説明

微粒子群密度上昇方法及び装置

【課題】 搬送管を用い作動排気構造、高圧力ジェットを利用した微粒子搬送方法においては、加速放出された微粒子は、指向性を有して放出され放出方向に対する垂直方向では拡散は小さい。しかし、微粒子径による搬送管内の加速長の違い、微粒子を搬送する気体の搬送管内壁との摩擦による径方向分布の速度差等により加速放出される微粒子は、放出方向に主として拡散してしまう。
【解決手段】 本願発明においては、レーザー生成プラズマ光源となるターゲットの密度を効果的に上昇させ、吸収の効率をあげることが出来る。これにより、レーザーアブレーションを利用した気体搬送方式では達成できなかった高密度状態が得られる。同時に高効率なプラズマ光源発生が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、気体により微粒子群を供給するに際し、該微粒子の密度を上昇させて供給する方法及び装置に関するものである。密度上昇させた微粒子群にレーザーを照射してプラズマ化することにより、該プラズマから放射された光をEUVリソグラフィー光源、表面分析装置用軟X線プラズマ光源及び軟X線顕微鏡用光源等とすることができる。
【背景技術】
【0002】
微粒子を気体と衝突させ搬送供給する方式としては、ガスジェットに微粒子を混入させ吹き出させる方式(下記特許文献1参照)及びガスフローを用いて微粒子を供給する方式(下記特許文献2参照)が一般的である。
【特許文献1】特開平10−221499号公報
【特許文献2】特開2000−282222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
搬送管を用い作動排気構造、高圧力ジェットを利用した微粒子搬送方法では、加速放出された微粒子は指向性を有して放出され放出方向に対する垂直方向では拡散は小さい。しかし、微粒子径による搬送管内の加速長の違い、微粒子を搬送する気体の搬送管内壁との摩擦による径方向分布の速度差等により加速放出される微粒子は放出方向に主として拡散してしまう。
【0004】
この微粒子の速度は、内径0.45mm、長さ5cm、初期圧力100Torrでの搬送管の場合、主として2×103〜1.3×104[cm/s]の速度差が生じることが実験的に確かめられている。
【0005】
つまり、アブレーション後0.9msにおいて、微粒子群は、約10cmに拡散し、プラズマ光源の径を管内径0.5mm程度とした場合、2桁以上の密度低下を生じる。
【0006】
レーザー加熱でプラズマ化する場合、その吸収係数αは逆制動輻射の式で決まり、レーザー波長、ターゲット密度の2乗および媒質長によりおおよそ決定され、吸収率aは、αの関数として次のように示される。
α=5.5×10−8ZNeλ/kTe2/3 (1)
a=exp(−αL) (2)
【0007】
ここで、Zはイオンの平均価数、Neは電子密度、λはレーザー波長、kTeは電子温度およびcは光速を示す。光源となる標的が媒質長Lで限定されている場合、低密度状態においては、レーザー光の一部しか加熱に使われず、大部分が透過してしまう。一方、高密度状態においては、媒質長Lまで届くことなく照射側の一部しかプラズマ化されなく、残りの裏面側のプラズマは、輻射強度に寄与することなく、光源用真空チェンバー内の汚染物質となることなどがあげられる。
【0008】
例えば、媒質長L=0.5mmの標的に対しYAGレーザー(波長1.06μm)照射を行い電子密度50eVのプラズマ生成を行う場合、電子密度を1×1019cm-3から5×1019cm-3まで変化させると、吸収率は、10%から90%まで大きく変化する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
大型微粒子に比べ直径の無視できる静止した質量mの被衝突媒質である小型微粒子群の中に微粒子直径dの質量Mの大型微粒子が速度Vで進入しN回衝突した後の速度V’とすると、微粒子の速度変化はエネルギー保存則および運動量保存則より速度比はおよそ次式で示される。
ln(V’/V)=-N(2m/M) (3)
一方、衝突する回数Nは飛程をLsとし、小型微粒子の数密度をnとすると、
N=(π/4)d2Lsn (4)
で示される。被衝突媒質が気体で圧力P[Torr]、分子数A、密度ρの場合、
d=1.8×10-7LsPA/(ρ[2mN/M]) (5)
となる。
