説明

床下暖房住宅の健康的換気手段

【課題】高気密高断熱住宅で床下暖房手段を設けた住宅において、車両や工場や住宅密集地や各種花粉や中国大陸からの不快外気や不快臭気を床下空間で減少させる健康的換気手段を提供する。
【解決手段】Hは床下空間から小屋裏空間までを連通化した屋内通気空間を形成した高気密高断熱住宅であり、床下空間10と床下暖房構造11と居住部20と居住部30と小屋裏空間40と屋内通気空間50で構成され、小屋裏空間40には外気取入れ口41と小屋裏排気口42と熱交換手段付き強制吸気・排気装置60を設け、強制吸気・排気装置60には吸気部61と供給部62と排気入力部63と排気出力部64が設けられ、居住部20には居住部吸気口21と居住部排気口25を設けられ、居住部30には居住部吸気口31と居住部排気口35を設けられ、床下空間10には空気改質装置70とメンテナンス部12で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化し屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅で床下暖房手段を設けた住宅において、外気中の、汚染空気や煤塵、不快臭、ゴミ・チリ、各種花粉、黄砂や汚染物質、などの不快外気を床下空間で低減させた優良空気を屋内通気空間や居住部に供給する床下暖房住宅の健康的換気手段に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅が多く建築されるようになってきた。一般的には、エアサイクル住宅とかパッシブエアサイクル住宅と呼ばれているシステムが知られているが、いわゆる夏涼しく冬温かい室内環境にしたり、外気の湿気や乾燥等に影響されることなく、室内を快適な湿度に保つことや、住宅内の壁体や断熱材への結露対策が充分でない施工例が多い。そのため、これらの問題を解決するために多くの開発者たちによって多くの開発例が見られるようになってきたが、住人の健康維持対策や住宅の長寿命化対策や省エネ対策に消費者のニーズがあることが明白であるにもかかわらず、住宅の暖房効率や住宅の換気方法に改善すべき問題点があり、さらに住人の健康維持対策や住宅の長寿命化対策が十分に行なわれていないことを業界関係者は指摘していた。
【0003】
そこで、本願発明者は、上述した問題点の中から少なくとも一部を改善するために、2005年8月23日に、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅において、床下空間の土間を土間暖房構造とし、床下空間には外壁・床下吸気口を設け、居住部の周囲に居住部周囲通気空間を形成し、また居住部には通気空間・室内吸気口を設け、小屋裏空間には開閉自在手段を備えた換気扇を設け、外壁と壁断熱部との間に外壁通気空間を設け、屋根と屋根断熱部との間に屋根通気空間を設け、また屋根頂部には棟換気部を設けた、「住宅の暖房・換気構造」に関する開発案件の特許出願を行なった。(特願2005−272720号を参照する)
この開発によって本出願人らは、効率がよく経済的な住宅の暖房システムとそれをサポートする換気構造の住宅である「ハイブリッドどまだんシステム」(登録商標)として販売活動を実施し、購入者からは高い評価を受けている。
【0004】
また、本願発明者は、引き続き上述した問題点の中から少なくとも一部を改善するために、2006年6月30日に、空気浄化効果やマイナスイオン発生効果や遠赤外線放射効果や抗菌性または害虫防御性または防黴性を向上させた、炭素系塗料の提供を課題としその解決手段として、高気密・高断熱住宅に使用される空気浄化用の塗料であり、基材とする無機バインダーに、所定量の炭素系粉体、所定量の分極性鉱物粉体、所定量の多孔質無機粉体、所定量の耐水材を混練りして成り、前記バインダーや前記粉体や前記耐水化材がおのおの遠赤外線放射作用やマイナスイオン放出作用や防虫性または防黴性を備えた物質から選択されることを特徴とする、「空気活性用の炭素系塗料」の特許出願を行なった。(特願2006−207129号を参照する)
この開発によって本出願人らは、床下暖房からの空気を浄化させたり活性化させたりする炭塗料の商品化を行い、「すみちゃん」という商品名で販売活動を実施し、購入者からは高い評価を受けている。
【0005】
また、本願発明者は、引き続き上述した問題点の中から少なくとも一部を改善するために、2007年9月5日に、高気密高断熱住宅で床下暖房手段を設けた住宅において、多湿空気や乾燥空気、汚染された空気などを床下空間に取り入れた場合でも快適化させた空気を住宅内部に供給する手段の提供を目的とし、その構成が、高気密高断熱住宅は、床下空間と床下暖房構造、居住部と周囲に形成させた居住部周囲通気空間、居住部と周囲に形成させた居住部周囲通気空間、小屋裏空間と任意の位置に設けた開閉自在換気扇を設け、また、外壁と壁断熱部との間に外壁通気空間を設け、屋根と屋根断熱部との間に屋根通気空間を設け、また屋根頂部には棟換気部を設け、床下暖房構造は、蓄熱コンクリートと内部に埋設された放熱手段で形成され、基礎断熱部の上部に設けられ、また床下空間には外壁・床下吸気口を設け、居住部には室内吸気口と壁面・室内排気口を設け、居住部には室内吸気口と壁面・室内排気口を設け、除湿手段は蓄熱コンクリートの表面に設置することを特徴とする「外気快適化手段を設けた床下暖房住宅」の特許出願を行なった。(特願2007−261371号を参照する)
