説明

差分地図データ配信方法

【課題】 カーナビゲーションシステムにおいて地図データをダウンロードする前にその更新内容をユーザに知らせる手段を提供する。
【解決手段】 車載端末は、ユーザの選択に従って差分更新エリアを設定し(S1202)、差分更新要求を地図更新サーバに送信する(S1203)。その場合の更新モードが「概形表示後更新」であるとき(S1207のYes)、車載端末は、地図更新サーバから概形更新地図をダウンロードする(S1208)。そして、ディスプレイの表示部に、概形更新地図を表示する(S1209)。ここで、表示部に表示されたダウンロード開始ボタンが押下されたとき(S1210のYes)、車載端末は、地図更新サーバから詳細更新地図をダウンロードする(S1212)。そして、ディスプレイの表示部に、詳細更新地図を表示する(S1213)。更に、端末DBに記憶された地図データの更新処理を行う(S1214)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションシステムにおいてネットワークを介して地図データを更新するにあたって、地図データの更新分を配信、表示する差分地図データ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるカーナビゲーション装置には、道路や施設などのデータを含む地図データが記憶されている。カーナビゲーション装置は、この地図データを使用することによって、車両位置の周辺などの地図を画面上に表示したり、ユーザによって指定された目的地や経由地までの経路を探索したりする機能を実現する。したがって、カーナビゲーション装置に記憶されている地図データは、常に最新に更新しておくのが望ましい。ところが、そのとき記憶されているすべての地図データを一度に一括して更新するのは、相当の料金や時間がかかることになり、ユーザにとって必ずしも有用ではない。
【0003】
そこで、カーナビゲーション装置の地図データのうち、そのときに必要な差分データだけを更新することが提案されている。例えば、特許文献1には、車両の位置データによって特定される位置近傍の所定範囲に対応するエリア情報を表示し、ユーザはその中から配信を希望するエリアを選択する地図データ配信システムが開示されている。また、特許文献2には、最新の地図データをダウンロードするためのメニュー画面を表示し、ユーザはその画面に従ってダウンロードしたいエリアやPOI(Point of Interest、観光地や各種施設)ジャンルを選択するナビゲーション装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−37331号公報(段落0032〜0039、図3、図4)
【特許文献2】特開2002−342330号公報(段落0048〜0062、図3、図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカーナビゲーション装置においては、地図データをダウンロードする前にユーザが知ることができるのは、所定のエリアのデータが更新されるという情報だけであり、実際にそのエリア内の何が新しくなるのか、どこが変わるのかが分からない(プレビューできない)という問題がある。それ故に、ユーザは、その地図データのダウンロードにかかる料金や時間の見当が付かず、不安になる場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題に鑑み、カーナビゲーションシステムにおいて地図データをダウンロードする前にその更新内容をユーザに知らせる手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する本発明は、少なくとも、地図データを記憶し、その地図データを表示する端末と、所定の地図データおよび最新の地図データの間の差分データを記憶するサーバとがネットワーク接続されて構成されるシステムにおいて、端末からの要求に応じてサーバが差分データを送信する差分地図データ配信方法であって、端末が、現在の地図データから最新の地図データに更新する対象になる地図のエリアを指定して、オブジェクトの概形を表示可能な概形差分データを要求する第1の要求メッセージをサーバに送信するステップと、サーバが、第1の要求メッセージを受信し、その第1の要求メッセージに指定された地図のエリア内の、オブジェクトの詳細を表示可能な詳細差分データを所定の記憶手段において検索するステップと、サーバが、検索した詳細差分データから概形差分データを抽出するステップと、サーバが、抽出した概形差分データを端末に送信するステップと、端末が、概形差分データを受信し、所定の表示手段において、既に表示されている地図データに重ねて、受信した概形差分データを表示するステップとを含むことを主な特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記各ステップに追加して、端末が、表示した概形差分データに対応する詳細差分データを要求する第2の要求メッセージをサーバに送信するステップと、サーバが、第2の要求メッセージを受信し、詳細差分データを所定の記憶手段において検索するステップと、サーバが、検索した詳細差分データを端末に送信するステップと、端末が、詳細差分データを受信し、所定の表示手段において、表示した概形差分データを消去し、受信した詳細差分データを表示するステップとを更に含む方法とすることができる。
【0008】
更に、本発明は、前記各ステップに追加して、端末が、受信した詳細差分データを所定の記憶手段に記憶するステップを更に含む方法とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、最初に概形差分データを参照するので、更新内容の確認にかかる費用や時間を少なくすることができる。そして、詳細差分データをダウンロードする前に、おおよその更新内容が分かるので、ユーザに安心感を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
≪システムの構成と概要≫
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態に係る地図データ配信システムの構成について説明する。図1に示すように、差分地図データ配信システム1は、車載端末2および地図更新サーバ4が通信回線5を介して接続されて構成される。車載端末2は、車両に搭載されるカーナビゲーションシステム用端末であり、タッチパネルディスプレイ(以下、「ディスプレイ」という)3に接続される。図1では、車載端末2を1つ示しているが、実際には、地図更新サーバ4から差分地図データの配信を受けている複数の車載端末2が存在するものとする。地図更新サーバ4は、差分地図データを保持し、各車載端末2に配信するサーバである。図1では、地図更新サーバ4を1つ示しているが、例えば、地図の種類や地域範囲などに対応して複数の地図更新サーバ4が存在してもよい。通信回線5は、車載端末2および地図更新サーバ4を接続する回線であり、車載端末2と無線局とを結ぶ無線回線や無線局と地図更新サーバ4とを結ぶ専用回線などによって実現される。
【0012】
<車載端末の構成>
次に、図1を参照して、車載端末の構成について説明する。車載端末2は、端末通信部21、差分更新地図フォーマット解釈部22、地図差分更新部23、端末DB管理部24、端末DB25、端末DB検索部26、カーナビ機能部27などから構成される。端末通信部21は、通信回線5に接続され、車載端末2における通信機能を果たす。具体的には、無線回線接続機器などによって実現される。差分更新地図フォーマット解釈部22は、端末通信部21が地図更新サーバ4から通信回線5を介して受信した差分地図データを入力し、その入力した差分地図データの差分更新地図フォーマットを解釈する。具体的には、その差分地図データが、データ通信のために地図更新サーバ4におけるDB形式からXML(Extensible Markup Language)形式やバイナリ形式に変換されているので、それを元に戻し、差分地図データの内容を解析して端末DB25に記憶する形式に展開する。地図差分更新部23は、差分更新地図フォーマット解釈部22が展開した地図差分データを端末DB25の地図DB251に記憶させる。実際には、端末DB管理部24に差分地図データの記憶の指示を発行する。端末DB管理部24は、地図差分更新部23および端末DB検索部26からの指示を受けて、端末DB25の各DBに記憶されているデータを検索したり、読み出したり、その各DBにデータを書き込んだりする。端末DB管理部24は、いわゆるDB管理システムによって実現される。