【0010】
実際の実験においては、50Torrの空気中に放出した微粒子は、3cmまで減少せず、4cmまでの1cmにおいてほぼ全て静止することを実験的に確かめた。このとき、4cmの飛程をもつ微粒子の直径dは、200nmとなる。
【0011】
この200nmの微粒子を被衝突媒質とし実験において測定した値の総量の半数がこの径であるとすると、数密度は、実験値より1×1011cm-3となる。この小型微粒子を被衝突媒質とした場合、静止までの係数(2mN/M)を5〜7(初速度の1/1000〜1/100)とすると、(3)、(4)式から200nm直径の微粒子群に衝突し制動させられる径の大型微粒子は200nmの約10倍、2μm直径となる。
【0012】
実際の実験においても3cmから4cmまでの約1cmにおいて大部分の微粒子は、静止している結果が得られている。
【0013】
一方、2μm直径の微粒子が50Torrの環境下で気体との直接の衝突で静止するまでには10倍の40cmの飛程が(5)式より必要となり、この実験結果とは大きく矛盾する。
【0014】
放出された、微粒子の径は2,3μmを最大としてサブμmの物がほとんどであることは電子顕微鏡の撮影から確認され、上記の計算結果と矛盾しない。
【0015】
一方、対向する方向から気体のみを放出し放出先が真空の場合、搬送気体の管出口付近での拡散により小型微粒子が大きく影響され、搬送管出口直後、広範囲で拡散してしまうため衝突、圧縮は生じないことが実験的に確かめられている。
【0016】
しかし、10Torr程度の気体を放出先に充填することで、小型微粒子の拡散を抑制し対向方向から放出された気体と衝突することで、放出後約2cm前方でmmサイズの領域で衝突、圧縮することが実験的に確かめられている。
【0017】
これは低い圧力下で同等の条件を得られるとともに、静止した小型微粒子が被制動物質となり大型微粒子を静止、全体の密度を圧縮した結果を示している。微粒子同士を複数の方向から放出した場合は、小型微粒子の広範囲の拡散を制御することで気体との衝突以上の効果が得られる。
【0018】
また、高繰り返し動作で一方から微粒子を放出した場合、2×103〜1.3×104[cm/s]の速度差が5cm長の搬出管出口において数msの微粒子群の拡散を生じる。そのため、この数100Hz以上の高繰り返し動作で微粒子群を供給した場合、後発で発せられた小型微粒子が前方の前発の大型微粒子と数cm搬送管出口前方で衝突することで静止する。これにより、連鎖的に後続の大型微粒子も衝突し静止し、密度上昇を行う。
【発明の効果】
【0019】
差動排気構造を利用した気体搬送微粒子供給方法は、慣性により放出先に直進するためアパーチャ等を用いることによりターゲットとなる微粒子群の径を幾何学的に制御することが可能となる。同時に一定空間内にほぼ均一に分散し、レーザーエネルギーから最適の変換効率が得られる装置となり得る。本願発明においては、この特徴を維持しつつレーザー生成プラズマ光源となるターゲットの密度を効果的に上昇させ、吸収の効率をあげることが出来る。これにより、レーザーアブレーションを利用した気体搬送方式では達成できなかった高密度状態が得られる。同時に高効率なプラズマ光源発生が達成される。
【0020】
本願発明によれば、微粒子群を標的としたレーザー生成プラズマ光源の場合、流体的な拡散による密度低下を元に戻す作用があるため、微粒子の供給総量を減少することにつながる。これは、光源チェンバー内のターゲット物質の汚染量を減少することにつながる。また、アブレーションにより微粒子を供給する場合、レーザー照射域を小さくすることにつながるため、この被アブレーション物質の供給速度を遅くすることにもつながる。
【0021】
また、放出供給した微粒子を圧縮することで、必要最小限の総量を供給することとなり、光源装置内の汚染を低減することにもつながる。さらに、微粒子自体を発生させるためのレーザーアブレーションさせる面積を小さくすることが可能なため、アブレーション用のターゲット供給速度に余裕が生じ、高繰り返し対応が可能となる等の利点が発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本願発明を詳細に説明する。
【0023】
