説明

復号装置および方法、プログラム記録媒体、プログラム、並びに記録再生装置

【課題】回路規模を増加させることなく、複数の動作モードに対応することができるようにする。
【解決手段】ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123は、拘束長の最も長い(すなわち、状態数の最も多い)動作モードであるPR(1,x,x,1)モードを基本に構成されている。ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123は、システム制御部111によりPR(1,x,x,1)モードよりも拘束長の短いPR(1,x,1)モードのモード選択信号が入力されると、それぞれの構成を、PR(1,x,1)モードの動作に切り替えて、ビタビ復号を施し、最も確からしい変調系列xtを再生する。本発明は、高密度光ディスクなどの記録媒体に信号を記録し、再生する記録再生装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復号装置および方法、プログラム記録媒体、プログラム、並びに記録再生装置に関し、特に、回路規模を増加させることなく、複数の動作モードに対応することができるようにした復号装置および方法、プログラム記録媒体、プログラム、並びに記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光ディスクの記録再生装置の高密度化は目覚しく、従来行われてきた2値識別のみでは、低い再生誤り率を確保するために不十分であり、符号間干渉の存在下でも再生誤り率を確保できるビタビ復号回路を用いる場合が多くなってきている。
【0003】
図1は、ビタビ復号回路を有する記録再生装置の構成例を示している。
【0004】
図1の例においては、変調回路11は、記録媒体14へのデータの記録に応じた変調を行う。変調回路11は、図示せぬ前段から入力される記録情報系列を、変調系列Xt(t=0,1,2,…)に変換し、プリコーダ12に出力する。
【0005】
プリコーダ12は、パーシャルレスポンス(以下、PRと称する)に対するプリコードを行う。すなわち、プリコーダ12は、変調回路11から入力される変調系列Xtを所定の符号則に基づいて符号化して、中間系列ytを生成する。プリコーダ12は、生成した中間系列ytを、記録ヘッドなどからなる記録アンプ13を介して記録媒体14に記録する。
【0006】
記録媒体14は、例えば、Blu-ray Disc、CD−RW(Compact Disk ReWritable)、DVD±RW(Digital Versatile Disk ReWritable)などの光ディスクにより構成され、図示せぬ前段から変調回路11に入力されたデータ(記録情報系列)が記録アンプ13により記録される。
【0007】
再生ヘッドなどからなる再生アンプ15は、記録媒体14より再生信号を検出し、等化器16に出力する。等化器16は、再生アンプ15から入力される再生信号を、伝送路の周波数特性に近い目標伝送路モデルに等化(PR等化)し、伝送路出力Zを得て、伝送路出力ZをPLL(Phase Locked Loop)17および標本化回路18に出力する。
【0008】
PLL17は、記録媒体14などからなる伝送路の伝送路出力Zからクロック成分を抽出し、すなわち、再生信号に同期したクロックを生成し、生成したクロックを、標本化回路18、ビタビ復号回路19、および復調回路20に供給する。
【0009】
標本化回路18は、PLL17からのクロックに同期して、等化器16からの伝送路出力Zをサンプリングして、データに変換し、標本系列ztを、ビタビ復号回路19に供給する。ビタビ復号回路19は、標本化回路18からの標本系列ztに対して、ビタビ復号を施し、変調回路11の出力に相当する、最も確からしい変調系列xtを再生する。
【0010】
復調回路20は、変調回路11に対応したものであり、ビタビ復号回路19からの変調系列xtを復調して、再生情報系列を、図示せぬ後段に出力する。
【0011】
図2は、図1のビタビ復号回路19の構成例を示している。
【0012】
図2の例において、ビタビ復号回路19は、ブランチメトリック(BM)計算回路41、加算比較選択(ACS:Add Compare and Select)回路42、パスメモリ43、および最尤判定回路44により構成される。
【0013】
ブランチメトリック計算回路41は、標本系列ztを入力信号として入力すると、入力信号ztを用いて、各状態から各状態への遷移(すなわち、各状態遷移)に対するブランチメトリックを計算して、加算比較選択回路42に出力する。
【0014】
加算比較選択回路42は、前状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路41から入力されるブランチメトリックを加算し、パスの合流がある場合には、それぞれのパスに対する前状態のパスメトリックとブランチメトリックの加算結果を比較し、より小さい値を選択して、現状態のパスメトリックとして更新し、加算結果の選択結果を、パスメモリ43および最尤判定回路44に出力する。なお、以下、パスメトリックのことを、単にメトリックと称することもある。
【0015】
パスメモリ43は、複数の段数のフリップフロップなどからなるパスメモリ(シフトレジスタ)で構成され、各パスメモリ(以下、パスメモリと区別するため、単にメモリと称する)に格納される値を、加算比較選択回路42からの選択結果に従って、選択シフトを繰り返す。これにより、ある段数以降のメモリに格納される値がすべて一致する(パスがマージする)。
【0016】
最尤判定回路44は、設定される最終段のメモリ(例えば、16段目のパスメモリ)から出力信号を取り出し、復調回路20に、変調系列xtとして出力する。これにより、16クロック前の最も確からしい再生信号が確定する。
【0017】
なお、最尤判定回路44は、パスメモリ43において、パスがマージしなかった場合、加算比較選択回路42からの現状態の選択結果に基づいて、パスメトリックが最小の状態に対応するパスメモリから出力信号を抽出する最尤判定を行い、その判定結果に応じた出力信号を、復調回路20に、変調系列xtとして出力する。
【0018】
次に、図3および図4を参照して、d制限=1の(1,7)RLL(Run Length Limited)符号が用いられた場合のPR伝送路について説明する。なお、図3および図4の例において、円は状態を表し、矢印に付したラベルは、遷移(ブランチ)を表している。また、RLL符号とは、変調符号における“1”と“1”の間に挟まれた“0”の数が制限されている符号であり、“1”と“1”の間に挟まれた“0”の最小ランレングスをd、最大ランレングスをkとして、(d,k)RLLと表現される。すなわち、(1,7)RLLのd制限は、1である。
【0019】
図3は、(1,7)RLL符号が用いられた場合の拘束長3のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移図を示している。なお、拘束長3のPR伝送路としては、例えば、PR(1,1,1)伝送路やPR(1,2,1)伝送路があるが、各遷移cの理論値(識別基準値)が異なるだけであるため、まとめてPR(1,x,1)伝送路として説明する。
【0020】
図3の例の場合、c000は、状態S00から状態S00への遷移を表し、c001は、状態S00から状態S01への遷移を表し、c011は、状態S01から状態S11への遷移を表している。c111は、状態S11から状態S11への遷移を表し、c110は、状態S11から状態S10への遷移を表し、c100は、状態S10から状態S00への遷移を表している。
【0021】
すなわち、拘束長3のPR(1,x,1)の状態遷移図は、d制限=1により、4値4状態に縮退される。
【0022】
図4は、(1,7)RLL符号が用いられた場合の拘束長4のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移図を示している。なお、拘束長4のPR伝送路としては、例えば、PR(1,3,3,1)伝送路やPR(1,2,2,1)伝送路があるが、各遷移cの理論値(識別基準値)が異なるだけであるため、まとめてPR(1,x,x,1)伝送路として説明する。
【0023】
図4の例の場合、c0000は、状態S000から状態S000への遷移を表し、c0001は、状態S000から状態S001への遷移を表し、c0011は、状態S001から状態S011への遷移を表している。c0111は、状態S011から状態S111への遷移を表し、c0110は、状態S011から状態S110への遷移を表し、c1111は、状態S111から状態S111への遷移を表し、c1110は、状態S111から状態S110への遷移を表している。c0011は、状態S110から状態S100への遷移を表し、c1001は、状態S100から状態S001への遷移を表し、c1000は、状態S100から状態S000への遷移を表している。
【0024】
すなわち、拘束長4のPR(1,x,x,1)の状態遷移図は、d制限=1により、7値6状態に縮退される。
【0025】
以上のように、PR伝送路においては、状態Sそのものではなく、ある状態Sからある状態Sへの遷移cにより初めて再生信号値が確定される。
【0026】
図5および図6を参照して、図3のPR(1,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19を詳しく説明する。なお、図5は、図3のPR(1,x,1)伝送路の場合のブランチメトリック計算回路41および加算比較選択回路42の構成例を示しており、図6は、図3のPR(1,x,1)伝送路の場合のパスメモリ43の構成例を示している。
【0027】
図5の例において、ブランチメトリック計算回路41は、各状態遷移に対応するブランチメトリックを計算する、状態遷移数(図5の場合、6)分のブランチメトリック(BM)計算部61−1乃至61−6を有しており、それぞれ、各遷移cの尤度であるブランチメトリックbmを計算して、加算比較選択回路42に出力する。なお、cABC(A,B,およびCは、0または1)は、各遷移cの理論値(識別基準値)を表す。また、以下において、n^2は、nの自乗を表す。
【0028】
具体的には、時刻kにおけるPR等化された再生信号(標本系列)をzkとすると、ブランチメトリック計算部61−1は、遷移c000の尤度であるbm000k=(zk−c000)^2を計算し、加算比較部62−1に出力する。ブランチメトリック計算部61−2は、遷移c100の尤度であるbm100k=(zk−c100)^2を計算し、加算比較部62−1に出力する。ブランチメトリック計算部61−3は、遷移c001の尤度であるbm001k=(zk−c001)^2を計算し、加算比較部62−2に出力する。ブランチメトリック計算部61−4は、遷移c110の尤度であるbm110k=(zk−c110)^2を計算し、加算比較部62−3に出力する。ブランチメトリック計算部61−5は、遷移c011の尤度であるbm011k=(zk−c011)^2を計算し、加算比較部62−4に出力する。ブランチメトリック計算部61−6は、遷移c111の尤度であるbm111k=(zk−c111)^2を計算し、加算比較部62−4に出力する。
【0029】
加算比較選択回路42は、内部に記憶される前状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路41から入力されるブランチメトリックを加算し、状態Sまでの履歴の尤度であるパスメトリックmを、現状態として更新する、各状態数(図5の例の場合、4)分の加算比較部62−1乃至62−4を有している。なお、パスの合流がある加算比較部62−1および62−4は、各パスに対する前状態のメトリックとブランチメトリックの加算結果を比較し、より小さい値を選択して、現状態のメトリックとして更新するとともに、加算結果の選択結果を、パスメモリ43に出力する。
【0030】
具体的には、加算比較部62−1は、状態S00までの履歴の尤度であるパスメトリックm00kを更新する。すなわち、加算比較部62−1は、加算比較部62−1の前状態のパスメトリックm00k-1と、ブランチメトリック計算部61−1からのブランチメトリックbm000kを加算し、加算比較部62−3の前状態のパスメトリックm10k-1と、ブランチメトリック計算部61−2からのブランチメトリックbm100kを加算し、加算結果の大小を比較(減算)し、値の小さいほうを選択し、現状態のパスメトリックm00kとして更新する。そして、加算比較部62−1は、パスメモリ43の状態S00の値を保持するメモリに、選択結果(sel00)を出力する。加算比較部62−1による計算は、次の式(1)で表される。
【0031】
m00k= min{m00k-1+bm000k ,m10k-1+bm100k} ・・・(1)
【0032】
加算比較部62−2は、状態S01までの履歴の尤度であるパスメトリックm01kを更新する。すなわち、加算比較部62−2は、加算比較部62−1の前状態のパスメトリックm00k-1と、ブランチメトリック計算部61−3からのブランチメトリックbm001kを加算し、現状態のパスメトリックm01kとして更新する。加算比較部62−2による計算は、次の式(2)で表される。
【0033】
m01k= m00k-1+bm001k ・・・(2)
【0034】
加算比較部62−3は、状態S10までの履歴の尤度であるパスメトリックm10kを更新する。すなわち、加算比較部62−3は、加算比較部62−4の前状態のパスメトリックm11k-1と、ブランチメトリック計算部61−4からのブランチメトリックbm110kを加算し、現状態のパスメトリックm10kとして更新する。加算比較部62−3による計算は、次の式(3)で表される。
【0035】
m10k= m11k-1+bm110k ・・・(3)
【0036】
加算比較部62−4は、状態S11までの履歴の尤度であるパスメトリックm11kを更新する。すなわち、加算比較部62−4は、加算比較部62−2の前状態のパスメトリックm01k-1と、ブランチメトリック計算部61−5からのブランチメトリックbm011kを加算し、加算比較部62−4の前状態のパスメトリックm11k-1と、ブランチメトリック計算部61−6からのブランチメトリックbm111kを加算し、加算結果の大小を比較(減算)し、値の小さいほうを選択し、現状態のパスメトリックm11kとして更新する。そして、加算比較部62−4は、状態S11の値を保持するメモリに、選択結果(sel11)を出力する。加算比較部62−4による計算は、次の式(4)で表される。
【0037】
m11k= min{m11k-1+bm111k ,m01k-1+bm011k} ・・・(4)
【0038】
図6のパスメモリ43には、図3の状態遷移図を時系列で表現したトレリスが示されており、丸は、図3の各状態Sを表しており、矢印は、各遷移cを表している。図6のパスメモリ43は、図3の状態遷移図を時系列で表現した4状態のトレリスと同一形状のパスメモリにより構成される。すなわち、PR(1,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19は、図3のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移図を時系列で表現したトレリスに基づいて、復号処理を行う。
【0039】
したがって、パスメモリ43に示される丸は、フリップフロップなどからなるパスメモリ(以下、メモリとも称する)を示している。なお、図5の例において、パスメモリ43を構成するメモリの段数は、3段しか示されていないが、実際には、例えば、16段や32段などにより構成される。
【0040】
パスメモリ43は、前段のメモリに格納される値を、加算比較選択回路42からの選択結果に従って、選択シフトを繰り返す。すなわち、パスメモリ43は、各段の状態S00のメモリにおいては、前段の状態S00のメモリの値または状態S10のメモリの値を、加算比較部62−1からの選択結果であるsel00に従って選択し、後段の状態S00のメモリおよび状態S01のメモリにシフト(出力)する。パスメモリ43は、各段の状態S11のメモリにおいては、前段の状態S01のメモリの値または状態S11のメモリの値を、加算比較部62−4からの選択結果であるsel11に従って選択し、後段の状態S10のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。
【0041】
なお、各段の状態S01および状態S10のメモリにおいては、遷移cに応じたメモリにシフトが繰り返される。したがって、パスメモリ43は、各段の状態S01においては、前段の状態S00のメモリの値を、後段の状態S11のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S10においては、前段の状態S11のメモリの値を、後段の状態S00のメモリにシフトする。
【0042】
この結果、ある段数以降のパスメモリに格納される値がすべて一致する(パスがマージする)。したがって、最尤判定回路44は、設定されたパスメモリ最終のメトリック比較を行い、最尤パスに対応するデータを、復調回路20に、変調系列xtとして出力する。
【0043】
図7および図8を参照して、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19を詳しく説明する。なお、図7は、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の場合のブランチメトリック計算回路41および加算比較選択回路42の構成例を示しており、図8は、図4のPR(1,x, x,1)伝送路の場合のパスメモリ43の構成例を示している。また、図7および図8の例においては、状態数が6で、状態遷移数が10に増えている点が異なるだけであり、基本的には、図5および図6のビタビ復号回路19と同様の構成であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
【0044】
すなわち、図7のブランチメトリック計算回路41は、状態遷移数(図7の場合、10)分のブランチメトリック計算部71−1乃至71−10を有している。
【0045】
ブランチメトリック計算部71−1は、遷移c0000の尤度であるbm0000k=(zk−c0000)^2を計算し、加算比較部72−1に出力する。ブランチメトリック計算部71−2は、遷移c1000の尤度であるbm1000k=(zk−c1000)^2を計算し、加算比較部72−1に出力する。ブランチメトリック計算部71−3は、遷移c0001の尤度であるbm0001k=(zk−c0001)^2を計算し、加算比較部72−2に出力する。ブランチメトリック計算部71−4は、遷移c1001の尤度であるbm1001k=(zk−c1001)^2を計算し、加算比較部72−2に出力する。ブランチメトリック計算部71−5は、遷移c0011の尤度であるbm0011k=(zk−c0011)^2を計算し、加算比較部72−3に出力する。
【0046】
ブランチメトリック計算部71−6は、遷移c1100の尤度であるbm1100k=(zk−c1100)^2を計算し、加算比較部72−4に出力する。ブランチメトリック計算部71−7は、遷移c0110の尤度であるbm0110k=(zk−c0110)^2を計算し、加算比較部72−5に出力する。ブランチメトリック計算部71−8は、遷移c1110の尤度であるbm1110k=(zk−c1110)^2を計算し、加算比較部72−5に出力する。ブランチメトリック計算部71−9は、遷移c0111の尤度であるbm0111k=(zk−c0111)^2を計算し、加算比較部72−6に出力する。ブランチメトリック計算部71−10は、遷移c1111の尤度であるbm1111k=(zk−c1111)^2を計算し、加算比較部72−6に出力する。
