説明

建設車両

【課題】液体還元剤の凍結を抑えることができる建設車両を提供する。
【解決手段】建設車両は、エンジン17と、排気ガス浄化部6と、液体還元剤タンク7と、車両本体4と、カウンターウェイト部5とを備える。排気ガス浄化部6は、エンジン17の排気ガス中の窒素酸化物を液体還元剤を用いて還元浄化する。液体還元剤タンク7は、液体還元剤を貯留する。車両本体4は、エンジン17が収納されるエンジンルームS1を内部に有する。カウンターウェイト部5は、車両本体4に取り付けられ、エンジンルームS1と液体還元剤タンク7とに対向して配置される。そして、カウンターウェイト部5には、エンジンルームS1に連通し液体還元剤タンク7に対向する位置まで延びたダクト51が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減させるために、排気ガス浄化部を備えた建設車両が開発されている。この排気ガス浄化部は、排気ガスに含まれる窒素酸化物を尿素水溶液などの液体還元剤を用いて還元浄化する。
【特許文献1】特開2003−20936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の建設車両では、液体還元剤を貯留する液体還元剤タンクが設けられるが、過度に低い温度環境下では、液体還元剤タンクに貯留された液体還元剤が凍結する恐れがある。例えば、液体還元剤として尿素水溶液が用いられる場合、液体還元剤タンクは、4℃以上の温度環境に配置されることが望ましく、これより低い温度では尿素水溶液が凍結する恐れがある。
【0004】
本発明の課題は、液体還元剤の凍結を抑えることができる建設車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る建設車両は、エンジンと、排気ガス浄化部と、液体還元剤タンクと、車両本体と、カウンターウェイト部とを備える。排気ガス浄化部は、エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を液体還元剤を用いて還元浄化する。液体還元剤タンクは、液体還元剤を貯留する。車両本体は、エンジンが収納されるエンジンルームを内部に有する。カウンターウェイト部は、車両本体に取り付けられ、エンジンルームと液体還元剤タンクとに対向して配置される。そして、カウンターウェイト部には、エンジンルームに連通し液体還元剤タンクに対向する位置まで延びたダクトが形成されている。
【0006】
この建設車両では、カウンターウェイト部に形成されたダクトにより、エンジンルーム内の暖かい空気が液体還元剤タンクの近傍まで送られる。そして、エンジンルームからの暖かい空気により液体還元剤タンクが温められる。これにより、この建設車両では、液体還元剤の凍結を抑えることができる。
【0007】
第2発明に係る建設車両は、第1発明の建設車両であって、冷却装置をさらに備える。冷却装置は、エンジンルームに隣接して配置され、通過する空気との間で熱交換を行うことによりエンジンを冷却する。また、車両本体は、通風空間を内部に有する。通風空間は、冷却装置に対してエンジンルームとは反対側に位置し、外部から取り込まれ冷却装置へ送られる空気が通る空間である。そして、液体還元剤タンクは、通風空間に配置される。
【0008】
通風空間は、冷却装置に対してエンジンルームとは反対側に位置し、冷却装置の上流側に位置しているため、エンジンルームほど高温にならない。また、ダクトを通りエンジンルームから送られる暖かい空気により液体還元剤タンクが温められ、過度に低温にならない。これにより、この建設車両では、液体還元剤タンクが通風空間に配置されることにより、液体還元剤を適切な温度で貯留することができる。
【0009】
第3発明に係る建設車両は、第2発明の建設車両であって、ダクトの一端は、エンジンルームに連通しており、ダクトの他端は、通風空間に連通している。
【0010】
この建設車両では、エンジンルームの空気が、ダクトを通って通風空間に送られ、通風空間に配置された液体還元剤タンクに吹き付けられる。これにより、この建設車両では、液体還元剤の凍結を抑えることができる。
【0011】
第4発明に係る建設車両は、第2発明の建設車両であって、ダクトの一端は、エンジンルームに連通しており、ダクトの他端は、液体還元剤タンクによって閉じられている。
【0012】
この建設車両では、エンジンルームの空気が、ダクトを通って通風空間に送られ、通風空間に配置された液体還元剤タンクの少なくとも一部に接触する。これにより、この建設車両では、液体還元剤の凍結を抑えることができる。
