説明

廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】印字処理工程において回収された残留トナーをブロッキング現象を生じさせることなく、廃トナーを搬送するための駆動負荷を増大させずに効率よく容易に搬送できる廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム3上にトナー像を形成するために用いられるトナーのうち用紙Pに転写されるトナー像に使用されるトナーを除き、印字処理工程で生じる残留トナーを除去する感光体ドラムクリーニングユニット160と、廃トナーボックス180と、感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に回収された廃トナーを搬送する廃トナー搬送装置170を備えた感光体ドラムクリーニング装置150において、廃トナー搬送装置170を構成する廃トナー搬送スクリュー172にハロゲンヒータ190を設けたことを特徴とするものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置に係り、特に、印字処理後に感光体ドラム等に残留したトナーを除去して収容する廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いたプリンタ等の画像形成装置では、回転駆動される感光体ドラムを帯電器により帯電し、前記感光体ドラムに画像情報に応じた光照射により静電潜像を形成し、現像装置によりこの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像をシート材などの記録媒体に転写して画像を出力するようにされている。
画像形成装置の現像装置に用いられる現像剤として、例えば、帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して用いられる2成分現像剤が用いられている。
【0003】
このように構成された現像剤のトナーは、粉体で且つ摩擦帯電した状態となっているため、印字処理工程における感光体ドラムや転写機構等の構成部材に吸着され、出力される画像に付着して印字品位の低下を招来する原因となっている。
【0004】
詳しくは、感光体ドラムは、画像情報の印字要求がなされると装置の制御部で画像情報を印字用の画像処理が施された後に図中の露光光路で感光体ドラム上に照射される。感光体ドラムは、露光に先立ち、感光体表面電位を一定化するための帯電が主帯電器で行われ、前記露光用の照射光で、画像情報に合致する静電潜像を感光体ドラム上に形成する。この静電潜像の電位ギャップに対し、現像装置中のトナーを用いることで可視化像(トナー像)が形成され、感光体ドラム上に画像情報が顕像化される。
【0005】
顕像化されたトナー像は、その後、感光体ドラムの外周に沿って配置される転写機構によって給紙工程から搬送される用紙上に転写電界を用いて画像情報を転写する。この工程で、感光体ドラム上に顕像化された画像情報(トナー像)の全てが用紙上に転写されることは無く、一般的に転写効率は装置によっても、転写機構によっても異なるが概ね85〜95%の転写効率であると言われている。
【0006】
他方、搬送される用紙が転写電界を受けることで、感光体ドラム上のトナー像を用紙に転写するのと同様に、用紙中の浮遊物(短繊維のセルロース、増量剤、漂白剤等々)が電界で帯電し、印加電界(転写電界)と逆極性の電界に帯電した浮遊物は感光体ドラムの電位によって感光体上に吸着することとなり、「紙粉」と呼ばれる付着物となる。
このようにして感光体ドラムに残留するトナー、紙粉は転写工程の後、感光体ドラム上に付着した状態となり、感光体ドラム表面の清掃を行わない時は、感光体ドラムの次工程である画像形成工程において印字品位を低下する主要因となる。
【0007】
そこで、従来では、例えば、感光体ドラムの外周部において、画像情報が転写媒体に転写される転写工程の下流側にクリーニングユニットを配置し、トナー像が転写された後に感光体ドラム上に残留したトナーを回収することで該感光体ドラムの表面をクリーニングするようにしたものが提案されている(特許文献1を参照)。
【0008】
クリーニングユニットに回収された残留トナーは、搬送スクリュー等の搬送手段によって別体で形成された廃トナー収容部に搬送されて収容されるが、感光体ドラム上には残留トナーだけでなく記録媒体を搬送中に生じる紙粉と呼ばれる不純物も含まれており、それらも合わせてクリーニングユニットに回収される。その紙粉の主成分として、転写工程での印加電界によって帯電され感光体ドラム上に吸着された短繊維のセルロース、紙の製造時に加えられる増量成分、漂白成分等がある。
【0009】
このように、残留トナーや紙粉を含む多種の残留物(廃トナー)が感光体ドラム上からクリーニングユニットにより回収されると、該クリーニングユニットに回収された廃トナーを搬送する搬送スクリュー(回収用搬送スクリュー)により種々の粉体や繊維分が摩擦帯電し、各々の極性で分散したり凝縮した状態となる。ここで問題となるのは分散するものではなく、凝縮して巨大化する物質であり、それらの凝縮する核となるものは主に紙粉(特に、短繊維のセルロース)であることが知られている。
【0010】
クリーニングユニット内の回収用搬送スクリューで凝縮され巨大化した凝集体は、クリーニングユニット内では収容スペースに余裕があるため大きな問題とはならないが、クリーニングユニットから廃トナー収容器まで廃トナーを搬送する搬送経路(搬送スクリューを内包する筒状の部材)においては、搬送スクリューと搬送経路の内壁面との空隙が小さいため、巨大化する凝縮物質が搬送スクリューの駆動負荷を増大させる原因となる。
【0011】
そして、搬送スクリューの駆動負荷が増大すると、搬送スクリューの回転が不均一となり、廃トナーを含む全ての粉体にロック現象が発生し、最終的には、前記搬送経路内に粉体が詰まった状態、いわゆるブロッキング現象が発生し、最悪の時は、クリーニングユニット中に廃トナーが満杯となり、感光体ドラムのクリーニング不良や感光体ドラムの表面にキズが発生したり、さらには、搬送スクリューを含むクリーニングユニットの破壊を招来する虞がある。
【0012】
具体的に説明すると、廃トナー等が搬送スクリューにより搬送される工程で、搬送スクリューが配置される搬送部材(例えば、筒状の搬送経路)内部で廃トナーが異常堆積して搬送スクリューの搬送機能を阻害して、回収容器内に廃トナーが堆積することを「ブロッキング現象」と呼んでいる。
【0013】
さらに、ブロッキング現象について説明すると、廃トナーや紙粉等は、搬送スクリューで搬送される時に搬送スクリューの羽根当によって攪拌されて摩擦帯電が生じる。廃トナーや紙粉等は、摩擦帯電することで異極性同士が吸着して巨大化した粉体となる。この時、紙粉中の上記短繊維のセルロースが介在して巨大化した粉体が凝集し搬送スクリューのスクリューピッチ間を遮蔽することになり、搬送スクリューの廃トナー等を搬送する機能が阻害される。
【0014】
この巨大化した粉体による搬送スクリューの搬送機能の阻害は、クリーニングユニットから回収容器までの搬送部材の間で発生することが多い。従って、搬送部材の搬送経路内が詰まった時には、クリーニングユニットにより回収された廃トナーや紙粉等は、クリーニングユニット内から搬出できずにユニット内に充満し、最悪の時は感光体ドラム表面に付着し「クリーニング不良」の状態となり、印字不良が招来されるだけでなく、感光体ドラム外周に配置される主帯電器、現像槽の破損、品質低下を招来するという問題が生じる。
【0015】
そこで、このような問題点の対策として、例えば、搬送スクリューを構成する搬送羽根を搬送スクリューの回転軸の始点と終点のみに固定して、前記搬送羽根が回転軸に対して振動可能に配設することにより、搬送スクリューの回転工程中の回転力や振動により巨大化した凝集物質を粉砕して搬送を容易にしてブロッキング現象の回避をするようにしたものが提案されている(特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開2002−108160号公報
【特許文献2】特開2005−250395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述した従来技術では、装置の環境条件を、例えば、高温高湿状態に保持した状態で前記搬送スクリューにより廃トナーの搬送を行うと、廃トナー及び紙粉が吸湿し、摩擦帯電量の低下を招来するだけでなく、吸湿効果による凝集物質の巨大化、並びに搬送スクリューの搬送羽根に付着してブロッキング現象を回避することができない虞がある。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、印字処理工程において廃トナー除去手段により回収された残留トナーを、ブロッキング現象を生じさせることなく、廃トナー搬送手段の駆動負荷を増大させずに効率よく容易に廃トナー収容部に搬送できる廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するための本発明に係る廃トナー回収装置及びこれを用いた画像形成装置の各構成は、次の通りである。
請求項1に記載した廃トナー回収装置は、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうち、記録媒体に転写されるトナー像に使用されるトナーを除き、印字処理工程において生じる残留トナーを廃トナーとして除去する廃トナー除去手段(例えば、クリーニングユニット)と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部(例えば、廃トナーボックス)と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段(例えば、搬送スクリュー)と、を備えた廃トナー回収装置において、前記廃トナー搬送手段に該廃トナー搬送手段を加熱する発熱部材を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
本発明において、廃トナーは、印字処理工程において生じる残留トナーのみならず、記録媒体を搬送中に生じる紙粉や粉塵等の残留物が混入されたものを含むものとする。
【0020】
本発明における印字処理工程は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する前に一時的に中間転写媒体に転写する中間転写工程、中間転写媒体からトナー像を記録媒体に転写する転写工程、及び記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程を含むものである。
【0021】
請求項2に記載した廃トナー回収装置は、請求項1に記載した構成に加えて、前記廃トナー搬送手段として、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーの搬送を行うトナー搬送羽根と前記トナー搬送羽根が連結される中空の回転軸とを備え、前記回転軸の内部に前記発熱部材を配置したことを特徴とするものである。
