説明

後処理装置、これを備える画像形成処理装置および処理プログラム

【課題】記録媒体束の中折り不良を検出する。
【解決手段】用紙Pを搬送ロール27a,27bで折りながら搬送する際、搬送ロール27bを回転させたまま、搬送ロール27aを正規の送り長さ分だけ回転させて停止させる。正規より長い用紙Pは搬送ロール27aに保持されるが、搬送ロール27aが用紙Pを保持して停止している時に搬送ロール27bが回転しても用紙Pが搬送されないトルクの関係にすることで、用紙Pは搬送ロール27a,27b間に残される。この用紙Pの有無をセンサS2で確認して中折り不良の有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置、これを備える画像形成処理装置および処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等により画像が形成された用紙に後処理を施す例として、用紙を複数枚集積した後に中綴じや中折りを行って冊子を作製することが行われており、その後処理において用紙の折り不良を検出するための様々な技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、用紙の通過時間から求めた用紙送り長さを用いて折りの良否を判定する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、ラインセンサを用いて折り不良を検知する技術が開示されている。
【0005】
また、例えば特許文献3には、用紙の搬送路を挟む位置に設けられた超音波発信器および超音波受信器を用いて折り不良を検知する技術が開示されている。
【0006】
また、例えば特許文献4には、折り位置にステープルがあることを前提とし、針と導電性部材を接触させてずれがないかを検知する技術が開示されている。
【0007】
また、例えば特許文献5には、用紙側面部の2箇所、用紙搬送側読み取り部の1箇所にセンサを配置して位置異常を検知する技術が開示されている。
【0008】
さらに、例えば特許文献6には、搬送中の折丁のエッジ位置をセンサで複数回測定し、その測定値と基準値とを比較し、その比較データと閾値データとにより、折丁の曲がりおよびずれを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭62−196249号公報
【特許文献2】特開昭60−137770号公報
【特許文献3】特開2008−222359号公報
【特許文献4】特開2005−112523号公報
【特許文献5】特開昭62−201752号公報
【特許文献6】特開昭61−136868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、記録媒体束の中折り不良を検出することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の後処理装置は、記録媒体束を収容する収容手段と、前記収容手段内の記録媒体束の折り位置に設けられ、前記記録媒体束を後段の第1の回転手段に向かって押し出す押出し手段と、前記第1の回転手段の後段に設けられ、前記第1の回転手段が前記記録媒体束を保持した状態で停止した場合に前記記録媒体束が搬送されない搬送トルクの関係で回転する第2の回転手段と、前記第2の回転手段を回転させた状態で、前記第1の回転手段を、予め設定された回転角度だけ回転させた時点で停止させる制御を実行する制御手段と、前記第1の回転手段の停止後、前記第1、第2の回転手段の間の前記記録媒体束の有無を検出する第1の検出手段と、前記第1の回転手段の停止後、前記第1の検出手段により検出された前記記録媒体束の有無の情報により前記記録媒体束の中折り状態の良否を判断する判断手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1に記載の発明において、前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さ分の回転角度であって、正規に折り曲げられた記録媒体束が前記第1の回転手段の記録媒体保持位置を通過する分の回転角度であり、前記判断手段は、前記第1の検出手段からの情報により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が無いと判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が有ると判断することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1または2に記載の発明において、前記記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合において、前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さよりも短い送り長さ分の回転角度であり、前記判断手段は、前記第1の検出手段からの情報により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が有ると判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が無いと判断することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記判断手段により前記記録媒体束が有ると判断された後、前記第1、第2の回転手段の両方を回転する制御を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記第1の回転手段の前段に、前記押出し手段により押し出された記録媒体束が、前記第1、第2の回転手段の回転開始位置に到達したことを検出する第2の検出手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録媒体束の折り位置の変更量に応じて、前記第1の回転駆動手段の駆動時間を変更する制御を実行することