説明

帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置

【課題】ワイヤ電極とグリッド電極とを備えており、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を容易に行えるような画像形成装置の帯電装置を提供する。
【解決手段】前面壁11と後面壁12、該前面壁11と該後面壁12で囲まれた内部空間16、及び、該内部空間16が開口して形成された開口面17を備えると共に、該開口面17が感光体の表面と対面するように配設された帯電装置筐体3cと、感光体の表面と平行になるようにして帯電装置筐体3cの開口面17に覆設されたグリッド電極3bと、該グリッド電極3bと離間し、且つ、感光体の移動方向と交差する方向に沿って該感光体の表面と平行に帯電装置筐体3cの内部空間内の所定位置に張設されたワイヤ電極3aとで構成された帯電装置3の前面壁11と後面壁12に、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であることを確認する確認窓20,21を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置に使用される帯電装置、及び、該帯電装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置は、記録用紙に画像を記録する装置である。この画像記録は、一般的に、次のようにして行われる。即ち、回転により移動する感光体の表面が帯電されると共に、帯電されたこの表面が露光されて、この表面上に静電潜像が形成され、形成されたこの静電潜像がトナー等の現像剤で現像されて可視化され、この可視化された画像が記録用紙に転写されることにより、記録用紙に画像を記録する。この画像記録で使用される感光体の表面を、帯電するのに用いられるのが、帯電装置である。
【0003】
この帯電装置としては、従来から、ワイヤ状のワイヤ電極を用いた帯電装置が考案されており(例えば、特許文献1の図1参照)、このワイヤ電極を用いた帯電装置として、メッシュ状のグリッド電極と共に用いられるタイプが考案されている。このこのワイヤ電極とグリッド電極とを備えた帯電装置は、感光体の表面に電位を安定して帯電することができるという利点があることから、広く用いられている。
【0004】
このワイヤ電極とグリッド電極とを備えた帯電装置は、内部空間、及び、この内部空間が開口して形成された開口面を備えた帯電装置筐体の、この開口面にグリッド電極が覆設されると共に、このグリッド電極と離間してワイヤ電極が帯電装置筐体の内部空間に張設されて構成されている。このように構成された帯電装置は、この帯電装置における帯電装置筐体の開口面が、感光体の表面と平行に対面するように配設されて使用される。
【0005】
この帯電装置では、帯電装置筐体の開口面に備えられたメッシュ状のグリッド電極、及び、帯電装置筐体の内部空間に張設されたワイヤ電極が、共に、感光体の表面と平行になるようにして使用する必要があり、特に、ワイヤ電極が感光体の表面と平行になるようにして使用することが重要である。というのは、帯電装置のワイヤ電極が感光体の表面と平行でない状態で感光体に帯電すると、感光体の表面の電荷が不均一になり、静電潜像の形成品質が低下して記録用紙に記録される画像の品質が低下するからである。
【特許文献1】特開2000−172030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の帯電装置の製作段階で、ワイヤ電極が帯電装置筐体の内部空間の所定の位置に張設されて帯電装置が製作されるが、ワイヤ電極が帯電装置筐体の内部空間の所定の位置からずれて張設されることが、ないとは限らない。しかし、このような帯電装置を画像形成装置に一旦組込むと、帯電装置の帯電装置筐体の開口面に備えられたグリッド電極と感光体の表面との距離は、きわめて短いことから、帯電装置を画像形成装置へ組込んだ後では、ワイヤ電極が感光体の表面と平行であることを正確に確認することは、困難であった。
【0007】
又、ワイヤ電極とグリッド電極とを備えた上記の帯電装置では、使用中に、ワイヤ電極にほこりやトナー等が付着することから、清掃する必要がある。この清掃を行うには、帯電装置の帯電装置筐体を画像形成装置から取外して、更に、この帯電装置筐体からグリッド電極を外し、ワイヤ電極を清掃した後、再び、グリッド電極を帯電装置筐体に取付けて、画像形成装置へ組込むような、帯電装置の脱着や、分解・組立を行う必要がある。この一連の作業の際に、ワイヤ電極の張設位置が所定の位置からずれるようなことが生じたとしても、上記のような理由で、これを確認することは困難であった。
【0008】
又、上記の帯電装置の清掃を容易にするために、帯電装置にワイヤ電極を清掃するための清掃部材を組込んだ帯電装置も考案されている。この清掃部材を組込んだ帯電装置では、帯電装置筐体の内部空間内に配設されたワイヤ清掃部材をワイヤ電極に押し当てて押圧し、ワイヤ電極をグリッド電極に接近するように反らせながらワイヤ電極に沿って移動させてワイヤ電極を清掃するようになっている。
【0009】
従って、清掃の途中では、ワイヤ電極は清掃部材により押圧されてグリッド電極に接近するように反った状態になり、この状態では、ワイヤ電極は感光体の表面と平行ではなくワイヤ電極の張設位置は、所定の位置からずれた状態である。そこで、仮に、清掃が完了しない状態のままで帯電動作が行われると、感光体の表面の電荷が不均一になる上述した問題が発生することになるが、上記のような理由で、ワイヤ電極の張設位置が、所定の位置からずれた状態であることを確認することは困難であった。
【0010】
そこで、この発明は、このような状況に対処するためになされたものであって、ワイヤ電極とグリッド電極とを備えた帯電装置において、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を容易に行えるような帯電装置、及び、該帯電装置を用いた画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の帯電装置は、移動する感光体の表面が帯電されると共に帯電された該表面が露光されて該表面上に静電潜像が形成され、形成された該静電潜像が現像剤で現像されて可視化されて記録用紙に転写されることにより、該記録用紙に画像記録が行われる仕組みにおける、上記の感光体の表面を帯電するのに用いられる帯電装置である。この帯電装置は、ワイヤ電極とメッシュ状のグリッド電極、及び、該ワイヤ電極と該グリッド電極とを保持する帯電装置筐体を備えている。
【0012】
この内、帯電装置筐体は、感光体の移動方向と交差する方向に沿って形成された前面壁と後面壁、該前面壁と該後面壁で囲まれた内部空間、及び、該内部空間が開口して形成された開口面を備えると共に、該開口面が感光体の表面と対面するように配設されている。
【0013】
グリッド電極は、感光体の表面と平行になるようにして帯電装置筐体の開口面に覆設されると共に、ワイヤ電極は、グリッド電極と離間し、且つ、感光体の移動方向と交差する方向に沿って該感光体の表面と平行になるようにして、帯電装置筐体の内部空間内の所定位置に張設されている。
【0014】
この帯電装置では、帯電装置筐体の前面壁と後面壁の少なくともいずれかに、該前面壁又は該後面壁を貫通する確認窓が設置され、該確認窓を介して、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を、目視で行うことができることが特徴である。
【0015】
上記の帯電装置によれば、この帯電装置における帯電装置筐体の前面壁と後面壁の少なくともいずれかに、該前面壁又は該後面壁を貫通する確認窓が設置され、該確認窓を介して、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を、目視で行うことができる。従って、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を容易に行うことができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0016】
