説明

弾性表面波装置及び通信装置

【課題】 挿入損失劣化を低減し、小型化を実現した弾性表面波装置及びそれを用いた通信装置を提供すること。
【解決手段】 第1,第2の弾性表面波共振子18,19は、中心共通バスバー電極29の両側に、中心共通バスバー電極29により接続されて形成され、中心共通バスバー電極29に不平衡入(出)力端子22が接続されており、弾性表面波素子20,21と第1,第2の弾性表面波共振子18,19とは、隣接して伝搬方向に直交する方向に並んで配置され、互いのバスバー電極が絶縁体32,33を介して重なって配置されており、弾性表面波素子20,21の各中央のIDT電極のバスバー電極が平衡入(出)力端子23,24に接続され、弾性表面波素子20,21の各中央のIDT電極以外のもののバスバー電極が弾性表面波共振子18,19のIDT電極のバスバー電極に、絶縁体32,33を介して並列接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタや弾性表面波共振器などの弾性表面波装置及びこれを備えた通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話や自動車電話等の移動体通信機器のRF(無線周波数)段に用いられる周波数選択フィルタとして、弾性表面波フィルタが広く用いられている。一般に、周波数選択フィルタに求められる特性としては、広通過帯域、低損失、高減衰量等の諸特性が挙げられる。近年、特に移動体通信機器における受信感度の向上、低消費電力化のために、さらに弾性表面波フィルタに対する低損失化の要求が高まっている。また、近年、移動体通信機器において、小型化のためアンテナが、従来のホイップアンテナから誘電体セラミックス等を用いた内蔵アンテナに移行してきている。そのため、アンテナのゲインを充分に得ることが難しくなり、弾性表面波フィルタに対してさらに挿入損失を改善させる要求が増大している。
【0003】
また、IDT電極(Inter Digital Transducer)の電極指ピッチは、高周波になるほど小さくなり、IDT電極の膜厚は薄くなる。例えば、1.9GHz帯弾性表面波フィルタのIDT電極の膜厚は、900MHz帯弾性表面波フィルタの約半分の膜厚で設計されることとなり、弾性表面波フィルタ間を接続する引き出し電極等の伝送線路におけるオーミック損失が高周波になるほど大きくなる。そのため、さらに挿入損失が劣化する傾向がある。
【0004】
このような挿入損失の劣化を抑制するために、種々の提案がされている。例えば、圧電基板上に3つのIDT電極を設けた縦1次モードと縦3次モードを利用した2重モード共振器型弾性表面波フィルタについて、次のような挿入損失を改善する手段が提案されている。
【0005】
図6に従来の共振器型弾性表面波フィルタの電極構造において、上からみた平面図を示す。圧電基板202上に配設された複数の電極指を有するIDT電極204は、互いに対向させ噛み合わせた一対の櫛歯状電極からなり、この一対の櫛歯状電極に電界を印加し弾性表面波を生じさせるものである。IDT電極204の一方の櫛歯状電極に接続された入力端子215から電気信号を入力することにより、励振された弾性表面波がIDT電極204の両側に配置されたIDT電極203,205に伝搬する。また、IDT電極203,205のそれぞれを構成する一方の櫛歯状電極からIDT電極206,209を通じて出力端子216,217へ電気信号が出力される。なお、図中210,211,212,213はそれぞれ反射器電極である。このように、弾性表面波共振器の電極パターンを2段縦続接続させることにより、1段目と2段目の定在波の相互干渉により、通過帯域外減衰量を高減衰化し、フィルタ特性の通過帯域外減衰量を向上させることができる。
【0006】
即ち、同様の特性をもつ弾性表面波フィルタを2段縦続接続の構成とすることで、1段目で減衰された信号が2段目でさらに減衰され、通過帯域外減衰量を約2倍に向上させることができる。
【0007】
ここで、IDT電極204に接続された入力端子215に電気信号を入力することにより、弾性表面波を励振させ、この弾性表面波がIDT電極204の両側に位置するIDT電極203,205に伝搬され、IDT電極207,208に接続された出力端子216,217から電気信号が出力される。また、IDT電極203〜205の両端に位置する反射器電極210,211及びIDT電極206〜209の両端に位置する反射器電極212,213により弾性表面波が反射され、反射器電極210,211間及び反射器電極212,213間で定在波となる。
【0008】
この定在波のモードには、3つのIDT電極203〜205により1次モードとその高次(3次)モードが含まれる。これらのモードで発生する共振により通過特性が得られるため、これらのモードで発生する共振周波数のピーク位置を制御することにより通過帯域内の挿入損失を改善することができる。従来、隣り合うIDT電極の端部に電極指の狭ピッチ部を設けることにより、IDT電極間におけるバルク波の放射損を低減して、共振モードの状態を制御することにより挿入損失の改善が図られていた(例えば、特許文献1,2を参照。)。
【0009】
