説明

建造物の検査方法および検査システム

【課題】効率的で、表面のひび割れや剥離を見逃さない建造物の検査方法及び検査システムを提供する。
【解決手段】テラヘルツ発生装置によって構成される10GHzから10THzの発振周波数を持つ電磁波発生源を用い、発振周波数の異なる複数の発振素子を組み合わせ、あるいは複数の検出器を用い、建造物に発生電磁波を照射しその透過あるいは反射画像を得ることによって、建造物の表面および内部の欠陥分布のイメージングを可能にしている。複数の電磁波発生源のうち、高い発振周波数では建造物表面付近を高分解能で観察する際に有効である。一方、低い発振周波数では、建造物の内部まで電磁波が到達できることから、建造物内部観察に有効である。これら複数の周波数の電磁波を組み合わせることにより、コンクリート建造物の表面付近および内部構造の、剥離や、ひび割れ、異物混入状況、鉄筋の施工状況を画像化・診断することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物に電磁波を照射しその反射画像を得ることによって、建造物のひび割れ、構造欠陥、鉄筋の施工状況、および異物混入の有無を識別し、その分布を画像化することを特徴とする建造物の検査方法および検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートによる建造物は半永久的な使用が前提であり、そのための構造物設計法や施工法、および材料の選定により、破損や損傷が生じにくいという特徴がある。一方、問題点としては、変状、損傷は長い時間をかけて少しずつ進行する傾向があり、変状進行の予測、通常使用に対する影響度合いの判定が難しいこと。また大規模かつ複雑な形状の建造物が多く、遠隔箇所からの目視検査が難しく、至近距離には高所足場や高所作業車が必要であった。また、トンネルなどの検査では覆工コンクリート内部などの見えない場所の検査が必要となることからボーリングコアによる破壊検査が必要となり、多大な時間がかかるという欠点があった。木造家屋においても、地震や経年劣化による外壁材等の検査において、同様の手法が用いられてきた。
非破壊検査においては、至近距離から打音してコンクリートや外壁の剥離状況を調べる方法が主に用いられ、赤外線カメラやレーザスキャニングによる電子写真方式でコンクリート表面のひび割れや剥離の検査が試験的に行われている。またコンクリート内部の欠陥検査に関しては、ハンマー打音検査が主に用いられ、100MHz〜3GHzの電磁波を用いたレーダ技術が試験的に用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
建造物の検査は主に打音による検査が行われ、高所作業や作業者の肉体的負荷が大きく非効率な点検作業となっている。一方、赤外線カメラやレーザスキャニングによるコンクリート建造物壁面の電子写真方式は、表面のみの情報しか得られず、塗装や付着物あるいは析出物の表面被覆によって、表面のひび割れや剥離状況を見逃す恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明では、テラヘルツ発生装置によって構成される10GHzから10THzの発振周波数を持つ電磁波発生源を用い、発振周波数の異なる複数の発振素子を組み合わせ、あるいは複数の検出器を用い、建造物に前記発生電磁波を照射しその透過あるいは反射画像を得ることによって、前記建造物の表面および内部の欠陥分布のイメージングを可能にしている。前期複数のテラヘルツ発生装置のうち、概して高い発振周波数帯では建造物の表面付近の欠陥や異物混入を高分解能で観察する際に有効である。一方、前期複数のテラヘルツ発生装置のうち、概して低い発振周波数帯では建造物の深部まで電磁波が透過しやすい性質から、建造物内部の欠陥や異物混入の分布観察に有効である。これら複数の周波数の電磁波を組み合わせることにより、従来にない高い精度で建造物の表面付近および内部構造の、剥離や、ひび割れ、異物混入状況、鉄筋の施工状況、さらには中空層の有無など画像化・診断することが可能になる。
【発明の効果】
【0005】