【0022】
請求項3に記載した廃トナー回収装置は、請求項1または2に記載した構成に加えて、前記廃トナー除去手段を、前記静電潜像担持体に隣接して配置して該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去することを特徴とするものである。
【0023】
請求項4に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記印字処理工程として、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を転写機構(例えば、転写ベルトまたは搬送ベルト)により記録媒体(例えば、記録用紙)に転写する転写工程を含むものとし、前記廃トナー除去手段を、前記転写機構に隣接して配置して該転写機構上に残留したトナーを除去することを特徴とするものである。
【0024】
請求項5に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記印字処理工程として、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写媒体(例えば、中間転写ベルト)に転写する中間転写工程を含むものとし、前記廃トナー除去手段を、前記中間転写媒体に隣接して配置して該中間転写ベルト上に残留したトナーを除去することを特徴とするものである。
【0025】
請求項6に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記印字処理工程として、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段(例えば、定着ローラ)により該記録媒体に定着させる定着工程を含むものとして、前記廃トナー除去手段を前記定着手段に隣接して配置し、該定着手段に残留したトナーを除去することを特徴とするものである。
【0026】
請求項7に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記発熱部材を、前記廃トナー搬送手段に設けられる場所に応じて発熱量、すなわち長さ単位当たりの発熱量が異なるように形成したことを特徴とするものである。
【0027】
請求項8に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記発熱部材を、前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量よりも、前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量が大きくなるように形成したことを特徴とするものである。
【0028】
請求項9に記載した廃トナー回収装置は、請求項8に記載した構成に加えて、前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量を、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの軟化温度より低くなる発熱量とすることを特徴とするものである。
【0029】
請求項10に記載した廃トナー回収装置は、請求項8または9に記載した構成に加えて、前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量を、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの溶融温度より高くなる発熱量とすることを特徴とするものである。
【0030】
請求項11に記載した廃トナー回収装置は、請求項10に記載した構成に加えて、前記発熱部材により溶融された廃トナーを、溶融状態で前記廃トナー収容部に搬送して収容することを特徴とするものである。
【0031】
請求項12に記載した廃トナー回収装置は、請求項1乃至11のうちの何れか一項に記載した構成に加えて、前記発熱部材として、ハロゲンヒータを用いることを特徴とするものである。
【0032】
また、請求項13に記載した画像形成装置は、トナー像が形成される静電潜像担持体を有する画像形成部と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に直接的または間接的に転写する転写機構と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段とを備えて、電子写真方式により前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置であって、さらに、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうちの印字処理工程中に生じる残留トナーを廃トナーとして除去する廃トナー除去手段と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段とを具備する廃トナー回収装置を備えた画像形成装置において、前記廃トナー回収装置として、請求項1乃至12のうちの何れか一項に記載のトナー回収装置を用いることを特徴とするものである。
【0033】
請求項14に記載した画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源及び該廃トナー搬送手段に設けられた発熱部材が通電可能状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0034】
請求項15に記載した画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0035】
請求項16に記載した画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0036】
請求項17に記載した画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0037】
請求項18に記載した画像形成装置は、請求項13に記載した構成に加えて、前記画像形成装置の運転制御を、予め設定された複数の運転モードに応じて運転制御するものとして、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードに応じて、前記トナー搬送手段の駆動源及び前記発熱部材の作動状態を変更可能にすることを特徴とするものである。
【0038】
請求項19に記載した画像形成装置は、請求項18に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体が駆動して画像出力を行う印字処理モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0039】
請求項20に記載した画像形成装置は、請求項18に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態で運転準備を行うウォームアップモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0040】
請求項21に記載した画像形成装置は、請求項18に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、印字処理後に前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で所定時間経過するまで印字処理が可能な状態で備える待機モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0041】
請求項22に記載した画像形成装置は、請求項18に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で印字処理後に所定時間経過後に消費電力を少なくして次の印字処理に備える省エネモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することを特徴とするものである。
【0042】
請求項23に記載した画像形成装置は、請求項18に記載した構成に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で消費電力を少なくして節約する節電モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となるように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0043】
請求項1に記載した発明によれば、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうち、記録媒体に転写されるトナー像に使用されるトナーを除き、印字処理工程において生じる残留トナーを廃トナーとして除去する廃トナー除去手段(例えば、クリーニングユニット)と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部(例えば、廃トナーボックス)と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段(例えば、搬送スクリュー)と、を備えた廃トナー回収装置において、前記廃トナー搬送手段に該廃トナー搬送手段を加熱する発熱部材を設けたことで、この発熱部材により廃トナー搬送手段全体を加熱し、印字処理工程において廃トナー除去手段により回収された残留トナーを軟化させて搬送し易くすることで、装置内部でブロッキング現象を生じさせることなく、廃トナー搬送手段の駆動負荷を増大させずに効率よく容易に廃トナーを廃トナー収容部に搬送できる。これにより、廃トナー除去手段や廃トナー搬送手段の内部に廃トナーや紙粉等の堆積から発生する廃トナー除去手段の破損や、静電潜像担持体のキズフィルミング減少の回避して印字品位の低下を抑制し、印字処理工程における構成部品(例えば、感光体ドラム周辺に配置される主帯電器、現像槽等)の破損を抑止することができる。
【0044】
また、本発明によれば、廃トナーを溶融状態で搬送するので、廃トナー収容部内に密に詰まった排出が可能となり回収効率の向上を図ることができ、さらに廃トナー収容部のコンパクト化を実現できる。さらに、回収された廃トナーは回収後に固化するので、廃トナー収容部を交換する際に大気汚染を回避でき、エコロジーに優れた廃トナー回収が可能となる。
【0045】
また、請求項1〜23に記載の発明で得られる上記共通の効果に加え、各請求項に記載の発明によれば次の効果を得ることができる。
【0046】
