説明

強力かつ選択的なヒストン脱アセチル化酵素阻害剤としての6−アミノニコチンアミド誘導体

【解決手段】 本発明はヒストン脱アセチル化酵素を阻害できる6−アミノニコチンアミド誘導体にかかるものである。したがって、本発明の化合物は、異常ヒストン脱アセチル化酵素に関連する疾患の治療において有用である。これらの化合物からなる医薬組成物、これらの化合物からなる医薬組成物を利用する疾患治療方法及びこれらの化合物の調製方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害できる、特定の6−アミノニコチンアミド誘導体に関するものである。したがって、本発明の化合物は、異常なヒストン脱アセチル化酵素の活動に伴う疾患の治療に有用である。これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を含む医薬組成物を利用する疾患の治療法、及び、これらの化合物を準備する方法もまた開示されている。
【背景技術】
【0002】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)タンパク質は、ゲノムDNAの転写因子への可触性を変化させることで、生体内での遺伝子発現を調節する上で重要な役割を果たしている。具体的には、HDACタンパク質は、ヒストンのアセチル−リジン残基を除去し、これにより、ヌクレオソームの再構築をもたらすことができる(Grustein,M,1997,Nature,389:349−352)。遺伝子発現において統御する役割のために、HDACタンパク質はさまざまな細胞における事象に関連付けられており、その事象には、細胞周期調節、細胞増殖、分化、遺伝子発現のリプログラミング、及び癌発生が含まれる(Ruijter,A−J−M,2003,Biochem.J.,370:737−749;Grignani,F.,1998,Nature,391:815−818;Lin,R−J,1998,391:811−814;Marks,P−A.,2001,Nature Reviews Cancer,1:194)。ヒストン脱アセチル化酵素(HDACs)の誤統御から生じる異常な脱アセチル化は、ルービンシュタイン−テイビ症候群、脆弱X症候群、白血病、及び種々の癌のような臨床的疾患につながっている(Langley B et al.,2005,Current Drug Targets−CNS&Neurological Disorders,4:41−50)。実際、HDAC阻害剤は、肺、胃、乳房、及び前立腺を含む様々な人間の組織及び動物実験において、腫瘍の増殖を抑制することが示されている(Dokmanovic,M.,2005,J.Cell Biochem.,96:293−304)。
【0003】
異常ヒストン脱アセチル化酵素活性はまた、脳卒中、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、及びアルツハイマー病を含む様々な神経学及び神経変性疾患につながっている。HDAC阻害剤は、生存を促進するp21及びHSP−70のような抗アポトーシス細胞分裂遺伝子の発現を誘導する可能性がある。HDAC阻害剤は、ニューロン損傷や疾患のような炎症及び二次被害を減らすために、反応性アストロサイトやミクログリアのような中枢神経系内の他の神経細胞の種類に作用する。HDAC阻害剤は、中枢神経系疾患の領域の治療のための有望な治療アプローチである(Langley B et al.,2005,Current Drug Targets−CNS&Neurological Disorders,4:41−50)。
【0004】
哺乳類のHDACは、配列相同性に応じて3つのクラスに分けることができる。クラスIは酵母Rpd3様タンパク質(HDAC1,2,3,8及び11)から構成される。クラスIIは酵母HDA1様タンパク質(HDAC4,5,6,7,9及び10)から構成される。クラスIIIは、酵母SIR2様タンパク質(SIRT1,2,3,4,5,6,7)から構成される。
【0005】
HDAC1の活性は、細胞の増殖、癌の特徴に関連付けられている。特に、siRNAを利用したHDAC1発現にノックダウンされた哺乳類の細胞は増殖をした(Glaser,K‐B,2003,Biochem.Biophys.Res.Comm.,310:529−536)。HDAC1の遺伝子欠損のマウスが胎生致死であったのに対し、得られた幹細胞は、異常細胞の増殖を示した(Lagger,G,2002,EMBO J,21:2672−2681)。HDAC1を過剰発現するマウスの細胞がG2期及びM期の延長及び増殖率の減少を示した(Bartl.S.1997,Mol.Cell Biol.,17:5033−5043)。したがって、報告されたデータは細胞周期調節及び細胞増殖に関係する。
【0006】
HDAC2は、多くの胎児の心臓のアイソフォームの発現を調節する。HDAC2の欠乏またはヒストン脱アセチル化酵素の化学的阻害は、胎児の遺伝子の再発現を抑制し、及び、肥大刺激に曝される心臓において、心肥大を抑えた。肥大への抵抗は、胸腺腫ウイルス性プロトオンコジン(Akt)及びタンパク質キナーゼ−1(Pdk1)依存の3−ホスホイノシチドの不活性を経てグリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(Gsk3β)の恒常的活性化をもたらすイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼf(Inpp5f)をエンコーディングする遺伝子の増殖発現と関連付けられている。対照的に、HDAC2遺伝子導入マウスは、Gsk3β不活性に関連付けられた肥大が拡張されていた。GSk3β活性の化学的阻害は、肥大刺激に敏感なHDAC2欠損の生体となることを可能にした。これらの結果は、HDAC2が心臓においてHDAC素材剤の重要な分子標的であること、及び、HDAC2及びGsk3βが心肥大及び心不全の治療のための魅力的な治療標的を提供する調節経路の組成物であることを示している(Trivedi,C−M.,2007,Nat.Med,.13:324−331)。
【0007】
HDAC3は、腸内の増殖陰窩細胞に最も多く発現する。結腸癌細胞のHDAC3発現のサイレンシングは、増殖阻害、生存細胞の減少、アポトーシスの増加の結果を裏打ちする。同様の結果は、HDAC2及び、より少ない程度ではHDAC1でも観察される。HDAC3遺伝子サイレンシングもまたアルカリホスファターゼ、結腸細胞成熟のマーカーを選択的に誘導する。細胞増殖に及ぼす影響と並行して、HDAC3のサイレンシングはp21プロモーター活性及び発現を刺激するのに対し、HDAC3の過剰発現は、Sp1/Sp3依存の方法で基底及び酪酸誘導p21の転写を阻害した。これらの発見は、HDAC3をヒト結腸癌の緩和遺伝子として、及び、結腸細胞の成熟及びp21発現の新規調節因子として識別される(Wilson,A−J.,2006,J.Biol.Chem.,281:13548−13558)。
