建設機械
【課題】 エンジンカバーを取外すことなく、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】 建屋カバー8の上部カバー8Bには、開口部8Cの周囲でヒンジ15の下側となる位置に嵩上げブラケット16,16を設ける。そして、エンジンカバー12を開閉可能に支持するヒンジ15,15を、エンジンカバー12の左側板部12Bと各嵩上げブラケット16との間に取付ける。これによりエンジンカバー12を開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間を、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成でき、この隙間を利用して、カウンタウエイト7の脱着作業を行うようにする。
【解決手段】 建屋カバー8の上部カバー8Bには、開口部8Cの周囲でヒンジ15の下側となる位置に嵩上げブラケット16,16を設ける。そして、エンジンカバー12を開閉可能に支持するヒンジ15,15を、エンジンカバー12の左側板部12Bと各嵩上げブラケット16との間に取付ける。これによりエンジンカバー12を開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間を、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成でき、この隙間を利用して、カウンタウエイト7の脱着作業を行うようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行い得るようにした建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械には、車体を構成するフレームの前側に作業装置が設けられ、フレームの後側には、該作業装置との間で重量バランスをとるためにカウンタウエイトが着脱可能に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−237903号公報
【0004】
そして、この種の従来技術による油圧ショベルでは、カウンタウエイトの前側に位置して建屋カバーが前記フレーム上に立設され、この建屋カバーは、エンジン等の機械類を内部に収容するための機械室を画成するものである。また、この建屋カバーの上部には、前記エンジン等を上方から点検、整備できるように略四角形の開口部が形成されている。
【0005】
また、建屋カバーの上面には、この開口部を上側から覆うようにエンジンカバーが蝶番等のヒンジを用いて開閉可能に取付けられている。そして、このエンジンカバーを閉じた状態では、エンジンカバーの左,右両側と前部側が建屋カバーの上面に当接し、後部側が前記カウンタウエイトの上面に当接することにより、例えば雨水等が前記開口部を介して建屋カバー内に浸入するのを防ぐ構成としている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献2】特開平11−78988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来技術にあっては、エンジンカバーの左,右方向一側に、例えば2個のヒンジを前,後方向に離間して設け、これらのヒンジを支点にしてエンジンカバーを開,閉する構成としているので、エンジンカバーの一側は、建屋カバーの上面に閉扉時ばかりでなく、開扉時にも接触し続け、その後側部位は、カウンタウエイトの上面に接触し続けるものである。
【0008】
このため、従来技術では、フレームの後端側でカウンタウエイトの脱着作業を行うときに、前記エンジンカバーを建屋カバーの上面から予め取外しておく必要が生じ、カウンタウエイトの脱着作業を行う上で余分な労力と時間を費やすという問題がある。
【0009】
また、カウンタウエイトの脱着作業を行った後には、前記エンジンカバーを建屋カバーの上面にヒンジを介して再び取付ける必要が生じ、これによっても作業者の負担が増大するという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジンカバーを取外すことなく、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができ、作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明は、前側に作業装置が設けられ後側にカウンタウエイトが設けられる車体のフレームと、前記カウンタウエイト寄りに位置して前記フレーム上に搭載されたエンジンと、前記フレーム上に立設されて内部に該エンジンを収容する機械室を画成し上部に該エンジンを点検するための開口部が設けられた建屋カバーと、該建屋カバーの開口部を覆うように該建屋カバー上に開閉可能に設けられ一部が前記カウンタウエイトの上側に配置されたエンジンカバーとを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記エンジンカバーは、左,右方向の一側が前記建屋カバーの上面にヒンジを用いて回動可能に連結され、左,右方向の他側が自由端となって前記ヒンジ側を支点にして開閉する構成とし、前記フレームの後側から前記カウンタウエイトを脱着するときには、前記ヒンジを支点にして前記エンジンカバーを開き、前記エンジンカバーの後側部位を前記カウンタウエイトの上面から離間させる構成としたことにある。
【0013】
また、請求項2の発明によると、前記建屋カバーの上面には、前記ヒンジを上方に嵩上げした状態で該ヒンジが前記エンジンカバーとの間に取付けられる嵩上げブラケットを設け、前記エンジンカバーを開いたときには、前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を形成する構成としている。
【0014】
また、請求項3の発明によると、前記エンジンカバーには、前記ヒンジが取付けられた左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施し、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成する構成としている。
【発明の効果】
【0015】
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、ヒンジを支点としてエンジンカバーを開いたときには、該エンジンカバーの後側部位をカウンタウエイトの上面から離間させる構成としているので、この状態でカウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に上,下方向の隙間を形成することができる。そして、カウンタウエイトを脱着するときには、この隙間を利用してカウンタウエイトをフレームの後側から上向きに持上げることにより、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。このため、フレームの後側からカウンタウエイトを脱着する作業を、前記エンジンカバーを開いた状態で行うことができ、従来技術のように、カウンタウエイトの脱着作業時にエンジンカバーを予め取外しておく必要がなくなる。
【0016】
従って、建屋カバーの上面からヒンジを支点にしてエンジンカバーを開いた状態とするだけで、カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に形成される隙間を利用して、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができ、その作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によると、建屋カバーの上面には、エンジンカバーとの間にヒンジが取付けられる嵩上げブラケットを設けるようにしているので、前記建屋カバーの上面にはヒンジを上方に嵩上げした状態で取付けることができ、前記エンジンカバーを開いたときには、該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に形成することができる。そして、このときの隙間を利用してカウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によると、エンジンカバーには、左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施す構成としているので、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成することができ、このときの隙間を利用してカウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態による建設機械を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0020】
