説明

帯電部材、および帯電部材を有する画像形成装置

【課題】帯電音の大きさを低減する。
【解決手段】本発明の帯電部材14は、被帯電体12に当接して該被帯電体を帯電する帯電部材であって、支持部材32と、被帯電体と当接する表層30と、表層30と支持部材32の間に配置された中間層34を有する。中間層34は複数の弾性層34a〜34eから構成されている。複数の弾性層34a〜34eそれぞれは、複数の弾性層の間の複数の界面が表層側に位置するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被帯電体に当接して該被帯電体を帯電する帯電部材と、帯電部材を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、像担持体(被帯電体)に帯電部材を当接させて該像担持体を帯電する、いわゆる接触帯電方式の帯電装置を有するものがある。接触帯電方式の帯電装置は像担持体に当接する帯電部材に交流電圧を印加して該像担持体を帯電するものが多く、直流電圧を帯電部材に印加する場合に比べて、像担持体の被帯電部分をより均一に帯電できる。
【0003】
ところが、帯電部材に交流電圧が印加されることにより、帯電音と呼ばれる騒音が発生する。帯電音は、帯電部材に交流電圧が印加されることによって帯電部材と像担持体との間に引き合う引力が発生し、この引力の強さが交流電圧の周波数と対応して周期的に変化し、それにより帯電部材または像担持体の少なくとも一方が振動して発生する振動音の一種である。
【0004】
この帯電音の発生を抑制する画像形成装置として、特許文献1に記載のものがある。この画像形成装置の帯電部材は、チューブ形状のローラであり、内部が中空であるために、内部が中空でない帯電部材に比べて振動を抑制してある程度まで帯電音の大きさ低減することができる。
【特許文献1】特開平6−208278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置が複数の像担持体を有する、いわゆるタンデム方式の画像形成装置である場合、像担持体の数だけ帯電部材を有する。したがって、1つの帯電部材から発生する帯電音の大きさがある程度まで低減されていても、帯電部材が複数あるために画像形成装置から聞こえる帯電音の大きさは大きいものとなる。
【0006】
そこで、本発明は、タンデム方式の画像形成装置に複数個で使用される場合であっても、画像形成装置から聞こえる帯電音の大きさが許容できる大きさになるように、1つから発生する帯電音の大きさを十分に低減できる帯電部材、および帯電部材を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置に使用される帯電部材は、
被帯電体に当接して該被帯電体を帯電する帯電部材であって、
支持部材と、
被帯電体と当接する表層と、
表層と支持部材の間に配置された中間層を有し、
中間層は複数の弾性層から構成されており、
複数の弾性層それぞれは、複数の弾性層の間の複数の界面が表層側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、
像担持体に静電潜像を形成するために該像担持体を帯電する画像形成装置であって、
上述の帯電部材と、
帯電部材に当接して帯電される像担持体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、帯電部材は複数の弾性層を有することにより、振動を減衰する複数の界面を有する。また、複数の界面が表層側に形成されているため、帯電部材の振動が十分に減衰され、その結果、帯電音の大きさが十分に低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を概略的に示している。図に符号10で示す画像形成装置は、モノクロ画像をシート状の記録材(以下、「記録シート」と称する。)Sに形成する画像形成装置である。
【0011】
画像形成装置10は、像担持体である感光体12と、感光体12の外周面を帯電する帯電装置14と、感光体12の外周面に静電潜像を形成する露光装置16と、感光体12の外周面上の静電潜像を現像する現像装置18と、現像画像を記録シートSに転写する転写ローラ20と、現像画像を記録シートSに定着させる定着器22を有する。
【0012】