【0013】
端末DB25は、車載端末25で使用するDB群であり、DBのソフトウェアおよびデータ構造が記憶装置に記憶されて実現される。端末DB25は、地図DB251、POIDB252、誘導情報DB253、経路検索DB254、住所DB255および更新履歴DB256から構成される。地図DB251には、道路、背景、道路や背景の名称などのデータが記憶される。POIDB252には、観光地や各種施設などのデータが記憶される。誘導情報DB253には、カーナビ機能部27の経路誘導手段271が使用する情報が記憶される。経路検索DB254には、カーナビ機能部27の経路探索手段272が使用する情報が記憶される。住所DB255には、住所指定による各種検索に使用される住所に関する体系的なデータが記憶される。更新履歴DB256には、各データが更新された日時を示す更新日時テーブルが記憶される。各DBは、それぞれのデータに関する条件を指定することにより、該当するデータが検索可能なように構成される。
なお、端末DB25を実現する記憶装置には、例えば、元の地図データを記憶したDVD(Digital Versatile Disk)および差分地図データを記憶したSD(Secure Digital)メモリカードなどからなる構成が考えられる。また、元の地図データおよび差分地図データをまとめて記憶したハードディスク装置にしてもよい。このとき、カーナビ専用のDBを適用してもよいし、一般的なDBを適用してもよい。
【0014】
端末DB検索部26は、カーナビ機能部27から所定の条件による端末DB25の検索の指示を受けて、その指示をDB管理システムが解釈可能な形式に展開して端末DB管理部24に発行する。カーナビ機能部27は、ディスプレイ3と連携していわゆるカーナビゲーションの機能を果たす。
【0015】
カーナビ機能部27は、経路誘導手段271、経路探索手段272、ロケータ273、地図表示手段274およびメニュー制御手段275から構成される。経路誘導手段271は、目的地までの経路が特定されたときに、その経路に従って目的地に到達できるようにディスプレイ3に誘導の表示を行う。経路探索手段272は、目的地が決まったときに、車両の現在地から目的地までの経路を複数抽出し、その中から最適な経路を選び出す。
ロケータ273は、車両の現在位置や走行速度などを把握する手段であり、GPS受信機273a、ジャイロ273b、車速パルス計測器273cなどに接続される。GPS受信機273aは、車両の現在位置を計測するために用いられる。ジャイロ273bは、車両のヨーレート(前後方向の回転角速度)を計測するために用いられる。車速パルス計測器273cは、車両の走行速度を計測するために用いられる。
地図表示手段274は、端末DB25の地図DB251やPOIDB252から各種地図データを読み出して、ディスプレイ3の表示部31に表示する。メニュー制御手段275は、カーナビメニューや地図更新メニューなどのメニューをディスプレイ3に表示し、ユーザによるメニューの選択に応じて、次のメニューを表示したり、地図表示手段274に地図を表示させたりする。また、メニュー制御手段275は、各メニューの画面データを所定のメモリに保持し、管理する。
【0016】
なお、差分更新地図フォーマット解釈部22、地図差分更新部23、端末DB管理部24、端末DB検索部26、カーナビ機能部27は、車載端末2に内蔵された所定のメモリに記憶されたプログラムがCPUにより実行されることによって実現される。
【0017】
ディスプレイ3は、表示部31、メニューボタン32、現在地ボタン33および戻るボタン34を備える。表示部31は、地図データやメニューが表示される画面である。メニューボタン32は、カーナビメニュー(図16参照)を表示するときに使用されるボタンである。現在地ボタン33は、地図上で車両の現在位置を表示するときに使用されるボタンである。戻るボタン34は、1つ前に表示されていた画面に戻るときに使用されるボタンである。
【0018】
<地図更新サーバの構成>
続いて、図2を参照して、地図更新サーバの構成について説明する。地図更新サーバ4は、サーバ通信部41、地図差分検索部42、更新用DB管理部43、更新用DB44、差分更新地図フォーマット変換部45などから構成される。サーバ通信部41は、通信回線5に接続され、地図更新サーバ4における通信接続機能を果たす。具体的には、ネットワーク接続機器などによって実現される。地図差分検索部42は、サーバ通信部41が車載端末2から通信回線5を介して受信した差分更新要求データを入力し、その入力した差分更新要求データに基づいて地図データの検索を行う。具体的には、差分更新要求データが、データ通信のためにXML形式やバイナリ形式に変換された、地図上の範囲やデータのタイプを示すものであるので、それを元に戻して地図データの検索条件に展開する。更新用DB管理部43は、地図差分検索部42が展開した地図データの検索条件を入力し、その検索条件によって更新用DB44の各DBを検索する。更新用DB管理部43は、いわゆるDB管理システムによって実現される。
【0019】
更新用DB44は、地図更新サーバ4で使用するDB群であり、DBのソフトウェアおよびデータがハードディスク装置などに記憶されて実現される。更新用DB44は、更新用地図DB441、更新用POIDB442、更新用誘導情報DB443、更新用経路検索DB444、更新用住所DB445および車載端末管理DB446から構成される。各更新用のDB441ないし445には、車載端末2の各DBのデータを更新するための差分データが記憶される。車載端末管理DB446には、当該地図更新サーバ4が地図データを配信すべき端末のアドレスなどが記憶される。差分更新地図フォーマット変換部45は、更新用DB管理部43が検索した差分データを入力し、その差分データをXML形式やバイナリ形式などのフォーマットに変換する。そして、そのフォーマット変換後の差分データをサーバ通信部41に出力する。このとき、サーバ通信部41は、入力した差分データを通信回線5経由で車載端末2に送信する。
【0020】
≪データの構成≫
次に、図3ないし図10を参照して、本発明の実施の形態に係る地図データ配信システムで取り扱うデータの構成について説明する。
【0021】
<差分更新要求に関するデータ>
図3は、車載端末から地図更新サーバに差分更新要求を行うときに用いられるXMLデータについて示す。差分更新要求データは、ディスプレイ3の表示部31に表示された差分更新メニュー(図18参照)で差分更新する範囲(現在地周辺など)が指定された時点で発行される。
【0022】
図3(a)は、差分更新要求フォーマットとして主に用いられるXMLのタグとデータについて示す。主なタグ名には、更新エリア、受信モード、要求データタイプ、POIジャンル、差分データIDなどがある。更新エリアは、差分更新する範囲であり、“Area”というタグを用いる。更に、更新エリアを指定するために、“Circle”というタグを使って円による範囲を指定したり、“Polygon”というタグを使って多角形による範囲を指定したりする。更新エリアの指定は、複数可能である。受信モードは、差分データを受信するときのモードであり、“Mode”というタグを用いる。受信モードとして概形受信を指定するときには、“Preview”というデータを設定し、詳細受信を指定するときには、“Detail”というデータを設定する。
