説明

微細粉末を含む化粧品組成物

本発明は、ケアおよびメイキャップの分野で使用される化粧品組成物に関する。連続水相、脂肪相および微細で多孔質性のコポリアミド粉末の粉状相を主に含むこの組成物は、クリーム状、液体またはゲル化組成物の形態である。これは特にエマルジョンであるが、脂肪相と水相が分離している2相の配合物または組成物であってもよい。本発明はより具体的には、水中油型エマルジョンの場合、連続水相を有するケアおよび/またはメイキャップ化粧品組成物に特に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケアおよびメイキャップの分野で使用される化粧品組成物に関する。連続水相、脂肪相および微細で多孔質性の粉状コポリアミド粉末相を主に含むこの組成物は、クリーム状、液体またはゲル化組成物の形態である。これは特にエマルジョンであるが、脂肪相と水相が分離している2相の配合物または組成物であってもよい。本発明はより具体的には、水中油型エマルジョンの場合、連続水相を有する美容ケアおよび/またはメイキャップ組成物に関する。
【0002】
本発明によるエマルジョンタイプの化粧品組成物中に界面活性剤(surfactants)、増粘剤、より一般的に界面活性剤を使用することによって、1つの相の他の相における安定な分散液を得ることが可能になる。本発明による組成物において、防腐剤および芳香剤などの添加剤、ならびに保湿剤(ポリオール)、UV遮蔽剤、しわ防止剤、セルフタンニング剤、被膜形成剤、酸化防止剤および多数のその他のものなどの美容活性剤を有することも可能である。
【0003】
本発明の別の主題は、本発明による組成物をケラチン物質に適用することを含む、ヒトの皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛または体毛などのケラチン物質をメイキャップおよび/またはケアする方法である。
【0004】
本発明による組成物は、ケラチン物質をメイキャップおよび/またはケアするための組成物、特に、フェイスケア用組成物(例えば、保湿性、しわ防止および/もしくは化粧落し等の特性を有するクリームもしくは液体、およびまた、保湿および/もしくは化粧落し用2相ローションなど)、ボディケア用組成物(保湿もしくは痩身用組成物など)、耐水性もしくは非耐水性のサンクリーム組成物、ファンデーションなどのスキンメイキャップ組成物、アイシャドー、マスカラ、頬紅、コンシーラーまたはボディメイキャップ製品であってもよい。
【背景技術】
【0005】
連続水相タイプの組成物は、化粧上および製剤上の観点からは多くの利点を有する。これらは特に、低コストであり、脂ぎった感触を有さないので快適に使用される。しかし、該組成物の欠点は、これらは、水のコンシステンシーに近すぎるコンシステンシーを有するので消費者にとって魅力的でなく、適用が難しいことである。さらに、皮膚上の湿り気が消滅した後では、該組成物は、皮膚の快適感、ケア性、外観(例えば、パウダー状の外観がない)のいずれも改良しない。
【0006】
これらの問題は、配合物にコンシステンシーを付与する増粘剤またはポリオールを添加することによって解決することができる。しかし、このタイプの製品は、ポリオールの存在に起因する粘着性、というよりべたつき効果の理由で、この配合物を適用するのを困難にすることが多い。さらに、これらの添加剤は、適用後皮膚上にテカリ効果を残し、皮膚の細孔で閉塞作用を有し得る。
【0007】
文献EP1582194において、液体、クリームまたは粉末基剤、芳香剤および球状、円筒形または亜鈴型ポリアミド(PAと略される)粒子から形成される粉末を含む化粧品組成物が記載されている。これらの粒子は、多孔質であり、1から30μmの平均直径、5m/g以上の比表面積、200ml/100g以上のアマニ油吸収量、40%以上の結晶化度および1.0から1.5の数平均直径に対する体積平均直径の比を有する。これらの組成物のホモポリアミドPA−12またはPA−6粉末は、皮膚の表面で光散乱効果をもたらし、高い皮脂吸収率を有し、前記組成物を皮膚に適用した場合、皮膚上に異常な光の反射が生じるのを有効に軽減する。
【0008】
さらに、前記文献EP1582194において、一実施例は、この本文に記載された通りに製造されたホモポリアミドPA−6の粉末は、ファンデーション中に取り込まれた場合、ホモポリアミドPA−12の粉末より優れた適用時の濃厚な感触を生じさせるタイプの官能特性を付与することを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1582194号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、調査研究の後、この従来技術に記載されたポリアミド粉末は、連続水相を有する組成物に対して遭遇する問題を解決することを可能にしないことが観察されている。実際、ホモポリアミドPA−6の粉末は、連続水相を有する配合物のコンシステンシーを大幅に増加させて、使用者に適用時に期待される濃厚な感触をもたらすが、配合物の適用後柔らかな感触をもたらさない。
【0011】
逆に、ホモポリアミドPA−12の粉末は、連続水相を有する配合物のコンシステンシーには実際には影響を有さない。これらは、ポリアミド粉末の添加にもかかわらず、使用者によってあまり好まれない水のコンシステンシーを保持する。一方、適用後皮膚上に残る感触は非常に柔らかである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
コポリアミド粉末を用いることによって、前記組成物に使用者によって期待される濃厚な感触を付与し、適用後柔らかなパウダー状の感触を残す、連続水相を有する組成物を調製することが可能であることが今回見出された。
【0013】
本発明の1つの主題は(i)水相、(ii)脂肪相および(iii)下記に説明する少なくとも2種の異なるモノマーの重合から誘導されるコポリアミド粉末を含む粉状相、ならびに以下に定義するその他の化合物を場合によって含む組成物である。この組成物は、連続水相(水中油型)または分離した水相および脂肪相を有する2相組成物を有するエマルジョンであってもよい。
