説明

形状測定装置、形状測定方法、及び形状測定プログラム

【課題】非球面ワークの測定から照合計算までに要する時間を短縮化した形状測定装置、形状測定方法、及び形状測定プログラムを提供する。
【解決手段】制御部41は、ワーク4の面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値Miを取得する。続いて、制御部41は、ワーク4の設計関数にて特定されるワークモデルFを3次元測定値と照合させて、ワーク4の傾きを含む配置状態を推定する。次に、制御部41は、推定された配置状態に基づき対応測定経路Laiを推定する。続いて、制御部41は、推定された対応測定経路Laiに基づき対応測定経路Lai上の対応値Dxiを推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪郭形状の測定が可能な表面性状測定器等に適用され、非球面ワークの形状を測定する形状測定装置、形状測定方法、及び形状測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非球面レンズのような非球面形状を測定する面形状測定装置として、光学的な測定プローブを、所定の角度をなす第1の回転手段と第2の回転手段によって回転させることにより、被測定面の全ての法線方向に測定プローブの光軸を一致させることを可能にして、複雑な非球面であっても面形状を高精度に測定することを可能にした面形状測定装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、被測定面上を接触子により走査して被測定面の表面性状を測定する表面性状測定装置では、円筒形状や円錐形状等の芯出しを行うため、測定テーブル上に傾斜調整装置を設けたものが知られている(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−211426号公報、段落0007、図1
【特許文献2】特開2000−266534公報、段落0005、図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2などの従来技術にて、非球面ワークの設計値を照合する照合計算は、所定条件の下に測定された断面測定データ(測定値)に基づき行われる。測定値は、水平に置かれた非球面ワークの非球面頂点を通るXZ面もしくはYZ面内に測定経路が存在するように測定された値であり、その測定に際しては、非球面ワークの水平出しと頂点検出が必要となる。したがって、測定から照合計算までに多くの時間を要する。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みされたもので、非球面ワークの測定から照合計算までに要する時間を短縮化した形状測定装置、形状測定方法、及び形状測定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る形状測定装置は、非球面ワークの形状を測定する形状測定装置であって、前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得部と、予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定部と、推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定部と、推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定部とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成により、形状測定装置は、非球面ワークの配置状態に基づき測定経路を推定し、推定された測定経路から非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定することができる。したがって、照合計算の前段階における非球面ワークを水平に配置する手順を省略することができる。
【0009】
また、前記非球面ワークを載置可能であり且つ傾斜可能に構成されたテーブルと、前記対応値推定部により推定された対応値に基づき前記テーブルの傾斜を調整する傾斜制御部とを備え、前記測定値取得部は、前記傾斜制御部により前記テーブルの傾斜が調整された場合に、前記配置状態の推定に用いられる3次元測定値を再度取得する構成としてもよい。このような構成により、非球面ワークの水平出しを行うことが可能となる。
【0010】
また、前記対応値推定部によって前記ワークモデルを用いて推定された対応値と、前記非球面ワークの測定値とを照合し、当該非球面ワークの測定値が許容範囲内であるか否かを判定するワーク形状判定部を備える構成としてもよい。
【0011】
本発明に係る形状測定方法は、非球面ワークの形状を測定する形状測定方法であって、前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得ステップと、予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定ステップと、推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定ステップと、推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る形状測定プログラムは、非球面ワークの形状を測定させる形状測定プログラムであって、コンピュータに、前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得ステップと、予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定ステップと、推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定ステップと、推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定ステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非球面ワークの測定から照合計算までに要する時間を短縮化した形状測定装置、形状測定方法、及び形状測定プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