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の本発明の後処理装置は、上記請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記収容手段は、前記押出し手段による前記折り位置を変更する折り位置変更手段を備えており、前記制御手段は、前記判断手段による判断結果に基づいて前記記録媒体束の折り位置の変更量を設定し、その変更量に応じて前記折り位置変更手段を駆動することにより前記折り位置を変更して前記記録媒体束の折り位置ずれを補正する制御を実行することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の本発明の画像形成処理装置は、前記記録媒体束の各々に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置の出力段に設けられ、前記画像形成装置により画像が形成された記録媒体束に対して中折り処理を施す上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の後処理装置とを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の本発明の処理プログラムは、収容手段内の記録媒体束を押出し手段により後段の第1の回転手段に向かって押し出す過程と、前記第1の回転手段に到達した前記記録媒体束を前記第1の回転手段で折りながら、その後段に設けられ、前記第1の回転手段が前記記録媒体束を保持した状態で停止した場合に前記記録媒体束が搬送されない搬送トルクの関係で回転する第2の回転手段に搬送する場合に、前記第2の回転手段を回転させた状態で、前記第1の回転手段を予め設定された回転角度だけ回転させた時点で停止させる制御過程と、前記第1の回転手段の停止後、前記第1、第2の回転手段の間における前記記録媒体束の有無を検出する検出過程と、前記第1の回転手段の停止後、前記第1の検出手段により検出された前記記録媒体束の有無の情報により前記記録媒体束の中折り状態の良否を判断する判断過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の本発明の処理プログラムは、上記請求項7に記載の発明において、 前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さ分の回転角度であって、正規に折り曲げられた記録媒体束が前記第1の回転手段の記録媒体保持位置を通過する分の回転角度であり、前記判断手段は、前検出過程により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が無いと判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が有ると判断することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の本発明の処理プログラムは、上記請求項7または8に記載の発明において、前記記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合において、前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さよりも短い送り長さ分の回転角度であり、前記判断手段は、前記検出過程により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が有ると判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が無いと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、記録媒体束の中折り不良を検出することが可能になる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、折り済みの記録媒体束の長さが正規折り曲げ時より長い場合の中折り不良を検出することが可能になる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合でも、記録媒体束の中折り不良を検出することが可能になる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、記録媒体束の詰まり不良をも検出することが可能になる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、記録媒体束の中折り不良の検出精度を向上させることが可能になる。
【0027】
請求項6記載の発明によれば、記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合でも、記録媒体束の中折り不良の検出精度を向上させることが可能になる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、記録媒体束の折り位置ずれを補正することが可能になる。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、画像形成処理装置の後処理装置において、記録媒体束の中折り不良を検出することが可能になる。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、記録媒体束の中折り不良を検出することが可能になる。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、折り済みの記録媒体束の送り長さが正規折り曲げ時より長い場合の中折り不良を検出することが可能になる。
【0032】
請求項11記載の発明によれば、記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合でも、記録媒体束の中折り不良を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る後処理装置が適用された画像形成処理装置の構成図である。