【0014】
本発明によれば、連続水相は、増粘剤、皮膚軟化剤、湿潤剤(ポリオールなど)および/または保湿剤を含んでもよい。
【0015】
本発明によれば、脂肪相は、植物、鉱物、動物または合成起源の固体または液体の脂肪物質を含んでもよい。例えば、本質的には炭素および水素原子および場合によって窒素または酸素原子を含む、エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、炭化水素を挙げることができる。シリコーン油およびフッ素化油も挙げることができる。
【0016】
一実施形態によれば、この組成物は、粉末粒子が、1μmから200μm、好ましくは1から100μm、さらにより優先的には1から50μm、さらにより有利には1から20μmの範囲の平均直径、1から25m/gの間の比表面積および楕円体形を有することを特徴とする。
【0017】
一実施形態によれば、この組成物は、
59.9から98.9重量%、好ましくは69から95重量%の水相;
0.1から30重量%、好ましくは1から20重量%の粉状coPA粉末相;および
40から1重量%の脂肪相
を含むことを特徴とする(総組成物に対する重量%)。
【0018】
一実施形態によれば、この組成物は、水相が、1から99重量%、好ましくは10から60重量%(総組成物に対する重量%)のポリオールを含むことを特徴とする。
【0019】
一実施形態によれば、この組成物は、酸化防止剤、芳香剤、防腐剤、中和剤、界面活性剤、被膜形成性ポリマー、増粘剤、紫外遮蔽剤、ビタミン、着色材料、エマルジョン安定剤、保湿剤、セルフタンニング化合物、しわ防止活性剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化粧品成分を含むことを特徴とする。
【0020】
一実施形態によれば、この組成物は、保湿、しわ防止および/もしくは化粧落し用フェイスケアクリームもしくは液体、保湿および/もしくは痩身用ボディケアクリームもしくは液体、耐水性もしくは非耐水性サンスクリーン、ファンデーション、アイシャドー、マスカラ、頬紅、コンシーラーまたはボディメイキャップ製品、2相の保湿または化粧落し用ローションであることを特徴とする。
【0021】
本発明はまた、皮膚に適用後、前記皮膚に柔らかな感触および無光沢でパウダー状の外観を付与する皮膚用のメイキャップおよび/またはケア製品を製造するための組成物の使用に関する。
【0022】
本発明はまた、前述の組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質をメイキャップおよび/またはケアするための美容方法に関する。
【0023】
一実施形態によれば、微細で多孔質の粉末の使用は、粉末粒子が5から20μmの範囲の平均直径を有することを特徴とする。
【0024】
一実施形態によれば、微細で多孔質の粉末の使用は、粉末粒子が楕円体形を有することを特徴とする。
【0025】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
粉末
コポリアミド粉末(coPA粉末と略される)について、これは、
−アミノ酸タイプモノマー;
−主環上に3から12個の間の炭素原子を有し、置換されていてもよいラクタムタイプモノマー;
−6から12個の間の炭素原子を有する脂肪族ジアミンと4から18個の間の炭素原子を有するジカルボン酸との間の反応から誘導されるモノマー;および
−これらのブレンド(アミノ酸タイプモノマーとラクタムタイプモノマーの間のブレンドの場合は、モノマー(複数)は異なる数の炭素原子を有している。)
から選択される少なくとも2種の異なるモノマーの縮合生成物を意味するものと理解される。
【0027】
ラクタムの例として、主環上に3から12個の炭素原子を有し、場合によって置換されているものを挙げることができる。例えば、β,β−ジメチルプロピオラクタム、α,α−ジメチルプロピオラクタム、アミロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、2−ピロリドンおよびラウリルラクタムを挙げることができる。
【0028】
ジカルボン酸の例として、4から18個の間の炭素原子を有する酸を挙げることができる。例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、イソフタル酸、コハク酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、テレフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウムまたはリチウム塩、二量体化脂肪酸(これらの二量体化脂肪酸は、少なくとも98%の二量体含量を有し、好ましくは水素化されている)およびドデカン二酸HOOC−(CH10−COOHを挙げることができる。
【0029】
ジアミンの例として、6から12個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンであってもよく、飽和アリールおよび/または環状のジアミンであってもよい。例として、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,5−ジアミノヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、ジアミンポリオール、イソホロンジアミン(IPD)、メチルペンタメチレンジアミン(MPDM)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、メタキシリエンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンおよびトリメチルヘキサメチレンジアミンを挙げることができる。
【0030】