ここで、図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、図1に示すように自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、例えば土砂等の掘削作業を行うため該上部旋回体3の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
【0021】
この場合、油圧ショベル1の上部旋回体3は、下部走行体2と共に建設機械の車体を構成するものである。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、建屋カバー8、エンジン9およびエンジンカバー12等により構成されている。
【0022】
5は上部旋回体3の支持構造体(フレーム)を構成する旋回フレームで、該旋回フレーム5は、その前側に作業装置4が俯仰動可能に取付けられ、後側には後述のカウンタウエイト7が取付けられている。
【0023】
6は旋回フレーム5の前部左側に配設された操作運転部としてのキャブで、該キャブ6内には、オペレータが着座する運転席、操作レバー、操作ペダル(いずれも図示せず)等が配設されている。
【0024】
7は旋回フレーム5の後端側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト7は、旋回フレーム5の後端側に着脱可能に搭載され、前側の作業装置4に対して上部旋回体3全体の重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト7の前側には、後述のエンジン9等を収容する建屋カバー8が設けられている。そして、カウンタウエイト7の上面7Aは、図3に示すように後述の上部カバー8Bとほぼ同一の面上(高さ位置)に配置されるものである。
【0025】
また、カウンタウエイト7の上面7Aには、図3に示すようにねじ座7B,7B等が形成されている。そして、例えばカウンタウエイト7の脱着作業を行うときには、これらのねじ座7Bに後述の吊りボルト20等が図9に示す如く螺着されるものである。
【0026】
8はキャブ6とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム5上に立設された建屋カバーで、該建屋カバー8は、図1ないし図6に示すように鋼板等からなる複数枚の金属パネルを用いて形成され、内部に機械室を画成するものである。そして、建屋カバー8は、旋回フレーム5の左,右両側に立設されたサイドカバー8A,8Aと、該各サイドカバー8Aの上部側に設けられた上部カバー8B等とにより構成されている。
【0027】
ここで、建屋カバー8の上部カバー8Bには、図4ないし図6に示す如く後述のエンジン9等を上方から点検したりするときに用いる点検窓としての開口部8Cが設けられ、この開口部8Cは、カウンタウエイト7の前側に位置して左,右方向に長く延びる略四角状の角穴として形成されている。そして、この開口部8Cは、後述のエンジンカバー12によって上側から開閉可能に覆われるものである。
【0028】
9はカウンタウエイト7寄りに位置して旋回フレーム5の後部側に設けられた原動機としてのエンジンで、該エンジン9は、例えば図2、図4、図5中に示すように建屋カバー8内(機械室)に横置き状態で収容され、建屋カバー8内を左,右方向に延在している。そして、エンジン9の一側には、例えばラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換器10と冷却ファン11等とが配設され、エンジン9の他側には、複数台の油圧ポンプ(図示せず)等が取付けられるものである。
【0029】
12は建屋カバー8の開口部8Cを開,閉するエンジンカバーで、該エンジンカバー12は、図2ないし図8に示す如く略長方形状をなす上側の蓋板部12Aと、該蓋板部12Aの左,右方向両側に位置し斜め下向きに拡開して延びた左側板部12B,右側板部12Cと、蓋板部12Aの前,後方向両側に位置し斜め下向きに拡開して延びた前板部12D,後板部12Eとにより比較的扁平(浅底)なカバー体として形成されている。
【0030】
そして、エンジンカバー12は、左側板部12Bと後板部12Eとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した左後側のコーナ部12Fとなり、右側板部12Cと後板部12Eとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した右後側のコーナ部12Gとなっている。また、左側板部12Bと前板部12Dとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した左前側のコーナ部12Hとなり、右側板部12Cと前板部12Dとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した右前側のコーナ部12Jとなっている。
【0031】
ここで、エンジンカバー12は、左側板部12Bの下側部位が後述のヒンジ15等を用いて建屋カバー8(上部カバー8B)の上面に回動可能に連結されることにより、開口部8C上で左,右方向に開閉され、このときに右側板部12Cが自由端となって図8に示す如くカウンタウエイト7の上方に配置される。
【0032】
また、エンジンカバー12の右側板部12Cには、上部カバー8Bとの間にロック機構(図示せず)等が設けられ、このロック機構は、エンジンカバー12で建屋カバー8の開口部8Cを閉じたときに、エンジンカバー12を閉扉状態に保持し、必要に応じてロックする構成となっているものである。
【0033】
そして、エンジンカバー12を図2、図3に示す如く閉じたときには、左側板部12B、右側板部12Cおよび前板部12D等が上部カバー8Bの上面に後述のシール部材17等を介して当接し、後板部12Eはカウンタウエイト7の上面7Aにシール部材17等を介して当接する。これにより、閉扉状態のエンジンカバー12は、例えば雨水、ダスト等の異物が上部カバー8Bの開口部8Cから建屋カバー8内に浸入するのを防ぐものである。
【0034】
13,13はエンジンカバー12の左側板部12Bに設けられた一対の切欠きで、該各切欠き13は、図3に示すように左側板部12Bの前,後方向に離間した部位を略コ字形状に切取ることにより形成されている。そして、各切欠き13内には、図4に示す如く後述のヒンジ15と嵩上げブラケット16とが取付板14の下側となる位置に配置されるものである。
【0035】
14はエンジンカバー12の左側板部12Bにヒンジ15を取付けるための取付板で、該取付板14は、例えば金属薄板を略く字状に折曲げることにより図4に示すように形成され、切欠き13の上側に位置してエンジンカバー12の左側板部12Bに溶接等の手段で固着されている。そして、取付板14は、左側板部12Bとの間に三角形状をなす空間部14Aを形成し、取付板14の下側面には、切欠き13を介してヒンジ15が取付けられるものである。
【0036】
15,15は建屋カバー8の上部カバー8Bにエンジンカバー12を開閉可能に連結するヒンジで、これらのヒンジ15は、例えば蝶番等によって構成され、図4に示す如くエンジンカバー12の各切欠き13内に後述の嵩上げブラケット16と共に配置されている。そして、ヒンジ15は、取付板14と嵩上げブラケット16との間に回動可能に取付けられ、これらのヒンジ15によって、図5、図6に示すようにエンジンカバー12を開,閉するときの支点(回動中心)が構成されるものである。
【0037】
16,16はエンジンカバー12の各切欠き13内にヒンジ15を嵩上げした状態で取付けるための嵩上げブラケットで、該嵩上げブラケット16は、例えば剛性をもった金属板等をプレス加工することにより図4に示すように形成され、平板状をなす下側の固定板部16Aと、該固定板部16Aに対しクランク状、または略L字状に折曲げることにより成形され該固定板部16Aに対して寸法Hだけ嵩上げされた上側の嵩上げ板部16Bとにより構成されている。