本発明の建造物の検査方法および検査システムは、テラヘルツ発生装置によって構成される10GHz〜10THzの範囲の電磁波発生源を用い、2つの異なる発振波長を持つ電磁波発生源を選択し、媒体を透過しやすい周波数の電磁波を選び、建材に対する電磁波の侵入深さを制御することにより、建造物の表面から内部に至る構造を投影した画像情報を得ることができるので、外部から観察不能な異物混入や内部に存在する構造欠陥分布の非破壊識別が可能となり、トンネル内や建物からのコンクリート剥落などに関する安全管理や、建物完成検査、あるいは修復時などの現場における建造物検査などにおいて有効である。さらに、1つの発振源と複数の受信器を組み合わせることで、反射または透過してくる電磁波の位相ずれから、反射または透過を生じさせる欠陥や異物の位置を、また受信電磁波の振幅から欠陥や異物による減衰量を求め、3次元的に内部欠陥分布を画像化することができる。
【実施例1】
【0006】
本発明によるイメージングシステムに用いるダイオード発振素子の共振器構造を図1に示した。共振器は金属製の共振器基本構造1にステム2、スライディングショート3、バイアスピン4、方形導波路5、ホーンアンテナ6、石英スタンドオフ7、ダイオード素子8、および金リボン9によって形成される。石英スタンドオフ7、およびダイオード素子8の底面側はステム2上に圧着され、それぞれの上面側は金リボン9によって接続される。バイアスピン4はλ/4のチョーク構造を有し、スタンドオフ7に接するように設置され、ダイオード素子8に必要な直流バイアスを供給する。バイアスピン4と石英スタンドオフ7の接点付近と、スライディングショート3で囲む空間長で共振器を形成し、共振器に蓄えられた電磁波は方形導波路5を通してホーンアンテナ6より外部に出力される。タンネットダイオードの素子構造は図2に示したようにnGaAs基板結晶81に低濃度電子密度のGaASn層82、さらに高濃度電子密度のGaAsn層83、その上に高濃度正孔密度のGaAsp層84をエピタキシャル成長により形成する。エピタキシャル成長された後は基板81を10〜50μm程度まで薄く加工し、p層84側をステム2に接するようにボンディングされ、共振器構造内に設置される。
【0007】
ダイオード発振素子により基本波室温連続発振する電磁波発生器を10〜400GHzの範囲で作製できる。例えばWR12(3.099mm×1.549mm)を基準にした導波管共振器構造では発振周波数レンジが60〜90GHzであり、ダイオードに印加する直流バイアス値を制御することにより中心周波数に対し10から20%程度の周波数制御が可能である。これまでに試作したタンネットダイオードでは50GHzで出力20dBm(100mW)、70Hzで出力17dBm(50mW)、220GHzで出力10dBm(10mW)程度である。このようにして、適した導波管サイズと共振器構造、さらには適したダイオード構造を選ぶことにより、10〜300GHzの範囲で発振する任意のタンネットダイオードを作製できる。
【0008】
図3に示したのは乾燥した板状コンクリートの厚みに対する透過電磁波強度を測定した結果である。用いた電磁波は50、70、220GHzであり、検出器はショットキーバリアダイオード検出器(SBD)を用いている。図中、透過率は、ダイオード発振素子の出力Iに対し、厚さtのコンクリート透過強度をIとした場合I/Iで表される。電磁波の周波数として50GHzを用いた場合、200mm程度の厚みのコンクリートを透過する電磁波強度の測定が可能であり、70GHzでは100mm以上の厚みのコンクリートの画像を得ることができる。また、220GHzの電磁波では50mm程度の厚みのコンクリートに対する透過能が確認されている。これら各周波数における透過能はコンクリートの含水率に依存することもわかっており、コンクリート中の含水率をモニタすることも可能である。また、反射イメージングにおける画像空間分解能は、ほぼ波長のレベルとなることから、高周波では高い分解能が得られ、220GHzでは分解能が1.3mm、50GHzでは分解能が6mm程度の値になる。分解能6mmはコンクリート中の鉄筋の設置状況の観察には十分な分解能である。
【0009】
以上のように、タンネットダイオードにより所望の周波数を発生させる小型光源を実現でき、また周波数を選ぶことで、コンクリートにおける透過能と画像空間分解能を選ぶことができる。
【実施例2】
【0010】
図4は、発振素子を用いた反射強度測定用プローブの構造に関する説明図である。発振素子10より発生した所定周波数の電磁波は素子に付随したホーンアンテナを通して自由空間に放射され、発振素子10の出口付近に設置されたレンズ11によって長焦点集光あるいは平行ビーム化され、ビームスプリッタ12を透過させて、外部に放出される。外部より反射により戻ってきた電磁波はビームスプリッタ12により反射され、レンズ11による集光の後、検出器13でその強度を検出する。発振素子10、レンズ11、ビームスプリッタ12、および検出器13は支持躯体14に固定され一体化される。一体化したプローブ構造を15とした。
