平板表示装置及びそのデータ多重変調方法
【課題】本発明は、データを再度変調する多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防するようにする平板表示装置及びそのデータ多重変調方法に関する。
【解決手段】本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器を備えている。
【解決手段】本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板表示装置に関し、特に、データを複数回にわたって変調する多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防するようにする平板表示装置及びそのデータ多重変調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置には、液晶表示素子(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)及び有機発光ダイオード表示素子(Organic Light Emitting Diode Display:OLED)等があり、これらの大分が実用化して市販されている。
【0003】
平板表示装置における応答速度の改善、あるいは動画像における輝度及びコントラストの改善のために、デジタルビデオデータを変調し、変調されたデジタルビデオデータに基づいて平板表示パネルを駆動する方法が提案されている。
【0004】
データ変調方法を実現するために、平板表示装置の駆動回路にはデータ変調方法のうち、いずれか1つ以上を実現するための回路が含まれている。様々な目的のデータ変調方法を共に適用する場合、変調されなかった元デジタルビデオデータ(original digital video data)をソースデータとして設計された目的値でデータを変調する2次データ変調方式に先立って、ある目的値で1次データ変調を行うと、2次データ変調の際にソースデータが変形されて、設計際の目的値とは異なる値でデータが変わり得る。この場合、2次データ変調によって変調されたデジタルビデオデータに基づいて平板表示パネルを駆動すると、予期しない輝度反転が発生する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、従来の技術によって発生する問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防することのできる平板表示装置及びそのデータ多重変調方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0007】
不良表示領域は、正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域とを含む。
【0008】
第2変調器は、第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに第2補償値を加算し;第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに第2補償値を減算する。
【0009】
平板表示装置は、補償値と不良表示領域の位置情報を格納するメモリを更に備えている。
【0010】
メモリは、EEPROMとEDID ROMのうち、1つ以上を備えている。
【0011】
平板表示装置は、デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;データ駆動回路にデジタルビデオデータを供給すると共に、データ駆動回路とスキャン起動回路を制御するタイミングコントローラを更に備えている。
【0012】
タイミングコントローラ、第1及び第2変調器は1つのチップに集積される。
【0013】
平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含む。
【0014】
また、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0015】
また、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータと、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0016】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【0017】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【0018】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータと、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る平板表示装置及びそのデータ多重変調方法によれば、明暗比と応答特性を向上し、輝度反転現象を予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態1.
上記目的の外、本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面を参照した実施の形態についての説明を通じて明らかに示される。
【0021】
以下、図1〜図18を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0022】
図1において、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、応答特性を改善するために、第1補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調する第1変調部1と、第1変調部1によって変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を第2補償値で2次変調し、ランプ輝線に対応する表示面に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を第3補償値で2次変調し、リンクサブピクセルの充電量を補償するために、第4補償値でリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を2次変調する第2変調部2と、第1及び第2変調部1、2に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ3と、第2変調部2によって変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路5とを備えている。
【0023】
メモリ3は、データの更新及び消去が可能な非揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及び/またはEDID ROM(Extended Display Identification Data ROM)を含めて、第1及び第2変調部1、2のそれぞれのデータ変調に必要な第1〜第4補償値と、第2変調部2に必要な表示むらの各ピクセルの位置、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルの位置を指示する位置情報を格納する。一方、EDID ROMには補償値と位置情報の外にも、基本的にモニタ情報データとして販売者/生産者識別情報(ID)及び基本表示素子の変数及び特性等が格納される。メモリ3に格納された補償値はデジタルビデオデータRiGiBiと位置情報をリードアドレス(Read Adress)にして補償値を出力するルックアップテーブル(Look−up)の形態に格納される。
【0024】
第1変調部1は、以前のフレームデータと現在のフレームデータとを比較し、その比較結果に係るデータの変化を判断して、その判断結果に対応する第1補償値をメモリ3から読み取り、その第1補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調することによって、平板表示パネルの応答特性を向上させる。このような第1変調部1の1次データ変調による応答特性の改善原理を液晶の応答特性を中心として説明すると次のようである。
【0025】
液晶表示装置は、(式1)及び(式2)から分かるように、液晶の固有の粘性と弾性等の特性によって応答速度が遅いという問題点がある。
【0026】
【数1】
【0027】
ここで、τrは液晶に電圧が印加される際のライジング・タイム(rising time)を、Vaは印加電圧を、VFは液晶分子が傾斜運動を始めるフリーデリック遷移電圧(Freederick
Transition Voltage)を、dは液晶セルのセルギャップ(cell gap)を、γ(gamma)は液晶分子の回転粘度(rotational viscosity)をそれぞれ意味する。
【0028】
【数2】
【0029】
ここで、τfは液晶に印加された電圧がオフされた後、液晶が弾性復元力によって元の位置に戻されるフォーリング・タイム(falling time)を、Kは液晶固有の弾性係数をそれぞれ意味する。
【0030】
液晶表示装置で主に用いられているTNモード(Twisted Nematic mode)の液晶応答速度は、液晶材料の物性とセルギャップ等によって異なるが、通常、ライジングタイムが20〜80msであり、フォーリング・タイムが20〜30msである。このような液晶の応答速度は1フレーム期間(NTSC:16.67ms)よりも長い。このため、図2に示すように、液晶セルに充電される電圧が所望の電圧に達する前に次のフレームに進行されるので、動画像に画面が微かに写されるモーションブラリング(Motion Burring)現状が表れる。即ち、液晶の遅い応答速度によって、1つのレベルから他のレベルへデータ(VD)が変わる際、それに対応する表示輝度(BL)が、図2に示すように所望の目標の輝度に達しない。
【0031】
第1変調部1は、デジタルビデオデータRiGiBiを以前のフレームと現在のフレームとの間で比較し、その比較結果によって、予め設定された第1補償値を選択し、選択された補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調して、図3に示すように、液晶表示パネルに供給される電圧の絶対値をVDからMVDへ大きく、即ち、(式1)において|V2a−V2F|を大きくする。このために、第1変調部1は、2つのフレームメモリ43a、43bとルックアップテーブル44とを含む。
【0032】
第1及び第2フレームメモリ43a、43bは、データをフレーム単位に交互に格納し、格納されたデータを交互に出力してルックアップテーブル44に以前のフレームデータ、即ち、n−1番目のフレームデータFn−1を供給する。
【0033】
ルックアップテーブル44は、下記の表1に示すような第1補償値が登載され、メモリ3に格納される。このルックアップテーブル44は、n番目のフレームデータFnと第1及び第2フレームメモリ43a、43bから入力されるn−1番目のフレームデータFn−1を比較し、その比較結果に対応する第1補償値を1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)として出力する。このルックアップテーブル44はメモリ23に格納され、平板表示装置に電源が供給された直後に第1変調部1にロードされる。
【0034】
【表1】
【0035】
表1において、最も左側の列は以前のフレームFn−1のデジタルビデオデータRiGiBiであり、最も上側の行は現在のフレームFnのデジタルビデオデータRiGiBiである。
【0036】
表1から分かるように、第1変調部1は、下記のような(式3)〜(式5)によってデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。
【0037】
【数3】
【0038】
【数4】
【0039】
【数5】
【0040】
(式3)〜(式5)から分かるように、第1変調部1は、予め決定された第1補償値に応じて、同一のピクセルからそのピクセルデータ値が以前のフレームFn−1よりも現在のフレームFnにおいて更に大きくなると、現在のフレームFnよりも更に大きい値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調する反面、以前のフレームFn−1よりも現在のフレームFnにおいて更に小さくなると、現在のフレームFnよりも更に小さい値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。そして、第1変調部1は、同一のピクセルからそのピクセルデータ値が以前のフレームFn−1と現在のフレームFnにおいて同一であると、現在のフレームFnと同一の値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調、即ち、現在のフレームFnのデータを第2変調部2にそのまま供給する。
【0041】
このような第1変調部1は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2001−0032364号、第10−2001−0057119号、第10−2001−0054123号、第10−2001−0054124号、第10−2001−0054125号、第10−2001−0054127号、第10−2001−0054128号、第10−2001−0054327号、第10−2001−0054889号、第10−2001−0056235号、第10−2001−0078449号、第10−2002−0046858号、第10−2002−0074366号等に開示された変調方式を用いて液晶の応答特性を速くすることもできる。
【0042】
第2変調部2は、平板表示パネルの検査工程で測定された輝度に基づいて、平板表示パネルの表示面において輝度差によって表れるブロック、帯、点、または不定形の表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を2次変調する。表示むらは、フォトリソグラピ(
