説明

情報処理装置、電気機器、及びサーバ

【課題】電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示を可能にする。
【解決手段】サーバコンピュータSV2において、判定部257が、複合機1の表示部50の表示能力情報が、記憶部26に記憶されている表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定すると(SS2でYES)、表示形態変更部258が、当該表示画面データによる表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、表示部50の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う(SS3)。通信部28は、当該表示形態が変更された表示画面データを複合機1に対して送信する(SS4)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電気機器、及びサーバに関し、特に、電気機器の表示装置に画像を表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等の電気機器では、装置前面の操作パネルにLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部が設けられ、操作者に対しての各種操作案内を示すメッセージや画像が表示される。このような画像形成装置としては、下記特許文献1に、その表示装置に表示させるための表示画面データを、当該画像形成装置とネットワーク接続されたサーバに格納しておき、画像形成装置が当該サーバから表示画面データを取得することで表示装置の画面表示を行うものが知られている。そして、当該画像形成装置は、サーバから送られてくる表示画面データのままでは、表示装置の表示能力不足を要因として表示不可能である場合には、表示画面データに含まれる複数のボタンを機能毎に集約して生成した階層化メニュー画面を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ネットワーク接続されたサーバから画像形成装置に送られてくる表示画面データが、小サイズの表示パネルを有する表示装置用のデータであり、画像形成装置の表示装置がこれよりも大サイズの表示パネルを有する表示装置用のデータである場合、当該表示画面データを、そのまま当該大サイズの表示パネルを有する表示装置に表示させると、その表示画面が粗く表示される等、表示品質が不十分になるおそれがある。上記特許文献1に示される画像形成装置は、その表示装置の表示能力が、サーバから送られてくる表示画面データを表示するには足りない場合に、当該表示画面データを集約して表示可能にするものであるため、上記小サイズの表示パネル用の表示画面データを、これよりも大きなサイズの表示パネルを有する表示装置に表示させる場合における上記問題を解決することはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電気機器における表示装置の表示能力情報を取得する表示能力情報取得部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示対象パーツを含む表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に記憶する表示画面データ記憶部と、
前記表示能力情報取得部によって取得された前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ記憶部に記憶されている表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データによる表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備える情報処理装置である。
【0007】
この発明に係る情報処理装置は、電気機器の表示装置の表示能力情報が、情報処理装置が保有している表示画面データに対応する表示能力情報を超えている場合には、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って、当該表示画面データの表示領域が拡大されると共に、当該拡大された表示領域に合わせて表示対象パーツの配置が変更された当該表示画面データが電気機器に送信されるので、当該電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示が可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の表示能力情報を記憶する表示能力情報記憶部と、
情報処理装置において生成された表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示能力情報記憶部に記憶されている前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ取得部によって取得された表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データによる表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態の変更された前記表示画面データが示す画像を前記表示装置に表示させる画像表示制御部と
を備える電気機器である。
【0009】
この発明に係る電気機器は、その表示装置の表示能力が、情報処理装置から取得した表示画面データに対応する表示能力を超えている場合には、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って、当該表示画面データの表示領域を拡大すると共に、当該拡大された表示領域に合わせて表示対象パーツの配置を変更するので、当該電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、電気機器における表示装置の表示能力情報を取得する表示能力情報取得部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示対象パーツを含む表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に、情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示能力情報取得部によって取得された前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ取得部に取得された表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備えるサーバである。
【0011】
この発明に係るサーバは、電気機器の表示装置の表示能力が、情報処理装置から取得した表示画面データに対応する表示能力を超えている場合には、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って、当該表示画面データの表示領域を拡大すると共に、当該拡大された表示領域に合わせて表示対象パーツの配置を変更した当該表示画面データを電気機器に送信するので、当該電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該電気機器の表示装置は、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示が可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、電気機器で発生した事象の種別を示す事象情報を当該電気機器から受信する事象情報受信部と、
前記事象情報受信部によって受信された前記事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを記憶する表示画面データ記憶部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備える情報処理装置である。
【0013】
この発明に係る情報処理装置は、電気機器の表示装置に表示させる表示画面データに含まれて上記事象毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態が、上記算出された事象種別の事象重要度に応じて変更された上で、上記表示画面データが電気機器に送信されるので、電気機器で生じる各事象の重要度に応じてカスタマイズされた表示画面を、当該電気機器の表示装置に表示させることが可能になる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、画像を表示する表示装置と、