【図2】図1の中折り処理装置の中折り処理部を拡大して示した構成図である。
【図3】図1の中折り処理装置の搬送路を拡大して示した構成図である。
【図4】図1の後処理装置の回路ブロックの構成図である。
【図5】中折り前の用紙の平面図である。
【図6】図5の用紙を半分に折った場合の用紙の斜視図である。
【図7】折り位置が中心線からずれた場合の用紙の斜視図である。
【図8】スキューずれが生じた場合の用紙の平面図である。
【図9】図1の中折り処理装置での中折り処理の説明図である。
【図10】折りずれ未発生の場合の図1の中折り処理装置での中折り不良検出工程の説明図である。
【図11】図10に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図12】折りずれ発生の場合の図1の中折り処理装置での中折り不良検出工程の説明図である。
【図13】図12に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図14】中折り処理装置の搬送路において紙詰まりが発生している場合の説明図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る後処理装置の中折り処理装置での中折り不良および紙詰まり不良の検出工程の説明図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る後処理装置の中折り処理装置での中折り不良および紙詰まり不良の検出工程の説明図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る後処理装置の中折り処理装置における中折り処理のフローチャートの図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態の後処理装置の中折り処理装置による中折り処理の説明図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る後処理装置の中折り処理装置での中折り不良検出工程の説明図である。
【図20】図19に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図21】図20に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る後処理装置の中折り処理装置での中折り不良検出工程の説明図である。
【図23】図22に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図24】図23に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図25】図22に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【図26】図25に続く中折り不良検出工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0035】
(第1の実施の形態)
【0036】
図1は本発明の一実施の形態に係る後処理装置が適用された画像形成処理装置の構成図である。
【0037】
本実施の形態の画像形成処理装置1は、用紙(記録媒体の一例)に画像を形成する画像形成装置2と、その後段に設置され、用紙に対して後処理を施す複数の後処理装置3,4,5とを有している。
【0038】
画像形成装置2は、例えば、デジタル複写機、デジタルプリンタまたはそれらの機能を併せ持つ複合機からなり、用紙の片面に印刷を行う片面印刷機能および用紙の両面に印刷を行う両面印刷機能を備えている。画像形成装置2の画像転写方式は、例えば、感光体ドラムのトナー像を用紙に転写する直接転写方式でも感光体ドラムのトナー像を中間転写ベルトに転写し、その中間転写ベルトに転写されたトナー像を用紙に転写する中間転写方式でも良い。
【0039】
後処理装置3は、画像形成装置2から排出された複数枚の用紙を待機させる機能の他、用紙を予め決められたタイミングで後段の本実施の形態の後処理装置4に搬送する機能を備えている。
【0040】
後処理装置4は、後処理装置3から送られた用紙に対して、例えば、綴じ処理、穿孔処理および中折り処理のような追加工を行う機能を備えている。この後処理装置4の入口には、後処理装置3から送られた用紙を受け入れ後処理装置4の内部に搬入する搬送ロール8が設けられている。この搬送ロール8の直後段には、用紙に対して穿孔処理を施すパンチャー9が設けられている。
【0041】
このパンチャー9の下流の用紙搬送路は、上方の搬送路10と下方の搬送路11との2つに分岐されている。上方の搬送路10は、さらに2つの搬送路10a,10bに分かれている。一方の搬送路10aは、用紙を後処理装置4の上部の排紙部12aに導く搬送路である。また、他方の搬送路10bは、用紙を後処理装置4の側面の排紙部12bに導く搬送路であり、その途中でステープラ13により用紙の端部が綴じられる。この搬送路10bの途中に設けられたパドル付き搬送部材14およびタンパー15は、搬送路10bに導かれた複数枚の用紙をその後端を揃えた状態でステープラ13に戻し搬送する機能を備えている。なお、排紙部12bは、後処理装置4の側面に沿って上下動する、いわゆるオフセットキャッチトレイとされており、排出される用紙の束の数が増えるにつれて自動的に下降するようになっている。
【0042】
一方、パンチャー9の下方の搬送路11は、用紙を中折り処理装置18に導く搬送路である。また、搬送路10,11の後方の搬送路19は、用紙を反転して中折り処理装置18に導く搬送路である。この搬送路11,19の下端側の共通路には、搬送路11,19に送られた用紙を中折り処理装置18のトレイ(収容手段の一例)20に導くパドル付き搬送部材21が設けられている。なお、搬送路10,10a,10b,11,19には、用紙を搬送するための搬送部材(搬送ロールやガイドレール等)が配置されている。
【0043】