詳しくは、請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー搬送手段として、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーの搬送を行うトナー搬送羽根と前記トナー搬送羽根が連結される中空の回転軸とを備え、前記回転軸の内部に前記発熱部材を配置したことで、廃トナーの搬送を邪魔することなく前記回転軸を直接加熱することができるので、搬送される廃トナーを中側(内部)より効率よく加熱することができる。
【0047】
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー除去手段を、前記静電潜像担持体に隣接して配置し、該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去するようにしたので、前記静電潜像担持体を常にクリーンな状態に保つことができる。
【0048】
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記印字処理工程として、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を転写機構(例えば、転写ベルトまたは搬送ベルト)により記録媒体に転写する転写工程を含むものとし、前記廃トナー除去手段を、前記転写機構に隣接して配置し、該転写機構上に残留したトナーを除去するようにしたので、転写機構を常にクリーンな状態に保つことができる。
【0049】
請求項5に記載した発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記印字処理工程として、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写媒体(中間転写ベルト)に転写する中間転写工程を含むものとし、前記廃トナー除去手段を前記中間転写媒体に隣接して配置し、該中間転写ベルト上に残留したトナーを除去するようにしたので、前記中間転写ベルトを常にクリーンな状態に保つことができる。
【0050】
請求項6に記載した発明によれば、請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記印字処理工程として、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段(例えば、定着ローラ)により該記録媒体に定着させる定着工程を含むものとして、前記廃トナー除去手段を前記定着手段に隣接して配置し、該定着手段に残留したトナーを除去するようにしたので、前記定着手段を常にクリーンな状態に保つことができる。
【0051】
請求項7に記載した発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記発熱部材を、前記廃トナー搬送手段に設けられる場所に応じて発熱量、すなわち長さ単位当たりの発熱量が異なるように形成したことで、前記発熱部材を配置する位置に応じて搬送される残留トナーの溶融状態や熱影響を変化させることができる。
【0052】
請求項8に記載した発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記発熱部材を、前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量よりも、前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量が大きくなるように形成したことで、前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部へ搬送される廃トナーを搬送し易くすることができる。
【0053】
請求項9に記載した発明によれば、請求項8に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量を、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの軟化温度より低くなる発熱量とすることで、前記廃トナー搬送手段により搬送される残留トナーを軟化させて搬送し易くすることができる。
【0054】
請求項10に記載した発明によれば、請求項8または9に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量を、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの溶融温度より高くなる発熱量とすることで、前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送される廃トナーにおいて残留トナーを溶融させて残留トナーと紙粉が凝集しないようにしてより搬送し易くすることができる。
【0055】
請求項11に記載した発明によれば、請求項10に記載した発明で得られる効果に加えて、前記発熱部材により溶融された残留トナー(廃トナー)を、溶融状態で前記廃トナー収容部に搬送して収容するようにしたので、粉体状のトナーと比較して見掛け嵩比重ではなく、真比重の状態で回収容器に回収されるため、多量の廃トナーが収納可能であり、ユーザの廃トナー回収部の交換サイクルの長期化が可能になる。更に、廃トナー回収部を交換する時に、廃トナーが粉体でないことから環境汚染の不安が無くなり、エコロジーに優れた廃トナー回収が可能となる。
【0056】
請求項12に記載した発明によれば、請求項1乃至11のうちの何れか一項に記載した発明で得られる効果に加えて、前記発熱部材として、ハロゲンヒータを用いることで、発熱部材を容易に形成することができる。
【0057】
また、請求項13に記載した発明によれば、トナー像が形成される静電潜像担持体を有する画像形成部と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に直接的または間接的に転写する転写機構と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段とを備えて、電子写真方式により前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置であって、さらに、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうちの印字処理工程中に生じる残留トナーを廃トナーとして除去する廃トナー除去手段と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段とを具備する廃トナー回収装置を備えた画像形成装置において、前記廃トナー回収装置として、請求項1乃至12のうちの何れか一項に記載のトナー回収装置を用いることで、前記廃トナー搬送手段に設けられた発熱部材により廃トナー搬送手段全体を加熱して、印字処理工程において廃トナー除去手段により回収された残留トナーを軟化させて搬送し易くすることができる。これにより、ブロッキング現象を生じさせることなく、廃トナー搬送手段の駆動負荷を増大させずに効率よく容易に廃トナーを廃トナー収容部に搬送できる画像形成装置を実現できる。
【0058】
請求項14に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源及び該廃トナー搬送手段に設けられた発熱部材が通電可能状態となるように制御することで、前記画像形成装置を運転する時に前記廃トナー回収装置の運転制御を行うことができる。
【0059】
請求項15に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、前記画像形成装置が運転状態の時、すなわち印字処理が行われている時は、前記廃トナー搬送手段を駆動するとともに前記発熱部材により廃トナー搬送手段を加熱するようにしたので、印字処理工程時に生じる残留トナーを回収するとともに回収された残留トナーを常に搬送し易い状態で搬送することができる。
【0060】
請求項16に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、前記画像形成装置が運転停止状態でも、前記廃トナー除去手段により回収された廃トナーを前記廃トナー除去手段から廃トナー収容部に搬送するようにしたので、回収された廃トナーが前記廃トナー除去手段においてオーバーフローすることなく安全に廃トナーの回収を行うことができる。
【0061】
請求項17に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となるように制御することで、印字処理が行われていない時は、残留トナーの搬送を停止するとともに、発熱部材の通電を停止することで、消費電力の削減を図ることができる。
【0062】
請求項18に記載した発明によれば、請求項13に記載した発明で得られる効果に加えて、前記画像形成装置の運転制御を、予め設定された複数の運転モードに応じて運転制御するものとして、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードに応じて、前記トナー搬送手段の駆動源及び前記発熱部材の作動状態を変更可能にすることで、運転モードに応じて最適な廃トナーの回収及び搬送を行うことができる。
【0063】
請求項19に記載した発明によれば、請求項18に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体が駆動して画像出力を行う印字処理モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、印字処理が行われている時は、前記廃トナー搬送手段を駆動するとともに前記発熱部材により廃トナー搬送手段を加熱するようにしたので、印字処理工程時に生じる残留トナーを回収するとともに、回収された残留トナーを常に搬送し易い状態で搬送することができる。
【0064】
請求項20に記載した発明によれば、請求項18に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態で運転準備を行うウォームアップモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、前記画像形成装置がウォームアップモード状態の時に、前記廃トナー除去手段により回収された廃トナーを前記廃トナー除去手段から廃トナー収容部に搬送するようにしたので、運転開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送手段により効率よく搬送することができる。
【0065】
請求項21に記載した発明によれば、請求項18に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、印字処理後に前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で所定時間経過するまで印字処理が可能な状態で備える待機モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、待機モードの状態の時に、前記廃トナー除去手段により回収された廃トナーを前記廃トナー除去手段から廃トナー収容部に搬送するようにしたので、印字処理開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送手段により効率よく搬送することができる。
