説明

微細砂回収装置および泥水処理設備

【課題】泥水処理設備において微細な砂成分を有効に分離回収し、その含水比を低下させる。
【解決手段】回収対象の微細砂成分d22を含む高濃度の泥水を搬送するためのコンベアベルト13を濾布により形成し、そのコンベアベルトに対して振動を与えて振動篩いとして機能させ、かつコンベアベルトの下面から泥水中の水分を真空吸引する。
泥水シールド機からの排泥水から粗砂成分d21を分離捕集するための一次サイクロン3Aと、それを通過した泥水から微細砂成分d22を分離捕集するための二次サイクロン3Bを具備し、微細砂成分d22を含む高濃度の泥水を微細砂回収装置Aに供給して脱水し回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥水処理設備に設置されて処理対象の泥水から微細な砂成分を分離するとともに脱水して回収するための微細砂回収装置、およびその微細砂回収装置を備えた泥水処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、掘削土を泥水によって流体輸送することを基本とする泥水シールド工法においては、泥水を処理しつつ循環させるための泥水処理設備が不可欠であり、その最も基本的かつ一般的な構成例を図5に示す。
これは、泥水シールド機から戻された排泥水をまずローヘッドスクリーン1に通して礫分d1(一般には粒径が2.0mm以上)を回収した後、それを通過した泥水を泥水受槽2に受け、その泥水をサイクロン3およびサンドセパレータ4の間を循環させることによって泥水中の砂分d2(一般には粒径が0.075〜2.0mm)を回収するようにしたものである。
【0003】
また、サイクロン3をそのまま通過する泥水にはさらに微細な成分であるシルトや粘土等の細粒分(一般には粒径0.075mm未満。バインダー成分ともいう)を含んでいるので、その泥水は泥水回収槽5に回収し、その一部は調整槽6にて所望の調整が行なわれて送泥水として泥水シールド機に供給され循環使用される。
以上の処理は一次処理と称され、トンネル掘削により発生する掘削土はこの一次処理によって一次分離土砂dとして回収され、適宜場外に搬出されて一般廃棄物として処分され、あるいは可能であれば適宜再利用される。
【0004】
なお、図示は省略しているが、掘削土中の細粒分であるシルトや粘土(バインダー成分)は、循環泥水の調整に利用されるもの以外は、泥水回収槽5から余剰泥水として別途回収され、二次処理としての汚泥処理がなされた後、産業廃棄物として別途搬出され処分される。その二次処理としてはフィルタープレスによる高圧脱水処理が一般的であるが、たとえば特許文献1に示すようにドラムスクリーン型汚泥脱水装置による二次処理を行うこともある。なお、この特許文献1に示されている一次処理はサイクロンによるものであって基本的には図5に示している一次処理と同様のものである。
【特許文献1】特開平6−304597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、トンネル施工に際しては膨大な量の掘削土が発生し、その掘削土の場外への搬出はダンプトラックにより行われることが通常であるが、施工性改善とコスト削減を図るためには掘削土の搬出量を可及的に削減したいという要請があり、特に、都市域でのトンネル施工に際してはダンプトラックによる掘削土の搬出について多くの制約を受けることが通常であることから、その観点からも搬出量の削減が望まれている。
【0006】
掘削土の搬出量を削減するためには場内で再利用することも有効であるが、それには自ずと限界があるので、まず掘削土の減量化、減容化による搬出量の低減を図ることが必要であり、そのためには一次処理で発生する一次分離土砂dの含水比を低下させることが有効であると考えられる。すなわち、一般に一次処理により回収される一次分離土砂dの含水比は30%程度とかなり高いことから、その含水比を低減させれば自ずとその分の搬出量を削減できることになる。
【0007】
しかし、上述したように従来一般の泥水処理設備では、二次処理される細粒分については二次処理工程において高圧フィルタープレス等による含水比の低減を図ることはできるが、一次処理においてはローヘッドスクリーン1で礫分d1を分離した後には、単にサイクロン3によって砂分d2を分離するものであって、一次分離土砂dについてはその含水比を低下させるような格別の処理を行う余地がなく、したがって一次分離土砂dは高含水比のままで搬出するしかなく、その含水比を低下させて減量化、減容化を図ることは困難である。
【0008】