中折り処理装置18は、複数枚の用紙を冊子化するための装置である。中折り処理装置18のトレイ20は、搬送路11,19から送られた複数枚の用紙を収容して揃える機能を備えている。このトレイ20は、傾斜した状態で設けられており、その下端には、複数枚の用紙の下端位置(用紙の進行方向の先端位置)を予め決められた位置に設定するエンドガイド(折り位置変更手段)20aが上下動可能な状態で設けられている。このエンドガイド20aは、例えばパルスモータ(図示せず)によって上下動するようになっている。
【0044】
また、このエンドガイド20aの近傍には、トレイ20内の複数枚の用紙を整列させるためのパドル付き搬送部材20bが設けられている。さらに、トレイ20の上端には、トレイ20内の複数枚の用紙の幅方向の位置を揃えるタンパー(図示せず)が設けられている。
【0045】
また、中折り処理装置18には、トレイ20に整列された複数枚の用紙に対して中綴じ処理を施すためのサドルステープラ22が設けられている。このサドルステープラ22の上方においてトレイ20の裏面側には、折りナイフ(押出し手段の一例)25が設けられている。
【0046】
この折りナイフ25は、トレイ20内の複数枚の用紙Pを予め設定された折り位置で折る部材であり、その後段には、折りナイフ25により押し出された用紙の束を後処理装置5の搬送処理部5aまで送る搬送路26が設けられている。この搬送路26には、3つの搬送ロール27a,27b,28が用紙の搬送方向に沿って順に配置されている。なお、折りナイフ25および搬送ロール27a,27b等については後ほど詳細に説明する。
【0047】
後処理装置5の搬送処理部5aは、中折り処理装置18から送られた用紙の束(冊子)の背部が予め決められた位置に合うように斜行補正しながら冊子を後処理装置5に搬送する機構部である。後処理装置5は、後処理装置4で加工された冊子の背部を角型形状に形成するスクエアフォールド処理機能と、スクエアフォールド処理後の冊子の小口形状を整えるために断裁するトリマ処理機能とを備えており、後処理装置5で外観が整えられた冊子は後端の冊子収容部5bに収容されるようになっている。
【0048】
次に、中折り処理装置18の中折り処理部について図2および図3を参照して詳細に説明する。図2は図1の中折り処理装置18の中折り処理部を拡大して示した構成図、図3は図1の中折り処理装置18の搬送路26を拡大して示した構成図である。なお、図2の矢印Fは用紙Pの搬送方向を示し、図2および図3の矢印Rは搬送ロール27a,27bの回転方向を示している。
【0049】
図2に示すように、折りナイフ25は、その先端がトレイ20の表裏面を貫通する孔30を通じて後段の一対の搬送ロール(第1の回転手段の一例)27aの対向位置に進出自在に設けられている。すなわち、トレイ20内の複数枚の用紙Pは、折りナイフ25を搬送ロール27a側に進出させることにより中折りされ、その中折りされた背部を先頭にして一対の搬送ロール27a,27aの間に押し出されるようになっている。
【0050】
一対の搬送ロール27a,27aは、それらの間に押し出された用紙Pの束を巻き込み折りながら搬送路26を通じて後段の一対の搬送ロール(第2の回転手段)27b,27bの間に搬送するようになっている。さらに、一対の搬送ロール27b,27bは、それらの間に搬送された用紙Pの束を搬送路26を通じて後段の一対の搬送ロール28,28(図1参照)の間に搬送するようになっている。
【0051】
図3に示すように、前後の搬送ロール27a,27bは、折り済みの用紙Pの束の後端が前段の搬送ロール27aを通過しきる前に、折り済みの用紙Pの束の先端が後段の搬送ロール27bに到達し、折り済みの用紙Pの束が前段の搬送ロール27aの用紙保持位置(以下、ニップ位置という)を通過しきった時には折り済みの用紙Pの束が後段の搬送ロール27bの対の間に介在されるように設定されている。これらの搬送ロール27a,27bは、それぞれモータM1,M2によって回転するようになっている。モータM1,M2は、例えばパルスモータからなり、1パルス当たりの用紙搬送距離が予め決められた長さになるように設定されている。
【0052】
また、本実施の形態において前後の搬送ロール27a,27bは、前段の搬送ロール27aが折り済みの用紙Pの束を保持した状態で停止した場合に、折り済みの用紙Pの束が後段の搬送ロール27bに到達している状態で搬送ロール27bが回転しても折り済みの用紙Pの束が搬送ロール27bの後段に搬送されない搬送トルクの関係になるように設定されている。このような搬送トルクの関係にするには、特に限定されるものではないが、後段の搬送ロール27b側にトルクリミッタを設ければ良い。
【0053】
さらに、搬送路26において前段の搬送ロール27aの前段近傍にはセンサS1が設置されている。このセンサS1は、折りナイフ25により押し出された折り済みの用紙Pの束が前段の搬送ロール27aの用紙巻き込み開始位置から長さYの距離に到達したことをより正確に検知するための前段ロール搬入検知用の検出手段である。センサS1により用紙Pが検出されることより、搬送ロール27a,27bは回転を開始する。本実施の形態においては、後述のように、折り済みの用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置を通過するために必要な分だけ前段の搬送ロール27aを回転させた時点で停止するように制御される。例えば、折り済みの用紙Pの長さをL、モータM1のパルス当たりの搬送距離をZとすると、モータM1は、折り済みの用紙Pの束の搬入によりセンサS1がオンしてから(L+Y)/Zパルス出力分だけ回転させた時点で停止するように制御される。このため、折り済みの用紙Pの束が搬送ロール27aに搬入するタイミングをより正確に認識する必要がある。
【0054】
また、搬送路26において後段の搬送ロール27bの前段近傍には、センサS2が設置されている。このセンサS2は、折り済みの用紙Pの束が、前後の搬送ロール27a,27bの間に存在するか否かを検出するための用紙残り検知用の検出手段である。これらのセンサS1,S2としては、例えば光学センサが使用されている。