【0066】
請求項22に記載した発明によれば、請求項18に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で印字処理後に所定時間経過後に消費電力を少なくして次の印字処理に備える省エネモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となるように制御することで、省エネモード状態の時に、前記廃トナー除去手段により回収された廃トナーを前記廃トナー除去手段から廃トナー収容部に搬送するようにしたので、印字処理開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送手段により効率よく搬送することができる。
【0067】
請求項23に記載した発明によれば、請求項18に記載した発明で得られる効果に加えて、前記廃トナー回収装置の運転制御を、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で消費電力を少なくして節約する節電モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となるように制御することで、印字処理が行われていない時は、残留トナーの搬送を停止するとともに、発熱部材の通電を停止することで、消費電力の削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
【0069】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
【0070】
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、図1、図2に示すように、スキャナ等に読み込まれた画像データや外部から伝達された画像データを電子写真方式によって、回転駆動される円筒状の感光体ドラム(静電潜像担持体)3上に静電潜像を形成して、この静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によってトナー像として可視像化した後、シート状の記録用紙(以下、用紙と称する。)に転写してモノクロ(単色)画像として出力する画像形成装置1Aであって、感光体ドラム3を有する画像形成部14と、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を用紙に直接的または間接的に転写する転写機構10と、用紙上に転写されたトナー像を用紙に定着させる定着ユニット(定着手段)6とを備え、さらに、印字処理工程において生じる残留トナーを除去する本発明に係る廃トナー回収装置5を備えたものである。
【0071】
画像形成装置1Aの構成として、用紙Pを複数枚積載可能な給紙トレイ8と、この給紙トレイ8から供給される用紙Pを画像形成部14に搬送する用紙搬送部59と、画像形成部14で印字された用紙P上の未定着トナーを溶融させて定着させる定着ユニット6へ搬送する用紙搬送装置7とを備えており、予め設定された複数の排出処理モードに対応した用紙Pの搬送速度に基づいて、印字要求に応じて選択的に用紙Pの搬送速度を制御して給紙トレイ8から自動的に排紙トレイ9に用紙Pを供給可能としたものである。
【0072】
まず、画像形成装置1Aの全体構成について説明する。
画像形成装置1Aは、図1に示すように、主に、露光ユニット1、現像装置2、トナー供給装置30、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、感光体ドラムクリーニングユニット(廃トナー除去手段)160、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、給紙トレイ8、排紙トレイ9および転写機構10等を備える装置本体1A1と、自動原稿処理装置1A2とにより構成されている。
【0073】
装置本体1A1の上面部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台21が設けられ、この原稿載置台21の上方には、自動原稿処理装置1A2が上方に向かい揺動開放自在に設けられ、一方、この原稿載置台21の下方には、原稿の画像情報を読み取る原稿読み取り部であるスキャナ部22が配置されている。
【0074】
そのスキャナ部22の下方には、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、感光体ドラムクリーニングユニット160、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、排紙トレイ9、および転写機構10が配設され、さらに、その下方には、用紙Pが収納された給紙トレイ8が配設されている。
【0075】
露光ユニット1は、画像処理部(図示省略)から出力された画像データに応じて、レーザ光を帯電器4によって均一に帯電された感光体ドラム3の表面に照射して露光することにより感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を書込み形成する機能を有するものである。この露光ユニット1は、スキャナ部22の直下で且つ感光体ドラム3上方に配置され、レーザ照射部11,11および反射ミラー12を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bが採用されている。
【0076】
本実施形態では、高速印字処理を行うために、複数のレーザ光を利用し、照射タイミングの高速化を低減する手法を用いた2ビーム手法を採用しているものとする。
なお、本実施形態では、露光ユニット1にレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bを用いているが、発光素子をアレイ状に並べたもの、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いるものであっても良い。
【0077】
感光体ドラム3は、略円筒形状を呈し、露光ユニット1の下方に配設され、図示しない駆動手段と制御手段により所定方向(図中の矢印A方向)に回転するように制御されている。この感光体ドラム3の外周面に沿って、図2に示すように、画像転写終了後の位置を基準として感光体ドラム回転方向下流側に向かい、用紙剥離爪31、感光体ドラムクリーニングユニット160、電界発生部としての帯電器4、現像装置2、除電装置41の順に配置されている。
【0078】
用紙剥離爪31は、ソレノイド32により感光体ドラム3の外周面に接離可能に配置されている。この用紙剥離爪31は、感光体ドラム3の外周面に当接した状態で、感光体ドラム3上の未定着トナー像を用紙Pに転写する際にその感光体ドラム3の表面に張り付いた用紙Pを剥離するものである。
なお、用紙剥離爪31の駆動手段として、ソレノイド32の換わりに駆動用モータ等を採用しても良く、その他の駆動手段の選択も可能である。
【0079】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を黒トナーで顕像化するものであって、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器4より下流側で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で右側)に配置されている。この現像装置2の下方には、記録媒体搬送方向上流側にレジストローラ15が配置されている。なお、現像装置2の詳細については後述するものとする。
【0080】
トナー供給装置30は、トナーが充填されたトナー容器300から排出されるトナーを一時的に中間ホッパ部33に貯留してから現像装置2に供給するものであって、現像装置2に隣接するようにして配置されている。
【0081】
レジストローラ15は、給紙トレイ8から供給された用紙Pの先端と感光体ドラム3上のトナー像とを整合して感光体ドラム3と転写ベルト103との間に搬送するように、図示しない駆動手段および制御手段により動作制御されている。
【0082】
帯電器4は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であって、感光体ドラム3の上方でその外周面に近接して配置されている。
なお、本実施形態では、チャージャー型の帯電器4を使用しているが、接触型のローラ方式によるものやブラシ方式によるものに代用しても良い。
【0083】
除電装置41は、感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写し易くするために、この感光体ドラム3の表面電位を低下させるための転写前除電手段であって、感光体ドラム回転方向で現像装置2より下流側で、かつ感光体ドラム3の下方でその外周面に近接して配置されている。
なお、本実施形態では、除電装置41は、除電電極を用いて構成されているが、除電電極の替わりに除電ランプを使用したり、その他の方式により除電するようにしたものであっても良い。
【0084】
感光体ドラムクリーニングユニット160は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収するものであって、感光体ドラム3を挟んで現像装置2と略対向する位置で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で左側)に配置されている。
【0085】
上述したように、感光体ドラム3上で顕像化された静電像は、静電像が有する電荷の逆極性の電界が搬送される用紙P上に転写機構10から印加されることで用紙P上に転写される。例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している時は、転写機構10の印加極性は(+)極性となる。
【0086】
転写機構10は、駆動ローラ101、従動ローラ102、および他のローラで架橋されるとともに、所定の抵抗値(本実施形態では、1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有する転写ベルト103が配置された転写ベルト式ユニットで構成され、感光体ドラム3の下方で、転写ベルト103の表面が感光体ドラム3の筒状の外周の一部と接触するように配置されている。この転写ベルト103により、用紙Pを感光体ドラム3に押圧しながら搬送するようになっている。
感光体ドラム3と転写ベルト103の接触部104には、駆動ローラ101および従動ローラ102とは異なる導電性で転写電界を印加可能な弾性導電性ローラ105が配置されている。