【0023】
要求データタイプは、差分更新要求を行うデータの種類を指定するものであり、“Type”というタグを用いる。要求データタイプには、道路・背景・名称を示す“MAP”、POIデータを示す“POI”、誘導・経路探索を示す“ROUTE”などがある。要求データタイプの指定は、複数可能である。POIジャンルは、差分データを取得したいPOIのジャンルを指定するものであり、“POI”というタグを用いる。POIジャンルの指定は、複数可能である。なお、POIジャンルの指定を省略したときには、すべてのジャンルを要求することになる。差分データIDは、車載端末2が概形差分データ受信後に詳細差分データ受信を行うために指定する整数であり、“ID”というタグを用いる。具体的には、1回の差分更新要求に対して、地図更新サーバ4から送信される差分データ(MAP、POIおよびROUTEのうち、少なくとも1タイプのデータ)に固有な番号である。
【0024】
図3(b)は、概形受信のときの差分更新要求例(XML記述例)を示す。円による更新エリアの指定に、“Point”(円の中心点)の“lat”(latitude、緯度)を“xxx1”と設定し、“lon”(longitude、経度)を“yyy1”と設定している。また、“Radius”(半径)の“unit”(単位)を“km”とし、そのデータを“10”と設定している。一方、多角形による更新エリアの指定に、“lat”が“xxx1”であり“lon”が“yyy1”である地点、“lat”が“xxx2”であり“lon”が“yyy2”である地点などを設定している。また、受信モードとしては、“Preview”(概形受信)を設定している。続いて、要求データタイプとして、“MAP”および“POI”を設定しており、更に、POIジャンルとして、“ゴルフ場”を設定している。
【0025】
図3(c)は、詳細受信のときの差分更新要求例(XML記述例)を示す。差分データIDとしては、“100”というデータが設定されている。受信モードとしては、“Detail”が設定されている。なお、この例は、詳細受信のときの差分更新要求に、その前の概形受信のときの差分データIDを使う場合を示しているが、図3(b)のような具体的な条件を設定してもよい。
【0026】
図4は、地図更新サーバから送信される差分地図データのフォーマットを示す。図4では、差分地図データのフォーマットが階層構造で示されているが、実際にはXMLのタグおよびデータによって実現される。したがって、図4に示す各項目は、XMLのタグ名に相当する。差分データIDは、地図更新サーバ4から送信される差分データに固有な番号を示す。データサイズは、概形データのサイズを示す。詳細データサイズは、概形データに対応する詳細データのサイズを示す。詳細データの推定ダウンロード時間は、詳細データをダウンロードしたときにかかる時間の推定値を示す。道路データは、道路に関するデータを示す。背景データは、背景に関するデータを示す。名称データは、道路や背景の名称に関するデータを示す。“POI”は、観光地や各種施設に関するデータを示す。誘導データは、目的地への誘導に関するデータを示す。経路探索データは、目的地への経路探索に関するデータを示す。道路データ、背景データ、名称データおよびPOIデータには、概形フラグが含まれている。この概形フラグは、当該データが概形差分データであるか否かを示すフラグである。すなわち、概形フラグがオンであれば、概形差分データであり、概形フラグがオフであれば、詳細差分データであることを示す。その他のデータについては、詳細な説明を省略する。
【0027】
<道路データに関するテーブル>
図5は、道路データに関するテーブルの構成を示す。図5(a)の道路データテーブルおよび図5(b)の道路データ更新管理テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶される。図5(a)に示すように、道路データテーブルは、メッシュID51、道路ID52、道路種別ID53、座標値列54、更新道路ID55などから構成されるデータを持つ。メッシュID51は、地図を格子状に分割したときの1つの矩形領域をメッシュとしたときに、そのメッシュに固有な番号である。道路ID52は、当該メッシュ内における道路に固有な番号である。したがって、つながった道路であっても属するメッシュID51が異なれば、道路ID52が同じであるとは限らない。道路種別ID53は、高速道路や一般道を示す道路種別に固有な番号である。その詳細は後記する。座標値列54は、道路を線分がつながったものであるとしたときに、その線分の両端の地点の座標値を順番に示したものである。更新道路ID55は、当該道路IDによって特定される道路に更新があったときに、道路データ更新管理テーブルに固有な道路の番号を示すものである。例えば、道路データテーブルにおける“メッシュID51=1000、道路ID52=1”に対する“更新道路ID55=1”は、道路データ更新管理テーブルにおける“更新道路ID55=1”に対応する。
【0028】
図5(b)に示すように、道路データ更新管理テーブルは、更新道路ID55、道路種別ID53、概形座標値列56、座標値列54、道路名称57、更新日時58、削除日時59などから構成されるデータを持つ。ここでは、図5(a)で説明した内容を省略する。概形座標値列56は、座標値列54と同様に、道路を線分がつながったものであるとしたときに、その線分の両端の地点の座標値を順番に示したものである。なお、「概形」であるが故に、概形座標値列56の座標値の個数は、座標値列54の座標値の個数より少なくなる。道路名称57は、当該道路の名前を示すものである。この道路名称57は、道路データをディプレイ3の表示部3に表示するときに、補助的に表示される。更新日時58は、当該道路データが道路データ更新管理テーブルに追加された日時を示す。すなわち、その日時が、道路データテーブルにある元の道路データが「更新」された日時に相当するわけである。削除日時59は、当該道路データが削除された日時を示す。
【0029】
図6は、図5に続いて、道路データに関するテーブルの構成を示す。図6(a)の道路種別テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶され、図5の各テーブルの構成要素の1つである道路種別IDと道路種別との対応を示すものである。例えば、道路種別ID53が“10”であれば、その道路種別61は“高速道路”である。図6(b)の道路データ更新日時テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶され、メッシュIDごとに道路データが追加された更新日時および道路データが削除された削除日時を記録するものである。例えば、“メッシュID51=1000”には、更新日時58として、“2004/5/5”が設定されている。この設定は、図5(a)の道路データテーブルおよび図5(b)の道路データ更新管理テーブルに基づいて行われる。すなわち、更新道路ID55が“1”であるデータが道路データ更新管理テーブルに追加されたとき、道路データテーブルを参照して、その道路が属するメッシュの“メッシュID51=1000”が、その道路の“更新日時58=2004/5/5”に更新されたことを記録する。
【0030】
<背景データに関するテーブル>
