説明

情報処理端末およびプログラム

【課題】文字を書くことが困難な者でも筆談することを可能とする。
【解決手段】情報処理端末は、指示手段と、作成手段と、表示制御手段とを有する。指示手段は、表示部で表示する文字を指示する。作成手段は、前記指示手段で指示された文字に対応する基準文字のデータと、所定の記憶部から読み出した自筆文字の特性を示す特性データとを用いて、前記特性を表す文字のデータを作成する。表示制御手段は、前記作成手段で作成された文字のデータを用いて、前記特性を表す文字を前記表示部に表示させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指やタッチペンなどによりタッチパネル上で描かれた手書き文字を認識し、手書き文字または手書き文字に対応した定型の文字(フォント)をディスプレイに表示する情報処理端末が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の情報処理端末は、文字を書くことが困難な者にとっては使い勝手が悪いなどの課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本実施形態の情報処理端末は、指示手段と、作成手段と、表示制御手段とを有する。指示手段は、表示部で表示する文字を指示する。作成手段は、前記指示手段で指示された文字に対応する基準文字のデータと、所定の記憶部から読み出した自筆文字の特性を示す特性データとを用いて、前記特性を表す文字のデータを作成する。表示制御手段は、前記作成手段で作成された文字のデータを用いて、前記特性を表す文字を前記表示部に表示させる制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係る情報処理端末の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、情報処理端末の概略的なハードウェア構成を示す図である。
【図3】図3は、情報処理端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、カメラで自筆文字を撮影する様子を示す図である。
【図5】図5は、特性情報を登録する登録テーブルの一構成例を示す図である。
【図6】図6は、自筆文字の特性データを不揮発性メモリに記憶する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、筆談時の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、本実施形態の情報処理端末は、概略的には、病気により声を出すのが困難な患者や、病気により文字を書くのが困難な患者などが筆談するための筆談端末であり、それら患者が健康体のときに手書きなどで自筆した手書き文字の癖を反映した文字(類似文字)を用いて筆談することを可能とした筆談端末である。
【0008】
図1は、本実施形態に係る情報処理端末1の概略的な外観構成を説明するための斜視図である。
【0009】
図1に示すように、情報処理端末1は、携帯型の端末であり、薄板状の本体ハウジング100を有している。そして、本体ハウジング100の正面側には、筆談で用いる類似文字Aを表示するディスプレイ2と、ディスプレイ2に表示する文字を指示するなどの各種指示を入力する各種機能キーを含むキーボード3が設けられ、本体ハウジング100の背面側には、使用者が過去(健康体のとき)に手書きなどで自筆した手書き文字(以下、単に「自筆文字」という。)Bが示された手紙などの媒体Cを撮影するためのカメラ4(図4参照)が設けられ、本体ハウジング100の一側面(上面)には、装置の電源をオン/オフするための電源ボタン5などが設けられている。
【0010】
なお、図1の例では、ディスプレイ2に、類似文字Aで構成された「おはよう」という単語(文字群)が表示されている様子を示している。
【0011】
図2は、図1に示す情報処理端末1の概略的なハードウェア構成を説明するための図である。
【0012】
図2に示すように、この情報処理端末1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)10と、このCPU10とバスラインBLを介して接続されるROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、表示部14、入力部15および自筆文字入力部16と、それら各負荷部に電力を供給する電力供給部17などを備えている。
【0013】
ここで、CPU10は、コンピュータ全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。
【0014】
ROM11は、後述のフローチャートにおける処理手順を実行する処理プログラムPなどの各種プログラムや、それら各種プログラムで使用される各種データなどのファイルを記憶する。
【0015】
