説明

常開型電磁弁

【課題】低コストで弁部材の安定性を確保するとともに、低電力で効率良く可動コアを駆動可能な常開型電磁弁を提供する。
【解決手段】固定コア3と、当該固定コア3に対して進退可能に配置され、励磁されることで駆動される可動コア7と、固定コア3に設けられ漏斗状の弁座面61を有する弁座部材6と、一端が可動コア7と当接して可動コア7と一体に進退するよう配置され、他端が弁座面61に当接・離間して流路を開閉する弁部材5と、弁部材5を弁座面61から離間させるように付勢するリターンスプリング81とを備えた常開型電磁弁1である。固定コア3は、円筒面状の保持穴34を有し、弁部材5は、保持穴34と摺接して進退動作がガイドされており、可動コア7は、固定コア3に向けて突出した凸部72を有し、当該凸部72は、保持穴34に直接入り込むように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常開型電磁弁に関し、特にコイルに流す電流値に応じて発生差圧を変化可能なリニアソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電磁弁(ソレノイドバルブ)は、コイル、固定コアおよび可動コアを有し、コイルに流す電流により磁界を発生させて可動コアを励磁して可動コアと固定コアを互いに引き付け、この引き付け力により、弁の開閉を行うように構成されている。
常開型の電磁弁の場合、通常時に弁部材を弁座面から引き離して流路を開けるべく、リターンスプリングが設けられ、コイルへの通電によって、弁部材は弁座面に押し付けられる。
【0003】
ところで、コイルに流す電流値に応じて発生差圧を変化可能なリニアソレノイドバルブにおいては、差圧制御時において弁部材が弁座面から僅かに開いた状態となる。この状態において、液圧に脈動が起こると、弁部材が液圧に影響され、不安定になることがある。そのため、特許文献1〜3に開示されたように、可動コアが閉弁側へ移動したときに、可動コアと固定コアの間で直径方向に磁力を働かせ、可動コアおよび弁部材を安定させる構成が採られている。具体的には、可動コアに、固定コアへ向けて突出する凸部を設け、固定コアに、この凸部に対応した直径の凹部を設け、閉弁時(差圧制御時)に凸部が凹部に入り込むようにすることで、閉弁時に凸部と凹部を直径方向に対面させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3008240号公報
【特許文献2】実開昭60−24983号公報
【特許文献3】特開2008−196642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記した各文献では、固定コアにおいて弁部材の進退動作を支持する円筒形状の摺接面とは別に、可動コアの凸部が入り込むための凹部を機械加工により固定コアに設ける必要があったため、この加工にコストが掛かっていた。また、この凹部を摺接面よりも大きい直径で形成していたため、固定コアの可動コアと対向する端面の面積が小さくなり、その結果、可動コアの進退方向に向く大きな推力(閉弁力)を得ようとすると、大きな電流を流さなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、低コストで弁部材の安定性を確保するとともに、低電力で効率良く可動コアを駆動可能な常開型電磁弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、固定コアと、当該固定コアに対して進退可能に配置され、励磁されることで駆動される可動コアと、前記固定コアに設けられ漏斗状の弁座面を有する弁座部材と、一端が前記可動コアと当接して前記可動コアと一体に進退するよう配置され、他端が前記弁座面に当接・離間して流路を開閉する弁部材と、前記弁部材を前記弁座面から離間させるように付勢するリターンスプリングとを備えた常開型電磁弁であって、前記固定コアは、円筒面状の保持穴を有し、前記弁部材は、前記保持穴と摺接して前記進退動作がガイドされており、前記可動コアは、前記固定コアに向けて突出した凸部を有し、当該凸部は、前記保持穴に直接入り込むことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、弁部材の進退動作を摺接によりガイドする保持穴に、可動コアの凸部が直接入り込むので、従来のように、固定コアに凹部を機械加工により設ける必要がなく、低コストで常開型電磁弁を製造することができる。また、凸部が保持穴に直接入り込む構成のため、固定コアの可動コアに対面する端面の面積を大きく確保して、低電力で効率良く可動コアを駆動することができる。