また、図7に従来の縦結合共振器型弾性表面波フィルタの電極構造の平面図を示す。低損失化を実現する他の手段として、3つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタで構成されており、1つの共振器型弾性表面波フィルタ313に2つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタ314,315を並列接続させている。縦結合共振器型弾性表面波フィルタ313は、弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された3つのIDT電極331〜333と、それらの両側に配置された反射器電極340,341とからなり、IDT電極332が入力端子322に接続されている。また、同様に、2つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタ314,315は、弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された3つのIDT電極334〜336,337〜339と、それらの両側に配置された反射器電極342,343,344,345とからなり、IDT電極335,338が出力端子323,324に接続されている。これにより、図6に示した2段縦続接続したタイプの縦結合共振器型弾性表面波フィルタと比べて、IDT電極の電極指の交差幅を小さくし、さらに、並列接続することにより、縦結合共振器型弾性表面波フィルタにおける抵抗損失を小さくすることができ、低損失な縦結合共振器型弾性表面波フィルタを実現することができる(例えば、特許文献3を参照。)。
【特許文献1】特開2002−9587号公報
【特許文献2】特表2002−528987号公報
【特許文献3】特開2001−308672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1,2に開示されている弾性表面波装置では、IDT電極間における弾性表面波がバルク波へモード変換されることによる挿入損失の劣化を抑制することは可能であるが、2つ弾性表面波素子を2段縦続接続させた場合、図7に示した2つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタを並列接続した弾性表面波装置と比較して、IDT電極の電極指の交差幅が大きくなり、さらに縦続接続させることによって、弾性表面波装置の抵抗損失が大きくなり、縦結合共振器型弾性表面波フィルタの低損失化が十分に実現できない。
【0011】
また、特許文献3に開示されているような弾性表面波装置では、1つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタに対して2つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタを並列接続させていることにより、前段に縦結合共振器型弾性表面波フィルタまたは弾性表面波共振子を用いた場合、各IDT電極の電極指の交差幅をさらに小さくすることが困難になる。さらに、2つの縦結合共振器型弾性表面波フィルタを並列接続させているので、弾性表面波装置の配置上、スペースを大きく取ることとなり、弾性表面波装置の小型化には不利な配置となっていた。
【0012】
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、挿入損失の劣化を生じず、優れたフィルタ特性を有し、高品質な弾性表面波フィルタとしても機能でき、小型化することができる弾性表面波装置及びそれを用いた通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の弾性表面波装置は、圧電基板上に、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えたIDT電極と、前記伝搬方向に沿って前記IDT電極の両側に配置された反射器電極とを備えた第1及び第2の弾性表面波共振子と、前記伝搬方向に沿って、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた3個以上の奇数個のIDT電極と、前記奇数個のIDT電極の両側にそれぞれ配置され、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた反射器電極とからなる第1及び第2の弾性表面波素子とが形成された弾性表面波装置であって、前記第1及び第2の弾性表面波共振子は、前記伝搬方向に延びるように形成された中心共通バスバー電極の両側に、前記中心共通バスバー電極によって互いに接続されて形成されているとともに、前記中心共通バスバー電極に不平衡入力端子または不平衡出力端子が接続されており、前記第1及び第2の弾性表面波素子と前記第1及び第2の弾性表面波共振子とは、互いに隣接して前記伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体を介して重なって配置されており、前記第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極のバスバー電極が平衡入力端子または