アニオン経路によってラクタムからcoPAを合成する場合、この方法は、有機液体中にラクタムを懸濁させるまたは溶媒中にラクタムを溶解し、形成されると液体媒体からそのまま分離するcoPA粉末を直接得ることを可能にするアニオンタイプの重合を実施することである。ラクタムのアニオン重合方法は、場合によっては、PA粉末(例えば、ORGASOL(登録商標)粉末)、シリカ粉末、またはタルク粉末などの結晶種の役割を有する微細に粉砕した無機または有機充填剤の存在下、およびN,N’−アルキレンビスアミド、より特定すれば、N,N’−エチレンビスステアルアミド、N,N’−エチレンビスオレアミド、N,N’−エチレンビスパルミトアミド、N,N’−エチレンビスガドレアミド、N,N’−エチレンビスセトレアミドおよびN,N’−エチレンビスエルカアミド、N,N’−ジオレイルジパミドおよびN,N’−ジエルシルアミドの存在下で、触媒、例えば、ナトリウム、または水素化ナトリウムもしくはナトリウムメチラートなどのその化合物の1つ、および活性化剤、例えばとりわけ、N−カルボキシアニリドラクタム、イソシアネート、カルボジイミド、シアンイミド、アシルラクタム、トリアジン、尿素、N置換イミド、およびエステルの使用に本質的に基づいている。この方法は、特許EP192515およびEP303530に記載されている。
【0031】
少なくとも2種のα,ω−アミノカルボン酸または2種のラクタムまたは1種のラクタムと1種のα,ω−アミノカルボン酸の縮合から生じるコポリアミドを挙げることができる。α,ω−アミノカルボン酸の例として、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−アミノドデカン酸を挙げることができる。また、少なくとも1種のα,ω−アミノカルボン酸(またはラクタム)、少なくとも1種のジアミンおよび少なくとも1種のジカルボン酸の縮合から生じるコポリアミドを挙げることができる。また、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸ならびに前記のものとは異なる脂肪族ジアミンおよび前記のものとは異なる脂肪族二酸から選択される少なくとも1種の他のモノマーの縮合から生じるコポリアミドを挙げることができる。
【0032】
コポリアミドの例として、カプロラクタムおよびラウリルラクタムのコポリマー(PA−6/12)、カプロラクタム、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,6)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/12/6,6)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、11−アミノウンデカン酸、アゼライン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,9/11/12)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、11−アミノウンデカン酸、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,6/11/12)、ラウリルラクタム、アゼライン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6,9/12)、2−ピロリドンおよびカプロラクタムのコポリマー(PA−4/6)、2−ピロリドンおよびラウリルラクタムのコポリマー(PA−4/12)、カプロラクタムおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA−6/11)、ラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−12/8)、2−ピロリドンおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA−11/4)、カプロラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−8/6)、2−ピロリドンおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−8/4)ならびにラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−12/8)を挙げることができる。
【0033】
ポリアミドおよび/またはコポリアミドのブレンドを使用することが可能である。これらは、例えば、脂肪族ポリアミドと半芳香族ポリアミドのブレンドおよび脂肪族ポリアミドと脂環式ポリアミドのブレンドである。
【0034】
粉末は、アルコール中に溶解し、アルコールから沈殿させる任意の手段で製造してもよい。有利には、粉末は溶媒中の重合で製造され、粉末がこの溶媒中に不溶性である(上記で定義されたアニオンタイプの重合)。EP192515およびEP303530に記載された方法を挙げることができる。
【0035】
また(総計は100%である。)、
1から98モル%のラクタム;
1から98モル%のラクトン;および場合によって
1から98モル%の先のものとは異なる別のラクタム
の縮合から生じるコポリエステルアミド粉末を使用することが可能である。
【0036】
コポリエステルアミドを製造するのに使用することができるラクタムは、上述したものと同じである。有利には、カプロラクタムおよびラウリルラクタムが使用される。ラクトンの例として、カプロラクトン、バレロラクトンおよびブチロラクトンを挙げることができる。有利には、カプロラクトンが使用される。
【0037】
コポリエステルアミドの場合、カプロラクタム、ラウリルラクタムおよびカプロラクトンは、以下のそれぞれの割合(モル%):30−46%、30−46%および8−40%(総計は100%である。)で使用することが有利である。
【0038】
アニオン重合によってこれらのコポリエステルアミド粉末を調製する方法は、文献EP1172396に記載されている。
【0039】
脂肪相