【0047】
加算比較選択回路42は、状態数(図7の場合、6)分の加算比較部72−1乃至72−6を有している。
【0048】
加算比較部72−1は、ブランチメトリック計算部71−1からのブランチメトリックbm0000kおよびブランチメトリック計算部71−2からのブランチメトリックbm1000kを入力すると、加算比較部72−1の前状態のパスメトリックm000k-1と、加算比較部72−4の前状態のパスメトリックm100k-1を用いて、次の式(5)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S000までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm000kを更新するとともに、状態S000の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0049】
m000k= min{m000k-1+bm0000k ,m100k-1+bm1000k} ・・・(5)
【0050】
加算比較部72−2は、ブランチメトリック計算部71−3からのブランチメトリックbm0001kおよびブランチメトリック計算部71−4からのブランチメトリックbm1001kを入力すると、加算比較部72−1の前状態のパスメトリックm000k-1と、加算比較部72−4の前状態のパスメトリックm100k-1を用いて、次の式(6)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S001までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm001kを更新するとともに、状態S001の値を保持するメモリに、選択結果(sel001)を出力する。
【0051】
m001k= min{m000k-1+bm0001k ,m100k-1+bm1001k} ・・・(6)
【0052】
加算比較部72−3は、ブランチメトリック計算部71−5からのブランチメトリックbm0011kを入力すると、加算比較部72−2の前状態のパスメトリックm001k-1を用いて、次の式(7)を計算することにより、状態S011までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm011kを更新する。
【0053】
m011k= m001k-1+bm0011k ・・・(7)
【0054】
加算比較部72−4は、ブランチメトリック計算部71−6からのブランチメトリックbm1100kを入力すると、加算比較部72−5の前状態のパスメトリックm110k-1を用いて、次の式(8)を計算することにより、状態S100までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm100kを更新する。
【0055】
m100k= m110k-1+bm1100k ・・・(8)
【0056】
加算比較部72−5は、ブランチメトリック計算部71−7からのブランチメトリックbm0110kおよびブランチメトリック計算部71−8からのブランチメトリックbm1110kを入力すると、加算比較部72−3の前状態のパスメトリックm011k-1と、加算比較部72−6の前状態のパスメトリックm111k-1を用いて、次の式(9)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S110までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm110kを更新するとともに、状態S110の値を保持するメモリに、選択結果(sel110)を出力する。
【0057】
m110k= min{m111k-1+bm1110k ,m011k-1+bm0110k} ・・・(9)
【0058】
加算比較部72−6は、ブランチメトリック計算部71−9からのブランチメトリックbm0111kおよびブランチメトリック計算部71−10からのブランチメトリックbm1111kを入力すると、加算比較部72−6の前状態のパスメトリックm111k-1と、加算比較部72−3の前状態のパスメトリックm011k-1を用いて、次の式(10)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S111までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm111kを更新するとともに、状態S111の値を保持するメモリに、選択結果(sel111)を出力する。
【0059】
m111k= min{m111k-1+bm1111k ,m011k-1+bm0111k} ・・・(10)
【0060】
図8のパスメモリ43には、図4の状態遷移図を時系列で表現したトレリスが示されており、丸は、図4の各状態Sを表しており、矢印は、各遷移cを表している。図8のパスメモリ43は、図4の状態遷移図を時系列で表現した6状態のトレリスと同一形状のパスメモリにより構成される。すなわち、PR(1,x,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19は、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移図を時系列で表現したトレリスに基づいて、復号処理を行う。
【0061】
パスメモリ43は、前段のメモリに格納される値を、加算比較選択回路42からの選択結果に従って、選択シフトを繰り返す。すなわち、図8のパスメモリ43は、各段の状態S000のメモリにおいては、前段の状態S000のメモリの値または状態S100のメモリの値を、加算比較部72−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S000のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S001のメモリにおいては、前段の状態S000のメモリ値または状態S100のメモリの値を、加算比較部72−2からの選択結果であるsel001に従って選択し、後段の状態S011のメモリにシフトする。
【0062】
また、パスメモリ43は、各段の状態S110のメモリにおいては、前段の状態S011のメモリの値または状態S111のメモリの値を、加算比較部72−5からの選択結果であるsel110に従って選択し、後段の状態S100のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S111のメモリにおいては、前段の状態S011のメモリの値または状態S111のメモリの値を、加算比較部72−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。
【0063】
なお、各段の状態S011および状態S100のメモリにおいては、遷移cに応じたメモリにシフトが繰り返される。したがって、パスメモリ43は、各段の状態S011においては、前段の状態S001のメモリの値を、後段の状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S100においては、前段の状態S110のメモリの値を、後段の状態S000のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。
【0064】
以上のように、これらの拘束長(すなわち、状態数)が異なると、ブランチメトリック計算回路41、加算比較選択回路42およびパスメモリ43の構成も異なる。一般的に、d制限が少なく、拘束長が長い程、回路規模は大きくなる。
【0065】
しかしながら、拘束長(符号間干渉長)の違いは、PR伝送路の周波数特性の違いに因るものであり、通常、記録媒体や記録再生ヘッドの構造が決定すれば、最適なPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式は、一種類に定まるのが一般的である。
【0066】
その一方で、これまで普及してきた光ディスク規格との後方互換性に対する要求も高く、また、同一の世代であっても、追記型と書き換え型、単層と複数層、および、低密度型と高密度型などの複数の規格が存在しているため、近年の光ディスクの記録再生装置は、周波数特性の異なる複数規格への対応が必須になっている。
【0067】
このため、単一の記録再生装置において、例えば、PR(1,2,1)とPR(1,3,3,1)のように、拘束長の異なる複数の動作モードを備えることが要求されている。したがって、この場合、拘束長の異なる複数種類のビタビ復号回路を切り替えて使用することが必要となり、拘束長の種類毎に、図5乃至図8を参照して上述したブランチメトリック計算回路41、加算比較選択回路42およびパスメモリ43を別々に実装しなければならなかった。このように、記録再生装置において、拘束長の異なる複数の動作モードを備えようとすると、回路規模の増大、もしくは、ビタビ復号回路の種類に対する制限などの問題があった。
【0068】
さらに、記録再生装置において、近年高まっている高速な記録再生レートを実現するために、ビタビ復号回路にも高速動作が要求されている。ビタビ復号回路の動作速度を決定する部分(すなわち、クリティカルパス)は、1クロックで加算と減算(比較)を行う加算比較回路であり、加算比較回路の加算と比較を複数クロックに1度で済ますことができれば、動作速度はその分向上する。
【0069】
そこで、特許文献1には、少なくとも2以上のタイムスロット分の状態遷移を1つの遷移として扱うことにより、動作速度を少なくとも2倍に向上させることが提案されている。しかしながら、この場合、動作速度の向上と引き換えに、回路規模は最大で約2倍に増大してしまう。
【0070】
図9乃至図12を参照して、2タイムスロットの演算を一度に行うことで動作速度を向上させた場合のビタビ復号回路について説明する。
【0071】
図9および図10は、2タイムスロットの演算を一度に行う図3のPR(1,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19を示している。すなわち、図9および図10のビタビ復号回路19においては、図5および図6のビタビ復号回路19において行われる演算が2タイムスロット分行われる。
【0072】
図9の例において、ブランチメトリック計算回路41は、前々状態からの2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算部81−1乃至81−10を有しており、それぞれ、前々状態からの2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbmを計算して、加算比較選択回路42に出力する。すなわち、図9のブランチメトリック計算回路41は、bmABCDE(A,B,C,DおよびEは、1または0)=(zk−cABCD)^2+(zk−cBCDE)^2を計算する。
【0073】
ブランチメトリック計算部81−1は、前状態からの状態遷移に対応するbm000kと、前々状態からの状態遷移に対応するbm000k-1を足した2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0000k=bm000k-1((zk-1−c000)^2)+bm000k((zk−c000)^2)を計算し、加算比較部82−1に出力する。
【0074】
以下、同様に、ブランチメトリック計算部81−2は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1000k=bm100k-1+bm000kを計算し、加算比較部82−1に出力し、ブランチメトリック計算部81−3は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1100k=bm110k-1+bm100kを計算し、加算比較部82−1に出力する。
【0075】
ブランチメトリック計算部81−4は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0001k=bm000k-1+bm001kを計算し、加算比較部82−2に出力し、ブランチメトリック計算部81−5は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1001k=bm100k-1+bm001kを計算し、加算比較部82−2に出力する。ブランチメトリック計算部81−6は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0110k=bm011k-1+bm110kを計算し、加算比較部82−3に出力し、ブランチメトリック計算部81−7は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1110k=bm111k-1+bm110kを演計算し、加算比較部82−3に出力する。
【0076】
ブランチメトリック計算部81−8は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0011k=bm001k-1+bm011kを計算し、加算比較部82−4に出力し、ブランチメトリック計算部81−9は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0111k=bm011k-1+bm111kを計算し、加算比較部82−4に出力し、ブランチメトリック計算部81−10は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1111k=bm111k-1+bm111kを計算し、加算比較部82−4に出力する。
【0077】
加算比較選択回路42は、内部に記憶される前々状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路41から入力されるブランチメトリックを加算し、状態Sまでの履歴の尤度であるパスメトリックmを、現状態として更新する、各状態数(図9の例の場合、4)分の加算比較部82−1乃至82−4を有している。
【0078】
加算比較部82−1は、状態S00までの履歴の尤度であるパスメトリックm00kを更新する。すなわち、加算比較部82−1は、加算比較部82−1の前々状態のパスメトリックm00k-2と、ブランチメトリック計算部81−1からのブランチメトリックbm0000kを加算し、加算比較部82−3の前々状態のパスメトリックm10k-2と、ブランチメトリック計算部81−2からのブランチメトリックbm1000kを加算し、加算比較部82−4の前々状態のパスメトリックm11k-2と、ブランチメトリック計算部81−3からのブランチメトリックbm1100kを加算し、加算結果の大小を比較(減算)し、値の最も小さいほうを選択し、現状態のパスメトリックm00kとして更新する。そして、加算比較部82−1は、状態S00の値を保持するメモリに、選択結果(sel00)を出力する。加算比較部82−1による計算は、次の式(11)で表される。
【0079】
m00k= min{m00k-2+bm0000k
m10k-2+bm1000k,m11k-2+bm1100k} ・・・(11)
【0080】
以下、同様に、加算比較部82−2は、ブランチメトリック計算部81−4からのブランチメトリックbm0001kおよびブランチメトリック計算部81−5からのブランチメトリックbm1001kを入力すると、加算比較部82−1の前々状態のパスメトリックm00k-2と加算比較部82−3の前々状態のパスメトリックm10k-2を用いて、次の式(12)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S01までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm01kを更新するとともに、状態S01の値を保持するメモリに、選択結果(sel01)を出力する。
【0081】
m01k= min{m00k-2+bm0001k ,m10k-2+bm1001k} ・・・(12)
【0082】
加算比較部82−3は、ブランチメトリック計算部81−6からのブランチメトリックbm0110kおよびブランチメトリック計算部81−7からのブランチメトリックbm1110kを入力すると、加算比較部82−4の前々状態のパスメトリックm11k-2と加算比較部82−2の前々状態のパスメトリックm01k-2を用いて、次の式(13)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S10までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm10kを更新するとともに、状態S10の値を保持するメモリに、選択結果(sel10)を出力する。
【0083】
m10k= min{m11k-2+bm1110k ,m01k-2+bm0110k} ・・・(13)
【0084】
加算比較部82−4は、ブランチメトリック計算部81−8からのブランチメトリックbm0011k、ブランチメトリック計算部81−9からのブランチメトリックbm0111k、およびブランチメトリック計算部81−10からのブランチメトリックbm1111kを入力すると、加算比較部82−1の前々状態のパスメトリックm00k-2、加算比較部82−2の前々状態のパスメトリックm01k-2、および加算比較部82−4の前々状態のパスメトリックm11k-2を用いて、次の式(14)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S11までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm11kを更新するとともに、状態S11の値を保持するメモリに、選択結果(sel11)を出力する。
【0085】
m11k= min{m11k-2+bm1111k
m01k-2+bm0111k,m00k-2+bm0011k} ・・・(14)
【0086】
図10の例のパスメモリ43に示されるトレリスは、1段しか示されておらず、図6のパスメモリ43に示されるトレリスと状態数は同じであるが、2ビット(2タイムスロット)毎に選択シフトが実行されている。
【0087】
図10のトレリスにおいては、状態S00は、次々の時刻の状態S00,S01,またはS11に遷移する可能性があり、状態S01は、次々の時刻の状態S10,またはS11に遷移する可能性があり、状態S10は、次々の時刻の状態S00,またはS01に遷移する可能性があり、状態S11は、次々の時刻の状態S00,S10,またはS11に遷移する可能性があることが示されている。すなわち、この場合のビタビ復号回路19は、図3のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移図を2タイムスロットの時系列で表現したトレリスに基づいて、復号処理を行う。
【0088】
したがって、図10のパスメモリ43は、各段の状態S00のメモリにおいては、前段の状態S00、状態S10、または状態S11のメモリの値を、加算比較部82−1からの選択結果であるsel00に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、状態S01のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S01のメモリにおいては、状態S00、または状態S10のメモリの値を、加算比較部82−2からの選択結果であるsel01に従って選択し、後段の状態S10のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。
【0089】