図7は、背景データに関するテーブルの構成を示す。図7(a)の背景データテーブルおよび図7(b)の背景データ更新管理テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶される。図7(a)に示すように、背景データテーブルは、メッシュID51、背景ID71、背景種別ID72、座標値列54、更新背景ID73などから構成されるデータを持つ。メッシュID51は、地図を格子状に分割したときの1つの矩形領域をメッシュとしたときに、そのメッシュに固有な番号である。背景ID71は、当該メッシュ内における背景に固有な番号である。したがって、1つのまとまった背景であっても属するメッシュIDが異なれば、背景ID71が同じであるとは限らない。背景種別ID72は、水域や空港を示す背景種別に固有な番号である。その詳細は後記する。座標値列54は、背景を線分のつながりによって囲まれたもの(多角形)であるとしたときに、その線分(辺)の両端の地点の座標値を順番に示したものである。更新背景ID73は、当該背景ID71によって特定される背景に更新があったときに、背景データ更新管理テーブルに固有な背景の番号を示すものである。例えば、背景データテーブルにおける“メッシュID51=1000、背景ID71=100”に対する“更新背景ID73=1”は、背景データ更新管理テーブルにおける“更新背景ID73=1”に対応する。
【0031】
図7(b)に示すように、背景データ更新管理テーブルは、更新背景ID73、背景種別ID72、概形座標値列56、座標値列54、背景名称74、更新日時58、削除日時59などから構成されるデータを持つ。ここでは、図7(a)で説明した内容を省略する。概形座標値列56は、座標値列54と同様に、背景を線分のつながりによって囲まれたものであるとしたときに、その線分の両端の地点の座標値を順番に示したものである。なお、「概形」であるが故に、概形座標値列56の座標値の個数は、座標値列54の座標値の個数より少なくなる。背景名称74は、当該背景の名前を示すものである。この背景名称74は、背景データをディプレイ3の表示部31に表示するときに、補助的に表示される。更新日時58は、当該背景データが背景データ更新管理テーブルに追加された日時を示す。すなわち、その日時が、背景データテーブルにある元の背景データが「更新」された日時に相当するわけである。削除日時59は、当該道路データが削除された日時を示す。
【0032】
図8は、図7に続いて、背景データに関するテーブルの構成を示す。図8(a)の背景種別テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶され、図7の各テーブルの構成要素の1つである背景種別IDと背景種別との対応を示すものである。例えば、背景種別ID72が“10”であれば、その背景種別81は“水域”である。図8(b)の背景データ更新日時テーブルは、地図更新サーバ4の更新用地図DB441に記憶され、メッシュIDごとに背景データが追加された更新日時および背景データが削除された削除日時を記録するものである。例えば、“メッシュID51=1000”には、更新日時58として、“2004/6/30”が設定されている。この設定は、図7(a)の背景データテーブルおよび図7(b)の背景データ更新管理テーブルに基づいて行われる。すなわち、更新背景ID73が“1”であるデータが背景データ更新管理テーブルに追加されたとき、背景データテーブルを参照して、その背景が属するメッシュの“メッシュID51=1000”が、その背景の“更新日時58=2004/6/30”に更新されたことを記録する。
【0033】
<POIデータに関するテーブル>
図9は、POIデータテーブルの構成を示す。POIデータテーブルは、地図更新サーバ4の更新用POIDB442に記憶される。図9に示すように、POIデータテーブルは、POIID91、カテゴリID92、地域ID93、座標値94、POI名称95、住所96、電話番号97、更新日時58、削除日時59、概形形状98などから構成されるデータを持つ。POIID91は、POIに固有な番号である。カテゴリID92は、POIが属する、例えば、銀行やファーストフードなどのようなカテゴリに固有な番号である。地域ID93は、POIが属する、例えば、北海道や岩手県などのような地域に固有な番号である。座標値94は、地図上においてそのPOIの中心位置となる地点の座標値である。例えば、経度と緯度との組合せなどが用いられる。POI名称95は、そのPOIの名前である。住所96は、そのPOIの現住所である。電話番号97は、そのPOIの連絡先となる電話番号である。更新日時58は、そのPOIに関するデータが更新された日時である。削除日時59は、そのPOIに関するデータが削除された日時である。概形形状98は、POIの概形を表す矩形を示すものであり、具体的には、その矩形の相対する2つの頂点の座標である。
【0034】
図10は、図9に続いて、POIデータに関するテーブルの構成を示す。図10(a)のカテゴリテーブルおよび図10(b)の地域テーブルは、地図更新サーバ4の更新用POIDB442に記憶される。図10(a)のカテゴリテーブルは、図9のPOIデータテーブルの構成要素の1つであるカテゴリIDとカテゴリとの対応を示すものである。例えば、カテゴリID92が“100”であれば、そのカテゴリ101は“銀行”である。図10(b)の地域テーブルは、図9のPOIデータテーブルの構成要素の1つである地域IDと地域との対応を示すものである。例えば、地域ID93が“10”であれば、その地域102は“北海道”である。
【0035】
≪システムの動作≫
更に、図11ないし図15のフローチャートおよび図16ないし図27の画面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る地図データ配信システムの動作について説明する(適宜図1ないし図10参照)。
【0036】
<車載端末の全体動作>
図11は、車載端末の全体動作を示す。電源投入によって車載端末2が立ち上がると、最初に、メモリ上のデータやテーブルの初期化を行う(S1101)。次に、電源断前の状態を記憶する不揮発性メモリを参照して、電源断前に表示されていた経路があるか否かをチェックする(S1102)。表示されていた経路がなければ(S1102のNo)、地図画面を表示する(S1103)。具体的には、地図表示手段274が、地図DB251に記憶された道路データ、背景データおよび名称データ、ならびに、POIDB252に記憶されたPOIデータを読み出して、その読み出したデータを表示部31に表示する。そして、ディスプレイ3の右側にあるメニューボタン32の押下がない間は(S1104のNo)、地図画面の表示を続ける(S1103)。メニューボタン32の押下があったとき(S1104のYes)、S1107に移行する。一方、電源断前に表示されていた経路があれば(S1102のYes)、経路誘導画面を表示する(S1105)。具体的には、経路誘導手段271が、誘導情報DB253から誘導情報を読み出して、その読み出した誘導情報を表示部31に表示する。このとき、地図表示手段274が、ユーザを誘導しやすい形で、地図DB251やPOIDB252の地図データを表示する。例えば、通常のときには、普通の道路表示を行い、交差点に接近したときには、その交差点付近を拡大し、進むべき方向を分かりやすくした表示を行うようにしてもよい。そして、ディスプレイ3のメニューボタン32の押下がない間は(S1106のNo)、経路誘導画面の表示を続ける(S1105)。メニューボタン32の押下があったとき(S1106のYes)、S1107に移行する。なお、メニューボタン32の押下があったか否かの判断は、ディスプレイ3から車載端末2に接続されている信号線のうち、メニューボタン32に対応する信号線のON/OFFをチェックすることによって行うものとする。他のボタンも同様であり、各画面に表示されたボタンも同様である。
【0037】
S1107では、カーナビメニューを表示する。具体的には、メニュー制御手段275が、メニューボタン32の押下を検出したとき、カーナビメニューを表示部31に表示する。図16に示すように、カーナビメニューとしては、目的地設定ボタン161、地図更新ボタン162および更新モード設定ボタン163が表示される。目的地設定ボタン161は、これから車両が向かう目的地を設定するためのボタンである。地図更新ボタン162は、地図DB251やPOIDB252に記憶された地図データを更新するためのボタンである。更新モード設定ボタン163は、地図更新ボタン162で地図データを更新するときのモードを設定するためのボタンである。次に、メニュー制御手段275は、カーナビメニューの地図更新ボタン162の押下があったか否かをチェックする(S1108)。その押下があれば(S1108のYes)、地図更新メニューを表示部31に表示する(S1109)。