感光体12は、円筒状であって、その外周面に静電潜像が形成されるように構成されている。また、感光体12は、モータなどの回転駆動手段(図示せず)によって一定の回転速度で回転されている。なお、感光体は、円筒状でなくてもよく、例えばベルト形状などでもよい。
【0013】
帯電装置14は、感光体12の外周面と当接して該外周面を均一に帯電する、いわゆる接触帯電方式の帯電装置であって、円筒形状のローラで構成される(以下、帯電装置を「帯電ローラ」と称する。)。帯電ローラ14には、所定の交流電圧と所定の直流電圧が重畳されてなるバイアス電圧が印加されている。これにより、帯電ローラ14の外周面と当接する感光体12の外周面が一様に接触帯電される。帯電ローラ14の詳細は後述する。
【0014】
露光装置16は、感光体12の回転方向に関して帯電装置14の下流側の感光体12の外周面と対向する位置に配置され、感光体12との間に露光領域を形成し、感光体12の回転により露光領域に搬送されてくる帯電された外周面を露光して静電潜像を形成するように構成されている。
【0015】
現像装置18は、感光体12の回転方向に関して露光領域の下流側の感光体12の外周面と対向する位置に配置され、感光体12との間に現像領域を形成し、感光体12の回転により現像領域に搬送されてくる静電潜像をトナーで現像するように構成されている(現像画像を形成するように構成されている。)。
【0016】
転写ローラ20は、感光体12の回転方向に関して現像領域の下流側の感光体12の外周面と対向する位置に配置され、感光体12との間に転写領域を形成し、シート搬送手段(図示せず)によって転写領域に搬送される記録シートSに感光体12の外周面上の現像画像を接触圧やクーロン力によって転写するように構成されている。なお、転写ローラの代わりとして、転写チャージャや転写ベルトを転写手段として使用してもよい。
【0017】
定着器22は、対向し合う1対の定着ローラを有し、その対向領域で記録シートSを挟持しつつ転写された現像画像を該記録シートSに接触圧や熱によって定着させるように構成されている。
【0018】
このような画像形成装置によれば、感光体12の外周面が帯電ローラ14によって一様に帯電され、帯電された外周面上に露光装置16によって静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置18によって現像され、その現像画像は転写ローラ20によって記録シートSに転写される。
【0019】
ここからは、帯電ローラ14について説明する。図2は、感光体12の外周面と当接している帯電ローラ14の断面を示している。帯電ローラ14は、円筒形状であって、感光体12の回転中心線と平行な回転中心線を有し、その外周面で感光体12の外周面に当接している。帯電ローラ14は、感光体12の外周面と当接する表層30と、電圧印加装置(図示せず)に所定の電圧が印加される金属の芯金(請求の範囲の支持部材に対応。)32と、表層30と芯金32との間に形成された中間層34から構成される。
【0020】
表層30は、感光体12の外周面と当接して該外周面を所定の電位に帯電する層で、少なくとも1つの層から構成される。表層30を構成する少なくとも1つの層には、例えば、ウレタンにカーボンなどの導電性粉体を分散させて構成される導電層、感光体12の外周面との摩擦を低減して帯電ローラ14の摩耗を防ぐナイロンなどの保護層、感光体12と心金32の間で電気抵抗として機能することにより該感光体12と帯電ローラ14の間にリークが発生することを防止するゴムなどの抵抗層などが選択的に含まれる。また、表層30は、感光体12の外周面を所定の電位で帯電するために、感光体12の外周面との当接面積が所定の大きさになるように変形可能であるとともに永久的に圧縮変形しない(言い換えると、圧縮状態から解放されると元に戻る)固さ(層厚)を有する。これらの特徴により、表層30は、帯電機能、圧縮変形抑制機能、リーク防止機能を有する。
【0021】
芯金32は、感光体12の外周面と表層30が当接する位置で軸受け(図示せず)によって支持されている。また、芯金32は、帯電ローラ14が感光体12の外周面を所定の電位に帯電するために、電圧印加装置(図示せず)によって所定の交流電圧と所定の直流電圧を重畳したバイアス電圧が印加されている。
【0022】
中間層34は、複数の弾性層34a〜34eを重ねて構成されている。複数の弾性層34a〜34eは、例えばポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル系の発泡部材やウレタンなどの材料から作製される。