RAM12は、入力データや表示データなどの作業中のデータや、コンピュータの起動時にROM11から読み出されたプログラムなどを一時的に記憶する。
【0016】
記憶部13は、後述の自筆文字の特性情報や基準文字の情報などを記憶するものである。
【0017】
表示部14は、前記したディスプレイ2と、そのディスプレイ2における各種情報の表示を制御する表示コントローラ(不図示)などを有している。なお、ディスプレイ2としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を採用する。
【0018】
入力部15は、前記したキーボード3と、そのキーボード3からの操作信号の入力を制御する入力コントローラ(不図示)などを有している。
【0019】
自筆文字入力部16は、前記したカメラ4と、そのカメラ4における撮影を制御するカメラコントローラ(不図示)などを有している。なお、カメラ4としては、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)などのデジタルカメラを採用する。
【0020】
電力供給部17は、前記した各負荷部に必要な電力を供給するための電源部であり、例えば、不図示のバッテリ収容口に対して着脱可能な蓄電池(バッテリ)17aと、その蓄電池17aからの電源供給を制御する電源コントローラ(不図示)などを有している。
【0021】
なお、前記した実施形態では、蓄電池17aにより電力が供給される形態の情報処理端末1の場合について説明したが、これに限定されず、ACアダプタなどを介して外部の商用電源から電力を供給することが可能な情報処理端末1とすることも可能である。
【0022】
図3は、CPU10がROM11に記憶されている処理プログラムPを、RAM12上に展開して実行することにより実現される情報処理端末1の機能的構成(ソフトウェア構成)を説明するためのブロック図である。
【0023】
図3に示すように、情報処理端末1は、機能的構成として、自筆文字入力部100a、筆跡分析部100b、特性データ保持部100c、表示文字指示部100d、類似文字作成部100e、表示制御部100fなどを有している。
【0024】
ここで、自筆文字入力部100aは、媒体Cなどに示された自筆文字Bに関するデータを入力する処理を行うものである。
【0025】
より具体的には、自筆文字入力部100aは、図4に示すように、筆談する使用者や看護師などの操作者により、カメラ4の撮影窓が自筆文字Bが示された媒体Cに向けられ、キーボード3に含まれる筆談モードと撮影モードとを切替るモード切替キー(図1参照)が選択されたことにより撮影モードに遷移した場合に、同じく操作者によってキーボード3に含まれる撮影キー(図1参照)が選択された場合に、カメラ4により媒体Cを撮影して自筆文字B(例:「お」)を含む画像データを入力する処理を行う。
【0026】
また、自筆文字入力部100aは、OCR(Optical Character Reader)などの周知の文字認識アルゴリズムを用いて、カメラ4の撮影により取得した画像データから文字(例:「お」)を認識する。
【0027】
筆跡分析部100bは、自筆文字入力部100aから画像データと、認識された文字の種別を示す文字データとを入力し、所定の筆跡分析アルゴリズムを用いて、自筆文字の特性(即ち、「文字の癖」)を分析する処理を行う。
【0028】
より具体的には、筆跡分析部100bは、認識された文字の種別(例:「お」)に対応した基準文字のパターン(座標情報または画像データ)を記憶部13から読み出し、該読み出した基準文字のパターンと、入力した画像データに含まれる自筆文字B(例:「お」)のパターン(座標情報または画像データ)とを比較して、両者の所定の判定ポイントにおける相違量を抽出し、該抽出した相違量で定義される特性情報(図5参照)を作成する。
【0029】
なお、筆跡分析部100bの分析の精度を上げるために、基準文字のパターン(画像データ)のサイズと、自筆文字のパターン(画像データ)のサイズと合わせてから両パターンを比較するのが好ましい。
【0030】
なお、ここでいう「基準文字」とは、一般的なコンピュータのディスプレイに表示されたり、プリンタで印刷する場合に用いられる活字(フォント)であり、筆跡分析部100bは、基準文字のパターンとして、複数種類の活字(フォント)のパターンを有している。
【0031】
また、前記した基準文字は、情報処理端末1が使用される国の文字言語に合わせてカスタマイズすることが可能であるが、本実施形態の情報処理端末1では、日本の文字言語における「かな文字」を用いた筆談を想定しているため、「基準文字」としての複数種類の活字(フォント)のパターンとしては、50音の「ひらがな」のパターンのみ有しているが、これに限定されず、例えば、50音の「カタカナ」のパターンや、0〜9までの「数字」のパターンや、×や○などの「記号」のパターンや、所定数の「漢字」のパターンや、「英文字」のパターンや、「ギリシア文字」のパターンなどのその他のパターンを有するようにしても良い。