【0038】
図17に示すように、地図更新メニューとしては、全国一括ボタン171、地域別ボタン172および差分更新ボタン173が表示される。全国一括ボタン171は、地図DB251やPOIDB252の地図データを全国に渡って一括して更新するためのボタンである。地域別ボタン172は、地図データを地域別に更新するためのボタンである。差分更新ボタン173は、所定の限られたエリアを指定して地図データを更新するためのボタンである。メニュー制御手段275は、全国一括ボタン171の押下があったか否かをチェックする(S1110)。その押下があれば(S1110のYes)、全国一括地図更新を行う(S1111)。そして、S1102に戻る。全国一括ボタン171の押下がなければ(S1110のNo)、地域別ボタン172の押下があったか否かをチェックする(S1112)。その押下があれば(S1112のYes)、地域別地図更新を行う(S1113)。そして、S1102に戻る。地域別ボタン172の押下がなければ(S1112のNo)、差分更新ボタン173の押下があったか否かをチェックする(S1114)。その押下があれば(S1114のYes)、差分更新処理を行う(S1115)。その詳細は後記する。その後、S1102に戻る。差分更新ボタン173の押下がなければ(S1114のNo)、S1109に戻る。つまり、地図更新メニューのボタンの押下がない限り、そのメニューの表示を続ける。
【0039】
S1108でカーナビメニューの地図更新ボタン162の押下がなければ(S1108のNo)、目的地設定ボタン161の押下があったか否かをチェックする(S1116)。その押下があれば(S1116のYes)、目的地設定処理を行う(S1117)。その詳細は後記する。その後、S1102に戻る。目的地設定ボタン161の押下がなければ(S1116のNo)、更新モード設定ボタン163の押下があったか否かをチェックする(S1118)。
【0040】
その押下があれば(S1118のYes)、更新モード設定メニューを表示部31に表示する(S1119)。図19に示すように、更新モード設定メニューとしては、更新しないボタン191、詳細表示後更新ボタン192、概形表示後更新ボタン193および確認なしで更新ボタン194が表示される。更新しないボタン191は、地図データを更新しないようにするためのボタンである。詳細表示後更新ボタン192は、地図データの更新内容の詳細を一旦表示し、その内容を確認してから更新するためのボタンである。概形表示後更新ボタン193は、地図データの更新内容の概形を一旦表示し、その内容を確認してから更新するためのボタンである。確認なしで更新ボタン194は、地図データの更新内容の表示、確認を行うことなく更新するためのボタンである。そして、更新モード設定メニューが表示された表示部31のいずれかのボタンの押下があったか否かをチェックする(S1120)。ボタンの押下があれば(S1120のYes)、更新モードの設定を行う(S1121)。具体的には、メニュー制御手段275が、押下のあったボタンに対応した更新モードを、車載端末2内の所定のメモリに記憶する。その後、S1107に戻る。ボタンの押下がなければ(S1120のNo)、S1119に戻る。つまり、更新モード設定メニューのボタンの押下がない限り、更新モード設定メニューの表示を続ける。なお、更新モード設定メニューによる更新モードの設定は、差分更新の処理だけでなく、目的地設定の処理にも有効になる。
【0041】
S1118でカーナビメニューの更新モード設定ボタン163の押下がなければ(S1118のNo)、S1107に戻る。つまり、カーナビメニューのボタンの押下がない限り、カーナビメニューの表示を続けることになる。
【0042】
<車載端末の差分更新の動作>
図12は、車載端末における差分更新の動作を示す。これは、図11のS1115を詳細に説明するものである。図11のS1114において、図17の地図更新メニューの差分更新ボタン173の押下があったとき、メニュー制御手段275は、差分更新処理(S1115)の開始として、ディスプレイ3の表示部31に差分更新メニューを表示する(S1201)。図18に示すように、差分更新メニューとしては、現在地周辺ボタン181、自宅周辺ボタン182および経路沿いボタン183が表示される。この差分更新メニューは、ユーザが差分更新を行いたいエリアを大まかに選択するものである。現在地周辺ボタン181は、ユーザがいる現在地の周辺をエリアとして選択するボタンである。自宅周辺ボタン182は、ユーザの自宅の周辺をエリアとして選択するボタンである。経路沿いボタン183は、現在地から目的地までの経路沿いをエリアとして選択するボタンである。そして、ユーザがいずれかのボタンを押下したとき、その選択に従って、差分更新要求フォーマットのうち、更新エリアを設定する(S1202)。具体的には、現在地周辺ボタン181、自宅周辺ボタン182および経路沿いボタン183のいずれかに対応したエリアを円または多角形によって指定したデータを作成する。その作成したデータを更新エリアとする差分更新要求(第1の要求メッセージ)を地図更新サーバ4に送信する(S1203)。
【0043】
次に、メニュー制御手段275は、更新モードが「更新しない」であるか否かをチェックする(S1204)。「更新しない」であれば(S1204のYes)、表示部31に更新モード設定メニュー(図19参照)を表示し(S1205)、定期的に表示部31のボタンの押下があったか否かをチェックする(S1206)。ボタンの押下があれば(S1206のYes)、S1204に戻って更新モードのチェックを行う(S1204)。ボタンの押下がなければ(S1206のNo)、S1205に戻って更新モード設定メニューの表示を続ける(S1205)。なお、ユーザの選択操作によって差分更新メニューが表示された(S1201)わけであり、更新モードが「更新しない」であるか否かのチェック(S1204)は不要であるとも考えられるが、更新モードが未設定の場合に対応するためにチェックを行っている。
【0044】
S1204で更新モードが「更新しない」でなければ(S1204のNo)、更新モードが「概形表示後更新」であるか否かをチェックする(S1207)。更新モードが「概形表示後更新」であれば(S1207のYes)、地図更新サーバ4から概形更新地図をダウンロードし(S1208)、そのダウンロードした概形更新地図を表示部31に表示する(S1209)。概形更新地図のダウンロード中は、図20(a)に示すような画面が表示され、「差分更新検索中」であることが示される。また、概形更新地図の表示では、図20(b)に示すような画面が表示され、ユーザが更新データを確認できるようになっている。すなわち、道路の概形が大まかな点線で示され、施設が矩形によって示されている。また、画面の左上に示すように、追加道路の本数、追加施設の件数および詳細データの推定ダウンロード時間が表示されている。更に、詳細データのダウンロードを開始するためのダウンロード開始ボタン201およびそのダウンロードを中止するためのダウンロード中止ボタン202が表示されている。
【0045】