【0055】
次に、図4は図1の後処理装置4の回路ブロックの構成図である。CPU(Central Processing Unit:制御手段、判断手段)は、後処理装置4の全体の動作を制御する制御部であり、モータM1〜M3、センサS1,S2および記憶手段MEと電気的に接続されている。モータM3は、上記したエンドガイド20a(図1参照)を上下動するためのパルスモータ等である。
【0056】
記憶手段MEは、例えば、ハードディスクのような記憶媒体からなり、例えば、用紙送り長、折り済み用紙送り長理論値、1パルス当たりの用紙搬送距離、センサS1から搬送ロール27aまでの距離、出力パルス数、トレイ20の移動量(エンドガイド20aの上下移動量)、折り位置を用紙中央から意図的にずらした場合の折り位置変更(ずらし)量、片方向ずれ許容量および補正量が記憶されている。
【0057】
次に、図5〜図8は用紙Pの折り位置ずれによる送り長の変化を示している。図5は中折り前の用紙Pの平面図である。用紙Pの長辺の長さをXとする。図6は図5の用紙Pを半分に折った場合の用紙Pの斜視図である。この場合の用紙送り長さは、X/2になる。
【0058】
これに対して、図7は折り位置が中心線Kからずれた場合の用紙Pの斜視図である。この場合の用紙送り長さは、X/2+αになる。また、図8はスキューずれが生じた場合の用紙Pの平面図である。用紙Pは左右非対称にずれた状態で折られている。破線は比較のため正規に半分に折られた用紙Pを示している。この場合の送り長さは、X/2+βとなる。すなわち、折り位置が意に反してずれた場合(図7および図8)は、正規に半分に折られた場合(図6)に比べて、送り長さが長くなることが分かる。これを本実施の形態では利用している。
【0059】
次に、本実施の形態の後処理装置4の中折り処理装置18における用紙の中折り不良の検出方法の具体例を図9〜図13により説明する。なお、図9は図1の中折り処理装置18での中折り処理の説明図、図10および図11は折りずれ未発生の場合の中折り処理装置18での中折り不良検出工程の説明図、図12および図13は折りずれ発生の場合の中折り処理装置18での中折り不良検出工程の説明図である。
【0060】
ここでは、図9に示すように、複数枚の用紙Pを半分に折る場合について説明する。まず、ナイフ25がトレイ20内の複数枚の用紙Pの長手方向中心に設置された状態で複数枚の用紙Pを介して一対の搬送ロール27a側に押し出される。このナイフ25により複数枚の用紙Pが前段の搬送ロール27aに向かって押し出される過程で図10に示すセンサS1により検出されると、搬送ロール27a,27bが回転し、複数枚の用紙Pを折りながら搬送する。
【0061】
この時、本実施の形態においては、後段の搬送ロール27bを回転させたまま、前段の搬送ロール27aを折り済みの用紙Pの束の正規折り曲げ時の長さ(X/2+Y)分だけ回転させた時点で停止させる。すなわち、正規に折られた用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置を通過する分だけ前段の搬送ロール27aを回転させた時点で停止させる。具体的には、図3で説明したのと同様に、折り済みの用紙Pの束によりセンサS1がオンしてから(X/2+Y)/Zパルス出力分だけモータM1を回転させた時点で停止させる。
【0062】
この時、用紙Pの束に中折り不良が無ければ、用紙Pの束が前段の搬送ロール27aのニップ位置を通過し、前段の搬送ロール27aに保持されない状態となるので、図11に示すように、後段の搬送ロール27bの回転により折り済みの用紙Pの束は搬送ロール27bの後段に搬送される。
【0063】
その後、センサS2により搬送ロール27a,27bの間に用紙Pの束があるか否かを確認する。ここでは、折り済み用紙Pが搬送ロール27a,27b間に無いので、中折り不良が無いと判断される。
【0064】
一方、折りずれがある場合は、上記の図7および図8で説明したように、折り済みの用紙Pの長さが正規の場合よりも長くなる。このため、上記のように前段の搬送ロール27aを折り済みの用紙Pの束の正規折り曲げ時の長さ(X/2+Y)分だけ(正規に折られた用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置を通過する分だけ)回転させた時点で停止させると、図12に示すように、用紙Pの束の後端が前段の搬送ロール27aのニップ位置に挟まれ保持された状態で搬送ロール27aが停止することになる。
【0065】
ここで、上記したように、前後の搬送ロール27a,27bは、前段の搬送ロール27aが折り済みの用紙Pの束を保持状態で停止した場合に、折り済みの用紙Pの束が後段の搬送ロール27bに到達している状態で搬送ロール27bが回転しても折り済みの用紙Pの束が後段に搬送されない搬送トルクの関係に設定されている。このため、図13に示すように、前段の搬送ロール27aを停止させた状態で、後段の搬送ロール27bを回転させると用紙Pの束は搬送されずに搬送ロール27a,27bの間に残される。
【0066】
その後、センサS2により搬送ロール27a,27bの間に用紙Pの束があるか否かを確認すると、ここでは、折り済み用紙Pが搬送ロール27a,27b間に有るので、中折り不良が有ると判断される。
【0067】
このように本実施の形態においては、折り済みの用紙Pの束の中折り不良を確実に検出する。また、中折り不良の検出精度は搬送ロール27aの1パルス当たりの搬送距離によるため、中折り不良を高精度で検出する。さらに、中折り不良検出のために設けたセンサS1,S2は、いずれも単純にオンオフ動作するだけで高い精度を必要としないので安価であり、これらを設けたからといって後処理装置4のコストが大幅に高くなることもない。
【0068】
(第2の実施の形態)
【0069】
図14は第2の実施の形態の後処理装置の中折り処理装置において紙詰まりが発生している場合の搬送路の説明図、図15および図16は中折り処理装置での中折り不良および紙詰まり不良の検出工程の説明図である。
【0070】