また、パスメモリ43は、各段の状態S10のメモリにおいては、前段の状態S01、または状態S11のメモリの値を、加算比較部82−3からの選択結果であるsel10に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、および状態S01のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S11のメモリにおいては、前段の状態S00、状態S01、または状態S11のメモリの値を、加算比較部82−4からの選択結果であるsel11に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、状態S10のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。この結果、2タイムスロット分のデータが、復調回路20に変調系列xtとして出力される。
【0090】
以上のように、図5のブランチメトリック計算回路41においては、6で構成されていたブランチメトリック計算部が、図9のブランチメトリック計算回路41においては、10に増えている。また、図9の加算比較選択回路42の状態数は、4のままであり、図5の加算比較選択回路42の加算比較部の個数は変わらないが、図9の加算比較選択回路42においては、2タイムスロット前の状態が、図5の2状態から3状態に増加しており、3種類の加算結果から最小のメトリックを選択しなければならない。
【0091】
すなわち、2タイムスロットの演算を一度に行う、図9および図10のビタビ復号回路19は、1タイムスロットの演算を行う、図5および図6のビタビ復号回路19よりも回路規模がかなり大きくなっている。
【0092】
図11および図12は、2タイムスロットの演算を一度に行う図4のPR(1,x,x,1)伝送路の場合のビタビ復号回路19を示している。すなわち、図11および図12のビタビ復号回路19においては、図7および図8のビタビ復号回路19において行われる演算が2タイムスロット分行われる。
【0093】
また、図11および図12の例においては、状態数が6で、状態遷移数が16に増えている点が異なるだけであり、基本的には、図9および図10のビタビ復号回路19と同様の構成であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
【0094】
すなわち、図11のブランチメトリック計算回路41は、前々状態からの2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算部91−1乃至91−16を有している。
【0095】
ブランチメトリック計算部91−1は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00000k=bm0000k-1+bm0000kを計算し、加算比較部92−1に出力し、ブランチメトリック計算部91−2は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10000k=bm1000k-1+bm0000kを計算し、加算比較部92−1に出力し、ブランチメトリック計算部91−3は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11000k=bm1100k-1+bm1000kを計算し、加算比較部92−1に出力する。
【0096】
ブランチメトリック計算部91−4は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00001k=bm0000k-1+bm0001kを計算し、加算比較部92−2に出力し、ブランチメトリック計算部91−5は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10001k=bm1000k-1+bm0001kを計算し、加算比較部92−2に出力し、ブランチメトリック計算部91−6は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11001k=bm1100k-1+bm1001kを計算し、加算比較部92−2に出力する。
【0097】
ブランチメトリック計算部91−7は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00011k=bm0001k-1+bm0011kを計算し、加算比較部92−3に出力し、ブランチメトリック計算部91−8は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10011k=bm1001k-1+bm0011kを計算し、加算比較部92−3に出力する。ブランチメトリック計算部91−9は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01100k=bm0110k-1+bm1100kを計算し、加算比較部92−4に出力し、ブランチメトリック計算部91−10は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11100k=bm1110k-1+bm1100kを計算し、加算比較部92−4に出力する。
【0098】
ブランチメトリック計算部91−11は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00110k=bm0011k-1+bm0110kを計算し、加算比較部92−5に出力し、ブランチメトリック計算部91−12は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01110k=bm0111k-1+bm1110kを計算し、加算比較部92−5に出力し、ブランチメトリック計算部91−13は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11110k=bm1111k-1+bm1110kを計算し、加算比較部92−5に出力する。
【0099】
ブランチメトリック計算部91−14は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00111k=bm0011k-1+bm0111kを計算し、加算比較部92−6に出力し、ブランチメトリック計算部91−15は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01111k=bm0111k-1+bm1111kを計算し、加算比較部92−6に出力し、ブランチメトリック計算部91−16は、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11111k=bm1111k-1+bm1111kを計算し、加算比較部92−6に出力する。
【0100】
加算比較選択回路42は、前々状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路41から入力されるブランチメトリックを加算し、状態Sまでの履歴の尤度であるパスメトリックmを、現状態として更新する、各状態数(図11の例の場合、6)分の加算比較部92−1乃至92−6を有している。
【0101】
加算比較部92−1は、ブランチメトリック計算部91−1からのブランチメトリックbm00000k、ブランチメトリック計算部91−2からのブランチメトリックbm10000k、およびブランチメトリック計算部91−3からのブランチメトリックbm11000kを入力すると、加算比較部92−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、加算比較部92−4の前々状態のパスメトリックm100k-2、および加算比較部92−5の前々状態のパスメトリックm110k-2を用いて、次の式(15)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S000までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm000kを更新するとともに、状態S000の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0102】
m000k= min{m000k-2+bm00000k
m100k-2+bm10000k,m110k-2+bm11000k} ・・・(15)
【0103】
加算比較部92−2は、ブランチメトリック計算部91−4からのブランチメトリックbm00001k、ブランチメトリック計算部91−5からのブランチメトリックbm10001k、およびブランチメトリック計算部91−6からのブランチメトリックbm11001kを入力すると、加算比較部92−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、加算比較部92−4の前々状態のパスメトリックm100k-2、および加算比較部92−5の前々状態のパスメトリックm110k-2を用いて、次の式(16)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S001までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm001kを更新するとともに、状態S001の値を保持するメモリに、選択結果(sel001)を出力する。
【0104】
m001k= min{m000k-2+bm00001k
m100k-2+bm10001k,m110k-2+bm11001k} ・・・(16)
【0105】
加算比較部92−3は、ブランチメトリック計算部91−7からのブランチメトリックbm00011k、およびブランチメトリック計算部91−8からのブランチメトリックbm10011kを入力すると、加算比較部92−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、および加算比較部92−4の前々状態のパスメトリックm100k-2を用いて、次の式(17)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S011までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm011kを更新するとともに、状態S011の値を保持するメモリに、選択結果(sel011)を出力する。
【0106】
m011k= min{m000k-2+bm00011k ,m100k-2+bm10011k} ・・・(17)
【0107】
加算比較部92−4は、ブランチメトリック計算部91−9からのブランチメトリックbm01100k、およびブランチメトリック計算部91−10からのブランチメトリックbm11100kを入力すると、加算比較部92−6の前々状態のパスメトリックm111k-2、および加算比較部92−3の前々状態のパスメトリックm011k-2を用いて、次の式(18)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S100までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm100kを更新するとともに、状態S100の値を保持するメモリに、選択結果(sel100)を出力する。
【0108】
m100k= min{m111k-2+bm11100k ,m011k-2+bm01100k} ・・・(18)
【0109】
加算比較部92−5は、ブランチメトリック計算部91−11からのブランチメトリックbm00110k、ブランチメトリック計算部91−12からのブランチメトリックbm01110k、およびブランチメトリック計算部91−13からのブランチメトリックbm11110kを入力すると、加算比較部92−2の前々状態のパスメトリックm001k-2、加算比較部92−3の前々状態のパスメトリックm011k-2、および加算比較部92−6の前々状態のパスメトリックm111k-2を用いて、次の式(19)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S110までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm110kを更新するとともに、状態S110の値を保持するメモリに、選択結果(sel110)を出力する。
【0110】
m110k= min{m111k-2+bm11110k
m011k-2+bm01110k,m001k-2+bm00110k} ・・・(19)
【0111】
加算比較部92−6は、ブランチメトリック計算部91−14からのブランチメトリックbm00111k、ブランチメトリック計算部91−15からのブランチメトリックbm01111k、およびブランチメトリック計算部91−16からのブランチメトリックbm11111kを入力すると、加算比較部92−2の前々状態のパスメトリックm001k-2、加算比較部92−3の前々状態のパスメトリックm011k-2、および加算比較部92−6の前々状態のパスメトリックm111k-2を用いて、次の式(20)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S111までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm111kを更新するとともに、状態S111の値を保持するメモリに、選択結果(sel111)を出力する。
【0112】
m111k= min{m111k-2+bm11111k
m011k-2+bm01111k,m001k-2+bm00111k} ・・・(20)
【0113】
図12の例のパスメモリ43に示されるトレリスは、1段しか示されておらず、図8のパスメモリ43に示されるトレリスと状態数は同じであるが、2ビット(2タイムスロット)毎に選択シフトが実行されている。
【0114】
図12のトレリスの状態S000は、次々の時刻の状態S000,S001,またはS011に遷移する可能性があり、状態S001は、次々の時刻の状態S110,またはS111に遷移する可能性があり、状態S011は、次々の時刻の状態S100,S110,またはS111に遷移する可能性があり、状態S100は、次々の時刻の状態S000,S001,またはS011に遷移する可能性があり、状態S110は、次々の時刻の状態S000,またはS001に遷移する可能性があり、状態S111は、次々の時刻の状態S100,S110,またはS111に遷移する可能性があることが示されている。すなわち、この場合のビタビ復号回路19は、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移図を2タイムスロットの時系列で表現したトレリスに基づいて、復号処理を行う。
【0115】
したがって、パスメモリ43は、各段の状態S000のメモリにおいては、前段の状態S000、状態S100または状態S110のメモリの値を、加算比較部92−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、状態S011のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S001のメモリにおいては、前段の状態S000、状態S100または状態S110のメモリの値を、加算比較部92−2からの選択結果であるsel001に従って選択し、後段の状態S110のメモリ、および状態S111のメモリにシフトする。
【0116】
また、パスメモリ43は、各段の状態S011のメモリにおいては、前段の状態S000、または状態S100のメモリの値を、加算比較部92−3からの選択結果であるsel011に従って選択し、後段の状態S100のメモリ、状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S100のメモリにおいては、前段の状態S011、または状態S111のメモリの値を、加算比較部92−4からの選択結果であるsel100に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、状態S001のメモリおよび状態S011のメモリにシフトする。
【0117】
また、パスメモリ43は、各段の状態S110のメモリにおいては、前段の状態S001、状態S011または状態S111のメモリの値を、加算比較部92−5からの選択結果であるsel110に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、および状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ43は、各段の状態S111のメモリにおいては、前段の状態S001、状態S011または状態S111のメモリの値を、加算比較部92−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S100のメモリ、状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。この結果、2タイムスロット分のデータが、復調回路20に変調系列xtとして出力される。
【0118】
以上のように、図7のブランチメトリック計算回路41においては、10で構成されていたブランチメトリック計算部が、図11のブランチメトリック計算回路41においては、16に増えている。また、図11の加算比較選択回路42の状態数は、6のままであり、図7の加算比較選択回路42の加算比較部の個数と変わらないが、図11の加算比較選択回路42においては、2タイムスロット前の状態が、図7の2状態から3状態に増加しており、3種類の加算結果から最小のメトリックを選択しなければならない。
【0119】
すなわち、2タイムスロットの演算を一度に行う、図11および図12のビタビ復号回路19は、1タイムスロットの演算を行う、図7および図8のビタビ復号回路19よりも回路規模がかなり大きくなっている。
【0120】
なお、上述した図1乃至図12の説明は、後述する本発明の説明にも引用される。
【0121】
【特許文献1】特開平8−84082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0122】
以上のように、拘束長の異なる複数種類のビタビ復号器を切り替えて使用する場合、拘長の種類毎に、ブランチメトリック計算回路、加算比較回路およびパスメモリを別々に実装しなければならず、回路規模が増大したり、もしくは、ビタビ復号回路の種類に対する制限が生じてしまう課題があった。
【0123】
また、高速動作のために、2タイムスロット分の状態遷移を1つの遷移として処理することにより、回路規模が増大してしまう課題があった。
【0124】
そして、これらの回路規模の増大により、設計が複雑になってしまったり、設計上のコストが増加してしまう課題があった。
【0125】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、回路規模を増大させることなく、複数の動作モードに対応することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0126】
本発明の復号装置は、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号手段と、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択手段とを備え、復号手段は、モード選択手段により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号を復号することを特徴とする。
【0127】