【0032】
また、ここでいう「判定ポイント」とは、文字の癖が顕著に表れると想定されるポイントのことであり、日本の文字言語における1文字中の画の始筆、送筆および終筆の各部(「横画」、「縦画」、「折れ」、「曲がり」、「とめ」、「はらい」、「点」、「はね」、「そり」、「むすび」、「おおまわり」など)や、1文字全体の丸み具合などの全体形状や、1文字全体の平均的な濃度などの、予め定められたポイントのことである。
【0033】
特性データ保持部100cは、筆跡分析部100bから入力した特性情報を登録するテーブルT(図5参照)を、記憶部13に保持させる処理を行う。
【0034】
図5は、特性情報を登録する登録テーブルTの一構成例を説明するための図である。
【0035】
図5に示すように、登録テーブルTは、特性情報を登録するものであり、特性情報として、判定ポイントの種類と、各判定ポイントの特性値を登録する。
【0036】
なお、図5の例では、判定ポイント「とめ」に対応付けて、基準文字の「とめ」の基準値「10」に比べて小さい数値である「6」が特性値として登録されており、これは、基準文字の「とめ」に比べて、自筆文字の「とめ」が比較的流したものとなっていることを示している。
【0037】
また、判定ポイント「丸度(丸み具合)」に対応付けて、基準文字の「丸度の基準値「10」に比べて大きい数値である「12」が特性値として登録されており、これは、基準文字の「丸度」に比べて、自筆文字の「丸度」がより大きいことを示している。
【0038】
また、判定ポイント「濃度」に対応付けて、基準文字の「濃度」の基準値「10」に比べて大きい数値である「13」が特性値として登録されており、これは、基準文字の「濃度」に比べて、自筆文字の「濃度」がより濃度が濃いことを示している。
【0039】
図3に戻って、表示文字指示部100dは、端末の電源がオンされた場合やモード切替キーが選択された場合などで情報処理端末1が筆談モードになっている場合に、使用者により選択された文字キーに割り当てられている基準文字のデータを記憶部13から読み出して類似文字作成部100eに出力する。
【0040】
類似文字作成部100eは、表示文字指示部100dから基準文字のデータを入力した場合、記憶部13に保持されている登録テーブルT(図5参照)から特性データを取得し、自筆文字の特性(癖)を表す類似文字Aを作成し、その類似文字Aのデータを表示制御部100fに出力する。
【0041】
より具体的には、類似文字作成部100eは、表示文字指示部100dから入力した基準文字(例えば、「お」など)のパターンを、登録テーブルT(図5参照)から取得した特性データに含まれる複数の判定ポイントのうち当該基準文字(「お」)に適用可能な特性ポイント(例えば、「丸度」や「濃度」など)の特性値(例えば、「12」や「13」など)を用いて、それら特性値を有する類似文字A(即ち、使用者の自筆文字の特性(癖)を反映した文字)を作成する。
【0042】
表示制御部100fは、類似文字作成部100eから入力した類似文字Aのデータを用いて、類似文字Aをディスプレイ2に表示させる処理を行うものである。
【0043】
次に、前記した構成の情報処理端末1における各種処理動作について図6および図7を用いて説明する。
【0044】
図6は、自筆文字の特性データを記憶部13に記憶する場合の情報処理端末1の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0045】
図6のステップS1において、使用者や看護師などの操作者により、電源ボタン5が操作されて情報処理端末1が電源オンとなり、同じく操作者によりキーボード3に含まれる切替キーが選択操作されて情報処理端末1が撮影モードとなった状態で、操作者により、キーボード3に含まれる撮影キーが選択操作された場合に、自筆文字入力部100aが、カメラ4を用いて媒体Cに示された自筆文字Bの撮影を行い、撮影により取得した画像データから文字を認識する。
【0046】
続いて、ステップS2において、筆跡分析部100bが、ステップS1の処理で認識された文字の種別を示す文字データと、取得した画像データとから、前記した方法により自筆文字Bの特性を分析する。
【0047】
続いて、ステップS3において、特性データ保持部100cが、ステップS2の処理で得られた特性データを記憶部13に保持させる。
【0048】
なお、情報処理端末1は、ステップS1〜ステップS3の処理で、自筆文字の特性データを正常に作成/記憶できた場合には、ディスプレイ2に文字認識が正常にできた旨を通知する文字情報を表示し、他方、自筆文字Bの特性データを正常に作成/記憶できなかった場合には、ディスプレイ2に文字認識が正常にできず、再度の撮影を促す旨を通知する文字情報を表示する。
【0049】