当該電気機器で発生した事象を検知する事象検知部と、
前記事象検知部によって受信された事象を示す事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
情報処理装置において生成された前記表示装置の表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された変更された前記表示画面データを前記表示装置に表示させる表示制御部と
を備える電気機器である。
【0015】
この発明に係る電気機器は、表示装置に表示させる表示画面データに含まれて上記事象毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、上記算出された事象種別の事象重要度に応じた表示形態に変更するので、電気機器で生じる各事象の重要度に応じてカスタマイズされた表示画面を、当該電気機器の表示装置に表示させることが可能になる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、電気機器で発生した事象の種別を示す事象情報を当該電気機器から受信する事象情報受信部と、
前記事象情報受信部によって受信された前記事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
情報処理装置において生成された前記表示装置の表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備えるサーバである。
【0017】
この発明に係るサーバは、表示装置に表示させる表示画面データに含まれて上記事象毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、上記算出された事象種別の事象重要度に応じた表示形態に変更して当該電気機器に送信するので、電気機器で生じる各事象の重要度に応じてカスタマイズされた表示画面を、当該電気機器の表示装置に表示させることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電気機器の表示装置が、当該表示装置での表示には不十分な情報量しかない表示画面データを表示する場合であっても、当該表示画面データが有する画像品質を保持したままでの表示を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、電気機器、及びサーバを備えた動作制御システムの実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【図3】複合機及びサーバコンピュータによる表示画面生成のための通信処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】(a)(b)は表示画面の一例を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る動作制御システムでの複合機1及びサーバコンピュータによる表示画面生成のための通信処理を示すフローチャートである。
【図7】PC及びサーバコンピュータによる表示画面作成時の処理を示す図である。
【図8】図8はカスタマイズ受付画面の一例を示す図である。
【図9】第3実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機について動作制御プログラムの生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る動作制御システムでの複合機及びサーバコンピュータによる表示画面生成のための通信処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)(b)は表示画面の一例を示す図である。
【図12】第4実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【図13】複合機及びサーバコンピュータによる表示画面生成のための通信処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図14】他の実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【図15】他の実施形態に係る動作制御システムのサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、電気機器、及びサーバについて図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係る情報処理装置、電気機器、及びサーバを備えた動作制御システムの実施形態を示す図である。動作制御システム10は、複合機1と、サーバコンピュータSV2と、各パーソナルコンピュータ(以下、PC)31乃至34とでなる。但し、動作制御システム10が備える複合機、サーバコンピュータ、及びPCの台数はこれに限定されない。
【0022】
電気機器及び画像形成装置の一例である複合機1は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。さらに、複合機1は、スキャナ部で読み取った原稿の文書データを複合機1の内部記憶装置や、LAN(local area network)等によって複合機1にネットワーク接続されたサーバコンピュータSV2、各PC31乃至34内の記憶部等に格納すると共に、複合機1の内部記憶装置、サーバコンピュータSV2及び各PC31乃至34内の記憶部に記憶されているプリント対象データを読み出してプリントアウトする等を行う文書管理機能を備えている。複合機1には、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部50が備えられている。
【0023】
また、サーバコンピュータSV2は、複合機1における表示部50の表示制御に供するパネル表示制御情報を生成するアプリケーション(パネルクリエータ)が、後述する記憶部26にインストールされている。
【0024】
PC31乃至PC34は、ウェブブラウザを介してサーバコンピュータSV2の上記アプリケーションにアクセスし、当該ウェブブラウザ上で操作者が当該アプリケーションを操作して上記パネル制御情報を作成可能とされている。
【0025】
複合機1は、PC31乃至PC34から、LAN(Local Area Network)又はUSBメモリ等を介して上記表示画面データをパネル制御情報として受け取って記憶し、このパネル制御情報を用いて、後述する拡張アプリケーションが、表示部50による画面表示を制御し、当該発生した事象を示す案内画面を表示部50に表示させる。当該パネル制御情報の生成処理、複合機1における上記表示画面を表示するための構成及び処理は後述する。
【0026】
次に、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34、及び複合機1の内部構成であって、表示画面データの生成処理、画面表示、及び動作制御に必要な構成を説明する。図2は、第1実施形態に係る動作制御システム10のサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部50での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。なお、PC31乃至34で行われる処理に必要な構成は同様であるため、以下にはPC31の構成を示す。
【0027】
サーバコンピュータSV2は、パネルクリエータ部25を備える。パネルクリエータ部25は、複合機1の表示部50に表示させる表示画面の表示画面データを、例えばXML(Extensible Markup Language)形式のデータで生成し、当該XML形式データをベースとするパネル制御情報を生成するツールである。パネルクリエータ部25は、表示画面を構成する各種ボタン等の各表示対象パーツのカスタマイズをユーザから受け付けて上記表示画面データを生成する処理を行う。なお、本実施形態では、パネルクリエータ部25は、PC31のウェブブラウザ3100を介して当該PC31において操作者により操作されることで、上記表示画面の生成操作が行われる。
【0028】
パネルクリエータ部25は、判定部257と、表示形態変更部258と、機種指定受付部251と、機種指定受付部251と、パーツ指定受付部252と、レイアウト情報受付部254と、アクション指示受付部253と、生成部255として機能する。
【0029】