復号手段は、ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段と、ブランチメトリック計算手段により計算されたブランチメトリックに基づいて、最尤パスメトリックを選択するパスメトリック選択手段と、パスメトリック選択手段による選択結果に従って、メモリに記憶される情報をシフトすることにより復号信号を得るパスメモリとを備えるようにすることができる。
【0128】
本発明の復号方法は、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号ステップと、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップとを含み、復号ステップでは、モード選択ステップの処理により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号を復号することを特徴とする。
【0129】
本発明のプログラム記録媒体に記録されているプログラムは、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号ステップと、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップとを含み、復号ステップでは、モード選択ステップの処理により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号を復号することを特徴とする。
【0130】
本発明のプログラムは、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号ステップと、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップとを含み、復号ステップでは、モード選択ステップの処理により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号を復号することを特徴とする。
【0131】
本発明の記録再生装置は、記録手段により記録媒体に記録された信号を、PR(Partial Response)特性に等化して再生する再生手段と、第1の状態遷移トレリスに基づいて、再生手段により再生された信号を復号する復号手段と、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択手段とを備え、復号手段は、モード選択手段により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、信号を復号することを特徴とする。
【0132】
第1の本発明においては、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号が復号され、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードが選択される。そして、第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号が復号される。
【0133】
第2の本発明においては、記録媒体に記録された信号が、PR(Partial Response)特性に等化して再生され、再生された信号が、第1の状態遷移トレリスに基づいて、復号され、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードが選択される。そして、第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、再生された信号が復号される。
【0134】
復号装置は、独立した装置であってもよいし、記録再生装置の復号処理を行うブロックであってもよいし、通信装置の復号処理を行うブロックであってもよい。
【発明の効果】
【0135】
本発明によれば、回路規模の増大を抑制することができる。また、本発明によれば、最適な動作モードを選択できるので、復号性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0136】
以下に本発明の最良の形態を説明するが、開示される発明と実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。本明細書中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0137】
さらに、この記載は、明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現し、追加される発明の存在を否定するものではない。
【0138】
請求項1に記載の復号装置は、第1の状態遷移トレリス(例えば、図16のパスメモリ123の実線および点線で示されるトレリス)に基づいて、符号化信号を復号する復号手段(例えば、図13のビタビ復号回路112)と、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード(例えば、PR(1,x,x,1)モード)、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モード(例えば、PR(1,x,1)モード)を選択するモード選択手段(例えば、図13のシステム制御部111)とを備え、復号手段は、モード選択手段により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移(例えば、図16のS001からS011への遷移)を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移(例えば、図16のS000からS011への遷移)に切り替えて(例えば、図16のパスメモリ123の実線および太点線で示されるトレリス)、符号化信号を復号することを特徴とする。
【0139】
請求項2に記載の復号装置は、復号手段は、ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段(例えば、図15のブランチメトリック計算回路121)と、ブランチメトリック計算手段により計算されたブランチメトリックに基づいて、最尤パスメトリックを選択するパスメトリック選択手段(例えば、図15の加算比較選択回路122)と、パスメトリック選択手段による選択結果に従って、メモリに記憶される情報をシフトすることにより復号信号を得るパスメモリ(例えば、図16のパスメモリ123)とを備えることを特徴とする。
【0140】
請求項3に記載の復号方法は、第1の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号ステップ(例えば、図20のステップS14)と、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップ(例えば、図20のステップS11)とを含み、復号ステップでは、モード選択ステップの処理により第2の動作モードが選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、符号化信号を復号する(例えば、図20のステップS13)ことを特徴とする。
【0141】
なお、請求項4に記載のプログラム記録媒体および請求項5に記載のプログラムも、上述した請求項3に記載の復号方法と基本的に同様の構成であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
【0142】
請求項6に記載の記録再生装置は、記録手段(例えば、図13の記録アンプ13)により記録媒体(例えば、図13の記録媒体14)に記録された信号を、PR(Partial Response)特性に等化して再生する再生手段(例えば、図13の等化器16)と、第1の状態遷移トレリス(例えば、図16のパスメモリ123の実線および点線で示されるトレリス)に基づいて、再生手段により再生された信号を復号する復号手段(例えば、図13のビタビ復号回路112)と、第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード(例えば、PR(1,x,x,1)モード)、または第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択手段(例えば、図13のシステム制御部111)とを備え、復号手段は、モード選択手段により第2の動作モード(例えば、PR(1,x,1)モード)が選択された場合、第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移(例えば、図16のS001からS011への遷移)を、第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移(例えば、図16のS000からS011への遷移)に切り替えて(例えば、図16のパスメモリ123の実線および太点線で示されるトレリス)、信号を復号することを特徴とする。
【0143】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0144】
図13は、本発明を適用した記録再生装置の構成例を表している。なお、図13の記録再生装置は、システム制御部111が追加された点、ビタビ復号回路19が、ビタビ復号回路112に入れ替わった点を除いた他の構成は、図1の記録再生装置と基本的に同様の構成であるため、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
【0145】
図13の例において、システム制御部111は、記録媒体14に記録されているデータを、ビタビ復号回路112が有する異なる複数種類(図13の例の場合、2種類)の動作モードのいずれかを選択し、選択結果を、モード選択信号(mode)として、ビタビ復号回路112に供給する。
【0146】
ビタビ復号回路112は、異なる複数種類の動作モードを有している。例えば、ビタビ復号回路112は、(1,7)RLL(Run Length Limited)符号(d制限=1)による拘束長3のPR(パーシャルレスポンス)(1,x,1)モードと、(1,7)RLL符号による拘束長4のPR(1,x,x,1)モードを有している。
【0147】
ビタビ復号回路112は、有する複数の動作モードのうち、拘束長の最も長い(すなわち、状態数の最も多い)動作モードのビタビ復号回路(例えば、図7および図8のPR(1,x,x,1)のビタビ復号回路19)を基本に構成されており、ビタビ復号回路112を構成する各部は、システム制御部111からのモード選択信号に応じた動作モードに切り替えられる。
【0148】
ビタビ復号回路112は、標本化回路18からの標本系列ztに対して、動作モードを、システム制御部111から入力されるモード選択信号に基づいたPR(1,x,1)モードまたはPR(1,x,x,1)モードに切り替えて、切り替えられた動作モードに基づいて、ビタビ復号を施し、変調回路11の出力に相当する、最も確からしい変調系列xtを再生する。
【0149】
図14は、図13のビタビ復号回路112の構成例を示す。なお、図14の例において、図2における場合と対応する部分には対応する符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0150】
ブランチメトリック(BM)計算回路121は、拘束長の最も長い動作モードのブランチメトリック計算回路(例えば、図7のPR(1,x,x,1)のブランチメトリック計算回路41)を基本に構成されており、システム制御部111からモード選択信号が入力されると、モード選択信号に応じた動作モード(PR(1,x,1)モードまたはPR(1,x,x,1)モード)に切り替えて、標本化回路18からの入力信号ztを用いて、各状態遷移に対するブランチメトリックを計算して、加算比較選択(ACS:Add Compare and Select)回路122に出力する。
【0151】
加算比較選択回路122は、拘束長の最も長い動作モードの加算比較選択回路(例えば、図7のPR(1,x,x,1)の加算比較選択回路42)を基本に構成されている。加算比較選択回路122は、システム制御部111からモード選択信号が入力されると、モード選択信号に応じた動作モード(PR(1,x,1)モードまたはPR(1,x,x,1)モード)に切り替えて、前状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路121から入力されるブランチメトリックを加算し、パスの合流がある場合には、それぞれのパスに対する前状態のパスメトリックとブランチメトリックの加算結果を比較し、より小さい値を選択して、現状態のパスメトリックとして更新する。また、加算比較選択回路122は、加算結果の選択結果を、パスメモリ123および最尤判定回路44に出力する。
【0152】
パスメモリ123は、拘束長の最も長い動作モードのパスメモリ(例えば、図8のPR(1,x,x,1)のパスメモリ43)を基本に構成されており、システム制御部111からモード選択信号が入力されると、モード選択信号に応じた動作モード(PR(1,x,1)モードまたはPR(1,x,x,1)モード)に切り替えて、各パスメモリ(以下、パスメモリと区別するため、単にメモリと称する)に格納される値を、加算比較選択回路122からの選択結果に従って、選択シフトを繰り返す。
【0153】
図15および図16を参照して、図14のビタビ復号回路112を具体的に説明する。
【0154】
図15および図16は、PR(1,x,1) モードおよびPR(1,x,x,1) モード兼用の場合のビタビ復号回路112を示している。図15および図16の例の場合、ビタビ復号回路112は、拘束長の最も長い動作モードのビタビ復号回路(すなわち、図7および図8のPR(1,x,x,1)のビタビ復号回路19)を基本に構成されており、ビタビ復号回路112を構成する各部は、システム制御部111からのモード選択信号に応じて、動作モードが切り替えられる。
【0155】
図15は、ブランチメトリック計算回路121および加算比較選択回路122の構成例を示している。なお、図15の例において、上下2段に分類して示されているものについては、上段がPR(1,x,x,1)モードにおける動作を表し、下段がPR(1,x,1)モードにおける動作を表している。また、点線で示される部分は、PR(1,x,1)モードでは使用されない部分を表しており、ハッチングされている部分は、PR(1,x,1)モードにおいて、PR(1,x,x,1)モードにおける動作から変更された部分を表している。
【0156】
ブランチメトリック計算回路121は、図7のブランチメトリック計算回路41と同様の状態遷移数(図15の場合、10)分のブランチメトリック計算部131−1乃至131−10(以下、個々に区別する必要がない場合、ブランチメトリック計算部131と称する)を有している。
【0157】
ブランチメトリック計算回路121は、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、bmABCD(A,B,C,およびDは、1または0)を計算するブランチメトリック計算部131を、bmABCの計算に割り当てる。このとき、ブランチメトリック計算部131は、計算に用いるcABCDまたはcABCを各動作モードで切り替えて、(zk−cABCD)^2の代わりに、(zk−cABC)^2を計算する。なお、cABCDは、PR(1,x,x,1)モードにおける各遷移cの理論値(識別基準値)を表し、PR(1,x,1)モードにおける各遷移cの理論値(識別基準値)を表す。また、以下において、n^2は、nの自乗を表す。
【0158】
具体的には、ブランチメトリック計算部131−1は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c0000の尤度であるbm0000k=(zk−c0000)^2を計算し、加算比較部132−1に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c000の尤度であるbm000k=(zk−c000)^2を計算し、加算比較部132−1に出力する。ブランチメトリック計算部131−2は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c1000の尤度であるbm1000k=(zk−c1000)^2を計算し、加算比較部132−1に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c100の尤度であるbm100k=(zk−c100)^2を計算し、加算比較部132−1に出力する。
【0159】
ブランチメトリック計算部131−3は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c0001の尤度であるbm0001k=(zk−c0001)^2を計算し、加算比較部132−2に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部131−4は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c1001の尤度であるbm1001k=(zk−c1001)^2を計算し、加算比較部132−2に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0160】
ブランチメトリック計算部131−5は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c0011の尤度であるbm0011k=(zk−c0011)^2を計算し、加算比較部132−3に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c001の尤度であるbm001k=(zk−c001)^2を計算し、加算比較部132−3に出力する。ブランチメトリック計算部131−6は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c1100の尤度であるbm1100k=(zk−c1100)^2を計算し、加算比較部132−4に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c110の尤度であるbm110k=(zk−c110)^2を計算し、加算比較部132−4に出力する。
【0161】
ブランチメトリック計算部131−7は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c0110の尤度であるbm0110k=(zk−c0110)^2を計算し、加算比較部132−5に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部131−8は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c1110の尤度であるbm1110k=(zk−c1110)^2を計算し、加算比較部132−5に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0162】
ブランチメトリック計算部131−9は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c0111の尤度であるbm0111k=(zk−c0111)^2を計算し、加算比較部132−6に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c011の尤度であるbm011k=(zk−c011)^2を計算し、加算比較部132−6に出力する。ブランチメトリック計算部131−10は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、遷移c1111の尤度であるbm1111k=(zk−c1111)^2を計算し、加算比較部132−6に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、遷移c111の尤度であるbm111k=(zk−c111)^2を計算し、加算比較部132−6に出力する。