図7は、使用者が筆談する場合の情報処理端末1の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図7のステップS11において、使用者などの操作者により、電源ボタン5が操作されて情報処理端末1が電源オンとなり、使用者によりキーボード3に含まれる文字キーが選択操作されると、情報処理端末1では、表示文字指示部100dが、選択された文字キー(例:「う」など)に対応する基準文字(「う」)のデータを記憶部13から読出して類似文字作成部100eに出力する。
【0051】
続いて、ステップS12において、類似文字作成部100eが、前記した方法により自筆文字Bの特性(癖)を表す類似文字Aを作成する処理を行う。
【0052】
続いて、ステップS13において、表示制御部100fが、ステップS12で作成された類似文字Aを表示部14のディスプレイ2に表示する。その後、使用者などにより電源ボタン5が操作されて情報処理端末1の電源がオフされて筆談が終了するまで(ステップS14:Yes)、前記ステップS11〜ステップS13の処理を繰り返し実行する。
【0053】
即ち、以上説明した実施形態によれば、使用者がキーボードや視線読取装置などを用いて表示する文字(定型の文字など)を指定すると、使用者の手書き文字の癖を反映した文字をディスプレイに表示することができる。
【0054】
より具体的には、本実施形態によれば、病気により声を出すのが困難な患者や、病気により文字を書くのが困難な患者などが、自身が健康体のときに自筆した比較的奇麗な自筆文字(手書き文字)の癖を反映した文字を用いて筆談することができるので、定型の文字による機械的な筆談とは異なり、手書きの温かみを出した筆談を行うことができる。
【0055】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0056】
例えば、前記した実施形態では、自筆文字の特性データを保持するための記憶部13と、自筆文字のデータを入力するための自筆文字入力部(カメラ4やカメラコントローラ)16とを備える形態の情報処理端末1の場合について説明したが、これ以外にも、記憶部13および自筆文字入力部16を備えず、その代わりに、外部装置(外部の記憶装置や、記憶部を有する情報処理端末など)とデータ通信するための通信I/F部を備え、使用者が筆談する場合に、通信I/F部を介して外部装置から自筆文字の特性データを取得するような形態の情報処理端末とすることも可能である。なお、その場合には、前記した汎用の携帯型の通信端末を利用することが可能である。
【0057】
また、前記した実施形態では、ディスプレイ2に表示する文字を指示する入力手段として、キーボード3を有する操作入力部15の場合について説明したが、これに限定されず、他の形態の入力手段であっても良く、例えば、使用者の視線を読み取る視線読取装置を利用することも可能である。なお、その場合には、各文字が割り当てられたキーを含むキーボードをディスプレイ2に表示させ、そのディスプレイ2に表示されたキーボードの各キーを視る使用者の視線の検知信号に基づいて、ディスプレイ2に表示する文字を指示するように構成する。
【0058】
また、前記した実施形態では、キーボード3のキー毎に一つのかな文字が割り当てられている場合について説明したが、これ以外にも、例えば、携帯電話機のキーボードのように、一つのキーに複数のかな文字が割り当てられ、同一のキーの押下(選択)回数に応じて割り当てられている複数のかな文字の中から所望のかな文字を選択するような形態とすることも可能である。
【0059】
また、前記した以外にも、例えば、一つのキーに、複数の文字からなる単語(例えば、「おはよう」、「ありがとう」、「おつかれさま」など)を割り当てておき、筆談モード時に、キーが選択された場合に、割り当てられた単語を構成する各基準文字のデータと、特性データとを用いて、特性を表す複数の類似文字を作成して、その類似文字で構成される単語をディスプレイ2に表示させるようにしても良い。
【0060】
また、前記した実施形態では、キーボード3を用いてディスプレイ2に表示する文字を指示する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、入力部15の代わりに、ディスプレイ2に積層されるタッチパネルを設け、そのタッチパネルを用いてディスプレイ2に表示された機能キーボードの機能キーアイコンを選択することでディスプレイ2に表示する文字を指示するような形態とすることも可能である。
【0061】
また、前記した実施形態では、自筆文字のデータを入力する手段として、カメラ4やカメラコントローラを備えた自筆文字入力部16を備える形態について説明したが、これ以外にも、例えば、スキャナ装置で実現される自筆文字入力部を備える形態とすることも可能である。
【0062】
また、前記した実施形態では、病院などの特定の場所で用いられる専用の筆談端末としての情報処理端末1の場合について説明したが、これに限定されず、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Data Assistant)などの汎用の携帯型の端末に適用することも可能である。また、前記した実施形態では、病院内で患者に貸し出される携帯型の情報処理端末1の場合について説明したが、これ以外にも、例えば、使用者のベッドの傍に設置される据え置き型の情報処理端末に適用することも可能である。
