説明

平らな貼合せシートを製造するための付着助剤としてのシラン変性されたポリオレフィンの使用

本発明は、平らなガラス/ガラス貼合せシート、平らなガラス/プラスチック貼合せシートまたは平らなプラスチック/プラスチック貼合せシートを製造するための付着助剤としての、1つ以上のシランで変性されたポリオレフィンの使用、相応する貼合せシートならびに本発明による貼合せシートを含むディスプレイに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスおよび/またはプラスチックを基礎とする平らな貼合せシートを製造するための付着助剤としての、1つ以上のシランで変性されたポリオレフィンの使用、相応する貼合せシートならびに本発明による貼合せシートを含むディスプレイに関する。
【0002】
複合材料は、数多くの使用分野においてますます役を演じている。一般に、複合材料は、2つ以上の結合された材料からなる材料である。複合材料は、その個々の成分とは別の材料特性を有する。この複合材料の性質には、物質的性質および成分の幾何学的形状が重要である。殊に、しばしば大きさの効果は、1つの役を演じる。結合は、物質または形のしまり具合によって生じるかまたはこれらの双方の組合せによって生じる。複合材料の幾何学的形状により、
粒子複合材料と、これは分散剤料とも呼称される、
繊維複合材料と、
層状複合材料と、これは貼合せシートとも呼称される、
貫通複合材料とは区別される。
【0003】
層状複合材料は、異なる数の重なり合って存在する層からなり、例えば窓の建築においての、包装品の場合の、しかし、エレクトロニック構成成分の場合にも、例えばディスプレイの場合のような用途に数多く見出せる。しばしば、複合材料は、貼合せシートの場合に接着によって生じ、この場合この接着の種類は、種々に説明されてよい。
【0004】
電気的構造部材を製造するための被覆されたガラス表面の使用は、既に久しく公知である。即ち、WO 00/05180には、薄手のガラス板を基礎とする可撓性の支持体が記載されており、この場合この支持体は、合成樹脂で被覆され、および光を放出する構造部材(例えば、LEDs)中への使用に適している。適した合成樹脂の例としては、ポリウレタン樹脂が挙げられ、有利には、付加的なUV硬化性を有する2成分系(2P)が使用される。ガラス表面は、特に水性エマルジョン中に存在するシランプライマーによる前処理に掛けられ、ガラス表面上への合成樹脂の付着が達成される。使用される溶剤は、除去されなければならず、さらに、1つの熱処理がさらなる処理過程として記載される。ガラスディスクおよびプラスチックディスクの形状結合のための部分結晶性ポリオレフィンおよび/またはシラン変性された(部分結晶性)ポリオレフィンの使用は、記載されていない。温度硬化性接着層を使用する場合、架橋工程(熱処理)による貼合せシートの機能性層の損傷の危険が存在する。水性分散液または水性エマルジョンを基礎とする、前記のような付加的なポリマー系を適用する場合には、それによって、湿分が系中に導入され、この湿分は、敏感な層を不可逆的に損なう可能性があり、したがって直ぐ次の貼合せ工程前に費用を掛けて除去されなければならない。この付加的な工程は、製造方法を経済的に魅力のないものにする。UV硬化の場合、高い透過率を有する材料だけが貼合せシートの製造に使用されうる。付加的に、非極性ポリマー、殊にポリオレフィンを基礎とするプラスチックフィルムを前記の系と貼合せることは、プラスチック表面のエネルゲティク前処理(コロナ放電、火炎処理等)後にのみ可能であり、それというのもそれ以外には持続的な付着は得られないからである。
【0005】
WO 99/21708には、半導体要素の基本構成成分としてのガラス貼合せシートならびに該ガラス貼合せシートの製造法が記載されている。貼合せシート層の結合は、真空貼合せにより達成されるかまたは接着層を使用しながら達成される。接着層は、溶融接着剤として塗布されるかまたは水性ラテックス分散液の形で塗布され、引続き圧力および温度を使用しながら硬化される。また、簡単に湿潤されたゼラチン層を接着層として使用することが記載されている。接着層として、感圧接着層および熱放射、電子線またはUV線によって硬化する接着層も記載されている。殊に、水性の温度硬化性の系が挙げられる。前記接着層内でのポリマー結合剤として、スチレン−イソプレン−ブロックコポリマー、スチレン−ブタジエンゴム(エラストマー)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、シリコーン、天然ゴム(ゴム樹脂)およびアクリレートコポリマーが挙げられる。特に好ましいのは、アルキルアクリレートエステルを基礎とするポリマーである。ガラスディスクおよびプラスチックディスクの形状結合のための部分結晶性ポリオレフィンおよび/またはシラン変性された(部分結晶性)ポリオレフィンの使用は、記載されていない。古典的な感圧性接着剤系は、接着すべき表面の反応性の結合を生じない。温度硬化性接着層を使用する場合、架橋工程(熱処理)による貼合せシートの機能性層の損傷の危険が存在する。水性分散液を基礎とする、記載したような前記の系を適用する場合には、それによって、湿分が系中に導入され、この湿分は、敏感な層を不可逆的に損なう可能性があり、したがって直ぐ次の貼合せ工程前に費用を掛けて除去されなければならない。UV硬化の場合、高い透過率を有する材料だけが貼合せシートの製造に使用されうる。付加的に、非極性ポリマー、殊にポリオレフィンを基礎とするプラスチックフィルムを前記の系と貼合せることは、プラスチック表面のエネルゲティク前処理(コロナ放電、火炎処理等)後にのみ可能であり、それというのもそれ以外には持続的な付着は得られないからである。同様に、機能性層を施こすためのガラス表面の前処理が記載される。これは、ガラス上への機能性層の付着を可能にするために必要とされ、いわゆるプライマーでのガラス表面のエッチングまたは被覆によって実現される。この付加的な工程は、記載された製造方法を経済的に魅力のないものにする。
【0006】
また、欧州特許第1013413号明細書には、薄手のガラス層およびプラスチック担体を基礎とする貼合せシートが記載されており、この貼合せシートは、導電性の有機層を含む。ガラス層と熱可塑性担体層との結合は、いわゆる真空貼合せによって達成されるか、または接着層を使用しながら達成される。接着層として、感圧接着層および熱放射またはUV線によって硬化する接着層が記載されている。ガラスディスクおよびプラスチックディスクの形状結合のための部分結晶性ポリオレフィンおよび/またはシラン変性された(部分結晶性)ポリオレフィンの使用は、記載されていない。古典的な感圧性接着剤系は、接着すべき表面の反応性の結合を生じない。温度硬化性接着層を使用する場合、架橋工程(熱処理)による貼合せシートの機能性層の損傷の危険が存在する。UV硬化の場合、高い透過率を有する材料だけが貼合せシートの製造に使用されうる。付加的に、非極性ポリマー、殊にポリオレフィンを基礎とするプラスチックフィルムを前記の系と貼合せることは、プラスチック表面のエネルゲティク前処理(コロナ放電、火炎処理等)後にのみ可能であり、それというのもそれ以外には持続的な付着は得られないからである。
【0007】
欧州特許第1038663号明細書には、ガラス貼合せシートを使用しながら電子的"モジュール"を製造することが記載されている。この場合、機能性層を有する被覆されたプラスチックフィルムは、可撓性のガラスディスクと貼合されており、したがって、プラスチックフィルムの機能性層は、機械的負荷、熱および酸化分解または加水分解から保護される。好ましい使用としては、ディスプレイが挙げられる。機能的被覆を備えたプラスチックフィルムは、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはウレタン/アクリレート樹脂を基礎とする、包囲する封印層により結合されている。ガラス層を官能化されたプラスチックシート上に貼合せる場合には、有利にいわゆる真空貼合せが使用され、この場合には、接着層の使用は、省略される。他の選択可能な方法によれば、両側の接着剤テープまたは接着層が挙げられ、また、この接着層は、UV線または電子線により架橋されうる溶融接着剤を基礎としている。また、簡単に湿潤されたゼラチン層およびポリエチレンフィルムを接着層として使用することが記載されている。ガラスディスクおよびプラスチックディスクの形状結合のための部分結晶性ポリオレフィンおよび/またはシラン変性された(部分結晶性)ポリオレフィンの使用は、記載されていない。UV硬化の場合、高い透過率を有する材料だけが貼合せシートの製造に使用されうる。エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系またはウレタン/アクリレート樹脂系の使用は、明らかに高い製造費をまねき、このことは、工業的変換を持続的に妨害する。付加的に、非極性ポリマー、殊にポリオレフィンを基礎とするプラスチックフィルムをこのような系と貼合せることは、プラスチック表面のエネルゲティク前処理(コロナ放電、火炎処理等)後にのみ可能であり、それというのもそれ以外には持続的な付着は得られないからである。
【0008】
また、ガラス層とポリマーとからなる平らな曲げ弾性結合体、この場合ガラスとポリマーとの間には付着助剤が存在するものとし、は、WO 03/055676に記載されている。付着助剤としては、同様にポリアクリレートまたはスチレン/ブタジエンコポリマーからなる、UV線で硬化可能な水性分散液が使用される。UV硬化の場合、高い透過率を有する材料だけが貼合せシートの製造に使用されうる。更に、水性系を使用する場合には、水性成分は、付加的な処理工程で完全に分離されなければならず、このことは、製造プロセスを複雑なものにする。更に、既に水の痕跡は、加水分解に敏感なポリマー、例えばポリアミド、ポリエステル等の場合に、光透過性の重大な劣化をまねく(ポリマー分解による混濁)。
【0009】
同様に、官能化された、殊にシラン官能化されたポリオレフィンを、接着剤および接着に使用することができることは、公知である。
【0010】
即ち、例えばWO 91/06580には、シラン変性された不飽和の非晶質ポリマーが記載されており、この非晶質ポリマーは、架橋された状態で、例えば成形体として使用されることができる。更に、シラン変性されたポリマーの使用例として、溶融接着剤の接着剤組成物も挙げられる。不飽和の基礎ポリマーの例としては、ゴム状ポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−ブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イソプレン−ブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴムおよびブチルゴムが挙げられる。挙げられた全ての基礎ポリマーは、ゴム弾性(即ち、劣悪な加工可能性も)または別の不利な材料特性(例えば、劣悪な熱安定性)を有し、これらの性質は、前記基礎ポリマーを溶融接着剤の用途に関連して不適当にする。
【0011】
