは一方の側部には、屋根材3との間に役物部材が介在している。
本実施の形態においては、屋根設置部材列4aの桁方向の最も左側に位置する屋根設置部材4の桁方向左側に左側の役物部材20Lが配設され、屋根設置部材列4aの桁方向の最も右側に位置する屋根設置部材4の桁方向右側に右側の役物部材20Rが配設されているが、例えば特開平2002−180603に示されるように、屋根材3中に混ぜ葺きされる一の屋根設置部材4の桁方向の一側のみに役物部材を配設しても良く、また、一の屋根設置部材4の桁方向の両側に役物部材を配設してももちろん構わない。
【0025】
役物部材20L、20Rは、アルミニウム等の軽金属からなる金属板をプレス成型することによって形成されている。
図1及び図2に示す如く、左側の役物部材20Lは、前記屋根材3と屋根設置部材4の間の屋根面2を覆う役物本体21Lと、該役物本体21Lと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋22Lとを備えている。
該役物本体21の屋根材側側部は、その上面が隣接する屋根材3(本実施の形態においては屋根瓦6)の役物部材側側部の上面と略面一となる高さを有している。
【0026】
本実施の形態において、該役物部材20Lの役物本体21Lは、屋根瓦6と対向することとなる桁方向左側部上面に亘って波形の凸条部23が形成され、該凸条部23は、その上面が前記屋根瓦6の波形凸部11の上面と略面一となる高さを有している。
また、該役物部材20Lは、隣接する屋根材3(本実施の形態においては屋根瓦6)と役物本体21Lとの間の隙間から屋根面2への雨水の浸入を防止するように屋根材3の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部24Lを備えている。
本実施の形態において、該役物部材20Lの嵌合防水部24Lは、屋根瓦6の覆い部12の下側に廻り込んで該覆い部12と嵌合している。即ち、当該役物部材20Lの役物本体21Lの桁方向左側部には、隣接する屋根瓦6の覆い部12の下方に廻り込んで該屋根瓦6と役物本体21Lとの間から屋根面2に向けて流れ込む雨水を受けるための樋状部25が突設されている。
【0027】
前記樋22Lは、前記屋根設置部材4の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材4と屋根面2の対向面間に延伸されて屋根設置部材4と重合するアンダーラップ部26Lを有している。また、該樋22Lは、アンダーラップ部26Lの先端を折り返して形成される水返し部27Lを備えており、これによって、樋22Lに浸入した雨水がアンダーラップ部22Lから屋根設置部材4と屋根面2の間に流れ込むことを防止している。
図3及び図4に示す如く、右側の役物部材20Rは、前記屋根材3と屋根設置部材4の間の屋根面2を覆う役物本体21Rと、該役物本体21Rと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋22Rとを備えている。
【0028】
該役物本体21Rの屋根材側側部は、その上面が隣接する屋根材3(本実施の形態においては半瓦8)の役物部材側側部の上面と略面一となる高さを有している。
本実施の形態において、該役物部材20Rの役物本体21Rには、半瓦8と対向することとなる桁方向右側部側に波形の突出部28が形成されており、該突出部28は、その上面が前記半瓦8の波形凸部10の上面と略面一となる高さを有している。
また、該役物部材20Rは、隣接する屋根材3(本実施の形態においては半瓦8)と役物本体21Rとの間の隙間から屋根面2への雨水の浸入を防止するように半瓦8の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部24Rを備えている。
【0029】
本実施の形態において、該役物部材20Rの嵌合防水部24Rは、半瓦8の樋部9を上側から覆って該樋部9と嵌合している。即ち、該役物部材20Rの役物本体21Rの突出部28の下方には、隣接する半瓦8の樋部9を収容して該樋部9に雨水が浸入することを可及的に抑制する収容部29が形成されている。
前記樋22Rは、前記屋根設置部材4の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材4と屋根面2の対向面間に延伸されて屋根設置部材4と重合するアンダーラップ部26Rを有している。また、該樋22Rは、アンダーラップ部26Rの先端を折り返して形成される水返し部27Rを備えており、これによって、樋22Rに浸入した雨水がアンダーラップ部22Rから屋根設置部材4と屋根面2の間に流れ込むことを防止している。
【0030】
なお、役物部材20L、20Rの役物本体21L、21Rは、該屋根瓦6の働き部5の働き幅の略1/4の働き幅を有している。
本実施の形態は以上の構成からなるものであって、図11に示す如く、屋根面2の桟材2cに屋根瓦6の下凸部13を引っ掛けて係合させると共に、該屋根瓦6の覆い部12の下側に該屋根瓦6と隣接すべき屋根瓦6の樋部9を廻り込ませ、これを順次繰り返すことにより屋根材列3aが形成される。そして、下段の屋根材列3aを形成する屋根瓦6の上凸部14を上段の屋根材列3aを形成する屋根瓦6の水下り部15で覆うようにこれら屋根材列3aを屋根面2の軒側から棟側に向けて階段状に葺き上げることにより、図12に示す如く、桁方向に整列した屋根瓦6が流れ方向に階段状に重なり合った傾斜屋根1が形成されるのである。
【0031】
また、軒側から数えて2段目から9段目においては、屋根材列3aの間に屋根設置部材列4aが配設されている。ここで、実際の屋根の施工においては、一方の屋根瓦6の樋部9によって雨水を処理すべく隣接する屋根瓦6間に僅かに隙間を設けて該屋根瓦6が配設されているため、上述の如く働き幅が屋根瓦6の働き部5の(1/2)×n倍である屋根設置部材4を配設した場合、この整数分の屋根瓦6を桁方向に敷き列べた屋根材列3aの桁方向長さは屋根設置部材4の働き幅よりも前記隙間の合計分だけ大きいものとなる。このため、図12に示す如く、流れ方向及び桁方向に整列した屋根材列3aに対して屋根設置部材列4aの一側(本実施の形態においては右側)の側縁が僅かに左側に寄り、これによって該屋根設置部材列4aの右側に配設される屋根材列3aが1段目及び10段目の屋根材列3aよりも左側にずれてしまうこととなる。
【0032】
そこで、2段目から9段目においては、上述の如きずれを補正すべく、先ず、該ずれを加味した所定位置に桁方向に左右一対の役物部材20L、20Rを固定する。
そして、左側の役物部材20Lの左側及び右側の役物部材20Rの右側に上述の如き屋根材列3aを配設する。
このとき、図5及び図6に示す如く、左側の役物部材20Lの樋状部25を屋根材列3aの桁方向最右側の屋根瓦6の覆い部12によって覆うと共に、右側の役物部材20Rの収容部29に屋根材列3aの桁方向最左側の半瓦8の樋部9を廻り込ませることにより、屋根材列3aと役物部材20L、20Rの間の防水処理が施されることとなり、これによって、該屋根材列3aと役物部材20L、20Rの間の隙間から屋根面2に向けて雨水が浸入することが可及的に防止されるのである。
【0033】
そして、左右一対の役物部材20L、20Rの間に、屋根設置部材4を公知の技術によって桁方向に連接した屋根設置部材列4aを設置するのである。ここで、桁方向に連接された屋根設置部材4の内、屋根設置部材列4aの最も左側に位置する屋根設置部材4の左側部の枠部材19は、左側の役物部材20Lの樋22Lの上面に設置され、これによって該樋22Lのオーバーラップ部26Lは、該枠部材19及び該枠部材19に近傍の本体18と対向することとなるのである。
