説明

弾撥力発生装置

【課題】 小さなモータで大きな力を蓄積し、強い弾撥力を発生させることができる装置を提供すること。
【解決手段】 作動部材を支点で枢支するとともにハウジングに固定される軸の回りに、その一端がハウジングに固定されるとともに他端が作動部材のアクチュエータロッド部に固定され、作動部材の回動によって力を蓄積しカムフォロア部の拘束を解放することによって弾撥力を発生させるべく機能する捻りばねを巻回するとともに、カムフォロアロッド端部に転がり摩擦によってカム外周面と接するカムフォロアを形成しさらに、力の作用点におけるカム外周面の法線と作動部材の支点とカムフォロアの回転軸心とを結ぶ線分とが垂直又はその近傍の角度となる外周面プロフィルを有するとともにその段差部によって作動部材の拘束を解放するカムおよび該カムの回転駆動装置とを有する弾撥力発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミューズメント装置やレスキュー用ロボット、プレス加工機、ハンマリング装置等大きな弾撥力を必要とする箇所に好適に用いることができる、小さなモータで大きな力の蓄積が可能な弾撥力発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットにおけるキッカー、ジャンプ機能をもつ足部、また金属加工分野におけるプレス加工機、ハンマリング装置のように、強い弾撥力を必要とする分野は広い。
【0003】
弾撥力を発生させる手段として、図10に示すように、ソレノイドSによる電磁作用を利用して、図10(a)に示すようなアクチュエータAの支点Jの上部を矢印方向に変位させて対象Oたとえばボールに図でみて左側への弾撥力を適用することや、図10(b)に示すように、アクチュエータAの支点Jの下部を矢印方向に変位させて対象Oたとえばボールに弾撥力を適用することさらには、図10(c)に示すように、対象Oに直接的にソレノイドSによって対象Oたとえばボールに弾撥力を適用することが行われている。また、図11に示すように、弾性体Eを伸長させてそれが収縮するときに発生する弾撥力を対象Oに適用することも行われている。
【0004】
一方、図12に示すように、コンベアベルト表面に付着残留する搬送物を剥落させるべく、ベルト裏面に弾撥力を適用する装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この先行技術は図12(a)(引用特許文献における図4)に示すように、カム軸110に固設されているカム111の内周面に転がり接触するローラ116(カムフォロア)がカム111の時計方向の回転によってロッド115を上昇させ、この過程でケース119内でスプリング受け117上に載置されている弾撥スプリング118を圧縮させ、カム111の段差部においてローラ116(カムフォロア)が急激に鉛直方向に変位することによって弾撥スプリング118の圧縮力が解放されてロッド115と一体的に形成されているハンマヘッド120に弾撥力を付与する。これによって、図12(b)(特許文献1における図5)に示されるように、ホッパ109内においてヘッドプーリ102からリターン過程にあるコンベアベルト101の裏面にハンマヘッド120を衝突させ、コンベアベルト101の表面に残存、付着している搬送物を剥落させる。図12において、119aはストッパであって、スプリング受け117をこの位置で停止させる。また、図12(b)において、108はカム111を回転させるべく機能するモータ、104は原動スプロケットホイール、105は従動スプロケットホイール、106はチェーン、107はアイドラである。
【特許文献1】特開2001−151332号公報
【0005】
他方、カメラにおいて、シャッタ動作を行わせるべく、捻りばねに力を蓄積し、カムによって捻りばねに蓄積された力を瞬時に解放しシャッタを作動させる機構も既知である(たとえば、特許文献2における図1、図2参照)。
【特許文献2】特開平07−219010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図9に示す、ソレノイドSを利用する弾撥力発生装置は、高速度であり簡便な制御機構で作動させ得る等の長所があるが、大電流が必要であるほか重量が大きくなり、また大きなスペースを要する問題がある。また、ソレノイドSに代えて空気圧シリンダを用いることも考えられる。その場合、スペースも小さくて済み、簡単な制御機構で作動させ得る利点があるが、低速であり、弾撥力の低下を生じる問題がある。さらに、図10に示す、弾性体Eを用いる装置は高速ではあるが、力の蓄積機構、力の解放機構等複雑なメカニズムと制御機構を必要とする。
【0007】
一方、特許文献1に開示されている技術は、小さなモータで大きな力を蓄積するための手段を有しておらず、大きな動力を要する機構となっている。また、特許文献2も小さなモータで大きな力を蓄積するための手段を教示していない。
