説明

平面表示装置、この製造方法、及びこれに用いるプリント配線基板

【課題】 テープキャリアパッケージ(TCP)2と、プリント配線基板(PCB)1とがハンダ等により接続されている平面表示装置及びその製造方法、並びに、これに用いるPCB1において、出力パッド群10同士及び入力端子群20同士の間の間隔を小さくとりつつ、接続信頼性を充分に確保することのできるものを提供する。
【解決手段】TCP2には、入力端子群10の両端の近傍に位置決め孔22が設けられており、この位置決め孔22の内縁部は、絶縁膜を打ち抜いた孔22a中の金属層の穴あきパターン21により形成されている。PCB1には、表示パネル3の側の端縁1aに沿って、出力パッド群10が一列に配列される。PCB1上には、各パッド群間領域13に対応して、一のTCP2の穴あきパターン21と重なる個所から、その隣のTCP2の穴あきパターン21に重なる個所まで延びる、線状の締結パッド11が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等の平面表示装置、及びこれに用いる駆動入力用のプリント配線基板に関する。特には、テープキャリアパッケージ(TCP: Tape Carrier Package)の入力側端子群に、駆動入力用のプリント配線基板の接続パッドがハンダ付け等により接続されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CRTディスプレイに置き換わる平面表示装置が盛んに開発されており、特に、液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力を達成できることから、ノートPC、カーナビゲーション装置、小型TV等に急速に市場を拡大している。
【0003】
これら平面表示装置は、一般に、画素が配列されて画像表示領域が形成された表示パネル本体と、この表示パネル本体に画像信号その他の駆動信号を入力する駆動回路系統とからなり、通常、バックライト等の光源装置を含む。この駆動回路系統から表示パネルへの駆動信号の入力は、表示パネルの周縁部に設けられた接続部を通じて行われる。一般には、この周縁部に、入力信号を所定のタイミングで制御して出力信号を生成する駆動ICチップが複数配置される。
【0004】
駆動ICチップを表示パネルに実装する方式には、駆動ICチップを直接搭載するCOG(Chip On Glass)方式もあるが、テープキャリアパッケージ(以下TCPという)を用いる方式が多く用いられている。TCPとは、通常、配線パターンが形成されたフレキシブルプリント基板の矩形状小片に駆動ICチップが搭載されたものであり、矩形状の一辺に沿って出力端子群が設けられ、これに対向する辺に入力端子群が設けられる。そして、各TCPの出力端子群の部分が、表示パネルの周縁の接続部に、異方性導電フィルム(ACF)等を介して機械的かつ電気的に接続される。また、各TCPの入力端子群は、ハンダ付け等により、駆動入力用のプリント基板上の対応する出力パッド群の個所に機械的かつ電気的に接続される。
【0005】
この駆動入力用のプリント配線基板(PCB)は、一般に、表示パネルのTCPが配列される辺ごとに一つの長尺のものが配置される。表示パネルの一長辺及び一短辺に沿った領域にTCPが配列されるならば、該一長辺(X側の辺)に沿った一つのX側駆動入力PCBと、該一短辺(Y側の辺)に沿った一つのY側駆動入力PCBとが配置される。これらX側及びY側駆動入力PCBは、コントローラIC等を搭載した主駆動配線基板に電気的に接続されるか、または一体に設けられる。
【0006】
各TCPの入力端子部と、X側及びY側駆動入力PCBの出力端子部との接続は、一般には、TCPが表示パネル本体に搭載された後に行われる。例えば、X側またはY側の駆動入力PCBの端子部に予備はんだ付けまたはACFテープの貼り付けを行った上で、表示パネル本体または各TCPと駆動入力PCBとの間の位置合わせを行いつつ端子部を重ね合わせてから、該端子部を加熱圧締する。
【0007】
この位置合わせにあたり、各駆動入力PCBを位置決めして保持するための位置決めジグを用いることが行われている(例えば特開2003−216053)。
【0008】