【0009】
前記した常開型電磁弁において、前記可動コアは、励磁されていない初期位置において、前記凸部の先端面が前記固定コアの前記可動コアに対面する端面よりも前記保持穴の内側に入り込んでいる構成とすることができる。このとき、前記保持穴は、前記可動コア側の縁に面取りが形成されており、前記可動コアは、励磁されていない初期位置において、前記凸部の先端面が、前記可動コアの進退方向において、前記面取りの範囲内に位置している構成とすることができる。
【0010】
このように、初期位置において可動コアの凸部が保持穴に僅かに入り込んでいることで、可動コアが励磁されると、速やかに固定コアとの径方向の吸引力が働いて、弁部材を安定させることができる。
【0011】
そして、前記固定コアの前記可動コアに対面する端面の面積は、前記凸部の先端面の面積よりも大きいことが望ましい。このように、固定コアの端面の面積が凸部の先端面の面積よりも大きいことで、可動コアと固定コアの軸方向の吸引力を大きくして、低電力で効率良く可動コアを駆動することができる。
【0012】
前記した常開型電磁弁においては、前記可動コアが励磁されていない初期位置から、前記弁部材が前記弁座面に当接する閉弁位置まで前記可動コアが移動するに従い、前記可動コアと前記固定コアの吸引力が漸次増加し続けるように構成されていることが望ましい。すなわち、そのような特性を有するように、凸部と固定コアの直径方向および可動コアの進退方向の隙間や、初期位置における固定コアに対する凸部の位置が設定されているのが望ましい。
【0013】
このように、可動コアの移動に従い、固定コアの吸引力が漸次増加し続けるように構成されていることで、閉弁位置付近で高い閉弁力(差圧)を発生させようとした場合に、閉弁位置付近での可動コアの移動量に対する差圧の変化率が小さくなり、電磁弁の各種の寸法誤差による差圧の誤差を、差圧の実用域付近で小さくすることができる。
【0014】
前記した常開型電磁弁において、前記弁部材は、前記弁座面に当接・離間する弁体と、一端が前記可動コアに当接し、他端が前記弁体と接続され、前記保持穴により進退動作がガイドされるリテーナとを備えてなる構成であってもよい。すなわち、弁部材は、全体として1つの部品でも、複数の部品からなるものであっても構わない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、常開型電磁弁において、低コストで弁部材の安定性を確保するとともに、低電力で効率良く可動コアを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る常開型電磁弁を示す縦断面図である。
【図2】弁部材が閉弁位置にある常開型電磁弁を示す縦断面図である。
【図3】初期位置にある可動コアの凸部付近の拡大断面図である。
【図4】閉弁位置にある可動コアの凸部付近の拡大断面図である。
【図5】エアギャップと可動コアの推力の関係を示すグラフである。
【図6】差圧の誤差を説明する、電流と差圧の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、常開型電磁弁1は、アンチロックブレーキ装置などの基体Bに形成された流路Rの閉塞・開放を切り替えるための弁であり、主に、固定コア3、コイルユニット4、弁部材5、弁座部材6、および可動コア7を備えて構成されている。
【0018】
この常開型電磁弁1は、通常時は、弁部材5が弁座部材6から離れており、下方(便宜上、上下は図1を基準とする)につながった流路R1から側部でつながった流路R2への作動液の流れを許容している。そして、コイルユニット4への通電により可動コア7が励磁されることで駆動されて弁部材5が弁座部材6に当接すると(図2参照)、流路Rが閉塞されて作動液の流れが遮断される。また、本実施形態の常開型電磁弁1では、作動時に流路R1の作動液の圧力と、流路R2の作動液の圧力との差が所定値以上の場合には、その圧力差による作動液の流れが、弁部材5に働く閉弁力に打ち勝って流路Rが開くようになっている。すなわち、常開型電磁弁1は、コイルユニット4への通電電流値に応じて、弁部材5の閉塞力を制御可能なリニアソレノイドバルブ(差圧制御弁)である。