【0038】
そして、嵩上げブラケット16は、下側の固定板部16Aが上部カバー8Bの上面にボルトまたは溶接手段等を用いて固着され、上側の嵩上げ板部16Bは、ヒンジ15の下面側にボルトまたは溶接手段等を用いて固着されている。これにより、嵩上げブラケット16は、ヒンジ15を上部カバー8Bの上面から寸法H分だけ嵩上げした状態で、エンジンカバー12(取付板14)との間にヒンジ15が取付けられるものである。
【0039】
このため、エンジンカバー12を図5ないし図8に示す如く開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間がカウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成されるものである。
【0040】
17はエンジンカバー12の下面側に設けられたシール部材で、該シール部材17は、図4、図5に示すようにエンジンカバー12の下面全体(左側板部12B、右側板部12C、前板部12Dおよび後板部12Eの下面)に取付けられ、開口部8Cの周囲に位置する上部カバー8B、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12との間をシールするものである。
【0041】
18は図2に示すように建屋カバー8の右側に位置して旋回フレーム5上に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク18は、前記油圧ポンプの吸込側に接続されると共に、油圧アクチュエータ(図示せず)からの戻り油が還流されるものである。また、作動油タンク18の前側には、前記エンジン9に燃料を供給するための燃料タンク19等が設けられている。
【0042】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0043】
まず、油圧ショベル1のキャブ6内に乗り込んだオペレータが始動スイッチを操作し、建屋カバー8内のエンジン9を起動すると、該エンジン9によって油圧ポンプ等が駆動される。そして、オペレータがキャブ6内の操作レバー等を適宜に傾動操作することにより、油圧ポンプからの圧油が作業装置4の各油圧シリンダ、旋回用の油圧モータ、または下部走行体2の走行用油圧モータ(いずれも図示せず)等に給排され、土砂等の掘削作業を行うものである。
【0044】
また、建屋カバー8内に設けたエンジン9および熱交換器10等の保守、点検を行うときには、エンジンカバー12を上方に開くことにより、上部カバー8Bに設けた開口部8Cを図5、図6に示す如く外部に開放する。そして、この状態で開口部8Cを点検窓として用い、建屋カバー8内のエンジン9および熱交換器10等に対してメンテンス(保守、点検)を容易に行うことができる。
【0045】
ところで、旋回フレーム5の後側には、前側の作業装置4に対して上部旋回体3の重量バランスを取るためにカウンタウエイト7を着脱可能に設ける構成としている。そして、このカウンタウエイト7は、油圧ショベル1の輸送時、作業内容の変更時等に旋回フレーム5の後部から必要に応じて脱着されるものである。
【0046】
しかし、このようなカウンタウエイト7の脱着作業時に、エンジンカバー12の後側部位がカウンタウエイト7の上面7Aに接触、干渉すると、カウンタウエイト7の脱着作業を円滑に行うことができず、従来技術でも述べたように余分な労力と時間を費やすことになる。
【0047】
そこで、本実施の形態は、建屋カバー8の開口部8C周囲に位置して上部カバー8Bの上面に嵩上げブラケット16,16を設け、エンジンカバー12を開閉可能に支持するヒンジ15,15を、各嵩上げブラケット16の嵩上げ板部16Bとエンジンカバー12の取付板14との間に取付ける構成としている。
【0048】
これにより、エンジンカバー12を回動可能(開閉可能)に支持する各ヒンジ15を、嵩上げブラケット16,16を用いて上部カバー8Bの上面から寸法H分だけ嵩上げした状態に保持することができる。このため、エンジンカバー12を図5ないし図8等に示す如く開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間を、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成することができる。
【0049】
この結果、カウンタウエイト7を脱着するときには、この隙間(図6、図8中に示す寸法H)を利用してカウンタウエイト7を旋回フレーム5の後部側から上向きに僅かに持上げつつ、後方(水平方向)に抜き取るようにしてカウンタウエイト7の脱着作業を容易に行うことができる。
【0050】
即ち、カウンタウエイト7の脱着作業を行うときには、例えば図2、図6等に示す各ねじ座7Bに対し吊りボルト20等を図9に示す如く螺着し、この状態で吊りボルト20に連結したワイヤ21をクレーン(図示せず)等を用いて吊り上げる。このときに、カウンタウエイト7は、図9中に実線で示すように寸法Hの隙間の範囲で旋回フレーム5の後部側から上方に持上げられ、その後は図9中に二点鎖線で示すように斜め後方へと吊り上げられることにより、カウンタウエイト7の脱着作業が行われる。
【0051】
このように、本実施の形態では、建屋カバー8の上面からエンジンカバー12を上向きに開いた状態とするだけで、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位との間に形成される隙間(寸法H)を利用して、カウンタウエイト7の脱着作業を容易に行うことができる。
【0052】
従って、本実施の形態によれば、旋回フレーム5の後側からカウンタウエイト7を脱着する作業を、エンジンカバー12を開いた状態で行うことができ、従来技術のように、カウンタウエイトの脱着作業時にエンジンカバーを取外す等の手間のかかる作業を不要にすることができる。これにより、カウンタウエイト脱着時の作業性を向上でき、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0053】
次に、図10ないし図18は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、エンジンカバーの後部左側に位置するコーナ部に面取りを施し、エンジンカバーを開いたときには、この面取り部がカウンタウエイトの上面から離間する構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】
図中、31は建屋カバー8の開口部8Cを開,閉するエンジンカバーで、該エンジンカバー31は、第1の実施の形態で述べたエンジンカバー12とほぼ同様に構成され、図10ないし図12に示す如く上側の蓋板部31A、左側板部31B、右側板部31C、前板部31Dおよび後板部31Eを有している。
【0055】
また、エンジンカバー31は、左後側のコーナ部31F、右後側のコーナ部31G、左前側のコーナ部31Hおよび右前側のコーナ部31J等を有している。しかし、この場合のエンジンカバー31は、左側板部31Bと後板部31Eとの間の境界部となる左後側のコーナ部31Fに後述の面取り部32が設けられている点で異なるものである。
【0056】
そして、エンジンカバー31を図10ないし図13に示す如く閉じたときには、左側板部31B(後述する面取り部32の前部)、右側板部31Cおよび前板部31D等が上部カバー8Bの上面にシール部材17等を介して当接し、後板部31E(後述する面取り部32の後部)は、カウンタウエイト7の上面7Aにシール部材17等を介して当接する。これにより、閉扉状態のエンジンカバー31は、例えば雨水、ダスト等の異物が上部カバー8Bの開口部8Cから建屋カバー8内に浸入するのを防ぐものである。
【0057】
また、エンジンカバー31の右側板部31Cには、上部カバー8Bとの間にロック機構(図示せず)等が設けられ、このロック機構は、エンジンカバー31で建屋カバー8の開口部8Cを閉じたときに、エンジンカバー31を閉扉状態に保持し、必要に応じてロックする構成となっている。
【0058】