【0163】
加算比較選択回路122は、図7の加算比較選択回路42と同様に、状態数(図15の場合、6)分の加算比較部132−1乃至132−6(以下、個々に区別する必要がない場合、加算比較部132と称する)を有している。
【0164】
加算比較選択回路122も、ブランチメトリック計算回路121と同様に、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、mABCを計算する加算比較部132を、mABの計算に割り当てる。
【0165】
具体的には、加算比較部132−1は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−1からのブランチメトリックbm0000kおよびブランチメトリック計算部131−2からのブランチメトリックbm1000kを入力すると、加算比較部132−1の前状態のパスメトリックm000k-1と加算比較部132−4の前状態のパスメトリックm100k-1を用いて、上述した式(5)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S000までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm000kを更新するとともに、状態S000の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0166】
一方、加算比較部132−1は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−1からのブランチメトリックbm000kおよびブランチメトリック計算部131−2からのブランチメトリックbm100kを入力すると、加算比較部132−1の前状態のパスメトリックm00k-1と加算比較部132−4の前状態のパスメトリックm10k-1を用いて、上述した式(1)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S00までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm00kを更新するとともに、状態S00の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0167】
加算比較部132−2は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−3からのブランチメトリックbm0001kおよびブランチメトリック計算部131−4からのブランチメトリックbm1001kを入力すると、加算比較部132−1の前状態のパスメトリックm000k-1と加算比較部132−4の前状態のパスメトリックm100k-1を用いて、上述した式(6)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S001までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm001kを更新するとともに、状態S001の値を保持するメモリに、選択結果(sel001)を出力する。
【0168】
一方、加算比較部132−2は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0169】
なお、ここで、加算比較部132−3において更新されるm01に相当するm011の前状態は、m001であるが、m001を求める加算比較部132−2は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない状態になる。そこで、この部分のみ、PR(1,x,1)モードにおいては、加算比較部132−1で求められるm000(m00)に変更して使用するようにする。
【0170】
また、加算比較部132−3の場合と同様に、加算比較部132−4において更新されるm10に相当するm100の前状態は、m110であるが、m110を求める加算比較部132−5は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない状態になる。そこで、この部分のみ、PR(1,x,1)モードにおいては、加算比較部132−6で求められるm111(m11)に変更して使用するようにする。
【0171】
これらの変更により、図16のパスメモリ123で用いられるPR(1,x,x,1)の状態遷移のトレリスが、PR(1,x,1)モード(すなわち、図6のパスメモリ43のPR(1,x,1)の状態遷移のトレリス)とも一致するようになり、加算比較選択回路122のPR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードでの兼用が可能になる。
【0172】
すなわち、加算比較部132−3は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011kを入力すると、加算比較部132−2の前状態のパスメトリックm001k-1を用いて、上述した式(7)を計算することにより、状態S011までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm011kを更新する。
【0173】
一方、加算比較部132−3は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm001kを入力すると、加算比較部132−1(変更後)の前状態のパスメトリックm00k-1を用いて、上述した式(2)を計算することにより、状態S01までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm01kを更新する。
【0174】
加算比較部132−4は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−6からのブランチメトリックbm1100kを入力すると、加算比較部132−5の前状態のパスメトリックm110k-1を用いて、上述した式(8)を計算することにより、状態S100までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm100kを更新する。
【0175】
一方、加算比較部132−4は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−6からのブランチメトリックbm110kを入力すると、加算比較部132−6(変更後)の前状態のパスメトリックm111k-1を用いて、上述した式(3)を計算することにより、状態S10までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm10kを更新する。
【0176】
加算比較部132−5は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−7からのブランチメトリックbm0110kおよびブランチメトリック計算部131−8からのブランチメトリックbm1110kを入力すると、加算比較部132−3の前状態のパスメトリックm011k-1と加算比較部132−6の前状態のパスメトリックm111k-1を用いて、上述した式(9)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S110までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm110kを更新するとともに、状態S110の値を保持するメモリに、選択結果(sel110)を出力する。
【0177】
一方、加算比較部132−5は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0178】
加算比較部132−6は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−9からのブランチメトリックbm0111kおよびブランチメトリック計算部131−10からのブランチメトリックbm1111kを入力すると、加算比較部132−6の前状態のパスメトリックm111k-1と加算比較部132−3の前状態のパスメトリックm011k-1を用いて、上述した式(10)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S111までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm111kを更新するとともに、状態S111の値を保持するメモリに、選択結果(sel111)を出力する。
【0179】
加算比較部132−6は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部131−9からのブランチメトリックbm011kおよびブランチメトリック計算部131−10からのブランチメトリックbm111kを入力すると、加算比較部132−6の前状態のパスメトリックm11k-1と加算比較部132−3の前状態のパスメトリックm01k-1を用いて、上述した式(4)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S11までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm11kを更新するとともに、状態S11の値を保持するメモリに、選択結果(sel11)を出力する。
【0180】
図16は、パスメモリ123の構成例を示している。
【0181】
パスメモリ123は、図8のパスメモリ43と同様に、図4の状態遷移図を時系列で表現した6状態のトレリスと同一形状のパスメモリにより構成される。なお、図16のパスメモリ123において、実線の丸は、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの両方で使用される状態を表し、点線の丸は、PR(1,x,x,1)モードのみで使用される状態を表す。また、実線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの両方で使用される状態遷移を表し、点線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードのみで使用される状態遷移を表し、太線点線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードでは使用されず、PR(1,x,1)モードで使用のために変更された状態遷移を表している。
【0182】
図16の例において、パスメモリ123は、加算比較選択回路122と同様に、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、状態S001から状態S011の状態遷移を、状態S000(S00)から状態S011(S01)の状態遷移に変更し、状態S110から状態S100の状態遷移を、状態S111(S11)から状態S110(S10)の状態遷移に変更して(切り替えて)、動作を行う。
【0183】
これらの変更により、パスメモリ123で用いられるPR(1,x,x,1)の状態遷移のトレリスが、PR(1,x,1)の状態遷移のトレリス(例えば、図6のパスメモリ43のトレリス)とも一致するようになり、パスメモリ123のPR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードでの兼用が可能になる。
【0184】
すなわち、パスメモリ123は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、図8のパスメモリ43と同様に動作し、各段の状態S000のメモリにおいては、前段の状態S000のメモリの値または状態S100のメモリの値を、加算比較部132−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S000のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S001のメモリにおいては、前段の状態S000のメモリ値または状態S100のメモリの値を、加算比較部132−3からの選択結果であるsel001に従って選択し、後段の状態S011のメモリにシフトする。
【0185】
また、パスメモリ123は、各段の状態S110のメモリにおいては、前段の状態S011のメモリの値または状態S111のメモリの値を、加算比較部132−5からの選択結果であるsel110に従って選択し、後段の状態S100のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S111のメモリにおいては、前段の状態S011のメモリの値または状態S111のメモリの値を、加算比較部132−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。
【0186】
なお、各段の状態S011および状態S100のメモリにおいては、遷移cに応じたメモリにシフトが繰り返される。すなわち、パスメモリ123は、各段の状態S011においては、前段の状態S001のメモリの値を、後段の状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S100においては、前段の状態S110のメモリの値を、後段の状態S000のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。
【0187】
一方、パスメモリ123は、PR(1,x,1)モードにおいては、図4のパスメモリ43と同様に動作し、各段の状態S00のメモリにおいては、前段の状態S00のメモリの値または状態S10のメモリの値を、加算比較部132−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S00のメモリおよび状態S01のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S11のメモリにおいては、前段の状態S01のメモリの値または状態S11のメモリの値を、加算比較部132−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S10のメモリまたは状態S11のメモリにシフトする。
【0188】
なお、各段の状態S01および状態S10のメモリにおいては、遷移cに応じたメモリにシフトが繰り返される。すなわち、パスメモリ123は、各段の状態S01においては、前段の状態S00のメモリの値を、後段の状態S11のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S10においては、前段の状態S11のメモリの値を、後段の状態S00のメモリにシフトする。
【0189】
また、PR(1,x,1)モードにおいては、PR(1,x,x,1)モードにおける状態S001および状態S110のメモリは、動作しない。
【0190】
以上のように、ビタビ復号回路112においては、PR(1,x,x,1)モードの場合、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移図を時系列で表現したトレリス(図16の実線矢印および点線矢印の状態遷移で構成されるトレリス)に基づいて、復号処理が行われ、PR(1,x,1)モードの場合、上述した2種類の状態遷移を切り替えることにより、図3のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移図を時系列で表現したトレリス(図16の実線矢印および太線点線矢印の状態遷移で構成されるトレリス)に基づいて、復号処理が行われる。
【0191】
次に、図17を参照して、ブランチメトリック計算部131の計算処理を具体的に説明する。なお、図17の例においては、ブランチメトリック計算部131−1の場合を例に説明する。
【0192】
図17のブランチメトリック計算部131は、マルチプレクサなどからなるセレクタ151、減算器152、および、自乗演算を行う演算部153により構成される。
【0193】
セレクタ151は、計算に用いる、各遷移cの理論値(識別基準値)であるc0000およびc000のどちらかを選択して、減算器152に出力する。すなわち、システム制御部111からモード選択信号(mode)が入力されると、セレクタ151は、各遷移cの理論値であるc0000またはc000の選択を、モード選択信号に応じて切り替えて、減算器152に出力する。
【0194】
減算器152は、標本化回路18からの入力信号zkから、セレクタ151から入力されるc0000またはc000を減算し、zk−c0000またはzk−c000を、演算部153に出力する。演算部153は、入力されたzk−c0000またはzk−c000を自乗し、bm0000k=(zk−c0000)^2またはbm000k=(zk−c000)^2を、加算比較部132に出力する。
【0195】
すなわち、セレクタ151は、PR(1,x,x,1)モードの場合には、c0000を選択し、減算器152に出力するので、減算器152は、標本化回路18からの入力信号zkから、セレクタ151から入力されるc0000を減算し、zk−c0000を、演算部153に出力し、演算部153は、入力されたzk−c0000を、自乗し、bm0000k=(zk−c0000)^2を、加算比較部132に出力する。
【0196】
一方、セレクタ151は、PR(1,x,1)モードの場合には、c000を選択し、減算器152に出力するので、減算器152は、標本化回路18からの入力信号zkから、セレクタ151から入力されるc000を減算し、zk−c000を、演算部153に出力し、演算部153は、入力されたzk−c000を、自乗し、bm000k=(zk−c000)^2を、加算比較部132に出力する。
【0197】
次に、図18を参照して、加算比較部132の計算処理を具体的に説明する。なお、図18の例においては、動作モードにより一部分が変更される加算比較部132−3の場合を説明する。したがって、比較を行うブロックは省略されている。
【0198】
図18の加算比較部132は、マルチプレクサなどからなるセレクタ161、および加算器162により構成される。
【0199】
システム制御部111からモード選択信号(mode)が入力されると、セレクタ161は、計算に用いる、加算比較部132−2の前状態のパスメトリックm001k-1、または加算比較部132−1の前状態のm000k-1(m00k-1)の選択を、モード選択信号に応じて切り替えて、加算器162に出力する。
【0200】
加算器162は、セレクタ161からの前状態のパスメトリックm001k-1またはm000k-1(m00k-1)に、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011k(bm001k)を加算し、加算結果を、現状態のパスメトリックm011k-1(m01k-1)として更新する。
【0201】
すなわち、セレクタ161は、PR(1,x,x,1)モードの場合には、加算比較部132−2の前状態のm001k-1を選択し、加算器162に出力する。加算器162は、セレクタ161からの前状態のパスメトリックm001k-1に、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011kを加算し、加算結果を、現状態のパスメトリックm011k-1として更新する。