Photolithography)工程の露光工程でレンズ間の重畳、レンズ収差等によって主に発生される。具体的に言うと、フォトレジストの露光量の差異によって、1つの平板表示パネルの表示面上で薄膜トランジスタ(Thin film transistor)のゲート−ドレイン(または、ソース)間の寄生容量の偏差、セルギャップを保持するためのカラムスペーサの高さの偏差、信号配線と画素電極との寄生容量の偏差等が存在するようになり、その結果、正常的な輝度に示される正常表示面に比べ、ブロック、帯、点または不定形の面状に輝度の低いまたは高い表示むらが表れる。表示むらは、正常表示面と異なる輝度に表れる面、または正常表示面と境界を成して、漸進的な傾度に輝度が変化される境界部を含む。このような表示むらの輝度は、一般的に正常表示面の輝度よりも低いか高いので、第2変調部2は表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)に第2補償値を加算または減算して、表示むらの輝度を正常表示面と類似する輝度に補償する。
【0043】
更に、第2変調部2は、平板表示パネルの表示むらの外にも、直下型バックライトユニットを採用した液晶表示装置において、直下型バックライトユニットのランプが映されるランプ輝線を補償するための第3補償値をメモリ3から読み取り、その第3補償値でランプ輝線と対応するデジタルビデオデータODC(RGB)を減算して、ランプ輝線によって明るく映される部分の輝度を低く補償する。また、第2変調部2は、図5に示すように、TFTの不良等によって信号が供給されない不良サブピクセル50をそれと同一の色を表現するための隣接サブピクセル51と電気的にショット(Short)させて、リンクサブピクセル53に対して充電特性を補償するための第4補償値でそのリンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を変調する。詳細に説明すると、図5に示すように、リペア工程で同一の色の正常サブピクセル51と不良サブピクセル50が導伝性ショットパターン52を通じて電気的に連結される。このリンクサブピクセル53において、正常サブピクセル51と不良サブピクセル50は同時にデータ電圧が充電される。ところで、リンクサブピクセル53は、1つの薄膜トランジスタを通じて2つのサブピクセルに含まれた画素電極に電荷が供給されるので、リンクされていない正常サブピクセル51に比べて充電特性が異なるようになる。例えば、リンクサブピクセル53とリンクされていない正常サブピクセル51に同一のデータ電圧が供給される場合、リンクサブピクセル53は2つのサブピクセルに電荷が分散されるので、リンクされていない正常サブピクセル51に比べて電荷充電量が少ない。その結果、リンクされていない正常サブピクセル51とリンクサブピクセル53に同一のデータ電圧が供給される際、リンクサブピクセル53は、データ電圧が小さいほど、透過率または階調が高くなるノーマリホワイトモード(Normally White Mode)でリンクされていない正常サブピクセル51に比べて更に明るく映される。反面、リンクされていない正常サブピクセル51とリンクサブピクセル53に同一のデータ電圧が供給される際、リンクサブピクセル53は、データ電圧が大きいほど、透過率または階調が高くなるノーマリブラックモード(Normally Black Mode)でリンクされていない正常サブピクセル51に比べて更に暗く映される。このようなリンクサブピクセル53の充電量の低下を補償するために、第4補償値はリンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)に加算または減算される。このような第4補償値は、リンクサブピクセル53の位置と、リンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)の階調値によって異なるようになる。
【0044】
このような第2変調部2で用いられる補償値の決定方法と、その補償値を用いる表示面の輝度差の補償例を図6〜図11を参照して説明する。
【0045】
図6において、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置の製造方法は、上板及び下板をそれぞれ作成した後、上/下板をシール剤(Sealant)やフリットガラス(Frit glass)で合着する(S51、S52、S53)。上板と下板は、平板表示パネルの種類によって様々な形態に作成され得る。例えば、液晶表示パネルの場合、上板には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、共通電極、上部配向膜等が形成され得ると共に、下板には、データライン、ゲートライン、TFT、画素電極、下部配向膜、カラムスペーサ等が形成され得る。また、プラズマディスプレイパネルの場合、下板には、アドレス電極、下部誘電体、隔壁、蛍光体等が形成され得ると共に、上板には、上部誘電体、MgO保護膜、サステイン電極対が形成され得る。
【0046】
続いて、平板表示装置の検査工程で、上/下板が合着された平板表示装置に対して、各階調のテストデータを平板表示装置に印加してテスト画像を示し、その画像に対して、カメラ等の測定装備を用いる電気的な検査及び/または肉眼検査を通じて表示面の全体の輝度を測定する(S54)。そして、検査工程で、平板表示装置に表示むらが発見されると(S55)、その表示むらが表れる位置と表示むらの輝度とを分析する(S56)。ここで、表示むらは、前述のように、正常表示面に比べて輝度が低いか高い面、あるいは正常表示面に比べて輝度が高いランプ輝線を含む。
【0047】
そして本発明は、平板表示装置の表示むらの判定工程で、表示むらの各ピクセルを指示する位置データと階調領域別補償値とを決定した後、表示むらの各ピクセル別の位置を指示する位置データと、デジタルビデオデータODC(RGB)に加減される補償値とを、ユーザコネクタ(User connector)とローム記録器(ROM writer)とを通じてメモリ3に格納する(S57、S58)。ここで、デジタルビデオデータODC(RGB)に加減される補償値は、図7に示すように、平板表示パネルのアナログガンマ特性を顧慮して、各階調領域(A区間〜D区間)別に最適化するべきである。例えば、第2及び第3補償値は、表示むらで輝度の異なる位置毎に異なるようになり、また、同一の位置でも階調によって異なるようになる。換言すると、表示むらの階調領域別の補償値は、表示むらの位置、表示むらと正常表示面の輝度差、表示むらに示されるデジタルビデオデータの階調値等によって異なるようになる。
【0048】
S55の段階で、表示むらの大きさ、個数及び程度が良品許容基準値の以下に発見されると、その平板表示装置は良品として判定されて出荷される(S59)。
【0049】
このような一連の工程を経て決定された補償値と位置データに基づいて、第2変調部2は、ブロック、面、線、点、不定形の形態の表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を変調する。同一の階調で、正常表示面に比べて輝度の低い表示むらに示されるデジタルビデオデータは補償値が加算される反面、同一の階調で、正常表示面に比べて輝度の高い表示むらまたはランプ輝線に示されるデジタルビデオデータは補償値で減算される。このように第2変調部2によって変調されてデータ駆動回路5に供給されるデジタルビデオデータDCA(RGB)は、駆動回路5によって平板表示パネルの駆動特性に応じてアナログ電圧またはアナログ電流に変換されて平板表示パネルに供給される。平板表示パネルに示されるデータは、第1及び第2変調部1、2によるデジタルビデオデータの変調の結果、未変調の際よりも応答速度が更に速くなり、図8に示すように、同一の階調を示す場合、表示むら部の輝度と正常表示面の輝度との差異は殆どなくなる。
【0050】
第2変調部2の変調に必要な補償値は、整数、あるいは整数+1未満の小数に決定され得る。また、第2変調部2は、予め設定されたプログラムによってディザリング(Dithering)や、図9に示すようなディザパターンを用いるフレームレートコントロール(Frame Rate Control)に補償値の小数を表現する。
【0051】
図9は、補償値「1/8」を表現するための1/8ディザパターン、補償値「2/8」を表現するための2/8ディザパターン、補償値「3/8」を表現するための3/8ディザパターン、補償値「4/8」を表現するための4/8ディザパターン、補償値「5/8」を表現するための5/8ディザパターン、補償値「6/8」を表現するための6/8ディザパターン、及び補償値「7/8」を表現するための7/8ディザパターンを示す図面である。それぞれのディザパターンにおいて赤色に示す部分は、デジタルビデオデータODC(RGB)に「1」が加算される補償ピクセルを意味し、4ピクセル×8ピクセルの大きさを有する各ディザパターンの内で補償ピクセルの数に応じて補償値が決定され、その補償ピクセルの位置は補償値が適用されるピクセルの繰り返しの周期を少なくするためにフレーム毎に変わる。
【0052】
第2変調部2は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2005−0097618号、第10−2005−0100927号、第10−2005−0100934号、第10−2005−0117064号、第10−2005−0109703号、第10−2005−0118959号、第10−2005−0118966号等に開示された変調方式を適用することができる。
【0053】
図10は、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0054】
図10において、本発明のデータ多重変調方法は、以前のフレームFn−1のデジタルビデオデータRiGiBiと現在のフレームのデジタルビデオデータRiGiBiとを比較し、その比較の結果に応じて応答特性を向上させるために、予め設定された補償値で現在のフレームのデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調して、1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)を生成する(S81、S82)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、v位置に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を表示むらの輝度を補償するために予め設定された補償値で2次変調して、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S83)。
【0055】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S84)。
【0056】
前述の平板表示装置のデータ多重変調方法の実施の形態1において、第1変調部1と第2変調部2との位置が互いに変わると、輝度逆転現象が発生されることもできる。このような一例は次のようである。この例に対して表1〜表3と図11とを結び付けて説明する。
【0057】
デジタルビデオデータの階調値が「50」〜「100」である階調領域において、表示むらに対して正常表示面のような輝度に補償するために、最適化された補償値が「3/8」でデジタルビデオデータに対して1次変調を行った後、平板表示パネルの応答特性を改善するために、表1のような補償値で1次変調されたデジタルビデオデータを2次変調すると仮定する。
【0058】
この表示むらに示される階調値「G95」(Rデータ「95」、Gデータ「95」、Bデータ「95」)の入力デジタルビデオデータRiGiBiが、図9に示すように、4ピクセル×8ピクセルの大きさを有して、12個の補償ピクセルに「1」が加算される3/8ディザパターンによって、8フレーム期間の間に補償値「3/8」が加算されると、そのディザパターン内でn−1番目のフレームFn−1に入力された32個のデジタルビデオデータRiGiBiのうち、20個のデジタルビデオデータRiGiBiの階調値が「G95」であり、ディザパターン内の補償ピクセルに対応する12個のデジタルビデオデータRiGiBiの階調値が「G95」から「G96」に変わる。
【0059】
このように、3/8ディザパターンによって第1補償値で補償される表示むらに対して、n−1番目のフレームFn−1に入力されたデジタルビデオデータRiGiBiがその次のn番目のフレームで下記の表2のように変わり、その変化の可否と程度に応じて、表1に示すような応答特性の改善のための第1補償値で2次変調すると、その補償程度は表2のようになる。
【0060】
【表2】
【0061】
表2において、応答特性を改善するための第1補償値は、表1と(式3)〜(式5)によって求められる。即ち、表1に示すように、デジタルビデオデータの階調値がn−1番目のフレーム期間Fn−1で「G96」であり、その後、n番目のフレーム期間Fnで「G64」に低くなると、応答特性を改善するための第1補償値によって、n番目のフレーム期間Fnでその階調値は−4だけ低くなる。即ち、G96(Fn−1)=>G64(Fn)であると、そのデジタルビデオデータは「G60(Fn)」となる。反面、表1に示すように、デジタルビデオデータの階調値がn−1番目のフレーム期間Fn−1で「G64」であり、その後、n番目のフレーム期間Fnで「G96」に高くなると、応答特性を改善するための第1補償値によって、n番目のフレーム期間Fnでその階調値は+8だけ高くなる。即ち、G64(Fn−1)=>G96(Fn)であると、そのデジタルビデオデータは「G104(Fn)」となる。このような関係と線形近似を用いると、G96(Fn−1)〜G64(Fn)、G64(Fn−1)〜G96(Fn)の間の範囲でデジタルビデオデータの階調値が1階調だけ上昇または下降する場合の第1補償値は下記の比例式によって求められる。
【0062】
1:x=32:8、従って、階調範囲の内でn−1番目のフレームとn番目のフレームの間でデジタルビデオデータが1階調だけ高くなる場合の第1補償値xは、x=+0.25となる。
【0063】
そして、1:x=32:4、従って、階調範囲の内でn−1番目のフレームとn番目のフレームの間でデジタルビデオデータが1階調だけ低くなる場合の第1補償値xは、x=−0.125となる。このような第1補償値を3/8ディザパターンに1次変調された表2のデジタルビデオデータに加算すると、その結果は下記の表3のようである。
【0064】
【表3】
【0065】
従って、表示むらの内で3/8ディザパターンに補償される32個のピクセルのデジタルビデオデータが応答特性を改善するために第1補償値で2次変調された後、その32個のピクセルに示されるデジタルビデオデータの平均階調値は「95.421875」と変わる。
【0066】