【0023】
複数の弾性層34a〜34eそれぞれは、複数の弾性層の間に形成される複数の界面が表層側に位置するように形成されている。具体的に例を挙げると、複数の弾性層34a〜34eそれぞれが、図2に示すように、芯金32側の弾性層の厚さに比べて表層30側の弾性層の厚さが小さくなるように形成されることにより、複数の弾性層の間に形成される4つの界面が芯金側より表層側に位置している。
【0024】
このように、表層30と芯金32の間の中間層34を複数の弾性層34a〜34eを重ねて構成し、その上で複数の弾性層34a〜34eそれぞれを複数の弾性層の間に形成される複数の界面が表層側に位置するように形成する理由について説明する。
【0025】
まず、帯電音の発生について説明する。芯金32に交流電圧が印加されると、帯電ローラ14と感光体12との間で引力が周期的に発生し、それにより帯電ローラ14が振動して振動音である帯電音を発生させる。
【0026】
このとき帯電ローラ14は、部分的且つ周期的に変形しながら、力学的に言えば部分的に且つ周期的にひずみが発生しながら振動する。このひずみによって帯電ローラ14の振動は減衰され、そのひずみが大きいほど振動は大きく減衰される。これは、振動エネルギ(振動するためのエネルギ)が、ひずみの発生に使用されるとともに、ひずみによってすべりが発生したときに発生する摩擦熱(熱エネルギ)に変換されるためである。
【0027】
発明者は、このひずみに着目して帯電音の大きさを低減することを考えた。
【0028】
まず、発明者は、2つの物体が接合して形成される界面近傍の物体部分ではひずみが発生しやすいというひずみの特性に着目した。すなわち、界面を形成して該界面近傍でひずみを発生させ、それにより振動を減衰させることを考えた。
【0029】
界面を形成するために、中間層34を構成する複数の弾性層34a〜34eは接着層を介して接合されている。5つの弾性層34a〜34eが接合されて、4つの界面が形成される。
【0030】
なお、界面の形成方法、すなわち弾性層の接合方法は、溶剤による接合ではなく接着剤による接合、すなわち接着が好ましい。溶剤で2つの弾性層の接合面を溶かしつつ接合を行うと、2つの弾性層の機械的性質を分け隔てる界面が明確に形成されないことになる。それにより、界面近傍でのひずみの発生が抑制される可能性がある。特に、弾性層の機械的性質が略同一である場合、溶剤を用いて接合すると弾性層が一体化されて界面が形成されない可能性がある。また、弾性層を接着する接着剤は、界面近傍でのひずみの発生を考慮すると、弾性層の機械的性質と近い機械的性質を有するゴム系接着剤などよりは、弾性層と機械的性質が大きく異なる接着剤、例えばエポキシ系接着剤が好ましい。
【0031】
また、発明者は、ひずみを生じさせる力が加わる地点に近いほど大きなひずみが生じるというひずみの特性に着目した。すなわち、感光体12と帯電ローラ14との当接領域に近いほど大きなひずみが生じる。
【0032】
このひずみの特性を利用するために、発明者は、複数の弾性層34a〜34eから形成される複数の界面を帯電ローラ14の表面側に位置するように、具体的に例を挙げると、図2に示すように複数の弾性層34a〜34eを芯金32側の弾性層の厚さに比べて表層30側の弾性層の厚さが小さくなるように形成することを考えた。
【0033】
表層30側に配置された各界面近傍の各弾性層34a〜34eの部分に大きなひずみが発生することにより、帯電ローラの振動が大きく減衰される。
【0034】
ここで、表層と芯金の間の中間層を複数の弾性層で構成し、その上で複数の弾性層それぞれを芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さを小さくなるように形成したことによる振動の減衰効果を図3に示す。
【0035】
図3は、表層と芯金の間の中間層の構成が異なる3つの帯電ローラの主ひずみを示している。比較例1の帯電ローラは中間層を1つの弾性層で構成したものである。比較例2の帯電ローラは中間層を厚さが同一の3つの弾性層から構成したものである。実施例1の帯電ローラは中間層を3つの弾性層で構成し、その上で3つの弾性層それぞれを芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成したものである。なお、3つの帯電ローラにおいて芯金、中間層の厚さ、表層の厚さは同一である。
【0036】