特に、ローヘッドスクリーン1で分離される礫分d1は粒径が大きいことからその含水比はさして高くはならないが、サイクロン3で分離される砂分d2は礫分d1に比べて微細であって粒子全体の総表面積が大きいことから自ずと含水比が高くなるものであるし、その砂分d2はサンドセパレータ4において高含水比の造粒体となってしまうことが通常である。そして、一般にはそのような高含水比の造粒された砂分d2が一次分離土砂dの大半を占めることから、砂分d2の含水比を多少なりとも低下させることができれば、一次分離土砂d全体の含水比を効率的に低下させてその減量化と減容化を実現でき、ひいては掘削土の搬出量の削減を実現できると考えられるが、そのための有効適切な手段は提供されていない。
【0009】
また、従来一般の一次処理においては、サイクロン3による砂分d2の分離回収を必ずしも効率的に行えず、特に砂分d2と細粒分(シルトや粘土)との境界領域の成分を明確に分離することは非常に困難である。そのため、従来においてはシルトや粘土に近い領域の微細な砂成分(以下、微細砂成分という)がサイクロン3によっては有効に分離捕集されずに少なからず循環泥水に混入してしまい、それによる泥水品質の低下や、それに伴う泥水圧送動力負荷の増大、また二次処理すべき余剰泥水にも微細砂成分が混入することによる二次処理効率の低下、といった問題も生じている。
【0010】
以上のことから、この種の泥水処理設備においては一次分離土砂として発生する砂分の含水比を低下させ、また特に上記のような微細砂成分をシルトや粘土等のバインダー成分から有効に分離したいという要請があるが、現時点ではそのための処理を効率的に実施し得る有効適切な手法は確立されておらず、それを可能とする手段の開発が開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記事情に鑑み、本発明の微細砂回収装置は、泥水処理設備に設置されて処理対象の泥水から微細な砂成分を分離するとともに脱水して回収するためのものであって、回収対象の微細砂成分を含む高濃度の泥水を搬送するためのベルトコンベアを主体として、該ベルトコンベアにおけるコンベアベルトを、回収対象の微細砂成分を捕集可能でありかつ水分は通過可能である濾布により形成し、前記ベルトコンベアには、前記コンベアベルトに対して振動を与えることにより該コンベアベルトにより搬送される泥水中の水分を篩い落とす振動機構と、該コンベアベルトの下面から該コンベアベルトを通して泥水中の水分を真空吸引する真空脱水機構を具備してなることを特徴とする。
【0012】
本発明の微細砂回収装置における振動機構としては、高周波振動モータによって高周波振動が与えられる振動フレームと、該振動フレームに両端部が回転可能に支持されて該振動フレームとともに高周波振動が与えられつつ、かつコンベアベルトの周回に従動して自転しつつ、該コンベアベルトを下面側から支持するフリーローラからなる構成のものが好適である。
【0013】
本発明の微細砂回収装置における真空脱水機構としては、コンベアベルトの下面に接触するとともにその接触部にスリットが形成された真空吸引管からなる構成のものが好適である。
【0014】
本発明の泥水処理設備は、上記の微細砂回収装置を備えて、泥水シールド機によるトンネル掘削に際して泥水を循環処理しつつ該泥水から微細な砂成分を回収可能なものであって、前記微細砂回収装置の前段に回収対象の微細砂成分を捕集して分離するための二次サイクロンを設置するとともに、該二次サイクロンの前段に、泥水シールド機からの排泥水から微細砂成分よりも粒径の大きい粗砂成分を捕集して分離するための一次サイクロンを具備してなり、該一次サイクロンにより粗砂成分を分離した泥水を前記二次サイクロンに供給し、該二次サイクロンによって分離した微細砂成分を含む高濃度の泥水を前記微細砂回収装置に供給して、該泥水から微細砂成分を分離するとともに脱水して回収するように構成してなることを特徴とする。
【0015】
本発明の泥水処理設備においては、微細砂回収装置の前段に、処理対象の泥水中の微細砂成分を濃縮する濃縮装置を具備することが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の微細砂回収装置は、微細砂成分を含む高濃度の泥水を処理対象として、それを濾布からなるコンベアベルトによって搬送しつつコンベアベルトを振動させ、かつコンベアベルトを通して真空脱水を行う構成であるので、泥水中の微細砂成分を効率的にかつ充分な低含水比で有効に回収することができ、優れた処理効率と脱水効果が得られる。
【0017】