また、駆動入力PCBの各出力パッド群の両端近傍には、機械的接続強度を向上させるための比較的寸法の大きい補強パッドが設けられている(例えば特開2001−228805)。また、各TCPには、ハンダ付け等の工程で補強パッドに接続するための同様に比較的寸法の大きい補強端子が設けられる。これら補強パッド及び補強端子は、平面表示装置の組立作業中、及び使用時において、変形、衝撃、または熱膨張等に起因する応力が、PCBとTCPとの間の端子接続個所に作用した場合にも、端子接続の信頼性を高く保つためのものである。例えば、平面表示装置のフレームに衝撃が加わったり熱収縮が生じてPCBの位置ズレや変形が生じた際に、端子接続個所が剥離することがあり得るので、補強パッド及び補強端子の間の接続により防止するのである。
【0009】
特開2001−228805に示された例を、図8に示すが、補強パッド11’,14は、出力パッド群10の両端のパッド14、及び、このパッド11にPCB1の端縁1a側からそれぞれ隣接するパッド11’として設けられる。ここで、PCBの端縁1a側の補強パッド11’は、ハンダのフィレットを形成することができるようにTCP2間に来る領域へと突き出している。また、これら補強パッド11’,14は、通常、信号入力等の目的も兼ねるため、隣り合うパッド11’−1,11’−2間、及び、14−1,14−2間に充分な間隔が設けられる。
【0010】
したがって、補強パッド11’,14を設けることと関連して、出力パッド群10同士、及び入力端子群20同士の間の間隔をあまり小さくすることができない。
【特許文献1】特開2003−216053
【特許文献2】特開2001−228805
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、平面表示装置の高精細化等に伴い、表示パネルへの入力配線のピッチが狭小となりつつある。そのため、出力パッド15及び入力端子25のピッチをある程度小さくとる必要があるが、短絡等の不良を避けるためには、あまり小さくするのは望ましくない。そこで、出力パッド群10同士、及び入力端子群20同士の間の間隔をなるべく小さくとるのが望ましい。
【0012】
ところが、補強パッド及び補強端子による機械的接続の補強が充分でないと、上記のように衝撃や熱収縮等に対応するための接続信頼性を確保するのが難しくなる。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、テープキャリアパッケージ(TCP)等の枝配線基板と、プリント配線基板(PCB)等の主配線基板とがハンダ等により接続されている平面表示装置及びその製造方法、並びに、これらに用いるプリント配線基板(PCB)において、出力パッド群同士及び入力端子群同士の間の間隔を小さくとりつつ、接続信頼性を充分に確保することのできるものを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の平面表示装置は、一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、前記各出力パッド群の両端に近接して配置される機械的接続の補強用の締結パッドを有する主配線基板と、前記各出力パッド群に対応してそれぞれ配置され、入力側縁部に入力端子群を有するとともに、該入力端子群の両端にそれぞれ近接して機械的接続の補強用の締結端子を備えた可撓性の枝配線基板と、前記枝配線基板の出力側縁部を接続用周縁部に実装する表示パネルとを備える平面表示装置であって、前記締結パッドは、前記出力パッド群の両端部に対して前記枝配線基板における出力側から近接するように配置され、かつ、該枝配線基板の側縁を越えて外側へと延在され、前記枝配線基板同士が互いに隣接する個所にあっては、前記締結パッドが、一の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所から、その隣の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所へと連続した一つのパターンとして設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明の平面表示装置の製造方法は、一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、隣り合う二つの前記出力パッド群の間のパッド群間領域に近接して配置される締結パッドを絶縁基板の一方の面に備える主配線基板を、パターン配線により作成する工程と、前記各出力パッド群に対応する入力側端子群、及び前記締結パッドに対応する締結端子を入力側端部に備える可撓性の枝配線基板を準備する工程と、前記主配線基板の出力パッド群の個所に、ハンダその他の導電接続材料を塗布する工程と、前記主配線基板と、前記枝配線基板とを、これらの位置決め孔を挿通する位置決めジグにより位置