光源プラズマは、レーザー生成プラズマ、ピンチプラズマ等が候補として挙げられる。レーザー生成プラズマの場合、YAGレーザー(波長1064nm、532nm)、CO2レーザー(波長10.6μm)、KrFエキシマレーザー(248nm)等が考えられる。また、そのときのパルス幅は、微粒子径に依存し、1μmの微粒子直径の場合、数ns程度のパルス幅となる。
【0024】
最適吸収率は、レーザー波長の2乗に対し異なるため、実施に際しては圧縮可能な密度に対して最適な波長のレーザーが望まれる。
【0025】
上記のように媒質長L= 0.5mm、プラズマ中の電子温度50eVの状態に対し、例として90%のレーザーエネルギーの吸収を考えた場合、YAGレーザー(波長1.06μm)において、電子密度は、5×1019cm-3で、CO2レーザー(波長10.6μm)は1/10の5×1017cm-3、KrFエキシマレーザー(波長248nm)では18倍の2×1020cm-3となる。
【0026】
微粒子の材料は、Mo/Si多層膜反射鏡で構成されるEUVリソグラフィー光源の場合、最も光学系の反射率が高い13nm近傍にスペクトル線が凝縮しているSnが好ましいが、Sn化合物でも可能である。気体との直接の衝突によって静止し、大型微粒子を静止させる小型微粒子は、大型微粒子と同一のSn、Sn化合物が候補である。または多層膜反射鏡に付着した際、反射率の低下を起こしにくいSi、Si化合物も用いることが可能である。また、付着しても除去しやすい炭化水素化合物なども候補である。一方、静止させるための気体は、付着における汚染を防ぐためHe、Ne、Ar又はKrが好ましい。
【0027】
また、微粒子径は1μm径に対し数nsのパルス幅を持つレーザー照射で完全プラズマ化が可能である。一般的に、レーザーの熱伝導でのプラズマ化のアブレーション深さは、照射強度の約1/2乗とパルス幅の積に比例するため、パルス幅の短いレーザーに対しては、完全プラズマ化を行う場合、パルス幅に見合った小径の微粒子が必要となる。
【0028】
一方、供給する微粒子は、レーザーアブレーションによる固体からの発生でも、微粒子をあらかじめ充填している方法でも構わない。ただし、小型微粒子径は、放出先の気体圧力、目的とする飛程で制動する径、その静止した微粒子が大型の微粒子を止める十分な密度となることが必要である。具体的には、微粒子径は10ns程度のパルスレーザーでプラズマ化を行う場合、標的としては1μm程度の微粒子径が対象となる。この大型微粒子を衝突により静止させ密度上昇を行うためには1/10程度の径を持つ小型微粒子を含み、大型微粒子を静止させるだけの密度を有する粒度分布で構成される必要がある。
【0029】
搬送管外のアパーチャは、吹き出し方向に垂直に拡散する微粒子を制限するために設置されている。このアパーチャにより直進する微粒子は、境界が明確に保たれる。そのため、微粒子をプラズマ化した際の輻射は、光源周囲の微粒子もしくは低密度低電離プラズマに吸収されること無く、輻射光を取り出すことが可能である。
【0030】
そのため、このアパーチャは、必ずしも円形である必要は無く、四角、直線であっても構わない。
【0031】
実施例1としては、図1に示すように、気体で小型微粒子を制動させ、それ自身を被衝突媒質として大型微粒子まで制動させ密度上昇を行う方式、実施例2としては、図2に示すように、小型微粒子の拡散を防ぐだけの気体を放出先に注入し、小型微粒子と別方向から放出された気体とを衝突させ、実施例1と同様の効果を得る方法、実施例3としては、図3に示すように、複数の方向より放出される微粒子同士を衝突させ、後続の大型微粒子を制動させる方式、実施例4としては、図4に示すように、高繰り返し動作の末、衝突で密度上昇させる方式がある。
【実施例1】
【0032】
図1を用いて説明する。長さ5cm、内径0.45mmの搬送管をアブレーション域(100Torr)において、レーザーアブレーションによりSn微粒子を供給した場合、微粒子の放出速度は、2×103から1×104[cm/s]となり、0.8ms後に9cmまで吹き出し方向に拡散していることが確かめられている。
【0033】
搬送管出口1cmでの実測値である堆積厚み約10μmを考慮すると、平均密度は、4×1018cm-3である。
【0034】
一方、出口の放出先のチェンバーに50Torrの空気を充填した場合、3cmまでほぼ、100%届く微粒子が4cmまでの1cmでほぼ全て静止することが確認された。
【0035】