特に、高周波振動モータによって振動フレームに高周波振動を与え、その振動フレームを介してフリーローラによりコンベアベルトを振動させつつ支持する構成の振動機構を採用することにより、簡単な構成でありながら振動篩いとしての優れた処理効率が得られるし、フリーローラがコンベアベルトの周回に従動して自由に回転することでコンベアベルトとしての濾布が早期に摩耗してしまうこともない。
【0018】
また、真空脱水機構として、コンベアベルトの下面に接触するとともにその接触部にスリットが形成された真空吸引管を採用することにより、極めて簡単な構成で充分な真空脱水効果が得られる。
【0019】
本発明の泥水処理設備は、泥水シールド工法における一般的な泥水処理設備に対して、上記の微細砂回収装置を備えるとともに、泥水中から粗砂成分を分離する一次サイクロンと、さらに微細砂成分を分離する二次サイクロンとを備えた構成であるので、微細砂成分を確実に回収できるとともにその含水比を充分に低減させることができ、したがって一次分離土砂全体の含水比を効率的に低下させることができ、以て、その減量化と減容化を図ることができ、掘削土の搬出量を削減することが可能である。
【0020】
特に、微細砂回収装置の前段に処理対象の泥水を濃縮する濃縮装置を備えることにより、微細砂回収装置による処理効率を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態である微細砂回収装置と泥水処理設備について説明する。図1は泥水処理設備の概略構成図、図2はそれに備えられている微細砂回収装置の概略構成図、図3〜図4はその要部詳細図である。
なお、本実施形態の泥水処理設備は図5に示した従来一般の泥水処理設備を基本とするものであるので、従来と同様の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
本実施形態の泥水処理設備は、基本的には図5に示した従来のものと同様に、排泥水中の礫分d1をローヘッドスクリーン1により分離し、その後段に設置された一次サイクロン3A(図5におけるサイクロン3と同様のもの)およびその後段のサンドセパレータ4によって砂分d2を分離し、それらを一次分離土砂dとして分離回収するようにしたものである。
但し、従来においては微細な砂分も含めて砂分d2の全体を可及的にサイクロン3による分離することが基本であったのに対し、本実施形態では一次サイクロン3Aによる砂分d2の分離に際しては、砂分d2中の特に微細な成分については分離することなくそのまま通過させて泥水回収槽5に導き、この一次サイクロン3Aではそれよりも粒径の大きい成分を捕集して分離することを基本する。
以下、本実施形態では、砂分d2のうち、一次サイクロン3Aによっては捕集されずにそれを通過する微細な成分を微細砂成分d22といい、それよりも相対に粒径が大きくて一次サイクロン3Aにより捕集されて分離される成分を粗砂成分d21として、両者を区別する。
そして、本実施形態においては、微細砂成分d22としてたとえば粒径0.075〜0.15mm程度(砂分を細砂、中砂、粗砂に区分する場合においては細砂の下限に近い領域である)の砂成分を設定しており、そのような微細砂成分d22を含む泥水を泥水回収槽5から二次サイクロン3Bに供給してここで泥水中の微細砂成分d22を捕集して分離し、その微細砂成分d22を含む高濃度の泥水を後述するように濃縮装置Bを経て微細砂回収装置Aに供給してそこで脱水処理し、それにより得た低含水比の微細砂成分d22も粗砂成分d21および礫分d1とともに一次分離土砂dとして回収するようにしている。
【0023】
本実施形態における微細砂回収装置Aは、図2に示すように、処理対象の高濃度泥水を搬送するベルトコンベア10を主体とするものであるが、スプロケット11およびガイドローラ12間に巻回されて周回するコンベアベルト13としては濾布が使用されている。
コンベアベルト13としての濾布は、回収対象の微細砂成分d22を捕集可能であり、かつ水分は通過可能なもので、たとえば厚さが1.9mm、通気度が8000cm3/cm2・min程度のポリエステル製の朱子織のものが好適に採用可能である。
【0024】
このベルトコンベア10には、コンベアベルト13に対して振動を与えることによって搬送中の泥水から水分を篩い落とすための振動機構15が備えられている。振動機構15は、高周波振動モータ16によって高周波振動が与えられる振動フレーム17と、図3に示すように振動フレーム17に対して両端部が回転可能に支持されたフリーローラ18からなる。
フリーローラ18はコンベアベルト13の周回に従動して自転しつつコンベアベルト13を下面側から支持し、同時にコンベアベルト13に対して振動フレーム17を介して高周波振動振動を与えることでそれを振動篩いとして機能せしめ、それによりコンベアベルト13上を搬送される泥水から水分をコンベアベルト13を通過させて効率的に篩い落とすことができるものとされている。