ダウンロード開始ボタン201の押下があれば(S1210のYes)、詳細更新地図をダウンロードし(S1212)、そのダウンロードした詳細更新地図を表示部31に表示する(S1213)。詳細更新地図のダウンロード中は、図21(a)に示すような画面が表示され、「最新地図ダウンロード中」であることおよびダウンロードの進捗率が示される。また、詳細更新地図の表示では、図21(b)に示すような画面が表示され、道路および施設が実際に近い詳細な形で示されている。次に、表示部31に表示された詳細更新地図を更新登録する地図更新処理を行う(S1214)。この地図更新処理は、主として地図差分更新部23によって行われる。具体的には、まず、地図差分更新部23は、端末通信部21が地図更新サーバ4から通信回線5を介してダウンロードし、差分更新地図フォーマット解釈部22が差分地図データフォーマットに従って解析した差分地図データを入力する。そして、地図差分更新部23は、端末DB管理部24を介して、その入力した差分地図データの内容に従って端末DB25の地図DB251、POIDB252または更新履歴DB256を更新する。地図更新処理が完了した後、表示部31には、図21(c)に示すように、追加された道路が実線として表示される。また、ユーザが、表示部31の「○○公園」を指で触れると、吹き出し表示によって、目的地検索データが更新されたことが示される。すなわち、そのとき新たに更新された部分が分かるようになっている。
【0046】
なお、S1210において、ダウンロード開始ボタン201の押下がなければ(S1210のNo)、ダウンロード中止ボタン202の押下のチェックを行う(S1211)。ダウンロード中止ボタン202の押下があれば(S1211のYes)、差分更新処理を終了する。ダウンロード中止ボタン202の押下がなければ(S1211のNo)、S1209に戻る。これは、図20(b)に示す概形更新地図の表示画面において、ダウンロードに関するボタン(211、212)の押下がなければ、概形更新地図の表示を続け、ダウンロードに関するボタンの押下があれば、そのボタンに対応する処理を行うことを意味する。
【0047】
S1207において、更新モードが「概形表示後更新」でなければ(S1207のNo)、詳細更新地図をダウンロードする(S1215)。図19に示す更新モード設定メニューによれば、更新モードが「更新しない」でなく、かつ、「概形表示後更新」でないとすれば、更新モードは、「詳細表示後更新」または「確認なしで更新」であることになる。更新モードが「確認なしで更新」であれば(S1216のYes)、地図更新処理を行う(S1214)。更新モードが「確認なしで更新」でない、すなわち、「詳細表示後更新」であれば(S1216のNo)、図21(b)に示すように、ダウンロードした詳細更新地図を表示部31に表示する(S1217)。ここで、ユーザは、更新するボタン211または更新しないボタン212を押下することによって、地図更新処理を行うか否かを選択することができる。メニュー制御手段275は、更新するボタン211の押下があったことを検出したとき(S1218のYes)、地図差分更新部23に地図更新処理を行わせる(S1214)。所定の時間以内に、更新するボタン211の押下がなかったとき(S1218のNo)、差分更新処理を終了する。
【0048】
図12のフローチャートによる車載端末における差分更新の動作では、道路やPOIが追加される場合について説明したが、ここでは、道路が消滅したり、変更されたりする場合について補足説明する。
【0049】
まず、図22を参照して、道路が消滅する場合について説明する。図22(a)に示すように、画面の中央下のところに、消滅する道路が点線で示されている。これは、例えば、図20(a)の画面の中央下に実線で表示されている道路が削除されることを示す概形更新地図表示である。このとき、更新データとしては、削除道路が1本であり、地図更新サーバ4からダウンロードする必要がないので、地図更新処理に時間や費用がかからない。したがって、ユーザの意図(更新する、更新しない)に係らず、OKボタン221だけが表示されており、ユーザがOKボタン221を押下すれば、地図更新処理が行われる。そして、図22(b)に示すように、道路がなくなった状態が表示される。
【0050】
次に、図23を参照して、道路が変更される場合について説明する。図23(a)に示すように、画面の中央下のところに、変更前と変更後の道路が点線で示されている。これは、例えば、図20(a)の画面の中央下に実線で表示されている道路(変更前)が、図23(b)の画面の中央下に実線で表示されている道路(変更後)に変更されることを示す概形更新地図表示である。このとき、変更前の道路は、詳細データが表示され、変更後の道路は、概形データが表示される。変更前の道路と、変更後の道路とが交錯していると、変更前後の状態が分かりにくいので、それぞれの道路を異なる色で表示するようにしてもよい。更新データとしては、形状変更道路が1本であり、地図更新サーバ4からの推定ダウンロード時間、ダウンロード開始ボタン231、ダウンロード中止ボタン232などが表示されている。ここで、ユーザがダウンロード開始ボタン231を押下すれば、変更後の道路の詳細データが点線で表示され、更に、地図更新処理が行われれば、図23(b)に示すように、変更後の道路の詳細データが実線で表示される。
【0051】
<車載端末の目的地設定の動作>
図13は、車載端末における目的地設定の動作を示す。これは、図11のS1117を詳細に説明するものであり、目的地の設定処理、設定された目的地のデータの表示・更新処理および現在地からの目的地への経路探索処理からなる。
【0052】
目的地の設定処理は、S1301で行われる処理であり、図16のカーナビメニューで目的地設定ボタン161が押下されたとき(S1116のYes)に開始される。具体的には、まず、メニュー制御手段275が、図24(a)に示す目的地設定メニューを表示部31に表示する。目的地設定メニューには、周辺検索ボタン241、ジャンル検索ボタン242および住所検索ボタン243が表示される。周辺検索ボタン241は、現在地からの目的地への経路沿いにおいて検索するカテゴリを選択するボタンである。別途詳細を説明する。ジャンル検索ボタン242は、POIのジャンルによって目的地を設定するボタンである。住所検索ボタン243は、住所によって目的地を設定するボタンである。
【0053】
周辺検索ボタン241を押下すると、図24(b)に示す周辺検索メニューが表示される。周辺検索メニューには、前のカテゴリボタン244および次のカテゴリボタン245が表示され、そのボタン(244、255)を押下することによって、周辺検索メニューが前後にスクロールされる。更に、ここでは、周辺検索メニューとして、レストランボタン246、ゴルフ場ボタン247および温泉ボタン248が表示されている。ゴルフ場ボタン247を押下すると、図25(a)に示すような目的地候補周辺の地図が表示部31に表示される。図25(a)に示す表示部31には、左側にカテゴリをゴルフ場とした検索結果が4件表示され、右側に「○○○カントリークラブ」の地図が表示されている。「○○○カントリークラブ」の地図は、左側の検索結果の「○○○カントリークラブ」を押下することによって表示される。
【0054】
目的地のデータの表示・更新処理は、S1302ないしS1310、および、S1314ないしS1317で行われる処理である。この処理は、表示部31に表示された目的地の地図データ(POIデータ)に対して、図12のS1204ないしS1218と同様の処理を施すことによって、目的地のデータの表示・更新を行うものであるので、詳細な説明を省略する。なお、S1305の概形更新データの表示は、図25(b)に示すように行われる。
【0055】
<地図更新サーバの差分データ送信の動作(初回要求による)>
