説明

微小物体の外観検査装置

【課題】微小物体の外観検査装置において、微小物体の多様な仕様に対応しつつ、外観の広い領域に亘って高精度な検査を行う。
【解決手段】微小物体50の外観検査装置100は、表面に吸着部22を有し、被検査体を回転搬送する第1ドラム7と、被検査体及び中央部を通る線上の、被検査体及び中央部間の一の領域に配置された撮影手段31と、当該線上の他の領域に配置された撮影手段32と、側面に吸着部23を有し、被検査体を回転搬送する第2ドラム9と、第2ドラムの表側及び裏側にそれぞれ配置された撮影手段33、34と、側面に吸着部24を有し、被検査体を回転搬送する第3ドラム11と、第3ドラムの表側及び裏側にそれぞれに配置された撮影手段35、36と、これら撮影手段によって撮影された画像情報から不具合の有無を判定する判定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カプセル剤、錠剤、並びにICチップ及びチップ型コンデンサ等の電子部品等の微小物体の外観検査を行うための微小物体の外観検査装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の外観検査装置には、被検査体たる微小物体の外観についての不具合(例えば、遺物付着、傷、バリ、変色、異品種混入等)の有無を、微小物体の表面をカメラ等の撮影手段によって撮影された画像に基づいて判定するものがある。このような外観検査装置では、被検査体を搬送することによって撮影手段に対する被検査体の姿勢を変更しながら、複数の方向から撮影が行われ、被検査体の表面の広い領域に亘って検査が実施される。
【0003】
例えば特許文献1には、回転インデクサの表面上に設けられた溝内に被検査体を固定しつつ、当該回転インデクサを回転することによって搬送されている被検査体を、複数台のカメラによって多角的に撮影する技術が開示されている。また、特許文献2には、回転インデクサの側面に設けられたスリット間を通過する被検査体に対し、照明によって光を照らしながら、複数台のカメラで多角的な撮影を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3511025号
【特許文献2】特許第3724583号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の各特許文献では、被検査体の周辺に配置された溝やスリットによって、被検査体の表面に輝度ムラや影が生じたり、カメラの配置方向によっては溝やスリットが障害物となって被検査体の表面を少なからず隠してしまうおそれがある。このような外観検査装置において、不具合の有無は撮影された画像に基づいて行われるため、このような影や障害物が画像中に移りこんでしまうと、検査精度を低下させてしまうという技術的問題点がある。このような問題点は、被検査体の表面を明るく鮮明に写し出すべく、照明等によって被検査体に光を照射した場合に、より顕著となる。
【0006】
また、特許文献2ではカメラのレンズ付近に取り付けられた(即ち、被検査体から見てカメラ側に配置されている)照明によって被検査体の表面を照らすことで、被検査体の表面からの反射光を取得し、鮮明な画像を撮影することができるとされている。しかしながら、被検査体が例えば光透過性に優れた特性を有する場合(例えば、被検査体が透明である場合)など、被検査体の表面から良好な反射光が得ることができない場合に対応することが困難であるという技術的問題点がある。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば、カプセル剤、錠剤及び電子部品等の微小物体の外観検査装置であって、多様な仕様の微小物体に広く対応可能で、外観の広い領域に亘って高精度な検査を行うことが可能な微小物体の外観検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の微小物体の外観検査装置は上記課題を解決するために、第1の表面に設けられた第1の吸着部によって微小物体を吸着しつつ、前記第1の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第1のドラムと、前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の吸着部に吸着された微小物体及び前記第1の表面の中央部を通る第1の基準線上のうち、前記第1の吸着部に吸着された微小物体及び前記第1の表面の中央部間の一の領域に配置され、前記第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第1の撮影手段と、前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の基準線上のうち前記一の領域を除く他の領域に配置され、前記第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第2の撮影手段と、(i)前記第1の表面に平行な第2の表面及び(ii)第2の側面を有し、当該第2の側面に設けられた第2の吸着部によって前記第1のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、前記第2の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第2のドラムと、前記第2のドラムの表側及び裏側の一方から、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第3の撮影手段と、前記第2のドラムの表側及び裏側の他方から、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第4の撮影手段と、(i)前記第2の表面に平行な面に交差する第3の表面及び(ii)第3の側面を有し、当該第3の側面に設けられた第3の吸着部によって前記第2のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、前記第3の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第3のドラムと、前記第3のドラムの表側及び裏側の一方から、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第5の撮影手段と、前記第3のドラムの表側及び裏側の他方から、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第6の撮影手段と、前記第1乃至第6の撮影手段によって撮影されることにより取得した画像情報に基づいて、前記微小物体の表面状態における不具合の有無を判定する判定手段とを備える。
【0009】
本発明に係る微小物体の外観検査装置は、第1乃至第3のドラム、第1乃至第6の撮影手段、及び判定手段を備える。
【0010】
第1乃至第3のドラムは、いずれも円盤状、例えば、円形状の表面及び側面部を有する円筒形の形状を有しており、表面の中心に取り付けられた回転軸によって回転可能に構成されている。
【0011】
第1乃至第6の撮影手段は、微小物体を撮影することによって画像に関する情報を取得可能な範囲において限定されず、例えばCCDカメラ等の各種カメラである。その表面状態を認識可能な程度の解像度を有することが好ましく、カラー及びモノクロを問わない。
【0012】
被検査体たる微小物体は、例えば、カプセル剤、錠剤、並びにICチップ及びチップ型コンデンサ等の電子部品等を微小な有形物を幅広く含む。尚、カプセル剤について詳しく説明すると、ハードカプセル、ソフトカプセル、印刷カプセルのいずれであってもよく、キャップ及びボディから形成されていてもよく、形状は、球状又はオーバル形状等であってもよい。また、その色彩は単数又は複数(透明を含む)に着色されていてもよい。更には、微小物体は単一種類である必要は必ずしもなく、複数種類が混在していてもよい。
【0013】
本発明に係る「第1のドラム」は、第1の表面に設けられた第1の吸着部によって微小物体を吸着しつつ、第1の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送する。
【0014】
第1のドラムには、例えば供給レーン等から微小物体が供給される。ここで、供給された微小物体は、第1の表面に設けられた吸着部によって保持される。
【0015】
第1の吸着部は、吸着によって供給された微小物体を保持する。従って、微小物体が第1のドラムによって搬送されている間、微小物体の姿勢は安定的に保持される。技術的思想として、微小物体をローラー上において転がすことによって微小物体の撮影角度を変化させることも考えられるが、この場合、微小物体の姿勢は不安定であり、ユーザ側が撮影角度を制御することは困難である。その点、本発明では、微小物体を吸着によって安定的に保つことができるので、ユーザ側が微小物体の姿勢を制御することができ、後述する各撮影手段によって意図する方向から微小物体の画像を取得することができる。
【0016】
本発明に係る「第1の撮影手段」は、第1の表面の法線方向から見て、第1の吸着部に吸着された微小物体及び第1の表面の中央部を通る第1の基準線上のうち、第1の吸着部に吸着された微小物体及び第1の表面の中央部間の一の領域に配置され、第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する。ここで、「第1の表面の中央部」とは、第1の表面の法線方向から見た場合に、当該第1の表面の中心を含む一の領域を意味する。また、「第1の基準線」は、円形の形状を有する第1のドラムの表面の半径方向に平行な線であって、第1の吸着部に吸着された微小物体の位置の変化に伴って、絶対的な位置が時間的に変化する基準線である。言い換えると、一の微小物体を基準として第1の基準線を見た場合、相対的な第1の基準線の位置は不変であるものの、微小物体は第1のドラムの回転に伴って移動するため、第1の基準線の絶対的な位置は時間的に変化することとなる。
【0017】
第1の撮影手段は、第1の基準線上のうち、第1の吸着部に吸着された微小物体及び第1の表面の中央部間の一の領域に配置され、第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する。即ち、第1の撮影手段は、第1の表面部の法線方向から平面的に見た場合に、微小物体を第1のドラムの内側から撮影する。
【0018】
本発明に係る「第2の撮影手段」は、第1の表面の法線方向から見て、第1の基準線上のうち一の領域を除く他の領域に配置され、第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する。即ち、第1の撮影手段は、第1の表面部の法線方向から平面的に見た場合、微小物体を第1のドラムの外側から撮影する。
【0019】
補足して説明すると、上述の通り第1の基準線は時間的に絶対的な位置が変化するため、必ずしも第1及び第2の撮影手段は、その絶対的な位置が対向する必要はない。つまり、第1及び第2の撮影手段の両者は、第1のドラムの表面部の半径方向に沿って延在する一の線上において互いに対向するように配置されていてもよいし、第1の撮影手段は第1のドラムの表面部の半径方向に沿って延在する一の線上に第1のドラムの内側に配置されると共に、第2の撮影手段は第1のドラムの表面部の半径方向に沿って延在する他の線上に第1のドラムの外側に配置されてもよい。