この開発によって本出願人らは、床下暖房からの空気を乾燥しすぎないようにして、住宅内部の健康と住人の健康を維持することができる住宅として販売活動を実施し、購入者からは高い評価を受けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、本願発明者が特願2005−272720号の「住宅の暖房・換気構造」に関する技術により形成された住宅、特願2006−207129号の「空気活性用の炭素系塗料」に関する技術により商品化された炭塗料、特願2007−261371号の「外気快適化手段を設けた床下暖房住宅」に関する技術により形成された住宅、などを多数提供できるようになった結果、都市部や工場地帯や住宅密集地における販売活動の中で、車両からの汚染された空気や煤塵対策、工場からの汚染された空気や煤塵や不快臭対策、住宅密集地特有の外気中のゴミ・チリや住宅からの不快臭対策、ほぼ全国的な問題である杉花粉を代表とする各種花粉対策、ほぼ全国的な問題である主に中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質対策、などを向上させた住宅の要望が多数寄せられるようになってきた。
【0007】
また、従来の、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化し屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅で床下空間の中の少なくとも一部に暖房手段を設けた住宅の開発例においては、床下空間で加熱された外気が屋内通気空間を介して居住部に供給されるため、床下空間や屋内通気空間への、車両からの汚染空気や煤塵、工場からの汚染空気や煤塵や不快臭、住宅密集地特有の外気中のゴミ・チリや住宅からの不快臭、各種花粉対策、中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質、などの不快外気に対する対策が十分でなかったことが問題提起されるようになってきた。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅の床下空間に暖房手段を設けた住宅において、上述した外気の不快条件、例えば、車両からの汚染空気や煤塵、工場からの汚染空気や煤塵や不快臭、住宅密集地特有の地上に浮遊するゴミやチリや住宅からの調理時に伴う不快臭、各種花粉対策、主に中国大陸から飛来する黄砂や微粒子状の汚染物質、などの不快外気を床下空間で除去または低減または除菌または殺菌でき、かつ施工が容易でメンテンナンス性や経済性に優れた、床下暖房住宅の健康的換気手段の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための第一の手段(請求項1)として、床下空間、少なくとも一つ以上の居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化し屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅で床下空間の中の少なくとも一部に暖房手段を設けた住宅において、前記小屋裏空間に外気取入れ口と排気口と熱交換手段付き強制吸気・排気装置を設け、前記居住部に吸気口と排気口を設け、前記床下空間には空気改質装置を設け、前記強制吸気・排気装置にはダクトを介して外気取入れ口に接続されダクトを介して前記空気改質装置に接続され、前記居住部排気口と前記強制吸気・排気装置とはダクトを介して接続され、前記強制吸気・排気装置と前記小屋裏排気口とはダクトを介して接続される、ことを特徴とする床下暖房住宅の健康的換気手段を提供することである。
【0011】
課題を解決するための第一の手段で記述された居住部に関しては、本発明では住人が所定時間滞在する部屋は全て対象になり、例えば、居間、寝室、子供部屋、台所、トイレ、洗面所、浴室、書斎、リビング、ダイニング、キッチン、食堂、夫婦の部屋、玄関、両親の部屋、などを示すものとする。
課題を解決するための第一の手段で記述された床下暖房手段に関しては、基礎部と土間断熱部と放熱手段と蓄熱コンクリートという構造であり、本発明では前記蓄熱コンクリートの内部に放熱手段を設けるようになっている。この放熱手段に関しては、電熱効果や温水や熱水や高温気体や高温液体などから選択して用いればよい。電熱効果を発生させる手段や温水を発生させる手段や熱水を発生させる手段や高温気体を発生させる手段や高温液体を発生させる手段に関しては、特に制限はなく、一般的に知られた方法を用いればよい。
【0012】
課題を解決するための第一の手段の冒頭で記述された外気は本発明を導入した住宅の周囲の外気を示しこれを外気Aとする。また、外気Aに関しては、多湿空気(例えば、温度が約20℃のときの相対湿度が約70%以上の場合)を外気A1、乾燥空気(例えば、温度が約20℃のときの相対湿度が約40%以下の場合)を外気A2、不快臭気含有空気(例えば、自動車由来の不快臭気、工場由来の不快臭気、発電所由来の不快臭気、農地由来の不快臭気、畜産由来の不快臭気、ゴミ焼却所由来の不快臭気、など鼻腔を刺激する因子を含有する空気)を外気A3、不快微粒子含有空気(例えば、自動車由来の煤塵としての微粒子、工場由来の煤塵としての微粒子、発電所由来の煤塵としての微粒子、など肺内に侵入することで人体に不快な症状を生じさせる空気)を外気A4、住宅密集地特有のゴミやチリを含む空気である外気A5、住宅密集地特有の料理時に伴う住宅からの不快臭を含む空気である外気A6、杉花粉を代表とする各種花粉を含む空気である外気A7、中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質を含む空気である外気A8、などを住宅の設置条件によって影響される外気条件を示すものとする。また本明細書で外気Aとして表示する場合は、外気A1から外気A8の中の少なくとも一つを含む外気であるものとする。
【0013】
課題を解決するための第一の手段で記述された前記小屋裏空間に設ける外気取入れ口と排気口に関しては、前記小屋裏空間と外壁を貫通できる場所であれば任意の場所に形成することができるが、前記外気取入れ口と前記排気口とは十分な間隔を設けることが好ましい。また前記外気取入れ口にはエアフィルターを備えたタイプの使用も可能である。