【0013】
第5発明に係る建設車両は、第1発明から第4発明のいずれかの建設車両であって、ダクトの一端は、エンジンルームの下部に連通している。
【0014】
この建設車両では、エンジンルームの下部の空気がダクトを通って液体還元剤タンクの近傍まで送られる。エンジンルームの下部の空気は、エンジンルームの上部の空気ほど熱くないため、液体還元剤タンクを過度に温めてしまうことを防止することができる。
【0015】
第6発明に係る建設車両は、第1発明から第5発明のいずれかの建設車両であって、空気案内部をさらに備える。空気案内部は、ダクトにエンジンルーム内の空気を案内する。
【0016】
この建設車両では、空気案内部によって、エンジンルーム内の空気がダクトに案内される。これにより、エンジンルーム内の空気がダクトに入り易くなる。
【0017】
第7発明に係る建設車両は、第1発明から第6発明のいずれかの建設車両であって、ダクトは、カウンターウェイト部に設けられた凹溝によって構成されている。
【0018】
この建設車両では、ダクトは、カウンターウェイト部に設けられた凹溝によって構成されている。このため、ダクトの形成が容易である。また、カウンターウェイト部の一部をエンジンルーム側に張り出させずにダクトを形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る建設車両では、カウンターウェイト部に形成されたダクトにより、エンジンルーム内の暖かい空気が液体還元剤タンクの近傍まで送られる。そして、エンジンルームからの暖かい空気により液体還元剤タンクが温められる。これにより、この建設車両では、液体還元剤の凍結を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<構成>
本発明の一実施形態にかかる建設車両1を図1に示す。この建設車両1は、油圧ショベルであり、作業機2と、下部走行体3と、車両本体4と、カウンターウェイト部5と、排気ガス浄化部6(図4参照)と、液体還元剤タンク7(図4参照)と、液体還元剤ポンプ8(図4参照)とを備えている。
【0021】
〔作業機2および下部走行体3〕
作業機2は、車両本体4の前部に取り付けられており、ブーム21、ブームシリンダ22、アーム23、アームシリンダ24、バケット25、バケットシリンダ26等を有する。作業機2は、油圧によってこれらのシリンダ22,24,26が駆動されることにより作動し、各種の作業を行うことができる。
【0022】
下部走行体3は、車両本体4を支持しており、クローラ式の走行機構を有する。
【0023】
〔車両本体4〕
車両本体4は、下部走行体3に対して旋回可能に支持されており、フレーム部40(図2参照)、運転室41、外装部材42、燃料油タンク43、作動油タンク44などを有する。
【0024】
図2および図3に示すように、フレーム部40は、センタフレーム10と、第1サイドフレーム部11と、第2サイドフレーム部12と、複数のクロスフレーム部13と、後フレーム部14とを有する。
【0025】
センタフレーム10は、フレーム部40の左右方向における中央に設けられており、上述した作業機2が取り付けられる。
【0026】
第1サイドフレーム部11および第2サイドフレーム部12は、前後方向に延びた細長い形状を有しており、センタフレーム10を間に挟んで、それぞれセンタフレーム10から側方に距離を隔てて配置されている。
【0027】
クロスフレーム部13は、左右方向に延び、センタフレーム10と第1サイドフレーム部11とに亘って、又は、センタフレーム10と第2サイドフレーム部12とに亘って設けられている。
【0028】
後フレーム部14は、フレーム部40の後部に設けられており、センタフレーム10と第1サイドフレーム部11と第2サイドフレーム部12との後端を繋いでいる。
【0029】
図1に示す運転室41は、フレーム部40に載置され、内部にシートや各種の操作部材が設けられている。
【0030】
外装部材42は、フレーム部40に取り付けられ、車両本体4の外装面を構成する。外装部材42は、エンジンルームカバー部材15と、通風空間カバー部材16とを有する。エンジンルームカバー部材15は、エンジン17が収納されるエンジンルームS1(図2参照)の上方を覆う部材である。通風空間カバー部材16は、外部から取り込まれ後述する冷却装置18へ送られる通風空間S2(図2参照)の上方および側方を覆う部材であり、その側面には、外部から空気を取り込むためのスリット状の吸気口19が形成されている。なお、エンジンルームS1及び通風空間S2は、車両本体4の後部において左右方向に並んで配置されている。