なお、後述する記憶部26は、操作者による機種指定受付部251、パーツ指定受付部252、レイアウト情報受付部254、及びアクション指示受付部253の操作の下、生成部255によって生成された表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に記憶する。当該表示画面データは、複合機1の表示部50に表示させる表示対象パーツを含む表示画面データである。
【0030】
判定部257は、記憶部26に記憶されている表示画面データの送信を要求してきた複合機1の表示部50の表示性能を示す表示能力情報が、当該表示画面データについての表示能力情報を超えるかを判定する。この複合機1からの表示画面データの送信要求及び表示部50の表示能力情報は、通信部28により複合機1から受信される。すなわち、複合機1は、パネル制御情報の送信要求と共に、自身に設けられている表示部50の表示能力情報をサーバコンピュータSV2に送信する。サーバコンピュータSV2では、通信部28が当該表示能力情報を受信し、判定部257が、当該受信された表示能力情報が、記憶部26に記憶されている表示画面データに対応付けられている表示能力情報を超えるかを判定する。
【0031】
なお、表示画面データを表示する複合機1の表示部50の表示能力情報は、(1)操作者によるサーバコンピュータSV2の操作部(図略)の操作により入力されるようにしてもよいし、或いは、(2)操作者の操作者によりPC31から当該送信要求がサーバコンピュータSV2に送信され、通信部28により受信されるようにしてもよい。これらの場合、当該複合機1に対しては、表示対象とされる表示画面データ(パネル制御情報)は、PC31を介して送信されるか、PC31においてUSBメモリ等の外部メモリに保存されて当該USBメモリ等を介して入力される。
【0032】
表示形態変更部258は、上記送信要求を送ってきた複合機1の表示部50の表示能力情報が、記憶部26に記憶されている表示画面データの表示能力情報を超えていると判定部257によって判定された場合に、当該表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示部50の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う。当該予め定められたルールに従った表示形態の変更処理の詳細は後述する。
【0033】
機種指定受付部251は、操作者から、パネルクリエータ部25により作成する表示画面データの表示を行う複合機1の機種の指定を受け付ける。機種指定受付部251は、予め保有している複合機1の各機種情報と、当該機種情報が示す機種の複合機1で用いられる表示部50の表示性能(解像度、表示画面面積等)を示す表示能力情報との対応情報に基づいて、当該操作者により指定された機種が示す複合機1の表示部50の表示能力情報を特定する。機種指定受付部251は、当該特定した表示能力情報を生成部255に渡す。
【0034】
パーツ指定受付部252は、当該複合機1の表示部50の表示画面内に表示させる例えば文字列や当該文字列と共に表示させる操作ボタン等でなる表示対象パーツの指定を、PC31からウェブブラウザ3100を介して操作者から受け付ける。操作者が指定可能な複数の表示対象パーツの画像データは、上記表示対象パーツ記憶部2503に記憶されている。パーツ指定受付部252は、PC31のウェブブラウザ3100からパネルクリエータ部25の起動指示を受け取ったとき、操作者に選択させるための表示対象パーツの画像データをウェブブラウザ3100に引き渡す。
【0035】
例えば、ユーザによるPC31のウェブブラウザ3100の操作により当該ウェブブラウザ3100からパネルクリエータ部25のパーツ指定受付部252に、当該パネルクリエータ部25の起動指示が受け付けられると、このパーツ指定受付部252は、ウェブブラウザ3100に、操作者に選択させるための各表示対象パーツを含むカスタマイズ受付画面の表示データを提供する。ウェブブラウザ3100は、PC31の表示部313に当該カスタマイズ受付画面を表示させる。このカスタマイズ受付画面は、上記表示対象パーツ等を表示した画面である。当該カスタマイズ受付画面で表示中の表示対象パーツから、所望の表示対象パーツがウェブブラウザ3100の操作で操作者により指定されると、当該ウェブブラウザ3100が当該表示対象パーツの指定指示をサーバコンピュータSV2に送信し、パーツ指定受付部252が、当該指定指示が示す表示対象パーツの指定を受け付ける。
【0036】
例えば、ウェブブラウザ3100は、PC31の表示部313に当該カスタマイズ画面を表示させているとき、このカスタマイズ画面には複数の表示対象パーツが表示され、当該表示中の表示対象パーツから所望の表示対象パーツが操作者によるPC31のウェブブラウザ3100の操作で指定されると、当該ウェブブラウザ3100が当該表示対象パーツの指定指示をサーバコンピュータSV2に送信し、パーツ指定受付部252が、当該指定された表示対象パーツの指定を受け付ける。
【0037】
レイアウト情報受付部254は、パーツ指定受付部252で指定が受け付けられた表示対象パーツについての表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付ける。例えば、ウェブブラウザ3100を介してPC31の表示部313に表示するカスタマイズ画面中に、表示部50の表示画面の背景画像のデータ(パネルクリエータ部25に記憶されている)を用いて、当該表示画面の背景画像を擬似的に表示させ、当該背景画像中における任意の箇所がユーザによりPC31でウェブブラウザ3100の操作により指定されると、当該ウェブブラウザ3100が当該指定された箇所を示す情報をサーバコンピュータSV2に送信する。レイアウト情報受付部254は、当該指定された箇所を上記指定された表示対象パーツの配置箇所として受け付ける。
【0038】
アクション指示受付部253は、パーツ指定受付部252で指定された表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツの組合せに対応するアクション(複合機1において実行可能な処理。例えば、警告音を発する等)を関連付けて設定する。すなわち、パーツ指定受付部252では、表示画面内に配置する表示対象パーツの指定が受け付けられるが、アクション指示受付部253は、当該受け付けられた表示対象パーツの組合せに対応付けて、複合機1のアクションを設定する。例えば、アクション指示受付部253は、「紙詰まりが発生しました。用紙を取り除いて下さい」という文字列の表示対象パーツがユーザにより指定された場合には、当該「紙詰まりが発生しました。用紙を取り除いて下さい」の表示対象パーツに対応付けるアクションとして「警告音を発する」を設定する。
【0039】
生成部255は、機種指定受付部251で特定された表示能力情報、パーツ指定受付部252で受け付けられた上記表示対象パーツ、レイアウト情報受付部254で受け付けられた上記レイアウト指示、及びアクション指示受付部253で受け付けられた上記アクション設定が示す内容で、複合機1の表示部50に表示させる表示画面の表示画面データをXML形式データで生成し、当該XML形式データをベースとするパネル制御情報を生成する。すなわち、ユーザは、PC31のウェブブラウザ3100において、機種指定受付部251での機種指定、パーツ指定受付部252での表示対象パーツ指定、レイアウト情報受付部254での上記レイアウト指示、及びアクション指示受付部253での上記アクション設定を行うと、生成部255による表示画面生成処理により、複合機1の表示部50に表示させる表示画面を所望通りにカスタマイズして作成できる。本実施形態では、生成部255は、XML形式でScriptファイルに当該エラー発生時の表示画面の表示画面データ(パネル制御情報)をエクスポートする。なお、本実施形態では、表示画面のデータファイルとしてXML形式のScriptファイルを使用するが、システム構成上は、XML形式以外の他のマークアップ言語であっても構わない。
【0040】
生成部255は、このように複合機1の表示部50に表示させる表示画面の表示画面データを生成する。すなわち、表示能力情報、表示対象パーツ情報、レイアウト情報、及びアクション情報が互いに関連付けられており、当該表示能力情報、表示対象パーツ情報、レイアウト情報、及びアクション情報の組合せでなる表示画面データが、パネル制御情報となる。当該生成された各パネル制御情報は、通信部28からPC31に送信される。
【0041】
記憶部(表示画面データ記憶部)26は、メモリ又はHDD等からなり、上記生成部255によって生成されたパネル制御情報を記憶する。この記憶部26には、パネル制御情報を生成するアプリケーション(パネルクリエータ)がインストールされており、サーバコンピュータSV2が備えるCPU等からなる中央制御部が、当該アプリケーションに従って動作することで、パネルクリエータ部25として機能する。