課題を解決するための第一の手段で記述された熱交換手段付き強制吸気・排気装置に関しては、前記居住部排気口から前記居住部の空気を強制排気し、強制排気された前記居住部の空気は熱交換され、熱交換された前記居住部排気は前記小屋裏排気口を介して屋外に排気されるようになっているが、前記外気取入れ口から外気Aを強制吸気し通過した外気Aを外気Bとし、前記外気取入れ口にエアフィルターを備えたタイプを通過した外気Aを外気B1とする。次に前記強制吸気・排気装置を通過する外気Bを外気Cとし、外気Cは熱交換され、熱交換された外気Cを前記空気改質装置に供給できるようになっていれば、前記強制吸気・排気装置は公知の部品や技術を用いて形成させればよい。また、前記強制吸気・排気装置の吸気部または排気部、前記強制吸気・排気装置の吸気部及び排気部に、エアフィルターを設けるようにしてもよいし、エアフィルターを内蔵するように形成してもよい。この場合、前記強制吸気・排気装置の吸気部にエアフィルターを設けたタイプを通過した外気Cを外気C1とし、前記強制吸気・排気装置の排気部にエアフィルターを設けたタイプを通過した外気Cを外気C2とし、前記強制吸気・排気装置の吸気部と排気部にエアフィルターを設けたタイプを通過した外気Cを外気C3とし、前記強制吸気・排気装置にエアフィルターを内蔵したタイプを通過した外気Cを外気C4とする。
【0014】
課題を解決するための第一の手段で記述された空気改質装置に関しては、ダクトを介して前記強制吸気・排気装置と接続されダクトを介して前記外気取入れ口に接続されることで、地上から所定の高さに設置される前記外気取入れ口は地上に浮遊するゴミやチリの影響を受けにくい場所に設置されているので、外気Aの中でも比較的条件の良い状態すなわち外気(BorB1)を選択する手段として有効であり、前記外気取入れ口を介した外気(BorB1)を前記強制吸気・排気装置を介した外気(CorC1orC2orC3orC4)を前記空気改質装置に供給することで外気Dに変化することになる。
また、前記空気改質装置に関しては、前記空気改質装置に入力される前の外気(CorC1orC2orC3orC4)を住人の健康維持または健康向上に貢献する作用をさせるための手段であれば、一般的に知られた方法であれば何を用いてもよい。
例えば外気A1に関しては、前記空気改質装置に空気中の水分を減少させる手段を設けるものとする。例えば外気A2に関しては、前記空気改質装置に空気中の水分を増加させる手段を設けるものとする。例えば外気A3に関しては、前記空気改質装置に前記の鼻腔を刺激する因子を含有する空気を減少させる手段を設けるものとする。例えば外気A4または外気A5または外気A7または外気A8に関しては、前記空気改質装置に空気中の不快微粒子または空気中の住宅密集地特有のゴミやチリまたは空気中の前記各種花粉または空気中の黄砂や汚染物質を減少させる手段を設けるものとする。
【0016】
課題を解決するための第二の手段(請求項2)として、前記空気改質装置が、フィルター機能、空気浄化機能、空気活性化機能、除湿機能、加湿機能、などの中から選択した機能を備えている、ことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段を提供することである。
【0017】
課題を解決するための第二の手段で記述されたフィルター機能に関しては、外気(CorC1orC2orC3orC4)をろ過手段を介して変化させた外気Dは外気D10とし、外気D10に変化させるろ過手段に関しては一般的に市販されているフィルター材料であれば何を用いてもよい。外気(CorC1orC2orC3orC4)を吸着手段を介して変化させた外気Dは外気D20とし、外気D20に変化させる吸着手段に関しては何を用いてもよい。
また、前記フィルター材料に関しては、天然繊維系シート状成形体、合成繊維系シート状成形体、セルロース系シート状成形体、金属繊維系シート状成形体、炭素繊維系シート状成形体、無機繊維系シート状成形体、天然繊維系不織布、合成繊維系不織布、セルロース系不織布、金属繊維系不織布、炭素繊維系不織布、無機繊維系不織布、などから選択して単独または組合わせて用いることが好ましい。
また、前記吸着手段は、炭素系多孔質吸着体、セラミック系多孔質吸着体、などを形成させて用いてもよい。
また、前記炭素系多孔質吸着体に関しては、炭素系粉体や活性炭粉体を所定寸法に成形したものを用いればよい。
前記炭系素材粉体に関しては、竹炭粉体、木炭粉体、活性炭の粉体、活性化木炭の粉体、白炭粉体、黒炭粉体、備長炭粉体、椰子ガラ活性炭の粉体、カーボンブラック粉体、石炭粉体、その他炭素化合物、などの中から少なくとも1種以上組合せて用いることが、本発明では好ましい。
また、前記活性炭粉体に関しては、鋸屑、ヤシ殻炭などの植物、石炭コークス、石油ピッチなどの鉱物、家畜の骨等の動物、アクリル樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック廃棄物などの合成樹脂等を原料としてもよい。
また、前記炭系素材粉体の作用に関しては、一般的に知られている木炭の場合では数ミクロンから数百ミクロンの微細孔を備えており、塗装面表面において木炭粉末の粒子が空気と接触することでこの微細孔が湿度の高いときは水分を吸着し、乾燥しているときには水分を放出する調湿効果や、人体に悪影響を及ぼすとされるプラスイオンの吸着若しくは中和をする効果が知られている。
【0018】
また、前記セラミック系多孔質吸着体に関しては、セラミック系の粉体を所定寸法に成形したものを用いればよい。前記セラミック系粉体は、鉱物質粉体または酸化金属粉体または陶磁器粉体を用いることができる。
また、前記鉱物質粉体としては、ゼオライト、タルク、カオリン、珪藻土、活性白土、イライト、モンモリロナイト、クレイ、コージェライト、セピオライトなどが知られており、単独で用いても効果は十分であるが、組合わせて用いることで効果は向上する、例えばモンモリロナイトとカオリナイト、例えば珪藻土とカオリナイト、例えばモンモリロナイトと珪藻土等であるが、とにかく数多くの組合わせが可能なのでここでは一例を記した。