図14は、地図更新サーバにおける差分データ送信の動作を示す。この動作は、地図更新サーバ4の地図差分検索部42を中心として行われ、特に、車載端末2からの初回要求に対応するものである。初回要求とは、差分データIDを指定しない要求のことをいう。まず、地図差分検索部42は、通信回線5およびサーバ通信部41を介して、車載端末2から差分更新要求(第1の要求メッセージ)を受信する(S1401)。次に、受信した差分更新要求の要求データタイプに“MAP”が含まれているか否かをチェックする(S1402)。具体的には、差分更新要求のXMLデータに、<Type>および</Type>に挟まれた“MAP”というデータが存在するか否かをチェックする。“MAP”が含まれていれば(S1402のYes)、差分更新要求の更新エリアに基づいて道路・背景・名称のデータの差分検索処理を行う(S1403)。具体的には、DB検索機能によって、差分更新要求のXMLデータの、<Area>および</Area>に挟まれたデータによって指定された範囲内に道路・背景・名称のデータの差分があれば、それを検索する。そして、差分更新要求の受信モードが“Preview”であるか否かをチェックする(S1404)。具体的には、差分更新要求のXMLデータに、<Mode>および</Mode>に挟まれた“Preview”というデータが存在するか否かをチェックする。受信モードが“Preview”であれば(S1404のYes)、地図差分検索部42は、検索したデータの差分から概形データを抽出する(S1405)。このとき、既に概形データがあれば、抽出する必要はない。なお、“MAP”が含まれていないとき(S1402のNo)、または、受信モードが“Preview”でなければ(S1404のNo)、S1406の処理に移る。
【0056】
続いて、受信した差分更新要求の要求データタイプに“POI”が含まれているか否かをチェックする(S1406)。具体的には、差分更新要求のXMLデータに、<Type>および</Type>に挟まれた“POI”というデータが存在するか否かをチェックする。“POI”が含まれていれば(S1406のYes)、差分更新要求の更新エリアとPOIジャンルに基づいてPOIデータの差分検索処理を行う(S1407)。具体的には、DB検索機能によって、差分更新要求のXMLデータの、<Area>および</Area>に挟まれたデータによって指定された範囲内に、<POI>および</POI>に挟まれたデータによって指定されたジャンルに属するPOIデータの差分があれば、それを検索する。そして、差分更新要求の受信モードが“Preview”であれば(S1408のYes)、地図差分検索部42は、検索したPOIデータの差分から概形データを抽出する(S1409)。このとき、既に概形データがあれば、抽出する必要はない。なお、“POI”が含まれていないとき(S1406のNo)、または、受信モードが“Preview”でなければ(S1408のNo)、S1410の処理に移る。
【0057】
更に、受信した差分更新要求の要求データタイプに“ROUTE”が含まれているか否かをチェックする(S1410)。具体的には、差分更新要求のXMLデータに、<Type>および</Type>に挟まれた“ROUTE”というデータが存在するか否かをチェックする。“ROUTE”が含まれていれば(S1410のYes)、差分更新要求の更新エリアに基づいて誘導・経路探索データの差分検索処理を行う(S1411)。具体的には、DB検索機能によって、差分更新要求のXMLデータの、<Area>および</Area>に挟まれたデータによって指定された範囲内に誘導・経路探索データの差分があれば、それを検索する。ROUTE”が含まれていなければ(S1410のNo)、誘導・経路探索データの差分検索処理は行わない。
【0058】
差分更新地図フォーマット変換部45は、以上によって抽出された差分データや誘導・経路探索データの差分に対して、データ通信のためにXML形式またはバイナリ形式への更新フォーマット変換を行う(S1412)。そして、そのフォーマット変換がなされた差分データをサーバ通信部41および通信回線5経由で車載端末2に送信する(S1413)。このとき、その差分データに固有の番号である差分データIDを含めて送信する。この差分データIDは、各差分検索処理によって検索された差分データが所定のキャッシュメモリに保持される期間において、有効な情報となる。
【0059】
<地図更新サーバの差分データ送信の動作(差分データIDによる)>
図15は、地図更新サーバにおける差分データ送信の動作を示す。この動作は、地図更新サーバ4の地図差分検索部42を中心として行われ、特に、車載端末2からの差分データIDによる要求に対応するものである。この差分データIDによる要求とは、一旦概形差分データを受信した後、更にその詳細差分データを受信したい場合に、車載端末2が、概形差分データを受信したときの差分データIDを指定して、その差分データIDに対応する詳細差分データを要求するものである。
【0060】
まず、地図差分検索部42は、通信回線5およびサーバ通信部41を介して、車載端末2から差分更新要求(第2の要求メッセージ)を受信する(S1501)。次に、受信した差分更新要求に差分データIDが指定されていれば、その差分データIDによって詳細差分データを特定する(S1502)。具体的には、所定のキャッシュメモリに保持された差分データ群から、差分データIDを持つ差分データを検索する。そして、特定された詳細差分データに対して、更新フォーマット変換を行う(S1503)。更に、そのフォーマット変換された詳細差分データを車載端末2に送信する(S1504)。
なお、差分データIDによる要求であっても、地図更新サーバ4においてその差分データIDが無効になっているときには、初回要求に対応する動作と同じになる。すなわち、地図更新サーバ4は、車載端末2に対して、差分データIDを指定しない初回要求を発行するように依頼し、その初回要求を受けて動作することになる。
【0061】
以上本発明の実施の形態について説明したが、図1および図2に示す車載端末2および地図更新サーバ4のそれぞれで実行されるプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の実施の形態に係る車載端末および地図更新サーバが実現されるものとする。
【0062】
以上本発明について好適な実施の形態について一例を示したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)前記実施の形態では、更新する対象(要求データタイプ)として、地図上のオブジェクトのうち、道路、背景および名称を1つ(MAP)にまとめるように記載したが、それぞれを個別に指定できるようにしてもよい。このとき、道路、背景および名称ごとに、XMLタグのデータを設定できるようにする。これによれば、詳細差分データをダウンロードすることなく、個々の地図データに関する更新内容の概要を知ることができる。
(2)前記実施の形態では、車載端末2のディスプレイ3に表示された概形差分データについて、詳細差分データを要求するとき、差分データIDによって差分データ全体を要求するように記載したが、詳細に表示するオブジェクトを指定するようにしてもよい。例えば、ユーザが表示部31を指で触れたとき、その触れたオブジェクトのタイプ(道路、背景、名称またはPOI)を指定して、詳細差分データの要求を送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る地図データ配信システムおよび車載端末の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る地図データ配信システムおよび地図更新サーバの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る差分更新要求を行うときに用いられるXMLデータを示す図である。(a)は、差分更新要求フォーマットを示す。(b)は、差分更新要求例(概形要求)を示す。(c)は、差分更新要求例(詳細要求)を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係る差分地図データのフォーマットを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る道路データに関するテーブルの構成を示す図である。(a)は、道路データテーブルの構成を示す。(b)は、道路データ更新管理テーブルの構成を示す。