上記の帯電装置において、確認窓の周囲の壁の外表面上に、目視による確認用の基準マークを備えるのが好ましい。この基準マークとしては、例えば、所定位置に張設されている状態のワイヤ電極を、確認窓を通して目視する視線がグリッド電極と平行になるようにして目視した場合、グリッド電極は確認窓を横切るような一直線として見える。この場合に、確認窓の周囲の壁の外表面上に、上記の一直線と、先端が重なるように表示された矢印や三角マーク等が、上記の基準マークとして好適である。このような目視による確認用の基準マークを確認窓の周囲の壁の外表面上に備えることにより、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を、いっそう容易に行うことができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0017】
又、上記の帯電装置において、一般に、感光体の表面には、感光体の移動方向に向かって左右に位置する両端縁部分に、帯電の対象とならない非画像領域が形成される。そこで、上記の確認窓を、帯電装置筐体における前面壁又は後面壁の左右の両端部であって、この非画像領域の上方に位置する両端部の、少なくとも一方に設置するのが好ましい。
【0018】
感光体の表面には、静電潜像が形成される画像領域とそうでない非画像領域とが設けられる。この内、非画像領域は、感光体の移動方向に向かって左右に位置する両端縁部分に形成され、画像領域は、非画像領域に挟まれた感光体の中央部分に形成される。そこで、ワイヤ電極を内部に備える帯電装置筐体では、ワイヤ電極からの放電が感光体の画像領域に均等に及ぶようにするために、帯電装置筐体の開口部を感光体の画像領域と対面する部分に限定するようにして、帯電装置筐体を構成している。
【0019】
そこで、帯電装置筐体における画像領域の上方に位置する部分に、上記の開口部以外の開口部を設けると、ワイヤ電極からの感光体の画像領域に対する放電の均等性が損なわれるおそれがある。しかし、上記の確認窓は、非画像領域の上方に位置する両端部に設置されているので、ワイヤ電極からの感光体の画像領域に対する帯電の均等性が損なわれるおそれを回避することができる。
【0020】
又、上記の帯電装置の確認窓の設置に代えて、又は、確認窓の設置と共に、ワイヤ電極張設位置検出手段を備えるようにしてもよい。このワイヤ電極張設位置検出手段は、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でないことを検出すると、ワイヤ電極張設位置異常と判断する機能を備えている。
【0021】
このワイヤ電極張設位置検出手段としては、具体的には、例えば、次のような構成とするようにしてもよい。即ち、このワイヤ電極張設位置検出手段は、発光素子、受光素子、及び、ワイヤ電極張設位置判断部を備えて構成する。この内、発光素子は、ワイヤ電極に向かって光を照射する機能を有している。受光素子は、該発光素子からワイヤ電極に向かって照射された光がワイヤ電極で遮られてできる影の位置を検出する機能を有している。そして、ワイヤ電極張設位置判断部は、ワイヤ電極が所定位置に張設されている状態におけるワイヤ電極で遮られてできる影の位置と異なる位置に、ワイヤ電極で遮られてできる影が受光素子により検出されると、ワイヤ電極張設位置異常と判断する機能を有している。
【0022】
上記のワイヤ電極張設位置検出手段を備えた帯電装置によれば、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を自動的に行うことができる。従って、ワイヤ電極の張設位置の確認漏れを防止することができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0023】
又、上記の帯電装置に、ワイヤ電極清掃手段を備えるようにしてもよい。このワイヤ電極清掃手段を手動操作で使用することにより、清掃動作、及び、待機動作を行わせることができる。この内、清掃動作は、帯電装置筐体の内部空間内に配設されたワイヤ清掃部材の頂部の表面をワイヤ電極に押し当てて押圧し、該ワイヤ電極を反らせながら該ワイヤ電極に沿って移動させて該ワイヤ電極を清掃する動作である。又、待機動作は、該清掃動作を行わないときにおける動作であり、該ワイヤ清掃部材の頂部を該ワイヤ電極から外した状態で、帯電装置筐体の左右の両端部のいずれかに設けられた待機位置で待機させる動作である。
【0024】
上記の帯電装置に、上述したようなワイヤ電極清掃手段を備えることにより、ワイヤ電極の清掃のために従来行われていた帯電装置の脱着や、分解・組立の必要性を、解消することができる。
【0025】
上記の帯電装置に、上述した確認窓が設置されている場合は、該確認窓は、ワイヤ清掃部材の待機位置よりも左右方向の中央寄りに位置するように設置するのが好ましい。このようにすることにより、ワイヤ電極清掃手段は、確認窓から外れた位置に待機させることができるので、ワイヤ電極の張設位置が所定位置であるか否かの確認を目視で行う場合に、ワイヤ電極清掃手段が目視による確認の障害になるのを回避することができる。
【0026】
上記のワイヤ電極清掃手段において、このワイヤ電極清掃手段に、清掃動作及び待機動作を、手動操作に代えて、自動的に行うワイヤ清掃部材駆動制御部を備えるようにしてもよい。このようにすることにより、ワイヤ電極の清掃を自動的に行うことができ、ワイヤ電極の清掃漏れを防止することができる。
【0027】
又、上記のワイヤ電極清掃手段において、このワイヤ電極清掃手段に、ワイヤ清掃部材が待機位置に存在しているか否かを検出すると共に、待機位置に存在していないことが検出されると、ワイヤ清掃部材待機位置異常と判断するワイヤ清掃部材待機状態判断部を備えるようにしてもよい。このようにすることにより、ワイヤ清掃部材が待機位置に存在しているか否かを自動的に検出することができ、ワイヤ清掃部材が待機位置に存在していない状態で、帯電装置が帯電動作を行うような状態を回避することができる。従って、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0028】
上記の帯電装置は、上述したような作用、効果を備えているが、このような作用、効果を備えた帯電装置を用いて画像形成装置を構成するのが好ましい。ここで、画像形成装置とは、上述したように、録用紙に画像を記録する装置であり、移動する感光体の表面が帯電されると共に帯電された該表面が露光されて該表面上に静電潜像が形成され、形成された該静電潜像が現像剤で現像されて可視化されて記録用紙に転写されることにより、該記録用紙に画像記録が行われる仕組みを用いた装置である。
【0029】
上記の帯電装置を備えた画像形成装置としては、具体的には、例えば、上述したワイヤ電極張設位置検出手段を有する帯電装置を備えて、画像形成装置を構成する。このワイヤ電極張設位置検出手段を有する帯電装置を備えた画像形成装置では、このワイヤ電極張設位置検出手段を用いたワイヤ電極張設位置検出判断工程を、次のように用いるのが好ましい。
【0030】
即ち、画像形成装置において、記録用紙に画像記録を行う画像記録工程を行うのに先立ち行われる感光体の感光体初期化工程の直前に、ワイヤ電極張設位置検出手段によるワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断されない場合に、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程に続いて感光体初期化工程を行うのである。
【0031】