【0202】
一方、セレクタ161は、PR(1,x,1)モードの場合には、加算比較部132−1の前状態のm000k-1(m00k-1)を選択し、加算器162に出力する。加算器162は、セレクタ161からの前状態のパスメトリックm000k-1(m00k-1)に、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011kを加算し、加算結果を、現状態のパスメトリックm011k-1(m01k-1)として更新する。
【0203】
図19は、図16のパスメモリ123のハードウェア構成例を示している。図19の例においては、図16のパスメモリ123のトレリスにおいて各状態を表す、フリップフロップなどにより構成されるメモリが3段示されているが、パスメモリ123におけるメモリは、実際には、16段や32段などで構成される。
【0204】
すなわち、図19のパスメモリ123は、図16のパスメモリ123のトレリスにおいて、状態S000(S00)に対応する3段のメモリ181−1乃至181−3、状態S001に対応する3段のメモリ182−1乃至182−3、状態S011(S01)に対応する3段のメモリ183−1乃至183−3、状態S100(S10)に対応する3段のメモリ184−1乃至184−3、状態S110に対応する3段のメモリ185−1乃至185−3、および状態S111(S11)に対応する3段のメモリ186−1乃至186−3で構成されている。
【0205】
メモリ181−1乃至183−1の入力端子は、接地されており、メモリ184−1乃至186−1の入力端子は、VDD(電源線)に接続されている。
【0206】
また、メモリ181−2および181−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ191−1および191−2がそれぞれ備えられている。メモリ182−2および182−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ192−1および192−2がそれぞれ備えられている。メモリ183−2および183−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ193−1および193−2がそれぞれ備えられている。
【0207】
メモリ184−2および184−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ194−1および194−2がそれぞれ備えられている。メモリ185−2および185−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ195−1および195−2がそれぞれ備えられている。メモリ186−2および186−3の前段には、マルチプレクサからなるセレクタ196−1および196−2がそれぞれ備えられている。
【0208】
以下、メモリ181−1乃至181−3、メモリ182−1乃至182−3、メモリ183−1乃至183−3、メモリ184−1乃至184−3、メモリ185−1乃至185−3、およびメモリ186−1乃至186−3を個々に区別する必要がない場合、単に、それぞれメモリ181乃至186と称する。同様に、セレクタ191−1および191−2、セレクタ192−1および192−2、セレクタ193−1および193−2、セレクタ194−1および194−2、セレクタ195−1および195−2、並びにセレクタ196−1および196−2を個々に区別する必要がない場合、単に、それぞれセレクタ191乃至196と称する。
【0209】
メモリ181は、格納される値を、セレクタ191を介して後段のメモリ181に、セレクタ192を介して後段のメモリ182に、および、セレクタ193を介して後段のメモリ183に、それぞれシフトするように構成されている。メモリ182は、格納される値を、セレクタ193を介して後段のメモリ183にシフトするように構成されている。
【0210】
メモリ183は、格納される値を、セレクタ195を介して後段のメモリ185に、および、セレクタ196を介して後段のメモリ186にシフトするように構成されている。メモリ184は、格納される値を、セレクタ191を介して後段のメモリ181に、および、セレクタ192を介して後段のメモリ182に、それぞれシフトするように構成されている。
【0211】
メモリ185は、格納される値を、セレクタ194を介して後段のメモリ184にシフトするように構成されている。メモリ186は、格納される値を、セレクタ194を介して後段のメモリ184、セレクタ195を介して後段のメモリ185に、および、セレクタ196を介して後段のメモリ186にシフトするように構成されている。
【0212】
セレクタ191は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−1からの選択結果(sel000)に応じて切り替えて、後段のメモリ181に出力する。セレクタ192は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−2からの選択結果(sel001)に応じて切り替えて、後段のメモリ182に出力する。
【0213】
セレクタ193は、前段のメモリ181および182からシフトされる値のどちらかを、システム制御部111からのモード選択信号(mode)に応じて切り替えて、後段のメモリ183に出力する。セレクタ194は、前段のメモリ185および186からシフトされる値のどちらかを、システム制御部111からのモード選択信号(mode)に応じて切り替えて、後段のメモリ184に出力する。
【0214】
セレクタ195は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−5からの選択結果(sel110)に応じて切り替えて、後段のメモリ185に出力する。セレクタ196は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−6からの選択結果(sel111)に応じて切り替えて、後段のメモリ186に出力する。
【0215】
すなわち、PR(1,x,x,1)モードの場合には、セレクタ191は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−1からの選択結果(sel000)に応じて切り替えて、後段のメモリ181に出力する。セレクタ192は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−2からの選択結果(sel001)に応じて切り替えて、後段のメモリ182に出力する。
【0216】
セレクタ193は、前段のメモリ181および182からシフトされる値のうち、メモリ182からシフトされる値を、後段のメモリ183に出力する。セレクタ194は、前段のメモリ185および186からシフトされる値のうち、メモリ185からシフトされる値を、後段のメモリ184に出力する。
【0217】
セレクタ195は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−5からの選択結果(sel110)に応じて切り替えて、後段のメモリ185に出力する。セレクタ196は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−6からの選択結果(sel111)に応じて切り替えて、後段のメモリ186に出力する。
【0218】
一方、PR(1,x,1)モードの場合には、セレクタ191は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−1からの選択結果(sel000)に応じて切り替えて、後段のメモリ181に出力する。セレクタ192は、加算比較部132−2からの選択結果(sel001)が入力されないので、動作しない。
【0219】
セレクタ193は、前段のメモリ181からシフトされる値を、後段のメモリ183に出力する。なお、セレクタ193には、前段のメモリ182から値は入力されない。セレクタ194は、前段のメモリ186からシフトされる値を、後段のメモリ184に出力する。なお、セレクタ194には、前段のメモリ185から値は入力されない。
【0220】
セレクタ195は、加算比較部132−5からの選択結果(sel110)が入力されないので動作しない。セレクタ196は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−6からの選択結果(sel111)に応じて切り替えて、後段のメモリ186に出力する。
【0221】
以上のように、パスメモリ123においては、セレクタ193および194の切り替えにより、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの兼用が可能となる。
【0222】
なお、図19のパスメモリ123において、図8に示されるPR(1,x,x,1)のパスメモリ43から追加されたものは、メモリ181からメモリ183への接続およびメモリ186からメモリ184への接続と、セレクタ193および194のみである。すなわち、PR(1,x,x,1) のパスメモリ43からのわずかな変更のみで、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの兼用が可能となる。
【0223】
次に、図20を参照して、図13の記録再生装置のモードを切り替える場合の復号処理を説明する。
【0224】
例えば、PR(1,x,x,1)モードで復号処理が実行されているとする。このとき、図示せぬ操作入力部などを介して、使用者からの動作モードの切り替え変更が指示されたり、あるいは、記録媒体14に記録されているデータに応じて、図13の記録再生装置内部において、動作モードの切り替えが指示される。
【0225】
これらの指示に対応して、システム制御部111は、ステップS111において、動作モードを、PR(1,x,1)モードまたはPR(1,x,x,1)モードのどちらかに選択し、選択結果をモード選択信号(mode)として、ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123に供給し、ステップS12に進む。
【0226】
システム制御部111から、モード選択信号(mode)が入力されると、ステップS12において、ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123を構成するセレクタは、PR(1,x,1)モードが選択されたかを判定し、PR(1,x,1)モードが選択されたと判定した場合、ステップS13に進み、PR(1,x,1)モードに切り替え、それ以降の復号処理を実行し、PR(1,x,1)モードによる復号処理の実行後、図20の処理を終了する。
【0227】
ステップS13の処理においては、具体的には、ブランチメトリック計算部131のセレクタ151は、PR(1,x,1)モードの場合には、c000を選択し、減算器152に出力するので、減算器152は、標本化回路18からの入力信号zkから、セレクタ151から入力されるc000を減算し、zk−c000を、演算部153に出力し、演算部153は、入力されたzk−c000を、自乗し、bm000k=(zk−c000)^2を、加算比較部132に出力する。
【0228】
加算比較部132のセレクタ161は、PR(1,x,1)モードの場合には、m000k-1(m00k-1)を選択し、加算器162に出力するので、加算器162は、セレクタ161からの前状態のパスメトリックm000k-1(m00k-1)に、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011kを加算し、加算結果を、現状態のパスメトリックm011k-1(m01k-1)として更新する。
【0229】
パスメモリ123のセレクタ191は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−1からの選択結果(sel000)に応じて切り替えて、後段のメモリ181に出力する。セレクタ192は、加算比較部132−2からの選択結果(sel001)が入力されないので、動作しない。
【0230】
セレクタ193は、前段のメモリ181からシフトされる値を、後段のメモリ183に出力する。セレクタ194は、前段のメモリ186からシフトされる値を、後段のメモリ184に出力する。なお、セレクタ193には、前段のメモリ182から値は入力されず、なお、セレクタ194には、前段のメモリ185から値は入力されない。
【0231】
セレクタ195は、加算比較部132−5からの選択結果(sel110)が入力されないので動作しない。セレクタ196は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−6からの選択結果(sel111)に応じて切り替えて、後段のメモリ186に出力する。
【0232】
一方、ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123を構成するセレクタは、ステップS12において、PR(1,x,1)モードが選択されていないと判定した場合(すなわち、PR(1,x,x,1)モードが選択されていると判定した場合)、ステップS14に進み、PR(1,x,x,1)モードで、それ以降の復号処理を実行し、PR(1,x,x,1)モードによる復号処理の実行後、図20の処理を終了する。
【0233】
ステップS14の処理においては、具体的には、ブランチメトリック計算回路121のセレクタ151は、PR(1,x,x,1)モードの場合には、c0000を選択し、減算器152に出力するので、減算器152は、標本化回路18からの入力信号zkから、セレクタ151から入力されるc0000を減算し、zk−c0000を、演算部153に出力し、演算部153は、入力されたzk−c0000を、自乗し、bm0000k=(zk−c0000)^2を、加算比較部132に出力する。
【0234】
加算比較選択回路122のセレクタ161は、PR(1,x,x,1)モードの場合には、m001k-1を選択し、加算器162に出力するので、加算器162は、セレクタ161からの前状態のパスメトリックm001k-1に、ブランチメトリック計算部131−5からのブランチメトリックbm0011kを加算し、加算結果を、現状態のパスメトリックm011k-1として更新する。
【0235】
パスメモリ123のセレクタ191は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−1からの選択結果(sel000)に応じて切り替えて、後段のメモリ181に出力する。セレクタ192は、前段のメモリ181および184からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−2からの選択結果(sel001)に応じて切り替えて、後段のメモリ182に出力する。
【0236】
セレクタ193は、前段のメモリ181および182からシフトされる値のうち、メモリ182からシフトされる値を、後段のメモリ183に出力する。セレクタ194は、前段のメモリ185および186からシフトされる値のうち、メモリ185からシフトされる値を、後段のメモリ184に出力する。
【0237】
セレクタ195は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−5からの選択結果(sel110)に応じて切り替えて、後段のメモリ185に出力する。セレクタ196は、前段のメモリ183および186からシフトされる値のどちらかを、加算比較部132−6からの選択結果(sel111)に応じて切り替えて、後段のメモリ186に出力する。
【0238】
以上のように、図13の記録再生装置においては、動作モードに応じて、ブランチメトリック計算回路121、加算比較選択回路122、およびパスメモリ123の構成が、簡単に切り替えられる。したがって、拘束長の種類毎に、各回路を有する必要がないため、回路規模の増大を抑制することができる。
【0239】
次に、図21および図22を参照して、2タイムスロットの演算を一度に行うことで動作速度を向上させた場合のビタビ復号回路について説明する。
【0240】
図21および図22は、2タイムスロットの演算を一度に行うビタビ復号回路112を示している。すなわち、図21および図22のビタビ復号回路112においては、図15および図16のビタビ復号回路112において行われる演算が2タイムスロット分行われることが異なるだけであり、基本的には、図15および図16のビタビ復号回路112と同様の構成であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
【0241】
すなわち、図21の例の場合、ビタビ復号回路112は、拘束長の最も長い(状態数の最も多い)動作モードのビタビ復号回路(すなわち、図11および図12のPR(1,x,x,1)のビタビ復号回路19)を基本に構成されており、ビタビ復号回路112を構成する各部は、システム制御部111からのモード選択信号に応じて、動作モードが切り替えられる。
【0242】
図21は、2タイムスロットの演算を一度に行うブランチメトリック計算回路121および加算比較選択回路122の構成例を示している。
【0243】
ブランチメトリック計算回路121は、図11のブランチメトリック計算回路41と同様に、前々状態からの2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算部231−1乃至231−16(以下、個々に区別する必要がない場合、ブランチメトリック計算部231と称する)を有しており、それぞれ、前々状態からの2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbmを計算して、加算比較選択回路122に出力する。
【0244】
ブランチメトリック計算回路121は、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、bmABCDE(A,B,C,DおよびEは、1または0)を計算するブランチメトリック計算部231を、bmABCDの計算に割り当てる。このとき、ブランチメトリック計算部231は、計算に用いるcABCDおよびcBCDEまたはcABCおよびcBCDを各動作モードで切り替えて、bmABCDE=(zk−cABCD)^2+(zk−cBCDE)^2の代わりに、bmABCD=(zk−cABC)^2+(zk−cBCD)^2を計算する。
【0245】
具体的には、ブランチメトリック計算部231−1は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00000k=bm0000k-1((zk-1−c0000)^2)+bm0000k((zk−c0000)^2)を計算し、加算比較部232−1に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0000k=bm000k-1((zk-1−c000)^2)+bm000k((zk−c000)^2)を計算し、加算比較部232−1に出力する。
【0246】
以下、同様に、ブランチメトリック計算部231−2は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10000k=bm1000k-1+bm0000kを計算し、加算比較部232−1に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1000k=bm100k-1+bm000kを計算し、加算比較部232−1に出力する。
【0247】