32はエンジンカバー31のコーナ部31Fに設けられた面取り部で、該面取り部32は、図10ないし図12に示す如くエンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間の境界部分(左後側のコーナ部31F)を、例えば30〜60度、好ましくは約45度の角度で斜めに面取りするようにして形成されている。そして、面取り部32は、右側板部31Cと後板部31Eとの間のコーナ部31Fを一定の傾斜角度をもって斜めに繋ぐものである。
【0059】
ここで、面取り部32は、後述のヒンジ35を支点にしてエンジンカバー31を図15に示す如く開いたときに、カウンタウエイト7の上面7Aから上方に離間し、カウンタウエイト7の上面7Aと面取り部32(エンジンカバー31)との間には、例えば図15中に示す寸法H1以上の隙間が形成されるものである。
【0060】
33,33はエンジンカバー31の左側板部31Bに設けられた一対の切欠きで、該各切欠き33は、図10に示すように左側板部31Bの前,後方向に離間した部位を略コ字形状に切取ることにより形成されている。しかし、この場合の切欠き33内には、図10〜図13に示す如く後述のヒンジ35のみが取付板34の下側となる位置に配置されるものである。
【0061】
34はエンジンカバー31の左側板部31Bにヒンジ35を取付けるための取付板で、該取付板34は、例えば金属薄板を略く字状に折曲げることにより図13に示す如く形成され、切欠き33の上側に位置してエンジンカバー31の左側板部31Bに溶接等の手段で固着されている。そして、取付板34は、左側板部31Bとの間に三角形状をなす空間部34Aを形成し、取付板34の下側面には、切欠き33を介してヒンジ35が取付けられるものである。
【0062】
35,35は建屋カバー8の上部カバー8Bにエンジンカバー31を開閉可能に連結するヒンジで、これらのヒンジ35は、第1の実施の形態で述べたヒンジ15と同様に構成され、図13に示す如くエンジンカバー31の各切欠き33内に配置される。そして、ヒンジ35,35は、上部カバー8Bの上面と取付板34との間に回動可能に取付けられ、これらのヒンジ35によって、図14、図15に示すようにエンジンカバー31を開,閉するときの支点(回動中心)が構成されるものである。
【0063】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、エンジンカバー31を開いたときに、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー31の面取り部32との間に、例えば図15中に示す寸法H1以上の隙間を形成することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
即ち、本実施の形態では、エンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間の境界部分(左後側のコーナ部31F)に面取りを施すようにして、斜めに傾斜した面取り部32を設ける構成としているので、エンジンカバー31を開いたときには、エンジンカバー31をカウンタウエイト7の上面7Aから面取り部32によって確実に離間させることができ、両者の間に図15中に示す寸法H1以上の隙間(例えば、第1の実施の形態よりも大きな隙間)を形成することができる。
【0065】
このため、本実施の形態では、建屋カバー8の上面からエンジンカバー31を特別に取外すことなく、カウンタウエイト7の脱着作業を図18に示す如く行うことができる。そして、このような脱着作業を、図15中に示す寸法H1以上の大なる隙間を利用して第1の実施の形態よりも一層容易に行うことができ、カウンタウエイト脱着時の作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0066】
なお、前記第2の実施の形態では、エンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間のコーナ部31Fに、傾斜壁面等からなる面取り部32を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図11、図17中に二点鎖線で示す如くコーナ部31Fに円弧状に湾曲した曲面等からなる面取り部32′を設ける構成としてもよい。
【0067】
また、前記各実施の形態では、カウンタウエイト7にねじ座7B,7Bを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば特開平10−237903号公報等にも記載の如くカウンタウエイトの上面側に吊上げ用のブラケット等を設ける構成としてもよいものである。
【0068】
また、前記各実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式油圧ショベル、油圧クレーン等のように、エンジンカバーの後側部位がカウンタウエイトの上面に当接される形式の種々の建設機械にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す全体図である。
【図2】図1中の上部旋回体を上側からみた平面図である。
【図3】上部旋回体の後部側を拡大して示す斜視図である。
【図4】建屋カバーの開口部およびエンジンカバー等を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】図4中のエンジンカバーを開いた状態を示す断面図である。
【図6】図3中のエンジンカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図7】エンジンカバーを開いた状態を示す上部旋回体の平面図である。
【図8】エンジンカバーを開いた状態を示す図7の左側面図である。
【図9】カウンタウエイトを脱着する状態を示す図8とほぼ同様の左側面図である。
【図10】第2の実施の形態による上部旋回体の後部側を拡大して示す斜視図である。
【図11】図10中のエンジンカバー等を上側からみた平面図である。
【図12】閉扉状態のエンジンカバー等を示す図11の左側面図である。
【図13】建屋カバーの開口部およびエンジンカバー等を図11中の矢示XIII−XIII方向からみた断面図である。
【図14】図13中のエンジンカバーを開いた状態を示す断面図である。
【図15】図10中のエンジンカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図16】エンジンカバーを開いた状態を示す上部旋回体の平面図である。
【図17】エンジンカバーを開いた状態を示す図16の左側面図である。
【図18】カウンタウエイトを脱着する状態を示す図17とほぼ同様の左側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム(フレーム)
6 キャブ
7 カウンタウエイト
8 建屋カバー
8A サイドカバー
8B 上部カバー
8C 開口部
9 エンジン
12,31 エンジンカバー
12B,31B 左側板部
12C,31C 右側板部
12D,31D 前板部
12E,31E 後板部
13,33 切欠き
14,34 取付板
15,36 ヒンジ
16 嵩上げブラケット
17 シール部材
31F コーナ部
32,32′ 面取り部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行い得るようにした建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械には、車体を構成するフレームの前側に作業装置が設けられ、フレームの後側には、該作業装置との間で重量バランスをとるためにカウンタウエイトが着脱可能に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−237903号公報
【0004】
そして、この種の従来技術による油圧ショベルでは、カウンタウエイトの前側に位置して建屋カバーが前記フレーム上に立設され、この建屋カバーは、エンジン等の機械類を内部に収容するための機械室を画成するものである。また、この建屋カバーの上部には、前記エンジン等を上方から点検、整備できるように略四角形の開口部が形成されている。
【0005】
