説明

徐放性材料及びその製造方法

【課題】アルカリ成分を効果的に徐放する徐放性材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂と、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物と、ラジカル発生剤とを加熱混練して得られる徐放性材料とその製造方法であり、前記金属化合物が消石灰、生石灰、炭酸カルシウムから選択され得、前記熱可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂であり得、前記不飽和化合物がマレイン酸または無水マレイン酸であり得る。また、前記徐放性材料と、生分解性樹脂あるいはアルカリにより加水分解が促進される樹脂とが溶融混合されてなる改質生分解性樹脂であり、前記生分解性樹脂がポリブチレンサクシネートであり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ成分が徐放される徐放性材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌改良のために、肥料等の生物活性関与成分に徐放性を与えて土に混ぜることが行われる。この目的で、セルロース・アセテート系樹脂を主成分として含有する発泡性樹脂組成物を押し出しすると同時に水分の気化膨張力により発泡させることにより製造されたセルロース・アセテート系樹脂発泡体に生物活性関与成分を含有させ、生物活性関与成分の表面にアルギン酸塩ゲルの被覆層を形成することが開示されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
しかし、アルカリ成分を効果的に徐放する技術は得られていない。
【特許文献1】特開2001−247866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、アルカリ成分を効果的に徐放する徐放性材料及びその製造方法を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨とするところは、水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)に不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)がグラフトされたグラフト樹脂とが混合されてなる徐放性材料であることにある。
【0006】
前記金属化合物は、消石灰、生石灰、炭酸カルシウムから選択され得る。
【0007】
前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂であり得る。
【0008】
前記不飽和化合物は、マレイン酸または無水マレイン酸であり得る。
【0009】
また、本発明の要旨とするところは、水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)と、ラジカル発生剤(C成分)とを加熱混練することを特徴とする徐放性材料の製造方法であることにある。
【0010】
前記徐放性材料の製造方法においては、前記熱可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂であり得る。
【0011】
前記徐放性材料の製造方法においては、前記不飽和化合物がマレイン酸または無水マレイン酸であり得る。
【0012】
さらに、本発明の要旨とするところは、前記徐放性材料と、生分解性樹脂とが溶融混合されてなる改質生分解性樹脂であることにある。
【0013】
前記生分解性樹脂はポリブチレンサクシネートであり得る。
【0014】
またさらに、本発明の要旨とするところは、前記徐放性材料と、アルカリにより加水分解が促進される樹脂とが溶融混合されてなる改質生分解性樹脂であることにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、アルカリ成分を効果的に徐放する徐放性材料及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の徐放性材料は、水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)に不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)がグラフトされたグラフト樹脂とが混合されてなる徐放性材料である。
【0017】
かかる徐放性材料は、水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)と、ラジカル発生剤(C成分)とを溶融混練することにより製造することができる。溶融混練は通常の加熱混練機や混練押し出し機により行うことができる。
【0018】
水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)と、ラジカル発生剤(C成分)とを加熱混練すると、加熱混練によりラジカル発生剤(C成分)のはたらきにより熱可塑性樹脂(A成分)に、不飽和化合物(B成分)がグラフトされてグラフト樹脂が生成され、そのグラフト樹脂と金属化合物との化学結合を生ずる。このため、このようにして得られた本発明の徐放性材料は、金属化合物に起因するアルカリ成分を徐放する。
【0019】
本発明において用いられる、水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物としては、水酸化カルシウム(消石灰)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、のような金属の水酸化物、酸化カルシウム(生石灰)のような金属の酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムのような金属の炭酸塩、が例示される。
【0020】
本発明においては、ベース樹脂である熱可塑性樹脂(A成分)と上述の不飽和化合物(B成分)およびラジカル発生剤(C成分)が溶融混練により、(1)C成分からの発生ラジカルによるA成分の水素引抜き(A成分の活性化)、(2)活性化したA成分に対するB成分の付加が連続的かつ断続的に進行する。この(1)〜(2)のステップが進行することで、結果的に上記A成分の少なくとも一部の主鎖と上記B成分の少なくとも一部が上記C成分を介して化学結合することとなり、不飽和化合物(B成分)がグラフトされてなるグラフト樹脂が生成される。
【0021】
A成分とB成分の比率は99.9:0.1〜80:20が好ましい。
【0022】
A成分とB成分との合計100重量部に対して、C成分は0.05〜3重量部が好ましい。
【0023】
熱可塑性樹脂(A成分)としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体系樹脂、ポリエステルエラストマー系樹脂、ポリアミドエラストマー系樹脂、エチレン/プロピレンターポリマー系樹脂、エチレン/ブテン−1共重合体系樹脂などの軟質熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0024】
本発明において使用されるラジカル発生剤(C成分)は、上記した水素引抜き反応を生じさせ、その結果不飽和化合物(B成分)の付加を促進させることができる限り特に限定されない。例えば、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)ヘキサン、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピルヘキシル)ベンゼン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等が挙げられるが、通常100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは170〜220℃で溶融状態にて用いることを考慮すると、上記温度範囲内での半減期が5分以内であることが好ましい。以上の観点から、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)ヘキサン、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピルヘキシル)ベンゼン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が好ましく、その中でも特にジクミルペルオキシドが好ましい。上記ラジカル発生剤は単独でも用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
【0025】
本発明で使用される不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)は、上記した活性化したA成分に付加できるものであれば特に限定されず、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ソルビン酸、アクリル酸、クロトンアルコール、メチルビニルカルビノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブテン、2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられるが、マレイン酸が好ましく用いられる。生産性、価格、汎用性の面から特に無水マレイン酸がさらに好ましい。上記不飽和化合物は単独でも用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
【0026】
B成分が無水マレイン酸の場合のグラフト樹脂の構造を下記化学式に示す。
【0027】
【化1】