ブランチメトリック計算部231−3は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11000k=bm1100k-1+bm1000kを計算し、加算比較部232−1に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1100k=bm110k-1+bm100kを計算し、加算比較部232−1に出力する。
【0248】
ブランチメトリック計算部231−4は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00001k=bm0000k-1+bm0001kを計算し、加算比較部232−2に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部231−5は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10001k=bm1000k-1+bm0001kを計算し、加算比較部232−2に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部231−6は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11001k=bm1100k-1+bm1001kを計算し、加算比較部232−2に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0249】
ブランチメトリック計算部231−7は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00011k=bm0001k-1+bm0011kを計算し、加算比較部232−3に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0001k=bm000k-1+bm001kを計算し、加算比較部232−3に出力する。
【0250】
ブランチメトリック計算部231−8は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm10011k=bm1001k-1+bm0011kを計算し、加算比較部232−3に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1001k=bm100k-1+bm001kを計算し、加算比較部232−3に出力する。
【0251】
ブランチメトリック計算部231−9は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01100k=bm0110k-1+bm1100kを計算し、加算比較部232−4に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0110k=bm011k-1+bm110kを計算し、加算比較部232−4に出力する。
【0252】
ブランチメトリック計算部231−10は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11100k=bm1110k-1+bm1100kを計算し、加算比較部232−4に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1110k=bm111k-1+bm110kを計算し、加算比較部232−4に出力する。
【0253】
ブランチメトリック計算部231−11は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00110k=bm0011k-1+bm0110kを計算し、加算比較部232−5に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部231−12は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01110k=bm0111k-1+bm1110kを計算し、加算比較部232−5に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。ブランチメトリック計算部231−13は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11110k=bm1111k-1+bm1110kを計算し、加算比較部232−5に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0254】
ブランチメトリック計算部231−14は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm00111k=bm0011k-1+bm0111kを計算し、加算比較部232−6に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0011k=bm001k-1+bm011kを計算し、加算比較部232−6に出力する。
【0255】
ブランチメトリック計算部231−15は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm01111k=bm0111k-1+bm1111kを計算し、加算比較部232−6に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm0111k=bm011k-1+bm111kを計算し、加算比較部232−6に出力する。
【0256】
ブランチメトリック計算部231−16は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm11111k=bm1111k-1+bm1111kを計算し、加算比較部232−6に出力するが、PR(1,x,1)モードにおいては、2タイムスロット分の状態遷移に対応するブランチメトリックbm1111k=bm111k-1+bm111kを計算し、加算比較部232−6に出力する。
【0257】
加算比較選択回路122は、図11の加算比較選択回路42と同様に、前々状態のパスメトリックと、ブランチメトリック計算回路41から入力されるブランチメトリックを加算し、状態Sまでの履歴の尤度であるパスメトリックmを、現状態として更新する、各状態数(図21の例の場合、6)分の加算比較部232−1乃至232−6(以下、個々に区別する必要がない場合、加算比較部232と称する)を有している。
【0258】
加算比較選択回路122も、図21のブランチメトリック計算回路121と同様に、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、mABCを計算する加算比較部232を、mABの計算に割り当てる。
【0259】
なお、ここで、加算比較部232−1において更新されるm00に相当するm000の前々状態は、m110であるが、m110を求める加算比較部232−5は、PR(1,x,1)モードにおいては動作しない状態になる。そこで、この部分のみ、PR(1,x,1)モードにおいては、加算比較部232−6で求められるm111(m11)に変更して(切り替えて)、使用するようにする。
【0260】
また、加算比較部232−1の場合と同様に、加算比較部232−6において更新されるm11に相当するm111の前々状態は、m001であるが、m001を求める加算比較部232−2は、PR(1,x,1)モードにおいては動作しない状態になる。そこで、この部分のみ、PR(1,x,1)モードにおいては、加算比較部232−1で求められるm000(m00)に変更して使用するようにする。
【0261】
これらの変更により、パスメモリ123で用いられるPR(1,x,x,1)の状態遷移のトレリスが、PR(1,x,1)モード(すなわち、図10のパスメモリ43のPR(1,x,1)の状態遷移の2タイムスロットの場合のトレリス)とも一致するようになり、加算比較選択回路122のPR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードでの兼用が可能になる。
【0262】
具体的には、加算比較部232−1は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−1からのブランチメトリックbm00000k、ブランチメトリック計算部231−2からのブランチメトリックbm10000k、およびブランチメトリック計算部231−3からのブランチメトリックbm11000kを入力すると、加算比較部232−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、加算比較部232−4の前々状態のパスメトリックm100k-2、および、加算比較部232−5の前々状態のパスメトリックm110k-2を用いて、上述した式(15)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S000までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm000kを更新するとともに、状態S000の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0263】
一方、加算比較部232−1は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−1からのブランチメトリックbm0000k、ブランチメトリック計算部231−2からのブランチメトリックbm1000k、およびブランチメトリック計算部231−3からのブランチメトリックbm1100kを入力すると、加算比較部232−1の前々状態のパスメトリックm00k-2、加算比較部232−4の前々状態のパスメトリックm10k-2、および、加算比較部232−6(変更後)の前々状態のパスメトリックm11k-2を用いて、上述した式(11)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S00までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm00kを更新するとともに、状態S00の値を保持するメモリに、選択結果(sel000)を出力する。
【0264】
加算比較部232−2は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−4からのブランチメトリックbm00001k、ブランチメトリック計算部231−5からのブランチメトリックbm10001k、およびブランチメトリック計算部231−6からのブランチメトリックbm11001kを入力すると、加算比較部232−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、加算比較部232−4の前々状態のパスメトリックm100k-2、および、加算比較部232−5の前々状態のパスメトリックm110k-2を用いて、上述した式(16)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S001までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm001kを更新するとともに、状態S001の値を保持するメモリに、選択結果(sel001)を出力する。
【0265】
一方、加算比較部232−2は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0266】
加算比較部232−3は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−7からのブランチメトリックbm00011k、およびブランチメトリック計算部231−8からのブランチメトリックbm10011kを入力すると、加算比較部232−1の前々状態のパスメトリックm000k-2、および、加算比較部232−4の前々状態のパスメトリックm100k-2を用いて、上述した式(17)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S011までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm011kを更新するとともに、状態S011の値を保持するメモリに、選択結果(sel011)を出力する。
【0267】
一方、加算比較部232−3は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−7からのブランチメトリックbm0001k、およびブランチメトリック計算部231−8からのブランチメトリックbm1001kを入力すると、加算比較部232−1の前々状態のパスメトリックm00k-2、および、加算比較部232−4の前々状態のパスメトリックm10k-2を用いて、上述した式(12)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S01までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm01kを更新するとともに、状態S01の値を保持するメモリに、選択結果(sel011)を出力する。
【0268】
加算比較部232−4は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−9からのブランチメトリックbm01100k、およびブランチメトリック計算部231−10からのブランチメトリックbm11100kを入力すると、加算比較部232−6の前々状態のパスメトリックm111k-2、および、加算比較部232−3の前々状態のパスメトリックm011k-2を用いて、上述した式(18)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S100までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm100kを更新するとともに、状態S100の値を保持するメモリに、選択結果(sel100)を出力する。
【0269】
一方、加算比較部232−4は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−9からのブランチメトリックbm0110k、およびブランチメトリック計算部231−10からのブランチメトリックbm1110kを入力すると、加算比較部232−6の前々状態のパスメトリックm11k-2、および、加算比較部232−3の前々状態のパスメトリックm01k-2を用いて、上述した式(13)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S10までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm10kを更新するとともに、状態S10の値を保持するメモリに、選択結果(sel100)を出力する。
【0270】
加算比較部232−5は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−11からのブランチメトリックbm00110k、ブランチメトリック計算部231−12からのブランチメトリックbm01110k、およびブランチメトリック計算部231−13からのブランチメトリックbm11110kを入力すると、加算比較部232−2の前々状態のパスメトリックm001k-2、加算比較部232−3の前々状態のパスメトリックm011k-2、および、加算比較部232−6の前々状態のパスメトリックm111k-2を用いて、上述した式(19)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S110までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm110kを更新するとともに、状態S110の値を保持するメモリに、選択結果(sel110)を出力する。
【0271】
一方、加算比較部232−5は、PR(1,x,1)モードにおいては、動作しない。
【0272】
加算比較部232−6は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−14からのブランチメトリックbm00111k、ブランチメトリック計算部231−15からのブランチメトリックbm01111k、およびブランチメトリック計算部231−16からのブランチメトリックbm11111kを入力すると、加算比較部232−2の前々状態のパスメトリックm001k-2、加算比較部232−3の前々状態のパスメトリックm011k-2、および、加算比較部232−6の前々状態のパスメトリックm111k-2を用いて、上述した式(20)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S111までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm111kを更新するとともに、状態S111の値を保持するメモリに、選択結果(sel111)を出力する。
【0273】
一方、加算比較部232−6は、PR(1,x,1)モードにおいては、ブランチメトリック計算部231−14からのブランチメトリックbm0011k、ブランチメトリック計算部231−15からのブランチメトリックbm0111k、およびブランチメトリック計算部231−16からのブランチメトリックbm1111kを入力すると、加算比較部232−1(変更後)の前々状態のパスメトリックm00k-2、加算比較部232−3の前々状態のパスメトリックm01k-2、および、加算比較部232−6の前々状態のパスメトリックm11k-2を用いて、上述した式(14)を計算し、その加算、比較、および選択結果に応じて、状態S11までの履歴の尤度である、現状態のパスメトリックm11kを更新するとともに、状態S11の値を保持するメモリに、選択結果(sel111)を出力する。
【0274】
図22は、2タイムスロットの演算を一度に行うパスメモリ123の構成例を示している。
【0275】
パスメモリ123は、図12のパスメモリ43と同様に、図4の状態遷移図を2タイムスロットの時系列で表現した6状態のトレリスと同一形状のパスメモリにより構成される。なお、図22のパスメモリ123において、実線の丸は、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの両方で使用される状態を表し、点線の丸は、PR(1,x,x,1)モードのみで使用される状態を表す。また、実線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの両方で使用される状態遷移を表し、点線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードのみで使用される状態遷移を表し、太線点線矢印の状態遷移は、PR(1,x,x,1)モードでは使用されず、PR(1,x,1)モードで使用のために変更された状態遷移を表している。
【0276】
すなわち、図22のパスメモリ123は、加算比較選択回路122と同様に、動作モードがPR(1,x,1)モードに切り替わると、状態S001から状態S111の状態遷移を、状態S000(S00)から状態S111(S11)の状態遷移に変更し、状態S110から状態S000の状態遷移を、状態S111(S11)から状態S000(S00)の状態遷移に変更して、動作を行う。
【0277】
これらの変更により、パスメモリ123で用いられるPR(1,x,x,1)の状態遷移のトレリスが、PR(1,x,1)の状態遷移のトレリス(例えば、図10のパスメモリ43のトレリス)とも一致するようになり、パスメモリ123のPR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードでの兼用が可能になる。