同様に、屋根設置部材列4aの最も右側に位置する屋根設置部材4の右側側部の枠部材19は、右側の役物部材20Rの樋22Rの上面に設置され、これによって該樋22Rのオーバーラップ部26Rは、該枠部材19及び該枠部材19に近傍の本体18と対向することとなるのである。
【0034】
そして、この状態で屋根設置部材列4aを桁方向に動かすことにより、屋根設置部材列4aの桁方向の位置調整がなされ、これによって、該屋根設置部材列4aが屋根材列3aに対して収まりよく屋根面2に設置されるのである。
このとき、屋根設置部材列4aの桁方向両側縁の枠部材19はそれぞれ、左右一対の役物部材20L、20Rの樋22L、22Rのオーバーラップ部26L、26Rを伸縮させつつ該樋22L、22R上を摺動するため、屋根面2が露出することはなく、屋根設置部材列4aと役物本体21L、21Rの間に雨水が浸入した場合にも、該雨水は樋22L、22Rによって受けられ、屋根面2にまで雨水が浸入することは防止されるのである。
【0035】
また、図12に示す如く、左側の役物部材20Lの左側縁を1段目及び10段目の屋根材列3aを形成する屋根瓦6の側縁に揃えるように左右一対の役物部材20L、20Rを屋根面2に設置した場合、右側の役物部材20Rが1段目及び10段目の屋根材列3aの屋根瓦6に対して該屋根瓦6の働き部5の働き幅の略半分の長さだけずれた位置に設置されることとなるが、該右側の役物部材20Rの桁方向右側に半瓦8を配設することにより、該半瓦8に続けて配設する屋根材列3aは収まりよく屋根面2に敷設されるのである。
また、図13に示す如く、半瓦8の配設位置を屋根材列3aの段毎に左側の役物部材20Lの桁方向左側と右側の役物部材20Rの桁方向右側との間で交互に設定することにより、屋根材列3aが段毎に半瓦8の働き部7の働き幅だけずらされ、これによって屋根材3を所謂千鳥状に配設することができるのである。
【0036】
本実施の形態によれば、屋根設置部材列4aの桁方向側部に役物部材20L、20Rを配設することにより、屋根設置部材列4a及び役物部材20L、20Rに隣接して配設される屋根材列3aが収まりよく配設されるので、屋根材3を現場で切削したり、屋根材3間の隙間の大きさを調節したりする等して屋根設置部材列4aの設置に伴う屋根材列3aのずれを補正する必要はなく、施工性の向上が図られる。また、屋根設置部材列4aの桁方向左右両端の枠部材19、19を左右一対の役物部材20L、20Rの樋22L、22R上に位置させた状態で該屋根設置部材4aを桁方向に位置調整可能であるので、屋根設置部材列4aの桁方向側部の防水性が確保されることはもちろん、傾斜屋根1の外観上の意匠性の向上が図られるのである。
【0037】
図14〜図21は本発明の第2の実施の形態を示している。
【0038】
該第2の実施の形態においては、役物部材210L、210Rの構成が上記第1の実施の形態とは異なるが、他の構成は上記第1の実施の形態と同じであるので、役物部材210L、210Rの構成についてのみ説明し、他の構成は上記第1の実施の形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態において、役物部材210L、210Rは、前記屋根材3と屋根設置部材4の間の屋根面2を覆う役物本体211L、211Rを備えると共に、役物本体211L、211Rと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋22L、22Rとを備えている。
【0039】
役物本体211L、211Rは、屋根材側の第1覆い体212L、212Rと屋根設置部材側の第2覆い体213L、213Rとを有し、これら第1覆い体212L、212Rと第2覆い体213L、213Rとは、役物本体211L、211Rを桁方向に伸縮(調整)可能とするように、桁方向に互いに摺動自在に連結(接続、嵌合、組み合わ)されている。
図14及び図15は、屋根設置部材列4aの桁方向左側に配設される左側の役物部材210Lを示しており、該役物部材210Lの役物本体211Lは、直方体状の第1覆い体212Lと該第1覆い体212Lを覆う第2覆い体213Lとから構成されており、該第1覆い体212Lに第2覆い体213Lが桁方向に摺動自在に係合している。
【0040】
また、第1覆い体212Lの上面に前記凸条部23が形成されると共に、該第1覆い体212Lの左側部に沿って前記樋状部25が設けられている。また、第2覆い体213Lの右側部に沿って前記樋22Lが配備され、該樋22Lは前記アンダーラップ部26L及び水返し部27Lを備えている。
さらに、第1覆い体212Lの右側部には、その側縁を第2覆い体213Lに向けて折り返してなる水返し部30Lが形成されており、第2覆い体213Lの左側部には、その側縁を第1覆い体212Lに向けて折り返してなる水返し部31Lが形成されており、一方の水返し部が他方の覆い体の表面と当接した状態で両覆い体212L、213Lは互いに係合している。このため、両覆い体212L、213Lを桁方向に摺動させた場合にも、両水返し部30L、31Lが覆い体212L、213Lの表面上をそれぞれ摺動することとなり、これによって、両覆い体212L、213Lの摺動面の水密性が保たれ、該摺動面から屋根面2への雨水の浸入は防止されるのである。
【0041】
図16及び図17は、屋根設置部材列4aの桁方向右側に配設される右側の役物部材210Rを示しており、該役物部材210Rの役物本体211Rは、カバー状の第1覆い体212Rと、該第1覆い体212Rの下面に廻り込んで配備される直方体状の第2覆い体213Rとから構成されており、該第2覆い体213Rに第1覆い体212Rが桁方向に摺動自在に係合している。
また、第1覆い体212Rの右側部に前記突出部28が設けられると共に、該突出部28の下方には前記収容部29が設けられている。また、第2覆い体213Rの左側部に沿って前記樋22Rが配備され、該樋22Rは前記アンダーラップ部26R及び水返し部27Rを備えている。
【0042】
さらに、第1覆い体212Rの左側部には、その側縁を第2覆い体213Rに向けて折り返してなる水返し部30Rが形成されており、第2覆い体213Rの右側部には、その側縁を第1覆い体212Rに向けて折り返してなる水返し部31Rが形成されており、一方の水返し部が他方の覆い体の表面と当接した状態で両覆い体212R、213Rは互いに係合している。このため、両覆い体212R、213Rを桁方向に摺動させた場合にも、両水返し部30R、31Rが覆い体212R、213Rの表面上をそれぞれ摺動することとなり、これによって、両覆い体212R、213Rの摺動面の水密性が保たれ、該摺動面から屋根面2への雨水の浸入は防止されるのである。
【0043】
本実施の形態は以上の構成からなるものであって、各役物部材210L、210Rを前記屋根設置部材列4aの桁方向の側部に配備する場合、先ず、屋根設置部材列4aの働き幅に相当する間隔を桁方向に設けた所定位置に左右一対の役物部材210L、210Rを固定し、その後、屋根設置部材列4aを両役物部材210L、210Rの間に設置する。これによって、屋根設置部材列4aと両役物部材210L、210Rの役物本体211L、211Rとは隙間無く隣接し、また、該隙間の下方には役物部材210L、210Rの樋22L、22Rがそれぞれ位置することとなり、これら屋根設置部材列4aと役物部材210L、210Rの間の防水性が確保されるのである。
【0044】
次に、左側の役物部材210Lの左方及び右側の役物部材210Rの右方に上述の如き屋根材列3aを配設する。
ここで、屋根瓦6を流れ方向に整列させるべく該屋根瓦6を桁方向に敷き列べていくと、図18及び図19に示す如く、左側の役物部材210Lの役物本体211Lと該役物本体211Lに隣接すべき屋根瓦6の間、及び右側の役物部材210Rの役物本体211Rと該役物本体211Rに隣接すべき屋根瓦6の間に大きな隙間が生じ、左側の役物部材210Lの樋状部25や右側の役物部材210Rに隣接すべき屋根瓦6の樋部9が屋根上に大きく露出してしまう場合がある。