【0028】
また、本発明の徐放性材料には、本発明の目的・効果を損なわない範囲で必要に応じて添加剤、例えば、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、粘着性付与剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤またはポリシロキサン等の消泡剤、顔料または染料等の着色剤を適量含有させることができる。
【0029】
本発明の徐放性材料は土中に混入することにより、土壌pHを緩やかに、かつ長期的にアルカリ性に保つことができる。また、水中に分散または載置することにより、水を緩やかに、かつ長期的にアルカリ性に保つことができる。
【0030】
とくに、本発明においては、グラフト樹脂と、それに覆われたアルカリ性を呈する金属化合物との間に酸アルカリ反応による化学結合が生じているので、徐放性材料はその金属化合物がグラフト樹脂から遊離しにくく、徐放性が長期に保たれる。これに対して、単に金属化合物と熱可塑性樹脂を溶融混練した場合は、金属化合物と熱可塑性樹脂とが簡単に遊離し、徐放性が長続きしない。
【0031】
本発明の徐放性材料は、ペレット化あるいは微粒化して土壌の改質等の目的に使用されるばかりでなく、酸性雨対策や、ポリ乳酸あるいはポリブチレンサクシネートのような生分解性樹脂の分解速度の制御にも用いることができる。
【0032】
本発明の徐放性材料を生分解性樹脂の分解速度の制御に用いる場合は、本発明の徐放性材料と生分解性樹脂とを溶融混練して改質生分解性樹脂として用いることができる。この改質生分解性樹脂は、徐放性材料のアルカリ成分の影響で、元の生分解性樹脂より分解速度を大きくすることができる。かつ、アルカリ成分の徐放により極端な分解を抑制することができる。このような促進と抑制の効果により、生分解性樹脂の分解速度がコントロール可能となる。
【0033】
このような目的に使用される生分解性樹脂としては生分解性を有する樹脂であれば限定されないが、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。徐放性材料は生分解性樹脂100重量部に対して1〜100重量部混合されることが好ましい。この生分解性樹脂の市販品の例としては、三井化学(株)社の“LACEA”、トヨタ自動車(株)の“トヨタエコプラスチックU‘z”、 Nature Works社の“Nature Works”、ダイセル化学工業(株)社の“セルグリーンPH”等が挙げられ、生産性の観点からも環境負荷低減の観点からも好ましく用いることができる。
【0034】
生分解性樹脂としてはこのほかに、例えば、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル、及び、ジオールとジカルボン酸と乳酸とのポリエステル等が挙げられる。これらの樹脂の市販品としては、BASF社の“Ecoflex”、昭和高分子(株)社の“ビオノーレ”、Dupont社の“Biomax”等が挙げられ、生産性の観点からも環境負荷低減の観点からも好ましく用いることができる。
【0035】
さらに、本発明の徐放性材料は、ポリエステル系樹脂のようなアルカリにより加水分解が促進される樹脂と溶融混練して改質生分解性樹脂として用いることができる。アルカリ成分の徐放によりその樹脂の分解が促進される。かつ、アルカリ成分の徐放により極端な分解を抑制することができる。徐放性材料はこのような樹脂100重量部に対して1〜100重量部混合されることが好ましい。
【0036】
このポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合或いはこれら三成分混合物の重縮合等によって得られるポリエステルである、ホモポリエステル、コポリエステルの何れかが挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ(エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−4,4’−ジカルボキシレート/テレフタレートなどの非液晶性ポリエステルおよびこれらの混合物が例示される。
【0037】
その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【実施例】
【0038】
材料 ポリエチレン(HDPE)((東ソー(株)製:商品名 ニポロンハード4020)
生分解性ポリエステル(ポリブチレンサクシネート(PBS))(ビオノーレ#1001(昭和高分子(株)製))
消石灰(特号消石灰(近江鉱業(株)製)
反応剤・・・無水マレイン酸(MAH)(シグマアルドリッチジャパン(株)製)
過酸化物(DCP):ジクミルパーオキシド(パークミルD:(日本油脂(株)製)
【0039】
徐放性材料の作製
180℃に設定した二軸押出機2(図1)を用い、表1記載の配合によりポリエチレン(HDPE)、MAH、DCP、消石灰を溶融混練し徐放性材料を得た。消石灰の添加位置はメインフィード(C1)あるいはサイドフィード(C3またはC5)とした。
【0040】
【表1】