また、前記珪藻土に関しては、細粉化して1μm〜1mmの粒子径となるようにしたもので、例えば、平均粒径5μmの場合で1g当たり20平方メートルもの表面積を有し、この粒子の多孔構造によって空気中の不快物質を吸着したり湿気を吸着したり放出する性質を有する。
また、前記ゼオライトに関しては、ケイ酸(SiO)や酸化アルミニウム(AlO)を主成分とするもので、イオン交換性能を有し、脱水しても結晶構造が変化せず、脱水した後に分子サイズの多孔が得られるという性質を有するものである。このため、このような性質を有するゼオライトを成分として含むと、空気中に存在する化学物質やアンモニア系の臭い、臭い原因物質、臭い分子等を吸着分解することができるようになる。このゼオライトには、天然に存在する天然ゼオライトと、人工的に合成した合成ゼオライトが存在するが、どちらも使用可能である。
前記酸化金属粉体としては、一般的には、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから一種以上含まれたタイプであれば何を用いても構わない。
【0019】
また、前記鉱物質粉体と前記酸化金属粉体と前記陶磁器粉体に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては特に制限は設けない。また、前記酸化金属粉体または/および前記陶磁器粉体の粒度に関しては、平均粒径約1μmから1mmの粉末の使用も可能である。
また、前記ろ過手段と前記吸着手段は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。
【0021】
課題を解決するための第二の手段で記述された空気浄化機能に関しては、空気殺菌手段または空気除菌手段、から選択して用いればよい。また、外気(CorC1orC2orC3orC4)を空気殺菌手段または空気除菌手段を介して変化させた外気Dは外気D30とし、外気D30に変化させる空気殺菌手段または空気除菌手段に関しては何を用いてもよい。
また、前記空気殺菌手段または空気除菌手段に関しては、銅繊維フィルター、銅メッキフィルター、抗菌ステンレス繊維フィルター、銀繊維フィルター、銀メッキフィルター、加熱式フィルター、紫外線照射手段、遠赤外線照射手段、などから選択して単独で用いるか組合わせて用いることができる。
また、前記加熱式フィルターに関しては、近赤外線照射手段、電熱手段、金属酸化熱手段、白金触媒手段、燃焼手段、などから選択して単独で用いるか組合わせて用いることができる。
【0022】
課題を解決するための第二の手段で記述された空気活性化機能に関しては、遠赤外線発生手段やマイナスイオン発生手段や爽快感発生手段などから選択して単独かつ組合わせて用いることを可能とする。また、外気(CorC1orC2orC3orC4)を遠赤外線発生手段を介して変化させた外気Dは外気D40とし、外気D40に変化させる遠赤外線発生手段に関しては何を用いてもよい。また、外気(CorC1orC2orC3orC4)をマイナスイオン発生手段を介して変化させた外気Dは外気D50とし、外気D50に変化させるマイナスイオン発生手段に関しては何を用いてもよい。
前記遠赤外線の特性に関しては、赤外線は波長0.75〜4.0μの近赤外線と、波長4.0〜1,000μの遠赤外線とに、波長により区分される。遠赤外線は、近赤外線に比べ光子エネルギーは小さいが浸透力が強く、生体内部にまで到達し加温する。物体は外部から種々の形でエネルギーを受け、これをまた種々の形で外部に放射しているが、このうち遠赤外線を多く放射するものが遠赤外線放射体であり、本発明では遠赤外線放射体に関しては何を用いてもよく特に制限はない。また本発明では遠赤外線発生手段に関しては何を用いてもよく特に制限はない。
前記マイナスイオンに関しては、「健康に良い」、「人体に好影響を及ぼす」ことが公知になってきているが、マイナスイオンは、自然界では「滝の周囲」で一番多く観測されており、例えば、空気1ccあたりで約12,000〜15,000個存在することが公知になっており、本発明ではマイナスイオン発生手段に関しては何を用いてもよく特に制限はない。
また、物質の中には遠赤外線放射体でありマイナスイオン生成手段でもある物質として、例えば、前記炭系素材またはこれを所定の形状に形成させた成形体、前記鉱物質粉体またはこれを所定の形状に形成させた成形体、前記酸化金属粉体またはこれを所定の形状に形成させた成形体、前記陶磁器粉体またはこれを所定の形状に形成させた成形体、などから選択して単独で用いるか組合わせて用いる。
また、前記爽快感発生手段としては、ハーブ系の植物からの抽出物が知られており、ハーブとして認知されている植物は全て利用できるものとする。例えば、前記ハーブ系植物抽出物としてはミント系植物の抽出物が気分を爽快にさせるものとして良く知られているが、花粉症の改善にも一定の効果があることが知られている。
本発明で前記ハーブ系植物抽出物を利用する場合は、前記酸化金属粉体またはこれを所定の形状に形成させた成形体、前記陶磁器粉体またはこれを所定の形状に形成させた成形体、などから選択して単独で用いるか組合わせた物質や物体に付加させた状態で用いるのが好ましい。
【0023】
課題を解決するための第二の手段で記述された除湿機能に関しては、外気(CorC1orC2orC3orC4)を除湿手段を介して湿度を減少させた外気D60に変化させることが可能ならば除湿手段に関しては一般的に知られた手段で構わない。
課題を解決するための第二の手段で記述された加湿機能に関しては、外気(CorC1orC2orC3orC4)を加湿手段を介して湿度を増加させた外気D70に変化させることが可能ならば加湿手段に関しては一般的に知られた手段で構わない。