これに対して、表示むらの内の32個のピクセルに示されるデジタルビデオデータの好ましい平均階調値は「95+3/8=95.375」である。従って、第2変調部(2)−>第1変調部(1)の順に変調が行われると、表示むらの内の32個のピクセルで好ましく補償される補償結果よりも0.046875だけ加算されるので、図11に示すように、表示むらの輝度が更に高く示される輝度逆転現象が発生する。換言すると、同一の平板表示パネルの表示面の全体に階調値「G95」を表示する際、そのうち、表示むらでデジタルビデオデータが「+0.375」となる場合、図8に示すように、基準面と表示むらの輝度がほぼ同一になるが、変調順序が変わると表示むらの輝度が補償され過ぎて、図11に示すように表示むらの輝度が高くなる。
【0067】
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100を示す図面である。
【0068】
図12において、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiの輝度を分析して、その輝度の分析結果に基づいてデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調すると共に、バックライトの輝度を調整する第3変調部21と、表示むらの輝度を補償するために、第3変調部21によって変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、表示むらに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を第2補償値で2次変調し、ランプ輝線に対応する表示面に示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を第3補償値で2次変調し、リンクサブピクセルの充電量を補償するために、第4補償値でリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を2次変調する第4変調部22と、第3及び第4変調部21、22に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ23と、第4変調部22から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路25とを備えている。
【0069】
メモリ23は、前述の実施の形態1と同様に、EEPROM及び/またはEDID ROMを含み、第3及び第4変調部21、22のそれぞれのデータ変調に必要な補償値と、第4変調部22に必要な位置情報を格納する。
【0070】
第3変調部21は、図13に示すような回路構成を用いて1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiに対して輝度を分析し、その輝度の分析結果に応じてメモリ3に格納された第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調し、明るい映像部分に示されるデジタルビデオデータRiGiBiの輝度値を高くする反面、相対的に暗い映像部分に示されるデジタルビデオデータRiGiBiの輝度値を低くする。第5補償値は、各階調区間の輝度及びコントラストを強化するための多様な形態のデータストラッチングカーブの出力階調に対応する値で決定される。ここで、第3変調部21は、1画面の階調分布でデジタルビデオデータRiGiBiが集中される階調区間では傾斜度が高くて、相対的にデジタルビデオデータRiGiBiの分布の小さな階調区間では傾斜度が小さいデータストラッチングカーブの第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。これと同時に、第3変調部21は、輝度の分析結果に応じて、明るい映像部分に光を照射するバックライト光源の明るさを高くする反面、相対的に暗い部分に光を照射するバックライト光源の明るさを低くするように、液晶表示装置のバックライトユニットの輝度を制御する。結果的に、第3変調部21は、映像の分析結果に応じて、デジタルビデオデータRiGiBiの輝度を変調すると共に、バックライト輝度を制御し、表示映像の輝度及びコントラストを増加させて、動画像における動的明暗対比(
Dynamic contrast ratio)を大きくする。
【0071】
第4変調部22は、メモリに格納された補償値を用いて第3変調部21から入力されるデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、パネル欠陥面、バックライト輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)の輝度を補償する。この第4変調部22は、前述の実施の形態1の第2変調部2の回路構成及び動作と実質的に同一であるので、それについての詳細な説明は省略する。
【0072】
図13は、第3変調部21の回路構成を詳細に示す図面である。
【0073】
図13において、第3変調部21は輝度/色分離部211、遅延部212、輝度/色ミキシング部213、ヒストグラム分析部215、データ処理部214、及びバックライト制御部216を備えている。
【0074】
輝度/色分離部211はデジタルビデオデータRiGiBiを輝度成分Yと色差成分U、Vに分離する。ここで、輝度成分Yと色差成分U、Vのそれぞれは(式6)〜(式8)によって算出される。
【0075】
【数6】
【0076】
【数7】
【0077】
【数8】
【0078】
ヒストグラム分析部215は、輝度/色分離部211によって分離された輝度成分Yの入力を受けて、その輝度成分Yを階調別累積分布関数で分類、即ち、図14に示すようなヒストグラムで分類する。また、ヒストグラム分析部215は、水平及び垂直同期信号H、Vとクロック信号CLKを用いてデジタルビデオデータRiGiBiの表示位置を判断する。
【0079】
データ処理部218は、ヒストグラム分析部215から入力されるヒストグラムの分析結果と、メモリ23から入力される第5補償値を用いて、入力映像の輝度成分Yを選択的に変調し、明暗対比が選択的に強調された輝度成分YMを出力する。このような輝度成分YMの変調方法には多様な方法があり、その例として、本願の出願人によって既出願された大韓民国特許出願第10−2003−036289号、第10−2003−040127号、第10−2003−041127号等から提案された方法が用いられる。
【0080】
遅延部212は、データ処理部214で変調された輝度成分YMが生成されるまで色差成分U、Vを遅延させて、輝度/色ミキシング部213に入力される変調された輝度成分YMと色差成分UD、VDを同期させる。
【0081】
輝度/色ミキシング部213は、変調された輝度成分YMと遅延された色差成分UD、VDを変数とする下記の(式9)〜(式11)を用いて、第4変調部22に供給されるデジタルビデオデータAI(RGB)を算出する。
【0082】
【数9】
【0083】
【数10】
【0084】
【数11】
【0085】
バックライト制御部216は、ヒストグラム分析部215から入力されるヒストグラムの分析結果とデジタルビデオデータRiGiBiのそれぞれの表示位置の判定結果に基づいてディミング信号Dimを異なるように発生し、データ処理部214によって明暗対比が強調されたデータAI(RGB)の表示面に光を照射するバックライト光源の輝度を調整する。
【0086】
インバータ217は、ディミング制御信号Dimに応じてバックライト光源のそれぞれに供給される駆動交流電源のデュティ比(duty ratio、または点灯及び消灯比)を異なるように制御して、表示映像の輝度に応じてバックライト輝度を異なるように制御する。このインバータ217によって駆動されるバックライト光源は、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathod
Fluorescent Lamp:CCFL)、外部電極蛍光ランプ(
External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)の中のいずれか1つ、またはこれらの組み合わせによって実現される。
【0087】
第3変調部21の変調方法は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2003−0099334号、第10−2004−0030334号、第10−2003−0041127号、第10−2004−0078112号、第10−2003−0099330号、第10−2004−0115740号、第10−2004−0049637号、第10−2003−0040127号、第10−2003−0081171号、第10−2004−0030335号、第10−2004−0049305号、第10−2003−0081174号、第10−2003−0081175号、第10−2003−0081172号、第10−2003−0080177号、第10−2003−0081173号、第10−2004−0030336号等に詳細に説明されていて、このような変調方法の全てが本発明に適用され得る。
【0088】
図15は、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0089】
図15において、本発明のデータ多重変調方法は、1画面分の映像で輝度を分析し、その分析結果に応じて明暗の対比を部分的に強調するために、所定の第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調し、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)を生成する(S151、S152)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、リンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を所定の第2〜第4補償値で2次変調し、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S153)。
【0090】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S154)。
【0091】
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100を示す図面である。
【0092】
図16において、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiの輝度を分析して、その輝度の分析結果に基づいてデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調すると共に、バックライトの輝度を調整する第1変調部161と、応答特性を改善するためにデジタルビデオデータRiGiBiを2次変調する第2変調部162と、表示むら、ランプ輝線及びリンクサブピクセル等に示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を3次変調する第3変調部163と、変調部161、162、163に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ164と、第3変調部163から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路165とを備えている。
【0093】
メモリ164は、前述の実施の形態1、2と同様に、EEPROM及び/またはEDID ROMを含み、変調部161、162、163のそれぞれのデータ変調に必要な補償値と位置情報を格納する。
【0094】
第1変調部161は、図12に示す第3変調部21と実質的に同一である。
【0095】
第2変調部162は、図1に示す第1変調部1と同一の回路構成を用いて、第1変調部161によって明暗対比が強調された1次変調デーアAI(RGB)に対する応答特性を高くするために、2次変調する。
【0096】
第3変調部163は、図1に示す第2変調部2と、図12に示す第4変調部22と実質的同一の回路構成を用いて、第2変調部162から入力されるデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータODC(RGB)を3次変調する。
【0097】
データ駆動回路5は、第3変調部163から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルの駆動特性に応じてアナログ電圧またはアナログ電流に変換して、平板表示パネルのデータラインに供給する。
【0098】
輝度逆転現象を予防するために、第3変調部163は、第1及び第2変調部161、162に続いてデータ変調を行うべきであり、第1及び第2変調部161、162のデータ変調順序は変更され得る。
【0099】
図17は、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0100】
図17において、本発明のデータ多重変調方法は、1画面分の映像で輝度を分析し、その分析結果に応じて明暗対比を部分的に強調するために、所定の第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調し、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)を生成する(S171、S172)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)に対して、以前のフレームと現在のフレームとの間での変化の可否及び程度を比較し、その比較結果に応じてデジタルビデオデータAI(RGB)を2次変調して、そのデータに対する平板表示パネルの応答特性を高くする(S173)。
【0101】
続いて、本発明のデータ多重変調方法は、2次変調されたデータODC(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、リンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を3次変調し、3次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S174)。
【0102】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、3次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S175)。
【0103】
実施の形態4.