脂肪相は、液体脂肪相および場合によって固体脂肪相(ワックスなど)を含んでもよい。液体脂肪相は、室温(25℃)で液体である1種または複数の油を含んでいてもよく、これらの油は揮発性または非揮発性である。この液体脂肪相は、炭化水素系油または場合によってシリコーン油から形成される。
【0040】
脂肪相は、1種または複数の油、即ち、水と非混和性である脂肪物質を含む。これらの揮発性または非揮発性の油は、鉱物、動物、植物または合成起源であり、炭化水素系、シリコーン系またはフッ素化油であってもよい。「炭化水素系油」という用語は、炭素および水素原子および場合によって酸素または窒素原子から本質的に形成されるまたはむしろ構成される油を意味するものと理解される。これはアルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基を含んでいてもよい。
【0041】
脂肪相は、室温(25℃)で液体である1種または複数の油、好ましくは少なくとも1種の非揮発性液体油を含んでいてもよい。「非揮発性液体油」という用語は、室温(25℃)および大気圧で少なくとも1時間皮膚上に残存することが可能であり、特に、室温(25℃)および大気圧で、0.01mmHg(1.33Pa)以下である、非0の蒸気圧を有する油を意味するものと理解される。
【0042】
この液体脂肪相は、皮膚上にエモリエント効果をもたらす1種または複数の非揮発性油を含むことが有利である。イソノナン酸セテアリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシルまたは乳酸2−オクチルドデシル、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)、マレイン酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリルまたはトリグリセリル、酢酸トコフェロールなどの脂肪エステル、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはイソステアリン酸などの高級脂肪酸、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイルアルコールなどの高級脂肪アルコール、アボカド油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、タートル油、ミンク油、大豆油、ブドウ種油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、ホホバ油、ピーナッツ油、オリーブ油、ラウリン酸ヘキシルおよびこれらの混合物を挙げることができる。
【0043】
該液体脂肪相は、鉱油、流動パラフィン、スクアラン、ワセリンなどの炭化水素系油およびこれらの混合物であってもよい。
【0044】
場合によって、この組成物は、例えばジメチルシロキサンなどの非揮発性シリコーン油を含む。
【0045】
液体脂肪相はまた、揮発性油を場合によって含む。「揮発性油」という用語は、室温および大気圧で1時間未満で皮膚から蒸発することが可能な油を意味するものと理解される。この油は、具体的には、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で、0.01を超え300mmHg以下の(1.33Paから40000Pa)、好ましくは0.05から300mmHg(6.65Paから40000Pa)の範囲である蒸気圧を有する。
【0046】
揮発性油は、例えば、連続脂肪相を有する配合物の脂様効果を軽減するのに寄与するシリコーン油から選択される。室温で8mm/秒未満の粘度を有し、特に2から7個のケイ素原子を有する線状または環状シリコーン油を挙げることができ、これらのシリコーンは、1から10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を場合によって含む。本発明で使用することができる揮発性シリコーン油として、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
【0047】
これらは、より特定すれば一群のポリアルキルシロキサンまたはポリアリールシロキサン、例えば、シクロメチコン(Dow Corning製DC 345)、カプリリルメチコン、シクロペンタシロキサン(Dow Corning製DC245)からである。
【0048】
また、8から16個の炭素原子を有する揮発性炭化水素系油およびこれらの混合物、特に、CからC16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている。)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカンなどの分枝CからC16アルカン、ネオペンタン酸イソヘキシルなどの分枝CからC16エステル、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0049】
水相
水相は水を含む。この水は、ヤグルマギク水などのフローラルウォーターおよび/またはVittel産の水、Lucas産の水またはLa Roche Posay製の水などのミネラルウォーターおよび/または温泉水であってもよい。水相はまた、例えば、エタノールおよびイソプロパノールなどの一級アルコール、その湿潤性のために添加されるグリコール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール)、モノ−、ジ−もしくはトリプロピレングリコールまたはモノ−、ジ−もしくはトリエチレングリコール(C1−C4)アルキルエーテルなどのグリコールエーテル、およびこれらの混合物などのポリオールなどの水混和性成分を含んでもよい。
【0050】
水相は、さらに、塩化ナトリウム、マグネシウムジクロライドおよび硫酸マグネシウムなどの安定剤を含んでもよい。
【0051】
水相はまた、ゲル化剤、被膜形成性ポリマー、増粘剤、界面活性剤およびこれらの混合物などの水相と適合性がある任意の水溶性または水分散性化合物を含んでもよい。