【0063】
また、前記した実施形態では、情報処理端末1を使用する使用者が一人である場合を想定して、記憶部13には、一人分の特性データのみを記憶する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、一つの情報処理端末1を複数の者が共有して利用する場合を想定した場合には、使用者(個人)を特定可能な識別情報(指紋などの生体情報や、パスワードなどのID情報など)に対応付けて自筆文字の特性データを記憶部13に記憶させておき、筆談時に、所定の情報入力手段で入力された識別情報に基づいて特定される使用者の自筆文字の特性データを用いて類似文字Aを作成してディスプレイ2に表示させるような形態とすることも可能である。
【0064】
また、前記した情報処理端末1で実行される処理プログラムPは、ROM11などの記憶部に予め組み込むように提供する以外にも、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録して提供したり、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0065】
その他、前記した実施形態における情報処理端末1のハードウェア構成や、ソフトウェア構成や、自筆文字の特性データの種別や、判定ポイントの種別や、処理手順などは、単なる一例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理端末
2 ディスプレイ(表示部)
3 キーボード(指示手段)
4 カメラ(入力手段)
100a 自筆文字入力部(入力手段)
100b 筆跡分析部(分析手段)
100c 特性データ保持部
100d 表示文字指示部
100e 類似文字作成部(作成手段)
100f 表示制御部(制御手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平4−153725号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部で表示する文字を指示する指示手段と、
前記指示手段で指示された文字に対応する基準文字のデータと、所定の記憶部から読み出した自筆文字の特性を示す特性データとを用いて、前記特性を表す文字のデータを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された文字のデータを用いて、前記特性を表す文字を前記表示部に表示させる制御を行う制御手段と、
を有する情報処理端末。
【請求項2】
前記自筆文字が示された媒体を介して前記自筆文字の画像を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力した画像から前記自筆文字の特性を分析する分析手段と、
前記分析手段で分析された特性を示す前記特性データを、前記記憶部に保持させる保持手段と、
を更に有する請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記特性データは、前記自筆文字から抽出された文字の癖を示すデータであり、前記特性を表す文字は、前記癖を反映した文字である、請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記指示手段は、キーボード、または、視線読取装置である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項5】
使用者を特定する特定手段、
を更に有し、
前記作成手段は、前記特定手段で特定された使用者の自筆文字の特性を示す特性データを用いて、前記特性を表す文字のデータを作成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項6】
コンピュータを、
表示部で表示する文字を指示する指示手段と、
前記指示手段で指示された文字に対応する基準文字のデータと、所定の記憶部から読み出した自筆文字の特性を示す特性データとを用いて、前記特性を表す文字のデータを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された文字のデータを用いて、前記特性を表す文字を前記表示部に表示させる制御を行う制御手段と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−113547(P2012−113547A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262641(P2010−262641)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】