又、上述したワイヤ電極張設位置検出手段のほか、上述したワイヤ清掃部材駆動制御部とワイヤ清掃部材待機状態判断部とを有するワイヤ電極清掃手段を備えた帯電装置を用いて、画像形成装置を構成するようにしてもよい。このワイヤ電極張設位置検出手段とワイヤ電極清掃手段とを備えた帯電装置を用いて構成された画像形成装置では、この画像形成装置における内部の工程の構成を、次のように構成するのが好ましい。
【0032】
即ち、記録用紙に画像記録を行う画像記録工程を行うのに先立ち行われる感光体初期化工程の直前に、ワイヤ電極張設位置検出手段によるワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断された場合に、ワイヤ電極清掃手段のワイヤ清掃部材待機状態判断部によるワイヤ清掃部材待機状態判断工程を行う。
【0033】
この場合に、ワイヤ清掃部材待機状態判断工程で、ワイヤ清掃部材待機状態判断部によりワイヤ清掃部材待機位置異常と判断された場合には、ワイヤ電極清掃手段のワイヤ清掃部材駆動制御部により、ワイヤ清掃部材を待機位置に復帰させる駆動制御が行われるワイヤ清掃部材待機位置復帰工程を行う。
【0034】
そして、ワイヤ清掃部材待機位置復帰工程を行った後、再度、ワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断された場合に、ワイヤ電極張設位置異常の警告を発生すると共に動作を停止するのである。
【0035】
画像形成装置における内部の工程の構成を、上述したような構成とすることにより、画像形成装置の内部工程を、合理的に形成することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の帯電装置によれば、帯電装置の帯電装置筐体の前面壁と後面壁の少なくともいずれかに、該前面壁又は該後面壁を貫通する確認窓が設置され、該確認窓を介して、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を、目視で行うことができる。又、確認窓の周囲の壁の外表面上に、目視による確認用の基準マークが備えられる。従って、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を容易に行うことができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0037】
又、確認窓は、非画像領域の上方に位置する両端部に設置されるので、ワイヤ電極からの感光体の画像領域に対する帯電の均等性が損なわれるおそれを回避することができる。
【0038】
又、帯電装置にワイヤ電極張設位置検出手段を備えるので、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を自動的に行うことができる。従って、ワイヤ電極の張設位置の確認漏れを防止することができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0039】
又、帯電装置にワイヤ電極清掃手段を備えるので、ワイヤ電極の清掃のために従来行われていた帯電装置の脱着や、分解・組立の必要性を、解消することができる。
【0040】
又、確認窓が、このワイヤ電極清掃手段のワイヤ清掃部材の待機位置よりも左右方向の中央寄りに位置するので、ワイヤ電極清掃手段は、確認窓から外れた位置に待機させることができ、ワイヤ電極の張設位置が所定位置であるか否かの確認を目視で行う場合に、ワイヤ電極清掃手段が目視による確認の障害になるのを回避することができる。
【0041】
又、ワイヤ電極清掃手段にワイヤ清掃部材駆動制御部及びワイヤ清掃部材待機状態判断部を備えるので、ワイヤ電極の清掃を自動的に行うことができ、ワイヤ電極の清掃漏れを防止することができると共に、ワイヤ清掃部材が待機位置に存在しているか否かを自動的に検出することができる。従って、ワイヤ清掃部材が待機位置に存在していない状態で、帯電装置が帯電動作を行うような状態を回避することができ、ワイヤ電極が張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体の不均一な帯電を防止することができる。
【0042】
又、本発明の帯電装置を画像形成装置に用いると共に、この帯電装置に備えられるワイヤ電極張設位置検出手段やワイヤ電極清掃手段の機能を実行する工程を、画像形成装置の内部工程において、上述したように、最適に配置することで、画像形成装置の動作工程を、合理的に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態における帯電装置、及び、この帯電装置が用いられている画像形成装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における帯電装置3が用いられている画像形成装置1の要部を示した構成図である。画像形成装置1は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に用いられる装置であって、記録用紙に画像記録を行う装置である。記録用紙に記録される画像は、画像形成装置1が用いられている複写機や、レーザープリンター、或いは、ファクシミリ等のそれぞれの装置が、スキャナを用いて読み込んだり、通信ラインを介して受信したりした画像情報に基づき形成される。
【0044】
図1において、画像形成装置1は、感光体2と、この感光体2の周りに配設された、本発明の帯電装置3、露光ユニット4、現像ユニット5、転写ベルト6、用紙剥離用爪7、及び、クリーニングブレード8とを備えている。これらの構成要素のほか、画像形成装置1は、図1に図示されていない、定着ユニット、記録用紙収納カセット、記録用紙搬送ベルト、記録用紙排出ベルト、記録用紙収容トレイ、表示装置、及び、上記の各構成要素及び画像形成装置1全体の制御を行う制御部を備えている。この制御部には、上記の各構成要素及び画像形成装置1全体の制御を行うのに必要な、CPUやメモリ等のハードウエアと、OSや各種制御プログラム等のソフトウエアとが備えられている。又、表示装置は、LCD等で構成されており、画像形成装置1の動作状態や、警告等を表示する機能を有する。
【0045】
上記の感光体2は、円筒形をしており、図1に図示されていない感光体駆動装置と結合され、矢印2aの方向に回転する。帯電装置3は、感光体2の表面を帯電する機能を有する。この帯電装置3は、開口面を備えており、この開口面が感光体2の表面と平行して対面するように配設されている。この帯電装置3については、後で詳述する。露光ユニット4は、帯電された感光体2の表面に、画像情報に基づき発光制御されるレーザやLED等の光4aを照射して、感光体2の表面に潜像を形成する機能を有する。現像ユニット5は、感光体2の表面に形成された潜像を、現像剤であるトナーを用いて現像して可視化する機能を有する。
【0046】
転写ベルト6は、ループ状をしており、図1に図示されていない転写ベルト駆動装置と結合されて、矢印6aの方向に回転する。このループ状の転写ベルト6におけるループの上側は、感光体2の表面の下部と接しており、記録用紙Pを感光体2に搬送すると共に、現像ユニット5により現像されて可視化された感光体2の表面の像を、記録用紙Pの表面に転写する機能を有する。用紙剥離用爪7は、画像が転写された記録用紙Pを、感光体2の表面から剥離する機能を有しており、剥離された記録用紙Pは、図示されていない定着ユニットにより定着される。クリーニングブレード8は、感光体2の表面に付着しているトナーを取除く機能を有する。
【0047】
次に、帯電装置3について説明する。図2は、電極を除いた状態の帯電装置3を開口面側から見た斜視図、図3(a)は、帯電装置3を開口面側から見た平面図、図3(b)は、図3(a)におけるA−A断面図、図3(c)は、図3(a)におけるB−B断面図である。帯電装置3は、主として、ワイヤ状のワイヤ電極3a、メッシュ状のグリッド電極3b、ワイヤ清掃部材33、及び、ワイヤ電極張設位置検出機構と、これらのワイヤ電極3a、グリッド電極3b、ワイヤ清掃部材33、及び、ワイヤ電極張設位置検出機構を保持する帯電装置筐体3cとで構成されている。