[第1実施形態]
(形状測定装置の概略構成)
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る形状測定装置を説明する。図1は、第1実施形態に係る形状測定装置(表面性状測定機)の外観斜視図である。なお、形状測定装置は、輪郭形状測定機、表面粗さ測定機、真円度測定機あるいは3次元測定機や非接触画像測定機等、他の表面性状測定機などであってもよい。
【0016】
この形状測定装置は、測定機本体(測定部)1と、駆動制御装置1aを介して測定機本体1に接続された演算処理装置2とから構成される。測定機本体1は、基台3と、この基台3上に設けられてワーク4を載置するテーブル5と、このテーブル5に載置されたワーク4の表面の変位を検出する変位検出装置6と、これらを操作するための操作部7とを備えて構成されている。テーブル5は、基台3上を図中X軸方向(左右方向)、及び図中Y軸方向(紙面と直交する方向)に移動可能に構成されている。また、テーブル5は、ワーク4の載置面を任意の姿勢に調整可能な傾斜調整機能付きの構成を有している。
【0017】
変位検出装置6は次のように構成されている。即ち、基台3には上方に延びるコラム21が立設されており、このコラム21にスライダ22が上下動可能に装着されている。スライダ22にはアーム23が装着されている。アーム23は水平(X軸)方向に駆動可能に構成されており、その先端には測定子24が設けられている。上記スライダ22、アーム23を移動させ、測定子24をワーク4の表面をトレースすることによって、X軸方向の各位置における表面の高さZが測定データとして得られるようになっている。また、テーブル5でワーク4をY軸方向に移動させることにより、X軸方向に延びるスキャンライン(測定経路)を切り替えることができる。
【0018】
変位検出装置6で得られた3次元測定値Mij(i=1〜m,j=1〜n)は、演算処理装置2に取り込まれる。演算処理装置2は、演算処理を実行する演算処理装置本体31、及び操作部32、表示画面33を有する。また、演算処理装置2は、操作部7と同様に測定機本体1の動作を制御可能に構成されている。
【0019】
次に、図2を参照して、演算処理装置本体31の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る演算処理装置本体31の構成を示すブロック図である。
【0020】
演算処理装置本体31は、主に、制御部(CPU:Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)44、表示制御部45を有する。演算処理装置本体31において、操作部32から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F46aを介して制御部41に入力される。制御部41は、ROM43に格納されたマクロプログラム及びHDD44からI/F46bを介してRAM42に格納された各種プログラムに従って、測定実行処理、表面性状演算処理を実行する。
【0021】
制御部41は、測定実行処理に従って、I/F46cを介して測定機本体1を制御する。HDD44は、各種制御プログラムを格納する記録媒体である。RAM42は、各種プログラムを格納する他、各種処理のワーク領域を提供する。また、制御部41は、表示制御部45を介して表示画面33に測定結果等を表示する。
【0022】
制御部41は、HDD44から各種プログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより、後述する図8に示す動作を実行する。
【0023】
(ワーク4の配置に伴う測定経路)
次に、ワーク4の配置に伴う測定経路について説明する。ワーク4は、図3に示すように、非球面形状に構成され頂点Tを有する上部4aと、円形平面状の底部4bとから構成されている。
【0024】
Y軸方向の所定位置において、X軸方向と平行に始点P1から終点P2までワーク4の表面を測定子24によりトレースし、X軸方向の値に対するZ軸方向の値を測定する。なお、始点P1及び終点P2は、底部4bの中心を通る直線上に位置する。
【0025】
ワーク4が水平に載置された場合、底部4bは、X軸−Y軸平面に平行となる。図4及び図5に示すように、その測定経路L1は、始点P1から終点P2まで、頂点Tを通過する経路となる。また、頂点Tから底部4bの中心方向にワーク4を見ると、測定経路L1は、直線状となる。
【0026】
続いて、ワーク4が、水平に配置されていない場合を説明する。ワーク4が水平に配置されていない場合とは、例えば、その底部4bの中心から上部4aの頂点Tへ延びる軸がZ軸方向から所定角度θだけ傾いて載置された場合を示す。このような場合、図6及び図7に示すように、その測定経路L2は、始点P1から終点P2まで、頂点Tを通過しない経路となる。また、頂点Tから底部4bの中心方向にワーク4を見ると、測定経路L2は、湾曲した曲線状となる。
【0027】
なお、3次元測定において、上記測定経路は、Y軸方向の位置を変えて複数回にわたって設定される。
【0028】
(第1実施形態に係る形状測定装置の制御部41の動作)
次に、図8を参照して、制御部41の動作を説明する。図8は、制御部41の動作を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、主に、上記のようにワーク4が水平に配置されていない場合(図6,図7)を想定したものである。
【0029】
まず、制御部41は、ワーク4の面における3次元測定により3次元測定値Mij(i=1〜m,j=1〜n)を取得する(ステップS11)。ステップS11において、図9に示すように、制御部41は、例えば、測定子24のY方向の位置を複数回に亘って変えて(測定経路Liを変えて)、測定子24をワーク4上でX方向に走査し、3次元測定値Mijを取得する。
【0030】
続いて、制御部41は、ワークモデルFを3次元測定値Mijと照合させて、ワーク4の傾きを含む配置状態を推定する(ステップS12)。ここで、ワークモデルFは、予め決められたパラメータが設定されたワーク4の設計関数にて特定されるものである。換言すると、ワークモデルFは、設計段階の設計値にて特定されるものである。ここで、例えば、制御部41は、ステップS11以前に、ワークモデルFの入力を受け付けるものとする。
【0031】