【0008】
本発明は、小さなモータで大きな力を蓄積し、強い弾撥力を発生させることができる弾撥力発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための、請求項1に記載の発明は、カムフォロア部とアクチュエータロッド部とを有する作動部材を支点(ジョイント)で枢支するとともにハウジングに固定される軸の回りに、その一端がハウジングに固定されるとともに他端が前記アクチュエータロッド部に固定され、作動部材の回動によって力を蓄積しカムフォロア部の拘束を解放することによって弾撥力をアクチュエータロッド部に発生させるべく機能する捻りばねを巻回するとともに、カムフォロアロッド端部に転がり摩擦によってカム外周面と接するカムフォロアを形成しさらに、カムの回動によってカム外周面からカムフォロアに伝達される力(F)の作用点におけるカム外周面の法線と、作動部材の支点とカムフォロアの回転軸心とを結ぶ線分とが垂直又はその近傍の角度となる外周面プロフィルを有するとともにその段差部によって作動部材の拘束を解放するカムおよび該カムの回転駆動装置とを有する弾撥力発生装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、カムの回動サイクルの上死点(UD)において、該カムの外周面からカムフォロアに伝達される力(F)の方向と前記カムの回動軸心とが一致するようにカムを配設してなる請求項1に記載の弾撥力発生装置である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、カムの回動状態の検出手段を設け、該検出手段からの信号に基づいてカムの回動を停止しまたは始動させる制御を行う制御手段を配設してなる請求項1又は請求項2に記載の弾撥力発生装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡潔かつ小型の装置構成にして、大きな力を小さなモータかつ小さなトルクで捻りばねに蓄積しこれを瞬時に解放することによって、強い弾撥力をアクチュエータによって対象に適用することができる。
【0013】
請求項2および請求項3に記載の発明によるときは、カムを回転させるためのトルクが零の状態で弾撥力発生のタイミングを調整可能であり、所望のタイミングで強い弾撥力を対象に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の弾撥力発生装置は、次の主要構成からなる。即ち、
1)捻りばねに、小さなモータで大きな力を蓄積するメカニズム
2)捻りばねに蓄積された力を保持(ロック)するメカニズム
3)捻りばね復元の拘束を解除し、強い弾撥力を発生させるメカニズム
【0015】
本発明の弾撥力発生装置においては、小さなモータで大きな力を捻りばねに蓄積せしめるべく、モータ(ギヤードモータ)でカムを回動し、カム外周面と転がり摩擦によって接しているカムフォロアを変位させて捻りばねに力を蓄積する過程において、作動部材における支点とカムフォロアの回転中心とを結ぶ線分と、力の作用点におけるカム外周面の法線とが常時垂直またはその近傍の角度となるように、カムのプロフィルが形成されている。これによって、モータによって回動されるカムからカムフォロアおよびカムフォロアロッドを介して捻りばねに力を蓄積する過程で、力の方向と、作動部材における支点とカムフォロアの回転中心とを結ぶ線分とのなす角度が90°又はその近傍の角度となり、最小の力でカムの回転トルクが捻りばねに蓄積される。
【実施例1】
【0016】
図1に、本発明の一実施例に係る弾撥力発生装置を示す。図1において、は弾撥力発生装置、2はハウジングであって、一対の作動部材3を回動自在に枢支する軸4−1からなる支点(ジョイント)4が固設されている。この実施例においては、図1および図2に示すように、作動部材3は支点(ジョイント)4の部位で屈曲する略逆L字状のプロフィルを呈している。作動部材3は、支点(ジョイント)4を境界としてアクチュエータロッド3−1およびカムフォロアロッド3−2からなる。
【0017】
カムフォロアロッド3−2の端部には、図1および図3、図4ならびに図6、図7に示すように、カムフォロア6が回転自在に配設されている。この実施例においては、カムフォロア6は、図1に示すように、一対のカムフォロアロッド3−2端部に軸支されているニードルベアリングのアウタレースである。このカムフォロア6がカム7の外周面に転がり摩擦によって接している。
【0018】
一方、作動部材3における支点(ジョイント)4の軸4−1回りには、図1および図3に示すように、ハウジング2内壁面と作動部材3間において一対の捻りばね5が巻回されている。一対の捻りばね5の一端は、図3、図4および図6、図7に示すように、ハウジング2の内壁面に固定され、他端は一対の作動部材3のアクチュエータロッド3−1にそれぞれ固定されている。