【0052】
その他の化合物
本発明による化粧品組成物はまた、安定な油/水エマルジョンを得るための、水相中への脂肪相の分散を容易にするアニオン性、非イオン性または両性タイプの界面活性剤(一般に親油性)、防腐剤(一般に親水性)、芳香剤(一般に親油性)、本発明による粉末とは異なる充填剤、着色材料(可溶性染料、顔料)、増粘剤(ワックス、ゲル化剤)、エマルジョン安定剤(一般に親水性)またはキレート化剤(一般に親水性)などの添加剤を含んでもよい。
【0053】
界面活性剤は、ソルビタン誘導体(例えばソルビタンセスキイソステアレート)またはメチルグルコースイソステアレートなどのエステルタイプであってもよい。該界面活性剤は、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマーなどのポリマータイプであってもよい。該界面活性剤は、シリコーン油を乳化するのに適しているシリコーン界面活性剤であってもよく、これらは、例えば、Dow Corningによって商品名DC5225Cとして販売されているPEG/PPG−18/18ジメチコンなどのジメチコンコポリオールである。
【0054】
増粘剤は、例えば、そのコンシステンシーを調整するまたは組成物の安定性に寄与するために脂肪相中に可溶性であってもよく、例えば、キャンデリラロウ、シリコーンガムまたはエラストマー(Dow Corning製DC1411およびDC9040)を挙げることができる。
【0055】
防腐剤は、パラベン誘導体および/またはフェノキシエタノールの混合物である。
【0056】
キレート化剤として、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を挙げることができる。
【0057】
組成物はまた、前述のヒトケラチン物質を改良する美容活性剤を含んでもよい。美容活性剤は、ポリオールなどの保湿剤(一般に親水性)、有機遮蔽剤(一般に親油性)または表面処理されているもしくはされていなくてもよいTiOもしくはZnOなどの鉱物粒子などのUV線ブロッカー、しわ防止剤(一般に親水性)、セルフタンニング剤(一般に親水性)、被膜形成剤(その性質に応じて親油性もしくは親水性)または酸化防止剤(その性質に応じて親油性もしくは親水性)を含む。
【0058】
鉱物遮蔽剤として、シリコーン油の混合物中のZnOおよびTiOの分散体を挙げてもよい。
【0059】
一方、水相は、総水相に対して1から99重量%、好ましくは10から60重量%のポリオールを含むのが好ましい。
【0060】
さらに、組成物は、総組成物に対して0.5から10%、好ましくは3から5%の界面活性剤、0.01から2%の添加剤および0.005から10%の美容活性剤を含んでもよい。
【0061】
本発明の1つの主題である組成物のcoPA粉末の特性は次の通りである。
【0062】
粒子の平均直径は、0.1から100μm、好ましくは0.5から50μm、さらにより有利には1から20μmである。
【0063】
狭い粒径分布。粉末の粒径分布は、通例の技術によれば、例えば、Coulter Multisizer II粒径分析器を用いて、規格ISO13319に従って決定される。粒径分布から、平均直径およびさらに分布の狭さの尺度である粒径の分散(標準偏差)を決定することが可能である。説明された本方法の利点の1つは、1から3μmの間、またはさらに2μm未満のことが多い標準偏差を有する狭い分布を得ることを可能にすることである。および
粒子の有利な楕円体形、即ち、楕円体の形態であり、これはほぼ球状固体を意味する。
【0064】
上記に挙げた特性は、連続水相を有する系における柔らかな感触に、および適用後、組成物の無光沢でパウダー状の外観を得ることに大きく寄与する。
【0065】
これらの特性はまた、本発明の主題である粉末に皮膚表面におけるしわまたは欠陥の外観を軽減させる性質を付与する。
【実施例】
【0066】
以下の表1から4における実施例は、以下のように定義される。
【0067】
粉末1
Orgasol(登録商標)2002EXD NAT COS、即ち、欧州特許出願公開第192515号明細書に記載された方法に従って得られたPA−12粉末、粒子の平均直径=10μm、SSA=4±1.5m/g、79g/100gのアマニ油吸収量。
【0068】
粉末2
ORGASOL(登録商標)を種晶としたコポリアミドPA−12/PA−6(80/20)粉末、粒径=10μm、SSA=9.5±1m/g、
窒素下に保持した反応器中に、溶媒2800ml、次いで、カプロラクタム108g、乾燥ラウリルラクタム679g、EBS14.4g、および微細に粉砕したORGASOL(登録商標)2001 UD NAT1 112gを逐次投入した。300rpmの撹拌を開始した後、混合物を徐々に110℃まで加熱し、次いで溶媒290mlを真空下で蒸留して、存在し得る微量の水を共沸によって除去した。
【0069】
大気圧に戻った後、次いで、アニオン性触媒および油中の純度60%の水素化ナトリウム7.2gを窒素下で迅速に投入し、窒素下、110℃で30分間撹拌を720rpmまで加速した。
【0070】
次に、温度を96℃まで下げ、小さな計量ポンプにより、選択した活性化剤、即ち、ステアリルイソシアネート(32.9g、溶媒で総計314gにした。)の反応媒体中への連続的注入を以下のプログラムにより実施した。
【0071】
300分間にわたり、10g/時間のイソシアネート溶液、および
180分間にわたり、88g/時間のイソシアネート溶液。
【0072】
同時に、温度を最初の360分間は96℃に維持し、次いで60分間110℃まで上昇させ、イソシアネートの投入が終了した後さらに2時間110℃に維持した。
【0073】
次いで重合が終了し、反応器はほとんど透明であった。80℃まで冷却し、デカンテーションし、乾燥させた後、凝集体はなく、粒子の平均直径は11.8μmで粒径は2から20μmの間であり、SSAは9.3m/gであった。
【0074】
粉末3
Orgasol(登録商標)3502 D NAT1コポリアミドPA−12/PA−6(50/50)粉末、粒子の平均直径=20μm、SSA=2.5±1m/g。