【0042】
パネルシミュレータ27は、パネルクリエータ部25によってエクスポートされた上記Scriptファイルの表示画面データであるパネル制御情報の内容を解析し、ディスプレイでの表示を可能にするために当該表示画面データをHTML形式のデータに変換するツールである。当該変換された当該HTML形式のデータは、例えばウェブブラウザ3100を介してPC31の表示部313に表示される。
【0043】
通信部28は、ネットワークを介してPC31や複合機1との間でデータ入出力を行うインタフェイスである。通信部28は、例えば、記憶部26から読み出した表示画面データであるパネル制御情報をPC31又はサーバコンピュータSV2に出力する。
【0044】
PC31は、制御部310と、記憶部311と、通信部312と、表示部313を備えている。
【0045】
記憶部311は、HDD等からなり、サーバコンピュータSV2にアクセスして表示画面生成を行うためのプログラム等が記憶されている。
【0046】
制御部310は、CPU等からなり、PC31の全体的な動作制御を司ると共に、記憶部311に記憶されている上記プログラムに従って動作することで、ウェブブラウザ3100として機能する。
【0047】
ウェブブラウザ3100は、サーバコンピュータSV2に対して、パネルクリエータ部25の起動指示を送信し、パネルクリエータ部25をWebアプリケーションとして起動させる。すなわち、ウェブブラウザ3100は、上記カスタマイズ受付画面の表示データ等を、LANを介してサーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25から受信して表示部313に表示させる。また、ウェブブラウザ3100は、サーバコンピュータSV2のパネルシミュレータ27から、パネルクリエータ部25で生成されてパネルシミュレータ27によりHTML形式データに変換された表示画面データを表示用データとして受信して、ユーザによる確認用にPC31の表示部313に表示させる。
【0048】
通信部312は、LAN等のネットワークを介して複合機1等との間でデータ入出力を行うインタフェイスである。
【0049】
なお、PC31は、操作者による図略の操作部の操作に基づく制御部310による制御の下、サーバコンピュータSV2から通信部312が受信したエラー時制御情報をUSBメモリ等の外部メモリに保存する図略のインタフェイスを備えていることが好ましい。
【0050】
複合機1は、コントローラ11と、記憶部12と、プラットフォーム13と、制御ユニット(Web container )200に備えられた拡張アプリケーション15と、ブラウザ16と、表示部50とを有している。
【0051】
複合機1の拡張アプリケーション15は、主にScript Interpreter 151と、Business Logic152と、登録部153とで構成される。
【0052】
登録部153は、PC31の通信部312からLANにより送られてきた(或いは、上記USBメモリ等から読み出された)上記Scriptファイルの表示画面データをベースとするパネル制御情報を、表示部50での表示用データとして登録し、記憶部12に記憶させる。登録部153は、パネル制御情報が複数送られてきた場合は、表示部50での表示用データとしてそれぞれを登録して記憶部12に記憶させる。
【0053】
Script Interpreter151は、登録部153により記憶部12に登録されたパネル制御情報を読み込んで内容を解析する。Script Interpreter 151は、パネル制御情報が示す表示画面を表示部50に表示するためのHTML変換処理と、パネル制御情報が示す表示対象パーツに関連付けられたアクションを実行するためのBusiness Logic152への展開処理とを行う。Script Interpreter 151は、上記表示用にHTML形式への変換処理を行ったデータを、APIを介してBusiness Logic152に渡す。
【0054】
Business Logic152は、ブラウザ16に、Script Interpreter 151から受け取った上記HTML変換処理済みの表示用データを送信する。また、Business Logic152は、上記Script Interpreter 151から得られた情報を基に、複合機1によるアクションを制御する。
【0055】
すなわち、Business Logic152は、複合機1のブラウザ16により文字列等の表示対象パーツが表示部50に表示されると、上記Script Interpreter151から渡された情報(Script Interpreter151によるScriptファイルの解析で得られた情報)を基に、表示対象パーツに関連付けられている複合機1のアクションを解析し、解析したアクションを実行するために、当該解析したアクションに対応するAPIを呼び出す。解析されたアクションはBusiness Logic152からコントローラ11に渡される。
【0056】
記憶部12には、上記パネル制御情報、コントローラ11として動作させるための動作プログラム、拡張アプリケーション15のプログラム、ブラウザ16のプログラム等が記憶されている。複合機1の中央制御部であるCPUが、記憶部12に記憶されている各プログラムに従って動作することで、上記のコントローラ11、拡張アプリケーション15、及びブラウザ16等として機能する。なお、拡張アプリケーション15のプログラムが、PC31から受信等されて記憶部12に記憶されたパネル制御情報を用いて、複合機1での表示部50の表示画面の表示制御を行う。さらに、記憶部12は、当該複合機1の表示部50の表示能力を示す表示能力情報を記憶している。
【0057】
プラットフォーム13は、PC31の通信部312からLANにより送られてきた(或いは、上記USBメモリ等から読み出した)上記Scriptファイルの表示画面データをベースとするパネル制御情報を受信し、登録部153に引き渡す。
【0058】
API(application programming interface)は、ある制御機構で処理を行っている場合に、他のハードウエアやソフトウエアの提供している機能を利用するための手法として提供されるインタフェイスである。本実施形態では、APIは、例えば、複合機1のコントローラ11によって実行される複合機1の基本機能を、ファームウェア以外から実行するためのインタフェイスとして用いられる。APIは、複合機1のプラットフォーム13を通じて、複合機1のファームウェアに従って動作するコントローラ11にアクセスして、複合機1の上記基本機能を実行させる。但し、本実施形態でのAPIの適用は当該例に限られない。
【0059】
ブラウザ(処理実行部)16は、上記Script Interpreter 151及びBusiness Logic152から得た上記HTML変換処理済みの表示用データを表示部50に表示させる。ブラウザ16は、本実施形態では、拡張アプリケーション15で変換されたHTML変換処理後のファイルが示す画面構成に合わせて表示画面を表示部50に表示し、また、当該表示画面の表示中に、操作者からの指示入力操作を表示部50のタッチパネル機能を介して受け付けるインタフェイスとなる。
【0060】
すなわち、PC31及びサーバコンピュータSV2により生成部255での表示画面データ生成処理(パネル制御情報生成処理)までを行い、複合機1は、当該パネル制御情報をPC31から取得する。このPC31からの登録部153による表示画面データの取得は、当該LAN等によるネットワーク通信での取得、USBメモリを介してのPC31からの取得、PC31から電子メールにより複合機1が取得、のいずれでもよい。
【0061】
複合機1では、PC31で生成されて当該PC31から送信されてきたパネル制御情報が登録部153に記憶されている場合、拡張アプリケーション15のプログラムが、当該パネル制御情報を用いて、上記ファームウェアに代わって、表示部50での表示画面を表示制御する。
【0062】
次に、複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理の第1実施形態を説明する。図3は、複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0063】
動作制御システム10においては、複合機1の表示部50に表示させる表示画面の表示画面データ生成のために、以下の通信及びデータ変換処理が行われる。
【0064】
複合機1において、表示部50での表示画面の表示の必要が生じると、プラットフォーム13は、記憶部12に記憶されている複合機1の表示能力情報と、表示部50の表示画面データの送信要求とをサーバコンピュータSV2に送信する(F1)。