【0025】
課題を解決するための第三の手段(請求項3)として、前記空気改質装置が、入力部と空気改質処理部と出力部より成り、前記空気改質処理部が着脱可能になっていることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段を提供することである。
【0026】
課題を解決するための第三の手段で記述された入力部に関しては、ダクトを介して前記強制吸気・排気装置と接続されるようになっていれば、構造的に特に制限を設けないものとする。
課題を解決するための第三の手段で記述された出力部に関しては、前記空気改質処理部で処理された、外気D10、または外気D20、または外気D30、または外気D40、または外気D50、または外気D60、または外気D70、またはこれらの中から選択され組合された外気Dが前記床下空間内に放出されるようになっていれば、構造的に特に制限を設けることはないものとする。
【0027】
課題を解決するための第三の手段で記述された空気改質処理部が着脱可能になっていることに関しては、例えば四季の外気の状態に合わせて、例えば6月から9月くらいの外気A1の比率が多いときには前記除湿機能を装着したり、例えば12月から3月くらいの外気A2の比率が多いときには前記加湿機能を装着したり、また住宅環境が外気A3の比率が多いときには前記フィルター機能または前記空気浄化機能を装着したり、また住宅環境が外気A4の比率が多いときには前記フィルター機能または前記空気浄化機能を装着したり、また住宅環境が外気A5の比率が多いときには前記フィルター機能を装着したり、また住宅環境が外気A6の比率が多いときには前記フィルター機能または前記空気活性化機能を装着したり、また住宅環境が外気A7の比率が多いときには前記フィルター機能または前記空気浄化機能を装着したり、また住宅環境が外気A8の比率が多いときには前記フィルター機能または前記空気浄化機能を装着したり、また住人が気分転換を図りたい時やリフレッシュしたい時や健康状態が悪いと感じた時に前記空気活性化機能を装着したり、また住人が風邪気味だと感じた時に加湿機能を装着したり、また時期的にインフルエンザが流行しかけた時に前記空気浄化機能または前記空気活性化機能を装着したり、できるようになっていれば構造的な制限は特に設けないものとする。
【0029】
課題を解決するための第四の手段(請求項4)として、前記空気改質処理部が第1空気処理部から第(n+1:nは正の整数)空気処理部から成り、前記機能から選択して組合わせることを特徴とする、課題を解決するための第三の手段に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段を提供することである。
【0030】
課題を解決するための第四の手段で記述された前記空気改質処理部が第1空気処理部から第(n+1:nは正の整数)空気処理部から成ることに関しては、前記空気改質処理部が、第1空気処理部と第2空気処理部、第1空気処理部と第2空気処理部と第3空気処理部、第1空気処理部と第2空気処理部と第3空気処理部と第4空気処理部、第1空気処理部と第2空気処理部と第3空気処理部と第4空気処理部と第5空気処理部、第1空気処理部と第2空気処理部と第3空気処理部と第4空気処理部と第5空気処理部と第6空気処理部、程度の場合を想定したものであり、実際の製品化に当たっては第10空気処理部までがコスト的な問題や製品の大きさの問題やメンテナンス性の問題で妥当であろうと判断しているが、それは一般的な住宅のサイズを考慮しており、本発明が集合住宅や大きめの住宅の場合では第10空気処理部以上も可能である。
【0031】
課題を解決するための第四の手段で記述された前記機能から選択して組合わせることに関しては、前記フィルター機能(前記ろ過手段(前記フィルター材料からの選択)、前記吸着手段(前記炭素系多孔質吸着体からの選択、前記セラミック系多孔質吸着体からの選択)、前記空気浄化機能(前記の空気殺菌手段または空気除菌手段からの選択)、前記空気活性化機能(前記遠赤外線発生手段や前記マイナスイオン発生手段からの選択)、前記除湿機能(公知技術からの選択)、前記加湿機能(公知技術からの選択)、から選択して任意に、前記の第1空気処理部から第(n+1:nは正の整数)空気処理部に設けるようにすればよい。
【0032】
また前記機能から選択して組合わせることに関しては、例えば、前記空気改質処理部が第1空気処理部と第2空気処理部の場合に、第1空気処理部には前記加湿機能から選択した手段を設け、第2空気処理部には前記フィルター機能から選択した手段を設けることで、住宅環境が、例えば、外気A3または外気A4または外気A5または外気A6または外気A7または外気A8の場合や、外気A3と外気A4の場合や、外気A3と外気A5の場合や、外気A3と外気A6の場合や、外気A3と外気A7の場合や、外気A3と外気A8の場合や、外気A4と外気A5の場合や、外気A4と外気A6の場合や、外気A4と外気A7の場合や、外気A4と外気A8の場合や、外気A5と外気A6の場合や、外気A5と外気A7の場合や、外気A5と外気A8の場合や、外気A6と外気A7の場合や、外気A6と外気A8の場合や、外気A7と外気A8の場合には、外気中に前記不快微粒子や前記不快臭気が存在する場合であり、前記不快微粒子や前記不快臭気に水分を付与させることで前記ろ過機能が向上するという理論を用いており、この理論的背景としては、大気中の前記不快微粒子や前記不快臭気が雨滴によって吸着され、雨後には減少しているという事実を応用するものである。すなわち、前記加湿手段によって生じた水蒸気や微小水滴に接触した微粒子や臭い分子に接触することで、前記フィルター機能などに捕獲または吸着されやすくなるという理論的応用によるものである。
【0033】