【0075】
粉末4
EP192515に記載された方法に従って得られた、コポリアミドPA−12/PA−6(50/50)粉末、粒子の平均直径=10μm、SSA=20±1m/g。
【0076】
粉末5
Orgasol(登録商標)3202D NAT1コポリアミドPA−12/PA−6(20/80)粉末、粒子の平均直径=20μm、SSA=1±1m/g。
【0077】
粉末6
Orgasol(登録商標)1002 D NAT COS、ポリアミドPA−6粉末、粒子の平均直径=20μm、SSA=1±1m/1g。
【0078】
対照組成物は粉末を含まない。
【0079】
以下の百分率(%)は、総組成物に対する重量によって表される。粉末1から6を含む組成物の性質を、各表に関して以下に定義する。
【0080】
連続水相を有するエマルジョン中に本発明によるPA粉末を添加する効果は、様々なのタイプの組成物における官能解析で測定した。各組成物は、以下の仕様、
−生成物適用段階中:濃厚さ、浸透速度、および
−適用直後:皮膚のテカリ、皮膚の柔らかさ、組成物によって皮膚上に残った粉末残留物に従って、5人の専門家のパネルによって実施される感覚プロファイル試験の対象であった。
【0081】
一連を形成するすべての試験の比較によって、各組成物をブラインド条件下で解析した。
【0082】
この結果を表1から4にまとめた。様々な基準を0から8の範囲の尺度で評価した。値0は指定された基準がないことを示し(例えば、柔らかさがない感触)、値8は選択された基準に対して極めて強い傾向を示す(例えば、柔らかさの存在が非常に大きな感触)。
【0083】
組成物AからFおよび対照1は、例えば、ライトクリーム組成物に対応する5%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの組成物である。
【0084】
以下の組成物を調製する方法は、(1)水相Aを混合し75℃に加熱し、(2)脂肪相(B)を混合し75℃に加熱し、(3)脂肪相Bを相Aに徐々に加え、同時に激しく撹拌してエマルジョンを形成し、次いで(4)室温まで冷却した後、撹拌しながら相Cの成分を加え、次いで、緩やかに撹拌しながら粉末(相D)(対照を除く)を加えることである。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
表2における組成物GからLおよび対照2は、例えば、リッチクリームとして知られている保湿用デイクリームに対応してもよい、10%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの組成物である。
【0088】
以下の組成物を調製する方法は、(1)水相Aを混合し75℃に加熱し、(2)脂肪相Bを混合し75℃に加熱し、(3)脂肪相Bを相Aに徐々に加え、同時に激しく撹拌してエマルジョンを形成し、次いで(4)室温まで冷却した後、撹拌しながら相Cの成分を加え、次いで緩やかに撹拌しながら粉末(相D)(対照を除く)を加えることである。
【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
水中油型エマルジョン(とりわけ、デイクリーム、保湿用液体、ボディ乳液またはアフターシェーブケアタイプ)への0.2重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から10重量%のcoPA粉末の添加は、コンシステンシーに関連付けられる濃厚さを配合物にもたらすことを可能にする。さらに、このコポリアミド粉末の使用は、適用後皮膚に柔らかな感触を付与することを可能にし、これは純粋なPA粉末で得られるものよりかなり優れている。最後に、この配合物は、適用後皮膚上に、光を散乱させ、欠陥を隠す粉末残留物を残す。粉末の添加は、無光沢の、滑らかな、自然なおよびパウダー状の外観を得ることを可能にする。
【0092】
特に、少量の脂肪相を含む対照1タイプの組成物において、coPA粉末の添加は、脂ぎった感触を引き起こし得る油性化合物を増加させることなく、クリームのコンシステンシーを有意に増加させ、使用者に濃厚な感触をもたらすことを可能にする。適用後、20モル%を超えるPA−12を含むcoPA粉末は、より柔らかな感触およびより目立った粉末残留物をもたらす。
【0093】
特に、より多量の脂肪相を含む対照2タイプの組成物において、coPA粉末の添加は、脂ぎった感触を引き起こし得る油性化合物を増加させることなく、クリームのコンシステンシーを有意に増加させ、使用者に濃厚な感触をもたらすことを可能にする。適用後、50%を超えるPA−12を含むcoPA粉末は、より柔らかな感触、より目立った粉末残留物およびより優れた滑らかにする効果をもたらす。
【0094】
表3における組成物MからNおよび対照3は、15.5%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの組成物である。これらの組成物は、例えば、しわ防止クリーム配合物に対応する。
【0095】
【表5】

【0096】
以下の組成物を調製する方法は、(1)水相Aを混合し75℃に加熱し、(2)脂肪相Bを混合し75℃に加熱し、(3)脂肪相Bを相Aに徐々に加え、同時に激しく撹拌してエマルジョンを形成し、次いで(4)エマルジョン(pH=6.9)の直後Cを加え、次いで(5)60℃まで冷却した後Dを加え、次いで(6)室温まで冷却した後、相Eの成分を加え、次いで(7)緩やかに撹拌しながら粉末(相F)(対照を除く)を加えることである。
【0097】
【表6】

【0098】
表3に特徴決定された15.5%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの配合物において、コポリアミドは、純粋なポリアミドPA−12粉末よりかなり優れた柔らかさおよび粉末残留物をもたらす。
【0099】
さらに、組成物Nの滑らかにする効果を干渉縞投影法で測定した。その原理は以下の通りである。干渉縞投影による皮膚レリーフの測定を20人の健康な女性の被検者に対して烏の足跡において実施した。