【0278】
すなわち、パスメモリ123は、PR(1,x,x,1)モードにおいては、図12のパスメモリ43と同様に動作し、各段の状態S000のメモリにおいては、前段の状態S000、状態S100または状態S110のメモリの値を、加算比較部232−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、状態S011のメモリおよび状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S001のメモリにおいては、前段の状態S000、状態S100または状態S110のメモリの値を、加算比較部232−2からの選択結果であるsel001に従って選択し、後段の状態S110のメモリ、および状態S111のメモリにシフトする。
【0279】
また、パスメモリ123は、各段の状態S011のメモリにおいては、前段の状態S000、または状態S100のメモリの値を、加算比較部232−3からの選択結果であるsel011に従って選択し、後段の状態S100のメモリ、状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S100のメモリにおいては、前段の状態S011、または状態S111のメモリの値を、加算比較部232−4からの選択結果であるsel100に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、状態S001のメモリおよび状態S011のメモリにシフトする。
【0280】
また、パスメモリ123は、各段の状態S110のメモリにおいては、前段の状態S001、状態S011または状態S111のメモリの値を、加算比較部232−5からの選択結果であるsel110に従って選択し、後段の状態S000のメモリ、および状態S001のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S111のメモリにおいては、前段の状態S001、状態S011または状態S111のメモリの値を、加算比較部232−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S100のメモリ、状態S110のメモリおよび状態S111のメモリにシフトする。
【0281】
一方、パスメモリ123は、PR(1,x,1)モードにおいては、図10のパスメモリ43と同様に動作し、各段の状態S00のメモリにおいては、前段の状態S00、状態S10、または状態S11のメモリの値を、加算比較部232−1からの選択結果であるsel000に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、状態S01のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S01のメモリにおいては、状態S00、または状態S10のメモリの値を、加算比較部232−3からの選択結果であるsel001に従って選択し、後段の状態S10のメモリまたは状態S11のメモリにシフトする。
【0282】
また、パスメモリ123は、各段の状態S10のメモリにおいては、前段の状態S01、または状態S11のメモリの値を、加算比較部232−4からの選択結果であるsel100に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、および状態S01のメモリにシフトする。パスメモリ123は、各段の状態S11のメモリにおいては、前段の状態S00、状態S01、または状態S11のメモリの値を、加算比較部232−6からの選択結果であるsel111に従って選択し、後段の状態S00のメモリ、状態S10のメモリおよび状態S11のメモリにシフトする。
【0283】
なお、PR(1,x,1)モードにおいては、PR(1,x,x,1)モードにおける状態S001および状態S110のメモリは動作しない。
【0284】
以上のように、2タイムスロットの演算を一度に行うビタビ復号回路112においては、PR(1,x,x,1)モードの場合、図4のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移図を2タイムスロットの時系列で表現したトレリス(図22の実線矢印および点線矢印の状態遷移で構成されるトレリス)に基づいて、復号処理が行われ、PR(1,x,1)モードの場合、上述した2種類の状態遷移を切り替えることにより、図3のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移図を2タイムスロットの時系列で表現したトレリス(図22の実線矢印および太線点線矢印の状態遷移で構成されるトレリス)に基づいて、復号処理が行われる。
【0285】
したがって、2タイムスロットの演算を一度に行うビタビ復号回路112の場合も、図15および図16の1タイムスロットの演算を行うビタビ復号回路112と同様に、拘束長の最も長い動作モード(PR(1,x,x,1)モード)のビタビ復号回路において、わずかな変更のみで、PR(1,x,x,1)モードおよびPR(1,x,1)モードの兼用が可能となる。
【0286】
すなわち、拘束長の最も長い動作モードの状態遷移のうち、拘束長の短い動作モードでは使用しない状態遷移を、拘束長の最も長い動作モードには、存在せず、かつ、拘束長の短い動作モードで必要な状態遷移に変更(切り替える)ようにすることで、拘束長の最も長い動作モードで構成されるビタビ復号回路112において、拘束長の短い動作モードでの復号が実行可能になる。
【0287】
以上のように、複数の回路を有することなく、単一の回路で複数の動作モードに対応するようにしたので、回路規模を削減することができる。これにより、回路を設計するためのコスト削減や、設計の容易化を図ることができる。
【0288】
また、この回路においては、それぞれの動作モードに最適なPRクラスを選択することができるので、再生特性の向上を図ることができる。
【0289】
なお、上記説明においては、d制限=1の場合について説明したが、本発明は、d制限によらず適用される。また、記録媒体13が光ディスクである場合のPR(1,x,1)およびPR(1,x,x,1)の2種類のモードを切り替える場合を説明したが、本発明は、光ディスクに限らず、PR1や磁気記録で使用されるPR4やEPR(Extended Partial Response(Class))4など各種のPRML方式に適用可能であり、さらに、3種類以上のモードで切り替えるようにしてもよい。
【0290】
さらに、上記説明においては、1タイムスロットおよび2タイムスロット毎の演算を行う例を説明したが、本発明は、1および2タイムスロットに限らず、3以上のタイムスロットで演算を行う場合にも適用可能である。
【0291】
また、上記説明においては、記録再生装置において符号化処理、および復号処理を実行する場合について説明したが、本発明は、記録再生処理を行う場合のみに限定されず、ネットワークを介して符号化信号を伝送する伝送システムにおいて実行される符号化処理および復号処理にも適用することができる。
【0292】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図13の記録再生装置は、図23に示されるような記録再生装置301により構成される。
【0293】
図23において、CPU(Central Processing Unit)311は、ROM(Read Only Memory) 312に記憶されているプログラム、または、記憶部318からRAM(Random Access Memory)313にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM313にはまた、CPU311が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0294】
CPU311、ROM312、およびRAM313は、バス314を介して相互に接続されている。このバス314にはまた、入出力インタフェース315も接続されている。
【0295】
入出力インタフェース315には、キーボード、マウスなどよりなる入力部316、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部317、ハードディスクなどより構成される記憶部318、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部319が接続されている。通信部319は、図示しないネットワークを介しての通信処理を行う。
【0296】
入出力インタフェース315にはまた、必要に応じてドライブ320が接続され、磁気ディスク321、光ディスク322、光磁気ディスク323、或いは半導体メモリ324などが適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部318にインストールされる。
【0297】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0298】
この記録媒体は、図23に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク321(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク322(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク323(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ324などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM312や、記憶部318に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0299】
なお、本明細書において、フローチャートに示されるステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0300】
【図1】従来の記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のビタビ復号回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】d制限=1のPR(1,x,1)伝送路の状態遷移の構成例を示す図である。
【図4】d制限=1のPR(1,x,x,1)伝送路の状態遷移の構成例を示す図である。
【図5】図3の場合のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】図3の場合のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図7】図4の場合のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図8】図4の場合のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図9】2タイムスロットの演算を行う図3の場合のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図10】2タイムスロットの演算を行う図3の場合のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図11】2タイムスロットの演算を行う図4の場合のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図12】2タイムスロットの演算を行う図4の場合のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】図13のビタビ復号回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図16】図14のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図17】図15のブランチメトリック計算部の構成例を示すブロック図である。
【図18】図15の加算比較部の構成例を示すブロック図である。
【図19】図16のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図20】図17の記録再生装置の処理を説明するフローチャートである。
【図21】2タイムスロットの演算を行う図14のブランチメトリック計算回路および加算比較選択回路の構成例を示すブロック図である。
【図22】2タイムスロットの演算を行う図14のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明の記録再生装置の他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0301】
111 システム制御部,112 ビタビ復号回路,121 ブランチメトリック計算回路,122 加算比較選択回路,123 パスメモリ,131−1乃至131−10 ブランチメトリック計算部,132−1乃至132−6 加算比較部,151 セレクタ,152 加算部,153 演算部,161 セレクタ,162 加算部,181−1乃至186−1,181−2乃至186−2,181−3乃至186−3 メモリ,191−1乃至194−1,191−2乃至194−2 セレクタ,195−1,195−2 セレクタ,196−1,196−2 セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態数の異なる複数の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号装置において、
第1の状態遷移トレリスに基づいて、前記符号化信号を復号する復号手段と、
前記第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または前記第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択手段と
を備え、
前記復号手段は、前記モード選択手段により前記第2の動作モードが選択された場合、前記第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、前記第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、前記符号化信号を復号する
ことを特徴とする復号装置。
【請求項2】
前記復号手段は、
ブランチメトリックを計算するブランチメトリック計算手段と、
前記ブランチメトリック計算手段により計算されたブランチメトリックに基づいて、最尤パスメトリックを選択するパスメトリック選択手段と、
前記パスメトリック選択手段による選択結果に従って、メモリに記憶される情報をシフトすることにより復号信号を得るパスメモリと
を備えることを特徴とする請求項1に記載の復号装置。
【請求項3】
状態数の異なる複数の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する復号装置の復号方法において、
第1の状態遷移トレリスに基づいて、前記符号化信号を復号する復号ステップと、
前記第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または前記第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップと
を含み、
前記復号ステップでは、前記モード選択ステップの処理により前記第2の動作モードが選択された場合、前記第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、前記第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、前記符号化信号を復号する
ことを特徴とする復号方法。
【請求項4】
状態数の異なる複数の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する処理をコンピュータに行わせるプログラムが記録されているプログラム記録媒体であって、
第1の状態遷移トレリスに基づいて、前記符号化信号を復号する復号ステップと、
前記第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または前記第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップと
を含み、
前記復号ステップでは、前記モード選択ステップの処理により前記第2の動作モードが選択された場合、前記第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、前記第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、前記符号化信号を復号する
ことを特徴とするプログラムが記録されているプログラム記録媒体。
【請求項5】
状態数の異なる複数の状態遷移トレリスに基づいて、符号化信号を復号する処理をコンピュータに行わせるプログラムであって、
第1の状態遷移トレリスに基づいて、前記符号化信号を復号する復号ステップと、
前記第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または前記第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択ステップと
を含み、
前記復号ステップでは、前記モード選択ステップの処理により前記第2の動作モードが選択された場合、前記第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、前記第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、前記符号化信号を復号する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
所定の記録媒体に信号を記録し、前記記録媒体から信号を再生し、状態数の異なる複数の状態遷移トレリスに基づいて復号する記録再生装置において、
前記記録手段により前記記録媒体に記録された前記信号を、PR(Partial Response)特性に等化して再生する再生手段と、
第1の状態遷移トレリスに基づいて、前記再生手段により再生された前記信号を復号する復号手段と、
前記第1の状態遷移トレリスに基づいた第1の動作モード、または前記第1の状態遷移トレリスよりも状態数が少ない第2の状態遷移トレリスに基づいた第2の動作モードを選択するモード選択手段と
を備え、
前記復号手段は、前記モード選択手段により前記第2の動作モードが選択された場合、前記第1の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第2の状態遷移トレリスが対応していない第1の状態遷移を、前記第2の状態遷移トレリスの状態遷移のうち、前記第1の状態遷移トレリスが対応していない第2の状態遷移に切り替えて、前記信号を復号する
ことを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−14049(P2006−14049A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189951(P2004−189951)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】