【0087】
弾性導電性ローラ105は、弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成されている。この弾性導電性ローラ105が弾性を有することで、感光体ドラム3と転写ベルト103とが線接触でなく転写ニップと呼ばれる所定の幅を有する面接触となるので、搬送される用紙Pへの転写効率の向上を図ることができる。
【0088】
さらに、転写ベルト103の転写領域の用紙搬送方向下流側には、搬送される用紙Pが転写領域で印加された電界を除電し、次工程への搬送をスムーズに行う為の除電ローラ106が転写ベルト103の背面側に配置されている。
【0089】
また、図2に示すように、転写機構10には、転写ベルト103の残留トナーによる汚れを取る転写ベルトクリーニングユニット(廃トナー除去手段)260と、転写ベルト103の除電を行う複数の除電機構108が配置されている。この除電機構108に用いられる除電を行うための手法として、装置を介して接地する手法、若しくは積極的に転写電界の極性と逆極性を印加する手法がある。
【0090】
転写機構10で用紙P上に転写された静電像(未定着トナー)は、定着ユニット6に搬送されて加圧・加熱されることで未定着トナーが溶融されて用紙P上に定着される。
定着ユニット6は、図2に示すように、定着ローラを構成する加熱ローラ6a及び加圧ローラ6bを備え、この加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとによって、用紙Pを挟持した状態で加熱ローラ6aを回転させ、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの間を通過させることにより、用紙P上に転写されたトナー像を溶融して定着させるものである。定着ユニット6の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを搬送する搬送ローラ16が設けられている。
この搬送ローラ16の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを排紙トレイ9に排紙するための排紙ローラ17が設けられている。
【0091】
加熱ローラ6aは、その外周部には用紙剥離爪611、ローラ表面温度検出部材であるサーミスター612、加熱ローラ6aの外周部をクリーニングする定着ローラクリーニングユニット(廃トナー除去手段)360が配置され、内周部には加熱ローラ表面を所定温度(定着設定温度:概ね160〜200℃)とする熱源614が設けられている。
加圧ローラ6bは、ローラの両端部で加熱ローラ6aに対し所定圧量で加圧ローラ6bが圧接することが可能な加圧部材621が配置され、さらに、加圧ローラ6bの外周には加熱ローラ6aの外周と同様に用紙剥離爪622、ローラ表面クリーニング部材623が配置されている。
【0092】
定着ユニット6は、図2に示すように、いわゆる定着ニップ部と呼ばれる加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接部600において、搬送される用紙P上の未定着トナーを加熱ローラ6aにより加熱して溶融し、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接力による用紙P上への投鋲作用で、未定着トナーを用紙P上に定着するようになっている。
【0093】
給紙トレイ8は、図1に示すように、画像情報が出力(印字)されるシート(用紙)を複数枚蓄積しておくためのものであり、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、感光体ドラムクリーニングユニット160、定着ユニット6等で構成される画像形成部14の下側に構成されている。この給紙トレイ8の排紙側上部には、用紙ピックアップローラ8aが配置されている。
【0094】
この用紙ピックアップローラ8aは、給紙トレイ8内に積載収容された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップし、下流側に向かって(便宜上の用紙Pの流れ出し側、換言するとカセット側を上流、排紙側を下流とする。)用紙搬送路7a上のレジストローラ(「アイドルローラ」とも称する。)15側に搬送するようになっている。
【0095】
本実施形態に係る画像形成装置1Aでは、高速印字処理を行うことを目的とするため、画像形成部14の下方に定型サイズの用紙Pを各々のトレイに500〜1500枚収納可能な複数の給紙トレイ8が配置され、一方、装置側面には複数の用紙種類を多量に収納可能な大容量給紙カセット81が配置されるとともに、この大容量給紙カセット81の上方に、主に不定型サイズの印字等に対応する手差しトレイ82が設けられている。
【0096】
排紙トレイ9は、手差しトレイ82とは反対側の装置側面に配置されている。また、排紙トレイ9に変わって、排紙用紙のステープル、パンチ処理等を行う後処理装置や複数段排紙トレイ等をオプションとして配置することも可能な構成となっている。
【0097】
用紙搬送装置7は、前述した感光体ドラム3と給紙トレイ8との間に構成され、用紙搬送装置7に備わる用紙搬送路7aを経由させて、給紙トレイ8から供給される用紙Pを一枚ずつ転写機構10に搬送し、転写機構10において、感光体ドラム3からトナー像が転写された用紙を定着ユニット6に搬送し、定着ユニット6において、未定着トナー像を用紙に定着した後に、指定された排紙処理モードに応じて形成された用紙搬送路や分岐爪によって用紙を搬送するように構成されている。
【0098】
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、予め設定された排出処理モードとして、片面印字モードおよび両面印字モードが設定されている。片面印字モードにおいて、排出処理として印字面を上方に向けて排出されるフェースアップ排出、および、印字面を下方に向けて排出されるフェースダウン排出が設定されている。
【0099】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Aを構成する特徴的な廃トナー回収装置5について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1Aでは、図2に示すように、廃トナー回収装置5として、印字処理工程における画像形成部14、転写機構10および定着ユニット6に、それぞれの箇所に対応した感光体ドラムクリーニングユニット(廃トナー除去手段)160を備えた感光体ドラムクリーニング装置(廃トナー回収装置)150、転写ベルトクリーニングユニット(廃トナー除去手段)260を備えた転写ベルトクリーニング装置(廃トナー回収装置)250、及び定着ローラクリーニングユニット(廃トナー除去手段)360を備えた定着ローラクリーニング装置(廃トナー回収装置)350を配置して、印字処理工程におけるそれぞれの箇所で生じる残留トナーを廃トナーとして除去するようにしている。
【0100】
ここでは、廃トナー回収装置5の構成について、感光体ドラムクリーニング装置150を例に挙げて説明する。
図3は本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部に採用された感光体ドラムクリーニング装置の構成を示す概略説明図、図4は前記感光体ドラムクリーニング装置を構成する感光体ドラムクリーニングユニットの構成を示す概略説明図、図5は前記感光体ドラムクリーニングユニットを構成するユニット内搬送スクリューの構成を示す断面詳細図である。
【0101】
感光体ドラムクリーニング装置150は、図3に示すように、主に、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうち用紙Pに転写されるトナー像に使用されるトナーを除き、印字処理工程において生じる残留トナーを廃トナーとして除去する感光体ドラムクリーニングユニット(廃トナー除去手段)160と、前記廃トナーを収容する廃トナーボックス(廃トナー収容部)180と、感光体ドラムクリーニングユニット160により除去された廃トナーを該感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に搬送する廃トナー搬送装置(廃トナー搬送手段)170と具備して構成されている。
【0102】
感光体ドラムクリーニングユニット160は、図4に示すように、感光体ドラム3の筒状の外周に沿ってドラム回転方向で転写ベルト103より下流側に配置され、感光体ドラム3上の表面に形成されたトナー像を転写ベルト103により搬送される用紙Pに転写した後に、該感光体ドラム3の表面に残留したトナーや紙粉、粉塵等を除去し回収するものである。
【0103】
感光体ドラムクリーニングユニット160は、図3に示すように、主に、外装部を構成するケース体161、クリーニングブレード162、廃トナー落下防止マイラー163及びユニット内搬送スクリュー164,165で構成され、クリーニングブレード162の先端を所定圧力で感光体ドラム3の表面に圧接するように設けられている。
【0104】
ケース体161には、感光体ドラム3と対向する部分に感光体ドラム3の軸線方向に沿って開口部161aが開口形成され、その開口部161aからクリーニングブレード162が所定の角度で感光体ドラム3と当接するように突出配置されている。また、ケース体161内部には、開口部161aから連続して廃トナーを回収する空間部として廃トナー回収部161bが形成されている。
【0105】
クリーニングブレード162は、所定硬度のゴム状部材で長板状に形成され、感光体ドラム3の軸線に沿った方向にトナー像が形成される範囲を含み長く延設され、感光体ドラム3の筒状の外周に所定圧力で圧接されている関係と、感光体の回転でいわゆる「スティック・スリップ現象」と呼ばれるブレード先端が感光体ドラム3の回転工程中に感光体ドラム3表面から弾かれる現象を利用し、感光体ドラム3の表面に付着した残留トナー及び紙粉等を該感光体ドラム3から弾き飛ばすようにしている。
このクリーニングブレード162は、ブレード取付板金162aを重ね合わせて、該ブレード取付板金162a側より取付ビス162bでケース体161内部に取付けられる。
【0106】
廃トナー落下防止マイラー163は、開口部161aのクリーニングブレード162の下方で対向する位置に、該クリーニングブレード162の長手方向に沿って延設されている。この廃トナー落下防止マイラーは、クリーニングブレード162により弾き飛ばされた残留トナー等の一部が感光体ドラムクリーニングユニット160から装置内部に飛散することを防止する機能を有するとともに、感光体ドラムクリーニングユニット160内の機密性の確保する機能を有している。
【0107】
ユニット内搬送スクリュー164,165は、ケース体161内の廃トナー回収部161bの底部に該ケース体161の長手方向に渡り略平行に並設されている。