合わせした後、圧着を行うことにより前記出力パッド群と前記入力側端子群との間の電気的及び機械的な接続を行うとともに、前記締結パッドと前記締結端子との間の機械的な接続を行う圧着接続工程とを含む平面表示装置の製造方法であって、前記締結パッドについて、一の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所から、その隣の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所へと連続するように、前記パッド群間領域ごとの一つのパターンとして設け、前記導電接続材料を塗布する工程において、前記締結パッド上における前記締結端子と重なり合う個所に、塗布を行い、前記圧着工程において、前記導電接続材料が、前記締結端子に接する個所から、前記締結パッドを伝って広がるように流動することを特徴とする。
【0016】
本発明のプリント配線基板は、一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、前記各出力パッド群の両端に近接して配置される締結パッドとを、一端縁に沿って備えるプリント配線基板において、前記各締結パッドは、一の前記出力パッド群の一端に対して前記一端縁の側より近接する個所から、その隣の前記出力パッド群の一端に対して前記一端縁の側より近接する個所にまで延びる一つのパターンとして設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
出力パッド群同士及び入力端子群同士の間の間隔を小さくとりつつ、接続信頼性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例について図1〜5を用いて説明する。
【0019】
図1は、実施例の平面表示装置についての、ハンダを省略した要部分解斜視図であり、図2は、ハンダ付け後の状態を示すための要部分解斜視図である。また、図3は、プリント配線基板の要部平面図であり、図4は、実施例の平面表示装置についての、裏面からの平面図である。図5は、TCPの位置決め孔の構成を示す要部斜視図である。
【0020】
前述の従来技術の場合と同様に、表示パネル本体3の周縁接続部31に複数のTCP2がACF(異方性導電膜)等を介して接続され、各TCP2の略中央部には、駆動IC26が一個ずつ搭載される。
【0021】
また、上記周縁接続部31に沿って配される駆動用プリント配線基板1の上面には、各TCP2の下面の入力側端子群20と、それぞれハンダ付けにより接続されるための出力パッド群10が、駆動用プリント配線基板1における周縁接続部31側の端縁1aに沿って設けられる。
【0022】
各出力パッド群10は、周縁接続部31側の端縁1aから一定の小さな間隔をなして、一列に配列される接続パッド14,15からなる。接続パッド14,15は、図示のように、両端の略正方形の幅広パッド15を除き、PCB1の端縁1aに垂直に延びる等寸法・同一形状の短冊状パッド14である。
【0023】
出力パッド群10間に挟まれるパッド群間領域13及びこの両側の幅広パッド14に対して、PCB端縁1a側から隣接する領域に、締結パッド11が設けられる。締結パッド11は、一方の出力パッド群10−1の端部に近接した位置決め孔12−1の個所11aから、他方の出力パッド群10−2の端部に近接した位置決め孔12−2の個所11bにまで、基板端1aに平行に延びる線状のパターンとして設けられる。
【0024】
図示の具体例で、締結パッド11をなす線状のパターンには、両端に円形孔が設けられている。これは、後述するように、PCB1と各TCP2の位置決めを行うのに用いる位置決め孔12を形成するためのものである。PCB1の各位置決め孔12は、PCB1の絶縁基板を貫く孔の個所にて、該孔の縁よりも内側に締結パッド11のパターンの内縁が張り出すようにして設けられている。締結パッド11のパターンは、接続パッド14,15と同一のパターニング工程で作製される銅等の金属層パターンであるので、位置決め孔12と、接続パッド14,15等との位置関係について、充分な精度が確保されている。この締結パッド11は、通常、電気的接続に用いられないダミーパッドとして設けられる。しかし、場合によっては、グランド接続や信号入力用等の目的を兼ねることもできる。
【0025】