WO 89/11513には、少なくとも1つのシラン変性された部分結晶性ポリマーまたはシラングラフト化された部分結晶性ポリマーを含有する接着剤組成物が記載されている。この場合、基礎ポリマーとして、殊にC2〜C6α−オレフィンのホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーならびにアイソタクチックポリプロピレンポリマーおよび殊にアタクチックポリプロピレンも含有する場合にはポリプロピレンの配合物が挙げられる。アイソタクチックプロピレン(iPP)をグラフト化する場合には、iPPの分子状構造のために極めて急速で完全なポリマー分解が生じ、この場合には、極めて僅かな官能化率だけが達成されることができ、その上、グラフト生成物は、強いワックス状の性質を有する。これとは異なり、アタクチックポリプロピレンそれ自体は、極めて低い軟化点を有する[例えば、H.−G.Elias;Makromolekuele;第III卷;Wiley−VCH:Weinheim;2001参照]。WO 89/11513に記載された方法形式は、前記欠点の付加をまねき、および材料特性に関連して極めて劣悪な製品性能をまねく。粘度の調節、溶融挙動および接着剤組成物の"粘着"は、因果関係上、長鎖状(Si原子とポリマー鎖との間の結合原子3個以上)シランモノマーの使用に帰因し、このシランモノマーは、"開いた構造"を生じる。長鎖状シランモノマーが網状鎖(即ち、2つの架橋位置の間でのモノマー基本単位)の高い重合度によって弱い架橋を生じる限り、長鎖状シランモノマーの使用は、不利であり、このことは、付加的にグラフトポリマーの材料特性に不利に作用する。
【0012】
他の例は、WO 2007/002177、WO 2007/008765および欧州特許第0827994号明細書中に見出せる。
【0013】
また、ガラス表面上でのシラン変性されたポリオレフィンの良好な付着は、公知である。
【0014】
即ち、例えばWO 97/48778には、反応性結合剤と非反応性結合剤とからなる溶融接着剤組成物が記載されており、この場合この反応性結合剤は、シラン官能性ポリイソブチレン、水素化ポリブタジエンまたはポリ−α−オレフィンであることができる。記載された組成物は、二成分系接着剤として二重絶縁ガラス(Zweischeiben−Isolierglaesern)または多重絶縁ガラス(Mehrscheiben−Isolierglaesern)の製造に使用される。しかし、記載された用途は、平らな貼合せシートではなく、同様に平らなプラスチック層も殆ど挙げられず、製造された絶縁ガラス窓の特殊な可撓性からも出発することができない。
【0015】
同様のことは、米国特許第5849832号明細書中に記載された絶縁ガラスシールについても言えることである。
【0016】
複雑で平らな構造体の構成のためにシラン変性された部分結晶性ポリオレフィンを使用することは、これまで公知ではなかった。殊に、これまで公知のシラン変性された部分結晶性ポリオレフィンは、その材料特性のために制限されてのみ、要求の多い複合体貼合せシートの製造(例えば、これは、娯楽産業および電子産業において使用される)に必要とされる材料性能を保証する状態にある。
【0017】
従って、本発明の課題は、改善された材料特性および加工特性を有する、多種多様の材料の貼合せシートを製造するための他の選択可能な方法による付着助剤を準備することであった。
【0018】
意外なことに、特殊な材料特性を有する、シランで変性された部分結晶性ポリオレフィンは、一成分系として特に好適に貼合せシートを製造するための付着助剤として適していることが見い出された。殊に、高い官能化度、高い軟化点(架橋されていない状態で)および高い引張強さを有する、シラン変性された部分結晶性ポリオレフィンは、前記用途に特に好適であることが証明された。
【0019】
それに応じて、本発明による第1の対象は、平らなガラス/ガラス貼合せシート、平らなガラス/プラスチック貼合せシートまたは平らなプラスチック/プラスチック貼合せシートを製造するための付着助剤としての1つ以上のシランで変性された部分結晶性ポリオレフィンの使用である。貼合せシートとしては、本発明の範囲内で平らな物体の個々の層から構成された全ての系が挙げられる。
【0020】
シラン変性されたポリオレフィンの使用は、公知技術水準に記載された系と比較して一連の利点を有する。即ち、付加的な温度による硬化、ビームによる硬化および/またはUV硬化は、不要であり、このことは、僅かな透過率を有する材料の加工も可能にする。同様に、さらに特殊な付着助剤(ガラス表面のためでもないし、プラスチック表面のためでもない)は、不要であり、塗布は、簡単に溶液から可能であるかまたは溶融液を用いて可能である。溶融液の直接の塗布によって、水性系(例えば、分散液および/またはラッテクス)の塗布と比較して溶剤を蒸発させる必要はない。それにも拘わらず、この場合には、特殊な材料特性に基づいて、部分的に明らかに160℃未満の低い加工温度を実現させることができ、したがって、感圧性材料も加工することができる。これは、相応する複合材料の製造業者の加工費用を減少させる。更に、シラン変性されたポリオレフィンは、良好な拡散遮断特性を有し、この拡散遮断特性は、架橋が開始されることによってさらに改善される。それによって、付加的な遮断材料は不要となる。それというのも、接着層それ自体は、遮断層として機能するからである。貼合せシート中に侵入する湿分は、"自己治癒"のように、遮断効果が架橋密度の上昇によってさらに改善されることを生じる。更に、利点は、前記系を用いると、公知技術水準に記載された付着助剤を用いて困難であるかまたは全く不可能である、非極性材料または極性材料および非極性材料からの複合材料の製造が可能になることである。ガラス表面および/またはプラスチック表面の付加的な表面処理(例えば、プラズマ処理またはコロナ放電処理による)は、省略することができる。更に、本発明による曲げ弾性系を製造することができ、それというのも、架橋にも拘わらず、前記系の弾性率は、維持されたままであるかまたは選択された、シラン変性された部分結晶性ポリオレフィンに応じてむしろ上昇されるからである。シラン変性されたポリオレフィンのシラン官能性は、表面上、殊にガラス表面上へのポリオレフィンの堅固な(化学的)結合を可能にし、この場合には、付加的なプロセス工程を必要としない。ウレタン接着剤とは異なり、シラン変性されたポリオレフィンは、毒物学的に懸念されることもない。それというのも、このシラン変性されたポリオレフィンは、イソシアネート不含であり、したがって、用途に対して十分に大きなバンド幅に適しているからである。
【0021】
本発明の本質的な核心は、平らなガラス/ガラス貼合せシート、平らなガラス/プラスチック貼合せシートまたは平らなプラスチック/プラスチック貼合せシートを製造するための付着助剤としての1つ以上のシランで変性された部分結晶性ポリオレフィンの使用にある。有利には、ガラス/ガラス貼合せシート、ガラス/プラスチック貼合せシートまたはプラスチック/プラスチック貼合せシートは、可撓性である。特殊に選択された付着助剤は、貼合せシートの可撓性の維持を可能にする。それというのも、この付着助剤は、架橋後にも弾性を有するからである。殊に、本発明による変性されたポリオレフィンは、極めて薄手のガラス"ディスク"を使用しながら可撓性の貼合せシートの製造を可能にし、この極めて薄手のガラスディスクは、僅かな層厚にも拘わらず曲げ負荷の際に破壊されず、および/または損傷を受けない。これは、特に本発明により使用されるポリマーそれ自体が極めて効果的な水蒸気遮断およびガス遮断を示し、前記遮断は、湿分架橋(即ち、例えば貼合せシート中への湿分の進入の場合も)によってさらに強化される。それによって、使用されるガラス層の層厚は、明らかに僅かな結果となり、このことは、相応する構造部材の質量を減少させる。付加的に、薄手のガラス層は、殊に該ガラス層が形状閉鎖的に同様に曲げ弾性のポリマー層(例えば、ポリマーフィルム)と結合されている場合に、明らかに高められた曲げ弾性を有する。更に、本発明により使用されるポリマーの利点は、該ポリマーが同時にガラス表面および/またはプラスチック表面の官能性被覆のための付着助剤としても使用され、したがって、付加的な表面処理(例えば、エッチング、コロナ放電、プラズマ放電等による)は、不要であることである。
【0022】
ポリオレフィンは、本発明によれば、エテン最大25質量%、特に1〜22質量%、特に有利に2〜20質量%、殊に有利に3〜18質量%、プロペン最大95質量%、特に1〜85質量%、特に有利に5〜78質量%、殊に有利に10〜75質量%および/または4〜10個の炭素原子を有するオレフィン5〜100質量%、特に7〜98質量%、特に有利に10〜95質量%、殊に有利に12〜90質量%からなるホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーである。殊に、有利には、本発明によるポリオレフィンは、ポリ(1−ブテン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(プロピレン−コ−エチレン)、ポリ(プロピレン−コ−イソブテン)、ポリ(エチレン−コ−イソブテン)およびポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−イソブテン)から選択されている。更に、有利には、ポリオレフィンは、部分結晶性であり、即ち、殊に部分結晶性ポリ−α−オレフィンが重要である。
【0023】
高結晶性ポリオレフィンは、ポリマー鎖のミクロ構造に関連して高い秩序度を有し、高い溶融エンタルピーならびに高い溶融温度を示す。即ち、例えば100%のアイソタクチックポリプロピレンのために、計算した溶融温度は、185℃であり、および溶融エンタルピーは、約207J/gである(J.Bicerano;J.M.S.;Rev.Macromol.Chem.Phys.;C38(1998);第391頁以降)。勿論、前記高結晶性ポリオレフィンは、ホモポリマーとして、比較的僅かな耐寒性ならびに高い脆性および劣悪なヒートシール可能性または溶接可能性を有する。引張強さ(破壊)は、約30MPaであり、この場合には、引裂時の伸びが全く生じない程度に良好である(H.−G.Elias;Makromolekuele;第III巻;Wiley−VCH;Weinheim;2001)。キシレン溶解性成分の含分は、メタロセン触媒反応によって取得されたアイソタクチックポリ(プロピレン)ホモポリマーの場合に通常、明らかに1質量%未満であり、エチレンを有するランダムコポリマーの場合には、エチレン含分に応じて最大5質量%のキシレン溶解性含分が見出されることが判明した(W.Spaleck:"Metallocene based Polyolefins",J.Scheirs,W.Kaminsky(編者);J.Wiley & Sons;Weinheim;1999)。これとは異なり、非結晶性の完全に非晶質のポリオレフィンは、融点を示さずに軟化点を示し、極端な場合には、検出可能な溶融エンタルピーを全く有しない。即ち、例えばアタクチックポリプロピレンは、低い軟化点、低い密度および有機溶剤中での良好な溶解性を有する。古典的なアタクチックポリプロピレン(aPP)は、極めて幅広の分子量分布を示し、この分子量分布は、一面で幅広の溶融範囲を生じ、他方、高い分子量含分をもたらし、この分子量含分は、多少とも強い移行傾向を有する。aPPは、約1MPaの極めて僅かな引張強さを有するが、しかし、他方、2000%までの極めて高い引裂時の伸びを有する(H.−G.Elias;Makromolekuele;第III巻;Wiley−VCH;Weinheim;2001)。
【0024】
部分結晶性ポリオレフィン、殊に本発明による部分結晶性ポリオレフィンは、前記の極値の間にある。殊に、本発明による部分結晶性ポリオレフィンは、この部分結晶性ポリオレフィンが第1の加熱および/または第2の加熱の際に示差走査熱分析(DSC)において有利に少なくとも1つの溶融ピークならびに特徴のある溶融エンタルピーを有することを示し、この場合この溶融エンタルピーは、理論的に純粋にアタクチックポリプロピレンに対して計算した値に対して決して50%を上廻らず、有利に40%を上廻らず、特に有利に30%を上廻らず、殊に有利に25%を上廻らない(J.Bicerano;J.M.S,;Rev.Macromol.Chem.Phys.;C38(1998);第391頁以降)。
【0025】