平衡出力端子に接続され、前記第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央の前記IDT電極以外のもののバスバー電極が前記第1及び第2の弾性表面波共振子の前記IDT電極のバスバー電極に、絶縁体を介して並列接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の弾性表面波装置は、上記構成において好ましくは、前記第1及び第2の弾性表面波共振子は、前記中心共通バスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、前記IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、前記引き出し電極が前記不平衡入力端子または前記不平衡出力端子に接続されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の弾性表面波装置は、上記各構成において好ましくは、前記第1及び第2の弾性表面波素子は、第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、前記IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、前記引き出し電極が前記平衡入力端子または前記平衡出力端子に接続されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の通信装置は、上記いずれかの本発明の弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の弾性表面波装置によれば、圧電基板上に、その圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えたIDT電極と、伝搬方向に沿ってIDT電極の両側に配置された反射器電極とを備えた第1及び第2の弾性表面波共振子と、伝搬方向に沿って、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた3個以上の奇数個のIDT電極と、奇数個のIDT電極の両側にそれぞれ配置され、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた反射器電極とからなる第1及び第2の弾性表面波素子とが形成された弾性表面波装置であって、第1及び第2の弾性表面波共振子は、伝搬方向に延びるように形成された中心共通バスバー電極の両側に、中心共通バスバー電極によって互いに接続されて形成されているとともに、中心共通バスバー電極に不平衡入力端子または不平衡出力端子が接続されており、第1及び第2の弾性表面波素子と第1及び第2の弾性表面波共振子とは、互いに隣接して伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体を介して重なって配置されており、第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極のバスバー電極が平衡入力端子または平衡出力端子に接続され、第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極以外のもののバスバー電極が第1及び第2の弾性表面波共振子のIDT電極のバスバー電極に、絶縁体を介して並列接続されていることにより、以下のような作用効果を奏する。
【0018】
第1及び第2の弾性表面波素子と第1及び第2の弾性表面波共振子とは、互いに隣接して伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体を介して重なって配置されており、第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極のバスバー電極が平衡入力端子または平衡出力端子に接続され、第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極以外のもののバスバー電極が第1及び第2の弾性表面波共振子のIDT電極のバスバー電極に、絶縁体を介して並列接続されているため、接続する引き出し電極の長さを十分に短くすることができ、従来の弾性表面波装置と比べて抵抗損失を小さくすることができるので、弾性表面波装置の挿入損失を向上させることができる。
【0019】
また、中心共通バスバー電極によって、第1及び第2の弾性表面波共振子が接続されて、IDT電極及び反射器電極が共通化して形成されていることにより、第1及び第2の弾性表面波共振子間のスペースを無くすことにより、弾性表面波装置全体の装置面積を小さくすることができ、極めて小型な弾性表面波装置を実現することができる。さらに、弾性表面波共振子のIDT電極の交差幅を従来の弾性表面波共振子の約半分まで狭くすることができため、従来の弾性表面波装置と比べて抵抗損失を小さくすることができ、弾性表面波装置の挿入損失を向上させることができる。
【0020】