一方、前述の実施の形態1〜3で説明したメモリ3、23、164は、互いに異なる変調部に共通的に接続され、かつ4ピン(pin)、6ピンまたは30ピンのユーザコネクタを通じてローム記録器(Rom writer)に接続され得る。また、ローム記録器は、ユーザインタフェースを有するコンピュータに接続され得る。従って、メモリ3、23、164に格納される補償値と位置情報は、パネル特性の差異、製造工程の差異によって修正が必要な場合、ローム記録器とユーザコネクタを通じて供給されるユーザデータによって修正され得る。
【0104】
図18は、本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【0105】
図18において、本発明の液晶表示装置は、データライン106とゲートライン108が交差し、その交差部に液晶セルClcを駆動するための薄膜トランジスタTFTが形成された液晶表示パネル103と、予め格納された補償値と位置情報を用いてデジタルビデオデータRiGiBiを変調するためのデータ多重変調装置100と、データライン106に補償されたデータDCA(RGB)を供給するデータ駆動回路101と、ゲートライン106にスキャン信号を供給するゲート駆動回路102と、駆動回路101、102を制御するタイミングコントローラ104とを備えている。
【0106】
液晶表示パネル103は、2枚の基板(TFT基板、カラーフィルタ基板)の間に液晶分子が注入される。TFT基板上に形成されたデータライン106とゲートライン108は互いに直交する。データライン106とゲートライン108の交差部に形成されたTFTは、ゲートライン108からのスキャン信号に応じて、データライン106を経由して供給されるデータ電圧を液晶セルClcのピクセル電極に供給する。カラーフィルタ基板上には、図示せずのブラックマトリクス、カラーフィルタ、及び共通電極が形成される。共通電極は、電界印加方式に応じてTFT基板上に形成され得る。このようなTFT基板とカラーフィルタ基板には、互いに垂直の透過軸を有する偏光板がそれぞれ付けられる。
【0107】
データ多重変調装置100は、前述の実施の形態1〜3で説明した通り、映像分析結果に応じて部分的に明暗比が強調されるようにすると共に、液晶表示パネル103の応答特性を向上させるために、互いに異なる補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調した後、そのデータのうち、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータの輝度を補償するための変調を行う。
【0108】
タイミングコントローラ104は、データ多重変調装置100からのデジタルビデオデータDCA(RGB)をドットクロックDCLKに合わせてデータ駆動回路101に供給すると共に、垂直/水平同期信号Vsync、Hsync、データイネーブル信号DE、及びドットクロックDCLKを用いてゲート駆動回路102を制御するためのゲート制御信号GDC、データ駆動回路101を制御するためのデータ制御信号DDCを発生する。このようなデータ多重変調装置100とタイミングコントローラ104は1つのチップで集積され得る。
【0109】
データ駆動回路101は、タイミングコントローラ104から供給されるデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログガンマ補償電圧に変換し、そのアナログガンマ補償電圧をデータ電圧としてデータライン106に供給する。このデータ駆動回路101は、前述の実施の形態1〜3で説明したデータ駆動回路5、25、165と実質的同一である。
【0110】
ゲート駆動回路102は、データ電圧が供給される水平ラインを選択するスキャン信号をゲートライン108に順次供給する。
【0111】
このような液晶表示装置は、他の平板表示装置にも別の変更なしで適用され得る。例えば、液晶表示パネル103は、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子等に代えることができる。
【0112】
前述のように、本発明に係る平板表示装置及びそのデータ多重変調方法は、明暗比と応答特性を向上させるための変調を施した後、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータに対する変調を行うことによって、多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防することができる。
【0113】
以上、説明した内容を通じて、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で種々なる変更及び修正が可能であることが分かる。従って、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により定めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1変調部による変調によって応答特性の改善効果を示すグラフである。
【図3】図1に示す第1変調部による変調によって応答特性の改善効果を示すグラフである。
【図4】図1に示す第1変調部を詳細に示すブロック図である。
【図5】リンクサブピクセルを説明するための図面である。
【図6】平板表示パネルに対する検査工程から第2〜第4補償値の決定及び格納工程までの工程順序を段階的に示すフローチャートである。
【図7】階調別ガンマ補償電圧を示すグラフである。
【図8】表示むらと正常表示面の輝度差、第2補償値及び第2補償値が適用された表示むらの輝度補償の例を示す図面である。
【図9】フレームレートコントロールFRCに適用することのできるディザパターンの例を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図11】変調順序が変わる際に現れる輝度逆転現象の一例を説明するための図面である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図13】図12に示す第3変調部を詳細に示すブロック図である。
【図14】ヒストグラムの一例を示すグラフである。
【図15】本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0115】
1、2、22、21、161、162、163:変調部
3、23、164:メモリ
5、25、165、101:データ駆動回路
43a、43b:フレームメモリ
44:ルックアップテーブル
50:不良サブピクセル
51:正常サブピクセル
52:導伝性ショットパターン
53:リンクサブピクセル
100:データ多重変調装置
102:ゲート駆動回路
103:液晶表示パネル
104:タイミングコントローラ
211:輝度/色分離部
212:遅延部
213:輝度/色ミキシング部
214:データ処理部
215:ヒストグラム分析部
216:バックライト制御部
217:インバータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板表示装置に関し、特に、データを複数回にわたって変調する多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防するようにする平板表示装置及びそのデータ多重変調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置には、液晶表示素子(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)及び有機発光ダイオード表示素子(Organic Light Emitting Diode Display:OLED)等があり、これらの大分が実用化して市販されている。
【0003】
平板表示装置における応答速度の改善、あるいは動画像における輝度及びコントラストの改善のために、デジタルビデオデータを変調し、変調されたデジタルビデオデータに基づいて平板表示パネルを駆動する方法が提案されている。
【0004】
データ変調方法を実現するために、平板表示装置の駆動回路にはデータ変調方法のうち、いずれか1つ以上を実現するための回路が含まれている。様々な目的のデータ変調方法を共に適用する場合、変調されなかった元デジタルビデオデータ(original digital video data)をソースデータとして設計された目的値でデータを変調する2次データ変調方式に先立って、ある目的値で1次データ変調を行うと、2次データ変調の際にソースデータが変形されて、設計際の目的値とは異なる値でデータが変わり得る。この場合、2次データ変調によって変調されたデジタルビデオデータに基づいて平板表示パネルを駆動すると、予期しない輝度反転が発生する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、従来の技術によって発生する問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防することのできる平板表示装置及びそのデータ多重変調方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0007】
不良表示領域は、正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域とを含む。
【0008】
第2変調器は、第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに第2補償値を加算し;第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに第2補償値を減算する。
【0009】
平板表示装置は、補償値と不良表示領域の位置情報を格納するメモリを更に備えている。
【0010】
メモリは、EEPROMとEDID ROMのうち、1つ以上を備えている。
【0011】
平板表示装置は、デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;データ駆動回路にデジタルビデオデータを供給すると共に、データ駆動回路とスキャン起動回路を制御するタイミングコントローラを更に備えている。
【0012】
タイミングコントローラ、第1及び第2変調器は1つのチップに集積される。
【0013】
平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含む。
【0014】
また、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0015】
また、本発明に係る平板表示装置は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータと、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;を備えている。
【0016】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【0017】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【0018】
また、本発明に係る平板表示装置のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び、同一の階調を平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示されるデジタルビデオデータと、平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る平板表示装置及びそのデータ多重変調方法によれば、明暗比と応答特性を向上し、輝度反転現象を予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態1.