課題を解決するための第五の手段(請求項5)として、前記空気改質装置を設けた床下空間には、前記空気改質装置のメンテナンス手段を設けたことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の床下暖房住宅の健康的換気手段を提供することである。
【0035】
課題を解決するための第五の手段で記述された床下空間に設けた前記空気改質装置のメンテナンス手段を設けたことに関しては、前記床下空間に設けた空気改質装置の近傍で前記居住部と前記床下空間の間に、開閉可能な床板手段を形成させたり、開閉可能な床板手段を備えた床下収納手段を形成させたり、開閉可能な床板手段に着脱可能に前記空気改質装置を装着できる手段を形成させたり、することの中から選択して単独で形成させたり組合わせて形成させたりすることが可能である。
また、前記床板形成手段に関しては、本発明を採用する住宅の設計者によって好適に設計されるのであれば構造に関しては公知の技術で構わない。
また、前記床下収納手段に関しては、前記床下収納手段の中に前記空気改質装置を収納できるようになっていれば、構造に関しては公知の技術で構わない。
また、前記床板装着手段に関しては、前記床板装着手段の一部である床板の前記床下空間側に前記空気改質装置を着脱可能手段を介して装着できるようになっていれば、構造に関しては公知の技術で構わない。
【発明の効果】
【0037】
本発明の床下暖房住宅の健康的換気手段が提供ができることで、以下に記述した発明の効果が可能になる。
【0038】
例えば、本明細書に記述した手段によって、車両からの汚染空気や煤塵、工場からの汚染空気や煤塵や不快臭、住宅密集地特有の外気中のゴミ・チリや住宅からの不快臭、各種花粉対策、主に中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質、などを除去または低減させた優良空気を床下空間に供給できることで、例えば床下暖房手段を使用する期間(地域差はあるが例えば、晩秋期、冬期、初春期)では加熱された優良空気を少なくとも一つ以上の居住部に供給できるので、この住宅の住人は健康的で快適な生活を過ごすことができる。また、例えば床下暖房手段を使用しない期間(地域差はあるが例えば、初秋期、夏期、晩春期)では優良空気を少なくとも一つ以上の居住部に供給できるので、この住宅の住人は健康的で快適な生活を過ごすことができるので冷房手段を使わないか減らすことが可能になる。したがって経済的にも貢献することができる。
【0039】
また、本明細書に記述した手段によって、車両からの汚染空気や煤塵、工場からの汚染空気や煤塵や不快臭、住宅密集地特有の外気中のゴミ・チリや住宅からの不快臭、各種花粉対策、主に中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質、などを除去または低減させた優良空気を床下空間に供給できることで、この床下空間を介して前記屋内通気空間を前記優良空気が満たすことになるので、前記屋内通気空間が優良状態を保持することが可能なので本発明の高気密高断熱住宅の寿命を延ばすことができる。
【0040】
また、本明細書に記述した手段によって、車両や工場からの煤塵、住宅密集地特有の外気中のゴミ・チリ、各種花粉対策、主に中国大陸から飛来する黄砂や汚染物質、などを除去または低減させた優良空気を床下空間に供給できることで、この床下空間を介して優良空気を前記居住部に供給できるので、前記居住部の不快物質の低減が図れ、結果的に前記居住部の掃除を軽減できるので、本発明の高気密高断熱住宅のメンテナンス性を向上させることが可能になる。
【0041】
また、本明細書に記述した手段によって、本発明を採用する住宅の環境に合わせて前記空気改質装置を設計することが可能になり、上述した発明の効果をより効果的に発揮させることが可能になる。また、住宅設計の専門家でなくとも本発明を採用する住宅の住人であれば環境に合わせて前記空気改質処理部を自由に組合わせることが可能になり、住人のニーズに合わせることが可能になる。
【0042】
また、本明細書に記述した手段によって、本発明の床下暖房住宅の健康的換気手段のメンテナンス性が向上し、さらに上述した前記空気改質装置の設計がより細かく消費者のニーズに合わせることと住宅の環境への適応性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図1に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
【実施例1】
【0045】
図1より、Hは床下空間から小屋裏空間までを連通化した屋内通気空間を形成した高気密高断熱住宅であり、高気密高断熱住宅Hは、床下空間10と床下暖房構造11、居住部20、居住部30、小屋裏空間40、屋内通気空間50、で構成されている。床下暖房構造11は、蓄熱コンクリートの中に放熱手段(図示せず)が埋め込まれた構造になっている。小屋裏空間40には、外気取入れ口41と、小屋裏排気口42と、熱交換手段付き強制吸気・排気装置60を設けてある。強制吸気・排気装置60には、吸気部61と供給部62、排気入力部63と排気出力部64、が設けられている。居住部20には、居住部吸気口21と居住部排気口25を設けられ、居住部30には、居住部吸気口31と居住部排気口35を設けられている。床下空間10には、空気改質装置70と、空気改質装置70のメンテナンス部12を設けてあり、空気改質装置70は、入力部71と空気改質処理部72と出力部73より成り、空気改質処理部72は着脱可能になっていて第1空気処理部72aと第2空気処理部72bで構成されている。強制吸気・排気装置60の吸気部61と外気取入れ口41はダクトD1を用いて接続され、強制吸気・排気装置60の供給部62と空気改質装置70の入力部71とはダクトD2を用いて接続され、居住部排気口25と強制吸気・排気装置60の排気入力部63とはダクトD3を用いて接続され、居住部排気口35と強制吸気・排気装置60の排気入力部63とはダクトD4を用いて接続され、強制吸気・排気装置60の排気出力部64と小屋裏排気口42とはダクトD5を用いて接続される。