【0048】
帯電装置筐体3cは、感光体2の回転方向と交差する方向に沿って形成されると共に相互に平行に対面する前面壁11及び後面壁12と、側面壁13,14、及び、底面壁15とで構成されている。又、帯電装置筐体3cは、内部に内部空間16が形成されていると共に、この内部空間16が開口して形成された開口面17を備えている。
【0049】
側面壁13,14は、この側面壁13,14の開口面側の端面が、前面壁11及び後面壁12の端面よりも奥まった位置になるように形成されていると共に、この側面壁13,14の開口面側の端面には、V次形のワイヤ取付溝13a,14aが形成されている。又、側面壁13,14の外側にはワイヤ取付片13,14が接着されていると共に、ワイヤ取付片18の側面にはワイヤ固定ピン18a,18aが、又、ワイヤ取付片19の側面には、ワイヤ取付ピン19a,19aが備えられている。
【0050】
ワイヤ電極3aは、ワイヤ状をしており、このワイヤ電極3aは、ワイヤ取付片13の一方の固定ピン18aからスタートして、側面壁13の一方のワイヤ取付溝13a、側面壁14の一方のワイヤ取付溝14a、ワイヤ取付片19の一方のワイヤ取付ピン19a、ワイヤ取付片19の他方のワイヤ取付ピン19a、側面壁14の他方のワイヤ取付溝14a、及び、側面壁13の他方のワイヤ取付溝13aを順に経て、ワイヤ取付片13の他方の固定ピン18aで固定されて張設されている。
【0051】
ここで、ワイヤ電極3aが帯電装置筐体3の内部空間16を横切るようにして張設されている側面壁13から側面壁14に至る部分を往路部分と称し、側面壁14から側面壁13に至る部分を復路部分と称する。上述したように、通常は、往路部分は、側面壁13の一方のワイヤ取付溝13aと側面壁14の一方のワイヤ取付溝14aとの間に張設され、復路部分は、側面壁14の他方のワイヤ取付溝14aと、側面壁13の他方のワイヤ取付溝13aとの間に張設されている。この往路部分と復路部分は、前面壁11及び後面壁12に平行になるように、且つ、この往路部分と復路部分も、相互に平行になるように張設されている。このワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分と、グリッド電極3bとで、感光体2の表面を帯電する役割を担っている。
【0052】
グリッド電極3bは、メッシュ状をしており、このグリッド電極3bは、帯電装置筐体3cの開口面17に覆設されており、このグリッド電極3bに対して、ワイヤ電極3aは、帯電装置筐体3cの内部空間16を横切る往路部分復路部分共に、このグリッド電極3bと平行になるように張設されている。又、上述したように、側面壁13,14の開口面側の端面は、前面壁11及び後面壁12の端面よりも奥まった位置に存在しているので、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、グリッド電極3bから離間している。即ち、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、グリッド電極3bから離間すると共にグリッド電極3bと平行に張設されている。
【0053】
又、上述したように、前面壁11及び後面壁12は、感光体2の回転方向と交差する方向に沿って形成されていると共に、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、前面壁11及び後面壁12に平行に張設されている。又、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、グリッド電極3bと平行に張設されており、帯電装置3は、帯電装置3の開口面17、即ち、この開口面17に覆設されているグリッド電極3bが感光体2の表面と平行して対面するように配設されている。即ち、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、感光体2の回転方向と交差する方向に沿って、この感光体2の表面と平行に張設されている。
【0054】
又、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分、及び、グリッド電極3bは、このワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分とグリッド電極3bとの電位差により、感光体2の表面に向かってコロナ放電を行うことで感光体2の表面を帯電する。そこで、ワイヤ電極3a及びグリッド電極3bにこのコロナ放電用の電圧を印加するために、ワイヤ電極3a及びグリッド電極3bは、図示されていない電源に接続されている。
【0055】
上述したように、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、ワイヤ電極3aが帯電装置筐体3の内部空間16を横切るようにして張設されている部分であるが、このワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分の帯電装置筐体3上における位置を、単に、ワイヤ電極3aの張設位置と称する。又、ワイヤ電極3aの往路部分が、側面壁13の一方のワイヤ取付溝13aと側面壁14の一方のワイヤ取付溝14aにそれぞれ嵌めこまれて張設されている状態における、ワイヤ電極3aの往路部分の帯電装置筐体3上における位置を、ワイヤ電極3aの所定位置と称する。又、ワイヤ電極3aの復路部分が、側面壁14の他方のワイヤ取付溝14aと側面壁13の他方のワイヤ取付溝13aにそれぞれ嵌めこまれて張設されている状態における、ワイヤ電極3aの往路部分の帯電装置筐体3上における位置を、同じく、ワイヤ電極3aの所定位置と称する。
【0056】
即ち、通常、ワイヤ電極3aの張設位置は所定位置であり、ワイヤ電極3aの張設位置がこの所定位置であれば、上述した説明から分かるとおり、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分は、感光体2の回転方向と交差する方向に沿って、この感光体2の表面と平行な状態である。このワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分が感光体2の表面と平行な状態でないと、前述したように、感光体2の表面の帯電が不均一になり、静電潜像の形成品質が低下して記録用紙に記録される画像の品質が低下する。そのため、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分が感光体2の表面と平行であるか否か、即ち、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かをチェックできることが、画像形成装置1にとって重要である。
【0057】
そこで、上記のワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かを確認するための確認窓20,21が、帯電装置筐体3cに備えられている。即ち、帯電装置筐体3cの前面壁11には、側面壁13の近くに、前面壁11を貫通する確認窓20が形成されている。又、同様に、後面壁12には、側面壁13の近くに、後面壁12を貫通する確認窓21が、上記の確認窓20と対面するように形成されている。図4(a)は、前面壁11に形成された確認窓20を示した部分正面図である。
【0058】
この確認窓20,21は、帯電装置筐体3cにおいて、感光体2の非画像領域の上方に位置する部分に形成されている。即ち、感光体2の表面には、静電潜像が形成される画像領域とそうでない非画像領域が設けられ、この非画像領域は、感光体2の移動方向に向かって左右に位置する両端縁部分に形成され、画像領域は、非画像領域に挟まれた感光体2の中央部分に形成される。帯電装置3は、感光体2と対面して配設されているが、上記の確認窓20,21は、帯電装置筐体3cにおけるこの感光体2の非画像領域の上方に位置する部分に形成されているのであり、前面壁11及び後面壁12における上記の側面壁13の近くの部分が、この部分に該当する。