4〜10個の炭素原子を有するオレフィンは、1つの好ましい実施態様において、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテンおよび/または6−メチル−1−ヘプテンを含む群から選択されていてよい。特に、4〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセンおよび/または1−オクテンを含む群から選択されている。コポリマーまたはターポリマーは、記載されたモノマーを記載された量で重合することによって製造される。
【0026】
本発明によるポリマーは、例えばプロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンおよび/または4〜10個の炭素原子を有する他のα−オレフィンとをTiCl3・(AlCl3n混合触媒(n=0.2〜0.5)を用いて重合させることによって得られ、この場合トリアルキルアルミニウム化合物は、共触媒として使用される。モノマーエテンは、ガス状で使用され、他方、モノマーのプロペンおよび1−ブテンはガス状でも液状でも使用することができる。モル質量調整剤として、例えばガス状水素が使用されてよい。重合は、有利に例えば脂肪族炭化水素の群から選択された不活性溶剤中で実施される。装入されたモノマーの重合も同様に可能である。反応温度は、30℃〜200℃の間にある。本発明によるポリマーは、公知技術水準に対応して、その反応溶液の形かまたはより遅い時点での何れかで化学的に安定化されることができ、このポリマーは、太陽光入射、空気湿分および酸素の支障のある影響から保護される。この場合には、例えば立体障害アミン(HALS安定剤)、立体障害フェノール、ホスファイトおよび/または芳香族アミンを含有する安定剤、殊にペンタエリトリットのエステル、例えばテトラキス(メチレン−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタン(商品名IRGANOX 1010)および/または2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ−3,9−ビスオクタデシクロキシ[5,5]ウンデカン(商品名WESTON 618)を使用することができる。特に有利には、加水分解活性の末端基だけを含有する安定剤だけが使用される。この場合、安定剤の作用量は、ポリマーに対して0.1〜2質量%の範囲内にある。
【0027】
記載されたコポリマーまたはターポリマーは、1つ以上のシランで変性されており、殊にシランは、コポリマーまたはターポリマー上にグラフト化されている。
【0028】
グラフト化すべきシランは、特にオレフィン系二重結合ならびに直接に珪素原子と結合された1〜3個のアルコキシ基を有する。殊に、1つ以上のシランは、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO;H2C=C(CH3)COO(CH23−Si(OCH33)、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランおよび/またはビニルメチルジブトキシシランを含む群から選択されている。殊に好ましいのは、シランビニルトリメトキシシランである。
【0029】
1つ以上のシランは、公知技術水準の全ての方法により、例えば溶液中または有利に溶融液中で基礎ポリマー上にグラフト化されることができ、この場合ラジカル供与体は、十分な量で使用される。適した作業形式は、ドイツ連邦共和国特許第4000695号明細書から確認することができ、このドイツ連邦共和国特許明細書は、説明のために引き合いに出されたものである。例えば、次のラジカル供与体を使用することができる:ジアシルペルオキシド、例えばジラウリルペルオキシドまたはジデカノイルペルオキシド、アルキル過酸エステル、例えば第三ブチルペルオキシ−2−エトルヘキサノエート、ペルケタール、例えば1,1−ジ(第三ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンまたは1,1−ジ(第三ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ジアルキルペルオキシド、例えば第三ブチルクミルペルオキシド、ジ(第三ブチル)ペルオキシドまたはジクミルペルオキシド、C−ラジカル供与体、例えば3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサンまたは2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンならびにアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾ−ジ(2−アセトキシプロパン)等。
【0030】
特殊な実施態様において、前記の作業形式は、溶解法であり、この場合には、脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素ならびに環式エーテルが溶剤として使用されうる。特に有利には、溶剤として少なくとも1つの芳香族炭化水素が使用される。適した芳香族炭化水素は、殊にトリクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエンおよびキシレンであり、特に有利には、キシレンが使用される。特に好ましい脂肪族炭化水素は、例えばプロパン、n−ブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンおよびオクタンである。特に好ましい環式エーテルは、テトラヒドロフラン(THF)である。
【0031】
エーテル、殊に環式エーテルを溶剤として使用する場合には、使用される開始剤ならびに処理にかけるパラメーター(例えば、温度、圧力、滞留時間等)は、使用されるエーテルの爆発性過酸化物の形成を阻止するかまたは制御するために、特に細心の注意を払って選択されなければならない。殊に、特殊な抑制剤(例えば、IONOL)の付加的な使用を検討することができる。
【0032】
溶液中でのグラフト化プロセスの場合には、使用される基礎ポリマーの濃度は、少なくとも10質量%、有利に少なくとも15質量%、特に有利に少なくとも20質量%、殊に有利に少なくとも22.5質量%である。溶液中でのグラフト化プロセスの反応温度は、30〜200℃、有利に40〜190℃、特に有利に50〜180℃、殊に有利に55〜140℃である。溶液グラフト化は、非連続的または連続的に行なわれる。非連続的な反応の実施の場合には、最初に固体のポリマー(例えば、顆粒、粉末等として)が使用される溶剤中に溶解される。そのために他の選択的な方法の場合には、状態調節された重合溶液は、基礎ポリマーの製造法から直接に使用され、反応温度にもたらされる。それに続いて、単数のモノマー/複数のモノマーおよび単数のラジカル開始剤/複数のラジカル開始剤が添加される。特に好ましい実施態様において、溶剤、基礎ポリマーおよびモノマーが装入され、反応温度にもたらされ、他方、ラジカル開始剤は、定義された時間に亘って連続的に供給される。これは、定常のラジカル濃度が低く、したがって、ラジカル反応と鎖分裂との比が特に有利な結果となる(即ち、よりいっそう多くのグラフト化反応およびよりいっそう少ない鎖分裂)という利点を有する。更に、特に好ましい実施態様において、溶剤および単数または複数の基礎ポリマーが装入され、反応温度にもたらされ、他方、単数または複数のモノマーおよびラジカル開始剤は、一緒にかまたは互いに別々に、定義された時間に亘って連続的に供給される。これは、定常の反応濃度ならびにモノマー濃度が反応場所で低いという利点を有し、このことは、鎖分裂ならびにホモポリマーの形成を制限する。これは、熱的に開始される(単独)重合の傾向を強く有するモノマーを使用する場合に重要である。特に有利には、種々に定義された供給時間に続いてさらなる量の単数または複数のラジカル開始剤が供給され、反応溶液中の残留モノマーの含量は、最少化される。反応器として、有利に攪拌釜が使用され、他の選択的な方法の場合の反応容器、例えば非連続的な混練型反応器の使用は、同様に可能であり、殊に低い反応温度および/または高いポリマー濃度の場合に有利である。
【0033】
連続的な反応の実施の場合には、最初に1つ以上の前方容器(例えば、攪拌釜)中で固体のポリマーが少なくとも1つの溶剤に溶解され、引続き連続的に単数/複数の反応容器中に計量供給される。他の選択的な方法の場合の同様に特に好ましい実施態様において、基礎ポリマーの製造プロセスからの状態調節されたポリマー溶液が直接に使用される。更に、同様に特に好ましい実施態様において、固体のポリマー(例えば、粉末、顆粒、ペレット等の形で)は、少なくとも1つの溶剤と一緒に連続的に(一軸または多軸の)スクリュー押出機または連続混練機中に計量供給され、温度および/または剪断の作用下で溶解され、および引続き連続的に単数/複数の反応容器中に計量供給される。溶液中で連続的なグラフト化反応を実施するための反応容器または反応器として、連続型攪拌釜、カスケード型攪拌釜、強制運搬部を備えた流動管(例えば、スクリュー押出機)、反応混練機ならびにこれらの任意の組合せがこれに該当する。強制運搬部を備えた流動管を使用する場合、これは、有利には押出機であり、この場合には、一軸、二軸ならびに多軸の押出機を使用することができる。特に有利には、多軸の押出機が使用される。この場合、有利には、本発明により変性されたポリマーを溶液中で連続的に製造するために、流動管、強制運搬部を備えた流動管および連続型攪拌釜からなる反応器の組合せが使用され、その際、有利には、強制運搬部を備えた流動管中または連続型攪拌釜中で残留モノマーおよび揮発性の副生成物/分解生成物の除去も行なわれる。
【0034】
他の選択的な方法の場合、有利には溶融法であり、この場合には、少なくとも1つのラジカル開始剤が直接に溶融液中に計量供給される。殊に、前記変法の場合、ポリマー材料の温度は、少なくとも1つのラジカル開始剤の供給の時点で供給されたラジカル開始剤の少なくとも1つのSADT(Self accelerating decomposition temperature=自己加速分解を開始しうる温度)を上廻る。溶融液中でのグラフト化プロセスの反応温度は、160〜250℃、有利に165〜240℃、特に有利に168〜235℃、殊に有利に170〜230℃である。溶融液グラフト化は、非連続的な運転形式または連続的な運転形式で行なわれる。非連続的な反応の実施の場合には、固体のポリマー(例えば、顆粒、粉末、ペレット等として)が最初に溶融され、場合によっては均質化される。他の選択的な方法の場合には、直接に重合プロセスからの状態調節されたポリマー溶融液が使用され、反応温度にもたらされる。単数または複数のモノマーおよび単数または複数のラジカル開始剤の添加が行なわれる。
【0035】
特殊な実施態様において、単数または複数のモノマーおよびポリマー溶融液は、均質に混合され、反応温度にもたらされ、他方、単数または複数のラジカル開始剤は、定義された時間に亘って連続的に供給される。これは、定常のラジカル濃度が低く、したがって、グラフト化反応と鎖分裂との比が特に有利な結果となる(即ち、よりいっそう多くのグラフト化反応およびよりいっそう少ない鎖分裂)という利点を有する。
【0036】
更に、特に好ましい実施態様において、ポリマー溶融液は、装入され、および均質化され、他方、単数または複数のモノマーおよびラジカル開始剤は、一緒にかまたは互いに別々に、定義された時間に亘って連続的に供給される。これは、定常のラジカル濃度ならびにモノマー濃度が反応場所で低いという利点を有し、このことは、鎖分裂ならびにホモポリマーの形成を制限する。最後のホモポリマーの形成は、存在する反応温度で熱的に開始される(単独)重合の傾向を有するモノマーを使用する場合に特に重要である。反応器として有利には、プレート状攪拌アーム(wandgaengigem Ruhraggregat)を備えた攪拌釜または反応混練機が使用される。
【0037】