【0020】
本発明に係る「第2のドラム」は、第1の表面に平行な第2の表面、及び第2の側面を有し、当該第2の側面に設けられた第2の吸着部によって第1のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、第2の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送する。つまり、第2のドラムには、第1のドラムによって搬送された微小物体が供給され、当該供給された微小物体を第2の吸着部に吸着することによって搬送する。ここで、第2の吸着部もまた、上述の第1の吸着部と同様に、吸着によって微小物体を保持するので、微小物体が第2のドラムによって搬送されている間、微小物体の姿勢を安定的に保持することができる。
【0021】
本発明に係る「第3の撮影手段」及び「第4の撮影手段」は、夫々、第2のドラムの表側及び裏側から、第2の吸着部に吸着された微小物体を撮影する。上述の第1及び第2の撮影手段では、第1のドラムの表面(即ち、第1の表面)上に保持された状態の微小
物体を撮影しているが、ここでは、第2のドラムの側面上に保持された状態の微小物体を撮影する。そのため、第1及び第2の撮影手段とは異なる2つの角度から、微小物体を撮影することができる。
【0022】
本発明に係る「第3のドラム」は、第2の表面に平行な面に交差する第3の表面及び第3の側面を有し、当該第3の側面に設けられた第3の吸着部によって第2のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、第3の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送する。つまり、第3のドラムには、第2のドラムによって搬送された微小物体が供給され、当該供給された微小物体は、第3の吸着部に吸着することによって搬送される。ここで、第3の吸着部もまた、上述の第1及び第2の吸着部と同様に、吸着によって微小物体を保持するので、微小物体が第3のドラムによって搬送されている間、微小物体の姿勢を安定的に保持することができる。
【0023】
尚、上記各吸着部の吸着力は、微小物体の形状、重量及び安定度によって、吸着部から微小物体が落下しない程度に設定されているとよい。
【0024】
本発明に係る「第5の撮影手段」及び「第6の撮影手段」は、夫々、第3のドラムの表側及び裏側から、第3の吸着部に吸着された微小物体を撮影する。上述の第1及び第2の撮影手段並びに第3及び第4の撮影手段では、第1の表面及び第1の表面に平行な第2の表面の側面に保持された状態の微小物体を撮影しているが、ここでは、第2の表面に平行な一の面に交わる第3の表面に隣接する側面上に保持された状態の微小物体を撮影する。そのため、第1及び第2の撮影手段並び第3及び第4の撮影手段にとは異なる2つの角度から、微小物体を撮影することができる。
【0025】
このように、第1乃至第6の撮影手段によって撮影が行われる方向は互いに異なる。即ち、撮影対象たる微小物体を基準とする相対的位置が互いに異なる6つの撮影手段によって、微小物体の外観を広く撮影することができる。特に、6つの撮影手段の相対的位置は、各ドラムや撮影手段の配置によってユーザ側が積極的に設定することが可能である。そのため、ローラー上で被検査体を転がしてランダムに表面を撮影する場合に比べて、微小物体の表面について検査漏れが生じることを防止することができる。
【0026】
上述の各吸着部では微小物体が吸着されることにより保持されるが、微小物体の表面のうち当該吸着されている面以外の表面は、大気中に露出しており、その周辺にはスリットや溝などの構成要素は存在しない。従って、各撮影手段によって微小物体の表面を撮影する際に、影や障害物の写りこみの極めて少ない又はまったくない画像を取得することができる。このような画像に基づいて不具合の判定を行うことにより、高精度な外観検査を実施することが可能となる。
【0027】
本発明に係る「判定手段」は、第1乃至第6の撮影手段によって撮影されることにより取得された画像情報に基づいて、微小物体の表面に係る不具合の有無を判定する。ここで、「微小物体の表面に係る不具合」とは、予め正常である表面を表わすものとして規定された基準パラメータに対して、各撮影手段によって取得された画像に基づいて得られた当該基準パラメータに対応するパラメータを比べることによって、両者に差異がある場合をいう。ここで、当該差異の有無は、例えば、予め決められた閾値に比べて、基準パラメータと得られたパラメータとの差異が大きいか否かによって判定してもよい。具体例な不具合として、例えば、汚点、異物付着、バリ、傷、つぶれ、へこみ、ささくれ、気泡、黒点、ダブルキャップ、変色、印刷不良等の各種表面欠陥や異品種混入等がある。
【0028】
尚、判定手段は不具合の有無に加えて、その不具合の内容について具体的な出力を行ってもよい。例えば、上述の検査項目について、夫々、数値化したデータを出力又はメ
モリー等の記憶手段に電子データとして格納してもよい。尚、判定手段は、画像情報をそのまま解析するだけでなく、フィルター処理等の画像処理を行った上で判定を行ってもよい。
【0029】
尚、不具合の有無を判定するために用いるパラメータとしては、例えば、被検査体のサイズ、光透過率及び光反射率等の上記各撮影手段によって得られた画像に基づいて認識可能な被検査体の特徴が広く含まれる。
【0030】
尚、このような判定手段は、PC等のコントローラに画像処理用のソフトウェアをインストールすることによって実現されていてもよい。
【0031】
以上説明したように、本発明に係る検査装置によれば、外観の広い領域に亘って高精度な検査を行うことが可能となる。
【0032】
本発明の微小物体の外観検査装置の一態様では、前記第3及び第4の撮影手段は、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を通り、前記第2の表面部の法線方向に平行な第2の基準線上に設けられている。
【0033】
この態様によれば、第3及び第4の撮影手段は、第2の基準線上に設けられるので、微小物体を基準として相対的に見た場合に、互いに対向する位置から微小物体を撮影する。つまり、第2の基準線上において第3及び第4の撮影手段は、微小物体を挟んで両側に配置されることによって、夫々の方向から微小物体を撮影する。
【0034】
第2の基準線もまた、第2の吸着部に吸着された微小物体の位置の変化に伴って、絶対的な位置が時間的に変化する基準線である。言い換えると、一の微小物体を基準として第2の基準線を見たときの相対的な第2の基準線の位置は不変であるものの、微小物体は第2のドラムの回転に伴って移動するため、第2の基準線の絶対的な位置は時間的に変化する。
【0035】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第5及び第6の撮影手段は、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を通り、前記第3の表面部の法線方向に平行な第3の基準線上に設けられている。
【0036】
この態様によれば、第5及び第6の撮影手段は、第3の基準線上に設けられるので、微小物体を基準として相対的に見た場合に、互いに対向する位置から微小物体を撮影する。つまり、第3の基準線上において第5及び第6の撮影手段は、微小物体を挟んで両側に配置されることによって、夫々の方向から微小物体を撮影する。
【0037】
第3の基準線もまた、第3の吸着部に吸着された微小物体の位置の変化に伴って、絶対的な位置が時間的に変化する基準線である。言い換えると、一の微小物体を基準として第2の基準線を見たときの相対的な第3の基準線の位置は不変であるものの、微小物体は第3のドラムの回転に伴って移動するため、第3の基準線の絶対的な位置は時間的に変化する。
【0038】
このように第1の基準線、第2の基準線及び第3の基準線に基づいて、各撮影手段が配置されている態様では、前記第1の基準線、前記第2の基準線及び前記第3の基準線は、前記微小物体を基準として相対的に見た場合に、互いに直角に交わるとよい。
【0039】
この場合、上述の6つの撮影手段は、検査対象たる微小物体から相対的に見て、互いに90度ずつ異なる線上に配置されている。従って、6つの撮影手段は、立体的な形状
を有する微小物体の表面の全体をもれなく画像データとして取り込むことができる。つまり、6つの撮影手段の撮影によって、所謂、微小物体の6面図を画像として取得することができる。その結果、微小物体の表面の全体を確実に検査することが可能となり、信頼性の高い検査を実行することができる。
【0040】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第3の表面部は、前記第1の表面及び前記第2の表面に対して直角に交わる。
【0041】
この態様によれば、上述の第1の基準線、前記第2の基準線及び前記第3の基準線が、前記微小物体を基準として相対的に見た場合に、互いに直角に交わるように構成することが容易となる。
【0042】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1乃至第6撮影手段の各々は、当該第1乃至第6の撮影手段の各々によって撮影される前記微小物体の手前側及び向こう側の少なくとも一方に、前記微小物体に光を照射するための照射手段を備える。
【0043】
この態様によれば、上述の各撮影手段は、夫々、当該撮影手段から見て、微小物体より手前側に照射手段を備える場合、微小物体の表側(即ち、撮影手段側の微小物体の表面)に光を照射することができる。その結果、微小物体の表面において反射された光を撮影手段がとらえることにより、微小物体の表面を良好に撮影することができる。特に、微小物体の構成材料が光を反射しやすい(又は光を透過しにくい)性質を有する場合には、微小物体の表面において光を反射させることによって、撮影手段は撮影に必要な光を微小物体からの反射光として得ることができるので、より高品位な撮影を行うことが可能となる。
【0044】
一方、微小物体より向こう側に照射手段を備える場合、微小物体の裏側(即ち、上述の表側の反対の面)に光を照射することができる。その結果、微小物体を裏側から透過する透過光を撮影手段がとらえることにより、微小物体の表面状態を良好に撮影することができる。特に、微小物体の構成材料が光を透過しやすい性質を有する場合、撮影手段は撮影に必要な光を微小物体からの透過光として得ることができるので、より高品位な撮影を行うことが可能となる。つまり、微小物体の表面において反射光を十分に得られない場合に有利である。
【0045】
このように、高品位な撮影によって取得された画像に基づいて検査を実行することにより、検査精度をより向上させることができる。