前記第1の実施の形態においては、用紙Pの束がセンサS2により検出されることで中折り不良を検知するが、図14に示すように、搬送ロール27bの後段に紙詰まりがある場合でも用紙Pの束をセンサS2で検出してしまうので、センサS2による検出だけでは、中折り不良と紙詰まり不良とを判別することができない。
【0071】
そこで、第2の実施の形態においては、前記のように前段の搬送ロール27aの回転および停止後にセンサS2により用紙Pの束を検出したら、後段の搬送ロール27bを回転させたまま、前段の搬送ロール27aの回転を再開させる。この後、図15に示すように、センサS2により用紙Pの束が検出された場合は、紙詰まり不良であると判断される。
【0072】
一方、図16に示すように、センサS2により用紙Pの束が検出されない場合は、紙詰まりが無いと判断され、中折り不良であると判断される。
【0073】
このようにして第2の実施の形態においては、センサS2により検出された用紙残りが、用紙Pの中折り不良に起因するものか、紙詰まり不良に起因するものかを良好に判別する。
【0074】
(第3の実施の形態)
【0075】
第3の実施の形態においては、用紙の正規の折り位置を用紙を二等分する位置からずらした場合において、同一の中折り動作を連続で実施する最中に、折り済みの用紙の中折り不良を検証するとともに、折りナイフの位置(用紙収容用のトレイの動作量)を自動的に調整して折り位置ずれを補正する方法について説明する。
【0076】
図17は第3の実施の形態の中折り処理のフローチャートの図、図18は第3の実施の形態の後処理装置の中折り処理装置による中折り処理の説明図である。
【0077】
まず、中折り動作を開始する(ステップ100)。ここでは、図18に示すように、トレイ20のエンドガイド20aを図9の場合よりもαだけ下降して用紙Pに対する折りナイフ25の位置を変えることにより、用紙Pの正規な折り位置を用紙中心からずらす。このため、折り済みの用紙Pの送り方向の長さは、正規折り曲げ時においてX/2+αになる。なお、以下の説明では、折り用紙送り長さに対応した距離(X/2+α+Y)分のパルス数をA、片方向ずれ許容量パルス数をB、補正用パルス数をCとする。
【0078】
続いて、前記第1の実施の形態と同様に、搬送ロール27a,27bを回転させることにより用紙Pを折りながら搬送する。ここでは、前段の搬送ロール27aに対してモータM1から(A−B)パルス出力する。すなわち、後段の搬送ロール27bを回転させたまま、前段の搬送ロール27aを用紙Pの束の折り曲げ後の正規の長さ(X/2+α+Y)よりも短い分だけ回転させた時点で停止させる。すなわち、正規に折られた用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置を通過せず保持されるように前段の搬送ロール27aを回転させた時点で停止させる(ステップ101)。
【0079】
その後、前記第1の実施の形態と同様に、センサS2(図3等参照)により搬送ロール27a,27bの間に用紙Pの束が残されているか否かについて判断する(ステップ102)。この場合、前段の搬送ロール27aによる用紙Pの送り長さを用紙Pの束がニップ位置を通過する長さよりも短くしているので、用紙Pの束が検出されず後段に搬送された場合は、用紙Pの束が短すぎて補正許容外とされる。したがって、補正許容外の不良であることをユーザーに通知する(ステップ103)。
【0080】
一方、ステップ102で、用紙Pの束が検出された場合は、前段の搬送ロール27aに(B×2)パルス出力して折り済み用紙Pを追搬送する(ステップ104)。ここでは、用紙Pの前後両方向に同じマージンを持たせている。この処理は、折り済みの用紙Pが補正処理の許容範囲に入っているかを確認している。
【0081】
続いて、折り済みの用紙Pが搬送可能か否かを判断する(ステップ105)。搬送できない場合は、折り済みの用紙Pの束が長すぎて補正許容外とされるので、補正許容外の不良であることをユーザーに通知する(ステップ103)。すなわち、ステップ103では、折り済みの用紙Pの送り長さが理論値より±Bパルス以上のずれがある場合、補正せずにユーザーに介入を促す。
【0082】
一方、ステップ105で折り済みの用紙Pの束を搬送することが可能な場合は、折り済みの用紙Pの送り長さは補正許容内と判断され、図17の右側のステップに進む。以下、第3の実施の形態の中折り不良検出工程を図19〜図26を参照しながら図17のフローに沿って説明する。なお、図19〜図26は中折り不良検出工程中の説明図である。
【0083】
まず、中折り動作を開始し(ステップ200)、前記第1の実施の形態と同様、図19に示すように、搬送ロール27a,27bを回転させることにより用紙Pを折りながら搬送する。ここでは、前段の搬送ロール27aに対してモータM1からAパルス出力する。すなわち、後段の搬送ロール27bを回転させたまま、前段の搬送ロール27aを折り済みの用紙Pの束の正規折り曲げ時の長さ(X/2+α+Y)分だけ(正規に折られた用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置を通過する分だけ)回転させた時点で停止させる(ステップ201)。この場合、前記第1の実施の形態の場合よりも搬送ロール27aの回転駆動時間をα分だけ長くする。
【0084】
ここで、折り済みの用紙Pの送り方向の長さが要望値またはそれより短い場合、図20に示すように、折り済みの用紙Pは、前段の搬送ロール27aのニップ位置を通過するので、図21に示すように、後段の搬送ロール27bによりさらに後段に搬送される。したがって、その後のセンサS2のよる検出工程においてり搬送ロール27a,27bの間に折り済みの用紙Pが検出されないので、中折り不良が無いと判断される(ステップ202)。
【0085】
ここで、前記第1の実施の形態のように用紙Pを二等分する場合は、中折り不良が無いと判断されれば、折り済みの用紙Pの折り位置ずれ不良(中折り不良)もない。しかし、第3の実施の形態のように正規の折り位置を用紙Pの中央からずらしている場合は、中折り不良が無いと判断された場合であっても、折り位置ずれが生じ、用紙Pの送り方向の長さが要望値よりも短い場合が生じる。