【0008】
HDAC6は、アルファ−チューブリンからアセチル基を取り除き、及び、細胞運動を増加させる前記HDAC族のサブタイプである。定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応及び九つの口腔扁平上皮癌(OSCC)由来細胞株及び正常な口腔角化細胞(NOKs)へのウエスタンブロット法を使用すると、HDAC6mRNA及びタンパク質発現は、前記NOKsと比較して、全細胞株において一般的に発現上昇した。免疫蛍光分析はOSCC細胞株の細胞質内にHDAC6タンパク質を検出した。OSCC細胞株と同様に、HDAC6発現上昇の高周波は、ヒトOSCC腫瘍初期レベルで、mRNA(74%)及びタンパク質(51%)の両方において明らかにした。臨床変数の分析の中で、前記臨床腫瘍ステージは、HDAC6発現ステージと関連付けられていることが明らかとなった。前記分析は、初期ステージ(ステージI及びII)及び進行ステージ(ステージIII及びIV)の腫瘍(P値=0.014)間でのHDAC6発現レベルにおいて、有意な差を示した。これらの結果は、HDAC6発現が、腫瘍の攻撃性と関連付けられることがあり、及び、新しい治療法の計画への手掛かりを与えることを示している(Sakuma,T.,2006,Int.J.Oncol.,29:117−124)。
【0009】
HDACによる機能性染色体のエピジェネティックなサイレンシングは、最終分化、成熟及び増殖制御での表現型の損失、及び組織の機能の損失につながるHDACの活動により、機能的に重要な遺伝子が抑制され、または書き換えられる、病理学的プロセスで生じる主要なメカニズムの一つである。例えば、腫瘍抑制遺伝子は、癌の発生中及び、増殖停止及び分化につながるこれらの腫瘍抑制遺伝子の発現を抑制解除しうるHDACの化学的阻害の間しばしば発現停止されている(Glaros S et al.,2007,Oncogene June 4 Epub 印刷先;Mai,A,et al.,2007,Int J.Biochem Cell Bio.,April 4,Epub 印刷先;Vincent A.et al.,2007,Oncogene,April 30,Epub 印刷先;我々の未発表結果)。フリードライヒ運動失調症におけるFXN及び脊髄性筋萎縮症におけるSMNのような構造遺伝子の再発現は、組織内のFXN及びSMN遺伝子機能の再発現及び再開につながるHDAC阻害による逆行になりうる(Herman D et al.,2006,Nature Chemical Biology,2(10):551−8;Avila AM et al.,2007,J Clinic Investigation,117(3)659−71;de Bore J,2006,Tissue Eng.12(10):2927−37);HDAC阻害剤による染色体6p21−22におけるHDAC"ホットスポット"のリプログラミングを介してのMHC II族全体の遺伝子発現の誘導は、免疫認識及び免疫応答のエピジェネティック調節をさらに延ばす(Gialitakis M et al.,2007,Nucleic Acids Res.,34(1);765−72)。
【0010】
HDAC阻害剤のいくつかの種類には(1)例えば酪酸塩及びフェニル酪酸のような短鎖脂肪酸;(2)例えばヒドロキサミン酸サブエロイルアニリド(SAHA)及びトリコスタチンA(TSA)のような有機ヒドロキサム酸;(3)例えばトラポキシン及びHC−トキシンのような、2−アミノ−8−オキソ9,10−エポキシデカノイル(AOE)の部分を含む環状テトラペプチド;(4)例えばアピシジン及びFK228のような、前記AOE部分を含まない環状テトラペプチド;及び(5)例えばMS−275のようなベンズアミド(EP0847992A1,US2002/0103192A1,WO02/26696A1,WO01/70675A2,WO01/18171A2)を含む。HDACは、エピジェニック生物学と関連して非常に有望な創薬ターゲットを表す;例えば、
正常細胞ではなく悪性細胞、癌細胞における上皮の分化、抗炎症及び免疫調節、及び細胞周期停止においての優先的アポトーシス誘導の観点から、そのことがいえる。
【0011】
HDAC阻害剤の使用は、既存の化学療法の選択肢よりも"新療法"としてみなすことができる。Merck社によるSAHAの成功は、現在、皮膚T細胞リンパ腫の治療に限られている。SAHA治療が主要な固形腫瘍に対して、または他の適応症に対して有効であることを示す報告は存在しない。したがって、強力なHDAC阻害活性及び抗癌作用、別のHDACサブタイプのより選択的な阻害、及び低毒性などの特性を持つ新しい化合物を発見する必要が未だにある;神経性及び神経変性疾患、心血管疾患、代謝性疾患、及び
炎症及び免疫疾患などの潜在的な新規適応症を治療するために使用できる新規のHDAC阻害剤を識別する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、選択的ヒストン脱アセチル化酵素の阻害活性を示し、及び、したがって、ルービンシュタイン−テイビ症候群、脆弱X症候群、白血病、心肥大、代謝性疾患、癌及び様々な神経性及び神経変性疾患のような異常ヒストン脱アセチル化酵素活性に関連する疾患の治療に有用である、6−アミノニコチンアミド誘導体に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な出版物が本出願全体に引用されている。これら出版物の内容及びこれら出版物に引用された文献の内容はここで参照されたい。
【0014】
したがって、本発明は式(I)で示される構造を有する化合物、または、その立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、または薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、R、R、R及びRは独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルであり、
はピリジルであり、1又はそれ以上のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルと選択的に置換され、またはR
【0017】
【化2】