【0031】
燃料油タンク43は、エンジン17に送られる燃料油を貯えるタンクであり、車両本体4の右側部に設けられている。なお、本明細書において左右とは、運転室41から作業機2を前方に見る運転者にとっての左右を意味するものとする。
【0032】
作動油タンク44は、油圧ポンプに送られる作動油を貯えるタンクであり、車両本体4の右側部に設けられている。
【0033】
また、車両本体4の内部には、エンジン17、油圧ポンプ(図示せず)、冷却装置18などが収納されている。
【0034】
エンジン17は、ディーゼルエンジンであり、油圧ポンプを駆動する駆動源となる。エンジン17は、車両本体4の内部のエンジンルームS1に配置されている。
【0035】
冷却装置18は、エンジン17との間で水などの冷却液を循環させ、通過する空気との間で熱交換を行うことによりエンジン17を冷却する装置である。冷却装置18は、通風空間S2と、センタフレーム10と第1サイドフレーム部11との間の空間S3とに亘って配置されている。また、冷却装置18は、エンジンルームS1に隣接して配置され、エンジンルームS1と通風空間S2とを仕切っている。冷却装置18は、熱交換部31と、冷却液タンク32と、送風部33とを有する。熱交換部31は、空気が透過可能に構成されており、冷却液が通る配管が配設されている。冷却液タンク32は、冷却液を貯留するタンクであり、冷却装置18の下部に設けられている、冷却液タンク32は、熱交換部31の下方に位置しており、センタフレーム10と第1サイドフレーム部11との間の空間S3に配置されている。送風部33は、外部から通風空間S2に取り込まれ熱交換部31を通りエンジンルームS1に送られる空気の流れを生成する。従って、通風空間S2は、冷却装置18に対して空気流れの上流側に位置しており、冷却装置18に対してエンジンルームS1とは反対側に位置している。エンジンルームS1は、冷却装置18に対して空気流れの下流側に位置している。
【0036】
〔カウンターウェイト部5〕
カウンターウェイト部5は、作業時の安定性を確保するために車両本体4に装着されるものであり、車両本体4に対して着脱可能となっている。カウンターウェイト部5は、鋳造により形成されているが、板金製の缶体の内部にセメント等の重量物が充填されたものであってもよい。カウンターウェイト部5は、車両本体4の後部に取り付けられることにより、車両本体4の後面を覆う。より詳細には、カウンターウェイト部5は、フレーム部40のセンタフレーム10に固定される。これにより、カウンターウェイト部5は、エンジンルームS1と液体還元剤タンク7とに対向して配置され、上述した通風空間S2およびエンジンルームS1の後方を閉じる。
【0037】
また、カウンターウェイト部5には、エンジンルームS1から液体還元剤タンク7に対向する位置まで延びたダクト51が形成されている。図3に示すように、このダクト51の一端は、エンジンルームS1に連通しており、エンジンルームS1の下部に面して設けられている。ダクト51の他端は、通風空間S2に連通しており、通風空間S2に配置された液体還元剤タンク7に面して設けられている。このダクト51は、カウンターウェイト部5の前面に設けられた凹溝52と、凹溝52の側方を覆うダクトカバー部材53とによって構成されている。凹溝52は、カウンターウェイト部5の前面から後方へ凹んでおり、水平方向に、具体的には、左右方向に延びている。ダクトカバー部材53は、カウンターウェイト部5に取り付けられており、ダクト51の入口54と、ダクト51の出口55とを除いて凹溝52の側方を覆っている。なお、ダクト51の入口54は、エンジンルームS1に面して設けられている。ダクト51の出口55は、通風空間S2に面して設けられている。
【0038】
〔排気ガス浄化部6〕
図4に示す排気ガス浄化部6は、エンジン17の排気ガス中の窒素酸化物を液体還元剤を用いて還元浄化する装置であり、エンジン17の上部近傍に配置されている。ここで、液体還元剤としては、尿素水溶液が用いられる。排気ガス浄化部6は、第1処理部61と第2処理部62と第1補助処理部63と第2補助処理部64とを有する。
【0039】