【0046】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1のドラム及び前記第2のドラムは、前記第1のドラムによって搬送された微小物体が前記第2の吸着部に吸着される際に、前記第1の吸着部に吸着された微小物体が前記第2の側面に面するように配置されている。
【0047】
この態様によれば、第1の吸着部に吸着された微小物体は、第1のドラムの回転によって搬送されることにより、第2の吸着部に面する位置に自動的に移動される。その結果、第1のドラムによって搬送されていた微小物体をスムーズに第2のドラムに引き渡すことが可能となる。
【0048】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第2のドラム及び前記第3のドラムは、前記第2のドラムによって搬送された微小物体が前記第3の吸着部に吸着される際に、前記第2の吸着部に吸着された微小物体が前記第3の側面に面するように配置されている。
【0049】
この態様によれば、第2の吸着部に吸着された微小物体は、第2のドラムの回転によって搬送されることにより、第3の吸着部に面する位置に自動的に移動される。その結果、第2のドラムによって搬送されていた微小物体をスムーズに第3のドラムに引き渡すことが可能となる。
【0050】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1及び第2の撮影手段、前記第3及び第4の撮影手段、並びに前記第5及び第6の撮影手段は、夫々、互いに対向するように配置されている。
【0051】
この態様によれば、第1の撮影手段及び第2の撮影手段は対向するように配置されているので、第1のドラム上で搬送されている微小物体を、互いに同じタイミングで撮影することとなる。仮に、互いに異なるタイミングで微小物体撮影を撮影すると、第1のドラムの回転ブレ等の要因によって、第1の撮影手段及び第2の撮影手段によって撮影される微小物体の状態が変化してしまっているおそれがある。つまり、微小物体の状態が、第1の撮影手段による撮影タイミングから第2の撮影手段による撮影タイミングまでの間に変化してしまうと、第1の撮影手段及び第2の撮影手段によって夫々取得された画像データの整合性が合わないおそれがある。本態様では、第1の撮影手段及び第2の撮影手段を対向するように配置することにより、夫々の撮影タイミングを合わせ、このようなおそれを効果的に排除することで、検査精度を向上させることができる。
【0052】
尚、第3及び第4の撮影手段、並びに第5及び第6の撮影手段についても、第1及び第2の撮影手段と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1の吸着部は、前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の表面の中央部から一定の距離に複数設けられている。
【0054】
この態様によれば、第1のドラムから第2のドラムに微小物体を引き渡す際に、第1のドラムが回転していても、微小物体が第2のドラムに引き渡される位置が一定箇所に固定される。仮に、複数の第1の吸着部毎に、第1の表面部の中央部からの距離が異なると、第2のドラムへの引き渡し位置が、第1の吸着部毎に変化するため、第1及び第2のドラム間における微小物体の引き渡し動作が極めて煩雑となる。本態様では、複数の第1の吸着部の第1の表面部の中央部からの距離を一定に設定することにより、このような煩雑さを回避することができる。
【0055】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第2の吸着部は、前記第2の側面のうち前記第2の表面に平行な一の平面と交差する線上に沿って複数設けられている。
【0056】
この態様によれば、上述の第1のドラムにおける第2のドラムに対する微小物体の引き渡し位置と同様に、第2のドラムにおける第3のドラムに対する微小物体の引き渡し位置が第2の吸着部毎に変化しないので、第2及び第3のドラム間における微小物体の引き渡し動作の煩雑さを回避することができる。
【0057】
また、第1のドラムに対しても、第1のドラムからの微小物体の受け取り位置も変化しないので、第1及び第2のドラム間における微小物体の引き渡し動作の煩雑さも同時に回避することができる。
【0058】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第3の吸着部は、前記第3
の側面部のうち前記第3の表面部に平行な一の平面と交差する線上に沿って複数設けられている。
【0059】
この態様によれば、上述の第1のドラムにおける第2のドラムに対する微小物体の引き渡し位置と同様に、第3のドラムにおける第2のドラムに対する微小物体の引き受け位置が第3の吸着部毎に変化しないので、第2及び第3のドラム間における微小物体の引き渡し動作の煩雑さを回避することができる。
【0060】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1の吸着部、第2の吸着部及び第3の吸着部は、前記微小物体に対して負圧を印加することにより、前記微小物体を吸着する。
【0061】
この態様によれば、例えば、吸着部が設けられるドラムの表面部又は側面部に開口部を設け、当該開口部の内側から負圧を課す(即ち、吸引する)ことによって、開口部の外側から微小物体を吸着することができる。この場合、微小物体に負圧を印加するための開口部の形状は、微小物体の形状に合わせて適宜変更可能であり、例えば円形、楕円形、矩形等の各種形状を採用することができる。また、吸着部の各々は互いに独立している必要はなく、例えば隣り合う一部の吸着部同士が一体的に結合していてもよいし、多数の吸着部が一体的に結合することによりストライプ状の形状を有していてもよい。
【0062】
上述の負圧によって被検査体を吸着する態様では、前記第1の吸着部は、前記第1のドラムによって搬送された微小物体が前記第2の吸着部に吸着される際に、当該微小物体に印加された負圧を軽減するとよい。
【0063】
この態様では、微小物体を第1の吸着部に第2の吸着部に受け渡されるタイミングにおいて、第1の吸着部における負圧が第2の吸着部における負圧に比べて小さくなるように設定される。当該タイミングでは、微小物体には、第1の吸着部及び第2の吸着部の双方から負圧が印加されるが、第2の吸着部の方が負圧が大きいため、微小物体は第1の吸着部から解放され、第2の吸着部に吸着される。このようにして、本態様では、微小物体を第1の吸着部から第2の吸着部にスムーズに移動することができる。
【0064】
尚、当該タイミングにおいて第1の吸着部において、負圧の代わりに加圧を印加することによって、第1の吸着部において微小物体をより積極的に解放してもよい。
【0065】
また、前記第2の吸着部は、前記第2のドラムによって搬送された微小物体が前記第3の吸着部に吸着される際に、当該微小物体に印加された負圧を軽減するとよい。
【0066】
この態様では、上述の第1及び第2の吸着部の場合と同様に、微小物体を第2の吸着部に第3の吸着部に受け渡されるタイミングにおいて、第2の吸着部における負圧が第3の吸着部における負圧に比べて小さくなるように設定されることにより、微小物体を第2の吸着部から第3の吸着部にスムーズに移動することができる。
【0067】
尚、当該タイミングにおいて第2の吸着部において、負圧の代わりに加圧を印加することによって、第2の吸着部において微小物体をより積極的に解放してもよい。
【0068】
また、前記第1の吸着部、第2の吸着部及び第3の吸着部は、吸着された前記微小物体との間に生じる隙間を埋めるための保持部材を備えるとよい。
【0069】
この場合、吸着部の吸着力を向上させるための保持部材が備えられている。微小物体の形状によっては、吸着部に微小物体が吸着された場合であっても、その間に隙間が生
じることがある。吸着部は負圧によって微小物体を吸着するため、このような隙間が存在すると、当該隙間から空気が漏れ、吸着力が低下してしまう。すると、吸着部に微小物体を吸着することができずに、微小物体が落下してしまうおそれがある。本態様では、吸着部に微小物体が吸着された場合に隙間が生じることを防ぐための保持部材を備えることにより、このようなおそれを効果的に排除又は減少することができる。
【0070】
尚、保持部材は、柔軟性に優れた材料で形成するとよい。この場合、様々な形状を有する微小物体に対して、隙間を埋めるようにフィットするため、吸着能力を確保することができる。また、予め微小物体の形状にフィットするように保持部材の形状を個別に規定することで、更に吸着能力を向上させることができる。
【0071】
尚、柔軟性の少ない材料で保持部材を形成した場合であっても、予め微小物体の形状にフィットするように形成することによって、吸着部の吸着能力を確保してもよい。
【0072】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、互いに平行な第4及び第5表面を夫々有すると共に、互いに逆方向に回転する円盤状の第4及び第5のドラムを更に備え、当該第4及び第5のドラムは、前記第4及び第5表面上で平面的に見て、第4のドラム及び第5のドラム間の隙間を前記微小物体が通過するように配置されている。
【0073】
この態様によれば、第4及び第5のドラム間の隙間を微小物体が通過することによって、複数の微小物体間の姿勢のバラツキを抑制することができる。例えば、微小物体が長径及び短径を有する形状を有している場合、当該隙間を当該長径方向の直径より小さく設定することにより、姿勢の乱れた微小物体は第4及び第5のドラムの少なくとも一方に接触することとなる。すると、微小物体は、接触したドラムの回転方向に沿って姿勢が矯正される。
【0074】
このように第4及び第5のドラムにより微小物体の姿勢を整えることによって、姿勢のバラツキに起因する誤差を抑制又は排除することができる。その結果、本発明に係る検査装置によって実行される検査の精度をより効果的に高めることが可能となる。
【0075】
上述の第4及び第5のドラムを備える態様では、前記第1の表面に平行な第6の表面及び第6の側面を有し、当該第6の側面に設けられた第6の吸着部によって微小物体を吸着しつつ、前記第6の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第6のドラムを更に備え、前記第4及び第5のドラムは、前記第6の吸着部によって吸着された微小物体が第4及び第5のドラム間の隙間を通過するように配置されており、前記第1のドラムは、前記第1の吸着部が前記第6のドラムによって搬送された微小物体を吸着するように配置されているとよい。
【0076】
この場合、各撮影手段によって微小物体の撮影が行われる第1のドラムの前段に、第6のドラムが備えられている。第6のドラムでは、第4及び第5のドラムによって微小物体の姿勢が整えられるので、その後段に配置されている第1乃至第3のドラムにおいて、微小物体の検査を精度よく実行することができる。
【0077】
本発明の微小物体の外観検査装置の他の態様では、前記第1乃至第6の撮影手段は、前記微小物体を一つずつ撮影する。
【0078】
この態様によれば、複数の微小物体について夫々6方向から詳細な画像を撮影することができるため、より高精度な検査を実現することが可能となる。