主ひずみは、感光体と帯電ローラとの間に生じる周期的な引力の作用方向、言い換えると帯電ローラの振動の方向(厳密には、最も大きく振幅する振動成分の方向)のひずみである。このひずみの値が大きいほど振動が大きく減衰される、すなわち帯電音の大きさがより低減されることを示す。
【0037】
図に示す比較例1と比較例2の帯電ローラの主ひずみを見てわかるように、芯金と表層の間の中間層を3つの弾性層で構成しても該3つの弾性層の厚さが同一であれば、中間層が単層の弾性層で構成される場合と主ひずみはほとんど変わらない。すなわち、3つの弾性層で2つの界面を形成したことによる振動の減衰効果がほとんど現れていない。したがって、3つの弾性層で2つの界面を形成したことによる振動の減衰効果を得るためには、実施例1の帯電ローラのように、3つの弾性層それぞれを芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成して2つの界面を表層側に配置する必要があることがわかる。
【0038】
中間層34はまた、振動を減衰するだけでなく、表層30と協働して感光体12と帯電ローラ14の間におけるリークの発生を抑制しつつ該感光体を一様に帯電するための電気抵抗としても機能する。したがって、中間層34、すなわち複数の弾性層34a〜34eの材料は、体積抵抗率を考慮して選択される。
【0039】
本実施形態においては、中間層34を構成する複数の弾性層34a〜34e中、最も表層30側の弾性層34aが最も低い体積抵抗率を備える、すなわち最も低い体積抵抗率の材料によって作製されている。この理由について説明する。
【0040】
図4は、交流電圧が印加されている状態の2つの帯電ローラの表面電荷密度の時間変化を示すものである。2つの帯電ローラは、中間層が3つの弾性層で構成され、その上で3つの弾性層それぞれを芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成したものである。
【0041】
実施例2の帯電ローラは、3つの弾性層において最も表層側の弾性層が最も低い体積抵抗率を備えるものである。比較例3の帯電ローラは、3つの弾性層において表層側から数えて2番目の弾性層が最も低い体積抵抗率を備えるものである。
【0042】
図に示すように、2つの帯電ローラの表面電荷密度は、帯電ローラに印加される交流電圧の周波数に対応して周期的に変化している。しかしながら、比較例3の帯電ローラのほうが、実施例2の帯電ローラに比べて表面電荷密度の変化幅が大きい。したがって、表面電荷密度の変化幅が小さい実施例2の帯電ローラのほうが、感光体の外周面を安定して一様に帯電できる。
【0043】
なお、弾性層の電気抵抗は、厚さによって異なり、厚さが小さいほど抵抗値は小さくなる。そのため、複数の弾性層を同一の体積抵抗率を備える材料で作製した場合、最も表層側の弾性層は、最も小さい厚さを備えるため、理論的には最も小さい電気抵抗を備えることになる。しかしながら、実際には、最も表層側の弾性層は、厚さが小さいため、所望の電気抵抗が得られる厚さに作製するのは困難である。したがって、厚さを調整するよりは、他の弾性層の材料に比べて小さい体積抵抗率の材料から最も表層側の弾性層を作製するほうが、最も表層側の弾性層に所望の電気抵抗を確実に与えることができる。
【0044】
本実施形態によれば、帯電ローラは複数の弾性層を有することにより、振動を減衰する複数の界面を有する。また、複数の界面が表層側に形成されているため、帯電ローラの振動が十分に減衰され、その結果、帯電音の大きさが十分に低減される。
【0045】
以上、本発明を上述の実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
例えば、上述の画像形成装置はモノクロ画像を形成する、すなわち感光体と帯電ローラを1つずつ備えるものであるが、これに限定されない。感光体と帯電ローラを複数個ずつ備えるタンデム方式の画像形成装置にも本発明は実施可能である。感光体(帯電ローラ)の数が多いほど、本発明による効果、すなわち画像形成装置から聞こえる帯電音の大きさを低減する効果が大きい。
【0047】