【0019】
固定コア3は、各部品を収容するハウジングを兼ねており、上下に貫通した孔を有する円筒状の部材である。固定コア3は、磁性体からなり、コイルユニット4により励磁されると、可動コア7を引き付けて弁を閉じる機能を果たす。固定コア3は、基体Bに装着されるボディ部31と、ボディ部31より細い外径で形成されて上方に延びたコア部32とから構成されている。ボディ部31の内部には、弁部材5および弁座部材6が収容されている。
【0020】
弁部材5は、上下に延びる軸部51と、軸部51の下端に設けられた砲弾形状の弁体部52とからなる。弁体部52と軸部51との境には、弁体部52よりやや大きな直径の鍔部53が設けられている。
弁体部52の下端には、後述する弁座部材の弁座面61と当接・離間する略半球形状のシール部55が形成されている。
【0021】
弁座部材6は、扁平な円柱形状の部材であり、上面中央に、漏斗状の弁座面61が形成され、この弁座面61の底から上下に貫通する流入路62が形成されている。この流入路62は、常開型電磁弁1の下方から弁座部材6の上部の弁室84に作動液が流入するための通路である。また、弁座部材6には、この流入路62から径方向外側にずれた位置に上下に貫通する戻り流路63が形成されている。戻り流路63の下部には、ボール弁64が配置されて、戻り流路63とともにチェック弁を構成している。ボール弁64は、ボディ部31の下端の内径に圧入されたフィルタ83により脱落が防止されている。フィルタ83は、流路R1側から弁室84内への異物の侵入を防止している。
このような弁座部材6は、ボディ部31の内周に圧入されて固定されている。
【0022】
弁座部材6の上面と弁部材5の鍔部53との間には、弁部材5を弁座部材6から離間させる付勢力を発生させるリターンスプリング81が配置されている。
【0023】
ボディ部31の側壁には、複数の貫通穴33が形成され、ボディ部31の内外を連通している。この貫通穴33が配置されている部分の外側には、筒状のフィルタ85が嵌合しており、フィルタ85は、流路R2側から弁室84内への異物の侵入を防止している。
ボディ部31は、基体Bの装着穴B1に挿入され、装着穴B1の周囲をかしめることで固定されている。
【0024】
コア部32の内部は、弁室84より一回り小さい直径の円筒面状の保持穴34が形成され、保持穴34内には、前記した弁部材5の軸部51が配置されている。軸部51の最大径は、保持穴34の内径よりも僅かに小さく、軸部51が保持穴34と摺接することで、弁部材5の上下の進退動作がガイドされている。弁部材5は、リターンスプリング81により常時上方に付勢されているため、弁部材5の上面58は、可動コア7の先端面71と当接している。これにより、可動コア7と弁部材5は、一体となって上下に進退動作するようになっている。
【0025】
弁部材5の軸部51の側面には、溝54が、鍔部53を残したほぼ全長にわたって形成されている。この溝54は、弁部材5が上下動したときに、弁部材5の上下にある作動液を移動可能とすることで弁部材5の動きをスムーズにしている。
【0026】
可動コア7は、固定コア3および弁部材5の上部に配置された磁性体からなる円柱状の部材である。可動コア7の下端面は、中央が円形の輪郭で突出して凸部72を形成している。この凸部72は、直径が保持穴34よりも若干小さく、保持穴34に対して入り込むことが可能となっている。可動コア7の外周面には、可動コア7の上下に貫通する溝7Aが複数形成されており、可動コア7の作動時に、可動コア7の上下の空間にある作動液が溝7Aを通って行き来することで、可動コア7の動作が容易になっている。
【0027】
コア部32には、有底円筒状のガイド筒86が外側から嵌合され、溶接により固定されている。可動コア7は、このガイド筒86内に収容され、上下の進退動作がガイドされている。
【0028】
コイルユニット4は、樹脂製のボビン41にコイル42が巻かれて構成され、ボビン41の外側には、磁路を形成するヨーク43が配置されている。
【0029】