連続的な反応の実施の場合には、最初に1つ以上の前方容器(例えば、攪拌釜)中で固体のポリマーが溶融され、引続き連続的に単数/複数の反応容器中に計量供給される。他の選択的な方法の場合の同様に特に好ましい実施態様において、重合プロセスからの状態調節されたポリマー溶融液が直接に使用される。更に、同様に特に好ましい実施態様において、固体のポリマー(例えば、粉末、顆粒、ペレット等の形で)は、連続的に(一軸または多軸の)スクリュー押出機または連続混練機中に計量供給され、温度および/または剪断の作用下で溶融され、および引続き連続的に単数/複数の反応容器中に計量供給される。溶融液中で連続的なグラフト化反応を実施するための反応容器または反応器として、連続型攪拌釜、カスケード型攪拌釜、流動管、強制運搬部を備えた流動管(例えば、スクリュー押出機)、反応混練機ならびにこれらの任意の組合せがこれに該当する。強制運搬部を備えた流動管を使用する場合、これは、有利には押出機であり、この場合には、一軸、二軸ならびに多軸の押出機が使用される。特に有利には、多軸の押出機が使用される。殊に、有利には、本発明により変性されたポリマーを溶融液中で連続的に製造するために、流動管、強制運搬部を備えた流動管および連続型攪拌釜からなる反応器の組合せが使用され、その際、有利には、強制運搬部を備えた流動管中または連続型攪拌釜中で残留モノマーおよび揮発性の副生成物/分解生成物の除去も行なわれる。
【0038】
使用される架橋されていないポリオレフィンは、1Hzで最大1%の変形の際に振動流動度測定によって測定される、190℃での溶融粘度が1000〜150000mPa*s、特に1500〜145000mPa*s、特に有利に2000〜125000mPa*s、殊に有利に2500〜100000mPa*sであることを示し、この場合さらに好ましい範囲は、2500〜10000mPa*s、5000〜25000mPa*s、10000〜45000mPa*sならびに40000〜80000mPa*sである。
【0039】
環球法により測定した、架橋されていないポリオレフィンの軟化点は、80〜170℃、有利に85〜168℃、特に有利に87〜165℃、殊に有利に90〜162℃であり、この場合さらに好ましい範囲は、90〜115℃の間、110〜135℃の間、および120〜155℃の間にある。1つの特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(プロピレン)ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリプロピレンコポリマー/ターポリマーを使用する場合には、環球法により測定した、使用されるポリオレフィンの軟化点は、120〜170℃の間、有利に125〜168℃の間、特に有利に130〜165℃の間、殊に有利に140〜160℃の間にある。更に、特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(1−ブテン)ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーを使用する場合には、環球法により測定した、使用されるポリオレフィンの軟化点は、90〜140℃の間、有利に95〜135℃の間、特に有利に100〜130℃の間、殊に有利に105〜128℃の間にある。
【0040】
架橋されていないポリオレフィンの針入深さは、1*0.1mm〜50*0.1mmの間、有利に3*0.1mm〜45*0.1mmの間、特に有利に5*0.1mm〜40*0.1mmの間にあり、この場合さらに好ましい範囲は、3*0.1mm〜12*0.1mmの間、有利に10*0.1mm〜25*0.1mmの間、特に有利に15*0.1mm〜35*0.1mmの間、および20*0.1mm〜40*0.1mmの間にある。特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(プロピレン)ホモポリマー、ポリ(1−ブテン)ホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー/ターポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーを使用する場合には、ポリオレフィンの針入深さは、最大16*0.1mm、有利に最大14*0.1mm〜、特に有利に最大12*0.1mm、殊に有利に1*0.1mm〜10*0.1mmの間にある。更に、特殊な実施態様において、殊にポリマーとして、ポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーまたは30質量%超のコモノマー含量を有するポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーを使用する場合には、使用可能なポリオレフィンの針入深さは、少なくとも15*0.1mm、有利に少なくとも17*0.1mm、特に有利に少なくとも19*0.1mm、殊に有利に20*0.1mm〜45*0.1mmの間にある。
【0041】
DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンのガラス転移温度は、−5℃〜−65℃、有利に−7℃〜−62℃、特に有利に−8℃〜−60℃、殊に有利に−10℃〜−58℃であり、この場合好ましい範囲は、−10℃〜−28℃の間、−25℃〜−45℃の間、および−32℃〜−50℃の間にある。特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(プロピレン)ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリプロピレンコポリマー/ターポリマーを使用する場合には、DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンのガラス転移温度は、0℃〜−15℃、有利に−2℃〜−14℃、殊に有利に−5℃〜−13℃である。更に、特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(1−ブテン)ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーを使用する場合には、DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンのガラス転移温度は、−20℃〜−48℃、有利に−22℃〜−46℃、殊に有利に−25℃〜−453℃である。更に、特殊な実施態様において、殊に1−オクテンをコモノマーとして使用する場合には、DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンのガラス転移温度は、最大−35℃、有利に最大−40℃、特に有利に最大−45℃、殊に有利に−48℃未満である。
【0042】
DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンの溶融エンタルピーは、最大9J/g、有利に1〜28J/g、特に有利に2〜25J/g、殊に有利に3〜23J/gであり、この場合さらに好ましい範囲は、3〜9J/gの間、5〜15J/gの間、および12〜21J/gの間にある。
【0043】
室温でのキシレン中の架橋されていないポリオレフィンの溶解度は、少なくとも55質量%、有利に少なくとも60質量%、特に有利に少なくとも65質量%、殊に有利に68〜99.9質量%であり、この場合さらに好ましい範囲は、70〜85質量%の間、80〜95質量%の間および85〜99質量%の間にある。特殊な実施態様において、DSC(示差走査熱分析)により第2の加熱の際に測定された、架橋されていないポリオレフィンの溶融エンタルピーが2J/g未満である場合には、室温でのキシレン中で使用されたポリオレフィンの溶解度は、98質量%超、有利に99質量%超、殊に100質量%であり、即ち、ポリマーは、完全に可溶性である。
【0044】
室温でのテトラヒドロフラン中の架橋されていないポリオレフィンの溶解度は、少なくとも10質量%、有利に少なくとも12質量%、特に有利に少なくとも14質量%、殊に有利に15〜100質量%であり、この場合さらに好ましい範囲は、15〜35質量%の間、30〜65質量%の間、50〜85質量%の間および80〜99質量%の間にある。特殊な実施態様において、殊に環球法により測定した、使用されるポリオレフィンの軟化点が150℃超である場合には、室温でのテトラヒドロフラン中のポリマーの溶解度は、有利に最大70質量%である。更に、特殊な実施態様において、殊に使用されるポリオレフィンが少なくとも50質量%、最大80質量%のプロピレン含量を有する場合には、室温でのテトラヒドロフラン中のポリマーの溶解度は、有利に少なくとも70質量%である。更に、特殊な実施態様において、殊にポリマーとしてポリ(1−ブテン)ホモポリマーまたは10質量%未満のコモノマー含量を有するポリ(1−ブテン)コポリマー/ターポリマーを使用する場合には、室温でのテトラヒドロフラン中のポリマーの溶解度は、最大50質量%、有利に最大45質量%、特に有利に最大40質量%、殊に有利に5〜38質量%である。
【0045】
本発明により使用されるポリオレフィンは、(反応されていない残留モノマーの完全な分離後に)RFA分光分析法(蛍光X線分光分析法)によって測定された、少なくとも0.3質量%、有利に少なくとも0.35質量%、特に有利に少なくとも0.4質量%、殊に有利に0.45〜2質量%のシリコン含量を有し、この場合さらに特に好ましい範囲は、0.5〜0.75質量%の間、0.7〜0.95質量%の間、0.8〜1.25質量%の間、および1.1〜2質量%の間にある。
【0046】
更に、本発明の対象は、少なくとも片側でその上に施こされた平らなガラス体および/またはプラスチック体を有する少なくとも1つの平らなガラス体を含む貼合せシートであり、この場合には、このガラス体とその上に施こされた平らなガラス体および/またはプラスチック体との間、および/またはプラスチック体と場合によっては1つ以上の他のプラスチック体との間に、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層が付着助剤として存在する。
【0047】
他の選択的な方法の場合には、本発明による貼合せシートは、少なくとも片側に同じかまたは第1のプラスチックとは異なるプラスチックの少なくとも1つの他の平らなプラスチック体を有する、第1のプラスチックの少なくとも1つの平らなプラスチック体を含み、この場合、第1のプラスチックのプラスチック体と他のプラスチック体との間には、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層が付着助剤として存在する。
【0048】
可撓性の貼合せシートを得るために、ガラス体および/またはプラスチック体は、特に可撓性のガラス体またはプラスチック体である。
【0049】
本発明による貼合せシートのガラス体またはプラスチック体は、平らであり、即ち1つの空間方向の前記物体の空間的広がりは、別の空間方向よりも大きい。殊に、平らな物体は、相応する板、層、シートおよび/またはディスクである。
【0050】
ガラス体および/またはプラスチック体の厚さは、最大8mm、有利に最大6mm、特に有利に4mm、殊に有利に最大2mmであり、この場合さらに好ましい範囲は、0.9〜1.9mmの間、0.2〜1.0mmの間、0.01〜0.5mmの間および0.001〜0.05mmの間にある。
【0051】
貼合せシート中に含まれる、シランで変性されたポリオレフィンは、既に予め記載されている。1つ以上のシランで変性された、1つ以上のポリオレフィンからなる中間層の厚さは、最大6.5mm、有利に最大4mm、特に有利に最大2mm、殊に有利に最大1mmであり、この場合さらに特に好ましい範囲は、0.55〜1.25mmの間、0.1〜0.75mmの間、0.01〜0.2mmの間、0.005〜0.015mmの間、および0.001〜0.005mmの間にある。