上記目的の外、本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面を参照した実施の形態についての説明を通じて明らかに示される。
【0021】
以下、図1〜図18を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0022】
図1において、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、応答特性を改善するために、第1補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調する第1変調部1と、第1変調部1によって変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を第2補償値で2次変調し、ランプ輝線に対応する表示面に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を第3補償値で2次変調し、リンクサブピクセルの充電量を補償するために、第4補償値でリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を2次変調する第2変調部2と、第1及び第2変調部1、2に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ3と、第2変調部2によって変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路5とを備えている。
【0023】
メモリ3は、データの更新及び消去が可能な非揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及び/またはEDID ROM(Extended Display Identification Data ROM)を含めて、第1及び第2変調部1、2のそれぞれのデータ変調に必要な第1〜第4補償値と、第2変調部2に必要な表示むらの各ピクセルの位置、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルの位置を指示する位置情報を格納する。一方、EDID ROMには補償値と位置情報の外にも、基本的にモニタ情報データとして販売者/生産者識別情報(ID)及び基本表示素子の変数及び特性等が格納される。メモリ3に格納された補償値はデジタルビデオデータRiGiBiと位置情報をリードアドレス(Read Adress)にして補償値を出力するルックアップテーブル(Look−up)の形態に格納される。
【0024】
第1変調部1は、以前のフレームデータと現在のフレームデータとを比較し、その比較結果に係るデータの変化を判断して、その判断結果に対応する第1補償値をメモリ3から読み取り、その第1補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調することによって、平板表示パネルの応答特性を向上させる。このような第1変調部1の1次データ変調による応答特性の改善原理を液晶の応答特性を中心として説明すると次のようである。
【0025】
液晶表示装置は、(式1)及び(式2)から分かるように、液晶の固有の粘性と弾性等の特性によって応答速度が遅いという問題点がある。
【0026】
【数1】
【0027】
ここで、τrは液晶に電圧が印加される際のライジング・タイム(rising time)を、Vaは印加電圧を、VFは液晶分子が傾斜運動を始めるフリーデリック遷移電圧(Freederick
Transition Voltage)を、dは液晶セルのセルギャップ(cell gap)を、γ(gamma)は液晶分子の回転粘度(rotational viscosity)をそれぞれ意味する。
【0028】
【数2】
【0029】
ここで、τfは液晶に印加された電圧がオフされた後、液晶が弾性復元力によって元の位置に戻されるフォーリング・タイム(falling time)を、Kは液晶固有の弾性係数をそれぞれ意味する。
【0030】
液晶表示装置で主に用いられているTNモード(Twisted Nematic mode)の液晶応答速度は、液晶材料の物性とセルギャップ等によって異なるが、通常、ライジングタイムが20〜80msであり、フォーリング・タイムが20〜30msである。このような液晶の応答速度は1フレーム期間(NTSC:16.67ms)よりも長い。このため、図2に示すように、液晶セルに充電される電圧が所望の電圧に達する前に次のフレームに進行されるので、動画像に画面が微かに写されるモーションブラリング(Motion Burring)現状が表れる。即ち、液晶の遅い応答速度によって、1つのレベルから他のレベルへデータ(VD)が変わる際、それに対応する表示輝度(BL)が、図2に示すように所望の目標の輝度に達しない。
【0031】
第1変調部1は、デジタルビデオデータRiGiBiを以前のフレームと現在のフレームとの間で比較し、その比較結果によって、予め設定された第1補償値を選択し、選択された補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調して、図3に示すように、液晶表示パネルに供給される電圧の絶対値をVDからMVDへ大きく、即ち、(式1)において|V2a−V2F|を大きくする。このために、第1変調部1は、2つのフレームメモリ43a、43bとルックアップテーブル44とを含む。
【0032】
第1及び第2フレームメモリ43a、43bは、データをフレーム単位に交互に格納し、格納されたデータを交互に出力してルックアップテーブル44に以前のフレームデータ、即ち、n−1番目のフレームデータFn−1を供給する。
【0033】
ルックアップテーブル44は、下記の表1に示すような第1補償値が登載され、メモリ3に格納される。このルックアップテーブル44は、n番目のフレームデータFnと第1及び第2フレームメモリ43a、43bから入力されるn−1番目のフレームデータFn−1を比較し、その比較結果に対応する第1補償値を1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)として出力する。このルックアップテーブル44はメモリ23に格納され、平板表示装置に電源が供給された直後に第1変調部1にロードされる。
【0034】
【表1】
【0035】
表1において、最も左側の列は以前のフレームFn−1のデジタルビデオデータRiGiBiであり、最も上側の行は現在のフレームFnのデジタルビデオデータRiGiBiである。
【0036】
表1から分かるように、第1変調部1は、下記のような(式3)〜(式5)によってデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。
【0037】
【数3】
【0038】
【数4】
【0039】
【数5】
【0040】
(式3)〜(式5)から分かるように、第1変調部1は、予め決定された第1補償値に応じて、同一のピクセルからそのピクセルデータ値が以前のフレームFn−1よりも現在のフレームFnにおいて更に大きくなると、現在のフレームFnよりも更に大きい値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調する反面、以前のフレームFn−1よりも現在のフレームFnにおいて更に小さくなると、現在のフレームFnよりも更に小さい値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。そして、第1変調部1は、同一のピクセルからそのピクセルデータ値が以前のフレームFn−1と現在のフレームFnにおいて同一であると、現在のフレームFnと同一の値にデジタルビデオデータRiGiBiを変調、即ち、現在のフレームFnのデータを第2変調部2にそのまま供給する。
【0041】
このような第1変調部1は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2001−0032364号、第10−2001−0057119号、第10−2001−0054123号、第10−2001−0054124号、第10−2001−0054125号、第10−2001−0054127号、第10−2001−0054128号、第10−2001−0054327号、第10−2001−0054889号、第10−2001−0056235号、第10−2001−0078449号、第10−2002−0046858号、第10−2002−0074366号等に開示された変調方式を用いて液晶の応答特性を速くすることもできる。
【0042】
第2変調部2は、平板表示パネルの検査工程で測定された輝度に基づいて、平板表示パネルの表示面において輝度差によって表れるブロック、帯、点、または不定形の表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を2次変調する。表示むらは、フォトリソグラピ(
Photolithography)工程の露光工程でレンズ間の重畳、レンズ収差等によって主に発生される。具体的に言うと、フォトレジストの露光量の差異によって、1つの平板表示パネルの表示面上で薄膜トランジスタ(Thin film transistor)のゲート−ドレイン(または、ソース)間の寄生容量の偏差、セルギャップを保持するためのカラムスペーサの高さの偏差、信号配線と画素電極との寄生容量の偏差等が存在するようになり、その結果、正常的な輝度に示される正常表示面に比べ、ブロック、帯、点または不定形の面状に輝度の低いまたは高い表示むらが表れる。表示むらは、正常表示面と異なる輝度に表れる面、または正常表示面と境界を成して、漸進的な傾度に輝度が変化される境界部を含む。このような表示むらの輝度は、一般的に正常表示面の輝度よりも低いか高いので、第2変調部2は表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)に第2補償値を加算または減算して、表示むらの輝度を正常表示面と類似する輝度に補償する。
【0043】
更に、第2変調部2は、平板表示パネルの表示むらの外にも、直下型バックライトユニットを採用した液晶表示装置において、直下型バックライトユニットのランプが映されるランプ輝線を補償するための第3補償値をメモリ3から読み取り、その第3補償値でランプ輝線と対応するデジタルビデオデータODC(RGB)を減算して、ランプ輝線によって明るく映される部分の輝度を低く補償する。また、第2変調部2は、図5に示すように、TFTの不良等によって信号が供給されない不良サブピクセル50をそれと同一の色を表現するための隣接サブピクセル51と電気的にショット(Short)させて、リンクサブピクセル53に対して充電特性を補償するための第4補償値でそのリンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を変調する。詳細に説明すると、図5に示すように、リペア工程で同一の色の正常サブピクセル51と不良サブピクセル50が導伝性ショットパターン52を通じて電気的に連結される。このリンクサブピクセル53において、正常サブピクセル51と不良サブピクセル50は同時にデータ電圧が充電される。ところで、リンクサブピクセル53は、1つの薄膜トランジスタを通じて2つのサブピクセルに含まれた画素電極に電荷が供給されるので、リンクされていない正常サブピクセル51に比べて充電特性が異なるようになる。例えば、リンクサブピクセル53とリンクされていない正常サブピクセル51に同一のデータ電圧が供給される場合、リンクサブピクセル53は2つのサブピクセルに電荷が分散されるので、リンクされていない正常サブピクセル51に比べて電荷充電量が少ない。その結果、リンクされていない正常サブピクセル51とリンクサブピクセル53に同一のデータ電圧が供給される際、リンクサブピクセル53は、データ電圧が小さいほど、透過率または階調が高くなるノーマリホワイトモード(Normally White Mode)でリンクされていない正常サブピクセル51に比べて更に明るく映される。反面、リンクされていない正常サブピクセル51とリンクサブピクセル53に同一のデータ電圧が供給される際、リンクサブピクセル53は、データ電圧が大きいほど、透過率または階調が高くなるノーマリブラックモード(Normally Black Mode)でリンクされていない正常サブピクセル51に比べて更に暗く映される。このようなリンクサブピクセル53の充電量の低下を補償するために、第4補償値はリンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)に加算または減算される。このような第4補償値は、リンクサブピクセル53の位置と、リンクサブピクセル53に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)の階調値によって異なるようになる。