なお、振動機構15によりコンベアベルト13に与える振動周波数は適宜設定すれば良く、必ずしも高周波とすることもないが、回収対象の微細砂成分d22が充分に微細粒子であることから高周波振動とする方がより有効である。
また、図3における符号19は、フリーローラ18を振動フレーム17に対して取り付けるためのUリングであり、フリーローラ18はその端部がUリング19に緩挿状態で装着されることによって振動フレーム17に対して回転(自転)自在かつ振動可能に保持されている。また、符号20はフリーローラ18の先端に当接してその抜け止めとなるストッパーである。
【0025】
また、上記のベルトコンベア10には、コンベアベルト13の下面からそのコンベアベルト13を通して泥水中の水分を真空吸引するための真空脱水機構21が備えられている。真空脱水機構21は、図4に示すように、コンベアベルト13の下面に接触するとともにその接触部にスリット22aが形成された真空吸引管22からなり、この真空吸引管22の一端にはフレキシブルホース23を介してバキューマー24(図2参照)が接続されていて、コンベアベルト13により搬送される泥水はその終段においてこの真空吸引機構21によって泥水中の水分が効率的に真空吸引されて充分に脱水されるようになっている。
【0026】
以上の構成による微細砂回収装置Aは、コンベアベルト13を濾布としてそれにより泥水に振動を与えつつ搬送し、かつコンベアベルト13を介して真空脱水を行うことにより、泥水中の微細砂成分d22からの脱水処理を効率的に行うことができ、その含水比を16〜20%程度まで充分に低減させることができるものである。
【0027】
なお、この微細砂回収装置Aの前段、つまり二次サイクロン3Bとこの微細砂回収装置Aとの間には、処理対象の泥水中からシルトや粘土等のバインダー成分を予め分離して微細砂成分d22を濃縮するための濃縮装置Bが備えられている。
濃縮装置Bは、二次サイクロン3Bにより分離された泥水を受ける濃縮槽30と、その上澄み成分を受けて泥水回収槽5に戻すオーバーフロー槽31と、濃縮槽30内の底部に沈降分離した微細砂成分d22を移送するスクリューコンベア32と、スクリューコンベア32により送られた微細砂成分d22を受けて回転翼33の回転により一定量ずつ供給する定量供給機構34からなり、この濃縮装置Bによって微細砂回収装置Aへは充分に濃縮された高濃度泥水が一定量ずつ安定に供給されてそこでの脱水効率を充分に高めることができるものとなっている。
【0028】
上記構成の微細砂回収装置Aを備えたことにより、本実施形態の泥水処理設備では、二次サイクロン3Bによって泥水中の微細砂成分d22を効率的に捕集して分離し、それを微細砂回収装置Aによって脱水処理して回収することにより、その微細砂成分d22を充分に低含水比のものとして回収でき、したがって掘削土として搬出する一次分離土砂d全体の含水比を効率的に低下させることができ、以て、その減量化と減容化を図ることができ、搬出量を削減に寄与することが可能である。
【0029】
しかも、本実施形態の泥水処理設備では、上記のような微細砂成分d22の分離回収処理を行うことにより、従来のように微細砂成分d22が循環泥水中に多量に混入してしまうことを有効に抑制でき、それによる泥水品質の向上、泥水循環のための所要動力の軽減、泥水に対する二次処理効率の向上効果も期待できる。さらには、一次分離土砂dを粒径別に再利用することも可能であるから再利用土としての品質や価値を高めることができる。
【0030】
なお、本発明の微細砂回収装置は必ずしも泥水シールド工法に適用することに限らず、各種の泥水処理工程において微細砂成分を分離回収する必要がある場合に広く適用できるものであるし、回収対象の微細砂成分の粒径も所望範囲に自由に設定することができる。
そして、本発明の微細砂回収装置における振動機構や真空吸着機構の具体的な構成も上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、処理対象の泥水の状態や、回収するべき微細砂成分の粒径、要求される含水比や回収効率、その他の諸条件を考慮して、たとえばコンベアベルトとして使用する濾布の素材や濾過特性、振動機構により与える振動周波数、真空吸引のための真空度、その他については、適宜の設計的変更を行えば良いことは言うまでもない。
【0031】