同様に、第1及び第2の弾性表面波素子のIDT電極の交差幅を、従来の弾性表面波素子の約半分まで狭くすることができるため、従来の弾性表面波素子と比べて抵抗損失を小さくすることができ、弾性表面波装置の挿入損失を向上させることができる。さらに、弾性表面波装置を小型化できるので、圧電基板ウェハ1枚当たりの弾性表面波装置の取り数を多くすることができ、弾性表面波装置の部材コストを大幅に削減することができる。また、2つの弾性表面波素子とバスバー電極同士を共通化した弾性表面波共振子とを、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に並べて配置することにより、弾性表面波共振子を中心に2つの弾性表面波素子を分離して配置させ、中心共通バスバー電極に対して略対称な配置を実現することができるので、2つの弾性表面波素子間のアイソレーションを改善させることができ、弾性表面波装置の平衡度を向上させることができる。
【0021】
本発明の弾性表面波装置によれば、上記構成において好ましくは、第1及び第2の弾性表面波共振子は、中心共通バスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、引き出し電極が不平衡入力端子または不平衡出力端子に接続されていることから、中心共通バスバー電極上の絶縁体及びその上に形成された引き出し電極が形成されているため、中心共通バスバー電極等のバスバー電極上の構造物のトータル厚みが厚くなり、バスバー電極上において、金属膜と絶縁体による質量効果が、従来のバスバー電極構造と比較して大きくはたらくこととなる。そのため、バスバー電極部における弾性表面波の音速が遅くなっている。その結果、弾性表面波の励振に寄与しないIDT電極のバスバー電極近傍における音速を、弾性表面波の励振に寄与する電極指交差部領域の音速より遅くすることができ、弾性表面波のエネルギーを閉じ込めることが可能となり、挿入損失を低減し、通過帯域におけるフィルタ特性の急峻性を向上させた弾性表面波装置を提供することができる。
【0022】
また、中心共通バスバー電極上に引き出し電極を配置したことにより、装置面積において引き出し電極が占める面積を極力低減することができ、弾性表面波装置を極端に小型化することが可能である。
【0023】
本発明の弾性表面波装置によれば、上記各構成において好ましくは、第1及び第2の弾性表面波素子は、第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、引き出し電極が平衡入力端子または平衡出力端子に接続されていることから、第1及び第2の弾性表面波素子において、第1及び第2の弾性表面波素子と第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部におけるバスバー電極上と、第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上との両方に、絶縁体及びその上に形成された引き出し電極が形成されているため、バスバー電極上の構造物のトータル厚みが厚くなり、中心共通バスバー電極等のバスバー電極上において、金属膜と絶縁体による質量効果が、従来のバスバー電極構造と比較して大きくはたらくこととなる。そのため、バスバー電極部における弾性表面波の音速が遅くなっている。その結果、弾性表面波の励振に寄与しないIDT電極の共通電極近傍における音速を、弾性表面波の励振に寄与する電極指交差部領域の音速より遅くすることができ、弾性表面波のエネルギーを閉じ込めることが可能となり、挿入損失を低減し、通過帯域におけるフィルタ特性の急峻性を向上させた弾性表面波装置を提供することができる。
【0024】
また、第1及び第2の弾性表面波素子において、第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に引き出し電極を配置したことにより、装置面積において引き出し電極が占める面積を極力低減することができ、弾性表面波装置を極端に小型化することが可能である。
【0025】
本発明の通信装置は、上記いずれかの本発明の弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたことにより、従来より要求されていた厳しい挿入損失を満たすことができるものが得られ、感度が格段に良好な通信装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照にしつつ詳細に説明する。また、本発明の弾性表面波装置について、共振器型の弾性表面波フィルタを例にとり説明する。なお、以下に説明する図面において同一構成には同一符号を付すものとする。また、各電極の大きさや電極間の距離等、電極指の本数や間隔等については、説明のために模式的に図示したものである。
【0027】
図1(a)に本発明の弾性表面波装置について実施の形態の一例の平面図を示す。また、図1(b)に、図1(a)のA−A線における断面図(図1(a)の下側からみた断面図)を示す。さらに、図2に、図1(a)の本発明の弾性表面波装置における弾性表面波共振子部のみを表した平面図を示す。
【0028】