【実施例2】
【0046】
図1より、IAは高気密高断熱住宅Hの周辺の外気Aが外気取入れ口41に取り込まれようとしている外気Aの状態を示しており、外気取入れ口41より取り込まれた外気IAはダクトD1を通って吸気部61と強制吸気・排気装置60と供給部62とダクトD2を介して空気改質装置70の入力部71に至り、外気IAはまず第1空気処理部72aで改質され改質外気IA1となり、改質外気IA1はさらに第2空気処理部72bで改質され改質外気IA2となり、改質外気IA2は床下空間10を満たし、さらに改質外気IA2は屋内通気空間50を満たすことで居住部吸気口21を介して居住部20内に流入し居住部空気22となり、居住部空気22が住人などで消費されると使用済み空気26となり、使用済み空気26は居住部排気口25とダクトD3と排気入力部63と強制吸気・排気装置60と排気出力部64とダクトD5と小屋裏排気口42を介して高気密高断熱住宅Hの外に強制排気され排空気OAとして空中に拡散していく。また、屋内通気空間50を満たした改質外気IA2は居住部吸気口31を介して居住部30内に流入し居住部空気32となり、居住部空気32が住人などで消費されると使用済み空気36となり、使用済み空気36は居住部排気口35とダクトD4と排気入力部63と強制吸気・排気装置60と排気出力部64とダクトD5と小屋裏排気口42を介して高気密高断熱住宅Hの外に強制排気され排空気OAとして空中に拡散していく。
【実施例3】
【0047】
図1より、例えば梅雨の時期で交通量の多い某都市部での高気密高断熱住宅Hにおいて、高気密高断熱住宅H周辺の外気の温度が約25℃で相対湿度が約80%の場合で、この時の外気IAの条件が外気A1と外気A4の組合せであるとして外気(A1+A4)であるとする。高気密高断熱住宅Hの住人はこの時期の外気IAが外気(A1+A4)であると把握していたので、まず第1空気処理部72aには前記ろ過手段からセルロース系シート状成形体で形成させたフィルター機能を選択し装着することにしたが、第1空気処理部72aには冬期の外気A2対策用の加湿機能を装着していたので開閉式扉であるメンテナンス部12を開いてこの加湿機能を取り外し、その後に前記セルロース系フィルター機能を装着した。次に第2空気処理部72bには前記吸着手段から珪藻土粉末を直径5mm位に形成させた粒体を充填させた珪藻土系フィルター機能を選択し装着することにしたが、第2空気処理部72bには第1空気処理部72aの加湿機能と相性の良い天然繊維系シート状成形体で形成させたフィルター機能を装着していたので開閉式扉であるメンテナンス部12を開いてこの天然繊維系フィルター機能を取り外し、その後に珪藻土系フィルター機能を装着した。外気取入れ口41より取り込まれた外気IA(外気(A1+A4))は、実施例1と実施例2の構成により、第1空気処理部72aにより比較的効率よく外気A4の不快粒子を減少させた改質外気IA1を生成させ、外気A1の比率が多い改質外気IA1を第2空気処理部72bにより比較的効率よく外気A1の湿気を減少させることで改質外気IA2に改質させることができる。外気IA(外気(A1+A4))から不快粒子と湿気を減少させた改質外気IA2を床下空間10や屋内通気空間50や居住部20や居住部30に供給できることで、梅雨の時期であるにも拘らず高気密高断熱住宅H及び高気密高断熱住宅Hの住人には快適な生活を提供できる。
【実施例4】
【0048】
図1より、実施例3の高気密高断熱住宅Hの冬期において、高気密高断熱住宅H周辺の外気の温度が約5℃で相対湿度が約40%の場合に、この時の外気IAの条件が外気A2と外気A4の組合せであるとして外気(A2+A4)であるとする。高気密高断熱住宅Hの住人はこの時期の外気IAが外気(A2+A4)であると把握していたので、まず第1空気処理部72aには前記加湿機能を選択し装着することにしたが、第1空気処理部72aには夏期の外気A1対策用の除湿機能を装着していたので開閉式扉であるメンテナンス部12を開いてこの除湿機能を取り外し、その後に前記加湿機能を装着した。次に第2空気処理部72bには木炭の粉砕物を充填したカセット容器を装着することにしたが、第2空気処理部72bには第1空気処理部72aの除湿機能と相性の良いセルロース系不織布で形成させたフィルター機能を装着していたので開閉式扉であるメンテナンス部12を開いてこのセルロース系フィルター機能を取り外し、その後に前記木炭カセット容器を装着した。外気取入れ口41より取り込まれた外気IA(外気(A2+A4))は、実施例1と実施例2の構成により、第1空気処理部72aにより外気A2の湿気を増加させた改質外気IA1を生成させ、改質外気IA1を第2空気処理部72bにより比較的効率よく外気A4の不快粒子を減少させることで改質外気IA2にすることができる。外気IA(外気(A2+A4))から不快粒子と湿気を増加させた改質外気IA2を床下空間10や屋内通気空間50や居住部20や居住部30に供給できることで、冬季においても高気密高断熱住宅H及び高気密高断熱住宅Hの住人には快適な生活を提供できる。
【実施例5】
【0049】