【0019】
7はカムであり、図1に示すように、ハウジング2に回動自在に枢支される軸8に固設されている。而してカム7の外周面は、図1および図3、図4ならびに図6、図7に示すように、カムフォロア6と転がり摩擦によって接している。また、カム7は、軸8を介してギヤードモータ9によって回転駆動される。
【0020】
一方、この実施例においては、図1および図7(a)、(b)に示すように、軸8に一端にリミットスイッチ用カム11が固設されている。カム11の回動によってリミットスイッチ10がON−OFFされる。
【0021】
次いで、捻りばね5にカム7の回動によって力を蓄積するに際し、カムフォロア6の回転軸心を作動部材3の支点4回りに変位させるときに要する力Fについて説明する。ここで、
τ:ばねトルク(抵抗力)
F:カムフォロア6の回転軸心を作動部材3の支点4回りに変位させるときに要する力(動作力)
X:作動部材3の支点4の中心(軸4−1の軸心)と力Fの作用点間の距離
α:支点4の中心(軸4−1の軸心)とカムフォロア6の回転中心とを結ぶ線分nと力Fの方向とのなす角度とすると、動作力Fの大きさとαとの間には次の関係が成り立つ。
【0022】
【数1】

【0023】
而して、α=90°のとき、Fmin=τ/Xとなり、Fは最小となる。従って、作動部材3が支点4を中心として揺動するときの、支点4の中心(軸4−1の軸心)とカムフォロア6の回転中心とを結ぶ線分nのカムフォロア6の回転中心を通る垂線と、力Fの作用点におけるカム7の外周面の接線とが常に90°或いはその近傍となるように、カム7のプロフィルを定める。作動部材3が支点4を中心として揺動するときの、支点4の中心(軸4−1の軸心)とカムフォロア6の回転中心とを結ぶ線分nのカムフォロア6の回転中心を通る垂線と、力Fの作用点におけるカム7の外周面の接線とが常に90°となる点を連続させると、図3、図4ならびに図6、図7に示すカム7のプロフィルとなる。
【0024】
そして、捻りばね5に力を蓄積するに必要な、ギヤードモータ9の出力トルクτはα=90°のときに最小となり、次式で示される。
【0025】
【数2】

d:力Fの方向と、カム7の駆動軸8の軸心間の垂直距離(図3)
【0026】
次に、捻りばね5に力を蓄積するに要するギヤードモータ9の出力トルクτと、メカニズムの幾何学的関係と静的なパラメータの関係を次式に示す。
【0027】
【数3】

K:ばね定数
N:捻りばね5の箇数
θmax:捻りばね5に最大に力を蓄積したときのアクチュエータロッド3−1の角度(図4におけるアクチュエータロッド3−1の位置1と位置3とのなす角度)
θ:捻りばね5に力を蓄積している途次におけるアクチュエータロッド3−1の角度、たとえば位置1と位置2とのなす角度
L:支点(ジョイント)4の中心(軸4−1の軸心)と、力Fの作用点間の距離(図4参照)
H:支点(ジョイント)4の中心(軸4−1の軸心)と、カム7の駆動軸(軸8)の軸心の鉛直方向距離(図4参照)
【0028】
本発明の弾撥力発生装置においては、捻りばね5に力を蓄積している間は、図3に示す動作力Fとカム7の駆動軸(軸8)の軸心間の垂直距離dは減少し、捻りばね5のトルクτと動作力Fは増大する。その間のギヤードモータ9の出力トルクτは、図5に示すように、増大しそして減少する。図5に示す結果は、H=53.22mm、N=2、K=3N・m/deg、θmax=22°としたときのものである。
【0029】
図5に示す結果の重要な点は、捻りばね5に力を蓄積すればするほど、より小さなモータ(ギヤードモータ9)トルクでよいという点である。本発明の弾撥力発生装置においては、小さなモータ(ギヤードモータ9)トルクで大きな力を、捻りばね5に蓄積できる。H=53.22mm、N=2、K=3N・m/deg、θmax=22°としたときに、一対の捻りばね5に132N・mのトルクを蓄積するのに要したモータ(ギヤードモータ9)のトルクは、図5に示すように、約9N・mのピークトルクであった。
【0030】
図6に、捻りばね5に力を蓄積する過程における、カム7とアクチュエータロッド3−1およびカムフォロアロッド3−2からなる作動部材3の幾何学的位置関係を示す。図6(a)はカム7の回動開始時点の状態、図6(b)はカム7の回動中間段階、図6(c)はカム7の回動最終段階(上死点:UD(upper dead point))の状態を示している。図6(c)に示すように、捻りばね5への力の蓄積の最終段階においては、力Fの方向がカム7の駆動軸(軸8)の軸心を通る。この状態でモータ(ギヤードモータ9)の駆動を止めると、モータの駆動トルクτ=0の状態で弾撥力発生装置のメカニズムはロックされ、捻りばね5に最大の力を保つことができる。カム7の回動(ギヤードモータ9の駆動)を制御するために、図1および図7(a)、(b)に示すように、リミットスイッチ10およびリミットスイッチ10のON−OFFを行うべくリミットスイッチ用カム11が配設される。