【0018】
であり、Xは、結合、−CHCH−、−CH=CH−、酸素または硫黄であり、
Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、1またはそれ以上のハロゲン、ニトロ、アルキルまたはアルコキシと選択的に置換され、nは2〜6の整数である。
【0019】
前記式(I)及び本明細書全体において、以下の用語は指定された意味を持つ。
【0020】
用語"ハロ"は、ここでは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素として用いる。
【0021】
用語"アルキル"は、ここでは。メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及び同類のものを含むものとして用いる。
【0022】
用語"アルコキシ"は、ここでは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ及び同類のものを含むものとして用いる。
【0023】
式(I)の化合物の一実施形態では、R、R、R及びRは、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルであり、Rはピリジルであり、1又はそれ以上のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルと選択的に置換され、nは2〜4の整数である。
【0024】
式(I)の化合物の他の実施形態では、R、R、R及びRは独立して、水素またはフッ素である;Rはピリジルである;及びnは2から4の整数である。
【0025】
式(I)の化合物の他の実施形態では、R、R、R及びRは独立して、水素、ハロゲン、ハロ、アルキル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルであり、R
【0026】
【化3】

【0027】
であり、前記Xは結合、−CHCH−、−CH=CH−、酸素または硫黄であり、Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、1又はそれ以上のハロゲン、ニトロ、アルキルまたはアルコキシと選択的に置換され、nは2〜4の整数である。
【0028】
式(I)の化合物の他の実施形態では、R、R、R及びRは独立して、水素またはフッ素であり;R
【0029】
【化4】

【0030】
であり、前記Xは結合であり、Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、nは2〜4の整数である。
【0031】
本発明の化合物は以下のように作成される。
【0032】
(a)6−クロロニコチン酸は化合物1と縮合され、化合物2を提供する。
【0033】
【化5】

【0034】
(b)化合物2は化合物3と縮合され、化合物4を提供する。
【0035】
【化6】

【0036】
(c)化合物4は化合物5と縮合され、化合物6を提供する。
【0037】
【化7】

【0038】
縮合反応(a)及び(c)は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N′−カルボニルジイミダゾールなどのようなペプチド縮合剤を用いることにより行われる。前記反応は、0から80℃で4から72時間かけて行われることがある。使用される溶媒は、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロフォルム、N,N−ジメチルフォルムアミドなどのような通常の溶媒である。必要であれば、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン及びピリジンのような塩基を前記反応系に添加することもある。
【0039】
縮合反応(b)は、40から120℃で1から24時間かけて行われる。使用される溶媒は、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロフォルム、N,N−ジメチルフォルムアミドなどのような通常の溶媒である。必要であれば、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン及びピリジンのような塩基を反応系に添加することもある。
【0040】
式(I)で示される前記化合物及び前記中間体(2)及び(4)は、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどのような従来の分離法により、精製または分離されることがある。
【0041】
式(I)で示される前記化合物は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができ、及び、したがって、ルービンシュタイン−テイビ症候群、脆弱X症候群、白血病、心肥大、代謝性疾患、癌及び、様々な神経性及び神経変性疾患などのような異常ヒストン脱アセチル化酵素の活動に関連する疾患の治療に有効である。したがって、本発明はまた、ヒト及びその他の哺乳類を含む哺乳類の異常脱アセチル化酵素に関連する治療方法、式(I)の化合物または薬学的に許容される塩を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与する方法を提供する。
【0042】
式(I)で示される前記化合物は医薬品として一般的な医薬組成物の形態で使用することができる。前記医薬組成物とは、錠剤、カプセル、シロップ、溶液、懸濁液、エアロゾルなどのようなものであり、香料、甘味料などが含まれることがある。適当な固体または液体担体または希釈剤、または適当な滅菌メディアが、注射液または懸濁液を形成する。このような組成物は通常、活性化合物の0.5から70重量パーセント、好ましくは1から20重量パーセントを含み、前記組成物の残りは薬学的に許容できる担体、希釈剤または溶剤または塩溶液となる。
【0043】
式(I)で示される前記化合物は、ヒト及び動物を含む哺乳類に、口、鼻、皮膚、肺を介して、または非経口経路で臨床的に投与される。経口投与がより便利であり、注射の痛み及び刺激を避けられるため、経口投与による管理が好ましい。どちらのルートによっても、投与量は、一日当たり一回または複数回に分けて、体重1kgあたり約0.0001から200mgの間である。しかしながら、個々の患者に最適な投与量は、治療にあたって責任ある人間によって決定され、一般的に、投与の初期において低用量で投与され、その後、最も適切な投与量となるように投与量を増加させる。
【0044】
本発明の代表的な化合物は、下記の表1に示されている。化合物の番号は実施例のセクションの"実施例番号"に対応している。表1に示された化合物3の合成は、"実施例3"と表され、及び、表1に示された化合物51の合成は、"実施例51"と表される。表1に示される化合物は、あくまで典型的なものであり、及び、いかなる方法においても、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0045】
【表1】