これらユニット内搬送スクリュー164,165は、廃トナーの搬送を行う複数の略円盤状のトナー搬送羽根166と、トナー搬送羽根166が連結される中空の回転軸167とを備えている。
【0108】
回転軸167は、それぞれ一端側167aに駆動ギヤ168が設けられ、該駆動ギヤ168を介して駆動モータ169による回転力が伝達されるようになっている。一方、ユニット内搬送スクリュー164の回転軸167の他端側167bは、後述する廃トナー搬送装置170に連結されている。図中の符号168aはアイドルギヤ、169aはモータ側駆動ギヤである。
【0109】
また、回転軸167は、図5に示すように、その中空部にハロゲンヒータ(加熱部材)190が配置されている。このハロゲンヒータ190により回転軸167を加熱するとともにその熱影響によりトナー搬送羽根166を加熱するようになっている。
【0110】
廃トナー搬送装置170は、主に、筒状の廃トナー搬送路171と、該廃トナー搬送路内で廃トナーを搬送する廃トナー搬送スクリュー172とにより構成されている。
廃トナー搬送路171は、感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に渡り延設され、一端側171aが感光体ドラムクリーニングユニット160のケース体161に連通し、他端側171bが廃トナーボックス180に連通している。
【0111】
廃トナー搬送スクリュー172は、廃トナー搬送路171内で感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に渡り配置され、廃トナー搬送路171内の廃トナーの搬送を行う複数の略円盤状のトナー搬送羽根173と、トナー搬送羽根173が連結される中空の回転軸174とを備えている。
【0112】
回転軸174は、耐熱性を有するとともに曲げ変形が可能なフレキシブルな部材により構成され、その中空の内部にはハロゲンヒータ190が設けられている。このハロゲンヒータ190により回転軸174を加熱するとともにその熱影響によりトナー搬送羽根173を加熱するようになっている。
【0113】
回転軸174の一端側174aは、ユニット内搬送スクリュー164の回転軸167の他端側167bに連結されて、該ユニット内搬送スクリュー164の回転軸から駆動伝達されるように構成されている。
【0114】
廃トナーボックス180は、上部に廃トナー搬送装置170の端部が連結される連結口181が形成され、該廃トナー搬送装置170から搬送された廃トナーを内部の空間に搬入するようになっている。
【0115】
ここで、ユニット内搬送スクリュー164,165の回転軸167と廃トナー搬送スクリュー172の回転軸174に配置されるハロゲンヒータ190について図面を参照して詳細に説明する。
図6(a)は本実施形態に係る感光体クリーニング装置に用いられるハロゲンヒータにおけるユニット内搬送スクリュー内部の発熱部の構成を示す概略図、(b)は前記ハロゲンヒータにおける廃トナー搬送スクリュー内部の発熱部の構成を示す概略図、図7は前記ハロゲンヒータの配線を示す概略図である。
【0116】
ハロゲンヒータ190は、図6(a),(b)に示すように、ユニット内搬送スクリュー164,165の回転軸167内にその軸線に沿った長手方向に渡り発熱部191が形成され、廃トナー搬送スクリュー172の回転軸174内にその軸線に沿った長手方向に渡り発熱部192が形成されている。
【0117】
ハロゲンヒータ190は、配置される部位の加熱条件(被加熱体を何度まで上昇させるか)に対する被加熱体の機械的性質(熱伝導率や比熱など)に応じて、発熱部191,192の発熱量(長さ当たりの発熱量)が異なるように形成されている。
【0118】
このように構成されたハロゲンヒータ190は、図7に示すように、電源190aに発熱部191,192が直列に接続され、それぞれの抵抗値に応じた発熱量を発生するようになっている。
【0119】
本実施形態では、ハロゲンヒータ190は、ユニット内搬送スクリュー164,165内に配置される発熱部191の発熱量よりも、廃トナー搬送スクリュー172内に配置される発熱部192の発熱量が大きくなるように形成されている。
【0120】
具体的には、発熱部191,192をそれぞれ構成する発熱コイルの巻数を異ならせることでの発熱量を変えている。すなわち、図6(a),(b)に示すように、発熱量の多い発熱部192よりも発熱量の少ない発熱部191の方がコイルの巻数が少なく形成されている。
【0121】
また、本実施形態に係るハロゲンヒータ190は、ユニット内搬送スクリュー164,165内に配置される発熱部191の発熱量を、該発熱部191により加熱される該ユニット内搬送スクリュー164,165の表面温度がトナーの軟化温度より低くなる発熱量とし、廃トナー搬送スクリュー172内に配置される発熱部192の発熱量を、該発熱部192により加熱される廃トナー搬送スクリュー172の表面温度がトナーの溶融温度より高くなる発熱量としている。
【0122】
感光体ドラムクリーニングユニット160内では、ハロゲンヒータ190の発熱量を大きくすると感光体ドラム3の表面から回収した廃トナーが溶融して該感光体ドラムクリーニングユニット160内の発熱を招来し、これにより感光体ドラム3の表面の温度特性が上昇して感光体ドラム3の感度特性の低下を招来して、印字コントラストの低下から印字品位の低下を招く虞がある。また、感光体ドラム3の表面温度が上昇すると、感光体ドラム3上の廃トナーが感光体表面に吸着して、クリーニングブレード162の「スティック・スリップ現象」で清掃されるのではなく、感光体ドラムクリーニングユニット160と感光体ドラム3で感光体ドラム3上に擦り付けられ感光体ドラム表面への「廃トナーフィルミング現象」を発生する虞がある。
【0123】
従って、このような弊害を回避するため、感光体ドラムクリーニングユニット160内に配置されるユニット内搬送スクリュー164の回転軸167内のハロゲンヒータ190の消費電力は、ユニット内搬送スクリュー164の表面温度が装置で使用されるトナーの軟化温度以下に設定することが好ましい。
【0124】
ハロゲンヒータ190により加熱されて昇温するユニット内搬送スクリュー164,165と廃トナー搬送スクリュー172の表面温度の制御は、例えば、図示しない被加熱部の温度を検出する温度センサ等により検出された温度に対応してハロゲンヒータ190への通電状態を制御しても良い。
【0125】
尚、それぞれのユニット内搬送スクリュー164,165及び廃トナー搬送スクリュー172にハロゲンヒータをそれぞれ個別に配置して、それぞれのハロゲンヒータを個別に温度制御するようにしても良い。
【0126】
ここで、本実施形態に係るハロゲンヒータ190の特性について図面を参照して説明する。図8は本実施形態に係る感光体ドラムクリーニング装置に採用されたハロゲンヒータの設置位置とハロゲンヒータによって加熱される搬送スクリューの表面温度の関係を示す説明図、図9は前記ハロゲンヒータの設置位置と消費電力の関係を示す説明図である。
【0127】
ハロゲンヒータ190は、図8に示すような発熱特性を有する。すなわち、ハロゲンヒータ190は、発熱部192が配置された廃トナー搬送スクリュー172において、廃トナーボックス180付近の廃トナー搬送スクリュー172の表面温度がトナー溶融温度(約150°C)より高くなるように発熱部192の発熱量が設定され、発熱部191が配置されたユニット内搬送スクリュー164,165が収容された感光体ドラムクリーニングユニット160内において、ユニット内搬送スクリュー164,165の表面温度がトナー軟化温度(約60°C)より低くなるように発熱部191の発熱量が設定されている。
【0128】
具体的には、ハロゲンヒータ190の発熱部192は、図8に示すように、廃トナー搬送スクリュー172において、廃トナーボックス180との取付位置X1から所定位置X2に到る範囲でトナー溶融温度よりも高くなるように設定され、所定位置X2から感光体ドラムクリーニングユニット160との取付位置X3に到る範囲でコイルの巻き線密度(コイルの長さ当たりの巻数)を変化させて漸次に温度を低くしてトナー軟化温度よりも低い温度になるように設定されている。
【0129】
一方、ハロゲンヒータ190の発熱部191は、感光体ドラムクリーニングユニット160内において、取付位置X3からユニット内搬送スクリュー164,165の端部が配置される位置X4に到る範囲でトナー軟化温度より低くなるように設定されている。
【0130】
上述したように構成したので、ハロゲンヒータ190は、図9に示すような電力勾配の電力消費特性を有する。すなわち、ハロゲンヒータ190は、発熱部192が配置された廃トナー搬送スクリュー172における消費電力が、発熱部191が配置されたユニット内搬送スクリュー164,165における消費電力よりも遥かに大きくなっている。
【0131】
すなわち、ハロゲンヒータ190は、発熱部191,192が上述したような発熱特性を有するように構成されているので、ハロゲンヒータ190における消費電力は、図9に示すように、図8に示す発熱部191,192における発熱量に見合った消費電力となって、図8に示す温度勾配と略同様な電力勾配となる。
【0132】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Aにおける感光体ドラムクリーニング装置150の運転制御について説明する。
本実施形態においては、感光体ドラムクリーニング装置150は、画像形成装置1Aに電源が投入されて通電状態の時、感光体ドラムクリーニングユニット160の駆動源である駆動モータ169及びハロゲンヒータ190の電源190aが通電可能な状態となるように運転制御されている。
【0133】
感光体ドラムクリーニング装置150は、感光体ドラム3の駆動源(図示省略)が通電状態の時、すなわち印字処理工程が実行されている時に、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように運転制御されている。
このように制御することで、連続的に印字処理が行われても常に感光体ドラム3がクリーニングされて、残留トナーは回収処理される。
【0134】
また、感光体ドラムクリーニング装置150は、感光体ドラム3の駆動源が通電停止状態の時、すなわち印字処理工程が実行されていない時に、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように運転制御されている。つまり、画像形成装置1Aにおいて、印字処理工程が終了して装置本体の動作が停止した状態の時、例えば、次の出力指示待ち状態の時に、感光体ドラムクリーニング装置150は駆動して、回収された廃トナーを加熱しながら搬送するように運転制御されている。
このように制御することで、装置本体が稼働していない間に回収された廃トナーを廃トナーボックスに搬送して、感光体ドラムクリーニングユニット160の廃トナー回収スペースを確保することができる。