また、本発明の泥水処理設備についても、所望粒径の微細砂成分を対象としてそれを二次サイクロンによって分離捕集し、それを微細砂回収装置によって脱水し回収する構成とする限りにおいて、その他の具体的な処理工程や処理手順については任意であって上記実施形態に限定されることなく様々な変更や応用が可能であることは当然であり、たとえば上記実施形態において微細砂回収装置Aの前段に付設した濃縮装置Bについては、それを省略することも含めて適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態である泥水処理設備の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態である微細砂回収装置の概略構成を示す図である。
【図3】同、要部詳細を示す図である。
【図4】同、要部詳細を示す図である。
【図5】従来一般の泥水処理設備の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
d 一次分離土砂
d1 礫分
d2 砂分
d21 粗砂成分
d22 微細砂成分
1 ローヘッドスクリーン
2 泥水受槽
3A 一次サイクロン
3B 二次サイクロン
4 サンドセパレータ
5 泥水回収槽
6 調整槽
A 微細砂回収装置
10 ベルトコンベア
11 スプロケット
12 ガイドローラ
13 コンベアベルト(濾布)
15 振動機構
16 高周波振動モータ
17 振動フレーム
18 フリーローラ
19 Uリング
20 ストッパ
21 真空脱水機構
22 真空吸引管
22a スリット
23 フレキシブルホース
24 バキューマー
B 濃縮装置
30 濃縮槽
31 オーバーフロー槽
32 スクリューコンベア
33 回転翼
34 定量供給機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泥水処理設備に設置されて処理対象の泥水から微細な砂成分を分離するとともに脱水して回収するための微細砂回収装置であって、
回収対象の微細砂成分を含む高濃度の泥水を搬送するためのベルトコンベアを主体として、該ベルトコンベアにおけるコンベアベルトを、回収対象の微細砂成分を捕集可能でありかつ水分は通過可能である濾布により形成し、
前記ベルトコンベアには、前記コンベアベルトに対して振動を与えることにより該コンベアベルトにより搬送される泥水中の水分を篩い落とす振動機構と、該コンベアベルトの下面から該コンベアベルトを通して泥水中の水分を真空吸引する真空脱水機構を具備してなることを特徴とする微細砂回収装置。
【請求項2】
請求項1記載の微細砂回収装置であって、
振動機構は、高周波振動モータによって高周波振動が与えられる振動フレームと、該振動フレームに両端部が回転可能に支持されて該振動フレームとともに高周波振動が与えられつつ、かつコンベアベルトの周回に従動して自転しつつ、該コンベアベルトを下面側から支持するフリーローラからなることを特徴とする微細砂回収装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の微細砂回収装置であって、
真空脱水機構は、コンベアベルトの下面に接触するとともにその接触部にスリットが形成された真空吸引管からなることを特徴とする微細砂回収装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の微細砂回収装置を備え、泥水シールド機によるトンネル掘削に際して泥水を循環処理しつつ該泥水から微細な砂成分を回収可能な泥水処理設備であって、
前記微細砂回収装置の前段に回収対象の微細砂成分を捕集し分離するための二次サイクロンを設置するとともに、該二次サイクロンの前段に、泥水シールド機からの排泥水から微細砂成分よりも粒径の大きい粗砂成分を捕集し分離するための一次サイクロンを具備してなり、
該一次サイクロンにより粗砂成分を分離した泥水を前記二次サイクロンに供給し、該二次サイクロンによって分離した微細砂成分を含む高濃度の泥水を前記微細砂回収装置に供給して、該泥水から微細砂成分を分離するとともに脱水して回収するように構成してなることを特徴とする泥水処理設備。
【請求項5】
請求項4記載の泥水処理設備であって、
微細砂回収装置の前段に、処理対象の泥水中の微細砂成分を濃縮する濃縮装置を具備してなることを特徴とする泥水処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−253034(P2007−253034A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79018(P2006−79018)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】