第1処理部61は、酸化触媒がコーティングされたディーゼルパーティキュレートフィルタ(以下「DPF」)を有しており、排気ガス中のパーティキュレート(粒子状物質)を捕集すると共に、排気ガス中の一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成する。二酸化窒素は、排気ガスのような高温雰囲気中では不安定であり、酸素を放出して一酸化窒素に戻る。そして、放出された酸素の酸化力により、DPFに捕集されたパーティキュレートが燃焼する。一酸化窒素、および、一酸化窒素に戻りきれなかった二酸化窒素は、第1補助処理部63に送られる。なお、DPFの材質としては、コージュライト、炭化珪素などのセラミックス、又は、ステンレス、アルミニウム等の金属が用いられる。
【0040】
第1補助処理部63は、加水分解触媒を有しており、液体還元剤ポンプ8から供給される液体還元剤中の尿素を分解してアンモニアを生成する。第1処理部61と第1補助処理部63とは、連絡管65によって接続されており、連絡管65を通る排気ガスに液体還元剤ポンプ8(後述)から液体還元剤が供給される。
【0041】
第2処理部62は、SCR(Selective Catalytic Reduction:選択還元触媒)方式の触媒コンバーターであり、ゼオライト、バナジウム等の卑金属からなる尿素脱硝触媒(DeNOx触媒)を有する。尿素脱硝触媒は、尿素から得られたアンモニアと排気ガス中のNOxとを反応させ、NOxを窒素と酸素に分解して浄化する。
【0042】
第2補助処理部64は、酸化触媒を有しており、第2処理部62において残ったアンモニアを酸化し、窒素と水とに分解して無害化する。第2補助処理部64において処理された排気ガスは、エンジンルームカバー部材15から上方へ突出した排気管34(図1参照)を介して外部に排出される。
【0043】
〔液体還元剤タンク7および液体還元剤ポンプ8〕
図2および図3に示す液体還元剤タンク7は、排気ガス浄化部6において用いられる液体還元剤を貯留するタンクである。液体還元剤タンク7は、通風空間S2内に配置されており、カウンターウェイト部5の前面に近接して配置されている。また、液体還元剤タンク7は、カウンターウェイト部5に設けられたダクト51の出口55の前方に位置している。
【0044】
液体還元剤ポンプ8は、液体還元剤タンク7および排気ガス浄化部6と配管66(図4参照)によって接続されており、液体還元剤タンク7に貯えられた液体還元剤を排気ガス浄化部6の連絡管65に供給する。液体還元剤ポンプ8は、排気ガス浄化部6の近傍に配置されている。
【0045】
<特徴>
(1)
尿素水溶液のような液体還元剤は、温度の影響を受け易いため、液体還元剤タンク7は、適切な温度環境に配置されることが望ましい。具体的には、液体還元剤タンク7は、4℃〜60℃の温度環境に配置されることが望ましく、これ以上または以下の温度では尿素水溶液が凍結又は結晶化する恐れがある。
【0046】
そこで、この建設車両1では、カウンターウェイト部5にエンジンルームS1と通風空間S2とを繋ぐダクト51が設けられており、エンジンルームS1内の暖かい空気がダクト51を通って通風空間S2に配置された液体還元剤タンク7まで送られる。これにより、液体還元剤の温度が低下して液体還元剤が凍結してしまうことを抑えることができる。また、液体還元剤タンク7は、通風空間S2に配置されており、通風空間S2は、エンジンルームS1より上流側に位置するためエンジンルームS1ほど高温にならない。このため、液体還元剤の温度が過度に上昇して液体還元剤が結晶化してしまうことを抑えることができる。
【0047】
このように、この建設車両1では、液体還元剤を適切な温度環境下で貯留することができる。
【0048】
(2)
この建設車両1では、カウンターウェイト部5の前面に凹溝52を設けることによって、容易にダクト51を構成することができる。このため、少ない追加部品でダクト51を建設車両1に設けることができる。
【0049】
また、エンジンルームS1や通風空間S2などの車両本体4内の設置空間内にダクト51が設けられる場合と比べて、新たな設置空間を必要としないため、車両本体4が大型化することを抑えることができる。
【0050】
(3)
この建設車両1では、エンジン17からの熱を利用して、液体還元剤の温度低下を防止することができる。このため、ヒーター等の加熱機器が不要となり、建設車両1の製造コストを低減することができる。また、消費エネルギーの増大を抑えることもできる。
【0051】
<他の実施形態>
(a)
上記の実施形態では、油圧ショベルに対して本発明が適用されているが、他の建設車両1にも適用可能である。
【0052】
(b)
上記の実施形態では、液体還元剤として尿素水溶液が用いられているが、他の還元剤が用いられてもよい。
【0053】
(c)