【0100】
干渉縞投影技術は、烏の足跡の皮膚の形態における変化を記録することを可能にする。この測定は、表面のレリーフの計測学専用の光学システムを用いて実施した。
【0101】
このシステムは、投影機および高解像度CCDカメラに接続するセンサを含む。この軸方向および横方向の平均解像度は10μm程度である。
【0102】
皮膚表面形態の解析は、標準粗さパラメータを計算することによって実施した。これらのパラメータを、30×40mmの寸法の面積(12cm)から得て、mm単位で表した。
【0103】
この定量化したパラメータは、関心領域のしわおよび小じわに対して垂直な一連のプロファイルにわたっていた。
【0104】
例えば、パラメータSPt(レリーフの最大振幅)を得た。烏の足跡に関しては、SPtの低下は、大きなしわの減少を意味する。
【0105】
配合物Nは、この生成物を烏の足跡区域に適用20分後にSPtパラメータの4%の低下、および2時間後に6%の低下をもたらした。
【0106】
この結果は、生成物適用20分後から粗さパラメータSPt(レリーフの最大振幅)の有意の低下に対応し(全パネルの平均で−4%)、適用2時間後確証され、増幅された(全パネルの平均で−6%)。この有意の変化は、烏の足跡の大きなしわの深さの減少につながる。
【0107】
表4における組成物OからPおよび対照4は、26.5%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの組成物である。これらの組成物は、例えば、高い日焼け止め指数を有するサンクリーム配合物に対応する。
【0108】
このタイプの配合物に対しては、官能試験に、高い日焼け止め指数を有するサンスクリーン用配合物に特に適している追加の仕様(これは、適用後に観察される、サンスクリーン剤に起因する白色残留物である。)が加えられている。この仕様は、配合物を適用後、皮膚上に白色残留物が残存しない場合は0であり、適用後、皮膚上に多くの白色残留物が残存する場合は8であると評価する。
【0109】
以下の組成物を調製する方法は、(1)水相Aを混合し70℃に加熱し、(2)脂肪相Bを混合し70℃に加熱し、(3)脂肪相Bを相Aに徐々に加え、同時に激しく撹拌してエマルジョンを形成し、次いで(4)室温まで冷却した後、相Cの成分を加え、次いで撹拌しながら(5)相Dの成分を加え、次いで(6)緩やかに撹拌しながら粉末(相E)(対照を除く)を加えることである。
【0110】
【表7】

【0111】
【表8】

【0112】
表4に特徴決定された26.5%の脂肪相を含む水中油型エマルジョンタイプの配合物において、コポリアミドは、純粋なポリアミドPA−12粉末よりかなり優れた柔らかさおよび粉末残留物をもたらす。該コポリアミドは、サンスクリーン剤の白色化効果をより実質的に低下させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)水相、(ii)脂肪相および(iii)少なくとも2種の異なるモノマーの重合から誘導されるコポリアミド粉末を含む粉状相を含む、水中油型エマルジョンであるまたは水相および脂肪相が分離している2相組成物である組成物。
【請求項2】
コポリアミド粉末が、
アミノ酸タイプモノマー;
主環上に3から12個の間の炭素原子を有し、置換されていてもよいラクタムタイプモノマー;
6から12個の間の炭素原子を有する脂肪族ジアミンと4から18個の間の炭素原子を有するジカルボン酸との間の反応から誘導されるモノマー;および
これらのブレンド(アミノ酸タイプモノマーとラクタムタイプモノマーの間のブレンドの場合は、モノマーは異なる数の炭素原子を有している。)
から選択される少なくとも2種の異なるモノマーの縮合生成物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ラクタムが、β,β−ジメチルプロピオラクタム、α,α−ジメチルプロピオラクタム、アミロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、2−ピロリドンおよびラウリルラクタムから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、イソフタル酸、コハク酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、テレフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウムまたはリチウム塩、二量体化脂肪酸(これらの二量体化脂肪酸は、少なくとも98%の二量体含量を有し、好ましくは水素化されている)およびドデカン二酸HOOC−(CH10−COOHから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ジアミンが、飽和アリールおよび/または環状のジアミンであることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
ジアミンが、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,5−ジアミノヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、ジアミンポリオール、イソホロンジアミン(IPD)、メチルペンタメチレンジアミン(MPDM)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、メタキシリエンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンおよびトリメチルヘキサメチレンジアミンから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
アミノ酸がα,ω−アミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