【0065】
サーバコンピュータSV2では、通信部28が当該表示能力情報及び送信要求を受信すると(SS1)、判定部257が、当該受信した複合機1の表示部50の表示能力情報が、記憶部26に記憶されており当該送信要求の対象となる表示画面データ(表示制御情報)の表示能力情報を超えるか否かを判定する(SS2)。
【0066】
判定部257が、当該複合機1の表示部50の表示能力情報が、当該送信要求の示す表示画面データの表示能力情報を超えると判定すると(SS2でYES)、表示形態変更部258が、当該表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う(SS3)。なお、判定部257が、当該複合機1の表示部50の表示能力情報が、当該送信要求の示す表示画面データの表示能力情報を超えないと判定した場合は(SS2でNO)、SS3の処理をスキップしてSS4の処理に移る。
【0067】
例えば、表示形態変更部258は、上記送信要求の対象となる表示画面データが、小さな表示パネルを有する表示装置用の表示画面データが示す表示画面であり(図4(a)参照)、当該複合機1の表示部50が大きな表示パネルを有しており、当該表示部50の表示能力に対しては、当該表示画面データの例えば解像度が低く情報量が足りない場合には、表示領域をなす背景画面の画像P1を当該大きな表示パネル用にサイズを拡大するというルールR1と、当該背景画面内に配置される各表示対象パーツP2を、図4(b)に示すように、当該拡大された背景画面の所定領域A内に元の大きさ及び間隔のままで配置するというルールR2と、これ以外の空き領域Bに、それまでの小さな表示パネル用の表示画面では小さく表示されていたステイタス情報を示す表示対象パーツP3を、当該ステイタス情報を更に詳細に表示する画像(例えば、情報量を増やした大きなパーツ)P4に変換した上で配置するというルールR3とに従って、上記送信要求の対象となる表示画面データの表示形態を変更する。なお、空き領域Bに、更に、予め定められた他の情報を示す画像P5を配置してもよい。これにより、表示対象パーツを単に拡大することによる画像品質の低下を避けつつ、必要なメッセージについては、空き領域を利用して、操作者に対して、より分かりやすく表示できる。
【0068】
当該生成された表示画面データは、通信部28が、上記送信要求を送信してきた複合機1に対して送信する(SS4)。
【0069】
複合機1は、上記表示形態が変更された表示画面データをプラットフォーム13がサーバコンピュータSV2から受信する(F2)。受信された表示画面データは、登録部153により登録され(F3)、拡張アプリケーション15及びブラウザ16により表示可能な表示画面データとなる。
【0070】
なお、上述したように、操作者が、PC31において表示画面データ(パネル制御情報)をUSBメモリ等の外部メモリに保存し、当該USBメモリ等を介して複合機1に表示画面データが入力される場合は、当該複合機1からサーバコンピュータSV2に対する送信要求は行われない。操作者が、PC31の操作部又はウェブブラウザ3100を操作することにより、PC31に、サーバコンピュータSV2に対して上記送信要求及び複合機1の表示能力情報を送信させる。サーバコンピュータSV2は、当該送信要求及び表示能力情報に基づいて、SS2と、その判定結果に応じてSS3の処理を行い、通信部28が、表示画面データを、上記送信要求を送信してきたPC31に対して送信する。そして、このPC31のインタフェイスが当該表示画面データをUSBメモリ等の外部メモリに保存し、操作者が、当該USBメモリ等の外部メモリを用いて、当該表示画面データを複合機1に入力する。
【0071】
次に、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34、及び複合機1の内部構成であって、表示画面データの生成処理、画面表示、及び動作制御に必要な構成の第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態に係る動作制御システム10のサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部50での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。なお、第1実施形態と同様の構成は説明を省略する。すなわち、特に説明をしない限り、第2実施形態における構成は、第1実施形態と同様である。
【0072】
第2実施形態では、上記複合機1の表示部50の表示能力情報に応じた表示形態変更を、複合機1で行う。
【0073】
第2実施形態における複合機1は、判定部112と、表示形態変更部113と、生成部114とを複合機1が有している。
【0074】
判定部112は、プラットフォーム13により、サーバコンピュータSV2から表示画面データが当該表示画面データの表示能力情報と共に受信された場合、又は、USBメモリ等の外部メモリから表示画面データが当該表示画面データの表示能力情報と共に取得された場合に、記憶部12に記憶されている表示部50の表示能力情報が、当該表示画面データの表示能力情報を超えるか否かを判定する。
【0075】
表示形態変更部113は、記憶部12に記憶されている表示部50の表示能力情報が、当該表示画面データの表示能力情報を超えると判定部112によって判定された場合に、第1実施形態におけるサーバコンピュータSV2での表示形態変更部258と同様にして、表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して上記と同様の予め定められたルールに従って行う。
【0076】
なお、第2実施形態では、サーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25は、機種指定受付部251と、パーツ指定受付部252と、レイアウト情報受付部254と、アクション指示受付部253と、生成部255として機能する。すなわち、第2実施形態では、サーバコンピュータSV2は、当該パネルクリエータ部25で生成した表示画面データを複合機1又はPC31に送信するまでの処理を行う。
【0077】
次に、第2実施形態に係る動作制御システム10での複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理を説明する。図6は、第2実施形態に係る動作制御システム10での複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理を示すフローチャートである。
【0078】
複合機1において、表示部50での表示画面の表示の必要が生じると、プラットフォーム13は、表示部50の表示画面データの送信要求をサーバコンピュータSV2に送信する(F11)。
【0079】
サーバコンピュータSV2では、通信部28が当該送信要求を受信すると(SS11)、記憶部26から当該送信要求に対応する表示画面データ及び当該表示画面データの表示能力情報を読み出して複合機1に送信する(SS12)。
【0080】
複合機1では、プラットフォーム13が当該表示画面データ及び表示能力情報を受信すると(F12)、判定部112が、記憶部12に記憶されている当該複合機1の表示部50の表示能力情報が、当該受信した表示画面データの表示能力情報を超えるか否かを判定する(F13)。
【0081】
判定部112によって、当該複合機1の表示部50の表示能力情報が、当該受信した表示画面データの表示能力情報を超えると判定されると(F13でYES)、表示形態変更部113が、当該表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、上記第1実施形態と同様の予め定められたルールに従って行う(F14)。
【0082】
生成された表示画面データは、ブラウザ16に渡され、当該ブラウザ16が、この表示画面データに基づいて表示部50に表示画面を表示させる(F15)。
【0083】
なお、操作者が、PC31において表示画面データ(パネル制御情報)をUSBメモリ等の外部メモリに保存し、当該USBメモリ等を介して複合機1に表示画面データが入力される場合は、当該複合機1からサーバコンピュータSV2に対しての送信要求は行われない。操作者が、PC31の操作部又はウェブブラウザ3100を操作することにより、PC31に、サーバコンピュータSV2に対する上記送信要求を送信させる。サーバコンピュータSV2は、当該送信要求に基づいて、当該送信要求に対応する表示画面データを、通信部28が記憶部26から読み出し、読み出した表示画面データを、上記送信要求を送信してきたPC31に対して送信する。そして、PC31が当該表示画面データを受信すると、そのインタフェイスが当該表示画面データをUSBメモリ等の外部メモリに保存し、操作者が、当該USBメモリ等の外部メモリを用いて、当該表示画面データを複合機1に入力する。