【0079】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施形態に係る外観検査装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】本実施形態に係る外観検査装置の全体構成を示す側面図である。
【図3】本実施形態に係る外観検査装置の第1ドラムが備える吸着部の拡大断面図である。
【図4】本実施形態に係る外観検査装置の補助ドラムの構成を示す拡大側面図である。
【図5】本実施形態に係る外観検査装置の第1及び第2ドラム間におけるソフトカプセルの挙動を模式的に示す斜視図である。
【図6】本実施形態に係る外観検査装置の第2及び第3ドラム間におけるソフトカプセルの挙動を模式的に示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る外観検査装置の第3及び第4ドラム間におけるソフトカプセルの挙動を模式的に示す斜視図である。
【図8】ソフトカプセルを基準とした各種CCDカメラの相対的配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る微小物体の外観検査装置を適用したソフトカプセルを被検査体とするソフトカプセル用の外観検査装置を例にとる。
【0082】
先ず、本実施形態に係る外観検査装置100の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、夫々、本実施形態に係る外観検査装置の全体構成を示す平面図及び側面図である。
【0083】
外観検査装置100は、台座1上に、被検査体であるソフトカプセル50を搬送するための第1ドラム3、第2ドラム7、第3ドラム9及び第4ドラム11を備える。ここで、第1ドラム3は本発明に係る「第6のドラム」の一例であり、第2ドラム7は本発明に係る「第1のドラム」の一例であり、第3ドラム9は本発明に係る「第2のドラム」の一例であり、第4ドラム11は本発明に係る「第3のドラム」の一例である。
【0084】
ソフトカプセル50は、本発明に係る「微小物体」の一例であり、薬剤や補助栄養剤等の液体をソフトゼラチンカプセル内に封入し、オーバル状の外観形状を有するソフトカプセルである。
【0085】
外観検査装置100によって検査対象とされるソフトカプセル50は、検査の前段階において予め供給レーン2に格納されている。供給レーン2には、表面にらせん状の溝を有し、供給レーン2に沿って延びるように配置された搬送棒(図不示)を備えており、ソフトカプセル50は当該溝内に沿って配列されている。このように配列されたソフトカプセル50は、搬送棒の回転に伴って溝内を進行し、順次第1ドラム3に供給される。また、このようなソフトカプセル50の供給は、例えば、供給レーン2に備えられたピストン(図不示)によって押し出されることにより行われてもよい。本実施形態では特に、15個/秒(54,000個/時)のペースでソフトカプセル50が第1ドラム3に供給される。第1ドラム3へのソフトカプセル50の供給タイミングは、第1ドラム3の回転速度に同期するように設定するとよい。
【0086】
供給レーン2は、ソフトカプセル50の短径方向に沿った直径に応じた(典型的には、短径方向に沿った長さに比べてわずかに大きく設定された)幅を有する。このように供給レーンの幅を設定することによって、供給レーン2にソフトカプセル50が格納されている段階において(即ち、第1ドラム3にソフトカプセル50が供給される前段階において)、ソフトカプセル50の姿勢をある程度均一に整えることができる。つまり、供給レーン2内において、供給レーン2の長さ方向にソフトカプセル50の長径方向が揃えられるように、ソフトカプセル50の姿勢が整えられる。
【0087】
補足して説明すると、外観検査装置100において実行される検査の精度は、ソフトカプセル50の姿勢のバラツキの程度によって影響される。後述するように、外観検査装置100は、第1ドラム3によってソフトカプセル50が搬送されている間にソフトカプセルの姿勢を整えるための、補助ドラムシステム5を備えている。しかしながら、補助ドラムシステム5に到達する際にソフトカプセル50の姿勢が過度に乱れていると、補助ドラムシステム5において、ソフトカプセル50が補助ドラムシステム5を構成するドラム間に引っかかることによって目詰まりが生じたり、仮に補助ドラム5を通過できたとしてもソフトカプセル50の姿勢を十分に整えることができないおそれがある。そこで、本実施形態では、供給レーン2にソフトカプセル50が格納されている段階で、供給レーン2の形状によって予めソフトカプセル50の姿勢をある程度均一に整えておくことによって、補助ドラムシステム5を通過した後のソフトカプセル50の姿勢が、より均一になるように構成されている。
【0088】
第1ドラム3は、供給レーン2から供給されたソフトカプセル50を、吸着部21に吸着することによって保持しつつ、図示の方向(図1に示す矢印を参照)に回転することによって、ソフトカプセル50を搬送する。第1ドラム3は、台座1上に回転軸4を介して設置されている。
【0089】
吸着部21は、第1ドラム3の側面のうち、X−Y平面に平行な一の面と交差する線上に沿って、複数設けられている。ここで、隣り合う吸着部21間の距離は、供給レーン2のソフトカプセル50の供給タイミングに同期させて吸着部21の位置を制御可能である限りにおいて自由に変更することが可能である。本実施形態では特に、隣り合う吸着部21間の距離は一定に設定されている。
【0090】
尚、本実施形態では複数の吸着部21は互いに独立して設けられているが、隣り合う吸着部21同士が一体的に結合していてもよい。例えば、一連の複数の吸着部21が全て一体的に結合しており、第1ドラム3の側面に沿ってストライプ状に形成されていてもよい。
【0091】
ここで、図3を参照して、ソフトカプセル50が吸着部21に吸着されるメカニズムについて詳細に説明する。
【0092】
図3(a)は、本実施形態に係る外観検査装置100の第1ドラム3が備える吸着部21の断面構造の一の例を示す拡大断面図である。吸着部21は、第1ドラム3の側面上に開口部22を有している。開口部21の奥(即ち、図3(a)において下側)には大気を吸引可能な吸引ポンプ(図不示)が備えられており、当該吸引ポンプの動作によって、開口部22の内部及びその付近の大気を吸引することができる。尚、吸引ポンプの動作は、当該吸引ポンプに接続されたPC等のコントローラによって制御可能であり、例えば、吸引の開始タイミング、吸引力の大きさ等を制御することができる。このように、吸引ポンプによって開口部22の内部及びその付近を減圧することにより、ソフトカプセル50を第1ドラム3の側面上に吸着することができる。
【0093】
図3(b)は、本実施形態に係る外観検査装置100の第1ドラム3が備える吸着部21の断面構造の他の例を示す拡大断面図である。この例では、開口部22の大きさが第1ドラム3の表面に近づくにつれて大きくなるように(即ち、吸着部22の中央部に近づくにつれて、開口部22の深さが深くなるように)形成されている。言い換えると、開口部22の表面形状がテーパ状に形成されている。このように開口部22を形成することによって、ソフトカプセル50が吸着部21に吸着された場合において、ソフトカプセル50と開口部22とが接触する面積を増加させることができる。その結果、ソフトカプセル50が吸着部21に吸着された際に、開口部22の内部に大気中から空気が侵入することによって、吸着部21の吸着力が低下することを防止することができる。図3(b)では特に、開口部22の形状をソフトカプセル50の表面形状にフィットするように形成しているため、ソフトカプセル50と開口部22との接触面積は格段に増加し、ソフトカプセル50をより確実に吸着部21に吸着することができる。
【0094】
また、図3(c)は、本実施形態に係る外観検査装置100の第1ドラム3が備える吸着部21の断面構造の更に他の例を示す拡大断面図である。この例では、開口部22の角部付近(即ち、開口部22のうち第1ドラムの表面付近)に沿って柔軟部材60が設けられている。これにより、ソフトカプセル50が第1ドラム3の側面に吸着された際に、ソフトカプセル50と開口部22との形状にズレに起因して隙間が生じたとしても、その隙間を埋めるように柔軟部材60が変形する。その結果、ソフトカプセル50が吸着部21に吸着された際に、開口部22の内部に大気中から空気が侵入することによって、吸着部21の吸着力が低下することを防止することができる。また、柔軟部材60は柔軟性に優れた材料により形成されているため、互いに異なる表面形状を有する複数種類のソフトカプセル50を、特定の形状を有する開口部22に吸着させることができる。つまり、被検査体に異なる形状を有するものが混在している場合、例えば被検査体が複数種類のソフトカプセル等からなる場合であっても、対応することが可能となる。
【0095】
尚、柔軟部材60に代えて、吸着されるソフトカプセル50の表面形状にフィットするように予め形状が特定された非柔軟部材(即ち、優れた柔軟性を有していない材料によって形成された部材)を配置してもよい。この場合、柔軟性が少なくとも、部材自体の形状が被検査体にフィットするように形成されているので、実質的に、上述の柔軟部材と同様の効果を得ることができる。
【0096】
尚、吸着部21の構造に関するその他の態様については、図3(a)乃至(c)の組み合わせも当然に含まれ、上述の各種例と同様に、吸着部21の吸着力が低下することを効果的に防止することができる。
【0097】
再び図1及び図2に戻って、第1ドラム3における吸着部21によって保持されたソフトカプセル50は、第1ドラム3の回転によって搬送されることにより、補助ドラムシステム5に送られる。ここで、補助ドラムシステム5は、回転部材6、固定治具17及び支柱18を介して、台座1上に設置されている。
【0098】
ここで、図4を参照して、補助ドラムシステム5の構成及び機能について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る外観検査装置100の補助ドラムシステム5の構成を示す拡大側面図である。
【0099】
補助ドラムシステム5は、第1補助ドラム5a及び第2補助ドラム5bを含んで構成されている。第1補助ドラム5a及び第2補助ドラム5bは、夫々、回転軸6a及び6
bを中心にX−Z平面において回転しており、その回転方向は互いに逆向きに設定されている。第1補助ドラム5a及び第2補助ドラム5b間には、ソフトカプセル50の短径方向の直径程度(典型的には、ソフトカプセル50の短径方向の直径より若干大きい程度)の隙間51が確保されている。
【0100】