α,ω−アミノ酸が、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
コポリアミドが、カプロラクタムおよびラウリルラクタムのコポリマー(PA−6/12)、カプロラクタム、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,6)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/12/6,6)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、11−アミノウンデカン酸、アゼライン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,9/11/12)、カプロラクタム、ラウリルラクタム、11−アミノウンデカン酸、アジピン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6/6,6/11/12)、ラウリルラクタム、アゼライン酸およびヘキサメチレンジアミンのコポリマー(PA−6,9/12)、2−ピロリドンおよびカプロラクタムのコポリマー(PA−4/6)、2−ピロリドンおよびラウリルラクタムのコポリマー(PA−4/12)、カプロラクタムおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA−6/11)、ラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−12/8)、2−ピロリドンおよび11−アミノウンデカン酸のコポリマー(PA−11/4)、カプロラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−8/6)、2−ピロリドンおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−8/4)ならびにラウリルラクタムおよびカプリルラクタムのコポリマー(PA−12/8)から選択されることを特徴とする、請求項1から2の一項に記載の組成物。
【請求項10】
楕円体形の粉末粒子が、1μmから200μm、好ましくは1から100μm、さらにより優先的には1から50μm、さらにより有利には1から20μmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の組成物。
【請求項11】
粉末粒子が、1から25m/gの間の比表面積を有することを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
59.9から98.9%、好ましくは69から95%の水相;
0.1から30%、好ましくは1から20%の粉状相;および
40から1%の脂肪相
を含むことを特徴とする(総組成物に対する重量%で)、請求項1から11の一項に記載の組成物。
【請求項13】
粉末が(総計は100%として)、
1から98モル%のラクタム;
1から98モル%のラクトン;および場合によって
1から98モル%の先のものとは異なる別のラクタム
の縮合から生じるコポリエステルアミド粉末であることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の組成物。
【請求項14】
ラクトンが、カプロラクトン、バレロラクトンおよびブチロラクトンから選択されることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
水相が、総水相に対して1から99重量%、好ましくは10から60重量%のポリオールを含むことを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の組成物。
【請求項16】
さらに(総組成物に対する重量%で)、
0.5から10%、好ましくは3から5%の界面活性剤、
0.01から2%の添加剤、および
0.005から10%の美容活性剤
を含むことを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の組成物。
【請求項17】
添加剤が、防腐剤、芳香剤、コポリアミド粉末とは異なる充填剤、着色材料、増粘剤、エマルジョン安定剤およびキレート化剤から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
美容活性剤が、保湿剤、UV遮蔽剤、しわ防止剤、セルフタンニング剤、被膜形成剤または酸化防止剤から選択されることを特徴とする、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
保湿、しわ防止および/もしくは化粧落し用フェイスケアクリームもしくは液体、保湿および/もしくは痩身用ボディケアクリームもしくは液体、耐水性もしくは非耐水性サンクリーム、ファンデーション、アイシャドー、マスカラ、頬紅、コンシーラーまたはボディメイキャップ製品、2相の保湿または化粧落し用ローションであることを特徴とする、請求項1から18の一項に記載の組成物。
【請求項20】
皮膚に適用後、前記皮膚に柔らかな感触および無光沢でパウダー状の外観を付与する皮膚用のメイキャップおよび/またはケア製品を製造するための、請求項1から19の一項に記載の組成物の使用。
【請求項21】
請求項1から19の一項に記載の組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質をメイキャップおよび/またはケアするための美容方法。

【公表番号】特表2010−523631(P2010−523631A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502556(P2010−502556)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050662
【国際公開番号】WO2008/145889
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】