図1及び図2に示すように、圧電基板1上に、この圧電基板1上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えたIDT電極2,3と、伝搬方向に沿ってIDT電極2,3の両側に配置された反射器電極10,11及び12,13とを備えた第1及び第2の弾性表面波共振子18,19と、伝搬方向に沿って、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた3個以上の奇数個のIDT電極4〜6,7〜9と、奇数個のIDT電極4〜6,7〜9の両側にそれぞれ配置され、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた反射器電極14,15,16,17とからなる第1及び第2の弾性表面波素子20,21とが形成された弾性表面波装置であって、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19は、伝搬方向に延びるように形成された中心共通バスバー電極29の両側に、中心共通バスバー電極29によって互いに接続されて形成されているとともに、中心共通バスバー電極29に不平衡入力端子22または不平衡出力端子22が接続されており、第1及び第2の弾性表面波素子20,21と第1及び第2の弾性表面波共振子18,19とは、互いに隣接して伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体32,33を介して重なって配置されており、第1及び第2の弾性表面波素子20,21のそれぞれの中央のIDT電極5,8のバスバー電極が平衡入力端子23,24または平衡出力端子23,24に接続され、第1及び第2の弾性表面波素子20,21のそれぞれの中央のIDT電極5,8以外のもののバスバー電極が第1及び第2の弾性表面波共振子18,19のIDT電極2,3のバスバー電極に、絶縁体32,33を介して並列接続されている。
【0029】
これにより、第1及び第2の弾性表面波素子20,21と第1及び第2の弾性表面波共振子18,19とは、互いに隣接して伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体32,33を介して重なって配置されており、第1及び第2の弾性表面波素子20,21のそれぞれの中央のIDT電極以外のもののバスバー電極が第1及び第2の弾性表面波共振子18,19のIDT電極のバスバー電極に、絶縁体32,33を介して並列接続されているため、接続する引き出し電極の長さを十分に短くすることができ、従来の弾性表面波素子と比べて抵抗損失を小さくすることができるので、弾性表面波素子20,21の挿入損失を向上させることができる。
【0030】
また、中心共通バスバー電極29によって、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19が接続されて、IDT電極2,3及び反射器電極10〜13が共通化して形成されていることにより、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19間のスペースを無くすことができ、弾性表面波装置全体の装置面積を小さくすることができ、極めて小型な弾性表面波装置を実現することができる。さらに、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19のIDT電極2,3の交差幅を従来の弾性表面波共振子の約半分まで狭くすることができるため、従来の弾性表面波装置と比べて抵抗損失を小さくすることができ、弾性表面波装置の挿入損失を向上させることができる。
【0031】
同様に、第1及び第2の弾性表面波素子20,21のIDT電極4〜9の交差幅を、従来の弾性表面波素子の約半分まで狭くすることができるため、従来の弾性表面波素子と比べて抵抗損失を小さくすることができ、弾性表面波装置の挿入損失を向上させることができる。さらに、弾性表面波装置を小型化できるので、圧電基板1ウェハ1枚当たりの弾性表面波装置の取り数を多くすることができ、弾性表面波装置の部材コストを大幅に削減することができる。また、2つの弾性表面波素子20,21とバスバー電極同士を共通化した弾性表面波共振子18,19とを、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に並べて配置することにより、弾性表面波共振子18,19を中心に2つの弾性表面波素子20,21を分離して配置させ、中心共通バスバー電極29に対して略対称な配置を実現することができるので、2つの弾性表面波素子20,21間のアイソレーションを改善することができ、弾性表面波装置の平衡度を向上させることができる。
【0032】
また、図3に本発明の弾性表面波装置について、好適な実施の形態の他例の平面図を示す。第1及び第2の弾性表面波共振子18,19は、中心共通バスバー電極29上に、それに沿って絶縁体30を介して形成されるとともに、IDT電極2,3に接続された引き出し電極31が設けられており、引き出し電極31が不平衡入力端子22または不平衡出力端子22に接続されている。
【0033】