補助ドラムシステム5を未通過のソフトカプセル50の姿勢は、供給レーン2においてある程度整えられているものの、多かれ少なかれバラツキが存在する。このような姿勢のバラツキは、ソフトカプセル50が補助ドラムシステム5を通過することによって、解消又は軽減することができる。例えば、長径方向が紙面上にて右下(又は左上)を向いているソフトカプセル50は、第1補助ドラム5aに比べて第2補助ドラム5bに先に接触するため、第2補助ドラム5bの回転によって、長径方向がX方向に近づくようにその姿勢が変更される。一方、長径方向が紙面上にて右上(又は左下)を向いているソフトカプセル50は、第2補助ドラム5bに比べて第1補助ドラム5aに先に接触するため、第1補助ドラム5aの回転によって、長径方向がX方向に近づくようにその姿勢が変更される。その結果、補助ドラムシステム5を通過後の一連のソフトカプセル50の姿勢は、長径方向がX方向に揃えられることとなる。
【0101】
尚、補助ドラムシステム5における隙間51の大きさは、被検査体たるソフトカプセル50の形状や、補助ドラムシステム5を通過後の一連のソフトカプセル50に要求される姿勢の均一性(即ち、十分な検査精度を得るために許容される姿勢のバラツキ)の程度によって適宜変更するとよい。例えば、固定治具17において回転軸6a及び6bの間隔を変更することによって、隙間51の大きさを変更するとよい。
【0102】
再び図1及び図2に戻って、第1ドラム3に保持されたソフトカプセル50は、第1ドラム3が回転することによって搬送される。そして、当該搬送されたソフトカプセル50は、第2ドラム7に最も接近するタイミングで、第1ドラム3から第2ドラム7に引き渡される。
【0103】
第2ドラム7は、第1ドラム3によって搬送されてきたソフトカプセル50を、吸着部22によって吸着することで、第1ドラム3からソフトカプセル50を引き受ける。第2ドラム7は、図示の方向(図1に示す矢印を参照)に回転しており、第1ドラム3から引き受けたソフトカプセル50を搬送する。第2ドラム7は、台座1上に回転軸8を介して設置されている。
【0104】
吸着部22は、第2ドラム7の表面(即ち、回転軸8が接続されていない側の面)の縁部に沿って複数設けられている。ここで、隣り合う吸着部22間の距離もまた、上述の吸着部21と同様に、供給レーン2のソフトカプセル50の供給タイミングに同期させて吸着部22の位置を制御可能である限りにおいて自由に変更することが可能であり、隣り合う吸着部22同士が一体的に結合していてもよい。
【0105】
尚、第2ドラム7における吸着部22の詳細な構造については、上述の吸着部21の構造と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0106】
ここで、図5を参照して、第1ドラム3から第2ドラム7にソフトカプセル50が引き渡される際における、ソフトカプセル50の挙動を詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る外観検査装置100の第1及び第2ドラム間におけるソフトカプセルの挙動を模式的に示す斜視図である。
【0107】
ソフトカプセル50は、第2ドラム7に引き渡される前段階では、第1ドラム3の
吸着部21に吸着されることによって、第1ドラム3に保持されつつ搬送されている(図5(a)参照)。
【0108】
ソフトカプセル50が第1ドラム3によって搬送され、第2ドラム7に最も接近すると、ソフトカプセル50は第1ドラム3から第2ドラム7に引き渡される(図5(b)参照)。このタイミングで、第1ドラム3の吸着部21は吸着力を軽減又は排除すると共に、第2ドラム7の吸着部22は吸着力を増加させる。このような吸着力の制御は、上述のコントローラによって吸着部21及び22に備えられた吸引ポンプ(図不示)を制御することによって、実現することができる。すると、第1ドラム3の吸着部21に比べて、第2ドラム7の吸着部22における吸着力が勝るため、第1ドラム3の吸着部21からソフトカプセル50は解放されると共に、第2ドラム7の吸着部22に吸着される。
【0109】
尚、第1ドラム3から第2ドラム7にソフトカプセル50が引き渡される際に、第1ドラム3の吸着部21では、開口部21の内側において加圧が行わるように、上述のコントローラによって吸引ポンプが制御されてもよい(つまり、吸引ポンプを逆回転させてもよい)。上述のように、吸着部21にソフトカプセル50を吸着する際には、吸着部21に備えられた吸引ポンプで開口部22内の減圧が行われる。第1ドラム3から第2ドラム7にソフトカプセル50が引き渡される際に、仮に吸引ポンプの減圧動作を緩和又は停止した場合であっても、当該開口部22内の空気圧は直ちに常圧に回復せずに、多かれ少なかれ減圧状態が保持されることとなる。すると、ソフトカプセル50を第2ドラム7に引き渡すタイミングが訪れたとしても、吸引部21には吸引力が残存しているため、ソフトカプセル50がスムーズに第1ドラム3の吸引部21から解放されないおそれがある。このようなおそれを防止するために、開口部21の内側を積極的に加圧することにより、減圧状態を解消するように吸引ポンプを制御するとよい。
【0110】
ここで、第2ドラム7は、第1ドラム3に比べてZ方向にソフトカプセル50の短径方向の直径分だけ下側に配置されている。つまり、第1ドラム3に保持されたソフトカプセル50が、第1ドラム3によって回転搬送されることにより、第2ドラム7に最も接近した際に、ソフトカプセル50が第2ドラム7の吸着部22上に必然的に配置されるように、第1ドラム3及び第2ドラム7の高さ及び位置が設定されている。例えば、検査対象たるソフトカプセル50の形状によって、第1ドラム3及び第2ドラム7のZ方向の高さを調整可能なように、回転軸4及び8の長さを変更可能に形成してもよい。
【0111】
このように、第2ドラム7に引き渡されたソフトカプセル50は、第2ドラム7の吸着部22に吸着されることによって、第2ドラム7上に保持される(図5(c)参照)。その後、ソフトカプセル50は、第2ドラム7が回転することにより搬送される。
【0112】
再び図1及び図2に戻って、ソフトカプセル50は、第2ドラム7によって回転搬送されている間に、第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32によって2方向から撮影される。ここで、第1CCDカメラは本発明に係る「第1の撮影手段」の一例であり、第2CCDカメラは本発明に係る「第2の撮影手段」の一例である。
【0113】
第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32は、X−Y平面上における第2ドラム7の半径方向に沿って、ソフトカプセル50を撮影する(図1参照)。第1CCDカメラ31は、ソフトカプセル50の外観のうち、第2ドラム7の内側から第2ドラム7の半径方向に沿って見たときの様子を、画像データとして取得する。一方、第2CCDカメラ32は、ソフトカプセル50の外観のうち第2ドラム7の外側から、第2ドラム7の半径方向に沿って見たときの様子を、画像データとして取得する。このように、第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32によって取得された画像データは、例えば電気信号としてPC等の付属のコントローラ(図不示)に転送され、当該画像データを解析するこ
とによって、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無を判定することができる。ここで、コントローラは、本発明に係る「判定手段」の一例である。
【0114】
ここで、第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32によって撮影される被検査体50の表面は、吸着部22に吸着されている面を除いて、大気中に露出している。また、被検査体50は上述の背景技術のように、溝部の内側に配置されていないため、大気中への露出量が非常に多い状態で撮影が行われる。
【0115】
ここで、第1CCDカメラ31による撮影を補助するために、第2ドラム3には第1内側照明41a及び第1外側照明41bが備えられている。第1内側照明41aは、X−Y平面内で平面的に見て、第1CCDカメラ31の撮影対象であるソフトカプセル50より第1CCDカメラ31寄りに配置されている。一方、第1外側照明41bは、第2ドラム7の表面側から平面的に見て、ソフトカプセル50に対して第1内側照明41aの線対称となる位置に配置されている。
【0116】
第1内側照明41aは、第1CCDカメラ31から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の手前側から、ソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を反射しやすい(又は光を透過しにくい)性質を有する場合には、第1内側照明41aによって光を照射することによって、第1CCDカメラ31は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの反射光として得ることができる。
【0117】
一方、第1外側照明41bは、第1CCDカメラ31から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の向こう側(即ち、手前側に対向する側)からソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を透過しやすい性質を有する場合には、第1外側照明41bによって光を照射することによって、第1CCDカメラ31は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの透過光として得ることができる。
【0118】
このように被検査体であるソフトカプセル50の構成材料の反射率及び透過率によって、ソフトカプセル50の照射される光を、第1内側照明41a及び第1外側照明41bを適宜切り替え制御することによって、第1CCDカメラ31はソフトカプセル50の状態を良好に撮影することができる。このような撮影によって取得された画像データに基づいて、例えばPC等の付属のコントローラ(図不示)により解析を行うことで、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無をより高精度で検査することが可能となる。尚、このような第1内側照明41a及び第1外側照明41bの切り替え制御もまた、PC等の付属のコントローラ(図不示)により実行するとよい。
【0119】
本実施形態では特に、上述のように撮影が行われる際に、被検査体50の表面が大気中に多く露出しているため、このような照明によって光が照射された場合であっても、撮影対象となる被検査体50の表面に影ができにくい。また、被検査体50の位置を制御するための溝部やスリット等の障害物もない。その結果、被検査体50の表面を照明によって照射しながら、非常に高精度に撮影することが可能である。
【0120】
尚、第1内側照明41a及び第1外側照明41bのどちらか一方が、周辺に配置されたその他の構成要素との配置関係によって、上述の位置に設置することが困難な場合には、当該一方の照明に変えてミラーを配置し、他方の照明の光を反射することで被検査体に光を照射してもよい。
【0121】
一方、第2CCDカメラ32による撮影を補助するために、第2ドラム3には第2内側照明42a及び第2外側照明42bが備えられている。第2外側照明42bは、第2