【0011】
前記プローブを複数個用いた反射イメージングシステムを図5に示した。異なる周波数のダイオード発振素子を有する複数のプローブ15および16を用い、これらを同一の駆動機構17でxおよびy方向の走査を行い、焦点深度方向は駆動機構18で調整を行う。プローブ15および16の焦点深度はそれぞれ個別に設置された駆動機構18で独立に制御される。プローブ15および16から放出される電磁波は、被測定物19の内部および表面付近において微小なビーム径で照射される。ビーム径は発振素子15および16の導波管の内径程度まで微小化でき、ほぼ波長サイズである。被測定物20中の21は内部構造欠陥、22は異物を模式的に表したものであり、鉄筋やボルトなどの構造上必要な物体などもこれに該当する。また23はひび割れを表しており、表面のひび割れ(実線)が内部のひび割れ(点線)につながっている状態を模式的に表している。被測定物20の各部分における反射電磁波強度は、プローブ15および16内に戻され、それぞれの周波数における反射強度は、プローブに内蔵する検出器で検出される。被測定物20の反射イメージングでは、反射信号強度と駆動装置からの位置情報を、信号処理部19で処理し、画像化される。
【0012】
前期プローブ15および16に内蔵される発振素子の周波数に関し、高周波数として共振器の導波管サイズ規格をWR−05、WR−04、およびWR−03とすることにより140−325GHzの範囲の発振周波数を選ぶことができ、この電磁波は建造物表面付近の内部構造を高分解能で観察する際に有効であった。一方、前期複数の発振素子のうち、低周波数として、振器の導波管サイズ規格をWR−28、WR−19、WR−12、およびWR−08とすることにより、20−140GHzの範囲の電磁波はコンクリート壁の内部まで到達できることから、建造物内部観察に有効であった。これら複数の周波数の電磁波を組み合わせることにより、従来にない高い精度で建造物の表面付近および内部構造の、剥離や、ひび割れ、異物混入状況、鉄筋の施工状況、さらには中空層の有無を画像化・診断することが可能になる。
【0013】
プローブ15および16で用いる発振素子の周波数が同一の場合は、一つのプローブを用いた場合に比べ、同一走査で2倍の画素数が得られるという特徴があり、さらにプローブの個数を増やすことによって、さらなる画素数の増加、あるいは同一画素数による高速スキャンが可能となる。
【0014】
この方法は、被測定物20として航空便小包や手荷物を適用すれば、従来のX線検査に変わる反射イメージ手法として、金属の探知だけでなく、反射率の異なる物質のイメージングが可能であることから爆発物や特定の物質の検地も可能であり、危機管理に関する幅広い応用が可能となる。
【実施例3】
【0015】
図6はプローブ15および16を用い、円筒状のコンクリート建造物の反射イメージングに適用した例である。プローブ15および16は一体となって法線方向(r)駆動機構24、回転方向(θ)駆動機構25、および長さ方向(Z)駆動機構26によってr−θ−Zスキャンされ、各部の反射画像を得る。法線方向(r)駆動機構24はプローブ15および16についてそれぞれ設置されており、焦点深度方向をそれぞれ独立に制御できる。被測定物は正確な円筒形である必要はなく、円柱や四角柱、あるいはパイプ上のコンクリート建造物などに対しても、物体を囲む外部から反射画像を取得することが可能である。
【0016】
図7は円筒状建造物の内部から反射イメージングを行うことを目的とした実施例である。プローブ15および16は法線方向(r)駆動機構28、回転方向(θ)駆動機構29、および長さ方向(Z)駆動機構30によってr−θ−Zスキャンされ、壁面からの反射イメージングが行われる。法線方向(r)駆動機構28はプローブ15および16についてそれぞれ設置されており、焦点深度方向をそれぞれ独立に制御できる。被測定物は正確な円筒形である必要はなく、たとえばトンネル内のコンクリート壁面における内部ひび割れ状況や、パイプ上構造物の壁面における内部構造欠陥や異物混入などを、物体の内部より反射画像を取得することが可能である。
【実施例4】
【0017】