【0045】
そこで、両役物部材210L、210Rの役物本体211L、211Rの第1覆い体212L、212Rと第2覆い体213R、213Rとを互いに桁方向に摺動させ、役物本体211L、211Rを桁方向に伸長させる。これによって、図20及び図21に示す如く、左側の役物部材210Lの樋状部25が該役物部材210Lの桁方向左側に配設される屋根瓦6の覆い部12によって覆われると共に、右側の役物部材210Rの収容部29に役物部材210Rの桁方向右側に配設される屋根瓦6の樋部9が廻り込む。これによって、これら屋根材列3aと役物本体211L、211R間の上述の如き隙間が塞がれると共に該隙間の防水処理が施されることとなり、該屋根材列3aと役物本体211L、211Rの間の隙間から屋根面2に向けて雨水が浸入することが可及的に防止されるのである。
【0046】
本実施の形態によれば、左右一対の役物部材210L、210Rの役物本体211L、212Rを桁方向に伸縮させることにより、屋根設置部材列4aを設置することによる流れ方向の屋根材3のずれは解消されることとなり、屋根材3を現場で切削したり、屋根材3間の隙間の大きさを調節したりする等して前記屋根材3のずれを補正する必要はなく、施工性の向上が図られる。また、左右一対の役物部材210L、210Rの役物本体211L、211Rと該役物部材210L、210Rと隣接する屋根設置部材4及び屋根材3の間の隙間を可及的に小さくすることができるため、該役物本体211L、211Rの桁方向両側の防水性の向上が図られるのである。
【0047】
図22〜図27は本発明の第3の実施の形態を示している。
【0048】
図22に示す如く、本実施の形態において、屋根瓦61は、上述の如き働き部5と、該働き部5の桁方向の左右一側(本実施の形態においては右側)に突設された樋部9とから構成されている。
働き部5には、桁方向側部に波形凸部10、11がそれぞれ形成され、左右一側(本実施の形態においては左側)の波形凸部11の下面には、隣接する屋根瓦61の樋部9を上方から覆う覆い部12が設けられている(図27参照)。また、図24及び図25に示す如く、働き部5の棟側端部には、屋根面2の桟材2cに当接すべき下凸部13と、上方に向けて突出する上凸部14とが形成されており、働き部5の軒側端部には、流れ方向に向けて雨水を流すための水下り部15が形成されている。
【0049】
また、図22及び図23に示す如く、屋根設置部材41の本体18は、働き長さが前記屋根瓦61の働き部5の働き長さの整数倍(本実施の形態においては略2倍)の大きさに形成されると共に、働き幅が前記屋根瓦61の働き部5の働き幅の(1/2)×n倍(本実施の形態においてはn=8)の大きさに形成されている。
該屋根設置部材41の桁方向側部には、左右一対の役物部材220L、220Rが配備されている。
該一対の役物部材220L、220Rは、屋根材3(本実施の形態のおいては屋根瓦61)の流れ方向の長さよりも大きい流れ方向の長さを有し、屋根設置部材41及び複数段の屋根材3の間に介在している。
【0050】
即ち、本実施の形態において、屋根設置部材41の桁方向左側に配備される左側の役物部材220Lは、複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体221Lと、該役物本体221Lと屋根設置部材41の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋222Lとを備えている。
該役物本体221Lは、無底の箱形形状を呈しており、その働き幅が屋根瓦61の働き部5の働き幅の略1/4の大きさに形成されると共に、その働き長さが前記屋根瓦61の働き部5の働き長さの整数倍(本実施の形態においては略2倍)の大きさに形成されている。
【0051】
また、図24及び図26に示す如く、該役物部材220Lは、前記隣接する屋根瓦61と役物本体221Lとの間の隙間から屋根面2への雨水の浸入を防止するように屋根瓦61の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部224Lを備えており、該役物部材220Lの嵌合防水部224Lは、複数段状に重なり合った屋根瓦61、61の樋部9、9を上側から覆って該樋部9と嵌合している。
即ち、該役物部材220Lの役物本体221Lの左側部には、隣接する段状の屋根瓦61、61の樋部9、9に上面に沿わせて段状に切り欠かれた切り欠き部229が形成されており、該切り欠き部229に段状の屋根瓦61、61の樋部9、9の上面を対向させた状態で該樋部9、9を役物本体221L内に収容することにより、該樋部9、9に雨水が浸入することが可及的に抑制されるのである。
【0052】
図23に示す如く、前記樋222Lは、前記役物本体221Lの働き長さと略同一の働き長さを有して前記役物本体221Lの右側部に沿って配備されている。
さらに、該樋222Lは、屋根設置部材41の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材41と屋根面2の対向面間に延伸されて屋根設置部材41と重合するアンダーラップ部226Lを有している。
また、図26に示す如く、該樋222Lは、アンダーラップ部226Lの先端を折り返して形成される水返し部227Lを備えており、これによって、樋222Lに浸入した雨水がアンダーラップ部222Lから屋根設置部材41と屋根面2の間に流れ込むことを防止している。
【0053】
また、図22及び図23に示す如く、屋根設置部材41の桁方向右側に配備される右側の役物部材220Rは、複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体221Rと、該役物本体221Rと屋根設置部材41の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋222Rとを備えている。
該役物本体221Rは、無底の箱形形状を呈しており、その働き幅が屋根瓦61の働き部7の働き幅の略1/4の大きさに形成されると共に、その働き長さが前記屋根瓦61の働き部7の働き長さの整数倍(本実施の形態においては略2倍)の大きさに形成されている。
【0054】
また、図25及び図27に示す如く、該役物部材220Rは、隣接する段状の屋根瓦61、61と役物本体221Rとの間の隙間から屋根面2への雨水の浸入を防止するように屋根瓦61、61の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部224Rを備えており、該役物部材220Rの嵌合防水部224Rは、複数段状に重なり合った屋根瓦61、61の覆い部12、12の下側に廻り込んで該覆い部12、12と嵌合している。
即ち、図23に示す如く、該役物部材220Rの役物本体221Rの右側部には、隣接する段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12の下方に廻り込んで該屋根瓦61、61と役物本体221Rとの間から屋根面2に向けて流れ込む雨水を受けるための樋状部225が突設されている。該樋状部225には、その右側縁を上方に折り返して形成される水返し部225aが設けられており、該水返し部225aは、隣接する段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12の形状に沿わせて段状に形成されている。該樋状部225の上面を段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12によって覆うことにより、該樋状部225に雨水が浸入することが可及的に抑制されるのである。