ドラム7の表面側から平面的に見て、第2CCDカメラ32の撮影対象であるソフトカプセル50より第2CCDカメラ32寄りに配置されている。一方、第2内側照明42aは、X−Y平面内で平面的に見て、ソフトカプセル50に対して第2外側照明42bの線対称となる位置に配置されている。第2CCDカメラ32、第2内側照明42a及び第2外側照明42bの詳細については、上述の第1CCDカメラ31、第1内側照明41a及び第2外側照明41bと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0122】
第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32による撮影が完了したソフトカプセル50は、第2ドラム7によって搬送され、第3ドラム9に最も接近するタイミングで、第2ドラム7から第3ドラム9に引き渡される。
【0123】
第3ドラム9は、第2ドラム7によって搬送されてきたソフトカプセル50を、吸着部23によって吸着することで、第2ドラム7からソフトカプセル50を引き受ける。第3ドラム9は、図示の方向(図1に示す矢印を参照)に回転しており、第2ドラム7から引き受けたソフトカプセル50を搬送する。第3ドラム9は、台座1上に回転軸10を介して設置されている。
【0124】
吸着部23は、第1ドラム3の吸着部21と同様に、第3ドラム9の側面に沿って複数設けられている。ここで、隣り合う吸着部23間の距離は、第2ドラム7からのソフトカプセル50の受け取りタイミングに同期させて吸着部23の位置を制御可能である限りにおいて自由に変更することが可能であり、隣り合う吸着部21同士が一体的に結合していてもよい。
【0125】
尚、第3ドラム9の吸着部23の詳細な構造については、上述の吸着部21及び22の構造と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0126】
ここで、図6を参照して、第2ドラム7から第3ドラム9にソフトカプセル50が引き渡される際における、ソフトカプセル50の挙動を詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る外観検査装置100の第2及び第3ドラム間におけるソフトカプセル50の挙動を模式的に示す斜視図である。
【0127】
ソフトカプセル50は、第3ドラム9に引き渡される前段階では、第2ドラム7の吸着部22に吸着されることによって、第2ドラム7に保持されつつ搬送されている(図6(a)参照)。
【0128】
ソフトカプセル50が第2ドラム7によって搬送され、第3ドラム9に最も接近すると、ソフトカプセル50は第2ドラム7から第3ドラム9に引き渡される(図6(b)参照)。このタイミングで、第2ドラム7の吸着部22は吸着力を減少又は解除すると共に、第3ドラム9の吸着部23は吸着力を増加させる。このような吸着力の制御もまた、上述のコントローラによって吸着部22及び23に備えられた吸引ポンプ(図不示)を制御することによって、実現することができる。すると、第2ドラム7の吸着部22に比べて、第3ドラム9の吸着部23における吸着力が勝るため、第2ドラム7の吸着部22からソフトカプセル50は解放され、第3ドラム9の吸着部23に吸着される。
【0129】
尚、第2ドラム7から第3ドラム9へのソフトカプセル50の引き渡しを行う際に、第2ドラム7の吸着部22では、上述の吸着部21と同様に、開口部の内側に供えられた吸引ポンプ(図不示)により加圧を行ってもよい。
【0130】
また、第3ドラム9は、第2ドラム7に比べてZ方向に沿って、ソフトカプセル5
0の短径方向の直径分だけ上側に配置されている。つまり、第2ドラム7に保持されたソフトカプセル50が、第2ドラム7によって回転搬送させることにより、第3ドラム9に最も接近した際に、ソフトカプセル50が第3ドラム9の吸着部23上に必然的に配置されるように、第2ドラム7及び第3ドラム9の高さ及び位置を設定するとよい。
【0131】
このように、第3ドラム9に引き渡されたソフトカプセル50は、第3ドラム9の吸着部23に吸着されることによって、第3ドラム9上に保持される(図6(c)参照)。その後、ソフトカプセル50は、第3ドラム9の回転に合わせて搬送される。
【0132】
再び図1及び図2に戻って、ソフトカプセル50は、第3ドラム9によって回転搬送されている間に、第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34によって撮影される。ここで、第3CCDカメラ33は本発明に係る「第3の撮影手段」の一例であり、第4CCDカメラ34は本発明に係る「第4の撮影手段」の一例である。
【0133】
第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34は、共に、Z軸に平行な方向に沿ってソフトカプセル50を撮影する。第3CCDカメラ33は、ソフトカプセル50の外観のうち、第3ドラム9の裏側(即ち、回転軸10が接続されている側)からZ軸に沿って見たときの様子を、画像データとして取得することができる。一方、第2CCDカメラ32は、ソフトカプセル50の外観のうち、第3ドラム9の表側(即ち、回転軸10が接続されていない側)からZ軸に沿って見たときの様子を、画像データとして取得することができる。このように、第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34によって取得された画像データは、例えば電気信号としてPC等の付属のコントローラ(図不示)に転送され、当該画像データを解析することによって、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無を判定することができる。
【0134】
ここで、第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34によって撮影される被検査体50の表面は、吸着部23に吸着されている面を除いて、大気中に露出している。また、被検査体50は上述の背景技術のように、溝部の内側に配置されていないため、大気中への露出量が非常に多い状態で撮影が行われる。
【0135】
第3ドラム9には、第3CCDカメラ33による撮影を補助するために、第3下側照明43a及び第3上側照明43bが備えられている。第3下側照明43aは、第3ドラム9の裏側から平面的に見て、第3CCDカメラ33の撮影対象であるソフトカプセル50より第3CCDカメラ33寄りに配置されている。一方、第3上側照明43bは、ソフトカプセル50に対して第3下側照明43aの線対称となる位置に配置されている。
【0136】
第3下側照明43aは、第3CCDカメラ33から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の手前側から、ソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を反射しやすい(又は光を透過しにくい)性質を有する場合には、第3下側照明43aによって光を照射することによって、第3CCDカメラ33は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの反射光として得ることができる。
【0137】
一方、第3上側照明43bは、第3CCDカメラ33から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の向こう側(即ち、手前側の反対側)からソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を透過しやすい性質を有する場合には、第3上側照明43bによって光を照射することによって、第3CCDカメラ33は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの透過光として得ることができる。
【0138】
このように被検査体であるソフトカプセル50の構成材料の反射率及び透過率によ
って、ソフトカプセル50の照射される光を、第3下側照明43a及び第3上側照明43bを適宜切り替えることによって制御することによって、第3CCDカメラ33はソフトカプセル50の状態を良好に撮影することができる。このような撮影によって取得された画像データに基づいて、例えばPC等の付属のコントローラ(図不示)により解析を行うことで、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無をより高精度で検査することが可能となる。尚、このような第3下側照明43a及び第3上側照明43bの切り替え制御もまた、PC等の付属のコントローラ(図不示)により実行するとよい。
【0139】
本実施形態では特に、上述のように撮影が行われる際に、被検査体50の表面が大気中に多く露出しているため、このような照明によって光が照射された場合であっても、撮影対象となる被検査体50の表面に影ができにくい。また、被検査体50の位置を制御するための溝部やスリット等の障害物もない。その結果、被検査体50の表面を照明によって照射しながら、非常に高精度に撮影することが可能である。
【0140】
尚、第3上側照明43b及び第3下側照明43aのどちらか一方が、周辺に配置されたその他の構成要素との配置関係によって、上述の位置に設置することが困難な場合には、当該一方の照明に変えてミラーを配置し、他方の照明の光を反射することで被検査体に光を照射してもよい。
【0141】
一方、第4CCDカメラ34による撮影を補助するために、第3ドラム9には第4下側照明44a及び第4上側照明44bが備えられている。第4上側照明44bは、第3ドラム9の表側から平面的に見て、第4CCDカメラ34の撮影対象であるソフトカプセル50より第4CCDカメラ34寄りに配置されている。一方、第4下側照明44aは、第3ドラム9の表側から平面的に見て、ソフトカプセル50に対して第4上側照明44bの線対称となる位置に配置されている。第4CCDカメラ34、第4下側照明44a及び第4上側照明44bの詳細については、上述の第3CCDカメラ33、第3下側照明43a及び第3上側照明43bと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0142】
第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34による撮影が完了したソフトカプセル50は、第3ドラム9によって搬送され、第4ドラム11に最も接近するタイミングで、第3ドラム9から第4ドラム11に引き渡される。
【0143】
第4ドラム11は、第3ドラム9によって搬送されてきたソフトカプセル50を、吸着部24によって吸着することで、第3ドラム9からソフトカプセル50を引き受ける。第4ドラム11は、図示の方向(図1に示す矢印を参照)に回転しており、第3ドラム9から引き受けたソフトカプセル50を搬送する。第4ドラム11は、台座1上に回転軸12、固定治具13及び支柱14を介して設置されている。
【0144】