【0059】
このような配慮がなされるのは、次の理由による。即ち、ワイヤ電極3aを内部に備える帯電装置筐体3cでは、ワイヤ電極3aからの放電が感光体2の画像領域に均等に及ぶようにするために、帯電装置筐体3cの開口部を感光体2の画像領域と対面する部分に限定するようにして、帯電装置筐体3cを構成する必要がある。そこで、帯電装置筐体3cにおいては、感光体2の画像領域の上方に位置する部分に、上記の開口部以外の開口部を設けると、ワイヤ電極3aからの感光体2の画像領域に対する放電の均等性が損なわれるおそれがある。そこで、上記の確認窓20,21は、非画像領域の上方に位置する部分に設置することにより、ワイヤ電極3aからの感光体2の画像領域に対する帯電の均等性が損なわれるおそれを回避するようにしているのである。
【0060】
上記の確認窓20の周囲の前面壁11の表面上には、図4(a)に示す三角形状の基準マーク20aが、又、確認窓21の周囲の前面壁12の表面上には、同様の三角形状の基準マークが備えられている。これは、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かの確認を容易にするために、設けられたものである。即ち、張設位置が所定位置であるワイヤ電極3aを、確認窓を通して目視する視線が、グリッド電極と平行になるようにして目視した場合、グリッド電極は確認窓を横切るような一直線として見えるが、この場合に、図4(a)に示すように、確認窓の周囲の壁の外表面上に、上記の一直線と、先端が重なるようにして前面壁11や前面壁12の表面上に表示した三角形状のマークが、上記の基準マークである。
【0061】
従って、一方の確認窓20から、ワイヤ電極3aを目視する視線がグリッド電極と平行になるようにしてこのワイヤ電極3aを目視した場合に、ワイヤ電極3aが基準マーク20aの先端と一致するように見える場合は(図4(a)参照)、ワイヤ電極3aの張設位置は、所定位置であり、基準マーク20aの先端からはずれて見える場合は(図4(b)参照)、ワイヤ電極3aの張設位置は、所定位置ではないことが分かる。
【0062】
例えば、図5(a)、(b)に示すように、ワイヤ電極3aが側面壁13のワイヤ取付溝13aから外れて、側面壁13の開口面側の端面に乗り上げた状態で張設されていると、図4(b)に示すように、ワイヤ電極3aが基準マーク20aの先端から外れて見える。又、以下で述べるワイヤ清掃部材33が清掃途中で停止した状態の場合も(図6(a)、(b)参照)、ワイヤ電極3aは、基準マーク20aの先端から外れて見える。尚、上記の基準マークとしては、三角形状のマークのほか、矢印や単なる直線等を用いるようにしてもよい。
【0063】
ワイヤ清掃部材33は、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分を自動的に清掃する機能を有している。そこで、この機能を実現させるためには、このワイヤ清掃部材33をワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分に沿ってスライドさせる必要があり、図3(a)〜(c)において、帯電装置筐体3の底面壁15には、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分と平行に、底面壁15を貫通するスライド溝が形成されている。又、このワイヤ清掃部材33をワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分に沿って移動させるための摺動ロッド34を架設するために、帯電装置筐体3の側面壁13,14の底面壁15を間に挟んだ反対側に、摺動ロッド取付壁31,32が形成され、この摺動ロッド取付壁31,32間に、摺動ロッド34が架設されている。
【0064】
上記のワイヤ清掃部材33は、清掃パッド33a、摺動体33b、ネジ送孔33c、パッド支柱33d、ソレノイド33e、及び、ソレノイド軸33fで構成されている。ワイヤ清掃部材33の摺動体33bの下部には、摺動ロッド34と螺合するネジ孔33cが形成され、摺動体33bの上部にはシリンダ状のシリンダ空間33dが形成されている。このシリンダ空間33dの奥にソレノイド33fが設置されると共に、このソレノイド33fのソレノイド軸33gの先端に、パッド支柱33eが装着され、このパッド支柱33eがソレノイド33fによりシリンダ空間33d内を上下動する。このソレノイド33fは画像形成装置1の制御部により駆動制御される。又、パッド支柱33eの頂部に清掃パッド33aが装着されており、この清掃パッド33aは、上記のソレノイド33fにより自動的に上下動されるが、後述するように、この清掃パッド33aが突出した状態で、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分の清掃が行われる。
【0065】
又、上記のワイヤ清掃部材33は、ワイヤ清掃部材33の摺動体33bが底面壁15に形成されたスライド溝に挿入されると共に、摺動体33bに形成されたネジ孔33cが摺動ロッド34と螺合して、帯電装置筐体3に取付けられている。又、摺動ロッド34は、図示されていない摺動ロッド駆動装置に結合されており、自動的に正転、逆転することで、ワイヤ清掃部材33の摺動体33bを移動させる仕組みとなっている。
【0066】
上記のワイヤ清掃部材33は、清掃を行わない待機時には、図3(a)、(b)に示すように、清掃パッド33aが引っ込んだ状態で、摺動体33bが側面壁14の内側面に接する位置で待機しており、この位置が、ワイヤ清掃部材33の待機位置である。清掃を行う清掃時には、上述したように、清掃パッド33aが突出した状態で、この清掃パッド33aは、清掃パッド33aの頂部の表面をワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分に押し当てて押圧し、このワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分を、図6(a)、(b)に示すように、グリッド電極3bに接近するように反らせる。そして、摺動ロッド34を回転させて、摺動体33bを移動させ、これにより、清掃パッド33aをワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分に沿って移動させて、清掃動作を行う。
【0067】
又、上記の確認窓20,21は、ワイヤ清掃部材33の待機位置よりも左右方向の中央寄りに位置するように形成されている。このようにすることにより、ワイヤ清掃部材33を、確認窓20,21から外れた位置に待機させることができ、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かの確認を確認窓20,21から目視で行う場合に、ワイヤ清掃部材33が目視による確認の障害になるのを回避している。
【0068】
上記のワイヤ清掃部材33に対しては、ワイヤ清掃部材33がこのワイヤ清掃部材33の待機位置に存在しているか否かを検出する図示されていない待機位置検出機構が、帯電装置筐体3に取付けられている。この待機位置検出機構は、発光素子と受光素子とで構成されると共に、発光素子と受光素子は、画像形成装置1の制御部に接続されている。この制御部では、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在していない場合は、発光素子が発光する光がそのまま受光素子で受光され、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在している場合は、発光素子が発光する光は、ワイヤ清掃部材33でさえぎられて受光素子で受光されないことにより、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在しているか否かがわかる。即ち、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在しているか否かの判断時に、受光素子が光を受光していないと、ワイヤ清掃部材待機位置正常と判断し、受光素子が光を受光していると、ワイヤ清掃部材待機位置異常と判断する。