【0055】
さらに、該樋222Rは、屋根設置部材41の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材41と屋根面2の対向面間に延伸されて屋根設置部材41と重合するアンダーラップ部226Rを有している。
また、左右一対の樋222L、222Rは、前記屋根面2と平行となるように棟側から軒側に向けて傾斜しているが、該一対の樋222L、222Rの勾配はこれに限定されることはなく、下段の屋根瓦61の働き部5上面の軒側端部から上段の屋根瓦61の水下り部15下端までの勾配とする等、屋根設置部材41の特性に合わせて様々な角度を設定可能である。
【0056】
本実施の形態は以上の構成からなるものであって、図23に示す如く、屋根設置部材41を設置する段まで屋根瓦61を配設した後に所定位置に左右一対の役物部材220L、220Rを固定し、その後、引き続き軒側から棟側に向けて屋根瓦61を配設すると共に、左右一対の役物部材220L、220Rの間に屋根設置部材41を設置する。
本実施の形態においては、左右一対の役物部材220L、220Rの役物本体221L、221Rは、屋根設置部材41の働き長さに相当する働き長さを有し、該役物本体221L、221Rの一方の側部に屋根設置部材41を受ける樋222L、222Rが配備されると共に、他方の側部に段状の屋根瓦61、61と嵌合すべき嵌合防水部224L、224Rが設けられている。
【0057】
したがって、屋根設置部材41の働き長さが階段状に重なり合った複数段の屋根瓦61、61の働き長さに相当する場合にも、複数段の屋根瓦61、61と屋根設置部材41の間に役物部材220L、220Rが介在することにより、該屋根設置部材41と複数段の屋根瓦61、61の間の防水性を確保された状態で該屋根設置部材41が屋根面2に設置されるのである。
【0058】
図28〜図31は本発明の第4の実施の形態を示している。
【0059】
該第4の実施の形態においては、役物部材230L、230Rの構成が上記第3の実施の形態とは異なるが、他の構成は上記第3の実施の形態と同じであるので、役物部材230L、230Rの構成についてのみ説明し、他の構成は上記第3の実施の形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図28及び図30に示す如く、本実施の形態において、屋根設置部材41の桁方向両側部の内、左側部に配備される左側の役物部材230Lは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体231Lと、該役物本体231Lと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋232Lとを備えている。
【0060】
該役物本体231Lは、屋根瓦61の役物部材側の上面形状に沿わせた屋根瓦連結部233Lと、屋根設置部材41の役物部材側の上面形状に沿わせた屋根設置部材連結部234Lとを有している。
屋根瓦連結部233Lは、隣接する段状の屋根瓦61、61と対向することとなる役物本体231Lの左側部上面に亘って波形の凸状に形成されると共に、その上面を各段の屋根瓦61、61の波形凸部11、11の上面と略面一とすべく段状に形成されている。
また、屋根設置部材連結部234Lは、隣接する屋根設置部材41と対向することとなる役物本体231Lの右側部に亘って平坦に形成されている。
【0061】
また、該役物本体231Lの左側部に形成される切り欠き部239は、段状の屋根瓦61、61の樋部9、9に沿わせるべく段状に形成されている。
また、該役物部材231Lの樋232Lは、役物本体231Lの右側部に沿って配備されており、前記アンダーラップ部226L及び水返し部227Lを有している。
図29及び図31に示す如く、屋根設置部材41の桁方向両側部の内、右側部に配備される右側の役物部材230Rは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体231Rと、該役物本体231Rと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋232Rとを備えている。
【0062】
該役物本体231Rは、屋根瓦61の役物部材側の上面形状に沿わせた屋根瓦連結部233Rと、屋根設置部材41の役物部材側の上面形状に沿わせた屋根設置部材連結部234Rとを有している。
屋根瓦連結部233Rは、隣接する段状の屋根瓦61、61と対向することとなる役物本体231Rの右側部上面に亘って波形の凸状に形成されると共に、その上面を各段の屋根瓦61、61の波形凸部11、11の上面と略面一とすべく段状に形成されている。
また、屋根設置部材連結部234Rは、隣接する屋根設置部材41と対向することとなる役物本体231Rの左側部に亘って平坦に形成されている。
【0063】
また、該役物本体231Rの右側部に沿って配備される樋状部235は、段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12に沿わせるべく段状に形成されている。
また、該役物部材231Rの樋232Rは、役物本体231Rの右側部に沿って配備されており、前記アンダーラップ部226R及び水返し部227Rを有している。
本実施の形態によれば、左右一対の役物部材230L、230Rを介して段状の屋根瓦61、61と屋根設置部材41とを収まりよく連結することができ、外観上の意匠性の向上が図られる。また、役物部材230L、230Rの屋根瓦連結部233L、233Rの上面が段状の屋根瓦61、61の働き部5、5と略面一となっており、これによって、屋根瓦61、61と役物部材230L、230Rの間隙への雨水の吹き込みが抑制されるのである。
【0064】
また、上段の屋根瓦61、61と対向する役物部材230L、230Rの屋根瓦連結部233L、233Rの上段部は、該屋根瓦61、61の棟側端部から軒側端部に亘って延設されている。このため、役物部材230L、230Rの屋根瓦連結部側の側面の内、上下段の屋根瓦61、61の重合位置と対向することとなる位置からの雨水の吹き込みや浸入が可及的に抑制されるのである。
【0065】
図32〜図37は、本発明の第5の実施の形態を示している。
【0066】
該第5の実施の形態においても、役物部材240L、240Rの構成が上記第3の実施の形態とは異なるが、他の構成は上記第3の実施の形態と同じであるので、役物部材240L、240Rの構成についてのみ説明し、他の構成は上記第3の実施の形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図32及び図33に示す如く、本実施の形態において、屋根設置部材41の桁方向両側部の内、左側部に配備される左側の役物部材240Lは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体241Lと、該役物本体241Lと屋根設置部材41の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋242Lとを備えている。
【0067】
図34に示す如く、該役物本体241Lは、上下に階段状に重なり合って隣接する屋根瓦61、61の内、下段の屋根瓦61と嵌合すべき第1部材243Lと、上段の屋根瓦61と嵌合すべき第2部材244Lとを備えている。第1部材243Lは、下段の屋根瓦61の波形凸部10と同一高さを有する無底の箱状に形成され、下段の屋根瓦61の水下り部先端から上段の屋根瓦61と係合すべき桟材2cの近傍まで延伸されている。