吸着部24は、第1ドラム21の吸着部21及び第3ドラム9の吸着部23と同様に、第4ドラム11の側面に沿って複数設けられている。ここで、隣り合う吸着部24間の距離は、第3ドラム9からのソフトカプセル50の受け取りタイミングに同期させて吸着部24の位置を制御可能である限りにおいて自由に変更することが可能であり、隣り合う吸着部24同士が一体的に結合していてもよい。
【0145】
尚、第4ドラム11の吸着部24の詳細な構造については、上述の吸着部21、22及び23の構造と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0146】
ここで、図7を参照して、第3ドラム9から第4ドラム11にソフトカプセル50が引き渡される際における、ソフトカプセル50の挙動を詳細に説明する。図7は、本実
施形態に係る外観検査装置100の第3及び第4ドラム間におけるソフトカプセル50の挙動を模式的に示す斜視図である。
【0147】
ソフトカプセル50は、第4ドラム11に引き渡される前段階では、第3ドラム9の吸着部23に吸着されることによって、第3ドラム9に保持されつつ搬送されている(図7(a)参照)。
【0148】
ソフトカプセル50が第3ドラム9によって搬送され、第4ドラム11に最も接近すると、ソフトカプセル50は第3ドラム9から第4ドラム11に引き渡される(図7(b)参照)。このタイミングで、第3ドラム9の吸着部23は吸着力を減少又は解除すると共に、第4ドラム11の吸着部24は吸着力を増加させる。このような吸着力の制御もまた、上述のコントローラによって吸着部23及び24に備えられた吸引ポンプ(図不示)を制御することによって、実現することができる。すると、第3ドラム9の吸着部23に比べて、第4ドラム11の吸着部24における吸着力が勝るため、第3ドラム9の吸着部23からソフトカプセル50は解放され、第4ドラム11の吸着部24に吸着される。
【0149】
尚、第3ドラム9から第4ドラム11へのソフトカプセル50の引き渡しを行う際に、第3ドラム9の吸着部23では、上述の吸着部21及び22と同様に、開口部の内側に供えられた吸引ポンプ(図不示)により加圧を行ってもよい。
【0150】
ここで、第3ドラム9及び第4ドラム11は、第3ドラム9に保持されたソフトカプセル50が、第4ドラム11によって回転搬送されることにより、第4ドラム11に最も接近した際に、ソフトカプセル50が第4ドラム11の側面上に必然的に配置されるように、高さ及び位置が設定されている。尚、第3ドラム9から第4ドラム11にソフトカプセル50が確実に引き渡される限りにおいて、第3ドラム9及び第4ドラム11の高さ及び位置を変更してもよい。
【0151】
このように、第4ドラム11に引き渡されたソフトカプセル50は、第4ドラム11の吸着部24に吸着されることによって、第4ドラム11の側面上に保持される(図7(c)参照)。その後、ソフトカプセル50は、第4ドラム11の回転に合わせて搬送される。
【0152】
再び図1及び図2に戻って、ソフトカプセル50は、第4ドラム11によって回転搬送されている際に、第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36によって撮影される。ここで、第5CCDカメラ35は本発明に係る「第5の撮影手段」の一例であり、第6CCDカメラ36は本発明に係る「第6の撮影手段」の一例である。
【0153】
第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36は、共に、Y軸に平行な方向からソフトカプセル50を撮影する。第5CCDカメラ35は、ソフトカプセル50の外観のうち、第4ドラム11の裏側(即ち、回転軸12が接続されている側)からY軸に沿って見たときの様子を、画像データとして取得することができる。一方、第6CCDカメラ36は、ソフトカプセル50の外観のうち、第4ドラム11の表側(即ち、回転軸12が接続されていない側)からY軸に沿って見たときの様子を、画像データとして取得することができる。このように、第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36によって取得された画像データは、例えば電気信号としてPC等の付属のコントローラ(図不示)に転送され、当該画像データを解析することによって、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無を判定することができる。
【0154】
ここで、第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36によって撮影される被検
査体50の表面は、吸着部24に吸着されている面を除いて、大気中に露出している。また、被検査体50は上述の背景技術のように、溝部の内側に配置されていないため、大気中への露出量が非常に多い状態で撮影が行われる。
【0155】
第4ドラム11には、第5CCDカメラ35による撮影を補助するために、第5表側照明45a及び第5裏側照明45bが備えられている。第5裏側照明45bは、第4ドラム11の裏側から平面的に見て、第5CCDカメラ35の撮影対象であるソフトカプセル50より第5CCDカメラ35寄りに配置されている。一方、第5表側照明45aは、ソフトカプセル50に対して第5裏側照明45bの線対称となる位置に配置されている。
【0156】
第5裏側照明45bは、第5CCDカメラ35から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の手前側から、ソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を反射しやすい(又は光を透過しにくい)性質を有する場合には、第5裏側照明45bによって光を照射することによって、第5CCDカメラ35は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの反射光として得ることができる。
【0157】
一方、第5表側照明45aは、第5CCDカメラ35から見て、撮影対象であるソフトカプセル50の向こう側(即ち、手前側の反対側)からソフトカプセル50に対して光を照射する。例えば、ソフトカプセル50の表面が光を透過しやすい性質を有する場合には、第5表側照明45aによって光を照射することによって、第5CCDカメラ35は撮影に必要な光を、ソフトカプセル50からの透過光として得ることができる。
【0158】
このように被検査体であるソフトカプセル50の構成材料の反射率及び透過率によって、ソフトカプセル50の照射される光を、第5表側照明45a及び第5裏側照明45bを適宜切り替えることによって制御することによって、第5CCDカメラ35はソフトカプセル50の状態を良好に撮影することができる。このような撮影によって取得された画像データに基づいて、例えばPC等の付属のコントローラ(図不示)により解析を行うことで、ソフトカプセル50の外観における不具合の有無をより高精度で検査することが可能となる。尚、このような第5表側照明45a及び第5裏側照明45bの切り替え制御もまた、PC等の付属のコントローラ(図不示)により実行するとよい。
【0159】
本実施形態では特に、上述のように撮影が行われる際に、被検査体50の表面が大気中に多く露出しているため、このような照明によって光が照射された場合であっても、撮影対象となる被検査体50の表面に影ができにくい。また、被検査体50の位置を制御するための溝部やスリット等の障害物もない。その結果、被検査体50の表面を照明によって照射しながら、精度よく撮影することが可能である。
【0160】
尚、第5表側照明45a及び第5裏側照明45bのどちらか一方が、周辺に配置されたその他の構成要素との配置関係によって、上述の位置に設置することが困難な場合には、当該一方の照明に変えてミラーを配置し、他方の照明の光を反射することで被検査体に光を照射してもよい。
【0161】
一方、第6CCDカメラ36による撮影を補助するために、第4ドラム11には第6表側照明46a及び第6裏側照明46bが備えられている。第6表側照明46aは、第4ドラム11の表側から平面的に見て、第6CCDカメラ36の撮影対象であるソフトカプセル50より第6CCDカメラ36寄りに配置されている。一方、第6裏側照明46bは、第4ドラム11の表側から平面的に見て、ソフトカプセル50に対して第6表側照明46aの線対称となる位置に配置されている。第6CCDカメラ36、第6表側照明46a及び第6裏側照明46bの詳細については、上述の第5CCDカメラ35、第5表側照
明45a及び第5裏側照明45bと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0162】
尚、第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36は、X―Z平面において見た場合に、ソフトカプセル50を挟んで互いに対向するように配置し、第5表側照明45a及び第5裏側照明45b、並びに第6表側照明46a及び第6裏側照明46bを共用してもよい。
【0163】
第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36による撮影が完了したソフトカプセル50は、第4ドラム11によって搬送され、噴射装置16に最も接近した際に、噴射装置16から噴射される空気圧によって、第4ドラム11の備える吸着部24に保持されていたソフトカプセル50が放出される。このとき、噴射装置16から空気が噴射されると同時に吸着部24の吸着力を減少又は解除したり、逆に加圧することによって、より確実にソフトカプセル50を第4ドラム11から解放してもよい。
【0164】
第4ドラム11から解放されたソフトカプセル50は、ベルトコンベアー15上に落下し、ベルトコンベアーによって格納庫(図不示)に格納される。このようにして、本実施形態にかかる外見検査装置100によって実行される検査が終了する。
【0165】
ここで、図8を参照して、上述の各種CCDカメラによって撮影される方向について、詳細に説明する。図8は、被検査体であるソフトカプセル50を基準とした上述の各種CCDカメラの相対的配置を示す模式図である。
【0166】
ここで、検査が行われたソフトカプセル50について、不具合の有無によって第4ドラム11からソフトカプセル50が解放される位置を変え、夫々異なる格納庫に不具合の有無によって分別しながらソフトカプセル50を格納してもよい。つまり、判定結果によってソフトカプセル50を自動的に分別できるように、ソフトカプセル50の第4ドラム11上における解放位置を変化させてもよい。更には、不具合の有無の他、被検査体中に複数の種類のソフトカプセル50が含まれている場合にはその種類毎、又は複数の異なる種類の不具合の検査を行った場合には、その検査結果の内容によって、夫々異なる格納庫に検査結果に応じて格納されるように構成してもよい。その結果、検査結果に応じた分別を自動的な処理にて迅速に行うことができるので、検査効率をより一層高めることが可能となる。
【0167】