【0069】
上記のワイヤ清掃部材33の待機位置検出機構が帯電装置3に備えられているのは、次の理由による。上述したように、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分が感光体2の表面と平行でないと、前述したように、感光体2の表面の帯電が不均一になり、静電潜像の形成品質が低下して記録用紙に記録される画像の品質が低下する。そのため、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分が感光体2の表面と平行であることが、重要である。
【0070】
そこで、仮に、ワイヤ清掃部材33が清掃時における図6(a)、(b)に示すような状態のまま停止した状態で、感光体2に対して帯電装置3による帯電動作が行われると、ワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分が感光体2の表面と平行でない状態で、帯電が行われ、感光体2の表面の帯電が不均一になるおそれが生じる。そこで、ワイヤ清掃部材33の待機位置検出機構により、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在しない場合を検出することで、上記のような異常事態が発生するのを防止している。
【0071】
ワイヤ電極張設位置検出機構41は、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かを自動的に検出する機能を有する機構である。このワイヤ電極張設位置検出機構41は、発光素子41aと受光素子41bとで構成されている。図7は、図3(a)におけるC−C断面図であり、図7(a)は、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置である場合の状態を示し、図7(b)は、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置から外れている場合の状態を示している。
【0072】
即ち、発光素子41aの放射する光が、グリッド電極3bと平行にワイヤ電極3aの往路部分、復路部分に照射されるような後面壁12の内側表面上の位置に、発光素子41aが取付けられると共に、発光素子41aの放射する光を受光可能な前面壁11の内側表面上の位置に、受光素子41bが取付けられている。この受光素子41bは、発光素子41aからワイヤ電極3aの往路部分、復路部分に向かって照射された光が、この往路部分、復路部分で遮られてできる影の位置を検出する機能を有している。
【0073】
これらの発光素子41a及び受光素子41bは、画像形成装置1の制御部に接続され、制御部で、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かの判断が行われる。この判断は、ワイヤ電極3aが所定位置に張設されている状態におけるワイヤ電極3aの往路部分、復路部分で遮られてできる影の位置と異なる位置に、ワイヤ電極3aの往路部分、復路部分で遮られてできる影が受光素子41bにより検出されると、ワイヤ電極張設位置異常と判断する。
【0074】
即ち、制御部では、ワイヤ電極3aの張設位置が、図3(a)、(b)、(c)に示すような状態のように、所定位置である場合は、図7(a)において、発光素子41aの放射する光がワイヤ電極3aの往路部分、復路部分で遮られてできる影の位置は、受光素子41bの上下方向の中央位置となり、ワイヤ電極3aの張設位置は所定位置であると分かり、ワイヤ電極張設位置正常と判断する。ワイヤ電極3aの張設位置が、例えば、図5(a)、(b)に示すような状態のように、所定位置から外れている場合は、図7(b)において、発光素子41aの放射する光がワイヤ電極3aの往路部分、復路部分で遮られてできる影の位置は、受光素子41bの上下方向における中央位置からグリッド電極3b側へずれた位置となり、ワイヤ電極3aの張設位置は所定位置から外れていると分かり、ワイヤ電極張設位置異常と判断する。これは、図6(a)、(b)に示すような状態の場合も、同様の結果となる。
【0075】
上記の帯電装置3によれば、帯電装置3の帯電装置筐体3cの前面壁11に、該前面壁11を貫通する確認窓20,21が設置され、該確認窓20,21を介して、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を、目視で行うことができる。又、確認窓20,21の周囲の壁の外表面上に、目視による確認用の基準マークが備えられる。従って、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を容易に行うことができ、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体2の不均一な帯電を防止することができる。
【0076】
又、確認窓20,21は、感光体2の非画像領域の上方に位置する部分に設置されるので、ワイヤ電極3aからの感光体2の画像領域に対する帯電の均等性が損なわれるおそれを回避することができる。
【0077】
又、帯電装置3にワイヤ電極張設位置検出機構41を備えるので、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置であるか否かの確認を自動的に行うことができる。従って、ワイヤ電極3aの張設位置の確認漏れを防止することができ、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体2の不均一な帯電を防止することができる。
【0078】
又、帯電装置3にワイヤ清掃部材33を備えるので、ワイヤ電極3aの清掃のために従来行われていた帯電装置の脱着や、分解・組立の必要性を、解消することができる。
【0079】
又、ワイヤ清掃部材33や、摺動ロッド34、摺動ロッド駆動装置等によりワイヤ電極3aの清掃を自動的に行うことができ、ワイヤ電極3aの清掃漏れを防止することができる。又、ワイヤ清掃部材33に対して、ワイヤ清掃部材33の待機位置検出機構が帯電装置3に備えられているので、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在しているか否かを自動的に検出することができる。従って、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在していない状態で、帯電装置3が帯電動作を行うような状態を回避することができ、ワイヤ電極3aが張設されている位置が所定位置でない場合に生じるおそれのある、感光体2の不均一な帯電を防止することができる。
【0080】
次に、帯電装置3が備えられている画像形成装置1の動作について説明する。上述したように、この画像形成装置1に備えられた帯電装置3には、画像形成装置1の制御部に接続されているワイヤ電極張設位置検出機構41と、画像形成装置1の制御部により駆動制御されるソレノイド33fを備えたワイヤ清掃部材33、及び、同じく、画像形成装置1の制御部により駆動制御される摺動ロッド駆動装置を備えた摺動ロッド34、並びに、ワイヤ清掃部材33の待機位置検出機構が備えられており、画像形成装置1の動作は、これらを使用することによる特徴を備えている。
【0081】
図8は、画像形成装置1の動作を示したフローチャートである。図8において、画像形成装置1の制御装置は、画像形成装置1が用いられている複写機や、レーザープリンター、或いは、ファクシミリ等のそれぞれの装置から、スキャナを用いて読み込んだり、通信ラインを介して受信したりした画像情報を提供して、画像記録の要請がなされると(S1)、ワイヤ電極張設位置検出判断工程(S2)に進む。
【0082】