PCB1の位置決め孔12に対応して、各TCP2の駆動ICチップ26を基板端1a方向から挟む位置に、同様の位置決め孔22が設けられている。TCP2の各位置決め孔22は、PCB1の位置決め孔12の場合と同様に、ポリイミドフィルムを打ち抜いた孔22aの個所に、金属層からなる円環状の穴あきパターン21を設けたものである。すなわち、円形の打ち抜き孔22aよりも内側に穴あきパターン21の円形の内縁21aが来るように設けたものである(図5)。図示の例で、この穴あきパターン21は、位置決め孔22の形成にとり最低限必要な寸法及び面積となるよう、外縁21bが内縁21aとの幅も比較的小さい。TCP2の各穴あきパターン21は、TCP2の入力端子24,25及び他のパターン配線と同一のパターニング工程で、銅等の金属層のパターニングにより作製される。
【0026】
TCP2の入力端子24,25は、各入力端子群20の両端にある略正方形の幅広端子24を除き、入力側の端縁2bに垂直の短冊状端子25である。TCP2の入力端子24,25は、対応する位置にあるPCB1上の接続パッド14,15と、寸法及び形状がほぼ等しい。出力パッド群10及び入力端子群20の両端にある略正方形のパッド14及び端子24は、機械的な接続強度の向上を図るものであり、通常、グランド接続や信号入力用等の目的を兼ねる。しかし、場合によっては、電気的接続に用いられないダミーパッドであっても良い。
【0027】
PCB1に各TCP2の入力端部を接続する際には、PCB1を搭載する位置決めジグから、各ピンが、PCB1の位置決め孔12とTCPの位置決め孔22とを挿通することで、PCB1と各TCP2との間の位置合わせが行われる。予めPCB1の各接続パッド14,15及び締結パッド11上に、ハンダが塗布されており、位置決め孔12,22を用いてTCP2が位置決めされて配置された後に、上方から圧締ジグがあてがわれて、加熱圧締によるハンダ付けが行われる。なお、TCP2の入力端子24,25の個所には、該各入力端子が両端を除き上面側に露出するように、ポリイミドフィルムに開口27が設けられ、ハンダ付けの際、ハンダが各入力端子24,25の上面に回り込むことができるようになっている。
【0028】
図2に示すように、締結パッド11と穴あきパターン21とを接続する際、締結パッド11の位置決め孔12の個所に予め配されていたハンダが、TCP2の端縁2aからはみ出してハンダ4のフィレット(スミ肉)41を形成する。このフィレット41は、図示の例で、隣のTCP2のハンダ接続個所から延びるフィレット41と一体になっている。
【0029】
このように、TCP2の端縁2aからはみ出してハンダ4のフィレット41が形成されているので、穴あきパターン21の面積が小さいものの、熱圧着時にハンダが逃げて回り込むスペースが確保できる。したがって、他の接続パッド14,15や配線との短絡のおそれを回避することができる。また、同時に、フィレット41の形成により、ハンダ付け個所の機械的な接続強度が増大している。
【0030】
また、ハンダ接続後に、TCP2の端縁2aの個所に適当なハンダ4のフィレット41が存在するかどうかを目視により確認するだけで、締結パッド11の位置決め孔12の個所11a,11bと、TCP2の穴あきパターン21との間の全体にわたって充分なハンダ付けが行われたどうかを容易に判断することができる。締結パッド11の位置決め孔12の個所11a,11bに載せられたハンダが充分に熱流動し、かつ適当にTCP2の接続端子21から押圧されてこそ、適当なフィレット41が形成されるからである。
【0031】
図3〜4に示す具体例において、PCB1の出力縁部1bに、6個のTCP2が実装されるが、これらTCP1同士の間隔は、かなり狭い。
【0032】
本具体例において図4に示すように、PCB1は、表示パネル3の一辺3aに沿って配置される細長い出力縁部1bと、これより長さの短い幅広矩形状の駆動回路部1cとからなり、出力縁部1bの両端を除く個所から後方(端縁1aから遠い側)へと駆動回路部1cが連続して延びている。図示のように、駆動回路部1cには、コントローラIC17等の部品が搭載されており、電源系統及び信号入力系統の接続するための入力用フレキシブル配線18−1、及び、もう一方のPCB19への信号出力を行うための出力用フレキシブル配線18−2が接続している。もう一方のPCB19は、表示パネル3の他の辺3bに沿って配される細長い配線基板であり、同様にTCPが搭載される。
【0033】
具体例において、表示パネル3は、TFT方式のアクティブマトリクス型液晶パネルである。駆動回路部1cと連続するPCB1は、表示パネル3の一長辺に沿って配置される画像信号電流入力側のプリント配線基板であり、細長い部分のみからなるもう一方のPCB19は、表示パネル3の一短辺に沿って配置される走査線駆動用のプリント配線基板である。このPCB19にも、必要に応じて、上記に説明したと同様の形態の締結パッド11が設けられる。