【0084】
次に、PC31及びサーバコンピュータSV2による表示画面作成時の処理を説明する。当該表示画面作成時の処理は上記第1及び第2実施形態において同様であり、後述する第3及び第4実施形態においても同様である。図7は、PC31及びサーバコンピュータSV2による表示画面作成時の処理を示す図である。図8はカスタマイズ受付画面の一例を示す図である。
【0085】
操作者は、例えば、PC31の操作部(図略)を操作して、ウェブブラウザ3100から、複合機1の表示部50の表示画面の作成指示を入力する。操作者による当該表示画面作成指示の入力がウェブブラウザ3100に受け付けられると(P1)、ウェブブラウザ3100がサーバコンピュータSV2に対してパネルクリエータ部25の起動指示を送信する(P2)。
【0086】
サーバコンピュータSV2において、通信部28を介して、パネルクリエータ部25に上記パネルクリエータ起動指示が受信されると(SS101)、パネルクリエータ部25が起動する(SS102)。
【0087】
このとき、パーツ指定受付部252は、当該パネルクリエータ部25の起動指示に応じて、表示対象パーツ記憶部2503に記憶されている各表示対象パーツの画像データを用いて、例えば、図8に例を示すような、カスタマイズ受付画面54の表示データを生成し、当該表示データをPC31に送信する(SS103)。
【0088】
PC31のウェブブラウザ3100が当該カスタマイズ受付画面54の表示データを受信すると(P3)、ウェブブラウザ3100は、PC31の表示部313に、当該受信された表示データを用いてカスタマイズ受付画面54を表示させる(P4)。
【0089】
操作者は、PC31において、ウェブブラウザ3100を介して、所望の機種指定指示、表示対象パーツ指定指示、アクション選択指示、及びレイアウト指示を入力すると(P5)、当該受け付けた各指示をウェブブラウザ3100がサーバコンピュータSV2に送信する(P6)。すなわち、操作者は、PC31のウェブブラウザ3100を介してサーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25をWebアプリケーションとして操作する。
【0090】
サーバコンピュータSV2では、パネルクリエータ部25の機種指定受付部251、パーツ指定受付部252、アクション指示受付部253、レイアウト情報受付部254が、PC31からの機種指定、表示パーツ指定、アクション選択指示、及びレイアウト指示を受信する(SS104)。そして、生成部255が、当該受信された機種指定指示、エラー種別選択指示、表示パーツ指定、アクション選択指示、及びレイアウト指示を互いに関連付けて記憶する(SS105)。
【0091】
操作者が、PC31で、カスタマイズ受付画面54において、複合機1のアクションの指定を行い、デフォルト画面570内に表示させたい文字列等の表示対象パーツボタンの指定及び配置を行い、カスタマイズ受付画面54内の確定ボタン58をマウス等によりクリックし、操作者からの当該指定及び配置の終了指示が入力されると(P7でYES)、ウェブブラウザ3100が表示画面生成終了を示す終了指示をサーバコンピュータSV2に送信する(P8)。
【0092】
サーバコンピュータSV2において、パネルクリエータ部25が当該終了指示を受信すると(SS106)、生成部255が、当該受信された機種指定指示、表示パーツ指定指示、アクション選択指示、及びレイアウト指示が示す内容で、複合機1の表示部50にエラー発生時に表示させる表示画面の表示画面データをベースとするパネル制御情報を、XML形式でScriptファイルにエクスポートして生成する(SS107)。当該生成されたScriptファイルからなるパネル制御情報は、パネルクリエータ部25により記憶部26に保存される(SS108)。通信部28は、当該記憶部26に保存されたパネル制御情報をPC31に送信する(SS109)。
【0093】
PC31において、ウェブブラウザ3100が、上記サーバコンピュータSV2の通信部28から送られてくるパネル制御情報を受信し、記憶部311に記憶させる(P9)。
【0094】
なお、この通信部28によるPC31へのパネル制御情報の送信処理(SS109)は、操作者による操作に基づいてPC31から送信要求がある場合に行われ、PC31から送信要求がない場合には、SS108でのパネル制御情報の記憶部26への保存で処理は終了する。
【0095】
PC31において、操作者による図略の操作部の操作で、PC31に複合機1への当該パネル制御情報の送信指示が受け付けられると、通信部312は、当該パネル制御情報をLAN等により複合機1に送信する。或いは、操作者による図略の操作部の操作で、USBメモリ等の外部メモリへの保存指示がPC31に受け付けられると、制御部310は、当該パネル制御情報を図略のインタフェイスによりLAN等によりUSBメモリ等の外部メモリに保存する。
【0096】
複合機1において、上記パネル制御情報が登録部153によりLAN又はUSBメモリ等から取得されると、登録部153が、当該パネル制御情報を記憶部12に記憶させる。これにより、複合機1では、拡張アプリケーション15のプログラムが、当該パネル制御情報を用いて、上記ファームウェアに代わって、表示部50での表示画面を表示制御する。
【0097】
なお、この場合、PC31及びサーバコンピュータSV2の両者が連携して、特許請求の範囲でいう情報処理装置の一例をなす。
【0098】
次に、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34、及び複合機1の内部構成であって、画面データの生成処理、画面表示、及び動作制御に必要な構成の第3実施形態を説明する。図9は、第3実施形態に係る動作制御システム10のサーバコンピュータ、PC及び複合機について動作制御プログラムの生成処理、表示部50での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。なお、第1又は第2実施形態と同様の構成は説明を省略する。すなわち、特に説明をしない限り、第3実施形態における構成は、第1又は第2実施形態と同様である。
【0099】
サーバコンピュータSV2は、第1及び第2実施形態と同様に、パネルクリエータ部25を備える。
【0100】
パネルクリエータ部25は、事象情報記憶部2501と、事象重要度算出部2502と、表示対象パーツ記憶部2503と、表示形態変更部2504と、パーツ指定受付部2505と、レイアウト情報受付部2507と、アクション指示受付部2506と、生成部2508とを備える。
【0101】
事象情報記憶部2501は、通信部28によって、複合機1から受信される事象情報を記憶する。当該事象とは、複合機1において生じ得る現象、例えば、複合機1において生じたエラー、エラーからの復旧、サプライ品の交換時期の到来、複合機1の各機構についての故障等である。
【0102】
事象重要度算出部2502は、事象情報記憶部2501に記憶されている各事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する。例えば、事象情報記憶部2501に、事象情報として、複合機1で生じるエラーを示すエラー情報が記憶されている場合、各エラー情報がサーバコンピュータSV2に受信された日時に基づいて、各エラー情報が示すエラー種別毎にエラー発生頻度を、事象重要度として算出する。
【0103】
表示対象パーツ記憶部2503は、複合機1の表示部50の表示画面を構成する要素となる表示対象パーツを、上記事象種別毎に記憶している。
【0104】
記憶部26は、操作者によるパーツ指定受付部252、レイアウト情報受付部254、及びアクション指示受付部253の操作の下、生成部255によって生成された表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に記憶する。
【0105】
表示形態変更部2504は、事象重要度算出部2502によって算出された事象重要度に応じて記憶部26に記憶されている表示画面データに含まれている各事象種別毎の表示対象パーツの各表示形態を、事象重要度算出部2502によって算出された事象重要度に応じて変更する。例えば、事象重要度算出部2502によって、上記エラー発生頻度が算出される場合、表示形態変更部2504は、各エラー種別のエラー発生頻度に応じて、各エラー種別毎に対応付けて用意されている表示対象パーツの大きさを変更する等の処理を行う。
【0106】