ワイヤ電極張設位置検出判断工程(S2)では、帯電装置3に備えられている上述したワイヤ電極張設位置検出機構41の出力により、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否か、即ち、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かをチェックして、ワイヤ電極張設位置正常、又は、ワイヤ電極張設位置異常のいずれかの判断をする。ワイヤ電極張設位置正常と判断すると(S3)、感光体初期化工程(S9)へ進む。
【0083】
ワイヤ電極張設位置検出判断工程(S2)で、ワイヤ電極張設位置異常と判断すると(S3)、ワイヤ清掃部材待機状態判断工程(S4)に進む。ワイヤ清掃部材待機状態判断工程(S4)では、帯電装置3に備えられているワイヤ清掃部材33の上述した待機位置検出機構の出力により、ワイヤ清掃部材33がこのワイヤ清掃部材33の待機位置に存在しているか否かをチェックして、ワイヤ清掃部材待機位置正常、又は、ワイヤ清掃部材待機位置異常のいずれかの判断をする。ワイヤ清掃部材待機位置正常と判断すると(S5)、ワイヤ電極張設位置異常の原因が、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在していないことではないので、ワイヤ電極張設位置異常の警告を、画像形成装置1の表示装置に表示すると共に、画像形成装置1の動作を停止する(S11)。
【0084】
ワイヤ清掃部材待機状態判断工程(S4)で、ワイヤ清掃部材待機位置異常と判断すると(S5)、ワイヤ清掃部材待機位置復帰工程(S6)に進む。ワイヤ清掃部材待機位置復帰工程(S6)では、画像形成装置1の制御部が、摺動ロッド駆動装置を制御して摺動ロッド34を回転させて、ワイヤ清掃部材33をワイヤ清掃部材33の待機位置に復帰させる。
【0085】
ワイヤ清掃部材待機位置復帰工程(S6)が終了すると、再度、ワイヤ電極張設位置検出判断工程(S7)に進み、帯電装置3に備えられている上述したワイヤ電極張設位置検出機構41の出力により、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かをチェックして、ワイヤ電極張設位置正常、又は、ワイヤ電極張設位置異常のいずれかの判断をする。ワイヤ電極張設位置正常と判断すると(S8)、感光体初期化工程(S9)へ進む。
【0086】
S2又は、S7のワイヤ電極張設位置検出判断工程で、ワイヤ電極張設位置正常と判断すると(S3,S8)、感光体初期化工程(S9)が実行される。感光体初期化工程(S9)では、感光体2の表面に付着している現像材を除去すると共に、残存している帯電を除いて、均一な帯電を行う。
【0087】
感光体初期化工程(S9)が終了すると、画像記録工程(S10)が実行される。画像記録工程(S10)では、記録用紙収納カセットから記録用紙Pが取出されて記録用紙搬送ベルトで感光体2に向かって搬送され、感光体2と転写ベルト6で記録用紙Pに画像が記録され、この画像が記録された記録用紙Pが、定着ユニットで定着された後、記録用紙排出ベルトで搬送されて、記録用紙収容トレイに収容される。この画像記録工程(S10)が実行されると、画像形成装置1の一連の動作が終了する。
【0088】
S7のワイヤ電極張設位置検出判断工程で、ワイヤ電極張設位置異常と判断すると(S8)、ワイヤ清掃部材33をワイヤ清掃部材33の待機位置に復帰させる動作を行っても、ワイヤ電極張設位置正常とならないので、ワイヤ電極張設位置異常の警告を画像形成装置1の表示装置に表示すると共に、画像形成装置1の動作を停止して(S11)、画像形成装置1の動作を終了する。
【0089】
尚、ワイヤ清掃部材33を用いて行われるワイヤ電極3aの往路部分及び復路部分の清掃動作は、通常、画像形成装置1の電源が投入される毎に行われる画像形成装置1の全体の初期化動作に含めて行うようにしているが、上記で説明した画像形成装置1の動作におけるS1とS2の間で行うようにしてもよい。或いは、上記で説明した画像形成装置1の一連の動作が完全に終了した後に、行うようにしてもよい。
【0090】
上記の画像形成装置1の動作工程においては、ワイヤ電極張設位置検出機構41を用いることにより行われる、ワイヤ電極3aの張設位置が所定位置であるか否かをチェックする工程や、ワイヤ清掃部材33の待機位置検出機構を用いることにより行われる、ワイヤ清掃部材33が待機位置に存在しているか否かをチェックする工程が、最適に配置されている。従って、上記の画像形成装置1の動作工程を上述したように構成することにより、画像形成装置の動作工程を、合理的に形成することができる。
【0091】
上記の画像形成装置1に備えられている帯電装置3では、この帯電装置3の帯電装置筐体3cに形成されている確認窓20,21は、前面壁11及び後面壁12の側面壁13の近くに形成されているが、前面壁11及び後面壁12の側面壁14の近くに形成するようにしてもよい。或いは、前面壁11及び後面壁12の側面壁13の近くと側面壁14の近くとの双方に形成するようにしてもよい。
【0092】
又、上記の帯電装置3では、ワイヤ清掃部材33は自動的に駆動制御されるが、手動で操作される構造としてもよい。例えば、上記のワイヤ清掃部材33のソレノイド33f及び、摺動ロッド34駆動用の摺動ロッド駆動装置を取外して、パッド支柱33eを手動で上下動させるようにすると共に、摺動ロッド34を手で回転させる等することにより、ワイヤ清掃部材33を手動で操作可能とするようにするのである。
【0093】
又、上記の帯電装置3では、確認窓20,21とワイヤ電極張設位置検出機構41とを共に備えているが、ワイヤ電極張設位置検出機構41のみ、或いは、確認窓20,21のみ備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施の形態における帯電装置が用いられている画像形成装置の要部を示した構成図である。
【図2】本実施の形態における画像形成装置の電極を除いた状態の帯電装置を開口面側から見た斜視図である。
【図3】本実施の形態における帯電装置の、(a)は、帯電装置を開口面側から見た平面図、(b)は、(a)におけるA−A断面図、(c)は、(a)におけるB−B断面図である。
【図4】本実施の形態における帯電装置の確認窓の外観図であり、(a)は、ワイヤ電極の張設が正常な場合を、(b)は、ワイヤ電極の張設が異常な場合を示している。
【図5】本実施の形態における帯電装置のワイヤ電極の張設が異常な場合の、(a)は、図3(a)におけるA−A断面図、(b)は、図3(a)におけるB−B断面図である。
【図6】本実施の形態における帯電装置の清掃パッドによる清掃中の、(a)は、図3(a)におけるA−A断面図、(b)は、図3(a)におけるB−B断面図である。
【図7】本実施の形態における帯電装置の図3(a)におけるC−C断面図であり、(a)は、ワイヤ電極の張設が正常な場合を、(b)は、ワイヤ電極の張設が異常な場合を示している。
【図8】本実施の形態における帯電装置が用いられている画像形成装置の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1 画像形成装置
2 感光体
2a 感光体の回転方向
3 帯電装置
3a ワイヤ電極
3b グリッド電極
3c 帯電装置筐体
4 露光ユニット
4a 光
5 現像ユニット
6 転写ベルト
6a 転写ベルトの回転方向
7 用紙剥離用爪
8 クリーニングブレード
11 前面壁
12 後面壁
13 側面壁
13a ワイヤ取付溝
14 側面壁
14a ワイヤ取付溝
15 底面壁
16 内部空間
17 開口面
18 ワイヤ取付片
18a ワイヤ固定ピン
19 ワイヤ取付片
19a ワイヤ取付ピン
20 確認窓
20a 基準マーク
21 確認窓
31 摺動ロッド取付壁
32 摺動ロッド取付壁
33 ワイヤ清掃部材
33a 清掃パッド
33b 摺動体
33c ネジ孔
33d シリンダ空間
33e パッド支柱
33f ソレノイド