【図6】本発明の実施の形態に係る道路データに関するテーブルの構成を示す図である。(a)は、道路種別テーブルの構成を示す。(b)は、道路データ更新日時テーブルの構成を示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る背景データに関するテーブルの構成を示す図である。(a)は、背景データテーブルの構成を示す。(b)は、背景データ更新管理テーブルの構成を示す。
【図8】本発明の実施の形態に係る背景データに関するテーブルの構成を示す図である。(a)は、背景種別テーブルの構成を示す。(b)は、背景データ更新日時テーブルの構成を示す。
【図9】本発明の実施の形態に係るPOIデータテーブルの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るPOIデータに関するテーブルの構成を示す図である。(a)は、カテゴリテーブルの構成を示す。(b)は、地域テーブルの構成を示す。
【図11】本発明の実施の形態に係る車載端末の全体動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係る車載端末における差分更新処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態に係る車載端末における目的地設定処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る差分データ送信処理(初回要求による)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態に係る差分データ送信処理(差分データIDによる)を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態に係るカーナビメニューを示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る地図更新メニューを示す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る差分更新メニューを示す図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る更新モード設定メニューを示す図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る概形更新地図データを表示する画面を示す図である。(a)は、差分更新検索中画面を示す。(b)は、概形更新地図データ表示画面を示す。
【図21】本発明の実施の形態に係る詳細更新地図データを表示する画面を示す図である。(a)は、最新地図ダウンロード中の画面を示す。(b)は、詳細更新地図データ表示画面を示す。(c)は、実際の更新地図データ表示画面を示す。
【図22】本発明の実施の形態に係る道路が消滅する場合の画面を示す図である。(a)は、概形更新地図データ表示画面(消滅する道路)を示す。(b)は、実際の更新地図データ表示画面を示す。
【図23】本発明の実施の形態に係る道路が変更される場合の画面を示す図である。(a)は、概形更新地図データ表示画面(変更する道路)を示す。(b)は、実際の更新地図データ表示画面を示す。
【図24】本発明の実施の形態に係る目的地設定に関するメニュー画面を示す図である。(a)は、目的地設定メニューを示す。(b)は、周辺検索メニュー(カテゴリ選択)を示す。
【図25】本発明の実施の形態に係る目的地表示に関する画面を示す図である。(a)は、目的地候補周辺の地図表示と更新要求を示す。(b)は、最新データの概形表示を示す。
【符号の説明】
【0064】
1 差分地図データ配信システム(システム)
2 車載端末(端末)
3 タッチパネルディスプレイ(所定の表示手段)
4 地図更新サーバ(サーバ)
5 通信回線(ネットワーク)
25 端末DB(所定の記憶手段)
44 更新用DB(所定の記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
地図データを記憶し、その地図データを表示する端末と、
所定の地図データおよび最新の地図データの間の差分データを記憶するサーバと、
がネットワーク接続されて構成されるシステムにおいて、前記端末からの要求に応じて前記サーバが前記差分データを送信する差分地図データ配信方法であって、
前記端末が、現在の地図データから最新の地図データに更新する対象になる地図のエリアを指定して、オブジェクトの概形を表示可能な概形差分データを要求する第1の要求メッセージを前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記第1の要求メッセージを受信し、その第1の要求メッセージに指定された地図のエリア内の、オブジェクトの詳細を表示可能な詳細差分データを所定の記憶手段において検索するステップと、
前記サーバが、前記検索した詳細差分データから前記概形差分データを抽出するステップと、
前記サーバが、前記抽出した概形差分データを前記端末に送信するステップと、
前記端末が、前記概形差分データを受信し、所定の表示手段において、既に表示されている地図データに重ねて、前記受信した概形差分データを表示するステップと、
を含むことを特徴とする差分地図データ配信方法。
【請求項2】
前記端末は、
前記第1の要求メッセージを前記サーバに送信するステップにおいて、
前記更新する対象が、前記オブジェクトのうち、道路、背景、道路および背景の名称、または、観光地もしくは各種施設を示すPOI(Point of Interest)であることを指定し、
前記更新する対象がPOIであることを指定したとき、更にPOIのジャンルを指定する
ことを特徴とする請求項1に記載の差分地図データ配信方法。
【請求項3】
前記端末が、前記表示した概形差分データに対応する詳細差分データを要求する第2の要求メッセージを前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記第2の要求メッセージを受信し、前記詳細差分データを所定の記憶手段において検索するステップと、
前記サーバが、前記検索した詳細差分データを前記端末に送信するステップと、
前記端末が、前記詳細差分データを受信し、所定の表示手段において、前記表示した概形差分データを消去し、前記受信した詳細差分データを表示するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の差分地図データ配信方法。
【請求項4】
前記端末は、
前記第2の要求メッセージを前記サーバに送信するステップにおいて、
前記詳細差分データのうち、詳細に表示する対象になるオブジェクトを指定する
ことを特徴とする請求項3に記載の差分地図データ配信方法。
【請求項5】
前記端末が、前記受信した詳細差分データを所定の記憶手段に記憶するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の差分地図データ配信方法。
【請求項6】
前記オブジェクトの概形差分データは、
始点、終点およびそれらの間の点の座標からなる道路データを含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の差分地図データ配信方法。
【請求項7】
前記オブジェクトの概形差分データは、
カテゴリ名称および代表座標からなるPOIデータを含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の差分地図データ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−126683(P2006−126683A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317485(P2004−317485)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】