【0135】
さらに、感光体ドラムクリーニング装置150は、感光体ドラム3の駆動源が通電停止状態の時、すなわち印字処理工程が実行されていない時に、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電停止状態となり、ハロゲンヒータ190が通電停止状態となるように運転制御されている。つまり、印字処理工程が終了して装置本体の動作が停止した状態の時、例えば、暫く出力指示がされない状態の時は、感光体ドラムクリーニング装置150は運転を停止するように制御されている。
このように制御することで、消費電力の削減を図ることができる。
【0136】
次に、画像形成装置1Aにおける装置の運転制御を行う運転モードとして、印字処理モード、ウォームアップモード、待機モード、省エネモード、節電モードが予め設定されている場合の感光体ドラムクリーニング装置150の運転制御について説明する。
【0137】
まず、画像形成装置1Aにおける各運転モードの一例を以下に示す。
印字処理モードは、感光体ドラム3を駆動して画像出力を行うモードである。
ウォームアップモードは、感光体ドラム3の駆動源が通電状態となり各部を駆動して装置の運転準備を行うモードである。
待機モードは、印字処理後に感光体ドラム3の駆動源が通電停止状態で所定時間経過するまで印字処理が可能な状態で運転準備状態で備えるモードである。
省エネモードは、感光体ドラム3の駆動源が通電停止状態で所定時間経過後に消費電力を少なくして次の印字処理に備えるモードである。
節電モードは、感光体ドラム3の駆動源が通電停止状態で消費電力を少なくして節約するモードである。
【0138】
上述したように複数の運転モードが予め設定された画像形成装置1Aにおいて、感光体ドラムクリーニング装置150は、それぞれの運転モードに応じて廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169及びハロゲンヒータ190への通電状態を変更可能なように制御されている。このように運転制御することで、それぞれの運転モードに応じて最適な廃トナーの回収及び搬送を行うことができる。
【0139】
具体的には、印字処理モードの時は、感光体ドラムクリーニング装置150は、感光体ドラム3が駆動して画像出力を行う廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように制御されている。
このように運転制御することで、印字処理が行われている時は、廃トナー搬送スクリュー172を駆動するとともにハロゲンヒータ190により廃トナー搬送スクリュー172を加熱するようにしたので、印字処理工程時に生じる残留トナーを回収するとともに、回収された残留トナーを常に搬送し易い状態で搬送することができる。
【0140】
ウォームアップモードの時は、感光体ドラムクリーニング装置150は、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように制御されている。
このように運転制御することで、ウォームアップモード中に以前に感光体ドラムクリーニングユニット160により回収された廃トナーを該感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に搬送するようにしたので、感光体ドラムクリーニングユニット160内に回収されて貯留した廃トナーを少なくできるため、運転開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送スクリュー172により効率よく搬送することができる。
【0141】
待機モードの時は、感光体ドラムクリーニング装置150は、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように制御されている。
このように運転制御することで、待機モード中に感光体ドラムクリーニングユニット160により回収された廃トナーを該感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に搬送するようにしたので、感光体ドラムクリーニングユニット160内に回収されて貯留した廃トナーを少なくできるため、印字処理開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送スクリュー172により効率よく搬送することができる。
【0142】
省エネモードの時は、感光体ドラムクリーニング装置150は、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電状態となり、ハロゲンヒータ190が通電状態となるように制御されている。
このように運転制御することで、省エネモード中に感光体ドラムクリーニングユニット160により回収された廃トナーを該感光体ドラムクリーニングユニット160から廃トナーボックス180に搬送するようにしたので、感光体ドラムクリーニングユニット160内に回収されて貯留した廃トナーを少なくできるため、印字処理開始時には回収された廃トナーを廃トナー搬送スクリュー172により効率よく搬送することができる。
【0143】
節電モードの時は、感光体ドラムクリーニング装置150は、廃トナー搬送スクリュー172の駆動モータ169が通電停止状態となり、ハロゲンヒータ190が通電停止状態となるように制御されている。
このように運転制御することで、印字処理が行われていない時は、廃トナー搬送スクリュー172の駆動を停止して残留トナーの搬送を停止するとともに、ハロゲンヒータ190への通電を停止することで消費電力の削減を図ることができる。
【0144】
次に、本実施形態に係る感光体ドラムクリーニング装置150による感光体ドラム3のクリーニングについて説明する。
画像形成装置1Aにおいて、印字処理工程が終了して感光体ドラム3上に残留したトナーや紙粉等は、図4に示すように、感光体ドラムクリーニングユニット160により回収される。
【0145】
感光体ドラムクリーニングユニット160により回収された廃トナー(残留トナーや紙粉等を含む)は、感光体ドラムクリーニングユニット160内部に一時的に貯留され、ユニット内搬送スクリュー164,165によって廃トナー搬送装置170に搬送され、廃トナー搬送装置170における廃トナー搬送スクリュー172により廃トナーボックス180へ搬送される。
【0146】
感光体ドラムクリーニングユニット160においては、ユニット内搬送スクリュー164,165がそれらの回転軸167内に配置されたハロゲンヒータ190(発熱部191)により加熱されて昇温するため、搬送される廃トナーも暖められて軟化して搬送し易くなる。
【0147】
廃トナー搬送装置170においては、廃トナー搬送スクリュー172がその回転軸174内に配置されたハロゲンヒータ190(発熱部192)により加熱されてトナー軟化温度以上に昇温するため、搬送される廃トナーはさらに搬送し易くなる。更に、廃トナー搬送スクリュー172の表面温度が廃トナーボックス180付近ではトナー溶融温度以上になっているので、廃トナーは溶融状態となり廃トナーボックス180に搬送される。
【0148】
廃トナーボックス180に搬送・回収された廃トナーは、溶融状態で集積されるので、従来の粉体で回収された廃トナーと比較して見掛け嵩比重ではなく、真比重の状態で回収容器に回収されるため、一定の回収容器の内容量では多量の廃トナーが収納可能となる。そして、廃トナーボックス180に集積された廃トナーは、ある程度の量が集積された時、または廃トナー回収操作を所定時間行った時、あるいは定期的なメンテナンス時に廃棄される。
【0149】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、感光体ドラム3上に残留したトナーを回収する感光体ドラムクリーニングユニット160における廃トナーを搬送するユニット内搬送スクリュー164,165と、回収された廃トナーを廃トナーボックス180に搬送する廃トナー搬送装置170における廃トナー搬送スクリュー172に、それぞれの搬送スクリューを加熱するハロゲンヒータ190をそれぞれの回転軸167,174に設けたことで、廃トナーを加熱することで軟化させて廃トナーと紙粉が凝集しないようにしてブロッキング現象を生じさせることなく、容易に廃トナーを搬送することができる。これにより、ユニット内搬送スクリュー164,165や廃トナー搬送スクリュー172の駆動負荷を増大させずに効率よく廃トナーボックス180に搬送することができる。
【0150】
また、本実施形態によれば、ハロゲンヒータ190により廃トナー搬送スクリュー172の表面温度を、画像形成装置1Aに用いられるトナーの溶融温度以上に設定して、廃トナー搬送装置170により搬送される廃トナーを溶融状態としたので、廃トナーが廃トナー搬送スクリュー172の回転により生じる摩擦帯電電位を消去して紙粉と凝集することを回避し易くできる。これにより、溶融した廃トナーは固体または粉体の廃トナーに比較して流動性が向上するため、狭い廃トナー搬送路171内における「詰り現象」を抑制することができる。
【0151】
尚、本実施形態では、発熱部材としてハロゲンヒータ190を搬送スクリューの回転軸の内部に設けているが、本発明は、発熱部材をハロゲンヒータに限定されるものではなく、また、発熱部材を搬送スクリューの外周部に配置して加熱するようにしたものであってもよい。
【0152】
また、本実施形態では、本発明に係る廃トナー回収装置5として感光体ドラム3上に残留したトナーを回収する感光体ドラムクリーニング装置150を例に挙げて説明したが、本発明は、印字処理工程において生じる残留トナーや紙粉等を回収する部位は感光体ドラム3に限定されるものではなく、その他の印字処理工程において生じる残留トナーを回収するものであっても良い。
【0153】
例えば、転写工程における転写機構10を構成する転写ベルト103に付着した残留トナーを回収する転写ベルトクリーニングユニット(廃トナー除去手段)260を備えた転写ベルトクリーニング装置(廃トナー回収装置)250、また、用紙Pにトナー像を定着させる定着工程における定着ローラに付着した残留トナーを回収する定着ローラクリーニングユニット360を備えた定着ローラクリーニング装置350の構成として、前述した感光体ドラムクリーニング装置150を構成するユニット内搬送スクリュー164,165、廃トナー搬送スクリュー172、およびハロゲンヒータ190に相当する構成を応用して展開することも可能である。
【0154】
また、上述した実施形態では、モノクロ用の画像形成装置1Aに本発明が適用されているが、感光体ドラムを有する現像装置を複数設置するカラー用の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
【0155】