【0052】
好ましくは、中間層は、該中間層が施されているガラス体またはプラスチック体よりも薄手である。殊に、ガラス体またはプラスチック体の厚さと中間層の層厚との比は、最大1:0.75、有利に最大1:0.5、特に有利に最大1:0.1、殊に有利に最大1:0.01である。
【0053】
ガラス体としては、原則的に当業者に公知の全ての種類のガラス、例えば平面ガラス、フロートガラス、圧延ガラス(一部は鋳造ガラスとも呼称される)、引抜ガラス、Aガラス(アルカリ含有)、Eガラス(電気絶縁性)、Cガラス(化学的安定性)、Sガラス(高硬度のガラス)、Rガラス(高硬度のガラス)、HMガラス、ARガラス(耐アルカリガラス)、燐酸塩ガラスおよび/または石英ガラスが適している。特に、ガラスは、有利にディスプレイの製造に使用される、ナトリウムフロートガラスおよび/または硼珪酸塩ガラスである。殊に、表面コーティング(例えば、金属酸化物を基礎とする)、殊に化学的イオン交換(例えば、いわゆるソーダライムシリカガラス中でのナトリウムイオンとカリウムイオンとの交換)が行なわれる表面コーティングを有するガラスが使用される。
【0054】
プラスチック体のプラスチックは、ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、ポリ(1−ブテン)(例えば、アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、ポリエチレン(例えば、HDPE、LDPE、LLDPE等)、シクロオレフィンと1−オレフィンとのコポリマー(例えば、ジシクロペンタジエンおよび/またはノルボルネンおよびエチレン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアルキルメタクリレートコポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースアセテート、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(エーテルケトン)、(コ)ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))および(コ)ポリアミドから選択されていてよく、この場合望ましい使用に応じて澄明の光透過性プラスチックならびに透明の着色されたプラスチックならびに不透明な、および/または光不透過性の無色の、および/または着色されたプラスチックが使用されてよい。特殊な実施態様において、使用されるプラスチック体の透過性は、観察者の視角に依存する。更に、特殊な実施態様において、前記プラスチック体は、印刷された、および/または被覆された平らなプラスチック体、殊にプラスチックシートである。特に、透明なプラスチック体が使用される。殊に、プラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(エチレン−コ−ノルボルネン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネートおよびポリ(プロピレン)コポリマーから選択されている。
【0055】
更に、本発明の実施態様において、貼合せシート上には、さらなる層が存在していてよい。この層は、貼合せシートの片側または両側に存在していてよい。付加的な層は、例えば液晶配向性を有する層、偏光層(例えば、単色光の発生のため)、一定の光波長を吸収する、および/または散乱させる層、反射防止層、ゾルゲル層および/または別の形状の表面コーティングおよび/または表面被覆であり、例えば反射防止、硬化、艶出し、(化学的および/または耐蝕性)不動態化のため、および/または相応する単数または複数の層の導電性、エレクトロルミネセンスまたは燐光の形成のために使用される。記載された付加的な層の種類および数は、原則的に制限されておらず、即ち、数多くの前記層を貼合せシート上に施こすこともできる。貼合せシート複合体の内部での導電性の形成に適している層の施与の例は、例えば、カルシウム、アルミニウム、珪素、バリウム、ルテニウム、マグネシウム銀合金、インジウム錫酸化物(ITO)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート混合物、アルミニウム−トリス(8−ヒドロキシキノリン)、ポリ(パラフェニレン−ビニリデン)、ポリ(ヒドロキシアミドエーテル)、フッ化ルテニウム、フッ化セシウムおよび/または銀を含む例のものである。更に、層は、可撓性のセラミック層、例えばセラミック膜を含有していてもよい。
【0056】
更に、特殊な実施態様において、本発明によるガラス貼合せシートまたはプラスチック貼合せシートは、薄手の金属層、殊に遷移金属、非鉄金属および/または貴金属を基礎とする金属層を含有していてもよい。前記のガラス貼合せシートまたはプラスチック貼合せシートは、被覆技術(例えば、PVD技術またはCVD技術)により施こすことができ、ならびにシートの形で存在することができる。殊に、金属は、金、銀、白金、パラジウム、銅、ニッケル、コバルト、亜鉛、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、珪素、ゲルマニウム、錫、鉛および/またはこれらの合金から選択されている。ドーピングされた金属層の使用も可能である。殊に有利には、金属は、銅、アルミニウム、珪素、ゲルマニウム、鉄および/またはこれらの合金である。
【0057】
更に、本発明の対象は、本発明による貼合せシートを製造する方法であり、この場合には、少なくとも1つの平らなガラス体の少なくとも1つの片側に、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層を付着助剤として塗布し、引続き少なくとも1つの中間層上に少なくとも1つの平らなガラス体またはプラスチック体を施こす。
【0058】
他の選択可能な方法によれば、本発明による貼合せシートの製造のために、第1のプラスチックの少なくとも1つの平らなプラスチック体の少なくとも1つの側に、1つ以上のシランで変性された、1つ以上のポリオレフィンからなる中間層が付着助剤として塗布され、引続きこの中間層上には同一かまたは第1のプラスチックとは異なるプラスチックの少なくとも1つのさらなる平らなプラスチック体が施こされる。
【0059】
本発明により付着助剤として作用する、記載された中間層は、溶液または溶融液の形で塗布されてよい。この場合、中間層は、当業者に公知の全ての方法で、例えば噴霧塗布、回転塗布、ナイフ塗布、ロール塗布および/または印刷技術によって塗布することができる。
【0060】
塗布を溶液の形で行なう場合には、溶剤として、ヘテロ原子を有するかまたはヘテロ原子を有しない環式および/または直鎖状の脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素を使用することができ、相応するハロゲン化炭化水素も使用することができる。しかし、特にハロゲン化炭化水素は、全く使用されない。特に有利には、キシレンが使用される。相応する溶液中で、記載された炭化水素は、特に最大90質量%、有利に最大80質量%、特に有利に最大75質量%、殊に有利に最大50質量%の含量を有する。中間層を溶液の形で塗布する場合には、この塗布は、0℃ないし溶剤の沸点の温度より10℃低い温度、特に0〜80℃で行なわれる。
【0061】
殊に有利には、塗布は、溶融液から行なわれる。変性されたポリオレフィンの塗布は、純粋な物質として、または溶融液の形の上記の配合物の形で50℃〜300℃、特に100℃〜285℃、特に有利に130℃〜260℃、殊に有利に140〜250℃の温度で行なわれる。更に、殊に有利な実施態様において、少なくとも1つの本発明によるポリオレフィンの溶融液の塗布は、冷却されていない溶融液の形で行なわれ、この場合この塗布は、殊に感温性支持体に適している。この場合、塗布温度は、70〜170℃、有利に75〜165℃、特に有利に80〜160℃、殊に有利に85〜155℃である。加熱中または溶融中に、表面上でのゲル粒子の形成を阻止するために、保護ガス(例えば、窒素、アルゴン等)で包囲するかまたは覆うことは、望ましい。そのために、多種多様の塗布技術、例えばロール塗布、幅広スリットノズルによる塗布、ナイフ塗布、点塗布、マルチライン塗布(multiline−Auftrag)、ロトサーム(Rototherm)塗布、渦動法でのスプレー塗布、回転塗布または幅広面でのメルトブロー法(breitflaechig mit melt blow−Verfahren)またはエアアシスト噴霧法が操作される。変性されたポリマーをスプレー塗布で使用する場合には、殊に保護ガス(例えば、窒素、アルゴン等)を噴霧媒体として使用することは、好ましい。引続き、支持体は、いわゆる開放時間("開放時間"=接着すべき部材を互いに結合することができる時間間隔)内でつなぎ合わされ、この場合この開放時間の期間は、塗布される混合物の組成に依存する。
【0062】
特殊な実施態様において、少なくとも1つの変性されたポリオレフィンは、ポリマーシートの形で本発明による貼合せシートの形成のために使用される。この場合、このポリマーシートは、専ら、変性されたポリオレフィンから構成されているかまたは部分的に、変性されたポリオレフィンから構成されており、および/またはこの変性されたポリオレフィンで被覆されていてよい。特に有利には、この種のポリマーシートは、熱的に(例えば、赤外線および/またはマイクロ波を使用しながら)活性化され、堅固な複合体が保証される。
【0063】
更に、ポリオレフィンは、記載された用途において配合物として存在しうる。相応する配合物は、殊に特殊な性質、例えば変形能、付着能、加工能、架橋速度、架橋密度、(溶融液または溶液)粘度、強度、結晶化速度、接着性、貯蔵安定性等の達成に必要とされる成分を含有する。他の成分の含量は、本発明の特殊な実施態様において、有利に最大10質量%、殊に有利に7,5質量%未満、特に有利に5質量%未満である。これは、配合物の材料特性が本質的に使用される本発明によるポリマーの材料特性であるという利点を有する。このような配合物は、極めて僅かな費用で製造することができる。
【0064】
他の選択可能な方法によれば、本発明のもう1つの実施態様において、他の成分の含量は、10質量%超であることができる。この場合、他の成分は、全配合物に対して最大80質量%、有利に最大60質量%、特に有利に最大50質量%、殊に有利に最大40モル%である。
【0065】
他の成分は、架橋促進剤、殊にシラノール縮合触媒、選択的に導電性であってもよいし、絶縁性であってもよい無機充填剤および/または有機充填剤、選択的に導電性であってもよいし、絶縁性であってもよい無機顔料および/または有機顔料、合成樹脂および/または天然樹脂、殊に接着剤樹脂、剛性油および/または天然油、選択的に導電性であってもよいし、絶縁性であってもよい無機または有機の、合成および/または天然のポリマー、選択的に導電性であってもよいし、絶縁性であってもよい無機または有機の、合成および/または天然の繊維、無機および/または有機の安定剤、および/または無機および/または有機の難燃剤であることができる。
【0066】
殊に、他の成分は、樹脂を含み、この場合には、接着層の一定の性質、殊に接着層の接着性および/または付着力、流動挙動およびクリープ挙動および/または接着剤の粘度を特殊な要件に適合させるために、樹脂が使用される。この樹脂は、天然樹脂および/または合成樹脂であることができる。天然樹脂の場合には、前記の天然樹脂は、主成分としてアビエチン酸(例えば、コロホニウム)を含有する。更に、前記樹脂は、テルペン樹脂またはポリテルペン樹脂、石油樹脂および/またはクマロンインデン樹脂であることができ、この場合には、殊にいわゆるC5樹脂および/またはC9樹脂および/またはC5/C9樹脂からのコポリマーが問題である。本発明による配合物中の樹脂の含量は、殊に全配合物に対して殊に最大45質量%、有利に1〜40質量%、特に有利に2〜30質量%、殊に有利に3〜20質量%である。