また、図36に示す如く、第1部材243Lの軒側右側壁には、逆U字状の連結部材245Lが配備されている。本実施の形態において、該連結部材245Lは、ビス等の締結具を介して前記軒側右側壁に取り付けられているが、溶接等の他の取付方法によって取り付けることももちろん可能である。
【0068】
また、第1部材243Lの右側部に前記樋242Lが形成され、該樋242Lは、前記アンダーラップ226L部及び水返し部227Lを有している。
図33及び図34に示す如く、第2部材244Lは、上段の屋根瓦61の波形凸部10と同一高さを有する無底の箱状に形成され、上段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部までの働き長さを有している。また、第2部材244Lの右側部は、第1部材243Lの樋242Lに向けて延伸され、その先端部が内側に折り返されており、該先端部を前記連結部材245Lに嵌合させることにより、第2部材244Lは第1部材243Lの軒側上面に取り付けられているのである。
【0069】
また、本実施の形態における該役物部材240Lの嵌合防水部246Lは、階段状の屋根瓦61、61の樋部9、9を上側から覆って該樋部9、9と嵌合している。即ち、該役物部材240Lの第1部材243L及び第2部材244Lの左側部には、各段の屋根瓦61の樋部9の形状に沿わせて切り欠かれた切り欠き部247L、248Lが形成されており、該切り欠き部247L、248Lを各段の屋根瓦61の樋部9の上面に対向させた状態で該樋部9を第1部材243L及び第2部材244L内に収容することにより、段状の屋根瓦61、61と役物部材240Lとの間の防水性が確保されるのである。
【0070】
図32及び図33に示す如く、屋根設置部材41の桁方向両側部の内、右側部に配備される右側の役物部材240Rは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体241Rと、該役物本体241Rと屋根設置部材4の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋242Rとを備えている。
図35に示す如く、該役物本体241Rは、上下に階段状に重なり合って隣接する屋根瓦61、61の内、下段の屋根瓦61と嵌合すべき第1部材243Rと、上段の屋根瓦61と嵌合すべき第2部材244Rとを備えている。第1部材243Rは、下段の屋根瓦61の波形凸部11と同一高さを有する無底の箱状に形成され、下段の屋根瓦61の水下り部先端から上段の屋根瓦61と係合すべき桟材2cの近傍まで延伸されている。
【0071】
また、図37に示す如く、第1部材243Rの軒側左側壁には、逆U字状の連結部材245Rが配備されている。
また、第1部材243Rの左側部に前記樋242Rが形成され、該樋242Rは、前記アンダーラップ226R部及び水返し部227Rを有している。
図33及び図35に示す如く、第2部材244Rは、上段の屋根瓦61の波形凸部11と同一高さを有する無底の箱状に形成され、上段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部に亘る働き長さを有している。また、第2部材244Rの左側部は、第1部材243Rの樋242Rに向けて延伸され、その先端部が内側に折り返されており、該先端部を前記連結部材245Rに勘合させることにより、第2部材244Rは第1部材243Rの軒側上面に取り付けられているのである。
【0072】
また、本実施の形態における該役物部材240Rの嵌合防水部246Rは、階段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12の下側に廻り込んで該覆い部12、12と嵌合している。
即ち、図33及び図37に示す如く、該役物部材240Rの第1部材243R及び第2部材244Rの右側部には、雨水を受けるべき樋状部247R、248Rが軒側端部から棟側端部に亘って形成されており、これら樋状部247R、248Rの上面が各段の屋根瓦61、61の覆い部12、12と対向することにより、段状の屋根瓦61、61と役物部材240Rとの間の防水性が確保されるのである。
【0073】
本実施の形態によれば、役物部材240L、240Rは、単純な形状を有する複数の部材を組み合わせることにより複雑な形状に形成されるので、該役物部材240L、240Rの製造コストの削減が図られるのである。
即ち、本実施の形態の如き段状の役物部材を一枚の金属板から形成する場合、段状に配設された屋根瓦61、61の各屋根瓦61の働き部5と役物部材の上面とを略面一とすると共に、屋根瓦61の役物部材側の側面形状に役物部材の屋根材側の側面形状を沿わせるためには、該役物部材をプレス加工等によって屈曲させなければならず、その形状は複雑であると共に加工が困難となる。加えて、屋根瓦61や屋根設置部材41の特性に応じて役物部材の上面の屋根面2に対する角度を調整することができない。
【0074】
これに対して、本実施の形態の役物部材240L、240Rは、箱型状の複数(本実施の形態においては2)の部材を段状に重ね合わせる簡易な構成によって隣接配置される段状の屋根瓦61、61と同様の段状に形成され、これによって、各段の屋根瓦61、61の働き部5、5と役物部材240L、240Rの上面が略面一となる。また、段毎に箱形状の部材の屋根材側の側面形状を屋根瓦61の役物部材側の側面形状に沿わせた形状に形成することによって、簡易な構成で役物部材240L、240Rの屋根材側の側面を段状の屋根瓦61、61の役物部材側の側面形状に対応させることが可能となるのである。
【0075】
さらに、種々の勾配を有する箱形状の部材を組み合わせることにより、屋根瓦61や屋根設置部材41の特性に応じて役物部材240L、240Rの上面の屋根面2に対する角度を容易に調整することができるのである。
【0076】
図38及び図39は、本発明の第6の実施の形態を示している。
該第6の実施の形態において、複数段の屋根材3(本実施の形態においては、屋根瓦61)は、流れ方向に隣り合う屋根材3同士が桁方向に順次ずれるように配置されており、役物本体241L、241Rは、屋根材側の側縁部が前記複数段の屋根材3のずれに対応して凹凸状に形成されている。即ち、本実施の形態において、屋根設置部材41の桁方向側部に配備される左右一対の役物部材240L、240Rの構成は、上記第5の実施の形態と同じであるが、役物本体240L、240Rの第1部材243L、243Rの働き幅が屋根瓦61の働き部5の略1/4の大きさに形成されているのに対し、第2部材244L、244Rの働き幅が屋根瓦61の働き部5の3/4の大きさに形成されているのである。
【0077】
これによって、屋根設置部材41の桁方向側方に配設される階段状の屋根瓦61、61は、上下段で該屋根瓦61の働き部5の働き幅の略1/2の大きさ分だけずらして配設されることとなり、これによって、階段状に配設された屋根瓦61の複数段に亘る働き長さを有する屋根設置部材41を屋根面2に設置した場合にも、屋根瓦61が所謂千鳥状に配設されるのである。
また、本実施の形態においては、図40及び図41に示す如く、屋根瓦61の形状が働き部5を平坦に形成した平瓦状を呈するものでもあっても良く、役物本体240L、240Rの第1部材243L、243Rの働き幅を屋根瓦61の働き部5の略3/4の大きさに形成し、第2部材244L、244Rの働き幅を屋根瓦61の働き部5の略1/4の大きさに形成した場合にも、屋根瓦61を上述の如く千鳥状に配設することが可能となるのである。
【0078】