上述した各種CCDカメラによって撮影される方向をまとめて述べると以下の通りである。第1CCDカメラ31及び第2CCDカメラ32は、第2ドラム3の半径方向に沿って実質的に相対向するように配置されており、当該方向からソフトカプセル50の裏表を夫々撮影する。第3CCDカメラ33及び第4CCDカメラ34は、Z軸に沿って実質的に相対向するように配置されており、当該方向からソフトカプセル50の裏表を夫々撮影する。また、第5CCDカメラ35及び第6CCDカメラ36は、Y軸に沿って実質的に相対向するように配置されており、当該方向からソフトカプセル50の裏表を夫々撮影する。
【0168】
以上説明したように、本実施形態に係る概観検査装置100では、6つのCCDカメラによって6方向からソフトカプセル50を撮影することができる。ここで、第2ドラム7の半径方向、Y軸及びZ軸は、ソフトカプセル50から見た場合に、相対的に互いに90度で交差していることと、実質的に等価であるとみなすことができる。従って、上述の6つのCCDカメラによってソフトカプセル50の表面全体を満遍なく撮影することが可能である。また、各CCDカメラにはソフトカプセル50の光透過性の程度によって切り替え可能な照明が二つずつ備えられているため、透明及び不透明な被検査体の双方につ
いて高品位な検査を実施することができる。更には、各ドラム上において、ソフトカプセル50は吸着部以外の面が大気中に広く露出しているので、周辺に配置された他の構成要素等が障害となってソフトカプセル50の表面を部分的に隠したり、影となって写りこむこともない。その結果、このように6つのCCDカメラによって撮影された画像を夫々解析することにより、ソフトカプセル50の表面全体における不具合の有無について、非常に高精度な検査を行うことができる。
【0169】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う検査装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0170】
3 第1ドラム、 7 第2ドラム、 9 第3ドラム、 11 第4ドラム、 5 補助ドラムシステム、 16 噴射装置、 21・22・23・24 吸着部、 31・32・33・34・35・36 CCDカメラ、 41・42・43・44・45・46
照明、 50 ソフトカプセル、 60 柔軟部材、 100 外観検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面に設けられた第1の吸着部によって微小物体を吸着しつつ、前記第1の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第1のドラムと、
前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の吸着部に吸着された微小物体及び前記第1の表面の中央部を通る第1の基準線上のうち、前記第1の吸着部に吸着された微小物体及び前記第1の表面の中央部間の一の領域に配置され、前記第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第1の撮影手段と、
前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の基準線上のうち前記一の領域を除く他の領域に配置され、前記第1の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第2の撮影手段と、
(i)前記第1の表面に平行な第2の表面及び(ii)第2の側面を有し、当該第2の側面に設けられた第2の吸着部によって前記第1のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、前記第2の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第2のドラムと、
前記第2のドラムの表側及び裏側の一方から、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第3の撮影手段と、
前記第2のドラムの表側及び裏側の他方から、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第4の撮影手段と、
(i)前記第2の表面に平行な面に交差する第3の表面及び(ii)第3の側面を有し、当該第3の側面に設けられた第3の吸着部によって前記第2のドラムによって搬送された微小物体を吸着しつつ、前記第3の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第3のドラムと、
前記第3のドラムの表側及び裏側の一方から、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第5の撮影手段と、
前記第3のドラムの表側及び裏側の他方から、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を撮影する第6の撮影手段と、
前記第1乃至第6の撮影手段によって撮影されることにより取得した画像情報に基づいて、前記微小物体の表面状態における不具合の有無を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする微小物体の外観検査装置。
【請求項2】
前記第3及び第4の撮影手段は、前記第2の吸着部に吸着された微小物体を通り、前記第2の表面部の法線方向に平行な第2の基準線上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項3】
前記第5及び第6の撮影手段は、前記第3の吸着部に吸着された微小物体を通り、前記第3の表面部の法線方向に平行な第3の基準線上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項4】
前記第1の基準線、前記第2の基準線及び前記第3の基準線は、前記微小物体を基準として相対的に見た場合に、互いに直角に交わることを特徴とする請求項3に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項5】
前記第3の表面部は、前記第1の表面及び前記第2の表面に対して直角に交わることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項6】
前記第1乃至第6撮影手段の各々は、当該第1乃至第6の撮影手段の各々によって撮影される前記微小物体の手前側及び向こう側の少なくとも一方に、前記微小物体に光を照射するための照射手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項7】
前記第1のドラム及び前記第2のドラムは、前記第1のドラムによって搬送された微小物体が前記第2の吸着部に吸着される際に、前記第1の吸着部に吸着された微小物体が前記第2の側面に面するように配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項8】
前記第2のドラム及び前記第3のドラムは、前記第2のドラムによって搬送された微小物体が前記第3の吸着部に吸着される際に、前記第2の吸着部に吸着された微小物体が前記第3の側面に面するように配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項9】
第1及び第2の撮影手段、前記第3及び第4の撮影手段、並びに前記第5及び第6の撮影手段は、夫々、互いに対向するように配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項10】
前記第1の吸着部は、前記第1の表面の法線方向から見て、前記第1の表面の中央部から一定の距離に複数設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項11】
前記第2の吸着部は、前記第2の側面のうち前記第2の表面に平行な一の平面と交差する線上に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項12】
前記第3の吸着部は、前記第3の側面部のうち前記第3の表面部に平行な一の平面と交差する線上に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項13】
前記第1の吸着部、第2の吸着部及び第3の吸着部は、前記微小物体に対して負圧を印加することにより、前記微小物体を吸着することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項14】
前記第1の吸着部は、前記第1のドラムによって搬送された微小物体が前記第2の吸着部に吸着される際に、当該微小物体に印加された負圧を軽減することを特徴とする請求項13に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項15】
前記第2の吸着部は、前記第2のドラムによって搬送された微小物体が前記第3の吸着部に吸着される際に、当該微小物体に印加された負圧を軽減することを特徴とする請求項13又は14に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項16】
前記第1の吸着部、第2の吸着部及び第3の吸着部は、吸着された前記微小物体との間に生じる隙間を埋めるための保持部材を備えることを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項17】
互いに平行な第4及び第5表面を夫々有すると共に、互いに逆方向に回転する円盤状の第4及び第5のドラムを更に備え、
当該第4及び第5のドラムは、前記第4及び第5表面上で平面的に見て、第4のドラム及び第5のドラム間の隙間を前記微小物体が通過するように配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項の微小物体の外観検査装置。
【請求項18】
(i)前記第1の表面に平行な第6の表面及び(ii)第6の側面を有し、当該第
6の側面に設けられた第6の吸着部によって微小物体を吸着しつつ、前記第6の表面に平行な面で回転することにより該微小物体を搬送可能な円盤状の第6のドラムを更に備え、
前記第4及び第5のドラムは、前記第6の吸着部によって吸着された微小物体が第4及び第5のドラム間の隙間を通過するように配置されており、
前記第1のドラムは、前記第1の吸着部が前記第6のドラムによって搬送された微小物体を吸着するように配置されていることを特徴とする請求項17に記載の微小物体の外観検査装置。
【請求項19】
前記第1乃至第6の撮影手段は、前記微小物体を一つずつ撮影することを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の微小物体の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−95133(P2011−95133A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250123(P2009−250123)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(309037907)株式会社ティーワイテクノ (1)
【Fターム(参考)】