上記の実施形態では、ダクト51は、凹溝52とダクトカバー部材53とによって構成されているが、ダクトカバー部材53が設けられず凹溝52のみによってダクト51が構成されてもよい。この場合も、エンジンルームS1の暖かい空気がダクト51を通って液体還元剤タンク7まで送られる。また、ダクト51を構成するために部品点数が増加することを抑えることができる。
【0054】
また、凹溝52ではなくトンネル状の通路によってダクト51が構成されてもよい。この場合もダクト51を構成するために部品点数が増加することを抑えることができる。
【0055】
(d)
上記の実施形態では、液体還元剤タンク7が通風空間S2内に設けられているが、液体還元剤タンク7が配置される場所は、ダクト51を通って送られる暖かい空気に触れる場所であればよい。
【0056】
(e)
上記の実施形態では、ダクト51の他端すなわちダクト51の出口55は開放されているが、液体還元剤タンク7によって閉じられてもよい。この場合も、エンジンルームS1からダクト51の出口55まで送られた暖かい空気が液体還元剤タンク7に接触して液体還元剤タンク7が暖められる。
【0057】
(f)
上記の実施形態に係る建設車両1において、図5に示すように、ダクト51にエンジンルームS1内の空気を案内する空気案内部56が設けられてもよい。空気案内部56によって、エンジンルームS1内を流れる空気がダクト51の入口54まで導かれることにより、ダクト51の内部に空気を入り易くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、液体還元剤の凍結を抑えることができる効果を有し、建設車両として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】建設車両の外観斜視図。
【図2】建設車両の内部の構成を示す斜視図。
【図3】図2における上面図。
【図4】排気ガス浄化部の構成を示すブロック図。
【図5】他の実施形態に係る建設車両の内部の構成を示す上面図。
【符号の説明】
【0060】
1 建設車両
4 車両本体
5 カウンターウェイト部
6 排気ガス浄化部
7 液体還元剤タンク
17 エンジン
18 冷却装置
51 ダクト
52 凹溝
56 空気案内部
S1 エンジンルーム
S2 通風空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物を液体還元剤を用いて還元浄化する排気ガス浄化部と、
前記液体還元剤を貯留する液体還元剤タンクと、
前記エンジンが収納されるエンジンルームを内部に有する車両本体と、
前記車両本体に取り付けられ、前記エンジンルームと前記液体還元剤タンクとに対向して配置されるカウンターウェイト部と、
を備え、
前記カウンターウェイト部には、前記エンジンルームに連通し前記液体還元剤タンクに対向する位置まで延びたダクトが形成されている、
建設車両。
【請求項2】
前記エンジンルームに隣接して配置され、通過する空気との間で熱交換を行うことにより前記エンジンを冷却する冷却装置をさらに備え、
前記車両本体は、前記冷却装置に対して前記エンジンルームとは反対側に位置し外部から取り込まれ前記冷却装置へ送られる空気が通る通風空間を内部に有し、
前記液体還元剤タンクは、前記通風空間に配置される、
請求項1に記載の建設車両。
【請求項3】
前記ダクトの一端は、前記エンジンルームに連通しており、
前記ダクトの他端は、前記通風空間に連通している、
請求項2に記載の建設車両。
【請求項4】
前記ダクトの一端は、前記エンジンルームに連通しており、
前記ダクトの他端は、前記液体還元剤タンクによって閉じられている、
請求項2に記載の建設車両。
【請求項5】
前記ダクトの一端は、前記エンジンルームの下部に連通している、
請求項1から4のいずれかに記載の建設車両。
【請求項6】
前記ダクトに前記エンジンルーム内の空気を案内する空気案内部をさらに備える、
請求項1から5のいずれかに記載の建設車両。
【請求項7】
前記ダクトは、前記カウンターウェイト部に設けられた凹溝によって構成されている、
請求項1から6のいずれかに記載の建設車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−231999(P2008−231999A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71973(P2007−71973)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】