また、建屋カバーの上面には、この開口部を上側から覆うようにエンジンカバーが蝶番等のヒンジを用いて開閉可能に取付けられている。そして、このエンジンカバーを閉じた状態では、エンジンカバーの左,右両側と前部側が建屋カバーの上面に当接し、後部側が前記カウンタウエイトの上面に当接することにより、例えば雨水等が前記開口部を介して建屋カバー内に浸入するのを防ぐ構成としている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献2】特開平11−78988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来技術にあっては、エンジンカバーの左,右方向一側に、例えば2個のヒンジを前,後方向に離間して設け、これらのヒンジを支点にしてエンジンカバーを開,閉する構成としているので、エンジンカバーの一側は、建屋カバーの上面に閉扉時ばかりでなく、開扉時にも接触し続け、その後側部位は、カウンタウエイトの上面に接触し続けるものである。
【0008】
このため、従来技術では、フレームの後端側でカウンタウエイトの脱着作業を行うときに、前記エンジンカバーを建屋カバーの上面から予め取外しておく必要が生じ、カウンタウエイトの脱着作業を行う上で余分な労力と時間を費やすという問題がある。
【0009】
また、カウンタウエイトの脱着作業を行った後には、前記エンジンカバーを建屋カバーの上面にヒンジを介して再び取付ける必要が生じ、これによっても作業者の負担が増大するという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジンカバーを取外すことなく、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができ、作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明は、前側に作業装置が設けられ後側にカウンタウエイトが設けられる車体のフレームと、前記カウンタウエイト寄りに位置して前記フレーム上に搭載されたエンジンと、前記フレーム上に立設されて内部に該エンジンを収容する機械室を画成し上部に該エンジンを点検するための開口部が設けられた建屋カバーと、該建屋カバーの開口部を覆うように該建屋カバー上に開閉可能に設けられ一部が前記カウンタウエイトの上側に配置されたエンジンカバーとを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記エンジンカバーは、左,右方向の一側が前記建屋カバーの上面にヒンジを用いて回動可能に連結され、左,右方向の他側が自由端となって前記ヒンジ側を支点にして開閉する構成とし、前記フレームの後側から前記カウンタウエイトを脱着するときには、前記ヒンジを支点にして前記エンジンカバーを開き、前記エンジンカバーの後側部位を前記カウンタウエイトの上面から離間させる構成としたことにある。
【0013】
また、請求項2の発明によると、前記建屋カバーの上面には、前記ヒンジを上方に嵩上げした状態で該ヒンジが前記エンジンカバーとの間に取付けられる嵩上げブラケットを設け、前記エンジンカバーを開いたときには、前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を形成する構成としている。
【0014】
また、請求項3の発明によると、前記エンジンカバーには、前記ヒンジが取付けられた左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施し、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成する構成としている。
【発明の効果】
【0015】
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、ヒンジを支点としてエンジンカバーを開いたときには、該エンジンカバーの後側部位をカウンタウエイトの上面から離間させる構成としているので、この状態でカウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に上,下方向の隙間を形成することができる。そして、カウンタウエイトを脱着するときには、この隙間を利用してカウンタウエイトをフレームの後側から上向きに持上げることにより、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。このため、フレームの後側からカウンタウエイトを脱着する作業を、前記エンジンカバーを開いた状態で行うことができ、従来技術のように、カウンタウエイトの脱着作業時にエンジンカバーを予め取外しておく必要がなくなる。
【0016】
従って、建屋カバーの上面からヒンジを支点にしてエンジンカバーを開いた状態とするだけで、カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に形成される隙間を利用して、カウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができ、その作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によると、建屋カバーの上面には、エンジンカバーとの間にヒンジが取付けられる嵩上げブラケットを設けるようにしているので、前記建屋カバーの上面にはヒンジを上方に嵩上げした状態で取付けることができ、前記エンジンカバーを開いたときには、該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に形成することができる。そして、このときの隙間を利用してカウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によると、エンジンカバーには、左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施す構成としているので、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成することができ、このときの隙間を利用してカウンタウエイトの脱着作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態による建設機械を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0020】
ここで、図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、図1に示すように自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、例えば土砂等の掘削作業を行うため該上部旋回体3の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
【0021】
この場合、油圧ショベル1の上部旋回体3は、下部走行体2と共に建設機械の車体を構成するものである。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、建屋カバー8、エンジン9およびエンジンカバー12等により構成されている。
【0022】
5は上部旋回体3の支持構造体(フレーム)を構成する旋回フレームで、該旋回フレーム5は、その前側に作業装置4が俯仰動可能に取付けられ、後側には後述のカウンタウエイト7が取付けられている。
【0023】
6は旋回フレーム5の前部左側に配設された操作運転部としてのキャブで、該キャブ6内には、オペレータが着座する運転席、操作レバー、操作ペダル(いずれも図示せず)等が配設されている。
【0024】
7は旋回フレーム5の後端側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト7は、旋回フレーム5の後端側に着脱可能に搭載され、前側の作業装置4に対して上部旋回体3全体の重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト7の前側には、後述のエンジン9等を収容する建屋カバー8が設けられている。そして、カウンタウエイト7の上面7Aは、図3に示すように後述の上部カバー8Bとほぼ同一の面上(高さ位置)に配置されるものである。
【0025】
また、カウンタウエイト7の上面7Aには、図3に示すようにねじ座7B,7B等が形成されている。そして、例えばカウンタウエイト7の脱着作業を行うときには、これらのねじ座7Bに後述の吊りボルト20等が図9に示す如く螺着されるものである。