実施例2にしめしたダイオード発振素子では主に、ガンダイオード、インパットダイオード、およびタンネットダイオードが用いられているが、本願発明はテラヘルツ発生光源として他の素子を用いることが可能である。例えば、量子カスケードレーザ、p型ゲルマニウムレーザ、共鳴トンネルダイオード等の素子や、バックワードオシレータ等の電子管、高周波トランジスタを用いた発振器、自由電子レーザ、テラヘルツ時間領域分光によるテラヘルツ発生法などを用いることができる。またテラヘルツパラメトリック発振器、GaP等の半導体結晶を用いたテラヘルツ差周波発生器も有効に用いることができ、特にGaPテラヘルツ波発生法を用いた場合は0.15〜7THzという他に類を見ない広範囲において波長可変で高出力のテラヘルツ電磁波の発生が実現されいるので、(例えば、T.Tanabe,K.Suto,J.Nishizawa,T.Kimura,K.Saito,Journal of Applied Physics 93,4610(2003))テラヘルツ電磁波の任意の周波数を選択できる特徴を持っている。
【0018】
GaPテラヘルツ波発生法では、第1のポンプ光に波長1.064μmのYAGレーザを用い、第2のポンプ光源すなわち波長可変光源としてインジェクションシーディング装置を具備したオプティカルパラメトリックオシレータ(OPO)を用いる。このようなOPOはYAGレーザの第3高調波すなわち波長355nm光で励起されることにより波長縮退を避けることができ、さらにインジェクションシーディングの効果によりOPOの線幅を狭くすることができる。このため、差周波として発生するテラヘルツ電磁波の線幅も同様に狭くなる。また第2の方法として、ポンプ光としてCr:FORSTERITE(Cr添加カンラン石)レーザを用いることもできる。このレーザはCrの準位を用いているためにインジェクションシーディングなしのOPOに比べて線幅が極めて狭い。Cr:FORSTERITEレーザは波長1.064μmのYAGレーザを用い励起されるが、前述のOPOのように第3高調波を用いないので効率が高い。Cr:FORSTERITEレーザの波長可変範囲は、1.15μmから1.35μmまでの範囲であり、二つのCr:FORSTERITEレーザをポンプ光源として用い、一方を固定波長で、他方を波長可変ポンプ光源として用い、インジェクションシーディングなしで差周波発生させることができる。
【実施例5】
【0019】
図8に示したのは、1つの発振源と複数の受信器を組み合わせた建築物の検査方法および検査システムの説明図である。発振素子10より発生した所定周波数の電磁波は素子に付随したホーンアンテナを通して自由空間に放射され、発振素子10の出口付近に設置されたレンズ11によって長焦点集光あるいは平行ビーム化され、外部に放出され、被測定物20に照射される。被測定物20より反射により戻ってきた電磁波は、レンズ11による集光の後、複数個の検出器13でその位相および強度を検出する。発振素子10、レンズ11、および検出器13は支持躯体14に固定され一体化され、走査される。本システムを用いることで、反射または透過してくる電磁波の位相ずれから、反射または透過を生じさせる欠陥や異物の位置を正確に検出することができる。また受信電磁波の振幅から、被測定物中に存在する欠陥や異物による電磁波の減衰量を得ることができるので、支持躯体14を走査することによって、被測定物中に存在する欠陥や異物を3次元的に画像化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上により、本願のイメージング装置および方法を適用すると、肉眼による表面からの観察では見えないコンクリート建造物の内部構造を投影した反射画像を得ることができるので、建造物壁面内部の異物混入や構造欠陥の識別が可能となり、またトンネル内壁などの非平面形状を持つ建造物壁面に対しても、内部構造を観察できるので、安全検査や定期検査の新たな手段として有効である。また、建造物以外でも、梱包物の非開封による内部検査が可能なことから航空便小包や手荷物の検査などにも適用可能であり、危機管理に関しても重要な手法となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 ダイオード発振素子の共振器構造の概略図である。
【図2】 タンネットダイオードの素子構造概略図である。
【図3】 ダイオード発振素子を用いた50、70、および220GHz電磁波の板状コンクリートの厚みに対する透過特性である。
【図4】 発振素子とレンズ、ビームスプリッタ、および検出器を一体化した反射強度測定用プローブの構造である。
【図5】 発振素子を内蔵した反射測定用プローブを複数個用いたイメージングシステムおよびイメージング方法を示す説明図である。
【図6】 円筒状建造物外部より、反射イメージングに適用した例を示す説明図である。
【図7】 中空の円筒状建造物内部より、反射イメージングに適用した例を示す説明図である。