33g ソレノイド軸
34 摺動ロッド
41 ワイヤ電極張設位置検出機構
41a 発光素子
41b 受光素子
P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する感光体の表面が帯電されると共に帯電された該表面が露光されて該表面上に静電潜像が形成され、形成された該静電潜像が現像剤で現像されて可視化されて記録用紙に転写されることにより、該記録用紙に画像記録が行われる前記感光体の前記表面を帯電するのに用いられるワイヤ電極とメッシュ状のグリッド電極、及び、該ワイヤ電極と該グリッド電極とを保持する帯電装置筐体を備えた帯電装置であって、
前記帯電装置筐体は、前記感光体の前記移動方向と交差する方向に沿って形成された前面壁と後面壁、該前面壁と該後面壁で囲まれた内部空間、及び、該内部空間が開口して形成された開口面を備えると共に、該開口面が前記感光体の表面と対面するように配設されており、
前記グリッド電極は、前記感光体の表面と平行になるようにして前記帯電装置筐体の開口面に覆設されると共に、前記ワイヤ電極は、前記グリッド電極と離間し、且つ、前記感光体の前記移動方向と交差する方向に沿って該感光体の表面と平行になるようにして、前記帯電装置筐体の内部空間内の所定位置に張設されており、
前記帯電装置筐体の前記前面壁と前記後面壁の少なくともいずれかに、該前面壁又は該後面壁を貫通する確認窓が設置され、該確認窓を介して、前記ワイヤ電極が張設されている位置が前記所定位置であるか否かの確認が、目視で可能であることを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記確認窓の周囲の壁の外表面上に、目視による確認用の基準マークを備えている請求項1記載の帯電装置。
【請求項3】
前記感光体の表面には、前記感光体の移動方向に向かって左右に位置する両端縁部分に、前記帯電の対象とならない非画像領域が形成されており、
前記確認窓は、前記帯電装置筐体における前記前面壁又は前記後面壁の左右の両端部であって、前記非画像領域の上方に位置する前記両端部の、少なくとも一方に設置されている請求項1又は2記載の帯電装置。
【請求項4】
移動する感光体の表面が帯電されると共に帯電された該表面が露光されて該表面上に静電潜像が形成され、形成された該静電潜像が現像剤で現像されて可視化されて記録用紙に転写されることにより、該記録用紙に画像記録が行われる前記感光体の前記表面を帯電するのに用いられるワイヤ電極とメッシュ状のグリッド電極、及び、該ワイヤ電極と該グリッド電極とを保持する帯電装置筐体を備えた帯電装置であって、
前記帯電装置筐体は、前記感光体の前記移動方向と交差する方向に沿って形成された前面壁と後面壁、該前面壁と該後面壁で囲まれた内部空間、及び、該内部空間が開口して形成された開口面を備えると共に、該開口面が前記感光体の表面と対面するように配設されており、
前記グリッド電極は、前記感光体の表面と平行になるようにして前記帯電装置筐体の開口面に覆設されると共に、前記ワイヤ電極は、前記グリッド電極と離間し、且つ、前記感光体の前記移動方向と交差する方向に沿って該感光体の表面と平行になるようにして、前記帯電装置筐体の内部空間内の所定位置に張設されており、
前記ワイヤ電極が張設されている位置が前記所定位置でないことを検出すると、ワイヤ電極張設位置異常と判断するワイヤ電極張設位置検出手段を備えていることを特徴とする帯電装置。
【請求項5】
前記ワイヤ電極張設位置検出手段は、前記ワイヤ電極に向かって光を照射する発光素子と、
該発光素子から前記ワイヤ電極に向かって照射された光が前記ワイヤ電極で遮られてできる影の位置を検出可能な受光素子と、
前記ワイヤ電極が前記所定位置に張設されている状態における前記ワイヤ電極で遮られてできる影の位置と異なる位置に、前記ワイヤ電極で遮られてできる影が前記受光素子により検出されると、ワイヤ電極張設位置異常と判断するワイヤ電極張設位置判断部と、を備えている請求項4記載の帯電装置。
【請求項6】
前記帯電装置筐体の前記内部空間内に配設されたワイヤ清掃部材の頂部の表面を前記ワイヤ電極に押し当てて押圧し、該ワイヤ電極を反らせながら該ワイヤ電極に沿って移動させて該ワイヤ電極を清掃する清掃動作、及び、該清掃動作を行わないときは、該ワイヤ清掃部材の頂部を該ワイヤ電極から外した状態で、前記帯電装置筐体の左右の両端部のいずれかに設けられた待機位置で待機する待機動作を、手動操作により行わせるワイヤ電極清掃手段を備えている請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項7】
前記確認窓が設置されている場合は、該確認窓は、前記ワイヤ清掃部材の待機位置よりも左右方向の中央寄りに位置するように設置されている請求項6記載の帯電装置。
【請求項8】
前記ワイヤ電極清掃手段は、前記清掃動作及び前記待機動作を、前記手動操作に代えて、自動的に行うワイヤ清掃部材駆動制御部を備えている請求項6又は7記載の帯電装置。
【請求項9】
前記ワイヤ電極清掃手段は、前記ワイヤ清掃部材が待機位置に存在しているか否かを検出すると共に、待機位置に存在していないことが検出されると、ワイヤ清掃部材待機位置異常と判断するワイヤ清掃部材待機状態判断部を備えている請求項8記載の帯電装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の帯電装置を備えている画像形成装置。
【請求項11】
請求項4〜9のいずれか1項に記載の帯電装置を備えている画像形成装置であって、
記録用紙に画像記録を行う画像記録工程を行うのに先立ち行われる前記感光体の感光体初期化工程の直前に、前記ワイヤ電極張設位置検出手段によるワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、前記ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断されない場合に、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程に続いて前記感光体初期化工程を行う画像形成装置。
【請求項12】
請求項9に記載の帯電装置を備えている画像形成装置であって、
記録用紙に画像記録を行う画像記録工程を行うのに先立ち行われる前記感光体の感光体初期化工程の直前に、前記ワイヤ電極張設位置検出手段によるワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、前記ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断された場合に、前記前記ワイヤ電極清掃手段のワイヤ清掃部材待機状態判断部によるワイヤ清掃部材待機状態判断工程を行う画像形成装置。
【請求項13】
前記ワイヤ清掃部材待機状態判断工程で、前記ワイヤ清掃部材待機状態判断部によりワイヤ清掃部材待機位置異常と判断された場合に、前記ワイヤ電極清掃手段のワイヤ清掃部材駆動制御部により、前記ワイヤ清掃部材を前記待機位置に復帰させる駆動制御が行われるワイヤ清掃部材待機位置復帰工程を行う請求項12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ワイヤ清掃部材待機位置復帰工程を行った後、再度、前記ワイヤ電極張設位置検出判断工程を行い、該ワイヤ電極張設位置検出判断工程で、前記ワイヤ電極張設位置判断部によりワイヤ電極張設位置異常と判断された場合に、ワイヤ電極張設位置異常の警告を発生すると共に動作を停止する請求項13記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−256642(P2007−256642A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81070(P2006−81070)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】