このとき微粒子の密度は、搬送管出口から4cm離れた位置で径方向の拡散も考慮に入れても3×1019cm-3と10倍近くの密度に上昇することが確認されている。
【0036】
気体圧力、飛程を考慮した場合、直径0.2μmのSn微粒子までしか止まらない計算となる。
【0037】
実際には、個数として微粒子は、1μm以下の直径であり、大半がサブμmのサイズであることが測定でわかっている。しかし、直径1μmのサイズの体積は総量として無視できない比率がある。
【実施例2】
【0038】
実施例1の空気による制動の場合、サブμmの直径の微粒子により数μmの微粒子まで連鎖的に制動させ密度上昇可能なことを示した。
【0039】
図2を用いて実施例2について説明する。図2においては、1つの反対の方向からは気体に搬送された微粒子群を、対称の位置からは気体のみを放出する。
【0040】
この場合、ほぼ中心において、気体と衝突した小型微粒子群は、静止し、後続の大型微粒子と衝突することで連鎖的に微粒子群の密度を上昇する効果が得られる。
【0041】
気体による搬送で微粒子を放出した場合、直径は中心から約数10mrad程度の指向性で直進する。しかし、微粒子放出先の光源域で差圧が大きく、例えば真空状態の場合、被制動媒質の小型微粒子は放出垂直方向に拡散し衝突位置での数密度が下がる。この密度が十分でない場合、後続の大型微粒子と衝突することなく密度上昇の効果が得られない。そのため、光源域での密度を10Torr程度の密度を与えることで、小型微粒子の拡散を抑制し、実施例1と同様の密度上昇効果が得られる。
【0042】
この圧力は、実施例1に比べて、光源域の圧力を数分の1に下げることが可能である。このため、光源から発生した低エネルギー域の極端紫外光の場合、透過率を上昇することが可能である。
【0043】
一方、2つの気体搬送管から放出された気体により、圧縮された微粒子群は、拡散してしまうため適当な遅延時間にレーザー照射を行いプラズマ化する必要がある。
【0044】
光源域10Torr程度の拡散防止の雰囲気の変わりに搬出される搬送管を2重構造とすることで同様の効果が得られる。また、対称的に放出させる気体は、定常的でも間欠的なパルス状でも構わない。異なる方向から放出される気体は、複数であってもかまわない。
【実施例3】
【0045】
図3に示されるように、実施例2において、被制動のため放出した気体自体にも微粒子を加えることで、搬送と被制動の両方の役割を持たせることができ、衝突位置では被制動媒質となる小型微粒子の数、密度上昇に直接結びつく。このため、大型の微粒子の供給量を増加することができ効果的な密度上昇をすることも可能である。
【0046】
微粒子搬送管は、同軸上で衝突する対称の位置であっても、3方向以上が中心で衝突する配置で複数照射した場合でもかまわない。
【実施例4】
【0047】
図4に示すように、微粒子供給を高繰り返しで行うことで、先発で放出した微粒子に後発で放出した微粒子が衝突し、連鎖的に衝突を行うことで密度上昇を引き起こす。
【0048】
微粒子の放出速度は、測定値では2.1×103cm/sから1.3×104cm/sであるため、搬送管長5cm、出口から1cmにおいて衝突圧縮させる場合、高速粒子は、アブレーション後0.46ms後に到達し、低速粒子は、2.86ms後に到達する。
【0049】
ターゲット供給の遅延が2.4msの場合、この条件で微粒子同士が衝突することとなる。このときの繰り返しは、417Hzとなり、これ以上の高繰り返し動作でターゲット供給を行う場合、連鎖的に密度が高い状態を生成することが可能となる。
【0050】
この場合も、径方向に拡散しやすい小型微粒子を逃がさないために、10Torr程度の圧力、二重ノズルなどの構造が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本願発明の実施例1を示す図である。
【図2】本願発明の実施例2を示す図である。
【図3】本願発明の実施例3を示す図である。
【図4】本願発明の実施例4を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体搬送による微粒子群圧縮方法であって、微粒子群放出先に気体を充填し、該気体と該微粒子群の衝突により該微粒子群中の小径微粒子を制動させ、該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮方法。
【請求項2】