パーツ指定受付部2505は、複合機1で生じた各事象を表すために、当該複合機1の表示部50の表示画面内に各事象に対応させて表示させる例えば文字列や、当該文字列と共に表示させる操作ボタン等でなる表示対象パーツの指定を、PC31からウェブブラウザ3100を介して操作者から受け付ける。操作者が指定可能な複数の表示対象パーツの画像データは、上記表示対象パーツ記憶部2503に記憶されている。パーツ指定受付部2505は、PC31のウェブブラウザ3100からパネルクリエータ部25の起動指示を受け取ったとき、表示対象パーツ記憶部2503に記憶されている各事象種別毎に対応付けられたそれぞれの表示対象パーツの画像データをウェブブラウザ3100に引き渡す。
【0107】
例えば、ユーザによるPC31のウェブブラウザ3100の操作により当該ウェブブラウザ3100からパネルクリエータ部25のパーツ指定受付部2505に、当該パネルクリエータ部25の起動指示が受け付けられると、パネルクリエータ部25のパーツ指定受付部2505は、ウェブブラウザ3100に、上記各事象種別毎に対応付けられたそれぞれの表示対象パーツを含むカスタマイズ受付画面の表示データを提供する。ウェブブラウザ3100は、PC31の表示部313に当該カスタマイズ受付画面を表示させる。このカスタマイズ受付画面は、上記表示対象パーツ等を表示した画面である。当該カスタマイズ受付画面で表示中の表示対象パーツから、所望の表示対象パーツがウェブブラウザ3100の操作で操作者により指定されると、当該ウェブブラウザ3100が当該表示対象パーツの指定指示をサーバコンピュータSV2に送信し、パーツ指定受付部2505が、当該指定指示が示す表示対象パーツの指定を受け付ける。
【0108】
レイアウト情報受付部2507は、パーツ指定受付部2505で指定が受け付けられた表示対象パーツについての表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付ける。
【0109】
アクション指示受付部2506は、パーツ指定受付部2505で指定された表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツの組合せに対応するアクション(複合機1において実行可能な処理。例えば、警告音を発する等)を関連付けて設定する。
【0110】
生成部2508は、パーツ指定受付部2505で受け付けられた上記表示対象パーツ、レイアウト情報受付部2507で受け付けられた上記レイアウト指示、及びアクション指示受付部2506で受け付けられた上記アクション設定が示す内容で、複合機1におけるエラー発生時に表示部50に表示させる表示画面の画面データをXML形式データで生成し、当該XML形式データをベースとするパネル制御情報を生成する。すなわち、ユーザは、PC31のウェブブラウザ3100において、パーツ指定受付部2505での表示対象パーツ指定、レイアウト情報受付部2507での上記レイアウト指示、及びアクション指示受付部2506での上記アクション設定を行うと、生成部2508による表示画面生成処理により、複合機1の表示部50に表示させる例えばエラー発生時の表示画面を所望通りにカスタマイズして作成できる。
【0111】
生成部2508は、このように複合機1の表示部50に表示させる表示画面の画面データを生成する。すなわち、表示対象パーツ情報、レイアウト情報、及びアクション情報が互いに関連付けられており、当該表示対象パーツ情報、レイアウト情報、及びアクション情報の組合せでなる表示画面データが、パネル制御情報となる。当該生成された各パネル制御情報は、通信部28からPC31に送信される。
【0112】
記憶部26は、メモリ又はHDD等からなり、上記生成部2508によって生成されたパネル制御情報を記憶する。この記憶部26には、パネル制御情報を生成するアプリケーション(パネルクリエータ)がインストールされており、サーバコンピュータSV2が備えるCPU等からなる中央制御部が、当該アプリケーションに従って動作することで、パネルクリエータ部25として機能する。
【0113】
なお、PC31は、制御部310と、記憶部311と、通信部312と、表示部313を備え、ウェブブラウザ3100は、サーバコンピュータSV2に対して、パネルクリエータ部25の起動指示を送信し、パネルクリエータ部25をWebアプリケーションとして起動させる。PC31は、第1又は第2実施形態におけるPC31と同様の構成である。
【0114】
また、複合機1は、第1実施形態における複合機1の構成に加え、その中央制御部であるCPUが、上記動作プログラムに従って動作することにより、事象検知部11aとしても機能する。事象検知部11aは、複合機1の動作中における各部で生じ得る事象(例えば、上述したエラー等)を検知する。事象検知部11aが上記事象としてエラーを検知する場合、当該エラーは、例えば、複合機1に設けられた給紙カセットから排出トレイまでを繋ぐ用紙搬送路や、原稿給送部の原稿搬送機構等における紙詰まり等である。この場合、事象検知部11aは、これらの用紙搬送路に設けられた用紙センサから送られてくる紙詰まり検知信号等に基づいて、複合機1の各部で発生したエラーを検知する。
【0115】
上記事象検知部11aによって上記事象が検知されると、事象検知部11aは、当該検知した事象を示す事象情報をプラットフォーム13に渡す。プラットフォーム13は、サーバコンピュータSV2に対して当該事象情報を送信する。
【0116】
次に、第3実施形態に係る動作制御システム10での複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理を説明する。図10は、第3実施形態に係る動作制御システム10での複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理を示すフローチャートである。図11(a)(b)は、表示画面の一例を示す図である。
【0117】
第3実施形態に係る動作制御システム10においては、複合機1の表示部50に表示させる表示画面の画面データ生成のために、以下の通信が行われる。複合機1の事象検知部11aが、複合機1の動作中に複合機1の各部で生じ得るエラーを検知する場合を例にして説明する。
【0118】
複合機1において、その事象検知部11aが、複合機1でその動作中に生じたエラーを検出すると(F51でYES)、プラットフォーム13がサーバコンピュータSV2に対して、当該検出されたエラーの種別(例えば、用紙搬送路での紙詰まり、定着装置での紙詰まり、A4サイズの用紙切れ、B5サイズの用紙切れ等のいずれか)を示すエラー情報を送信する(F52)。
【0119】
サーバコンピュータSV2では、通信部28が当該エラー情報を受信すると(SS51)、事象情報記憶部2501が当該受信されたエラー情報を記憶する(SS52)。
【0120】
上記複合機1におけるエラー検知及びエラー情報送信(F51,F52)と、サーバコンピュータSV2におけるエラー情報の受信及び記憶(SS51,SS52)は、複合機1の事象検知部11aがエラーを検出する度に行われる。
【0121】
サーバコンピュータSV2において、事象重要度算出部2502は、事象情報記憶部2501に記憶されている各エラー情報に基づいて、エラー種別毎に事象重要度を算出する(SS53)。例えば、事象情報記憶部2501に、エラー情報として、用紙搬送路での紙詰まり、定着装置での紙詰まり、A4サイズの用紙切れ、B5サイズの用紙切れを示す情報が記憶されている場合、事象重要度算出部2502は、各エラー情報がサーバコンピュータSV2に受信されて事象情報記憶部2501に記憶されたそれぞれの日時に基づいて、各エラー種別のエラー発生頻度(各エラー種別を示すエラー情報が所定期間内にいくつ記憶されたか)を算出する(SS53)。例えば、事象重要度算出部2502は、各エラー種別のエラー情報について、最初にエラー情報が受信及び記憶された日時から1週間内に受信及び記憶された数を上記エラー発生頻度として算出する。
【0122】
続いて、表示形態変更部2504は、記憶部26に記憶されている表示画面データに含まれている各エラー種別毎の表示対象パーツの各表示形態を、事象重要度算出部2502によって算出されたエラー発生頻度に応じて変更する(SS54)。例えば、表示形態変更部2504は、当該算出されたエラー発生頻度が高くなるに連れて、図11(a)示すような変更前の表示画面データが示す表示画面Cを、当該エラー発生頻度の算出対象とされたエラー種に対応付けて用意されている表示対象パーツの大きさを拡大する等の処理を行って、図11(b)に示すように、エラー内容を示すメッセージ画像P6と、エラー発生歌詞を示すP7とを拡大した表示画面とする表示画面データとする。
【0123】
通信部28は、当該表示形態が変更された表示画面データを複合機1に対して送信する(SS25)。