【0067】
更に、本発明による配合物中には、古典的な非晶質(または部分結晶性)ポリ(α−オレフィン)(いわゆるAPAOs)が他の成分として含有されていてよい。記載された非晶質ポリ(α−オレフィン)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、または例えば古典的なチーグラーナッタ触媒反応またはメタロセン触媒反応によって得られる、5〜20個の炭素原子を有する直鎖状および/または分枝鎖状の1−オレフィンからのホモポリマー/コポリマーおよび/またはターポリマーであることができる。非晶質(または部分結晶性)ポリ(α−オレフィン)の含量は、殊に全配合物に対して殊に最大50質量%、有利に最大40モル%、特に有利に最大30モル%である。特に、他の成分は、例えば古典的なチーグラーナッタ触媒反応および/またはメタロセン触媒反応によって得られる、結晶性または部分結晶性のポリオレフィンであり、このポリオレフィンは、殊にアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPEおよび/またはLLDPE)、アイソタクチックポリ(1−ブテン)、シンジオタクチックポリ(1−ブテン)、これらのコポリマーおよび/またはこれらと、5〜10個の炭素原子を有する直鎖状1−オレフィンおよび/または分枝鎖状1−オレフィンとのコポリマーを含む。更に、結晶性または部分結晶性のポリオレフィンが化学的に変性されたポリオレフィンであることは、好ましく、この場合化学的変性は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸、アクリレート、メタクリレート、不飽和エポキシ化合物、シランアクリレート、シランおよびヒドロキシアルキルシランによるかかる化学的変性を含む。
【0068】
更に、他の成分は、極性基を有するポリマーを含むことができる。極性基を有するポリマーは、ポリスチレンコポリマー(例えば、無水マレイン酸、アクリルニトリル等で)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、(コ)ポリエステル、ポリウレタン、(コ)ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリアクリル酸、ポリカーボネートならびに化学的に変性されたポリオレフィン(例えば、ポリ(プロピレン−グラフト無水マレイン酸)またはポリ(プロピレン−グラフトアルコキシビニルシラン)を含む。この場合、本発明によるポリマーと極性基含有ポリマーとを混合した場合には、ポリマー鎖の直ちの反応的結合および/または時間的に遅延された反応的結合を生じ、前記の反応的結合は、特に2つのポリマー相の間の改善された相容性を生じ、このことは、例えば使用されたポリマーのガラス転移温度の変動で確認することができる。特に有利には、前記の反応的結合は、ポリマー相が共通のガラス転移温度を示し、即ち巨視的な混合可能性を有することを生じる。
【0069】
更に、他の成分は、エチレン、プロピレン、アクリルニトリル、ジエンおよび/または環式ジエン、ブタジエン、スチレンおよび/またはイソプレンを含むことができ、殊に前記ポリマーは、ブロックコポリマー、殊にゴム、例えば天然ゴムおよび合成ゴム、ポリ(ブタジエン)、ポリ(イソプレン)、スチレン−ブタジエンゴムおよびニトリルゴムである。ブタジエン、スチレンおよび/またはイソプレンを基礎とするポリマーの含量は、配合物に対して最大20質量%、有利に1〜15質量%、特に有利に1.5〜10質量%、殊に2〜9質量%である。オリゴマーは、有利にブタジエンオリゴマーである。
【0070】
更に、他の成分は、エチレン、プロピレン、ジエンおよび/またはシス,シス−1,5−シクロオクタジエン、エキソ−ジシクロペンタジエン、エンド−ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンを基礎とするエラストマーポリマーを含むことができ、殊に前記の他の成分は、エチレン−プロピレンゴム、EPM(二重結合不含、エチレン含量40〜75質量%)および/またはEPDMである。エチレン、プロピレン、ジエンおよび/またはシス,シス−1,5−シクロオクタジエン、エキソ−ジシクロペンタジエン、エンド−ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンを基礎とするポリマーの含量は、配合物に対して通常、最大20質量%、有利に1〜15質量%、特に有利に1.5〜10質量%、殊に2〜9質量%である。
【0071】
他の選択可能な方法または補足的な方法によれば、他の成分は、ワックス、殊に変性されたワックスおよび変性されていないワックスを含むことができ、この場合前記ワックスは、特にポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはポリ(1−ブテン)、パラフィンワックス、メタロセンワックス、ミクロワックス、ポリアミドワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックスおよび/またはフィッシャー−トロプシュワックスを基礎とする結晶性ポリオレフィンワックス、部分結晶性ポリオレフィンワックスおよび/または非晶質ポリオレフィンワックスである。前記ワックスの含量は、配合物に対して最大50質量%、有利に1〜40質量%、特に有利に2〜30質量%、殊に有利に3〜20質量%である。
【0072】
更に、他の成分は、充填剤を含むことができ、この場合には、接着層の特殊な特性プロフィール、例えば温度使用範囲、強度、収縮、導電性、磁気作用および/または熱伝導性を意図的に特殊な要件に適合させるために、充填剤が使用される。一般に、充填剤は、無機充填剤および/または有機充填剤である。無機充填剤は、殊に珪酸(疎水性珪酸を含めて)、石英砂、白亜、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、重晶石、ガラス粒子(殊に、光の反射を増加させるための球状の粒子)、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト粒子、アスベスト繊維および/または金属粉末から選択されている。有機充填剤は、例えばカーボンブラック、瀝青、架橋されたポリエチレン、架橋されたゴムまたはゴム混合物、合成繊維、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、サラン繊維、MP繊維または天然繊維、例えば麦わら、羊毛、木綿、生糸、亜麻、大麻、黄麻および/またはサイザル麻である。前記充填剤の含量は、配合物に対して最大80質量%、有利に1〜60質量%、特に有利に5〜40質量%、殊に有利に7〜30質量%である。特に有利には、粒子および繊維の寸法のために不透明な配合物を生じない粒子および繊維が使用され、殊にいわゆるナノ粒子が使用される。
【0073】
同様に、他の成分は、架橋促進剤を含むことができる。これは、本発明によるポリマーが短時間で接合後に該ポリマーの最大の負荷可能性を達成する接着に使用される場合に特に好ましい。架橋促進剤として、多数の化合物、殊にブレンステッド酸および/またはルイス酸、例えば酢酸、イタコン酸、酢酸亜鉛(II)、酢酸カドミウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化亜鉛(II)、塩化錫(IV)、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、蒼鉛シトレート、酸化蒼鉛(III)、チタン酸蒼鉛、テトラブチルゲルマニウム、テトラブチル錫、ホウ化チタン、酸化チタン(IV)、チタンアセチルアセトネート、トリブチルチタネート、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム(II)、亜鉛アセチルアセトネート、亜鉛メタクリレート、ニオブ酸亜鉛、酸化錫(II)、酸化錫(IV)、アセチルアセトン酸ジルコニウム(IV)、酸化ジルコニウム(IV)および/または珪酸ジルコニウム(IV)が適している。
【0074】
同様に、他の成分は、安定剤を含み、この場合には、配合物を外部の影響、例えば(加工)熱、剪断応力、太陽光の入射、空気湿分および酸素の影響から保護するために、前記安定剤は、使用される。適した安定剤は、例えば立体障害アミン(HALS安定剤)、立体障害フェノール、ホスファイトおよび/または芳香族アミンであり、例えば、KINOX、IRGANOX、DOVERNOX、IONOL、IRGAPHOS、DOVERPHOSおよび/またはWESTONの製品名で商業的に入手可能である。特に有利には、本発明により使用される安定剤は、1分子当たり加水分解活性の末端基だけを含有する。記載された配合物中で、安定剤の含量は、配合物に対して最大3質量%、有利に0.05〜2.5質量%、殊に有利に0.1〜2質量%である。特殊な実施態様において、本発明により変性されたポリマーに対して単数/複数の安定剤の反応的結合が生じ、それによって接着剤化合物からの安定剤の移行が阻止される。
【0075】
更に、他の成分は、1つ以上の油を含むことができ、この油は、天然油および/または合成油であることができる。前記の1つ以上の油は、特に加工温度で0.1〜1000mPa*s、有利に1〜750mPa*s、大抵の場合に有利に2〜500mPa*sの粘度を有する。適した油は、例えば鉱油、(医薬用)ホワイト油、イソブテン油、ブタジエン油、水素化ブタジエン油および/またはパラフィン油である。1つ以上の油の含量は、配合物に対して最大50質量%、有利に1〜45質量%、特に有利に3〜40質量%、殊に有利に5〜38質量%である。
【0076】
更に、前記配合物中には、無機顔料および/または有機顔料、UV活性物質、ポリマーの結晶化を促進する有機成核剤および/または無機成核剤が含有されていてよい。
【0077】
更に、本発明による配合物の好ましい形において、予め記載された配合物は、多相ブレンドである。
【0078】
更に、本発明による方法の実施態様において、引続き貼合せシート上には他の層が施こされる。相応する層は、既に予め記載されている。他の層は、例えばロール塗布、幅広スリットノズルによる塗布、ナイフ塗布、点塗布、マルチライン塗布、ロトサーム塗布、渦動法でのスプレー塗布、回転塗布または幅広面でのメルトブロー法またはエアアシスト噴霧法、または接着被覆、(ロール)貼合せ、プラズマ被覆、PVD技術またはCVD技術および/または別の印刷技術、被覆技術またはラッカー塗布技術により塗布される。更に、本発明の対象は、本発明による貼合せシートを含有するディスプレイである。原則的に前記の貼合せシートは、全ての種類のディスプレイに適しており、特にディスプレイは、UFBディスプレイ(Ultra Fine & Bright)、TFTディスプレイ(Thin Film Transistor)、TFDディスプレイ(Thin Film Diode)、CSTNディスプレイ(Color Super Twist Nematic)、STNディスプレイ(Super Twist Nematic)、UBCディスプレイ(Ultra Bright Colour)、LCDディスプレイ(Liquid Crystal Display)、OLEDディスプレイ(Organic Light−Emitting Diode)、プラズマディスプレイスクリーンおよび/またはタッチスクリーンである。殊に、ポリマーから完成されているOLEDディスプレイが問題である(いわゆるPLED)。
【0079】
ディスプレイがOLEDディスプレイである場合には、殊に本発明によるポリオレフィンの架橋が増大すると、付着層/接着層の遮断作用が増大するという利点を有する。