気体搬送による微粒子群圧縮方法であって、微粒子群放出先に該微粒子群の放出方向とは異なる方向から気体を噴出させ、該微粒子群中の小径微粒子と該気体とを衝突させることにより、該小径微粒子を制動させ、該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮方法。
【請求項3】
気体搬送による微粒子圧縮方法であって、複数の方向から微粒子群を放出させ、該微粒子群中の小径微粒子同士を衝突させることにより該小径微粒子を制動させ、該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮方法。
【請求項4】
気体搬送による微粒子圧縮方法であって、高繰り返し動作で微粒子群を放出させ、先発で放出した微粒子群中の低速微粒子と後発で放出した微粒子群中の高速小型微粒子を衝突させることで小型微粒子を制動させ、該静止した微粒子と後発、後続の微粒子と衝突を重ねることにより、連鎖的に微粒子群中の大型微粒子まで制動させ高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮方法。
【請求項5】
アブレーション領域から光源領域へ搬送管を介して微粒子群を送り込む微粒子群圧縮装置であって、該光源領域に気体を充填し、該気体と該微粒子群の衝突により該微粒子群中の小径微粒子を制動させ、該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮装置。
【請求項6】
アブレーション領域から光源領域へ搬送管を介して微粒子群を送り込む微粒子群圧縮装置であって、微粒子群放出先に該微粒子群の放出方向とは異なる方向から気体を噴出させ、該微粒子群中の小径微粒子と該気体とを衝突させることにより、該小径微粒子を制動させ、該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮装置。
【請求項7】
アブレーション領域から光源領域へ搬送管を介して微粒子群を送り込む微粒子圧縮装置であって、複数の方向から微粒子群を放出させ、該微粒子群中の小径微粒子同士を衝突させることにより該小径微粒子を制動させ、
該静止した小型微粒子と後続の該微粒子群中のやや大きい微粒子を衝突させ、この動作を連続的に行うことにより、連鎖的に該微粒子群中の大型微粒子まで制動させ、高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮装置。
【請求項8】
アブレーション領域から光源領域へ搬送管を介して微粒子群を送り込む微粒子圧縮装置であって、高繰り返し動作で微粒子群を放出させ、先発で放出した微粒子群中の低速微粒子と後発で放出した微粒子群中の高速小型微粒子を衝突させることで小型微粒子を制動させ、該静止した微粒子と後発、後続の微粒子と衝突を重ねることにより、連鎖的に微粒子群中の大型微粒子まで制動させ高密度を得ることを特徴とした微粒子群圧縮装置。
【請求項9】
上記微粒子群は、Sn又はSn化合物であることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の微粒子群圧縮装置。
【請求項10】
上記静止させるための気体は、He、Ne、Ar又はKrであることを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の微粒子群圧縮装置。
【請求項11】
上記搬送管の出口の先にアパーチャを設置し、微粒子群の境界を明確にし、微粒子をプラズマ化した際、その輻射を周囲の微粒子又は低密度プラズマにより吸収されない構造としたことを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の微粒子圧縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−179353(P2006−179353A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−372327(P2004−372327)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度経済産業省「極端紫外線(EUV)露光システムの基盤技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】