【0044】
このような第2変調部2で用いられる補償値の決定方法と、その補償値を用いる表示面の輝度差の補償例を図6〜図11を参照して説明する。
【0045】
図6において、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置の製造方法は、上板及び下板をそれぞれ作成した後、上/下板をシール剤(Sealant)やフリットガラス(Frit glass)で合着する(S51、S52、S53)。上板と下板は、平板表示パネルの種類によって様々な形態に作成され得る。例えば、液晶表示パネルの場合、上板には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、共通電極、上部配向膜等が形成され得ると共に、下板には、データライン、ゲートライン、TFT、画素電極、下部配向膜、カラムスペーサ等が形成され得る。また、プラズマディスプレイパネルの場合、下板には、アドレス電極、下部誘電体、隔壁、蛍光体等が形成され得ると共に、上板には、上部誘電体、MgO保護膜、サステイン電極対が形成され得る。
【0046】
続いて、平板表示装置の検査工程で、上/下板が合着された平板表示装置に対して、各階調のテストデータを平板表示装置に印加してテスト画像を示し、その画像に対して、カメラ等の測定装備を用いる電気的な検査及び/または肉眼検査を通じて表示面の全体の輝度を測定する(S54)。そして、検査工程で、平板表示装置に表示むらが発見されると(S55)、その表示むらが表れる位置と表示むらの輝度とを分析する(S56)。ここで、表示むらは、前述のように、正常表示面に比べて輝度が低いか高い面、あるいは正常表示面に比べて輝度が高いランプ輝線を含む。
【0047】
そして本発明は、平板表示装置の表示むらの判定工程で、表示むらの各ピクセルを指示する位置データと階調領域別補償値とを決定した後、表示むらの各ピクセル別の位置を指示する位置データと、デジタルビデオデータODC(RGB)に加減される補償値とを、ユーザコネクタ(User connector)とローム記録器(ROM writer)とを通じてメモリ3に格納する(S57、S58)。ここで、デジタルビデオデータODC(RGB)に加減される補償値は、図7に示すように、平板表示パネルのアナログガンマ特性を顧慮して、各階調領域(A区間〜D区間)別に最適化するべきである。例えば、第2及び第3補償値は、表示むらで輝度の異なる位置毎に異なるようになり、また、同一の位置でも階調によって異なるようになる。換言すると、表示むらの階調領域別の補償値は、表示むらの位置、表示むらと正常表示面の輝度差、表示むらに示されるデジタルビデオデータの階調値等によって異なるようになる。
【0048】
S55の段階で、表示むらの大きさ、個数及び程度が良品許容基準値の以下に発見されると、その平板表示装置は良品として判定されて出荷される(S59)。
【0049】
このような一連の工程を経て決定された補償値と位置データに基づいて、第2変調部2は、ブロック、面、線、点、不定形の形態の表示むらに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を変調する。同一の階調で、正常表示面に比べて輝度の低い表示むらに示されるデジタルビデオデータは補償値が加算される反面、同一の階調で、正常表示面に比べて輝度の高い表示むらまたはランプ輝線に示されるデジタルビデオデータは補償値で減算される。このように第2変調部2によって変調されてデータ駆動回路5に供給されるデジタルビデオデータDCA(RGB)は、駆動回路5によって平板表示パネルの駆動特性に応じてアナログ電圧またはアナログ電流に変換されて平板表示パネルに供給される。平板表示パネルに示されるデータは、第1及び第2変調部1、2によるデジタルビデオデータの変調の結果、未変調の際よりも応答速度が更に速くなり、図8に示すように、同一の階調を示す場合、表示むら部の輝度と正常表示面の輝度との差異は殆どなくなる。
【0050】
第2変調部2の変調に必要な補償値は、整数、あるいは整数+1未満の小数に決定され得る。また、第2変調部2は、予め設定されたプログラムによってディザリング(Dithering)や、図9に示すようなディザパターンを用いるフレームレートコントロール(Frame Rate Control)に補償値の小数を表現する。
【0051】
図9は、補償値「1/8」を表現するための1/8ディザパターン、補償値「2/8」を表現するための2/8ディザパターン、補償値「3/8」を表現するための3/8ディザパターン、補償値「4/8」を表現するための4/8ディザパターン、補償値「5/8」を表現するための5/8ディザパターン、補償値「6/8」を表現するための6/8ディザパターン、及び補償値「7/8」を表現するための7/8ディザパターンを示す図面である。それぞれのディザパターンにおいて赤色に示す部分は、デジタルビデオデータODC(RGB)に「1」が加算される補償ピクセルを意味し、4ピクセル×8ピクセルの大きさを有する各ディザパターンの内で補償ピクセルの数に応じて補償値が決定され、その補償ピクセルの位置は補償値が適用されるピクセルの繰り返しの周期を少なくするためにフレーム毎に変わる。
【0052】
第2変調部2は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2005−0097618号、第10−2005−0100927号、第10−2005−0100934号、第10−2005−0117064号、第10−2005−0109703号、第10−2005−0118959号、第10−2005−0118966号等に開示された変調方式を適用することができる。
【0053】
図10は、本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0054】
図10において、本発明のデータ多重変調方法は、以前のフレームFn−1のデジタルビデオデータRiGiBiと現在のフレームのデジタルビデオデータRiGiBiとを比較し、その比較の結果に応じて応答特性を向上させるために、予め設定された補償値で現在のフレームのデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調して、1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)を生成する(S81、S82)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、v位置に示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を表示むらの輝度を補償するために予め設定された補償値で2次変調して、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S83)。
【0055】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S84)。
【0056】
前述の平板表示装置のデータ多重変調方法の実施の形態1において、第1変調部1と第2変調部2との位置が互いに変わると、輝度逆転現象が発生されることもできる。このような一例は次のようである。この例に対して表1〜表3と図11とを結び付けて説明する。
【0057】
デジタルビデオデータの階調値が「50」〜「100」である階調領域において、表示むらに対して正常表示面のような輝度に補償するために、最適化された補償値が「3/8」でデジタルビデオデータに対して1次変調を行った後、平板表示パネルの応答特性を改善するために、表1のような補償値で1次変調されたデジタルビデオデータを2次変調すると仮定する。
【0058】
この表示むらに示される階調値「G95」(Rデータ「95」、Gデータ「95」、Bデータ「95」)の入力デジタルビデオデータRiGiBiが、図9に示すように、4ピクセル×8ピクセルの大きさを有して、12個の補償ピクセルに「1」が加算される3/8ディザパターンによって、8フレーム期間の間に補償値「3/8」が加算されると、そのディザパターン内でn−1番目のフレームFn−1に入力された32個のデジタルビデオデータRiGiBiのうち、20個のデジタルビデオデータRiGiBiの階調値が「G95」であり、ディザパターン内の補償ピクセルに対応する12個のデジタルビデオデータRiGiBiの階調値が「G95」から「G96」に変わる。
【0059】
このように、3/8ディザパターンによって第1補償値で補償される表示むらに対して、n−1番目のフレームFn−1に入力されたデジタルビデオデータRiGiBiがその次のn番目のフレームで下記の表2のように変わり、その変化の可否と程度に応じて、表1に示すような応答特性の改善のための第1補償値で2次変調すると、その補償程度は表2のようになる。
【0060】
【表2】
【0061】
表2において、応答特性を改善するための第1補償値は、表1と(式3)〜(式5)によって求められる。即ち、表1に示すように、デジタルビデオデータの階調値がn−1番目のフレーム期間Fn−1で「G96」であり、その後、n番目のフレーム期間Fnで「G64」に低くなると、応答特性を改善するための第1補償値によって、n番目のフレーム期間Fnでその階調値は−4だけ低くなる。即ち、G96(Fn−1)=>G64(Fn)であると、そのデジタルビデオデータは「G60(Fn)」となる。反面、表1に示すように、デジタルビデオデータの階調値がn−1番目のフレーム期間Fn−1で「G64」であり、その後、n番目のフレーム期間Fnで「G96」に高くなると、応答特性を改善するための第1補償値によって、n番目のフレーム期間Fnでその階調値は+8だけ高くなる。即ち、G64(Fn−1)=>G96(Fn)であると、そのデジタルビデオデータは「G104(Fn)」となる。このような関係と線形近似を用いると、G96(Fn−1)〜G64(Fn)、G64(Fn−1)〜G96(Fn)の間の範囲でデジタルビデオデータの階調値が1階調だけ上昇または下降する場合の第1補償値は下記の比例式によって求められる。
【0062】
1:x=32:8、従って、階調範囲の内でn−1番目のフレームとn番目のフレームの間でデジタルビデオデータが1階調だけ高くなる場合の第1補償値xは、x=+0.25となる。
【0063】
そして、1:x=32:4、従って、階調範囲の内でn−1番目のフレームとn番目のフレームの間でデジタルビデオデータが1階調だけ低くなる場合の第1補償値xは、x=−0.125となる。このような第1補償値を3/8ディザパターンに1次変調された表2のデジタルビデオデータに加算すると、その結果は下記の表3のようである。
【0064】
【表3】
【0065】
従って、表示むらの内で3/8ディザパターンに補償される32個のピクセルのデジタルビデオデータが応答特性を改善するために第1補償値で2次変調された後、その32個のピクセルに示されるデジタルビデオデータの平均階調値は「95.421875」と変わる。
【0066】
これに対して、表示むらの内の32個のピクセルに示されるデジタルビデオデータの好ましい平均階調値は「95+3/8=95.375」である。従って、第2変調部(2)−>第1変調部(1)の順に変調が行われると、表示むらの内の32個のピクセルで好ましく補償される補償結果よりも0.046875だけ加算されるので、図11に示すように、表示むらの輝度が更に高く示される輝度逆転現象が発生する。換言すると、同一の平板表示パネルの表示面の全体に階調値「G95」を表示する際、そのうち、表示むらでデジタルビデオデータが「+0.375」となる場合、図8に示すように、基準面と表示むらの輝度がほぼ同一になるが、変調順序が変わると表示むらの輝度が補償され過ぎて、図11に示すように表示むらの輝度が高くなる。
【0067】
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100を示す図面である。
【0068】
図12において、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiの輝度を分析して、その輝度の分析結果に基づいてデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調すると共に、バックライトの輝度を調整する第3変調部21と、表示むらの輝度を補償するために、第3変調部21によって変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、表示むらに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を第2補償値で2次変調し、ランプ輝線に対応する表示面に示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を第3補償値で2次変調し、リンクサブピクセルの充電量を補償するために、第4補償値でリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を2次変調する第4変調部22と、第3及び第4変調部21、22に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ23と、第4変調部22から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路25とを備えている。