これにより、中心共通バスバー電極29上の絶縁体30及びその上に形成された引き出し電極31が形成されているため、中心共通バスバー電極29等のバスバー電極上の構造物のトータル厚みが厚くなり、バスバー電極上において、金属膜と絶縁体による質量効果が、従来のバスバー電極構造と比較して大きくはたらくこととなる。そのため、バスバー電極部における弾性表面波の音速が遅くなっている。その結果、弾性表面波の励振に寄与しないIDT電極のバスバー電極近傍における音速を、弾性表面波の励振に寄与する電極指交差部領域の音速より遅くすることができ、弾性表面波のエネルギーを閉じ込めることが可能となり、挿入損失を低減し、通過帯域におけるフィルタ特性の急峻性を向上させた弾性表面波装置を提供することができる。
【0034】
また、図4(a)に本発明の弾性表面波装置について、好適な実施の形態の他例の平面図を示す。また、図4(b)に、図4(a)のB−B線における断面図(図4(a)の下側からみた断面図)を示す。また、図5に、図4(a)の本発明の弾性表面波装置の弾性表面波素子部のみを表した平面図を示す。図4及び図5に示すように、第1及び第2の弾性表面波素子20,21は、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に、それに沿って絶縁体32,33を介して形成されるとともに、IDT電極2,3に接続された引き出し電極34,35が設けられており、引き出し電極34,35が平衡入力端子23,24または平衡出力端子23,24に接続されている。
【0035】
これにより、第1及び第2の弾性表面波素子20,21において、第1及び第2の弾性表面波素子20,21と第1及び第2の弾性表面波共振子18,19との隣接部におけるバスバー電極40〜45上と、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極38〜40,46〜48上の両方に、絶縁体32,33,36,37及びその上に形成された引き出し電極31,34,35が形成されているため、バスバー電極上の構造物のトータル厚みが厚くなり、中心共通バスバー電極29等のバスバー電極上において、金属膜と絶縁体による質量効果が、従来のバスバー電極構造と比較して大きくはたらくこととなる。そのため、バスバー電極部における弾性表面波の音速が遅くなっている。その結果、弾性表面波の励振に寄与しないIDT電極のバスバー電極近傍における音速を、弾性表面波の励振に寄与する電極指交差部領域の音速より遅くすることができ、弾性表面波のエネルギーを閉じ込めることが可能となり、挿入損失を低減し、通過帯域におけるフィルタ特性の急峻性を向上させた弾性表面波装置を提供することができる。
【0036】
また、第1及び第2の弾性表面波素子20,21において、第1及び第2の弾性表面波共振子18,19との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に引き出し電極31を配置したことにより、装置面積において引き出し電極31が占める面積を極力低減することができ、弾性表面波装置を極端に小型化することが可能である。
【0037】
本発明の絶縁体30,32,33,36,37としては、酸化シリコン,ポリイミド系樹脂,アクリル系レジスト等を用いることがよい。これにより、弾性表面波素子20,21と弾性表面波共振子18,19との間の絶縁性を良好に保つことができる。
【0038】
絶縁体30,32,33,36,37の厚みは1.0μm〜10.0μm程度がよく、1.0μm未満では、配線間の絶縁性を確保することが難しくなり、10.0μmを超えると、配線の断線の発生を抑制することが難しくなって弾性表面波装置の信頼性が低下し易くなる。
【0039】
また、絶縁体30,32,33,36,37は、ビルドアップ法等の方法で形成される。絶縁体30,32,33,36,37を形成する際に、複数の絶縁層を積層させた構成としてもよい。
【0040】
また、絶縁体30,32,33,36,37中にアルミナセラミックス等からなる絶縁体粒子や銀等からなる金属粒子を混入させることによって、あるいは絶縁体30,32,33,36,37を多数の気泡が形成された多孔質体とすることによって、絶縁体30,32,33,36,37の誘電率を所望のものに調整することができる。
【0041】
なお、IDT電極2〜9,反射器電極10〜17の電極指の本数は数本〜数100本にも及ぶので、簡単のため、図面においてはそれら形状を簡略化して図示している。
【0042】
次に、本発明の弾性表面波装置の製造方法について説明する。まず、圧電基板1上に導体層を形成し、この導体層を一対の平行なバスバー電極と各バスバー電極から互いに噛み合うように延びた複数の電極指とにパターニングしてIDT電極2〜9を形成し、IDT電極2〜9上を絶縁体(保護膜)で被覆し、引き出し電極及びパッド電極部となる導体層をリフトオフ工程またはフォトリソグラフィにより形成する。
【0043】
圧電基板1は、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の大きな圧電性を有する材料で形成されている。これにより、圧電基板1は、電気機械結合係数を大きくすることができ、かつ群遅延時間温度係数を小さくすることができる。
【0044】
また、これらの圧電性を有する材料において、酸素欠陥やFe等の固溶を行うこととすれば、圧電基板1に生じる焦電効果を著しく低減することができる。これにより、圧電基板1の主面上のIDT電極2〜9を形成する電極指の破壊を防止することができ、弾性表面波装置の信頼性を良好に保つことができる。