【0026】
8はキャブ6とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム5上に立設された建屋カバーで、該建屋カバー8は、図1ないし図6に示すように鋼板等からなる複数枚の金属パネルを用いて形成され、内部に機械室を画成するものである。そして、建屋カバー8は、旋回フレーム5の左,右両側に立設されたサイドカバー8A,8Aと、該各サイドカバー8Aの上部側に設けられた上部カバー8B等とにより構成されている。
【0027】
ここで、建屋カバー8の上部カバー8Bには、図4ないし図6に示す如く後述のエンジン9等を上方から点検したりするときに用いる点検窓としての開口部8Cが設けられ、この開口部8Cは、カウンタウエイト7の前側に位置して左,右方向に長く延びる略四角状の角穴として形成されている。そして、この開口部8Cは、後述のエンジンカバー12によって上側から開閉可能に覆われるものである。
【0028】
9はカウンタウエイト7寄りに位置して旋回フレーム5の後部側に設けられた原動機としてのエンジンで、該エンジン9は、例えば図2、図4、図5中に示すように建屋カバー8内(機械室)に横置き状態で収容され、建屋カバー8内を左,右方向に延在している。そして、エンジン9の一側には、例えばラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換器10と冷却ファン11等とが配設され、エンジン9の他側には、複数台の油圧ポンプ(図示せず)等が取付けられるものである。
【0029】
12は建屋カバー8の開口部8Cを開,閉するエンジンカバーで、該エンジンカバー12は、図2ないし図8に示す如く略長方形状をなす上側の蓋板部12Aと、該蓋板部12Aの左,右方向両側に位置し斜め下向きに拡開して延びた左側板部12B,右側板部12Cと、蓋板部12Aの前,後方向両側に位置し斜め下向きに拡開して延びた前板部12D,後板部12Eとにより比較的扁平(浅底)なカバー体として形成されている。
【0030】
そして、エンジンカバー12は、左側板部12Bと後板部12Eとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した左後側のコーナ部12Fとなり、右側板部12Cと後板部12Eとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した右後側のコーナ部12Gとなっている。また、左側板部12Bと前板部12Dとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した左前側のコーナ部12Hとなり、右側板部12Cと前板部12Dとの間の境界部が斜め外向きに傾斜した右前側のコーナ部12Jとなっている。
【0031】
ここで、エンジンカバー12は、左側板部12Bの下側部位が後述のヒンジ15等を用いて建屋カバー8(上部カバー8B)の上面に回動可能に連結されることにより、開口部8C上で左,右方向に開閉され、このときに右側板部12Cが自由端となって図8に示す如くカウンタウエイト7の上方に配置される。
【0032】
また、エンジンカバー12の右側板部12Cには、上部カバー8Bとの間にロック機構(図示せず)等が設けられ、このロック機構は、エンジンカバー12で建屋カバー8の開口部8Cを閉じたときに、エンジンカバー12を閉扉状態に保持し、必要に応じてロックする構成となっているものである。
【0033】
そして、エンジンカバー12を図2、図3に示す如く閉じたときには、左側板部12B、右側板部12Cおよび前板部12D等が上部カバー8Bの上面に後述のシール部材17等を介して当接し、後板部12Eはカウンタウエイト7の上面7Aにシール部材17等を介して当接する。これにより、閉扉状態のエンジンカバー12は、例えば雨水、ダスト等の異物が上部カバー8Bの開口部8Cから建屋カバー8内に浸入するのを防ぐものである。
【0034】
13,13はエンジンカバー12の左側板部12Bに設けられた一対の切欠きで、該各切欠き13は、図3に示すように左側板部12Bの前,後方向に離間した部位を略コ字形状に切取ることにより形成されている。そして、各切欠き13内には、図4に示す如く後述のヒンジ15と嵩上げブラケット16とが取付板14の下側となる位置に配置されるものである。
【0035】
14はエンジンカバー12の左側板部12Bにヒンジ15を取付けるための取付板で、該取付板14は、例えば金属薄板を略く字状に折曲げることにより図4に示すように形成され、切欠き13の上側に位置してエンジンカバー12の左側板部12Bに溶接等の手段で固着されている。そして、取付板14は、左側板部12Bとの間に三角形状をなす空間部14Aを形成し、取付板14の下側面には、切欠き13を介してヒンジ15が取付けられるものである。
【0036】
15,15は建屋カバー8の上部カバー8Bにエンジンカバー12を開閉可能に連結するヒンジで、これらのヒンジ15は、例えば蝶番等によって構成され、図4に示す如くエンジンカバー12の各切欠き13内に後述の嵩上げブラケット16と共に配置されている。そして、ヒンジ15は、取付板14と嵩上げブラケット16との間に回動可能に取付けられ、これらのヒンジ15によって、図5、図6に示すようにエンジンカバー12を開,閉するときの支点(回動中心)が構成されるものである。
【0037】
16,16はエンジンカバー12の各切欠き13内にヒンジ15を嵩上げした状態で取付けるための嵩上げブラケットで、該嵩上げブラケット16は、例えば剛性をもった金属板等をプレス加工することにより図4に示すように形成され、平板状をなす下側の固定板部16Aと、該固定板部16Aに対しクランク状、または略L字状に折曲げることにより成形され該固定板部16Aに対して寸法Hだけ嵩上げされた上側の嵩上げ板部16Bとにより構成されている。
【0038】
そして、嵩上げブラケット16は、下側の固定板部16Aが上部カバー8Bの上面にボルトまたは溶接手段等を用いて固着され、上側の嵩上げ板部16Bは、ヒンジ15の下面側にボルトまたは溶接手段等を用いて固着されている。これにより、嵩上げブラケット16は、ヒンジ15を上部カバー8Bの上面から寸法H分だけ嵩上げした状態で、エンジンカバー12(取付板14)との間にヒンジ15が取付けられるものである。
【0039】
このため、エンジンカバー12を図5ないし図8に示す如く開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間がカウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成されるものである。
【0040】
17はエンジンカバー12の下面側に設けられたシール部材で、該シール部材17は、図4、図5に示すようにエンジンカバー12の下面全体(左側板部12B、右側板部12C、前板部12Dおよび後板部12Eの下面)に取付けられ、開口部8Cの周囲に位置する上部カバー8B、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12との間をシールするものである。
【0041】
18は図2に示すように建屋カバー8の右側に位置して旋回フレーム5上に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク18は、前記油圧ポンプの吸込側に接続されると共に、油圧アクチュエータ(図示せず)からの戻り油が還流されるものである。また、作動油タンク18の前側には、前記エンジン9に燃料を供給するための燃料タンク19等が設けられている。
【0042】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0043】
まず、油圧ショベル1のキャブ6内に乗り込んだオペレータが始動スイッチを操作し、建屋カバー8内のエンジン9を起動すると、該エンジン9によって油圧ポンプ等が駆動される。そして、オペレータがキャブ6内の操作レバー等を適宜に傾動操作することにより、油圧ポンプからの圧油が作業装置4の各油圧シリンダ、旋回用の油圧モータ、または下部走行体2の走行用油圧モータ(いずれも図示せず)等に給排され、土砂等の掘削作業を行うものである。
【0044】