【0069】
メモリ23は、前述の実施の形態1と同様に、EEPROM及び/またはEDID ROMを含み、第3及び第4変調部21、22のそれぞれのデータ変調に必要な補償値と、第4変調部22に必要な位置情報を格納する。
【0070】
第3変調部21は、図13に示すような回路構成を用いて1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiに対して輝度を分析し、その輝度の分析結果に応じてメモリ3に格納された第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調し、明るい映像部分に示されるデジタルビデオデータRiGiBiの輝度値を高くする反面、相対的に暗い映像部分に示されるデジタルビデオデータRiGiBiの輝度値を低くする。第5補償値は、各階調区間の輝度及びコントラストを強化するための多様な形態のデータストラッチングカーブの出力階調に対応する値で決定される。ここで、第3変調部21は、1画面の階調分布でデジタルビデオデータRiGiBiが集中される階調区間では傾斜度が高くて、相対的にデジタルビデオデータRiGiBiの分布の小さな階調区間では傾斜度が小さいデータストラッチングカーブの第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調する。これと同時に、第3変調部21は、輝度の分析結果に応じて、明るい映像部分に光を照射するバックライト光源の明るさを高くする反面、相対的に暗い部分に光を照射するバックライト光源の明るさを低くするように、液晶表示装置のバックライトユニットの輝度を制御する。結果的に、第3変調部21は、映像の分析結果に応じて、デジタルビデオデータRiGiBiの輝度を変調すると共に、バックライト輝度を制御し、表示映像の輝度及びコントラストを増加させて、動画像における動的明暗対比(
Dynamic contrast ratio)を大きくする。
【0071】
第4変調部22は、メモリに格納された補償値を用いて第3変調部21から入力されるデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、パネル欠陥面、バックライト輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータAI(RGB)の輝度を補償する。この第4変調部22は、前述の実施の形態1の第2変調部2の回路構成及び動作と実質的に同一であるので、それについての詳細な説明は省略する。
【0072】
図13は、第3変調部21の回路構成を詳細に示す図面である。
【0073】
図13において、第3変調部21は輝度/色分離部211、遅延部212、輝度/色ミキシング部213、ヒストグラム分析部215、データ処理部214、及びバックライト制御部216を備えている。
【0074】
輝度/色分離部211はデジタルビデオデータRiGiBiを輝度成分Yと色差成分U、Vに分離する。ここで、輝度成分Yと色差成分U、Vのそれぞれは(式6)〜(式8)によって算出される。
【0075】
【数6】
【0076】
【数7】
【0077】
【数8】
【0078】
ヒストグラム分析部215は、輝度/色分離部211によって分離された輝度成分Yの入力を受けて、その輝度成分Yを階調別累積分布関数で分類、即ち、図14に示すようなヒストグラムで分類する。また、ヒストグラム分析部215は、水平及び垂直同期信号H、Vとクロック信号CLKを用いてデジタルビデオデータRiGiBiの表示位置を判断する。
【0079】
データ処理部218は、ヒストグラム分析部215から入力されるヒストグラムの分析結果と、メモリ23から入力される第5補償値を用いて、入力映像の輝度成分Yを選択的に変調し、明暗対比が選択的に強調された輝度成分YMを出力する。このような輝度成分YMの変調方法には多様な方法があり、その例として、本願の出願人によって既出願された大韓民国特許出願第10−2003−036289号、第10−2003−040127号、第10−2003−041127号等から提案された方法が用いられる。
【0080】
遅延部212は、データ処理部214で変調された輝度成分YMが生成されるまで色差成分U、Vを遅延させて、輝度/色ミキシング部213に入力される変調された輝度成分YMと色差成分UD、VDを同期させる。
【0081】
輝度/色ミキシング部213は、変調された輝度成分YMと遅延された色差成分UD、VDを変数とする下記の(式9)〜(式11)を用いて、第4変調部22に供給されるデジタルビデオデータAI(RGB)を算出する。
【0082】
【数9】
【0083】
【数10】
【0084】
【数11】
【0085】
バックライト制御部216は、ヒストグラム分析部215から入力されるヒストグラムの分析結果とデジタルビデオデータRiGiBiのそれぞれの表示位置の判定結果に基づいてディミング信号Dimを異なるように発生し、データ処理部214によって明暗対比が強調されたデータAI(RGB)の表示面に光を照射するバックライト光源の輝度を調整する。
【0086】
インバータ217は、ディミング制御信号Dimに応じてバックライト光源のそれぞれに供給される駆動交流電源のデュティ比(duty ratio、または点灯及び消灯比)を異なるように制御して、表示映像の輝度に応じてバックライト輝度を異なるように制御する。このインバータ217によって駆動されるバックライト光源は、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathod
Fluorescent Lamp:CCFL)、外部電極蛍光ランプ(
External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)の中のいずれか1つ、またはこれらの組み合わせによって実現される。
【0087】
第3変調部21の変調方法は、本願出願人によって先出願された大韓民国特許出願第10−2003−0099334号、第10−2004−0030334号、第10−2003−0041127号、第10−2004−0078112号、第10−2003−0099330号、第10−2004−0115740号、第10−2004−0049637号、第10−2003−0040127号、第10−2003−0081171号、第10−2004−0030335号、第10−2004−0049305号、第10−2003−0081174号、第10−2003−0081175号、第10−2003−0081172号、第10−2003−0080177号、第10−2003−0081173号、第10−2004−0030336号等に詳細に説明されていて、このような変調方法の全てが本発明に適用され得る。
【0088】
図15は、本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0089】
図15において、本発明のデータ多重変調方法は、1画面分の映像で輝度を分析し、その分析結果に応じて明暗の対比を部分的に強調するために、所定の第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調し、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)を生成する(S151、S152)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、リンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を所定の第2〜第4補償値で2次変調し、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S153)。
【0090】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、2次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S154)。
【0091】
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100を示す図面である。
【0092】
図16において、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置100は、1画面分のデジタルビデオデータRiGiBiの輝度を分析して、その輝度の分析結果に基づいてデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調すると共に、バックライトの輝度を調整する第1変調部161と、応答特性を改善するためにデジタルビデオデータRiGiBiを2次変調する第2変調部162と、表示むら、ランプ輝線及びリンクサブピクセル等に示されるデジタルビデオデータAI(RGB)を3次変調する第3変調部163と、変調部161、162、163に必要な補償値と位置情報を格納するメモリ164と、第3変調部163から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルに示すためのデータ駆動回路165とを備えている。
【0093】
メモリ164は、前述の実施の形態1、2と同様に、EEPROM及び/またはEDID ROMを含み、変調部161、162、163のそれぞれのデータ変調に必要な補償値と位置情報を格納する。
【0094】
第1変調部161は、図12に示す第3変調部21と実質的に同一である。
【0095】
第2変調部162は、図1に示す第1変調部1と同一の回路構成を用いて、第1変調部161によって明暗対比が強調された1次変調デーアAI(RGB)に対する応答特性を高くするために、2次変調する。
【0096】
第3変調部163は、図1に示す第2変調部2と、図12に示す第4変調部22と実質的同一の回路構成を用いて、第2変調部162から入力されるデジタルビデオデータODC(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータODC(RGB)を3次変調する。
【0097】
データ駆動回路5は、第3変調部163から入力されるデジタルビデオデータDCA(RGB)を平板表示パネルの駆動特性に応じてアナログ電圧またはアナログ電流に変換して、平板表示パネルのデータラインに供給する。
【0098】
輝度逆転現象を予防するために、第3変調部163は、第1及び第2変調部161、162に続いてデータ変調を行うべきであり、第1及び第2変調部161、162のデータ変調順序は変更され得る。
【0099】
図17は、本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【0100】
図17において、本発明のデータ多重変調方法は、1画面分の映像で輝度を分析し、その分析結果に応じて明暗対比を部分的に強調するために、所定の第5補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを1次変調し、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)を生成する(S171、S172)。そして、本発明のデータ多重変調方法は、1次変調されたデジタルビデオデータAI(RGB)に対して、以前のフレームと現在のフレームとの間での変化の可否及び程度を比較し、その比較結果に応じてデジタルビデオデータAI(RGB)を2次変調して、そのデータに対する平板表示パネルの応答特性を高くする(S173)。
【0101】
続いて、本発明のデータ多重変調方法は、2次変調されたデータODC(RGB)のうち、表示むら、ランプ輝線、リンクサブピクセルに示されるデジタルビデオデータODC(RGB)を3次変調し、3次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)を生成する(S174)。
【0102】
最後に、本発明のデータ多重変調方法は、平板表示パネルの駆動特性に合わせて、3次変調されたデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログ電圧またはアナログ電流に変換した後、そのアナログ電圧または電流を平板表示パネルに供給して画像を示す(S175)。
【0103】
実施の形態4.