【0045】
圧電基板1の厚みは、好ましくは、0.1〜0.5mm程度である。このため、この厚みが0.1mm未満で薄く形成されたときのように、圧電基板1が脆くなることもなく、逆に、この厚みが0.5mmを超えて厚く形成されたときのように、材料コストが大きくなることもなく、弾性表面波装置の寸法が大きくなることもない。
【0046】
また、圧電基板1上の電極パターン(以下、圧電基板1の主面上に形成された各種の電極パターンを総称するときは、単に「各種電極パターン」ともいう)は、アルミニウム,アルミニウム合金(例えば、Al−Cu系、Al−Ti系),銅,銅合金,金,金合金,タンタル,タンタル合金、またはこれらの材料から成る層の積層膜、またはこれらの材料の層とチタン,クロム等の材料の層との積層膜を用いることができる。引き出し電極及びパッド電極部となる各種電極パターンとしては、アルミニウム層と、アルミニウム及びクロム等の材料の層との積層膜、クロム,ニッケル,金等の材料の層の積層膜等を用いることができる。各種電極パターンの成膜方法としては、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法等を用いることができる。
【0047】
この電極パターンをパターニングする方法としては、導体層の成膜後にフォトリソグラフィを行い、次いでRIE(Reactive Ion Etching)やウェットエッチングを行う方法がある。または、電極パターンの成膜前に圧電基板1の一方主面にレジストを形成しフォトリソグラフィを行って所望のパターンを開口した後、電極パターンを成膜し、その後レジストを不要部分に成膜された電極パターンごと除去するリフトオフプロセスを行ってもよい。
【0048】
IDT電極2〜9は、その電極厚みを0.1μm〜0.5μm程度とすることで、弾性表面波を好適に励振することができる。
【0049】
次に、IDT電極2〜9を保護するための絶縁体(保護膜)を成膜する。絶縁体(保護膜)の材料としては、Si,SiO,SiN,Al等を用いることができる。成膜方法としては、スパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Deposition)法,電子ビーム蒸着法等を用いることができる。
【0050】
次に、弾性表面波素子20,21と弾性表面波共振子18,19間、または、IDT電極のバスバー電極上の引き出し電極を形成するための立体配線に用いる絶縁体30,32,33,36,37としては、感光性ポリイミド樹脂,非感光性ポリイミド樹脂,SiO,SiN,Al等を用いることができる。絶縁体30,32,33,36,37形成方法としては、感光性ポリイミド樹脂等を用いて、スピンコートにより圧電基板1上に感光性ポリイミド樹脂等を塗布した後、その所定箇所に露光・現像工程を施すことによって形成させる方法がある。また、絶縁体としてSiO,SiN,Al等を用いる場合の形成方法としては、スパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いことができる。
【0051】
また、図1(b)に示すように、絶縁体32,33の下部に形成されるIDT電極2,3のバスバー電極とIDT電極4〜9のバスバー電極との導通を取るために、ポリイミド樹脂等からなる絶縁体32,33の所定の位置に、貫通孔(貫通導体)を形成している。
【0052】
次に、第1及び第2の弾性表面波素子20,21の弾性表面波共振子18,19との接続を取るためのIDT電極4〜9のバスバー電極を、スパッタリング装置を用いて、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金により形成する。
【0053】
また、同様に、図3,図4に示すように、絶縁体30を介して、弾性表面波共振子18,19のIDT電極2,3と不平衡入力端子22または不平衡出力端子22との接続を取るための引き出し電極31を、スパッタリング装置を用いて、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金により形成する。
【0054】
また、図4(b)に示すように、絶縁体36,37の下部に形成されるIDT電極5,8のバスバー電極と引き出し電極34,35との導通を取るため、ポリイミド樹脂等からなる絶縁体36,37の所定の位置に、貫通孔(貫通導体)を形成している。
【0055】
そして、弾性表面波素子20,21のIDT電極5,8との接続を取るための引き出し電極34,35を、スパッタリング装置を用いて、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金により形成する。
【0056】