【0046】

【0047】

【0048】

【0049】

【0050】

【0051】

【0052】
さらに、特記のない限り、実施例の全ての部分及び割合は、明細書の残りの部分と同様に、重量によるものである。一連の性質、測定単位、条件、物理状態または割合といった、明細書または本発明の様々な側面を記述または主張する以下の段落に列挙されている数字のどの範囲も、参照またはその他の方法により、記載された範囲内のいかなる数字の部分集合またはいかなる包括範囲も含む範囲内のいかなる数字も明示的に組み込むことを目的としている。変数を修飾するものとして、または変数とともに使われる"約"という用語は、そこに開示される数字及び範囲は柔軟性をもつものであること、及び、用いる温度、濃度、分量、含量、炭素数、及び性質が記載された範囲から外れている、または単一の値と異なっていても、本発明の実施が、当業者によって可能であることを示すことを目的としている。
【実施例1】
【0053】
N−(2−アミノフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0054】
【化8】

【0055】
6−クロロニコチン酸(158mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびo−フェニレンジアミン(216mg,2mmol)を加えた。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(138mg,収率56%)。LC−MS(m/z)248(M+1)。
【実施例2】
【0056】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0057】
【化9】

【0058】
N−(2−アミノフェニル)−6−クロロニコチンアミド(248mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(150mg,収率55%)。LC−MS(m/z)272(M+1)。
【実施例3】
【0059】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)アセトアミド)−エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0060】
【化10】

【0061】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(280mg,59%)。H NMR(DMSO−d)δ3.48(m,4H,CHCH),4.86(s,2H,benzen−NH),6.55(m,2H),6.75(d,J=7.6Hz,1H),6.94(t,J=7.6Hz,1H),7.09(s,1H),7.12(d,J=7.6Hz,1H),7.28〜7.34(m,3H),7.42(t,J=7.2Hz,2H),7.76(d,J=7.6Hz,1H),7.82(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.68(m,2H),8.74(d,J=7.6Hz,1H),9.39(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)476(M+1)。
【実施例4】
【0062】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0063】
【化11】

【0064】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(256mg,68%)。H NMR(DMSO−d)δ3.48(m,4H,CHCH),4.86(s,2H,benzen−NH),6.52(d,J=8.8Hz,2H),6.57(m,1H),6.75(dd,J=1.2&8.0Hz,1H),6.94(t,J=8.0Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,1H),7.20(s,1H),7.50(m,1H),7.91(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.65(s,1H),8.69(m,1H),8.83(m,1H),9.01(s,1H),9.39(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)377(M+1)。
【実施例5】
【0065】
N−(2−アミノフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0066】
【化12】

【0067】
N−(2−アミノフェニル)−6−クロロニコチンアミド(248mg,1mmol)と6mlの1,3−プロパンジアミンウェルヘアテドとを80℃で3時間加熱した。余剰の1,3−プロパンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(168mg,収率59%)。LC−MS(m/z)286(M+1)。
【実施例6】
【0068】
N−(2−アミノフェニル)−6−(3−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)アセトアミド)−プロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0069】
【化13】

【0070】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミド(299mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(269mg,55%)。H NMR(DMSO−d)δ1.82(m,2H,CH),3.38(m,4H,2×CH),4.86(s,2H,benzen−NH),6.51〜6.57(m,2H),6.76(d,J=7.6Hz,1H),6.94(t,J=7.6Hz,1H),7.10(s,1H),7.10〜7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.20(s,1H),7.29〜7.39(m,2H),7.41(t,J=7.2Hz,2H),7.78(d,J=7.6Hz,1H),7.83(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.60(s,1H),8.69(s,1H),8.70(d,J=7.6Hz,1H),9.36(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)490(M+1)。
【実施例7】
【0071】
N−(2−アミノフェニル)−6−(3−(ニコチンアミド)プロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0072】
【化14】

【0073】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミド(299mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(281mg,72%)。H NMR(DMSO−d)δ1.81(m,2H,CH),3.38(m,4H,2×CH),4.85(s,2H,benzen−NH),6.50(d,J=8.0Hz,2H),6.57(m,1H),6.75(d,J=8.0Hz,1H),6.93(t,J=8.0Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,1H),7.19(t,J=4.0Hz,1H),7.50(m,1H),7.91(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.63(s,1H),8.68〜8.72(m,2H),9.00(s,1H),9.36(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)391(M+1)。
【実施例8】
【0074】
N−(2−アミノフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0075】
【化15】

【0076】
N−(2−アミノフェニル)−6−クロロニコチンアミド(248mg,1mmol)と7mlの1,4−ブタンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰の1,4−ブタンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(158mg,収率53%)。LC−MS(m/z)300(M+1)。
【実施例9】
【0077】
N−(2−アミノフェニル)−6−(4−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)アセトアミド)−ブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0078】
【化16】

【0079】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミド(314mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(307mg,61%)。H NMR(DMSO−d)δ1.61(m,4H,CHCH),3.29(m,4H,2×CH),4.85(s,2H,benzen−NH),6.49(d,J=8.8Hz,1H),6.57(t,J=8.8Hz,1H),6.76(d,J=7.6Hz,1H),6.93(t,J=7.6Hz,1H),7.09(s,1H),7.09〜7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.18(m,1H),7.28〜7.35(m,3H),7.42(t,J=7.2Hz,2H),7.76(d,J=7.2Hz,1H),7.82(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.57(s,1H),8.63(s,1H),8.69(d,J=7.6Hz,1H),9.35(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)504(M+1)。
【実施例10】
【0080】
N−(2−アミノフェニル)−6−(4−(ニコチンアミド)ブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0081】
【化17】