また、本実施の形態は、屋根設置部材41の桁方向側方に配備される左右一対の役物部材の内、一方の役物部材の第1部材の働き幅を屋根瓦の働き部の略3/4の大きさに形成すると共に第2部材の働き幅を屋根瓦の働き部の略1/4の大きさに形成し、他方の役物部材の第1部材の働き幅を屋根瓦の働き部の略1/4の大きさに形成すると共に第2部材の働き幅を屋根瓦の働き部の略3/4の大きさに形成した場合にも、屋根瓦61を上述の如く千鳥状に配設することが可能となるのである。
【0079】
図42〜図47は、本発明の第7の実施の形態を示している。
【0080】
該第7の実施の形態においても、役物部材250L、250Rの構成が上記第3の実施の形態とは異なるが、他の構成は上記第3の実施の形態と同じであるので、役物部材250L、250Rの構成についてのみ説明し、他の構成は上記第3の実施の形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図42及び図44に示す如く、本実施の形態において、屋根設置部材41の桁方向側方に配備される役物部材250L、250Rの内、桁方向左側部に配備される左側の役物部材250Lは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体251Lと、該役物本体251Lと屋根設置部材41の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋252Lとを備えている。
【0081】
役物本体251Lは、屋根設置部材41に沿って配備される第1部材253Lと、上段の屋根瓦61に沿って配備される第2部材254Lと、下段の屋根瓦61に沿って配備される第3部材255Lとを備えている。
第1部材253Lは、屋根設置部材41の上面と同一高さを有する無底の箱形形状に形成されており、該屋根設置部材41の軒側端部から棟側端部まで延伸されている。
また、図46に示す如く、第1部材253Lの軒側右側壁には、逆U字状の連結部材256Lが配備されている。
【0082】
また、第1部材253Lの右側部に前記樋252Lが形成され、該樋252Lは、前記アンダーラップ226L部及び水返し部227Lを有している。
また、第1部材253Lの左側部には、第3部材255Lの下側に廻り込む樋部257Lが形成されており、該樋部257Lの左側縁には水返し部258Lが形成されている。
図44に示す如く、第2部材254Lは、無底の箱状に形成され、上段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部までの働き長さを有している。
また、図46に示す如く、第2部材254Lの右側部は、第1部材253Lの樋252Lに向けて延伸され、その先端部が内側に折り返されており、該先端部を前記連結部材256Lに勘合させることにより、第2部材254Lは第1部材253Lの軒側上面に取り付けられているのである。
【0083】
また、第2部材254Lは、左側部に沿って上凸条部259Lが形成されており、該上凸条部259Lは、その上面が隣接する屋根瓦61の波形凸部10の上面と略面一となる高さを有している。
図42及び図44に示す如く、第3部材255Lは、無底の箱状に形成され、下段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部までの働き長さを有している。
また、図46に示す如く、第3部材255Lは、右側部が締結具を介して第1部材253Lの左側部に連結され、該第1部材253Lの樋部257Lを上側から覆っている。さらに、第3部材255Lは、左側部に沿って下凸条部260Lが形成されており、該下凸条部260Lは、その上面が隣接する屋根瓦61の波形凸部10の上面と略面一となる高さを有している。
【0084】
なお、図44に示す如く、第1部材253L及び第2部材254Lは、その働き幅が屋根瓦61の働き部5の略1/4の大きさに形成されており、第3部材255Lは、その働き幅が屋根瓦61の働き部5の略1/2の大きさに形成されている。
また、本実施の形態における該役物部材250Lの嵌合防水部261Lは、階段状の屋根瓦61、61の樋部9、9を上側から覆って該樋部9、9と嵌合している。
即ち、図46に示す如く、該役物本体251Lの第2部材254L及び第3部材255Lの左側部には、各段の樋部9、9の形状に沿わせて切り欠かれた切り欠き部262L、263Lが形成されており、該切り欠き部262L、263Lを通じて各段の樋部9、9と第2部材254L及び第3部材255L内に収容することにより、段状の屋根瓦61、61と役物本体251Lとの間の防水性が確保されるのである。
【0085】
図43及び図45に示す如く、屋根設置部材41の桁方向右側部に配備される右側の役物部材250Rは、階段状に重なり合った複数段(本実施の形態においては2段)の屋根瓦61と屋根設置部材41の間の屋根面2を覆う役物本体251Rと、該役物本体251Rと屋根設置部材41の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋252Rとを備えている。
該役物本体251Rは、屋根設置部材41に沿って配備される第1部材253Rと、上段の屋根瓦61に沿って配備される第2部材254Rと、下段の屋根瓦61に沿って配備される第3部材255Rとを備えている。
【0086】
第1部材253Rは、屋根設置部材41の上面と同一高さを有する無底の箱形形状に形成されており、該屋根設置部材41の軒側端部から棟側端部まで延伸されている。
また、図47に示す如く、第1部材253Rの軒側左側壁には、逆U字状の連結部材256Rが配備されている。
また、第1部材253Rの左側部に前記樋252Rが形成され、該樋252Rは、前記アンダーラップ226R部及び水返し部227Rを有している。
また、第1部材253Rの右側部には、第3部材255Rの下側に廻り込む樋部257Rが形成されており、該樋部257Rの先端には水返し部258Rが形成されている。
【0087】
図45に示す如く、第2部材254Rは、無底の箱状に形成され、上段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部までの働き長さを有している。
また、図47に示す如く、第2部材254Rの左側部は、第1部材253Rの樋252Rに向けて延伸され、その先端部が内側に折り返されており、該先端部を前記連結部材256Rに嵌合させることにより、第2部材254Rは第1部材253Rの軒側上面に取り付けられているのである。
また、第2部材254Rは、右側部に沿って上凸条部259Rが形成されており、該上凸条部259Rは、その上面が隣接する屋根瓦61の波形凸部11の上面と略面一となる高さを有している。
【0088】
図43及び図45に示す如く、第3部材255Rは、無底の箱状に形成され、下段の屋根瓦61の軒側端部から棟側端部までの働き長さを有している。
また、図47に示す如く、第3部材255Rは、左側部が締結具を介して第1部材253Rの右側部に連結され、第1部材253Rの樋部257Rを上側から覆っている。さらに、第3部材255Rは、右側部に沿って下凸条部260Rが形成されており、該下凸条部260Rは、その上面が隣接する屋根瓦61の波形凸部11の上面と略面一となる高さを有している。
【0089】
なお、図45に示す如く、第1部材253R及び第2部材254Rは、その働き幅が屋根瓦61の働き部5の略1/4の大きさに形成されており、第3部材255Rは、その働き幅が屋根瓦61の働き部5の略1/2の大きさに形成されている。
また、本実施の形態における該役物部材250Rの嵌合防水部261Rは、階段状の屋根瓦61、61の覆い部12、12の下側に廻り込んで該覆い部12、12と嵌合している。
即ち、図47に示す如く、該役物部材250Rの第2部材254R及び第3部材255Rの右側部には、雨水を受けるべき樋状部262R、263Rが軒側端部から棟側端部に亘って形成されており、これら樋状部262R、263Rの上面が各段の屋根瓦61の覆い部12と対向することにより、段状の屋根瓦61と役物本体251Rとの間の防水性が確保されるのである。