一方、前述の実施の形態1〜3で説明したメモリ3、23、164は、互いに異なる変調部に共通的に接続され、かつ4ピン(pin)、6ピンまたは30ピンのユーザコネクタを通じてローム記録器(Rom writer)に接続され得る。また、ローム記録器は、ユーザインタフェースを有するコンピュータに接続され得る。従って、メモリ3、23、164に格納される補償値と位置情報は、パネル特性の差異、製造工程の差異によって修正が必要な場合、ローム記録器とユーザコネクタを通じて供給されるユーザデータによって修正され得る。
【0104】
図18は、本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【0105】
図18において、本発明の液晶表示装置は、データライン106とゲートライン108が交差し、その交差部に液晶セルClcを駆動するための薄膜トランジスタTFTが形成された液晶表示パネル103と、予め格納された補償値と位置情報を用いてデジタルビデオデータRiGiBiを変調するためのデータ多重変調装置100と、データライン106に補償されたデータDCA(RGB)を供給するデータ駆動回路101と、ゲートライン106にスキャン信号を供給するゲート駆動回路102と、駆動回路101、102を制御するタイミングコントローラ104とを備えている。
【0106】
液晶表示パネル103は、2枚の基板(TFT基板、カラーフィルタ基板)の間に液晶分子が注入される。TFT基板上に形成されたデータライン106とゲートライン108は互いに直交する。データライン106とゲートライン108の交差部に形成されたTFTは、ゲートライン108からのスキャン信号に応じて、データライン106を経由して供給されるデータ電圧を液晶セルClcのピクセル電極に供給する。カラーフィルタ基板上には、図示せずのブラックマトリクス、カラーフィルタ、及び共通電極が形成される。共通電極は、電界印加方式に応じてTFT基板上に形成され得る。このようなTFT基板とカラーフィルタ基板には、互いに垂直の透過軸を有する偏光板がそれぞれ付けられる。
【0107】
データ多重変調装置100は、前述の実施の形態1〜3で説明した通り、映像分析結果に応じて部分的に明暗比が強調されるようにすると共に、液晶表示パネル103の応答特性を向上させるために、互いに異なる補償値でデジタルビデオデータRiGiBiを変調した後、そのデータのうち、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータの輝度を補償するための変調を行う。
【0108】
タイミングコントローラ104は、データ多重変調装置100からのデジタルビデオデータDCA(RGB)をドットクロックDCLKに合わせてデータ駆動回路101に供給すると共に、垂直/水平同期信号Vsync、Hsync、データイネーブル信号DE、及びドットクロックDCLKを用いてゲート駆動回路102を制御するためのゲート制御信号GDC、データ駆動回路101を制御するためのデータ制御信号DDCを発生する。このようなデータ多重変調装置100とタイミングコントローラ104は1つのチップで集積され得る。
【0109】
データ駆動回路101は、タイミングコントローラ104から供給されるデジタルビデオデータDCA(RGB)をアナログガンマ補償電圧に変換し、そのアナログガンマ補償電圧をデータ電圧としてデータライン106に供給する。このデータ駆動回路101は、前述の実施の形態1〜3で説明したデータ駆動回路5、25、165と実質的同一である。
【0110】
ゲート駆動回路102は、データ電圧が供給される水平ラインを選択するスキャン信号をゲートライン108に順次供給する。
【0111】
このような液晶表示装置は、他の平板表示装置にも別の変更なしで適用され得る。例えば、液晶表示パネル103は、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子等に代えることができる。
【0112】
前述のように、本発明に係る平板表示装置及びそのデータ多重変調方法は、明暗比と応答特性を向上させるための変調を施した後、表示むら、ランプ輝線、及びリンクサブピクセルに示されるデータに対する変調を行うことによって、多重変調方法において、先に変調されたデータを再び変調する際に発生する輝度反転現象を予防することができる。
【0113】
以上、説明した内容を通じて、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で種々なる変更及び修正が可能であることが分かる。従って、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により定めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1変調部による変調によって応答特性の改善効果を示すグラフである。
【図3】図1に示す第1変調部による変調によって応答特性の改善効果を示すグラフである。
【図4】図1に示す第1変調部を詳細に示すブロック図である。
【図5】リンクサブピクセルを説明するための図面である。
【図6】平板表示パネルに対する検査工程から第2〜第4補償値の決定及び格納工程までの工程順序を段階的に示すフローチャートである。
【図7】階調別ガンマ補償電圧を示すグラフである。
【図8】表示むらと正常表示面の輝度差、第2補償値及び第2補償値が適用された表示むらの輝度補償の例を示す図面である。
【図9】フレームレートコントロールFRCに適用することのできるディザパターンの例を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図11】変調順序が変わる際に現れる輝度逆転現象の一例を説明するための図面である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図13】図12に示す第3変調部を詳細に示すブロック図である。
【図14】ヒストグラムの一例を示すグラフである。
【図15】本発明の実施の形態2に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調装置を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る平板表示装置のデータ多重変調方法の制御順序を段階的に示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0115】
1、2、22、21、161、162、163:変調部
3、23、164:メモリ
5、25、165、101:データ駆動回路
43a、43b:フレームメモリ
44:ルックアップテーブル
50:不良サブピクセル
51:正常サブピクセル
52:導伝性ショットパターン
53:リンクサブピクセル
100:データ多重変調装置
102:ゲート駆動回路
103:液晶表示パネル
104:タイミングコントローラ
211:輝度/色分離部
212:遅延部
213:輝度/色ミキシング部
214:データ処理部
215:ヒストグラム分析部
216:バックライト制御部
217:インバータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め貯蔵された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項2】
前記不良表示領域は、
前記正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;
前記正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域と;
を含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項3】
前記第2変調器は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算し;
前記第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を減算することを特徴とする請求項2に記載の平板表示装置。
【請求項4】
前記補償値と前記不良表示領域との位置情報を格納するメモリを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項5】
前記メモリは、
EEPROMとEDID ROMとのうち、1つ以上を備えたことを特徴とする請求項4に記載の平板表示装置。
【請求項6】
前記デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して前記平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;
前記平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;
前記データ駆動回路に前記デジタルビデオデータを供給すると共に、前記データ駆動回路と前記スキャン起動回路とを制御するタイミングコントローラ;
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項7】
前記タイミングコントローラ、前記第1及び第2変調器は1つのチップに集積されることを特徴とする請求項6に記載の平板表示装置。
【請求項8】
前記平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項9】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項10】
前記第2変調器は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算することを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項11】
前記補償値と前記リンクサブピクセルとの位置情報を格納するメモリを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項12】
前記メモリは、
EEPROMとEDID ROMとのうち、1つ以上を備えたことを特徴とする請求項11に記載の平板表示装置。
【請求項13】
前記デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して前記平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;
前記平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;及び
前記データ駆動回路に前記デジタルビデオデータを供給すると共に、前記データ駆動回路と前記スキャン起動回路とを制御するタイミングコントローラ;
を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項14】
前記タイミングコントローラ、前記第1及び第2変調器は1つのチップに集積されることを特徴とする請求項13に記載の平板表示装置。
【請求項15】
前記平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする請求項14に記載の平板表示装置。
【請求項16】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータと、前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータと、を予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項17】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項18】
前記不良表示領域は、
前記正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;
前記正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域と;
を含むことを特徴とする請求項17に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項19】
前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算する段階;及び
前記第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を減算する段階;
を含むことを特徴とする請求項18に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項20】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項21】
前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算することを特徴とする請求項20に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項22】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータと、前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータと、を予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項1】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め貯蔵された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項2】
前記不良表示領域は、
前記正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;
前記正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域と;
を含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項3】
前記第2変調器は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算し;
前記第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を減算することを特徴とする請求項2に記載の平板表示装置。
【請求項4】
前記補償値と前記不良表示領域との位置情報を格納するメモリを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項5】
前記メモリは、
EEPROMとEDID ROMとのうち、1つ以上を備えたことを特徴とする請求項4に記載の平板表示装置。
【請求項6】
前記デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して前記平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;
前記平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;
前記データ駆動回路に前記デジタルビデオデータを供給すると共に、前記データ駆動回路と前記スキャン起動回路とを制御するタイミングコントローラ;
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項7】
前記タイミングコントローラ、前記第1及び第2変調器は1つのチップに集積されることを特徴とする請求項6に記載の平板表示装置。
【請求項8】
前記平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の平板表示装置。
【請求項9】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項10】
前記第2変調器は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算することを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項11】
前記補償値と前記リンクサブピクセルとの位置情報を格納するメモリを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項12】
前記メモリは、
EEPROMとEDID ROMとのうち、1つ以上を備えたことを特徴とする請求項11に記載の平板表示装置。
【請求項13】
前記デジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して前記平板表示パネルのデータラインに供給するデータ駆動回路;
前記平板表示パネルのスキャンラインにスキャン信号を供給するスキャン駆動回路;及び
前記データ駆動回路に前記デジタルビデオデータを供給すると共に、前記データ駆動回路と前記スキャン起動回路とを制御するタイミングコントローラ;
を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の平板表示装置。
【請求項14】
前記タイミングコントローラ、前記第1及び第2変調器は1つのチップに集積されることを特徴とする請求項13に記載の平板表示装置。
【請求項15】
前記平板表示パネルは、液晶表示パネル、電界放出表示素子、プラズマディスプレイパネル及び有機発光ダイオード表示素子のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする請求項14に記載の平板表示装置。
【請求項16】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する第1変調器;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータと、前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータと、を予め格納された第2補償値で2次変調する第2変調器;
を備えたことを特徴とする平板表示装置。
【請求項17】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項18】
前記不良表示領域は、
前記正常表示面に比べて暗く映される第1不良表示領域と;
前記正常表示面に比べて明るく映される第2不良表示領域と;
を含むことを特徴とする請求項17に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項19】
前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算する段階;及び
前記第2不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を減算する段階;
を含むことを特徴とする請求項18に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項20】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項21】
前記デジタルビデオデータを予め格納された第2補償値で2次変調する段階は、
前記第1不良表示領域に示されるデジタルビデオデータに前記第2補償値を加算することを特徴とする請求項20に記載の平板表示装置のデータ多重変調方法。
【請求項22】
平板表示パネルの応答特性及び明暗比のうち、少なくともいずれか1つを調整するために、予め格納された第1補償値で前記平板表示パネルに示されるデジタルビデオデータを1次変調する段階;及び
同一の階調を前記平板表示パネルに示す際に、正常表示面に比べて輝度が異なるように映される不良表示領域に示される前記デジタルビデオデータと、前記平板表示パネルにおいて、2つのサブピクセルが電気的に連結されたリンクサブピクセルに示される前記デジタルビデオデータと、を予め格納された第2補償値で2次変調する段階;
を含むことを特徴とする平板表示装置のデータ多重変調方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−33332(P2008−33332A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196513(P2007−196513)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(599127667)エルジー フィリップス エルシーディー カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
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