また、本発明の弾性表面波フィルタを通信装置に適用することができる。即ち、少なくとも受信回路及び送信回路の一方を備え、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いる。例えば、送信回路から出力された送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信することができる送信回路を備えた通信装置や、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す受信回路へ伝送するような受信回路を備えた通信装置に適用可能であり、本発明の弾性表面波装置を採用すれば、感度が向上した優れた通信装置を提供できる。
【0057】
以上により、優れた弾性表面波装置を有する受信回路や送信回路を備え、感度が格段に良好な優れた通信機等の通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は本発明の弾性表面波装置について実施の形態の1例を模式的に示す平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図2】図1の弾性表面波装置について弾性表面波共振子部の電極構造例を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の弾性表面波装置について実施の形態の他例を模式的に示す平面図である。
【図4】(a)は本発明の弾性表面波装置について実施の形態の他例を模式的に示す平面図、(b)は(a)のB−B線における断面図である。
【図5】図4の弾性表面波装置の弾性表面波素子部を模式的に示す平面図である。
【図6】従来の弾性表面波装置について電極指ピッチの分布を示すグラフ及び電極構造例を模式的に示す平面図である。
【図7】従来の弾性表面波装置の電極構造例を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0059】
1:圧電基板
2〜9:IDT電極
10〜17:反射器電極
29:中心共通バスバー電極
30,32,33,36,37:絶縁体
31,34,35:引き出し電極
18,19:弾性表面波共振子
20,21:弾性表面波素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板上に、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えたIDT電極と、前記伝搬方向に沿って前記IDT電極の両側に配置された反射器電極とを備えた第1及び第2の弾性表面波共振子と、
前記伝搬方向に沿って、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた3個以上の奇数個のIDT電極と、前記奇数個のIDT電極の両側にそれぞれ配置され、前記伝搬方向に直交する方向に長い電極指を複数備えた反射器電極とからなる第1及び第2の弾性表面波素子とが形成された弾性表面波装置であって、
前記第1及び第2の弾性表面波共振子は、前記伝搬方向に延びるように形成された中心共通バスバー電極の両側に、前記中心共通バスバー電極によって互いに接続されて形成されているとともに、前記中心共通バスバー電極に不平衡入力端子または不平衡出力端子が接続されており、
前記第1及び第2の弾性表面波素子と前記第1及び第2の弾性表面波共振子とは、互いに隣接して前記伝搬方向に直交する方向において並んで配置されているとともに、互いのバスバー電極が絶縁体を介して重なって配置されており、
前記第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央のIDT電極のバスバー電極が平衡入力端子または平衡出力端子に接続され、前記第1及び第2の弾性表面波素子のそれぞれの中央の前記IDT電極以外のもののバスバー電極が前記第1及び第2の弾性表面波共振子の前記IDT電極のバスバー電極に、絶縁体を介して並列接続されていることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の弾性表面波共振子は、前記中心共通バスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、前記IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、前記引き出し電極が前記不平衡入力端子または前記不平衡出力端子に接続されていることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の弾性表面波素子は、第1及び第2の弾性表面波共振子との隣接部に対向した位置に形成されたバスバー電極上に、それに沿って絶縁体を介して形成されるとともに、前記IDT電極に接続された引き出し電極が設けられており、前記引き出し電極が前記平衡入力端子または前記平衡出力端子に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか記載の弾性表面波装置を有する、受信回路及び送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−11011(P2008−11011A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177676(P2006−177676)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】