【0090】
本実施の形態においても、役物部材250L、250Rは、単純な形状を有する複数の部材を組み合わせることにより複雑な形状に形成され、該役物部材250L、250Rの製造コストの削減が図られる。
また、屋根瓦61と嵌合すべき第2部材254L、254R及び第3部材255L、255Rが第1部材253L、253Rから取り外し可能であるので、該第2部材254L、254R及び第3部材255L、255Rの働き幅を現場で微調整した後にこれら第2部材254L、254R及び第3部材255L、255Rを第1部材253L、253Rに取り付けることにより、現場単位で屋根設置部材41及び屋根瓦61との間の隙間を可及的に小さくした役物部材250L、250Rを形成することができ、施工性の向上が図られると共に屋根設置部材41と段状の屋根瓦61の間の防水性のさらなる向上が図られる。
【0091】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記第1〜第7の実施の形態に限定されるものではない。
【0092】
例えば、役物部材の役物本体の働き幅は、屋根材3の働き部5の働き幅の1/3や1/1、或いは該働き部5の働き幅に無関係な大きさを有していても良く、屋根設置部材及び該屋根設置部材の桁方向側部に敷き列べられる屋根材3を軒側及び棟側に隣接する屋根材3に対して収まり良く敷き列べられるものであれば、如何なる大きさを有していても良い。
同様に、役物本体の働き長さは、階段状に重ね合わされた屋根材3の複数段に亘る大きさを有していても良く、屋根設置部材側部を軒側端部から棟側端部まで覆うものであれば、如何なる大きさを有していても良い。
【0093】
また、役物部材の嵌合防水部は、屋根材3の樋部9の設置位置に合わせて各役物部材に形成されるものであって、例えば第1の実施の形態において、屋根瓦6の働き部5の桁方向右側に樋部9が形成されると共に働き部5の桁方向左側に覆い部12が形成された場合、左側の役物部材20Lの嵌合防水部24Lが収容部29を備え、右側の役物部材20Rの嵌合防水部24Rが樋状部25を有することとなる。同様に、第3の実施の形態において、屋根瓦6の働き部5の桁方向左側に樋部9が形成されると共に働き部5の桁方向右側に覆い部12が形成された場合、左側の役物部材220Lの嵌合防水部224Lが樋状部225を備え、右側の役物部材220Rの嵌合防水部224Rが収容部229を有することとなる。
【0094】
また、役物部材は、銅、黄銅、青銅、その他の銅合金、アルミ合金、ステンレス合金、チタン合金、その他の金属、或いは他の金属合金等からなる鋼板にプレス加工を施すことによって形成されていてもよく、また、該鋼板に塗装や耐候フィルムをラミネートしたものから形成されていてもよく、さらには、鋳型に樹脂を注入することによって形成される樹脂製であっても良い。
また、屋根材3は、上述の如き屋根瓦6(61)や半瓦8や平瓦形状のものに限定されることはなく、釉薬瓦(陶器瓦)や無釉瓦等の粘土系の瓦、天然スレートや彩色スレート等のスレート系の屋根材、プレスセメント瓦等のコンクリート系の屋根材、カラートタン、平葺きタイプ及び金属形成瓦等の金属系の屋根材及び非金属系の屋根材等を採用することが可能である。
【0095】
また、屋根設置部材は、上述の如き太陽電池モジュールに限定されることはなく、天窓や換気口を形成するための枠部材や、雪止め金具を設けた屋根設置部材、または屋根材とは異なる他種の屋根材を採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施の形態の屋根設置部材の桁方向左側部に配備される左側の役物部材の平面図である。
【図2】該役物部材の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の屋根設置部材の桁方向右側部に配備される右側の役物部材の平面図である。
【図4】該役物部材の正面図である。
【図5】屋根設置部材の桁方向両側に役物部材及び屋根材を配設した状態を示す平面図である。
【図6】屋根設置部材の桁方向両側に役物部材及び屋根材を配設した状態を示す正面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の屋根瓦の平面図である。
【図8】該屋根瓦の斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の半瓦の平面図である。
【図10】該半瓦の正面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の傾斜屋根の一部断面図である。
【図12】該傾斜屋根の平面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の他の傾斜屋根の一部断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の左側の役物部材の平面図である。
【図15】該役物部材の正面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の右側の役物部材の平面図である。
【図17】該役物部材の正面図である。
【図18】屋根設置部材の桁方向両側に役物部材及び屋根材を配設した状態を示す平面図である。
【図19】屋根設置部材の桁方向両側に役物部材及び屋根材を配設した状態を示す正面図である。
【図20】左右一対の役物部材の働き幅を調整した状態を示す平面図である。
【図21】左右一対の役物部材の働き幅を調整した状態を示す正面図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態の傾斜屋根の一部を示す斜視図である。
【図23】該傾斜屋根の一部の構成を分解して示す斜視図である。
【図24】該傾斜屋根の一部断面図である。
【図25】該傾斜屋根の他の一部断面図である。
【図26】左側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【図27】右側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【図28】本発明の第4の実施の形態の左側の役物部材の斜視図である。
【図29】本発明の第4の実施の形態の右側の役物部材の斜視図である。
【図30】該左側の役物部材の両側に屋根設置部材と屋根材を配設した状態を示す斜視図である。
【図31】該右側の役物部材の両側に屋根設置部材と屋根材を配設した状態を示す斜視図である。
【図32】本発明の第5の実施の形態の傾斜屋根の一部を示す斜視図である。
【図33】該傾斜屋根の一部の構成を分解して示す斜視図である。
【図34】該傾斜屋根の一部断面図である。
【図35】該傾斜屋根の他の一部断面図である。
【図36】左側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【図37】右側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【図38】本発明の第6の実施の形態の傾斜屋根の一部を示す斜視図である。
【図39】該傾斜屋根の一部の構成を分解して示す斜視図である。
【図40】本発明の第6の実施の形態の他の傾斜屋根の一部を示す斜視図である。
【図41】該傾斜屋根の一部の構成を分解して示す斜視図である。
【図42】本発明の第7の実施の形態の左側の役物部材の斜視図である。
【図43】本発明の第7の実施の形態の右側の役物部材の斜視図である。
【図44】該左側の役物部材の両側に屋根設置部材と屋根材を配設した状態を示す斜視図である。