図3に示すように、可動コア7は、コイルユニット4により励磁されていない初期位置において、凸部72の先端面71が固定コア3の上端部35における可動コア7に向く端面36よりも下(保持穴34の内側)に入り込んでいる。より詳しくいうと、保持穴34は、可動コア7側の縁に、微小な面取り37が形成されており、可動コア7は、励磁されていない初期位置において、凸部72の先端面71が、可動コア7の進退方向(図の上下方向)における面取り37の範囲内に位置している。この面取り37は、可動コア7との干渉やバリを防止するための微小な面取りである。
【0030】
このように、凸部72が、初期位置において保持穴34に微少量入り込んでいることで、凸部72の角部72Aと、固定コア3の保持穴34の縁(面取り37の近傍部分)とで引き合うことによる吸引力の進退方向成分(上下方向成分)は、ほとんど無い。そのため、図5に示すように、コイルユニット4の励磁により可動コア7を下方に移動させていくと、固定コア3の端面36と、これに対面する可動コア7の平坦面73(下端面のうち、凸部72以外の部分)が近づくことによる進退方向についての吸引力(「推力」とする。)の増加が、全体としての推力を支配するので、初期位置から、閉弁位置(弁部材5が弁座面61に当接する位置)に可動コア7が移動するに従い、可動コア7の推力は漸次増加し続ける。
【0031】
また、図4のように、可動コア7が閉弁位置まで移動すると、凸部72が保持穴34に入り込む量が多くなって、凸部72と保持穴34が径方向に対面する面積が大きくなるので、凸部72と保持穴34が径方向に引き合う力が増加する。すなわち、本実施形態の常開型電磁弁1によれば、初期位置において凸部72が保持穴34に既に入り込んでいるため、可動コア7が下へ動き始めると凸部72と保持穴34が径方向で対面する面積が速やかに大きくなるので、弁部材5を速やかに安定させることができる。また、閉弁位置(略、作動時の状態)において、凸部72と保持穴34が径方向に引き合う力を大きくとれるので、弁部材5の安定性を高くすることができる。
【0032】
また、固定コア3の可動コア7に対面する端面36の面積(図3における、直径D1の円の面積から、直径D2の円の面積を引いた面積)は、凸部72の先端面71の面積(図3における、直径D3の円の面積)よりも大きくなっている。このように、推力に寄与する、平坦面73に対面する端面36の面積を大きくすることで、低電力で効率良く可動コア7を駆動することができる。また、本実施形態の常開型電磁弁1においては、従来のように、凸部72が入り込むための保持穴34とは別の凹部を設けていないので、凹部を機械加工により形成する工程を省略し、低コストで弁部材5の安定性を確保することができる。なお、端面36の面積と、固定コア3の凸部72の先端面71の面積の比は、直径D1、直径D2、直径D3を調整することで任意に調整可能である。
【0033】
また、本実施形態の常開型電磁弁1は、比較的大きい推力(差圧)を得ようとする場合に、差圧の誤差を小さくすることができる。図5では、比較例と本実施形態において、可動コア7の移動に伴う推力の変化を示している。なお、エアギャップは、可動コア7と固定コア3の間隔(平坦面73と端面36の距離)である。
【0034】
図5に示すように、従来の可動コアに凸部を設けた常開型電磁弁は、初期位置から閉弁位置に向けて可動コアを移動させたときに、移動初期に比較的推力の変化がほとんどなく、略平坦な特性となっており、閉弁位置近くにおいて推力が急上昇する特性を選択している。これは、初期位置におけるエアギャップの大きさに誤差があっても、駆動初期の推力に大きな誤差が出ないようにするためである。一方、本実施形態においては、初期位置から閉弁位置にむけて徐々に推力が増加し続けている。このため、大きな推力を得ようとした場合には、本実施形態の方が、閉弁位置(作動時)におけるエアギャップの大きさに対する推力の変化率(要するに、閉弁位置におけるグラフの傾き)が小さいので、エアギャップの誤差に起因する差圧の誤差が小さくなる。
【0035】
図6は、このことを示したもので、ある電流をコイルユニットに与えたときに、常開型電磁弁の各部品の寸法誤差により、発生する差圧がどのような範囲にあるか(最大値および最小値)を示している。図6を見て分かるように、本実施形態においては、閉弁位置付近での推力の変化率が小さいため、比較例よりも差圧のバラツキが小さくなっている。
【0036】