【0034】
本具体例において、図3に示すように、両端にある幅広パッド14の一辺の寸法D4は、短冊状パッド15の長さ寸法L5(PCB端縁1aに沿った寸法)とほぼ等しく、該短冊状パッド15の幅D5(端縁1aに垂直の寸法)の約5〜6倍であって、該短冊状パッド15のピッチPの約3〜4倍である。また、締結パッド11の幅D1(端縁1aに垂直の寸法)、及び締結パッド11と幅広パッド14との間の寸法D2は、いずれも、幅広パッド14の一辺の寸法D4より一回り小さい。なお、締結パッド11の幅D1は、TCP2の穴あきパターン21の外形とほぼ等しい。図示の例では、締結パッド11は、両端の個所11a,11bで、円形の位置決め孔12と同心の半円状をなしており、この半円の外径が締結パッドの幅D1に等しい。
【0035】
また、締結パッド11の両端11cは、PCB1の端縁1aの方向での位置が、略矩形状パッド14とその隣の短冊状パッド15との間隙のあたりに相当する。さらに、隣り合う幅広パッド14−1,14−2の間の距離D3は、幅広パッド14の一辺の寸法D4より若干小さいか、または、ほぼ等しい。したがって、締結パッド11の長さ寸法L1(PCB端縁1aに沿った寸法)は、幅広パッド14の一辺の寸法D4の約3倍またはそれ以下である。
【0036】
寸法構成のさらに具体的な例において、締結パッド11の幅D1は、約1.0〜1.5mmであり、隣接する位置決め孔12の中心間距離L2は、約3〜4mmである。したがって、締結パッド11の長さ寸法L1は、約4〜4.5mmである。また、各出力パッド群10の長さ寸法L3は、20〜30mmである。
【0037】
次に、本発明の変形例について図6〜7を用いて簡単に説明する。これらはいずれも締結パッドまたは締結端子の形状を多少変更したものである。
【0038】
図6に示す変形例1においては、締結パッド11が、十字状の星形となっている。すなわち、位置決め孔の個所11a,11bの間の中間にて、PCB端縁1aに垂直の方向の両側へ突き出す突起11d,11eが設けられている。これら突起11d,11eは、PCB1及びTCP2の導電パターンと重ならない領域のほぼ全体を覆うように設けられている。したがって、本変形例によると、ハンダのフィレットを形成する面積を、他の配線等との干渉がない範囲で、最大限とすることができる。そのため、パターンが多少複雑となるものの、接続信頼性をさらに向上させることが期待される。
【0039】
図7に示す変形例2においては、TCPの位置決め孔22を形成する穴あきパターンが、矩形状の外縁21bをなしている。内縁21aの形状は、実施例と同様、位置決めピンの径に対応する寸法の円形である。本変形例によると、TCPの設計を多少変更する必要があるが、接続信頼性の向上を図ることができる。
【0040】
上記実施例及び変形例においては、締結パッド11が、PCB1の隣接する位置決め孔12の個所を結ぶように設けられるとして説明したが、PCB1に位置決め孔12が設けられない場合も全く同様である。この場合、TCP1のリング状または矩形状等の金属パターンと重なる部分11a,11bをベタ(solid)パターンとすれば、接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例の平面表示装置について、ハンダを省略した状態を模式的に示す要部分解斜視図である。
【図2】実施例の平面表示装置について、ハンダ接続の様子を模式的に示す要部分解斜視図である。
【図3】実施例の平面表示装置におけるプリント配線基板の要部平面図である。
【図4】実施例の平面表示装置についての、裏面からの平面図である。
【図5】実施例におけるテープキャリアパッケージ(TCP)の位置決め孔の構成を模式的に示す要部切開斜視図である。
【図6】変形例1についての図5に対応する要部切開斜視図である。
【図7】変形例2についての図2に対応する平面図である。
【図8】従来の平面表示装置についての、図1に対応する要部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 プリント配線基板(PCB)
10 PCB1上の出力パッド群
11 締結パッド
12 PCB1の位置決め孔
14 出力パッド群10両端の幅広パッド
2 テープキャリアパッケージ(TCP)
20 TCP2の入力端子群
21 締結パッド11と接続する穴あきパターン
22 TCP2の位置決め孔
24 入力端子群の両端の幅広端子
3 表示パネル