また、上述の実施形態において、中間層を構成する複数の弾性層それぞれは、芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成されている、すなわち図2に示すように芯金から表層に向かって厚さが小さくなるように形成されているが、これに限定されない。例えば、中間層が5つの弾性層から構成される場合、表層側の4つの弾性層の厚さを可能な限り(均一な厚さに形成できる限り)小さくし、残り1つの弾性層の厚さを大きくして4つの界面を表面側に位置させることも可能である。しかしながら、厚さが小さい弾性層を積層させるので、その製造が難しくなる。製造上の観点から見れば、中間層を構成する複数の弾性層それぞれは、芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成するのが好ましい。
【0048】
参考として、中間層を構成する複数の弾性層それぞれを芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成する場合において、各弾性層の厚さを決定する方法(式)を1つ挙げる。
【0049】
表層側から数えてn(nは2以上の整数)番目の弾性層の厚さをdnを、n−1番目の弾性層の厚さをdn−1と、n番目の弾性層とn−1番目の弾性層の間の界面から帯電部材の表面までの距離をXnと、n−1番目の弾性層とn−2番目の弾性層の間の界面から帯電部材の表面までの距離をXn−1としたとき、数1に示す式の関係になるような厚さに設定する。ただし、最も表層側の弾性層の厚さd1は任意であり、X1は表層の厚さである。
【数1】

【0050】
数1に示す式の関係を満たすように複数の弾性層それぞれの厚さを設定すれば、複数の弾性層において、芯金側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなる。
【0051】
さらに、上述の実施形態においては、図2に示すように複数の弾性層によって形成される界面の数は4つであるが、界面の数は4つに限定されない。界面の数は、帯電ローラの振動挙動(言い換えると、帯電音の大きさ)によって決定され、4つ以上にするまたは4つ以下にしてもよい。しかしながら、界面の数を増やせば、界面の数に比例して振動の減衰効果が大きくなるわけでない。これは、界面の数を増加しても芯金に近い界面近傍においてはひずみが発生しにくく、その理由はひずみを発生させるエネルギが芯金に近い界面近傍に伝播されるまでに他の界面よって減少されているためである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明に係る帯電ローラの断面を示す図である。
【図3】本発明による帯電音の大きさを低減する効果を示すグラフである。
【図4】本発明に係る帯電ローラの外周面の表面電荷密度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0053】
14:帯電部材(帯電ローラ)
30:表層
32:支持部材(芯金)
34:中間層
34a〜34e:弾性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電体に当接して該被帯電体を帯電する帯電部材であって、
支持部材と、
被帯電体と当接する表層と、
表層と支持部材の間に配置された中間層を有し、
中間層は複数の弾性層から構成されており、
複数の弾性層それぞれは、複数の弾性層の間の複数の界面が表層側に位置するように形成されていることを特徴とする帯電部材。
【請求項2】
複数の弾性層それぞれは、支持部材側の弾性層の厚さに比べて表層側の弾性層の厚さが小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】
弾性層同士の接着にエポキシ系接着剤が使用されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の帯電部材。
【請求項4】
最も表層側の弾性層が、他の弾性層に比べて最小の体積抵抗率を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の帯電部材。
【請求項5】
像担持体に静電潜像を形成するために該像担持体を帯電する画像形成装置であって、
請求項1〜4のいずれか一に記載の帯電部材と、
帯電部材に当接して帯電される像担持体を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−183455(P2007−183455A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2136(P2006−2136)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】