【0082】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミド(314mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(307mg,76%)。H NMR(DMSO−d)δ1.60(m,4H,CHCH),3.30(m,2H,CH),3.36(m,2H,CH),4.85(s,2H,benzen−NH),6.48(d,J=8.8Hz,2H),6.57(m,1H),6.75(d,J=8.0Hz,1H),6.93(t,J=8.0Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,1H),7.17(t,J=4.0Hz,1H),7.48(m,1H),7.91(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.63(s,1H),8.68(m,2H),8.99(s,1H),9.36(s,1H,benzen−NH).LC−MS(m/z)405(M+1)。
【実施例11】
【0083】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0084】
【化18】

【0085】
6−クロロニコチン酸(157.5mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、および4−フルオロ−o−フェニレンジアミン(151mg,1.2mmol)を加えた。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(193mg,収率73%)。LC−MS(m/z)266(M+1)。
【実施例12】
【0086】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド
【0087】
【化19】

【0088】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−クロロニコチンアミド(266mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(176mg,収率61%)。LC−MS(m/z)290(M+1)。
【実施例13】
【0089】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0090】
【化20】

【0091】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(303mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(261mg,53%)。H NMR(DMSO−d)δ3.48(m,4H,CHCH),5.19(s,2H,benzene−NH2),6.34(m,1H),6.53(m,2H),7.06(m,2H),7.28〜7.38(m,3H),7.42(t,J=7.2Hz,2H),7.76(d,J=7.6Hz,1H),7.82(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.67(m,2H),8.74(d,J=7.6Hz,1H),9.32(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)494(M+1)。
【実施例14】
【0092】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0093】
【化21】

【0094】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(303mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(236mg,60%)。H NMR(DMSO−d)δ3.46〜3.52(m,4H,CHCH),5.18(s,2H,benzene−NH2),6.33(m,1H),6.50〜6.53(m,2H),7.06(m,1H),7.30(s,1H),7.49(dd,J=4.8&8.0Hz,1H),7.91(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.64(s,1H),8.69(dd,J=1.2&4.8Hz,1H),8.81(m,1H),9.00(s,1H),9.31(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)395(M+1)。
【実施例15】
【0095】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0096】
【化22】

【0097】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−クロロニコチンアミド(266mg,1mmol)と6mlの1,3−プロパンジアミンウェルヘアテドとを80℃で3時間加熱した。余剰の1,3−プロパンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(158mg,収率52%)。LC−MS(m/z)304(M+1)。
【実施例16】
【0098】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(3−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)プロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0099】
【化23】

【0100】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミド(318mg,1.05mmol)を加えた。その混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(248mg,49%)。H NMR(DMSO−d)δ1.81(m,2H,CH),3.38(m,4H,2×CH),5.18(s,2H,benzene−NH2),6.33(m,1H),6.51(m,2H),7.06〜7.10(m,2H),7.20(s,1H),7.29〜7.36(m,2H),7.42(t,J=7.2Hz,2H),7.77(d,J=7.6Hz,1H),7.82(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.60(s,1H),8.64(s,1H),8.69(d,J=7.6Hz,1H),9.29(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)508(M+1)。
【実施例17】
【0101】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(3−(ニコチンアミド)プロピルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0102】
【化24】

【0103】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(3−アミノプロピルアミノ)ニコチンアミド(318mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(314mg,77%)。H NMR(DMSO−d)δ1.81(m,2H,CH),3.38(m,4H,2×CH),5.18(s,2H,benzene−NH2),6.33(m,1H),6.52(m,2H),7.06(m,1H),7.18(s,1H),7.49(dd,J=4.8&8.0Hz,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),8.17(d,J=8.0Hz,1H),8.63(s,1H),8.69(m,2H),9.00(s,1H),9.29(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)409(M+1)。
【実施例18】
【0104】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0105】
【化25】

【0106】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−クロロニコチンアミド(266mg,1mmol)と7mlの1,4−ブタンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰の1,4−ブタンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(149mg,収率47%)。LC−MS(m/z)318(M+1)。
【実施例19】
【0107】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(4−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)ブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0108】
【化26】

【0109】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミド(333mg,1.05mmol)を加えた。その混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(344mg,66%)。H NMR(DMSO−d)δ1.60(m,4H,CHCH),3.29(m,4H,2×CH),5.18(s,2H,benzene−NH2),6.33(m,1H),6.49(m,2H),7.06〜7.08(m,2H),7.18(m,1H),7.28〜7.35(m,3H),7.41(t,J=7.2Hz,2H),7.76(d,J=7.6Hz,1H),7.82(m,2H),7.93(d,J=7.6Hz,1H),8.56(s,1H),8.63(s,1H),8.69(d,J=7.6Hz,1H),9.27(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)522(M+1)。
【実施例20】
【0110】
N−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(4−(ニコチンアミド)ブチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0111】
【化27】

【0112】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−6−(4−アミノブチルアミノ)ニコチンアミド(333mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(291mg,69%)。H NMR(DMSO−d)δ1.59(m,4H,CHCH),3.33(m,4H,2×CH),5.17(s,2H,benzene−NH2),6.33(m,1H),6.50(m,2H),7.06(m,1H),7.15(s,1H),7.49(m,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),8.16(d,J=8.0Hz,1H),8.61(s,1H),8.67(m,2H),9.89(s,1H),9.27(s,1H,benzene−NH).LC−MS(m/z)423(M+1)。
【実施例21】
【0113】
N−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0114】
【化28】