図1より、例えば、杉花粉を代表とする各種花粉が飛来し花粉症の方には辛い時期である3月〜4月の交通量の多い某都市部での高気密高断熱住宅Hにおいて、例えば高気密高断熱住宅Hの住人の一人に杉花粉症を患う方がいる場合で、またこの時期が中国大陸から黄砂も飛来する時期と重なることもあって杉花粉症の住人にとっては憂鬱な季節であり、さらに勤める企業の期末と年度始まりも重なるとあって気分が優れない季節でもあった。したがってこの時の外気IAの条件が外気A7と外気A8の組合せであるとして外気(A7+A8)であるとする。またこの高気密高断熱住宅Hの住人はこの時期の外気IAが外気(A7+A8)になることを体験上把握していたので、まず開閉式扉であるメンテナンス部12を開いて第1空気処理部72aの今までセットしていたあるフィルター機能を取り外し紫外線照射手段で杉花粉を不活性化させる空気浄化機能を装着した。次に第2空気処理部72bには遠赤外線放射体でありマイナスイオン生成手段でもあり吸着手段としても優れている前記ゼオライト粉末を直径5mm位に形成させた粒体に市販のミント系香料を所望量染みこませてから充填したカセット容器を装着することにした。次に外気取入れ口41より取り込まれた外気IA(外気(A7+A8))は、実施例1と実施例2の構成により、第1空気処理部72aにより比較的効率よく外気A7の杉花粉を不活性化させた改質外気IA1を生成させ、次に改質外気IA1を第2空気処理部72bにより黄砂をほぼ完全に吸着させることで改質させた改質外気IA2を床下空間10や屋内通気空間50や居住部20や居住部30に供給できることで、杉花粉や黄砂の時期であるにも拘らず高気密高断熱住宅H及び高気密高断熱住宅Hの住人には快適な生活を提供できる。また第2空気処理部72bに付加したミント系香料により高気密高断熱住宅Hの住人は気分爽快に仕事に専念することができ産業の発展に寄与することができた。
【0055】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,寸法,材料(素材),材質(品質),数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することが可能である。
また本発明は、高気密高断熱住宅を対象としたものであるが、どの程度の高気密高断熱を採用するかは問わないし、またその具体的構造についても任意であり、前記実施形態には限定されない。
また本発明は、床下空間に床下暖房手段を設けた住宅を対象としたものであるが、どの程度の床下暖房手段を採用するかは問わないし、またその具体的構造についても任意であり、前記実施形態には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明では実施例として2階建て住宅の場合を説明したが、平屋建て住宅の場合でも2階建て以上の住宅でも、集合住宅でも、高層建築物でも同様の効果が可能であるから、産業上の利用可能性は大きいと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0062】
H・・・高気密高断熱住宅
D1,D2,D3,D4,D5・・ダクト
IA・・外気A、IA1・・改質外気、IA2・・改質外気、OA・・排空気
10・・床下空間、11・・床下暖房構造、12・・メンテナンス部
20・・居住部、21・・居住部吸気口、22・・居住部空気
25・・居住部排気口、26・・使用済み空気
30・・居住部、31・・居住部吸気口、32・・居住部空気
35・・居住部排気口、36・・使用済み空気
40・・小屋裏空間、41・・外気取入れ口、42・・小屋裏排気口
50・・屋内通気空間
60・・強制吸気・排気装置、61・・吸気部、62・・供給部
63・・排気入力部、64・・排気出力部
70・・空気改質装置、71・・入力部、72・・空気改質処理部
72a・・第1空気処理部、72b・・第2空気処理部
73・・出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下空間、少なくとも一つ以上の居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化し屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅で床下空間の中の少なくとも一部に暖房手段を設けた住宅において、前記小屋裏空間に外気取入れ口と排気口と 熱交換手段付き強制吸気・排気装置を設け、前記居住部に吸気口と排気口を設け、前記床下空間には空気改質装置を設け、前記強制吸気・排気装置にはダクトを介して外気取入れ口に接続されダクトを介して前記空気改質装置に接続され、前記居住部排気口と前記強制吸気・排気装置とはダクトを介して接続され、前記強制吸気・排気装置と前記小屋裏排気口とはダクトを介して接続される、ことを特徴とする床下暖房住宅の健康的換気手段。
【請求項2】
前記空気改質装置が、フィルター機能、空気浄化機能、空気活性化機能、除湿機能、加湿機能、などの中から選択した機能を備えている、ことを特徴とする、請求項1に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段。
【請求項3】
前記空気改質装置が、入力部と空気改質処理部と出力部より成り、前記空気改質処理部が着脱可能になっていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段。
【請求項4】
前記空気改質処理部が第1空気処理部から第(n+1:nは正の整数)空気処理部から成り、前記機能から選択して組合わせることを特徴とする、請求項3に記載の床下暖房住宅の健康的換気手段。
【請求項5】
前記空気改質装置を設けた床下空間には、前記空気改質装置のメンテナンス手段を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の床下暖房住宅の健康的換気手段。

【図1】
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【公開番号】特開2010−242472(P2010−242472A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107002(P2009−107002)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(505352703)
【出願人】(507129156)株式会社時代の家niigata (3)
【Fターム(参考)】