【0041】
評価サンプル作成方法
180℃に設定した二軸押出機にビオノーレ、徐放性材料(表1の実施例1〜7)を溶融混練し評価サンプルを得た。配合量は、ビオノーレ90重量部に対し、消石灰量が10重量部になるよう調整した。
【0042】
GPCによる分子量評価
得られた評価サンプルのクロロホルム可溶部(ビオノーレ)をGPC− RIにて分子量測定し、サンプル作成直後のビオノーレのアルカリ加水分解の程度を評価した。(表2)ブランク(ビオノーレ#1001)に比べ、いずれも分子量低下が見られたが、実施例4において低下度合いが低減されていることがわかった。
【0043】
【表2】

【0044】
pHによるアルカリ性評価
得られた評価サンプル(表1の実施例1〜7)各5gを100mlの水中に投入したときの水のpH変化を調べた。(図2)。比較例として100mlの水中に消石灰0.5gとビオノーレ#1001を4.5g投入した場合の水中でのpH変化を調べた。実施例1〜3および5のpHはいずれも100時間程度で最大値を示し、その後分解ポリエステル由来酸との中和により減少した。一方、実施例4および6〜7のそれは徐々に増加し、おおよそ1000時間後もpH減少は見られなかった。比較例は投入当初のpHが実施例のいずれよりも高く、100時間経過後は実施例のいずれよりもpHの減少が速かった。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例に用いた押し出し機の説明図である。
【図2】実施例、比較例における水中でのpH変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
2:二軸押し出し機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)に不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)がグラフトされたグラフト樹脂とが混合されてなる徐放性材料。
【請求項2】
前記金属化合物が消石灰、生石灰、炭酸カルシウムから選択される請求項1に記載の徐放性材料。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂である請求項1または2に記載の徐放性材料。
【請求項4】
前記不飽和化合物がマレイン酸または無水マレイン酸である請求項1から3のいずれかに記載の徐放性材料。
【請求項5】
水溶液がアルカリ性を呈する金属化合物と、熱可塑性樹脂(A成分)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(B成分)と、ラジカル発生剤(C成分)とを加熱混練することを特徴とする徐放性材料の製造方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂である請求項5に記載の徐放性材料の製造方法。
【請求項7】
前記不飽和化合物がマレイン酸または無水マレイン酸である請求項5または6に記載の徐放性材料の製造方法。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の徐放性材料と、生分解性樹脂とが溶融混合されてなる改質生分解性樹脂。
【請求項9】
前記生分解性樹脂がポリブチレンサクシネートである請求項8に記載の改質生分解性樹脂。
【請求項10】
請求項1から4のいずれかに記載の徐放性材料と、アルカリにより加水分解が促進される樹脂とが溶融混合されてなる改質生分解性樹脂。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−221239(P2009−221239A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63975(P2008−63975)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(391048049)滋賀県 (81)
【出願人】(591117516)近江鉱業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】