【0031】
この実施例においては、カム7の回動を制御するのに機械式のリミットスイッチを用いたが、本発明はこれに限ることなく、光学式のもの或いはモータ等の回転センサを利用することも勿論できる。
【0032】
ロックされたメカニズムを解除してモータ(ギヤードモータ9)をさらに駆動すると、図6(c)に示す状態からカム7が時計方向に回動し、直後の段差部でカムフォロア6が急激にカム7の駆動軸(軸8)の軸心方向へ支点(ジョイント)4の中心(軸4−1の軸心)回りに変位する。即ち、作動部材3揺動の拘束が解かれて捻りばね5に蓄積された力が瞬時に解放されアクチュエータロッド3−1の強い弾撥力発生となる。
【0033】
このように、本発明の弾撥力発生装置にあっては、エンコーダ等の回転センサは必要なく、また、モータ回転の切り換えやその他の特別な機構も必要とせず、一方向に回転するモータ(ギヤードモータ9)とリミットスイッチ10のみで制御される。制御のシーケンスは、以下の通りである。
1)リミットスイッチ10がONとなるまで、捻りばね5に力を蓄積すべくカム7はモータ(ギヤードモータ9)によって回動せしめられる。
2)リミットスイッチ10がONとなった時点でカム7の回動が停止し、メカニズムがロックされる。所望のタイミングでアクチュエータロッド3−1に弾撥力を発生せしめるべくロックが解除されてカム7が図6(c)の状態から時計方向にモータ(ギヤードモータ9)によって回動せしめられると、カムフォロア6はカム7の段差部で急激にカム7の駆動軸(軸8)の軸心方向へ支点(ジョイント)4の中心(軸4−1の軸心)回りに変位する(リミットスイッチ10がOFFとなる。)。
3)再びリミットスイッチ10がONとなるまで、捻りばね5に力を蓄積すべくカム7はモータ(ギヤードモータ9)によって回動せしめられる。
これらの状態を図7(a)、(b)に示す。図7(a)に示すのは、捻りばね5に力を蓄積する過程であり、リミットスイッチ10がOFFとなっている。捻りばね5にフルに力が蓄積されたとき、図7(b)に示すように、リミットスイッチ10がONとなる。そこでモータ(ギヤードモータ9)が停止し、メカニズムはロックされる。この状態からメカニズムのロックを解除し、モータ(ギヤードモータ9)を図6でみて時計方向に回転駆動すると、作動部材3(カムフォロアロッド3−2)の拘束状態が解除され、捻りばね5の復元力によって強い弾撥力がアクチュエータロッド3−1に発生する。
【0034】
図8に、本発明をサッカー用ロボット13のキック装置に応用したときの態様を示す。この場合、アクチュエータロッド13−1にはパネルが付設される。
【実施例2】
【0035】
図9(a)、(b)に、本発明の弾撥力発生装置をロボット足部のジャンプ機能に応用した実施例を示す。図9(a)はロボット足部の外観を、図9(b)は足部の内部における弾撥力発生装置を示している。この実施例においては、支点24回りに捻りばね25が巻回され、支点24はハウジング22に固設され、アクチュエータロッド23−1を回動自在に支持している。
【0036】
図9(b)に示す状態において、捻りばね25にはフルに力が蓄積されてリミットスイッチ(図示せず)が作動し、カム27の回動がギヤードモータ29の停止によってロックされており、カム27の段差部の直前でカム27の外周面とカムフォロア26とが接している。この状態からメカニズムのロックを解除してカム27を時計方向に回動させると、カムフォロア26はカム27の段差部で急激に変位し、アクチュエータ23−1に下方に向けた強い弾撥力が発生し、ロボットはジャンプする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置の全体を示す斜視図
【図2】本発明におけるアクチュエータロッドおよびカムフォロアロッドからなる作動部材の支点とカムフォロアの回転中心を結ぶ線分nと、力の作用方向の関係を示す模式図
【図3】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置のカムと作動部材および捻りばねの関係を示す縦断面図
【図4】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置の力蓄積の各段階における幾何学的パラメータを示す縦断面図
【図5】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置のモータトルクと捻りばねに蓄積される力τおよびカムフォロアの回転中心とカムの回動中心との垂直距離d、カムからカムフォロアに伝達される力の大きさならびにモータ駆動トルクτの関係を示すグラフ