【0080】
更に、本発明の対象は、本発明による貼合せシートを含む、可撓性の電気的モジュール、殊に可撓性のソーラーセルである。
【0081】
また、当業者であれば、さらに実施することなく、上記の記載を最も広い範囲で利用しうることから出発する。それ故に、好ましい実施態様および実施例は、単に記載された開示内容として解釈すべきであり、決して何らかの形で開示内容を制限して解釈すべきではない。
【0082】
次に、本発明は、実施例につき詳説される。本発明の選択可能な実施態様は、同様にして得られる。
【0083】
分析:
a)高温13C−NMR
このポリマー組成は、高温13C−NMRにより測定される。ポリマーの13C−NMR分光法は、例えば以下の文献に記載されている:

【0084】
b)レオロジー
レオロジー測定は、ASTM D 4440−01("プラスチックのための標準試験方法:動的機械的特性 メルトレオロジー")により板−板形状寸法(板直径:50mm)を有する、Anton Paar社の流動計MCR 501を使用して振動測定として行なわれる。最大試料変形率として、全ての測定において1%が使用され、温度依存測定は、1Hzの即低周波数および1.5K/分の冷却速度で実施される。
【0085】
溶融粘度は、振動レオメトリーによって測定され、この場合には、1Hzの剪断速度で作業される。試料の最大の変形は、試料が全体の測定時間の間に線形的な粘弾性範囲内にあるように選択される。従って、本発明によるポリマーは、とりわけこのポリマーの溶融液が粘弾性の挙動を示すことによって傑出している。粘弾性材料は、フック固体と比べて、変形から生ずる応力を所定の時間にわたって散逸により分解する(リラクゼーション)という性質の点で優れている。もっぱら不可逆的な歪みの剪断/伸びの作用下で影響を受けるニュートン液体とは異なり、粘弾性流体は、変形エネルギーの一部を、剪断力を除去した後に再回収することができる(いわゆる「記憶効果」)[N.P.Cheremisinoff;"An Introduction to Polymer Rheology and Processing";CRC Press;London;1993]。本発明によるjポリマーの溶融液のさらなる特徴は、いわゆる構造粘性が生じることである。かかる構造粘性は、剪断応力が生じる力として材料の出発構造を剪断速度に応じて分解する挙動を意味する。この分解工程は最小の剪断速度を前提とするので、材料は、ニュートン流体のように前記の剪断速度よりも遅く流れる。ルシャトリエの原理は1つの説明を提供し、その際、構造粘性液体の「待避(Ausweichen)」(機械的負荷の前)が剪断表面に沿った方向において摩擦抵抗の低下のために存在する。最後のものは、最初の状態の平衡構造の分解および剪断延伸された構造の構成をもたらし、このことは軽減された流れ(粘度減少)を再度もたらす。ポリマー溶融液においては、極めて小さい剪断速度もしくは小さい剪断幅の場合にのみニュートン領域が認識可能である。この測定は、レオメトリー試験法(振幅「スイープ」、すなわち、剪断幅に依存した固定周波数での測定)により可能であり、かつ、測定が可逆的に、すなわち、再現可能な範囲内で実施される場合に必要とされる[R.S.Lenk;"Rheologie der Kunstostoffe";C.Hanser Verlag;Muenchen;1971;J.Meissner;"Rheologisches Verhalten von Kunststoff−Schmelzen und −Loesungen" in:"Praktische Rheologie der Kunststoffe";VDI−Verlag;Duesseldorf;1978;J.−F.Jansson;Proc.8th.Int.Congri.Rheol.;1980;Vol.3]。
【0086】
この振動レオメトリーは、その小さい力作用、その小さい変形およびそれゆえに試料形態に対する小さい作用のために、構造粘性挙動を示す材料の試験に特に良好に好適である。
【0087】
c)針入深さ(PEN)
針入度は、DIN EN 1426に従って測定する。
【0088】
d)DSC
結晶分の溶融エンタルピー、ガラス転移温度および溶融範囲は、示差走査熱量測定(DSC)によって加熱速度10K/分で第2の加熱曲線からDIN53765に従って測定される。熱流曲線の変曲点は、ガラス転移温度として評価される。
【0089】
e)軟化点(環球法)
軟化点は、環球法によりDIN EN 1427に従って測定される。
【0090】
f)接着剪断強さ
接着剪断強さは、DIN EN 1465に従って測定される。
【0091】
g)RFA分光分析法
アルミニウム外殻中に注型されかつ硬化された試験片を鉄製ポンチ(直径30mm)で打ち抜く。この測定は、二重測定として行なわれる。ポリマー試験片の層厚は、5mm超である。この試験片を試験片ホルダー中に位置付け、および測定する(測定器:PANalytical PW 2404)。定量的測定をボラックスタブレット(Borax−Tabletten)中のSiの外部較正に対して行なう。
【0092】
h)キシレン溶解度
キシレン−異性体混合物を使用し、その際、ポリマーを還流下で溶解させ、次いでこの溶液を室温に冷却する。ポリオレフィン2gをキシレン250ml中に、撹拌下で、かつキシレンの沸点まで加熱させつつ溶解させる。20分間、還流下で煮沸させた後に、このポリマー溶液を25℃に冷却する。溶解されていないポリオレフィンまたは沈殿したポリオレフィンを濾別し(15cmの吸引漏斗、Sartorius 390−濾紙)、および乾燥させる。上方に留まるポリマー溶液を、5倍過剰のメタノール(37%水性HClの液滴と混合した)中で析出沈殿させる。生じる沈殿物を濾別し、および80℃で乾燥キャビネット(真空)中で乾燥させる。
【0093】
i)THF中での溶解度
THF中での溶解度は、部分結晶性ポリオレフィンの1つの特徴である。実施は、キシレン中での溶解試験と同様に行なう。
【実施例】
【0094】
例:
1 本発明により使用されるポリオレフィン
【表1】

【0095】
2 プレキシガラス(ポリメチルメタクリレート、Evonik Roehm GmbH、成形材料7N)に対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を一定の接着温度で(サーモセンサーを用いて)ポリメチルメタクリレート試験体(厚さ:2mm、成形材料"7N"、Evonik Roehm GmbH社)上に塗布する。この試験体を20秒間で他のポリメチルメタクリレート試験体(厚さ:2mm、成形材料"7N"、Evonik Roehm GmbH社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する。
【0096】
170℃の接着温度で、次に結果が達成される(第2表):
【表2】

【0097】
240℃の接着温度で、次に結果が達成される(第3表):
【表3】

【0098】
3 ポリプロピレンに対する接着作用
変性されたポリオレフィンを190℃で乾燥キャビネット中で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融し、引続き170℃の温度で(サーモセンサーを用いて)ポリプロピレン試験体(厚さ:2mm、アイソタクチックポリプロピレン、"PP−DWST7 製造業者:Simona AG社")上に塗布する。この試験体を20秒間で他のポリプロピレン試験体(厚さ:2mm、アイソタクチックポリプロピレン、"PP−DWST7 製造業者:Simona AG社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第4表)。
【0099】
【表4】

【0100】
4 ポリエチレンに対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を170℃で(サーモセンサーを用いて)ポリエチレン試験体(厚さ:2mm、"PE−HWST"、製造業者:Simona AG社)上に塗布する。この試験体を20秒間で他のポリエチレン試験体(厚さ:2mm;"PE−HWST"、製造業者:Simona AG社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第5表)。
【0101】
【表5】

【0102】
5 ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)に対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を170℃で(サーモセンサーを用いて)ポリエチレンテレフタレート試験体(厚さ:2mm、"Axpet clear 099"、製造業者:Bayer Material Science社)上に塗布する。このポリエチレンテレフタレート試験体を20秒間で他のポリエチレンテレフタレート試験体(厚さ:2mm、"Axpet clear 099"、製造業者:Bayer Material Science社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第6表)。
【0103】
【表6】

【0104】
6 ポリアミド−6(PA−6)に対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を170℃で(サーモセンサーを用いて)ポリアミド−6試験体(厚さ:2mm、"Sustamid 6"、製造業者:Cadillac Plastic社)上に塗布する。このポリアミド−6試験体を20秒間で他のポリアミド−6試験体("Sustamid 6"、製造業者:Cadlillac Plastic社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第7表)。
【0105】
【表7】

【0106】
7 ポリカーボネートに対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を170℃で(サーモセンサーを用いて)ポリカーボネート試験体(厚さ:2mm、"Makrolon Mono"、製造業者:Bayer Material Science社)上に塗布する。このポリカーボネート試験体を20秒間で他のポリカーボネート試験体(厚さ:2mm、"Makrolon Mono"、製造業者:Bayer Material Science社)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第8表)。
【0107】
【表8】

【0108】
8 ガラスに対する接着作用
変性されたポリオレフィン100g宛を乾燥キャビネット中で180℃で保護ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)の下で1時間溶融する。引続き、熱い溶融液を有する用量をヒートプレート上で混練機を備えたIKA攪拌機を用いて攪拌する。170℃でDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa Gmbh)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)を添加し、および15分間均質化する。引続き、ポリマー溶融液を170℃で(サーモセンサーを用いて)脱脂されたガラス試験体(厚さ:2mm)上に塗布する。この脱脂されたガラス試験体を20秒間で他の脱脂されたガラス試験体(厚さ:2mm)と4cm2の面積で繋ぎ合わせて1つに組み立て、および5分間、2kgの重さで接合するように加圧する。突き出る接着ポリマーを除去する。引続き、接着サンプルを20℃/65%の相対空気湿度で14日間、耐候試験機中に貯蔵し、引続き引張試験により接着サンプルの機械的性質について試験する(第8表)。
【0109】
【表9】