【0086】
そこで、第3の実施の形態においては、ステップ202で用紙残りが無いと判断された場合でも、折り済みの用紙Pの長さが要望値よりも短くないか否かについても検証する。
【0087】
まず、中折り動作を開始し(ステップ300)、前記第1の実施の形態と同様、図22に示すように、搬送ロール27a,27bを回転させることにより用紙Pを折りながら搬送する。ここでは、前段の搬送ロール27aに対してモータM1から(A−C)パルス出力する。すなわち、後段の搬送ロール27bを回転させたまま、前段の搬送ロール27aを用紙Pの束の折り曲げ後の正規の長さ(X/2+α+Y)より短い分だけ(正規に折られた用紙Pの束が搬送ロール27aのニップ位置で保持されるように)回転させて停止させる(ステップ301)。この場合、搬送ロール27aの回転駆動時間を、前記第1の実施の形態の場合よりも長くし、ステップ201の場合よりも短くする。この搬送ロール27aの回転駆動時間を短くするほど中折り不良(位置ずれ不良)の検出精度が向上する。
【0088】
ここで、折り済みの用紙Pの送り方向の長さが要望値の場合、図23に示すように、折り済みの用紙Pは、搬送ロール27aのニップ位置で保持されるので、図24に示すように、搬送ロール27a,27bの間に残される。したがって、その後のセンサS2のよる検出工程においてり搬送ロール27a,27bの間に折り済みの用紙Pが検出され(ステップ302)、折り済みの用紙Pの長さが要望値であると判断される。この場合、その後、搬送ロール27a,27bを回転させて折り済みの用紙Pを追搬送(ステップ303)して処理を終了する。
【0089】
一方、ステップ301の後、折り済みの用紙Pの送り長さが要望値より短い場合は、図25に示すように、折り済みの用紙Pは前段の搬送ロール27aに保持されないので、図26に示すように、後段の搬送ロール27bによりさらに後段に搬送される。したがって、その後のセンサS2のよる検出工程においてり搬送ロール27a,27bの間に折り済みの用紙Pが検出されない(ステップ302)ので、折り済みの用紙Pの長さが要望値より短いと判断される。この場合は、その後、トレイ20のエンドガイド20aの移動量をCパルス分だけ加算して折り用紙送り長さを長くした後(ステップ304)、ステップ300に戻り同様の検証を行う。
【0090】
一方、上記ステップ202において、搬送ロール27a,27bの間に折り済みの用紙Pが検出され、中折り不良が検出された場合は、折り済みの用紙Pの長さが要望値よりも長いので、トレイ20のエンドガイド20aの移動量をCパルス分だけ減算して折り用紙送り長さを短くし(ステップ400)、ステップ401〜403に進む。ステップ401〜403は、ステップ200〜202と同じなので説明を省略する。
【0091】
ステップ403において、搬送ロール27a,27b間に用紙Pの束が検出された場合は、搬送ロール27a,27bを回転させて折り済みの用紙Pを追搬送(ステップ404)した後、ステップ400に戻り補正値を変更して同様の検証を行う。一方、ステップ403において、搬送ロール27a,27b間に用紙Pの束が検出されない場合は、処理を終了する。
【0092】
このように第3の実施の形態においては、正規の折り位置を用紙Pを二等分する位置からずらした場合においても、折り済みの用紙Pの束の中折り不良を確実に検出する。
【0093】
また、同一の中折り動作を連続で実施する最中に、折り済みの用紙Pの用紙の送り方向の長さを検証するとともに、折りナイフ25の位置(エンドガイド20aの動作量)を自動的に調整して折り位置ずれを補正する。
【0094】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0095】
例えば、トナー記録する画像形成装置に適用した場合が示されているが、例えば(吐出されたインクで記録するインクジェット形式の画像形成装置)に適用してもよい。
【0096】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供してもよい。
【0097】
すなわち、ステップ100〜105,200〜202,300〜304,400〜404等で構成されるプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0098】
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0099】
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0100】
さらには、画像形成処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上の説明では、本発明の後処理装置において搬送される記録媒体としては、フィルム、はがき等、画像が形成される様々なものが適用される。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成処理装置
2 画像形成装置
4 後処理装置
18 中折り処理装置
20 トレイ
20a エンドガイド
20b パドル付き搬送部材
25 折りナイフ
26 搬送路
27a,27b,28 搬送ロール
30 孔
M1,M2,M3 モータ
ME 記憶手段
S1,S2 センサ
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体束を収容する収容手段と、
前記収容手段内の記録媒体束の折り位置に設けられ、前記記録媒体束を後段の第1の回転手段に向かって押し出す押出し手段と、
前記第1の回転手段の後段に設けられ、前記第1の回転手段が前記記録媒体束を保持した状態で停止した場合に前記記録媒体束が搬送されない搬送トルクの関係で回転する第2の回転手段と、
前記第2の回転手段を回転させた状態で、前記第1の回転手段を、予め設定された回転角度だけ回転させた時点で停止させる制御を実行する制御手段と、