【図6】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置における力蓄積過程のカムおよびアクチュエータロッドとカムフォロアロッドからなる作動部材の位置関係を示す正面図であり、(a)は力蓄積開始時点、(b)は途中段階、(c)はフルに力蓄積を行った段階を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置におけるモータの駆動制御用リミットスイッチおよびリミットスイッチ用カムの作動状態を示す正面図であり、(a)はリミットスイッチOFF時、(b)はリミットスイッチON時を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る、弾撥力発生装置をサッカーロボットのキッカーに適用した例を示す斜視図
【図9】本発明の他の実施例に係る、弾撥力発生装置をロボット足部のジャンプ機構に応用した態様を示す斜視図であり、(a)は外観図、(b)は内部斜視図である。
【図10】従来の弾撥力発生手段を示す模式図であり、(a)は支点上部で弾撥力適用方向とは逆にアクチュエータに力を作用させる例、(b)は支点下部で弾撥力適用方向にアクチュエータに力を作用させる例、(c)はソレノイドSによって直接的に対象に弾撥力を適用する例を示す図である。
【図11】従来の、弾性体Eを用いた弾撥力発生手段を示す模式図
【図12】従来の、カムとばねを用いたベルト表面の付着物除去装置を示す正面図であり、(a)は詳細図、(b)は全体図である。
【符号の説明】
【0038】
弾撥力発生装置
2 ハウジング
3 作動部材
3−1 アクチュエータロッド
3−2 カムフォロアロッド
4 支点(ジョイント)
4−1 軸
5 捻りばね
6 カムフォロア
7 カム
8 軸
9 ギヤードモータ
10 リミットスイッチ
11 リミットスイッチ用カム
13 ロボット
13−1 アクチュエータロッド部
22 ハウジング
23−1 アクチュエータロッド
24 支点
25 捻りばね
26 カムフォロア
27 カム
28 軸
29 ギヤードモータ
101 コンベアベルト
102 ヘッドプーリ
104 原動スプロケットホイール
105 従動スプロケットホイール
106 チェーン
107 アイドラ
108 モータ
109 ホッパ
110 カム軸
111 カム
115 ロッド
116 ローラ
117 スプリング受け
118 弾撥スプリング
119 ケース
119a ストッパ
120 ハンマヘッド
S ソレノイド
J 支点
A アクチュエータ
O 弾撥力対象
E 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムフォロア部(3−2)とアクチュエータロッド部(3−1)とを有する作動部材(3)を支点(ジョイント)(4)で枢支するとともにハウジング(2)に固定される軸(4−1)の回りに、その一端がハウジング(2)に固定されるとともに他端が前記アクチュエータロッド部(3−1)に固定され、作動部材(3)の回動によって力を蓄積しカムフォロア部(3−2)の拘束を解放することによって弾撥力をアクチュエータロッド部(3−1)に発生させるべく機能する捻りばね(5)を巻回するとともに、カムフォロアロッド(3−2)端部に転がり摩擦によってカム(7)外周面と接するカムフォロア(6)を形成しさらに、カム(7)の回動によってカム外周面からカムフォロアに伝達される力(F)の作用点におけるカム外周面の法線と作動部材(3)の支点(4)とカムフォロア(6)の回転軸心とを結ぶ線分とが垂直又はその近傍の角度となるプロフィルを有するとともにその段差部によって作動部材(3)の拘束を解放するカム(7)および該カムの回転駆動装置(9)とを有することを特徴とする弾撥力発生装置。
【請求項2】
カム(7)の回動サイクルの上死点(UD)において、カム(7)の外周面からカムフォロア(6)に伝達される力(F)の方向とカム(7)の回動軸心とが一致するようにカム(7)を配設してなる請求項1に記載の弾撥力発生装置。
【請求項3】
カム(7)の回動状態の検出手段(10)を設け、該検出手段からの信号に基づいてカム(7)の回動を停止しまたは始動させる制御を行う制御手段を配設してなる請求項1又は請求項2に記載の弾撥力発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−120692(P2007−120692A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315994(P2005−315994)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(501223995)財団法人北九州産業学術推進機構 (12)
【Fターム(参考)】