【0115】
6−クロロニコチン酸(157.5mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、および4−クロロ−o−フェニレンジアミン(171mg,1.2mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(135mg,収率48%)。LC−MS(m/z)282(M+1)。
【実施例22】
【0116】
N−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0117】
【化29】

【0118】
N−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−クロロニコチンアミド(282mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(180mg,収率59%)。LC−MS(m/z)306(M+1)。
【実施例23】
【0119】
N−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0120】
【化30】

【0121】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(321mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(326mg,64%)。LC−MS(m/z)510(M+1)。
【実施例24】
【0122】
N−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0123】
【化31】

【0124】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(321mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(258mg,63%)。LC−MS(m/z)411(M+1)。
【実施例25】
【0125】
N−(2−アミン−4−メチルオフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0126】
【化32】

【0127】
6−クロロニコチン酸(157.5mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、および4−メチル−o−フェニレンジアミン(146mg,1.2mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(164mg,収率63%)。LC−MS(m/z)262(M+1)。
【実施例26】
【0128】
N−(2−アミノ−4−メチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0129】
【化33】

【0130】
N−(2−アミノ−4−メチル−フェニル)−6−クロロニコチンアミド(261mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(145mg,収率51%)。LC−MS(m/z)286(M+1)。
【実施例27】
【0131】
N−(2−アミノ−4−メチルフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0132】
【化34】

【0133】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−メチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(299mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(279mg,57%)。LC−MS(m/z)490(M+1)。
【実施例28】
【0134】
N−(2−アミノ−4−メチルフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0135】
【化35】

【0136】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−メチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(299mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(281mg,72%)。LC−MS(m/z)391(M+1)。
【実施例29】
【0137】
N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0138】
【化36】

【0139】
6−クロロニコチン酸(157.5mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、および4−メトキシ−o−フェニレンジアミン(166mg,1.2mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(144mg,収率52%)。LC−MS(m/z)278(M+1)。
【実施例30】
【0140】
N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0141】
【化37】

【0142】
N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−クロロニコチンアミド(277mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(144mg,収率48%)。LC−MS(m/z)302(M+1)。
【実施例31】
【0143】
N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0144】
【化38】

【0145】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(316mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(278mg,55%)。LC−MS(m/z)506(M+1)。
【実施例32】
【0146】
N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0147】
【化39】

【0148】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(316mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(244mg,60%)。LC−MS(m/z)407(M+1)。
【実施例33】
【0149】
N−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−クロロニコチンアミドの生成
【0150】
【化40】

【0151】
6−クロロニコチン酸(157.5mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、および4−トリフルオロメチル−o−フェニレンジアミン(211mg,1.2mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を、室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去した。得られた残渣に5mlの無水エタノールを加えた。固体を真空濾過により収集し、無水エタノールで洗浄し、真空下で乾燥し、標題化合物を褐色の固体として得た(418mg,収率42%)。LC−MS(m/z)316(M+1)。
【実施例34】
【0152】
N−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0153】
【化41】

【0154】
N−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−クロロニコチンアミド(316mg,1mmol)と5mlのエチレンジアミンとを80℃で3時間加熱した。余剰のエチレンジアミンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(159mg,収率47%)。LC−MS(m/z)340(M+1)。
【実施例35】
【0155】
N−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0156】
【化42】

【0157】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(356mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(255mg,47%)。LC−MS(m/z)544(M+1)。
【実施例36】
【0158】
N−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−(ニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0159】
【化43】

【0160】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノ−4−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(356mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(275mg,62%)。LC−MS(m/z)445(M+1)。
【実施例37】
【0161】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(2,7−ジクロロ−9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0162】
【化44】

【0163】
2−(2,7−ジクロロ−9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(291mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(358mg,66%)。LC−MS(m/z)544(M+1)。
【実施例38】
【0164】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(2,7−ジニトロ−9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0165】
【化45】

【0166】
2−(2,7−ジニトロ−9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(312mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を黄色の固体として得た(379mg,67%)。LC−MS(m/z)566(M+1)。
【実施例39】
【0167】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(2,7−ジメトキシ−9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0168】
【化46】

【0169】
2−(2,7−ジメトキシ−9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(282mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(289mg,54%)。LC−MS(m/z)536(M+1)。
【実施例40】
【0170】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(4,5−ジメチル−9H−フルオレン−9−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0171】
【化47】

【0172】
2−(4,5−ジメチル−9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(250mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(302mg,60%)。LC−MS(m/z)504(M+1)。
【実施例41】
【0173】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(5H−ジベンゾシクロヘプテン−5−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0174】
【化48】

【0175】
2−(5H−ジベンゾシクロヘプテン−5−イリデン)酢酸(248mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(255mg,51%)。LC−MS(m/z)502(M+1)。
【実施例42】
【0176】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾシクロヘプテン−5−イリデン)−アセトアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0177】
【化49】

【0178】
2−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾシクロヘプテン−5−イリデン)酢酸(250mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol),ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol),トリエチルアミン(404mg,4mmol)とN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)−ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(211mg,42%)。LC−MS(m/z)504(M+1)。
【実施例43】
【0179】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(9H−キサンテン−9−イリデン)アセトアミド)−エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0180】
【化50】

【0181】
2−(9H−キサンテン−9−イリデン)酢酸(238mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(240mg,49%)。LC−MS(m/z)492(M+1)。
【実施例44】
【0182】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−(9H−チオキサンテン−9−イリデン)アセトアミド)−エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0183】
【化51】