【図45】該右側の役物部材の両側に屋根設置部材と屋根材を配設した状態を示す斜視図である。
【図46】左側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【図47】右側の役物部材と該役物部材に隣接する屋根材及び屋根設置部材の一部を破断して示す断面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 傾斜屋根
2 屋根面
2c 桟材
3 屋根材
3a 屋根材列
4 屋根設置部材
4a 屋根設置部材列
5 働き部
6 屋根瓦
7 働き部
8 半瓦
9 樋部
10 波形凸部
11 波形凸部
18 本体
19 枠部材
20L役物部材
20R役物部材
21L役物本体
21R役物本体
22L樋
22R樋
24L嵌合防水部
24R嵌合防水部
26Lアンダーラップ部
26Rアンダーラップ部
210L役物部材
210R役物部材
211L役物本体
211R役物本体
212L第1覆い体
212R第1覆い体
213L第2覆い体
213R第2覆い体
220L役物部材
220R役物部材
221L役物本体
221R役物本体
222L樋
222R樋
225樋状部
229切り欠き部
230L役物部材
230R役物部材
231L役物本体
231R役物本体
232L樋
232R樋
233L屋根瓦連結部
233R屋根瓦連結部
234L屋根設置部材連結部
234R屋根設置部材連結部
240L役物部材
240R役物部材
241L役物本体
241R役物本体
242L樋
242R樋
243L第1部材
243R第1部材
244L第2部材
244R第2部材
245L連結部材
245R連結部材
250L役物部材
250R役物部材
251L役物本体
251R役物本体
252L樋
252R樋
253L第1部材
253R第1部材
254L第2部材
254R第2部材
255L第3部材
255R第3部材
256L連結部材
256R連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜屋根の屋根面に、雨水を処理する屋根材と、該屋根材に代わって屋根面を覆う屋根設置部材とが傾斜屋根の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設され、該屋根設置部材の桁方向の両側部若しくは一方の側部には、屋根材との間に役物部材が介在している屋根葺き構造であって、
該役物部材は、前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体と、該役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋とを備え、該樋は、屋根設置部材の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材と屋根面の対向面間に延伸されて屋根設置部材と重合するアンダーラップ部を有していることを特徴とする屋根葺き構造。
【請求項2】
前記屋根設置部材は、屋根材の流れ方向の長さよりも大きい流れ方向の長さを有し、前記役物部材は、屋根設置部材及び複数段の屋根材の間に介在していることを特徴とする請求項1に記載の屋根葺き構造。
【請求項3】
前記複数段の屋根材は、流れ方向に隣り合う屋根材同士が桁方向に順次ずれるように配設されており、前記役物本体は、屋根材側の側縁部が前記複数段の屋根材のずれに対応して凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の屋根葺き構造。
【請求項4】
前記屋根材は、屋根面を覆って雨水を処理する働き部を備え、該働き部は、流れ方向及び桁方向に所定の寸法を有し、前記屋根設置部材は、屋根材の働き部の桁方向の幅の(1/2)×n倍の桁方向の幅を有し、前記役物本体は、屋根材の働き部の桁方向の幅の1/2若しくは1/4の桁方向の幅を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根葺き構造。
【請求項5】
前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の屋根葺き構造。
【請求項6】
傾斜屋根の屋根面に、雨水を処理する屋根材と、該屋根材に代わって屋根面を覆う屋根設置部材とが傾斜屋根の流れ方向と直交する桁方向に隣り合って配設され、該屋根設置部材の桁方向の両側部若しくは一方の側部には、屋根材との間に役物部材が介在している屋根葺き構造であって、
該役物部材は、前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体を備えると共に、役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋を備え、前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されていることを特徴とする屋根葺き構造。
【請求項7】
前記役物本体の屋根材側側部は、その上面が隣接する屋根材の役物部材側側部の上面と略面一となる高さを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の屋根葺き構造。
【請求項8】
前記役物部材は、隣接する屋根材と役物本体の間の隙間から屋根面への雨水の浸入を防止するように屋根材の役物部材側側部と嵌合する嵌合防水部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の屋根葺き構造。
【請求項9】
前記屋根材は、桁方向の一側に樋部を有すると共に他側に桁方向に隣接する屋根材の樋部を上側から覆う覆い部を有し、前記役物部材の前記嵌合防水部は、屋根材の樋部を上側から覆うように該樋部と嵌合していることを特徴とする請求項8に記載の屋根葺き構造。
【請求項10】
前記屋根材は、桁方向の一側に樋部を有すると共に他側に桁方向に隣接する屋根材の樋部を上側から覆う覆い部を有し、前記役物部材の前記嵌合防水部は、屋根材の覆い部の下側に回り込むように該覆い部と嵌合していることを特徴とする請求項8に記載の屋根葺き構造。
【請求項11】
傾斜屋根の屋根面に桁方向に隣り合うように設置された屋根材と屋根設置部材との間に介在される役物部材であって、
前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体と、該役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋とを備え、該樋は、屋根設置部材の桁方向の位置調整を可能とすべく屋根設置部材と屋根面の対向面間に延伸されて屋根設置部材と重合するアンダーラップ部を有していることを特徴とする役物部材。
【請求項12】
傾斜屋根の屋根面に桁方向に隣り合うように設置された屋根材と屋根設置部材との間に介在される役物部材であって、
前記屋根材と屋根設置部材の間の屋根面を覆う役物本体を備えると共に、役物本体と屋根設置部材の間の隙間に流れ込む雨水を受ける樋を備え、前記役物本体は、屋根材側の第1覆い体と屋根設置部材側の第2覆い体とを有し、これら第1覆い体と第2覆い体とは、役物本体を桁方向に伸縮可能にするように、桁方向に互いに摺動自在に連結されていることを特徴とする役物部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2006−104852(P2006−104852A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295408(P2004−295408)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】