【図8】 1つの発振源と複数の受信器を組み合わせた建築物の検査方法および検査システムの説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1…共振器基本構造
2…ステム
3…スライディングショート
4…バイアスピン
5…方形導波路
6…ホーンアンテナ
7…石英スタンドオフ
8…ダイオード素子
9…金リボン
81…nGaAs基板結晶
82…GaAsn
83…GaAsn
84…GaAsp
10…発振素子
11…レンズ
12…ビームスプリッタ
13…検出器
14…支持躯体
15…プローブA
16…プローブB
17…x−y方向駆動機構
18…z方向駆動機構
19…信号処理部
20…被測定物
21…内部構造欠陥
22…異物
23…ひび割れ
24、28…法線方向(r)駆動機構
25、29…回転方向(θ)駆動機構
26、30…長手方向(Z)駆動機構
27…円筒状建造物
31…中空の円筒状建造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ発生装置によって構成される10GHz−10THzの範囲の電磁波発生源を用い、少なくとも前記電磁波の発生手段、集光手段、および検出手段によって構成される検査システムであって、前期発生手段、集光手段、および検出手段を一体化したプローブ構造とし、前記プローブを同時に走査することにより、建造物からの電磁波の反射または透過を測定し、建造物のひび割れ、構造欠陥、鉄筋の施工状況、および異物混入等を識別することを可能にした、建造物の検査方法および検査システム。
【請求項2】
前記検査システムにおいて、少なくとも2つのプローブ構造を具備し、前記プローブがそれぞれ異なる発振周波数のテラヘルツ発生装置によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の建造物の検査方法および検査システム。
【請求項3】
前記検査システムにおいて、1つの電磁波発生手段に対して、少なくとも2つの検出手段を具備し、反射または透過する電磁波の位相ずれから、反射または透過してくる時点を、またその振幅から減衰量求め、場所と減衰量を3次元的に図式化し、内部欠陥分布図を抽出することを特徴とする請求項1に記載の建造物の検査方法および検査システム。
【請求項4】
前記テラヘルツ発生装置が、ガンダイオード、インパットダイオード、タンネットダイオード、量子カスケードレーザ、p型ゲルマニウムレーザ、共鳴トンネルダイオード等の素子、バックワードオシレータ等の電子管、高周波トランジスタを用いた発振器、自由電子レーザ、テラヘルツ時間領域分光によるテラヘルツ発生法、およびテラヘルツパラメトリック発振器、GaP等の半導体結晶を用いたテラヘルツ差周波発生器のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の建造物の検査方法および検査システム。
【請求項5】
前記少なくとも2つのプローブ構造に含まれる電磁波発生源が、少なくとも20−140GHz、および140−325GHzの範囲の少なくとも2つの周波数成分を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の建造物の検査方法および検査システム。
【請求項6】
前記プローブ構造が、観察したい平面に平行なx−y平面の走査手段と、x−y平面の法線方向の走査手段を含み、建造物の3次元画像を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の建造物の検査方法および検査システム。
【請求項7】
前記試料が、非平面を含む中空パイプ状あるいは柱状であり、前記プローブが中空内部より物体表面に対し、法線方向(r)、回転方向(θ)、および長さ方向(Z)に走査されることを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の建造物の検査方法および検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−132915(P2007−132915A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355382(P2005−355382)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000173902)財団法人半導体研究振興会 (14)
【Fターム(参考)】