例えば、複数の感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写媒体たる中間転写ベルトに一時的に転写して、該中間転写ベルトに重ねて転写されたトナー像を記録用紙に転写する画像処理工程において、前記中間転写ベルトに付着した残留トナーを回収する廃トナー回収装置として展開することも可能である。
【0156】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した例に限定されないことは言うまでもなく、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
【図3】前記画像形成装置の画像形成部に採用された感光体ドラムクリーニング装置の構成を示す概略説明図である。
【図4】前記感光体ドラムクリーニング装置を構成する感光体ドラムクリーニングユニットの構成を示す概略説明図である。
【図5】前記感光体ドラムクリーニングユニットを構成するユニット内搬送スクリューの構成を示す断面詳細図である。
【図6】(a)は前記感光体クリーニング装置に用いられるハロゲンヒータにおけるユニット内搬送スクリュー内部の発熱部の構成を示す概略図、(b)は前記ハロゲンヒータにおける廃トナー搬送スクリュー内部の発熱部の構成を示す概略図である。
【図7】前記ハロゲンヒータの配線を示す概略図である。
【図8】前記ハロゲンヒータの設置位置とハロゲンヒータによって加熱される搬送スクリューの表面温度の関係を示す説明図である。
【図9】前記ハロゲンヒータの設置位置と消費電力の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0158】
1A 画像形成装置
1A1 装置本体
1A2 自動原稿処理装置
2 現像装置
3 感光体ドラム
5 廃トナー回収装置
6 定着ユニット
10 転写機構
14 画像形成部
103 転写ベルト
150 感光体ドラムクリーニング装置(廃トナー回収装置)
160 感光体ドラムクリーニングユニット(廃トナー除去手段)
161 ケース体
161a 開口部
161b 廃トナー回収部
162 クリーニングブレード
163 廃トナー落下防止マイラー
164,165 ユニット内搬送スクリュー
166 トナー搬送羽根
167,174 回転軸
169 駆動モータ
170 廃トナー搬送装置(廃トナー搬送手段)
171 廃トナー搬送路
172 廃トナー搬送スクリュー(廃トナー搬送手段)
173 トナー搬送羽根
174 回転軸
180 廃トナーボックス(廃トナー収容部)
190 ハロゲンヒータ(発熱部材)
190a 電源
191,192 発熱部
250 転写ベルトクリーニング装置(廃トナー回収装置)
260 転写ベルトクリーニングユニット(廃トナー除去手段)
350 定着ローラクリーニング装置(廃トナー回収装置)
360 定着ローラクリーニングユニット(廃トナー除去手段)
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうち、記録媒体に転写されるトナー像に使用されるトナーを除き、印字処理工程において生じる残留トナーを廃トナーとして除去する廃トナー除去手段と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段と、を備えた廃トナー回収装置において、
前記廃トナー搬送手段に該廃トナー搬送手段を加熱する発熱部材を設けたことを特徴とする廃トナー回収装置。
【請求項2】
前記廃トナー搬送手段は、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーの搬送を行うトナー搬送羽根と前記トナー搬送羽根が連結される中空の回転軸とを備え、前記回転軸の内部に前記発熱部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の廃トナー回収装置。
【請求項3】
前記廃トナー除去手段は、前記静電潜像担持体に隣接して配置され、該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去することを特徴とする請求項1または2に記載の廃トナー回収装置。
【請求項4】
前記印字処理工程は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を転写機構により記録媒体に転写する転写工程を含み、
前記廃トナー除去手段は、前記転写機構に隣接して配置されて該転写機構上に残留したトナーを除去することを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の廃トナー回収装置。
【請求項5】
前記印字処理工程は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写媒体に転写する中間転写工程を含み、
前記廃トナー除去手段は、前記中間転写媒体に隣接して配置されて該中間転写ベルト上に残留したトナーを除去することを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の廃トナー回収装置。
【請求項6】
前記印字処理工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段により該記録媒体に定着させる定着工程を含み、
前記廃トナー除去手段は、前記定着手段に隣接して配置されて該定着手段に残留したトナーを除去することを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の廃トナー回収装置。
【請求項7】
前記発熱部材は、前記廃トナー搬送手段に設けられる場所に応じて発熱量が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の廃トナー回収装置。
【請求項8】
前記発熱部材は、前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量よりも、前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の廃トナー回収装置。
【請求項9】
前記廃トナー除去手段内に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量は、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの軟化温度より低くなる発熱量とすることを特徴とする請求項8に記載の廃トナー回収装置。
【請求項10】
前記廃トナー除去手段と前記廃トナー収容部との間に配置される前記廃トナー搬送手段に設けられる発熱部材の発熱量は、前記発熱部材が発熱することで温度上昇する前記廃トナー搬送手段の表面温度がトナーの溶融温度より高くなる発熱量とすることを特徴とする請求項8または9に記載の廃トナー回収装置。
【請求項11】
前記発熱部材により溶融された廃トナーは、溶融状態で前記廃トナー収容部に搬送されて収容されることを特徴とする請求項10に記載の廃トナー回収装置。
【請求項12】
前記発熱部材として、ハロゲンヒータを用いることを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れか一項に記載の廃トナー回収装置。
【請求項13】
トナー像が形成される静電潜像担持体を有する画像形成部と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に直接的または間接的に転写する転写機構と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着手段とを備えて、電子写真方式により前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置であって、さらに、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するトナー像を形成するために用いられるトナーのうちの印字処理工程中に生じる残留トナーを除去する廃トナー除去手段と、前記廃トナーを収容する廃トナー収容部と、前記廃トナー除去手段により除去された廃トナーを前記廃トナー除去手段から前記廃トナー収容部に搬送する廃トナー搬送手段とを具備する廃トナー回収装置を備えた画像形成装置において、
前記廃トナー回収装置として、請求項1乃至12のうちの何れか一項に記載のトナー回収装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源及び該廃トナー搬送手段に設けられた発熱部材が通電可能状態となることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態の時、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成装置は、予め設定された複数の運転モードに応じて運転制御されるものであって、
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードに応じて、前記トナー搬送手段の駆動源及び前記発熱部材の作動状態を変更可能にしたことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体が駆動して画像出力を行う印字処理モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電状態で運転準備を行うウォームアップモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードのうち、印字処理後に前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で所定時間経過するまで印字処理が可能な状態で備える待機モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で印字処理後に所定時間経過後に消費電力を少なくして次の印字処理に備える省エネモードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電状態となり、前記発熱部材が通電状態となることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記廃トナー回収装置の運転制御は、前記画像形成装置の運転モードのうち、前記静電潜像担持体の駆動源が通電停止状態で消費電力を少なくして節約する節電モードの時に、前記廃トナー搬送手段の駆動源が通電停止状態となり、前記発熱部材が通電停止状態となることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−152002(P2008−152002A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339742(P2006−339742)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】