例えば、設計関数は、以下の(式1)に示す関数である。なお、(式1)に示す設計関数は、回転対称非球面に対応する関数である。設計関数は、この他、ワーク4の設計値にて特定される関数であれば、どのような関数であってもよい。
【0032】
【数1】

【0033】
図10(a)〜図10(c)に示すように、ステップS12において、例えば、制御部41は、ワークモデルFに配置状態(傾きを含む状態)を定めるパラメータを設けた配置状態ワークモデルGを生成する。そして、制御部41は、配置状態ワークモデルGのパラメータを変化させ、配置状態ワークモデルGと3次元測定値Mijとを用いて最小自乗法による照合計算を行い、ワーク4の配置状態を推定する。
【0034】
次に、制御部41は、図11に示すように、推定されたワーク4の配置状態に基づき、対応測定経路Laiを推定する(ステップS13)。ここで、対応測定経路Laiは、ワークモデルFがその配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路である。
【0035】
続いて、制御部41は、図12に示すように、各対応測定経路Laiに基づき、対応値Dxi(i=1〜n)を推定する(ステップS14)。ここで、対応値Dxiは、対応測定経路LaiでワークモデルFを断面測定した場合に得られる非球面ワークの測定値に対応する値である。例えば、対応値Dxiは、ワーク4の測定値からなる2次元測定ラインに対応する対応2次元ライン上の値である。例えば、図6及び図7に示す始点P1から終点P2までの測定において、対応値Dxiは、ワーク4の配置状態(傾き)を考慮していない設計値ViよりもZ軸方向の最大値が大きい放物線上に推定される。なお、換言すると、設計値Viは、ワーク4が水平に置かれた状態における、対応測定経路Laiにて推定される対応値Dxiである。
【0036】
次に、制御部41は、任意の対応測定経路Laiにおける対応値Dxiと測定経路Liにおける3次元測定値Mijとを照合し(ステップS15)、その後、動作を終了する。このステップS15における照合計算は、3次元測定値Mijと対応値Dxiとの間の差分値Dfoi(i=1〜n)を用いて判断する。例えば、図14に示すように、差分値Dfoiは、X軸(Z=0)を中心にX軸−Z軸平面上に分布したものとなる。一方、3次元測定値Mijと設計値Viとの間の差分値Dfi(i=1〜n)は、X軸−Z軸平面上にZ軸方向に最大値を有する放物線上に分布する。
【0037】
また、ステップS15において、制御部41は、照合結果に応じて、ワーク4の測定値が許容範囲内であるか否かを判定する。換言すると、制御部41は、ステップS15にてワーク4の品質良否判定を行う。例えば、制御部41は、照合率が90%未満であれば、ワーク4は不良品であると判定し、照合率が90%以上であれば、ワーク4は良品であると判定する。
【0038】
(第1実施形態に係る形状測定装置の効果)
次に、第1実施形態に係る形状測定装置の効果を説明する。上記のように、第1実施形態に係る形状測定装置は、ワーク4の配置状態に基づき対応測定経路Laiを推定し、対応測定経路Laiからワーク4の対応値Dxiを推定することができる。したがって、照合計算の前段階において、ワーク4を水平に配置する手順を省略することができる。つまり、第1実施形態に係る形状測定装置によれば、ワーク4の測定から照合計算までに要する時間を短縮化することができる。
【0039】
また、上記第1実施形態においては、テーブル5は、傾斜可能な機能を有するものとしたが、上記第1実施形態に係る形状測定装置は、ワーク4を水平に配置する手順を省略可能としたものである。したがって、第1実施形態のテーブル5は、傾斜機能を有していなくともよい。つまり、第1実施形態に係る形状測定装置は、形状測定装置の構成を簡素化し、製造コストを抑制することができる。
【0040】
[第2実施形態]
(第2実施形態に係る形状測定装置の制御部41の動作)
次に、図15を参照して、本発明の第2実施形態に係る形状測定装置の制御部41の動作を説明する。図15は、第2実施形態における制御部41の動作を示すフローチャートである。第2実施形態に係る形状測定装置の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。その他、第2実施形態に係る形状測定装置において、第1実施形態と同様の工程については、その説明を省略し、同一符号を付す。
【0041】
図15に示すように、先ず、制御部41は、第1実施形態と同様のステップS11〜ステップS14の工程を実行する。ステップS14に続いて、制御部41は、対応値Dxiと設計値Viとの間の差の2乗和である判定値Dhを算出する(ステップS25)。
【0042】
続いて、制御部41は、判定値Dhが所定値内(許容範囲内)であるか否かを判断する(ステップS26)。ここで、図16の矢印Aに示すように、対応値Dxiは、ワーク4の傾きが小さくなる(略水平になる)につれて、設計値Viに近づく。したがって、判定値Dhは、ワーク4の傾きが小さくなる(略水平になる)につれて、小さくなる。つまり、ステップS26において、制御部41は、判定値Dhが所定の範囲内であるか否かを判断することにより、ワーク4が略水平であるか否かを判断する。
【0043】
ステップS26において、制御部41は、判定値Dhが所定値内でない(ワーク4が略水平に載置されていない)と判断すると(ステップS26、N)、判定値Dhに基づきテーブル5の傾斜角度を調整し(ステップS27)、再びステップS11の処理から実行する。
【0044】
一方、ステップS26において、制御部41は、判定値Dhが所定値内にある(ワーク4が略水平に載置されている)と判断すると(ステップS26、Y)、第1実施形態のステップS15の工程を実行した後、その動作を終了する。
【0045】
(第2実施形態に係る形状測定装置の効果)
次に、第2実施形態に係る形状測定装置の効果を説明する。上記のような動作により、第2実施形態に係る形状測定装置は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0046】
また、第2実施形態に係る形状測定装置は、ワーク4が略水平になるまで、テーブル5の傾斜角度を調整した後、照合計算(ステップS15)を行うので、第1実施形態よりも照合計算にかかる処理負荷を低減することができる。
【0047】
以上、発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