【0110】
9 ポリオレフィン貼合せシートの水蒸気透過性
例47(本発明によらない):
吹込フィルムを製造するための後接続された押出工具を備えた二軸押出機ZSK 25(Werner & Pfleiderer社)を用いて、200℃でSABIC社の高圧ポリエチレン(LDPE)(Sabic LDPE 2101)から0.052mmの厚さで吹込フィルムを製造する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。4.6g/m2*dの水蒸気透過性が測定される。
【0111】
例48(本発明によらない):
フラットフィルムを製造するための後接続された押出工具を備えた二軸押出機ZSK 25(Werner & Pfleiderer社)を用いて、200℃でSABIC社の低密度の直鎖状ポリエチレン(LLDPE)(Sabic LLDPE 3188)から0.048mmの厚さでフラットフィルムを製造する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。2.8g/m2*dの水蒸気透過性が測定される。
【0112】
例49(本発明によらない):
フラットフィルムを製造するための後接続された押出工具を備えた二軸押出機ZSK 25(Werner & Pfleiderer社)を用いて、SABIC社のアイソタクチックポリプロピレン(Sabic PP 520 P)から0.058mmの厚さでフラットフィルムを製造する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。1.4g/m2*dの水蒸気透過性が測定される。
【0113】
例50(本発明による):
例47で製造されたポリエチレンフィルムを、20μmのドクターナイフを用いて135℃の温度で溶融液(例1に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。被覆されたフィルムを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。0.001g/m2*d未満の水蒸気透過性が測定される。
【0114】
例51(本発明による):
例48で製造されたポリエチレンフィルムを、20μmのドクターナイフを用いて135℃の温度で溶融液(例4に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。被覆されたフィルムを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。0.001g/m2*d未満の水蒸気透過性が測定される。
【0115】
例52(本発明による):
例48で製造されたポリプロピレンフィルムを、20μmのドクターナイフを用いて135℃の温度で溶融液(例5に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。被覆されたフィルムを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。引続き、水蒸気透過性は、DIN 53122 T2に従って測定される。0.001g/m2*d未満の水蒸気透過性が測定される。
【0116】
10.ガラス/プラスチック貼合せシートの製造
例53(本発明による):
薄手のガラスディスク(厚さ:50μm;ホウケイ酸塩ガラスAF 45;製造業者:Schott AG)を、20μmのドクターナイフを用いて135℃の温度で溶融液(例5に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。この被覆上に例48で製造されたポリプロピレンフィルムを、加熱されたロール(80℃、押付圧:500hPa)により貼合せる。被覆されたガラスディスクを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。50回の曲げ試験(曲げ半径:90mm)後にも離層しないし不透明にならない、曲げ弾性を有する透明な複合体が得られる。
【0117】
例54(本発明による):
薄手のガラスディスク(厚さ:50μm;ホウケイ酸塩ガラスD263T;製造業者:Schott AG)を、20μmのドクターナイフを用いて135℃の温度で溶融液(例5に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。この被覆上に、本発明による変性されたポリオレフィンの塗布直後にさらに薄手のガラスディスク(厚さ:50μm;ホウケイ酸塩ガラスD263T;製造業者:Schott AG)を貼合せる。このガラスラミネートを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。50回の曲げ試験(曲げ半径:120mm)後にも離層しないし不透明にならない、曲げ弾性を有する透明な複合体が得られる。
【0118】
例55(本発明による):
薄手のPMMAディスク(厚さ:260μm)を、20μmのドクターナイフを用いて240℃の温度で溶融液(例5に記載の本発明によるポリマー100gとDBTLマスターバッチ5g(VESTOPLAST(登録商標)708 98質量%(Evonik Degussa GmbH社)およびジブチル錫ジラウレート2質量%からなる)とからなる)で被覆し、この場合塗布質量は、約11g/m2である。この被覆上に例48で製造されたポリプロピレンフィルムを、加熱されたロール(80℃、押付圧:500hPa)により貼合せる。被覆されたガラスディスクを7日間耐候試験機(20℃/相対空気湿度65%)中に貯蔵する。50回の曲げ試験(曲げ半径:120mm)後にも離層しないし不透明にならない、曲げ弾性を有する透明な複合体が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平らなガラス/ガラス貼合せシート、平らなガラス/プラスチック貼合せシートまたは平らなプラスチック/プラスチック貼合せシートを製造するための付着助剤としての1つ以上のシランで変性されたポリオレフィンの使用。
【請求項2】
ガラス/ガラス貼合せシート、ガラス/プラスチック貼合せシートまたはプラスチック/プラスチック貼合せシートは、可撓性である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
ポリオレフィンは、部分結晶性である、請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
ポリオレフィンは、エテン最大25質量%、プロペン最大95質量%および/または4〜10個の炭素原子を有するオレフィン5〜100質量%からなる、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
4〜10個の炭素原子を有するオレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセンおよび/または1−オクテンを含む群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
1つ以上のシランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシランおよび/またはビニルメチルジブトキシシランを含む群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
少なくとも片側でその上に施こされた平らなガラス体および/またはプラスチック体を有する平らなガラス体を含む貼合せシートにおいて、このガラス体とガラス体および/またはプラスチック体との間、および/またはプラスチック体と場合によっては1つ以上の他のプラスチック体との間に、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層が付着助剤として存在することを特徴とする、上記の貼合せシート。
【請求項8】
少なくとも片側に第1のプラスチックと同じかまたは第1のプラスチックとは異なるプラスチックの少なくとも1つの他の平らなプラスチック体を有する、第1のプラスチックの少なくとも1つの平らなプラスチック体を含む貼合せシートにおいて、第1のプラスチックのプラスチック体と他のプラスチック体との間に、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層が付着助剤として存在することを特徴とする、上記の貼合せシート。
【請求項9】
ガラス体および/またはプラスチック体の厚さが最大8mmである、請求項7または8記載の貼合せシート。
【請求項10】
1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層の厚さが最大6.5mmである、請求項7から9までのいずれか1項に記載の貼合せシート。
【請求項11】
貼合せシート上に他の層が存在する、請求項7から10までのいずれか1項に記載の貼合せシート。
【請求項12】
請求項7記載の貼合せシートを製造する方法において、平らなガラス体の少なくとも1つの片側に、1つ以上のシランで変性された1つ以上のポリオレフィンからなる中間層を付着助剤として塗布し、引続き少なくとも1つの中間層上に少なくとも1つの平らなガラス体またはプラスチック体を施こすことを特徴とする、請求項7記載の貼合せシートを製造する方法。
【請求項13】
第1のプラスチックの平らなプラスチック体の少なくとも1つの側に、1つ以上のシランで変性された、1つ以上のポリオレフィンからなる中間層を付着助剤として塗布し、引続きこの中間層上に同一かまたは第1のプラスチックとは異なるプラスチックの少なくとも1つのさらなる平らなプラスチック体を施こす、請求項8記載の貼合せシートの製造法。
【請求項14】
中間層を溶液または溶融液の形で塗布する、請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
中間層を、噴霧塗布、ナイフ塗布、回転塗布、ロール塗布および/または印刷技術によって塗布する、請求項12から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの変性されたポリオレフィンを、ポリマーシートの形で本発明による貼合せシートの形成のために使用する、請求項12から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
貼合せシート上に他の層を施こす、請求項12から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
請求項7から11までのいずれか1項に記載の貼合せシートを含むディスプレイ。
【請求項19】
ディスプレイは、UFBディスプレイ、TFTディスプレイ、TFDディスプレイ、CSTNディスプレイ、STNディスプレイ、UBCディスプレイ、LCDディスプレイ、OLEDディスプレイ、プラズマディスプレイスクリーンおよび/またはタッチスクリーンである、請求項18記載のディスプレイ。
【請求項20】
請求項7から11までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの貼合せシートを含む、可撓性の電気的モジュール。
【請求項21】
ソーラーセルである、請求項20記載の可撓性の電気的モジュール。

【公表番号】特表2012−500293(P2012−500293A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522451(P2011−522451)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058666
【国際公開番号】WO2010/018034
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】