前記第1の回転手段の停止後、前記第1、第2の回転手段の間の前記記録媒体束の有無を検出する第1の検出手段と、
前記第1の回転手段の停止後、前記第1の検出手段により検出された前記記録媒体束の有無の情報により前記記録媒体束の中折り状態の良否を判断する判断手段と、
を有することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さ分の回転角度であって、正規に折り曲げられた記録媒体束が前記第1の回転手段の記録媒体保持位置を通過する分の回転角度であり、
前記判断手段は、前記第1の検出手段からの情報により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が無いと判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が有ると判断することを特徴とする請求項1記載の後処理装置。
【請求項3】
前記記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合において、前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さよりも短い送り長さ分の回転角度であり、
前記判断手段は、前記第1の検出手段からの情報により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が有ると判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が無いと判断することを特徴とする請求項1または2記載の後処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判断手段により前記記録媒体束が有ると判断された後、前記第1、第2の回転手段の両方を回転する制御を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記第1の回転手段の前段に、前記押出し手段により押し出された記録媒体束が、前記第1、第2の回転手段の回転開始位置に到達したことを検出する第2の検出手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録媒体束の折り位置の変更量に応じて、前記第1の回転駆動手段の駆動時間を変更する制御を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項7】
前記収容手段は、前記押出し手段による前記折り位置を変更する折り位置変更手段を備えており、
前記制御手段は、前記判断手段による判断結果に基づいて前記記録媒体束の折り位置の変更量を設定し、その変更量に応じて前記折り位置変更手段を駆動することにより前記折り位置を変更して前記記録媒体束の折り位置ずれを補正する制御を実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の後処理装置。
【請求項8】
前記記録媒体束の各々に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置の出力段に設けられ、前記画像形成装置により画像が形成された記録媒体束に対して中折り処理を施す請求項1〜7のいずれか1項に記載の後処理装置とを備えることを特徴とする画像形成処理装置。
【請求項9】
収容手段内の記録媒体束を押出し手段により後段の第1の回転手段に向かって押し出す過程と、
前記第1の回転手段に到達した前記記録媒体束を前記第1の回転手段で折りながら、その後段に設けられ、前記第1の回転手段が前記記録媒体束を保持した状態で停止した場合に前記記録媒体束が搬送されない搬送トルクの関係で回転する第2の回転手段に搬送する場合に、前記第2の回転手段を回転させた状態で、前記第1の回転手段を予め設定された回転角度だけ回転させた時点で停止させる制御過程と、
前記第1の回転手段の停止後、前記第1、第2の回転手段の間における前記記録媒体束の有無を検出する検出過程と、
前記第1の回転手段の停止後、前記第1の検出手段により検出された前記記録媒体束の有無の情報により前記記録媒体束の中折り状態の良否を判断する判断過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【請求項10】
前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さ分の回転角度であって、正規に折り曲げられた記録媒体束が前記第1の回転手段の記録媒体保持位置を通過する分の回転角度であり、
前記判断手段は、前検出過程により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が無いと判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が有ると判断することを特徴とする請求項9記載の処理プログラム。
【請求項11】
前記記録媒体束の正規の折り位置が中央からずれている場合において、前記予め設定された回転角度は、折り済みの記録媒体束の正規折り曲げ時の送り長さよりも短い送り長さ分の回転角度であり、
前記判断手段は、前記検出過程により前記記録媒体束が無いと判断した場合は中折り不良が有ると判断し、前記記録媒体束が有ると判断した場合は中折り不良が無いと判断することを特徴とする請求項9または10記載の処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図17】
image rotate

【図3】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2013−67504(P2013−67504A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208948(P2011−208948)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】