【0048】
例えば、上記第1及び第2実施形態のステップS15における照合計算は、ステップS11において取得した3次元測定値Mijに基づき行う。しかしながら、ステップS15における照合計算は、新たに任意のY座標にてX方向に沿って測定(断面測定)し、その測定値に基づき行ってもよい。この場合、ステップS11における3次元測定は、ステップS12におけるワーク4の姿勢測定のみのための測定となるため、上述した2次元断面測定よりも粗いピッチで測定するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る形状測定装置の概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る演算処理装置本体31の構成を示すブロック図である。
【図3】ワーク4の形状を示す斜視図である。
【図4】ワーク4が水平に置かれた場合における測定経路L1を示すX軸方向正面図である。
【図5】ワーク4が水平に置かれた場合における測定経路L1を示すZ軸方向正面図である。
【図6】ワーク4がZ軸から傾いて置かれた場合における測定経路L2を示すX軸方向正面図である。
【図7】ワーク4がZ軸から傾いて置かれた場合における測定経路L2を示すZ軸方向正面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る演算処理装置本体31の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る3次元測定値を取得する動作を説明する図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る配置状態を推定する動作を説明する図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る対応測定経路Laiを推定する動作を説明する図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る対応値Dxiを推定する動作を説明する図である。
【図13】X−Z座標における対応値Dxiを示す図である。
【図14】X−Z座標における差分値Dfi、及び差分値Dfoiを示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る演算処理装置本体31の動作を示すフローチャートである。
【図16】X−Z座標における対応値Dxiの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1…測定機本体、2…演算処理装置、3…基台、4…ワーク、5…テーブル、6…変位検出装置、7…操作部、21…コラム、22…スライダ、23…アーム、24…測定子、31…演算処理装置本体、32…操作部、33…表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非球面ワークの形状を測定する形状測定装置であって、
前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得部と、
予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定部と、
推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定部と、
推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定部と
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
前記非球面ワークを載置可能であり且つ傾斜可能に構成されたテーブルと、
前記対応値推定部により推定された対応値に基づき前記テーブルの傾斜を調整する傾斜制御部とを備え、
前記測定値取得部は、前記傾斜制御部により前記テーブルの傾斜が調整された場合に、前記配置状態の推定に用いられる3次元測定値を再度取得する
ことを特徴とする請求項1記載の形状測定装置。
【請求項3】
前記対応値推定部によって前記ワークモデルを用いて推定された対応値と、前記非球面ワークの測定値とを照合し、当該非球面ワークの測定値が許容範囲内であるか否かを判定するワーク形状判定部を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の形状測定装置。
【請求項4】
非球面ワークの形状を測定する形状測定方法であって、
前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得ステップと、
予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定ステップと、
推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定ステップと、
推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定ステップと
を備えることを特徴とする形状測定方法。
【請求項5】
非球面ワークの形状を測定させる形状測定プログラムであって、
コンピュータに、
前記非球面ワークの面における所定方向に亘る3次元測定により3次元測定値を取得する測定値取得ステップと、
予め定められた非球面ワークの設計関数にて特定されるワークモデルを前記測定値取得部により取得された3次元測定値と照合させて、前記非球面ワークの傾きを含む配置状態を推定する配置状態推定ステップと、
推定された前記配置状態に基づき、前記ワークモデルが当該配置状態とされている場合における断面測定の際の測定経路を推定する測定経路推定ステップと、
推定された前記測定経路で前記ワークモデルを前記断面測定した場合に得られる前記非球面ワークの測定値に対応する対応値を推定する対応値推定ステップと
を実行させるための形状測定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−150822(P2009−150822A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330263(P2007−330263)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】