また、建屋カバー8内に設けたエンジン9および熱交換器10等の保守、点検を行うときには、エンジンカバー12を上方に開くことにより、上部カバー8Bに設けた開口部8Cを図5、図6に示す如く外部に開放する。そして、この状態で開口部8Cを点検窓として用い、建屋カバー8内のエンジン9および熱交換器10等に対してメンテンス(保守、点検)を容易に行うことができる。
【0045】
ところで、旋回フレーム5の後側には、前側の作業装置4に対して上部旋回体3の重量バランスを取るためにカウンタウエイト7を着脱可能に設ける構成としている。そして、このカウンタウエイト7は、油圧ショベル1の輸送時、作業内容の変更時等に旋回フレーム5の後部から必要に応じて脱着されるものである。
【0046】
しかし、このようなカウンタウエイト7の脱着作業時に、エンジンカバー12の後側部位がカウンタウエイト7の上面7Aに接触、干渉すると、カウンタウエイト7の脱着作業を円滑に行うことができず、従来技術でも述べたように余分な労力と時間を費やすことになる。
【0047】
そこで、本実施の形態は、建屋カバー8の開口部8C周囲に位置して上部カバー8Bの上面に嵩上げブラケット16,16を設け、エンジンカバー12を開閉可能に支持するヒンジ15,15を、各嵩上げブラケット16の嵩上げ板部16Bとエンジンカバー12の取付板14との間に取付ける構成としている。
【0048】
これにより、エンジンカバー12を回動可能(開閉可能)に支持する各ヒンジ15を、嵩上げブラケット16,16を用いて上部カバー8Bの上面から寸法H分だけ嵩上げした状態に保持することができる。このため、エンジンカバー12を図5ないし図8等に示す如く開いたときには、嵩上げブラケット16の嵩上げ高さ(寸法H)に対応した隙間を、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位(左側板部12Bの後部、後板部12E)との間に形成することができる。
【0049】
この結果、カウンタウエイト7を脱着するときには、この隙間(図6、図8中に示す寸法H)を利用してカウンタウエイト7を旋回フレーム5の後部側から上向きに僅かに持上げつつ、後方(水平方向)に抜き取るようにしてカウンタウエイト7の脱着作業を容易に行うことができる。
【0050】
即ち、カウンタウエイト7の脱着作業を行うときには、例えば図2、図6等に示す各ねじ座7Bに対し吊りボルト20等を図9に示す如く螺着し、この状態で吊りボルト20に連結したワイヤ21をクレーン(図示せず)等を用いて吊り上げる。このときに、カウンタウエイト7は、図9中に実線で示すように寸法Hの隙間の範囲で旋回フレーム5の後部側から上方に持上げられ、その後は図9中に二点鎖線で示すように斜め後方へと吊り上げられることにより、カウンタウエイト7の脱着作業が行われる。
【0051】
このように、本実施の形態では、建屋カバー8の上面からエンジンカバー12を上向きに開いた状態とするだけで、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー12の後側部位との間に形成される隙間(寸法H)を利用して、カウンタウエイト7の脱着作業を容易に行うことができる。
【0052】
従って、本実施の形態によれば、旋回フレーム5の後側からカウンタウエイト7を脱着する作業を、エンジンカバー12を開いた状態で行うことができ、従来技術のように、カウンタウエイトの脱着作業時にエンジンカバーを取外す等の手間のかかる作業を不要にすることができる。これにより、カウンタウエイト脱着時の作業性を向上でき、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0053】
次に、図10ないし図18は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、エンジンカバーの後部左側に位置するコーナ部に面取りを施し、エンジンカバーを開いたときには、この面取り部がカウンタウエイトの上面から離間する構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】
図中、31は建屋カバー8の開口部8Cを開,閉するエンジンカバーで、該エンジンカバー31は、第1の実施の形態で述べたエンジンカバー12とほぼ同様に構成され、図10ないし図12に示す如く上側の蓋板部31A、左側板部31B、右側板部31C、前板部31Dおよび後板部31Eを有している。
【0055】
また、エンジンカバー31は、左後側のコーナ部31F、右後側のコーナ部31G、左前側のコーナ部31Hおよび右前側のコーナ部31J等を有している。しかし、この場合のエンジンカバー31は、左側板部31Bと後板部31Eとの間の境界部となる左後側のコーナ部31Fに後述の面取り部32が設けられている点で異なるものである。
【0056】
そして、エンジンカバー31を図10ないし図13に示す如く閉じたときには、左側板部31B(後述する面取り部32の前部)、右側板部31Cおよび前板部31D等が上部カバー8Bの上面にシール部材17等を介して当接し、後板部31E(後述する面取り部32の後部)は、カウンタウエイト7の上面7Aにシール部材17等を介して当接する。これにより、閉扉状態のエンジンカバー31は、例えば雨水、ダスト等の異物が上部カバー8Bの開口部8Cから建屋カバー8内に浸入するのを防ぐものである。
【0057】
また、エンジンカバー31の右側板部31Cには、上部カバー8Bとの間にロック機構(図示せず)等が設けられ、このロック機構は、エンジンカバー31で建屋カバー8の開口部8Cを閉じたときに、エンジンカバー31を閉扉状態に保持し、必要に応じてロックする構成となっている。
【0058】
32はエンジンカバー31のコーナ部31Fに設けられた面取り部で、該面取り部32は、図10ないし図12に示す如くエンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間の境界部分(左後側のコーナ部31F)を、例えば30〜60度、好ましくは約45度の角度で斜めに面取りするようにして形成されている。そして、面取り部32は、右側板部31Cと後板部31Eとの間のコーナ部31Fを一定の傾斜角度をもって斜めに繋ぐものである。
【0059】
ここで、面取り部32は、後述のヒンジ35を支点にしてエンジンカバー31を図15に示す如く開いたときに、カウンタウエイト7の上面7Aから上方に離間し、カウンタウエイト7の上面7Aと面取り部32(エンジンカバー31)との間には、例えば図15中に示す寸法H1以上の隙間が形成されるものである。
【0060】
33,33はエンジンカバー31の左側板部31Bに設けられた一対の切欠きで、該各切欠き33は、図10に示すように左側板部31Bの前,後方向に離間した部位を略コ字形状に切取ることにより形成されている。しかし、この場合の切欠き33内には、図10〜図13に示す如く後述のヒンジ35のみが取付板34の下側となる位置に配置されるものである。
【0061】
34はエンジンカバー31の左側板部31Bにヒンジ35を取付けるための取付板で、該取付板34は、例えば金属薄板を略く字状に折曲げることにより図13に示す如く形成され、切欠き33の上側に位置してエンジンカバー31の左側板部31Bに溶接等の手段で固着されている。そして、取付板34は、左側板部31Bとの間に三角形状をなす空間部34Aを形成し、取付板34の下側面には、切欠き33を介してヒンジ35が取付けられるものである。
【0062】
35,35は建屋カバー8の上部カバー8Bにエンジンカバー31を開閉可能に連結するヒンジで、これらのヒンジ35は、第1の実施の形態で述べたヒンジ15と同様に構成され、図13に示す如くエンジンカバー31の各切欠き33内に配置される。そして、ヒンジ35,35は、上部カバー8Bの上面と取付板34との間に回動可能に取付けられ、これらのヒンジ35によって、図14、図15に示すようにエンジンカバー31を開,閉するときの支点(回動中心)が構成されるものである。
【0063】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、エンジンカバー31を開いたときに、カウンタウエイト7の上面7Aとエンジンカバー31の面取り部32との間に、例えば図15中に示す寸法H1以上の隙間を形成することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