41 ハンダのフィレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、前記各出力パッド群の両端に近接して配置される機械的接続の補強用の締結パッドを有する主配線基板と、
前記各出力パッド群に対応してそれぞれ配置され、入力側縁部に入力端子群を有するとともに、該入力端子群の両端にそれぞれ近接して機械的接続の補強用の締結端子を備えた可撓性の枝配線基板と、
前記枝配線基板の出力側縁部を接続用周縁部に実装する表示パネルとを備える平面表示装置であって、
前記締結パッドは、前記出力パッド群の両端部に対して前記枝配線基板における出力側から近接するように配置され、かつ、該枝配線基板の側縁を越えて外側へと延在され、
前記枝配線基板同士が互いに隣接する個所にあっては、前記締結パッドが、一の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所から、その隣の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所へと連続した一つのパターンとして設けられていることを特徴とする平面表示装置。
【請求項2】
前記枝配線基板には、前記主配線基板との間の位置決め用のジグを挿通するための位置決め孔が設けられ、前記締結端子が、この位置決め孔を縁取る導電膜のパターンからなることを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項3】
前記締結パッドが、前記出力パッド群の列に平行な線状のパターンをなすことを特徴とする請求項1または2記載の平面表示装置。
【請求項4】
前記枝配線基板が、駆動ICチップを搭載したテープキャリアパッケージであり、前記締結端子が、該駆動ICチップを両側から挟む個所に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の平面表示装置。
【請求項5】
一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、隣り合う二つの前記出力パッド群の間のパッド群間領域に近接して配置される締結パッドを絶縁基板の一方の面に備える主配線基板を、パターン配線により作成する工程と、
前記各出力パッド群に対応する入力側端子群、及び前記締結パッドに対応する締結端子を入力側端部に備える可撓性の枝配線基板を準備する工程と、
前記主配線基板の出力パッド群の個所に、ハンダその他の導電接続材料を塗布する工程と、
前記主配線基板と、前記枝配線基板とを、これらの位置決め孔を挿通する位置決めジグにより位置合わせした後、圧着を行うことにより前記出力パッド群と前記入力側端子群との間の電気的及び機械的な接続を行うとともに、前記締結パッドと前記締結端子との間の機械的な接続を行う圧着接続工程とを含む平面表示装置の製造方法であって、
前記締結パッドについて、一の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所から、その隣の前記枝配線基板の締結端子に接続する個所へと連続するように、前記パッド群間領域ごとの一つのパターンとして設け、
前記導電接続材料を塗布する工程において、前記締結パッド上における前記締結端子と重なり合う個所に、塗布を行い、
前記圧着工程において、前記導電接続材料が、前記締結端子に接する個所から、前記締結パッドを伝って広がるように流動することを特徴とする平面表示装置の製造方法。
【請求項6】
一つの列をなす複数の出力パッド群、及び、前記各出力パッド群の両端に近接して配置される締結パッドとを、一端縁に沿って備えるプリント配線基板において、
前記各締結パッドは、一の前記出力パッド群の一端に対して前記一端縁の側より近接する個所から、その隣の前記出力パッド群の一端に対して前記一端縁の側より近接する個所にまで延びる一つのパターンとして設けられることを特徴とするプリント配線基板。
【請求項7】
前記締結パッドが、前記出力パッド群の列に平行に延びる線状のパターンとして設けられたことを特徴とする請求項6記載のプリント配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−171308(P2006−171308A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363089(P2004−363089)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】