以上のように、本実施形態の常開型電磁弁1によれば、凸部72が入り込むための凹部を固定コア3に形成せず、保持穴34に直接凸部72を入り込ませているので、低コストで製造することができるとともに、弁部材5の安定性を確保することができる。また、固定コア3の凹部を形成せず、固定コア3の端面36を大きく確保しているので、低電力で可動コア7の大きな推力を得られるので、効率良く可動コア7を駆動することができる。
【0037】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。例えば、前記実施形態においては、弁部材5を1つの部品から構成したが、弁部材5は、特許文献3の電磁弁のように、弁座面に当接・離間する弁体と、一端が可動コアに当接し、他端が弁体と接続され、保持穴により進退動作がガイドされるリテーナとを備えてなる構成であってもよい。
【0038】
前記実施形態においては、常開型電磁弁として、コイルユニットへの通電電流値に応じて、弁部材の閉塞力を制御可能なリニアソレノイドバルブ(差圧制御弁)を例示したが、本発明の常開型電磁弁は、通電により全開、全閉を切り替える電磁弁であってもよい。また、本発明の常開型電磁弁は、初期状態においては、凸部が保持穴に入り込んでいてもよいし、入り込んでいなくてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 常開型電磁弁
3 固定コア
4 コイルユニット
5 弁部材
6 弁座部材
7 可動コア
31 ボディ部
32 コア部
34 保持穴
36 端面
51 軸部
52 弁体部
54 溝
55 シール部
61 弁座面
71 先端面
72 凸部
73 平坦面
81 リターンスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定コアと、当該固定コアに対して進退可能に配置され、励磁されることで駆動される可動コアと、前記固定コアに設けられ漏斗状の弁座面を有する弁座部材と、一端が前記可動コアと当接して前記可動コアと一体に進退するよう配置され、他端が前記弁座面に当接・離間して流路を開閉する弁部材と、前記弁部材を前記弁座面から離間させるように付勢するリターンスプリングとを備えた常開型電磁弁であって、
前記固定コアは、円筒面状の保持穴を有し、
前記弁部材は、前記保持穴と摺接して前記進退動作がガイドされており、
前記可動コアは、前記固定コアに向けて突出した凸部を有し、当該凸部は、前記保持穴に直接入り込むことを特徴とする常開型電磁弁。
【請求項2】
前記可動コアは、励磁されていない初期位置において、前記凸部の先端面が前記固定コアの前記可動コアに対面する端面よりも前記保持穴の内側に入り込んでいることを特徴とする請求項1に記載の常開型電磁弁。
【請求項3】
前記保持穴は、前記可動コア側の縁に面取りが形成されており、
前記可動コアは、励磁されていない初期位置において、前記凸部の先端面が、前記可動コアの進退方向において、前記面取りの範囲内に位置していることを特徴とする請求項2に記載の常開型電磁弁。
【請求項4】
前記固定コアの前記可動コアに対面する端面の面積は、前記凸部の先端面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の常開型電磁弁。
【請求項5】
前記可動コアが励磁されていない初期位置から、前記弁部材が前記弁座面に当接する閉弁位置まで前記可動コアが移動するに従い、前記可動コアと前記固定コアの吸引力が漸次増加し続けるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の常開型電磁弁。
【請求項6】
前記弁部材は、
前記弁座面に当接・離間する弁体と、
一端が前記可動コアに当接し、他端が前記弁体と接続され、前記保持穴により進退動作がガイドされるリテーナとを備えてなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の常開型電磁弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−215223(P2012−215223A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80211(P2011−80211)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000226677)日信工業株式会社 (840)
【Fターム(参考)】