【0184】
2−(9H−チオキサンテン−9−イリデン)酢酸(254mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(289mg,57%)。LC−MS(m/z)508(M+1)。
【実施例45】
【0185】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(6−クロロニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0186】
【化52】

【0187】
6−クロロニコチン酸(158mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(296mg,72%)。LC−MS(m/z)411(M+1)。
【実施例46】
【0188】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(6−メチルニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0189】
【化53】

【0190】
6−メチルニコチン酸(137mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(288mg,74%)。LC−MS(m/z)391(M+1)。
【実施例47】
【0191】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(2−メトキシニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0192】
【化54】

【0193】
2−メトキシニコチン酸(153mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(207mg,51%)。LC−MS(m/z)407(M+1)。
【実施例48】
【0194】
N−(2−アミノフェニル)−6−(2−(6−トリフルオロメチルニコチンアミド)エチルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0195】
【化55】

【0196】
6−(トリフルオロメチル)ニコチン酸(162mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(2−アミノエチルアミノ)ニコチンアミド(284mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(204mg,46%)。LC−MS(m/z)445(M+1)。
【実施例49】
【0197】
N−(2−アミノフェニル)−6−(6−アミノヘキシルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0198】
【化56】

【0199】
N−(2−アミノフェニル)−6−クロロニコチンアミド(248mg,1mmol)と1,6−ジアミノヘキサン(5.80g,50mmol)とを80℃で3時間加熱した。余剰の1,6−ジアミノヘキサンは真空下で除去した。得られた残渣に5mlの0.20M水酸化ナトリウムを加えた。この混合物を100mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(219mg,収率67%)LC−MS(m/z)328(M+1)。
【実施例50】
【0200】
N−(2−アミノフェニル)−6−(6−(2−(9H−フルオレン−9−イリデン)アセトアミド)−ヘキシルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0201】
【化57】

【0202】
2−(9H−フルオレン−9−イリデン)酢酸(222mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(6−アミノヘキシルアミノ)ニコチンアミド(343mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈した。固体を真空濾過により収集し、水により洗浄し、標題化合物を灰白色の固体として得た(324mg,61%)。LC−MS(m/z)532(M+1)。
【実施例51】
【0203】
N−(2−アミノフェニル)−6−(6−(ニコチンアミド)ヘキシルアミノ)ニコチンアミドの生成
【0204】
【化58】

【0205】
ニコチン酸(123mg,1mmol)と8mlのDMFとを室温で撹拌しながら、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(384mg,2mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(162mg,1.2mmol)、トリエチルアミン(404mg,4mmol)、およびN−(2−アミノフェニル)−6−(6−アミノヘキシルアミノ)ニコチンアミド(343mg,1.05mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この混合物を400mlのブリンで希釈し、200mlの酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチルを真空下で除去し、標題化合物を褐色の固体として得た(311mg,72%)。LC−MS(m/z)433(M+1)。
【実施例52】
【0206】
構造式(I)の化合物類による、インビトロの総HDAC酵素活性の抑制とインビボのHDACサブタイプ活性の抑制
【0207】
【表2】

【0208】

【0209】
CS055:キドアミドはChipscreen Biosciencesの、腫瘍の適応症において良い有効性と副作用の性能を持った現在臨床開発中のHDACiである。
【0210】
インビトロの総HDAC酵素活性の抑制の測定:
インビトロの総HDAC酵素活性の抑制はHDACフルオロメトリックアッセイ/ドラッグディスカバリーキット(BIOMOL)を用い、製品説明書に従って決定した。
1.アッセイ用緩衝液、希釈したトリコスタチンA、または希釈した試験するインヒビターを、微量滴定プレートの適切な穴に加えた。下記の表は幾つかの各種アッセイの例およびそれぞれの試験に必要な追加物を示している。
【0211】
【表3】

【0212】
2.希釈したHeLa抽出物または他のHDACサンプルを"酵素無しコントロール"(ブランク)を除いた全ての穴に加えた。
3.希釈したFluor de Lys(商標)基質と微量滴定プレート中のサンプルとをアッセイ温度(25℃)になる様に平衡させた。
4.希釈した基質(25μl)をそれぞれの穴に加えて完全に混合することで、HDAC反応を開始させた。
5.HDAC反応を目的の時間進行させ、Fluor de Lys(商標)Developer(50μl)を加えることで停止させた。プレートを室温(25℃)で10〜15分間反応させた。
6.350〜380nmの範囲の波長で励起可能で440〜460nmの範囲の放出光を検出可能な蛍光光度計の値を読み、微量滴定プレートのサンプルを測定した。
【0213】
インビボのHDACサブタイプ活性の抑制の測定:
試験した化合物のHDACサブタイプの選択的抑制のアッセイは幾つかのレポーター遺伝子アッセイの実験により実施された。簡潔に説明すると、HeLa細胞を導入の前日に96穴プレートに撒き、50〜80%の密度にした。ルシフェラーゼコンストラクトの上流にプロモーターの配列または応答エレメントを含むレポーター遺伝子プラスミドの一つを、FuGene6トランスフェクション試薬(Roche)を用いて製品説明書に従って、細胞に導入した。そのプロモーターまたは応答エレメントは、例としてp21−プロモーター、gdf11−プロモーター、MEF−結合エレメント(MEF2)、Nur77プロモーターを含み、ルシフェラーゼ遺伝子のレポーターコンストラクトの上流に融合された。導入効率を標準化するため、GFP発現プラスミドを同時に導入した。細胞は24時間タンパク質を発現させ、その後個々の化合物または溶媒(DMSO)を加えた。24時間後、細胞を採集し、ルシフェラーゼアッセイおよびGFPアッセイを、対応するアッセイキット(Promega)を用いて製品説明書に従って行った。
【実施例53】
【0214】
構造式(I)の化合物類による、インビボの細胞増殖抑制
【0215】
【表4】