即ち、本実施の形態では、エンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間の境界部分(左後側のコーナ部31F)に面取りを施すようにして、斜めに傾斜した面取り部32を設ける構成としているので、エンジンカバー31を開いたときには、エンジンカバー31をカウンタウエイト7の上面7Aから面取り部32によって確実に離間させることができ、両者の間に図15中に示す寸法H1以上の隙間(例えば、第1の実施の形態よりも大きな隙間)を形成することができる。
【0065】
このため、本実施の形態では、建屋カバー8の上面からエンジンカバー31を特別に取外すことなく、カウンタウエイト7の脱着作業を図18に示す如く行うことができる。そして、このような脱着作業を、図15中に示す寸法H1以上の大なる隙間を利用して第1の実施の形態よりも一層容易に行うことができ、カウンタウエイト脱着時の作業性を向上できると共に、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
【0066】
なお、前記第2の実施の形態では、エンジンカバー31の右側板部31Cと後板部31Eとの間のコーナ部31Fに、傾斜壁面等からなる面取り部32を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図11、図17中に二点鎖線で示す如くコーナ部31Fに円弧状に湾曲した曲面等からなる面取り部32′を設ける構成としてもよい。
【0067】
また、前記各実施の形態では、カウンタウエイト7にねじ座7B,7Bを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば特開平10−237903号公報等にも記載の如くカウンタウエイトの上面側に吊上げ用のブラケット等を設ける構成としてもよいものである。
【0068】
また、前記各実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式油圧ショベル、油圧クレーン等のように、エンジンカバーの後側部位がカウンタウエイトの上面に当接される形式の種々の建設機械にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す全体図である。
【図2】図1中の上部旋回体を上側からみた平面図である。
【図3】上部旋回体の後部側を拡大して示す斜視図である。
【図4】建屋カバーの開口部およびエンジンカバー等を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】図4中のエンジンカバーを開いた状態を示す断面図である。
【図6】図3中のエンジンカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図7】エンジンカバーを開いた状態を示す上部旋回体の平面図である。
【図8】エンジンカバーを開いた状態を示す図7の左側面図である。
【図9】カウンタウエイトを脱着する状態を示す図8とほぼ同様の左側面図である。
【図10】第2の実施の形態による上部旋回体の後部側を拡大して示す斜視図である。
【図11】図10中のエンジンカバー等を上側からみた平面図である。
【図12】閉扉状態のエンジンカバー等を示す図11の左側面図である。
【図13】建屋カバーの開口部およびエンジンカバー等を図11中の矢示XIII−XIII方向からみた断面図である。
【図14】図13中のエンジンカバーを開いた状態を示す断面図である。
【図15】図10中のエンジンカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図16】エンジンカバーを開いた状態を示す上部旋回体の平面図である。
【図17】エンジンカバーを開いた状態を示す図16の左側面図である。
【図18】カウンタウエイトを脱着する状態を示す図17とほぼ同様の左側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム(フレーム)
6 キャブ
7 カウンタウエイト
8 建屋カバー
8A サイドカバー
8B 上部カバー
8C 開口部
9 エンジン
12,31 エンジンカバー
12B,31B 左側板部
12C,31C 右側板部
12D,31D 前板部
12E,31E 後板部
13,33 切欠き
14,34 取付板
15,36 ヒンジ
16 嵩上げブラケット
17 シール部材
31F コーナ部
32,32′ 面取り部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に作業装置が設けられ後側にカウンタウエイトが設けられる車体のフレームと、前記カウンタウエイト寄りに位置して前記フレーム上に搭載されたエンジンと、前記フレーム上に立設されて内部に該エンジンを収容する機械室を画成し上部に該エンジンを点検するための開口部が設けられた建屋カバーと、該建屋カバーの開口部を覆うように該建屋カバー上に開閉可能に設けられ一部が前記カウンタウエイトの上側に配置されたエンジンカバーとを備えてなる建設機械において、
前記エンジンカバーは、左,右方向の一側が前記建屋カバーの上面にヒンジを用いて回動可能に連結され、左,右方向の他側が自由端となって前記ヒンジ側を支点にして開閉する構成とし、
前記フレームの後側から前記カウンタウエイトを脱着するときには前記ヒンジを支点にして前記エンジンカバーを開き、前記エンジンカバーの後側部位を前記カウンタウエイトの上面から離間させる構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記建屋カバーの上面には、前記ヒンジを上方に嵩上げした状態で該ヒンジが前記エンジンカバーとの間に取付けられる嵩上げブラケットを設け、前記エンジンカバーを開いたときには、前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記エンジンカバーには、前記ヒンジが取付けられた左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施し、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項1】
前側に作業装置が設けられ後側にカウンタウエイトが設けられる車体のフレームと、前記カウンタウエイト寄りに位置して前記フレーム上に搭載されたエンジンと、前記フレーム上に立設されて内部に該エンジンを収容する機械室を画成し上部に該エンジンを点検するための開口部が設けられた建屋カバーと、該建屋カバーの開口部を覆うように該建屋カバー上に開閉可能に設けられ一部が前記カウンタウエイトの上側に配置されたエンジンカバーとを備えてなる建設機械において、
前記エンジンカバーは、左,右方向の一側が前記建屋カバーの上面にヒンジを用いて回動可能に連結され、左,右方向の他側が自由端となって前記ヒンジ側を支点にして開閉する構成とし、
前記フレームの後側から前記カウンタウエイトを脱着するときには前記ヒンジを支点にして前記エンジンカバーを開き、前記エンジンカバーの後側部位を前記カウンタウエイトの上面から離間させる構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記建屋カバーの上面には、前記ヒンジを上方に嵩上げした状態で該ヒンジが前記エンジンカバーとの間に取付けられる嵩上げブラケットを設け、前記エンジンカバーを開いたときには、前記カウンタウエイトの上面とエンジンカバーとの間に該嵩上げブラケットの嵩上げ高さに対応した隙間を形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記エンジンカバーには、前記ヒンジが取付けられた左,右方向の一側と後部側との間の角隅部に面取りを施し、前記エンジンカバーを開いたときには、該面取り部が前記カウンタウエイトの上面から離間して該カウンタウエイトとエンジンカバーとの間に隙間を形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−37466(P2006−37466A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217584(P2004−217584)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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