【0216】

【0217】
備考:キドアミドはクラスIHDAC酵素に選好性のある癌に対する現在臨床開発中のHDACインヒビターである。スーテントとソラフェニブは市販されている2つのRTKであり、多くの異なる受容体チロシンキナーゼまたはSer/Thrキナーゼに対して広い活性を持つSer/Thrキナーゼインヒビターである。
【0218】
インビボの細胞増殖抑制の測定
腫瘍細胞をトリプシン処理して96穴プレートに穴毎に3,000細胞を塗布し、10%FBS入り完全培地で24時間培養した。化合物を0.1%のDMSO中に100μmol/Lから100nmol/Lを最終濃度となるように加え、完全培地で72時間培養した。増殖の効果は、MTS試薬(Promega)をその説明書に従って加え、COインキュベーターの中で37℃で2時間培養し、ELISAプレートリーダーを用いて490nmの吸光率を記録することで測定した。
【0219】
ヒト細胞株を以下に示す。
HL−69:急性前骨髄性白血病
Hut−78:皮膚T細胞性リンパ腫
Raji:バーキットリンパ腫
Jurkat:T細胞白血病
U937:組織球性リンパ腫
Ramos:バーキットリンパ腫
A549:非小細胞肺癌
HeLa:子宮頸部腺癌
Bel−7402:肝細胞癌
MCF−7:乳腺癌
MDA−MB−231:乳腺癌
HCT−8:回盲腺癌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの単離された化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、または薬学的に許容される塩であって、
【化59】

式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルであり、
は、1またはそれ以上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、またはトリフルオロメチルと選択的に置換されるピリジルであり、またはRは、
【化60】

であり、Xは、結合、−CHCH−、−CH=CH−、酸素または硫黄であり、
Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、1またはそれ以上のハロゲン、ニトロ、アルキルまたはアルコキシと選択的に置換され、
nは2〜6までの整数である、式Iの単離された化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、または薬学的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1記載の化合物において、
、R、R及びRは、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルであり、
はピリジルであり、1又はそれ以上のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルと選択的に置換され、
nは2〜4までの整数である。
【請求項3】
請求項1記載の化合物において、
、R、R及びRは、独立して、水素またはフッ素であり、
はピリジルであり、
nは2〜4までの整数である。
【請求項4】
請求項1記載の化合物において、
、R、R及びRは、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルであり、

【化61】

であり、Xは結合、−CHCH−、−CH=CH−、酸素または硫黄であり、
Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、1又はそれ以上のハロゲン、ニトロ、アルキルまたはアルコキシと選択的に置換され、
nは2〜4までの整数である。
【請求項5】
請求項1記載の化合物において、
、R、R及びRは、独立して、水素またはフッ素であり、
は、
【化62】

であり、Xは結合であり、
Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、
nは2〜4の整数である。
【請求項6】
式Iの化合物、その立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、または薬学的に許容される塩を調整する方法であって、
【化63】

式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルであり、
はピリジルであり、1又はそれ以上のハロゲン、アルキル、アルコキシまたはトリフルオロメチルと選択的に置換され、またはRは、
【化64】

であり、Xは結合、−CHCH−、−CH=CH−、酸素または硫黄であり、
Xを含む環に結合した環A及び環Bは、互いに独立して、ベンゼン環を示し、1又はそれ以上のハロゲン、ニトロ、アルキルまたはアルコキシと選択的に置換され、
nは2〜6までの整数であり、
(a)化合物2を提供するための、6−クロロニコチン酸と化合物1とを縮合する工程と、
【化65】

(b)化合物4を提供するための、化合物2と化合物3とを縮合する工程と、
【化66】

(c)化合物6を提供するための、化合物4と化合物5とを縮合する工程と
【化67】

を有するものである、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、工程(a)及び工程(c)の前記縮合反応は、ペプチド縮合剤を使用して行われるものである。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記ペプチド縮合剤は、1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、またはN,N’−カルボニルジイミダゾールである。
【請求項9】
異常ヒストン脱アセチル化酵素活性に関連する疾患の治療薬及び/または改善薬として有用な医薬組成物であって、請求項1記載の化合物の有効量と少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤とからなる医薬組成物。
【請求項10】
請求項9記載の医薬組成物において、前記異常ヒストン脱アセチル化酵素に関連する疾患は、基本的に、ルービンシュタイン−テイビ症候群、脆弱X症候群、白血病、心肥大、代謝性疾患、癌、及び様々な神経性及び神経変性疾患からなる群から選択されるものである。
【請求項11】
請求項10記載の医薬組成物において、前記様々な神経性及び神経変性疾患は、基本的に、脳卒中、双極性障害、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症及びアルツハイマー疾患からなる群から選択されるものである。
【請求項12】
請求項9記載の医薬組成物の剤形単位であって、前記化合物を約0.0001〜約200mgの範囲の量で含むものである、剤形単位。
【請求項13】
経口、経鼻、経皮、経肺、または非経口経路による投与のための、請求項9記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2011−520891(P2011−520891A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509573(P2011−509573)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043302
【国際公開番号】WO2009/140164
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510303431)チップスクリーン バイオサイエンシーズ エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】