【0124】
複合機1では、プラットフォーム13が当該表示画面データを受信して、登録部153が上記登録を行い(F53)、拡張アプリケーション15及びブラウザ16による当該表示画面データを用いての表示部50への表示が行われる(F54)。
【0125】
なお、操作者が、PC31において表示画面データ(パネル制御情報)をUSBメモリ等の外部メモリに保存し、当該USBメモリ等を介して複合機1に表示画面データが送出される場合は、当該複合機1からサーバコンピュータSV2に対しての上記送信要求は行われない。操作者が、PC31の操作部又はウェブブラウザ3100を操作することにより、PC31からサーバコンピュータSV2に対して、上記送信要求を送信させる。サーバコンピュータSV2では、通信部28が、当該送信要求に対応する表示画面データを記憶部26から読み出して、当該読み出した表示画面データを、上記送信要求を送信してきたPC31に対して送信する。そして、PC31が当該表示画面データを受信すると、そのインタフェイスが表示画面データをUSBメモリ等の外部メモリに保存し、操作者が、当該USBメモリ等の外部メモリを用いて、当該表示画面データを複合機1に入力する。
【0126】
複合機1における上記表示画面データ(パネル制御情報)及び拡張アプリケーション15による表示部50の表示制御は、第1又は第2実施形態に係る動作制御システム10における複合機1の場合と同様にして行われる。
【0127】
次に、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34、及び複合機1の内部構成であって、表示画面データの生成処理、画面表示、及び動作制御に必要な構成の第4実施形態を説明する。図12は、第4実施形態に係る動作制御システム10のサーバコンピュータ、PC及び複合機についてパネル制御情報の生成処理、表示部50での画面表示、及び動作制御に必要な構成を示す図である。なお、第1乃至第3実施形態と同様の構成は説明を省略する。すなわち、特に説明をしない限り、第4実施形態における構成は、第1乃至第3実施形態と同様である。
【0128】
第4実施形態では、事象重要度に応じた表示形態変更を、複合機1で行う。このため、第4実施形態における複合機1は、事象重要度算出部116と、事象情報記憶部117と、表示形態変更部118とを複合機1が有している。
【0129】
事象情報記憶部117は、事象検知部11aによって検知された事象を示す各事象情報を記憶する。
【0130】
事象重要度算出部116は、事象情報記憶部117に記憶されている各事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する。
【0131】
表示形態変更部118は、事象重要度算出部116によって算出された事象重要度に応じて記憶部12に記憶されている表示画面データに含まれている各事象種別毎の表示対象パーツの各表示形態を、事象重要度算出部116によって算出された事象重要度に応じて変更する。
【0132】
なお、第4実施形態では、サーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25は、表示対象パーツ記憶部2503と、パーツ指定受付部2505と、レイアウト情報受付部2507と、アクション指示受付部2506と、生成部2508として機能する。
【0133】
次に、第4実施形態に係る複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理を説明する。図13は、複合機1及びサーバコンピュータSV2による表示画面生成のための通信処理の第4実施形態を示すフローチャートである。以下には、複合機1の事象検知部11aが、複合機1の動作中に複合機1の各部で生じ得るエラーを検知する場合を例にして説明する。
【0134】
複合機1の登録部153は、サーバコンピュータSV2又はPC31との通信により、或いは、USBメモリ等の外部メモリからのデータ読取により、上記サーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25で生成された表示画面データを取得する(F61)。
【0135】
複合機1では、複合機1の動作中、事象検知部11aが、複合機1でその動作中に生じたエラーを検知している(F62)。事象検知部11aによって検知された各エラー種別のそれぞれのエラー情報は、事象情報記憶部117に記憶される(F63)。事象重要度算出部116は、事象情報記憶部117に記憶されている各エラー情報に基づいて、エラー種別毎に事象重要度としてエラー頻度を算出する(F64)。
【0136】
表示形態変更部118は、上記取得されて記憶部12に記憶されている表示画面データに含まれる各エラー種別毎の表示対象パーツの各表示形態を、事象重要度算出部116によって算出されたエラー発生頻度に応じてそれぞれ変更する(F65)。
【0137】
この後、拡張アプリケーション15及びブラウザ16により、上記表示対象パーツの表示形態が変更された表示画面データの示す表示画面が表示部50に表示される(F66)。
【0138】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態に示した動作制御システム10では、PC31のウェブブラウザ3100を介して、操作者によりサーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25が操作され、このパネルクリエータ部25により上記パネル制御情報の生成処理が行われるが、サーバコンピュータSV2に設けられた図略の操作部を操作者が操作することにより、操作者によるサーバコンピュータSV2の操作で、当該サーバコンピュータSV2においてパネル制御情報が生成され、生成されたパネル制御情報がサーバコンピュータSV2の通信部28からLAN等を通じて複合機1に送信されるようにしてもよい。複合機1では、登録部153が、サーバコンピュータSV2の通信部28から上記パネル制御情報を受け取って、記憶部12に記憶させる。なお、当該生成処理時に必要な画面表示は、パネルクリエータ部25及びパネルシミュレータ27等により表示部24に表示される。
【0139】
この場合、PC31は不要であり、サーバコンピュータSV2が、特許請求の範囲における情報処理装置の一例となる。
【0140】
また、図14に示すように、第1実施形態に係る動作制御システム10において、サーバコンピュータSV2とは別個のサーバSV3が更に設けられ、当該サーバSV3が、サーバコンピュータSV2に代わって判定部257及び表示形態変更部258を備え、サーバコンピュータSV2から取得した表示画面データ(パネル制御情報)についての上記表示形態変更処理を行い、当該表示形態変更処理後の表示画面データを複合機1に送信するものとしてもよい。サーバSV3における通信部28は、サーバコンピュータSV2の通信部28と同様の機能を有する。
【0141】
さらに、図15に示すように、第3実施形態に係る動作制御システム10において、サーバコンピュータSV2とは別個のサーバSV3が更に設けられ、当該サーバSV3が、サーバコンピュータSV2に代わって事象情報記憶部2501、事象重要度算出部2502、及び表示形態変更部2504とを備え、サーバコンピュータSV2から取得した表示画面データ(パネル制御情報)についての上記表示形態変更処理を行い、当該表示形態変更処理後の表示画面データをサーバSV3から複合機1に送信するものとしてもよい。サーバSV3における通信部28は、サーバコンピュータSV2の通信部28と同様の機能を有する。
【0142】
また、上記各実施形態では、パネルクリエータ部25は、アクション指示受付部253を備え、アクション設定処理を行い、パネル制御情報にアクション設定を含めるものとしているが、パネルクリエータ部25がアクション指示受付部253を備えず、アクション設定処理を行わないものとし、パネル制御情報が、表示対象パーツ及びレイアウト情報を備えるものとしてもよい。この場合、複合機1では、拡張アプリケーション15により、当該パネル制御情報を用いて、上記エラー発生時に、発生した事象に対応する表示対象パーツ及びレイアウト情報が示す表示画面の表示が行われ、発生した事象に対応するアクションの実行は行われない。
【0143】
上記図1乃至図15に示した構成及び処理は、本発明の実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、複合機1においてはプラットフォーム13がPC31又はサーバコンピュータSV2とのパネル制御情報に関する通信を行うものとして説明しているが、複合機1では登録部153がPC31又はサーバコンピュータSV2との当該通信を行うものとしてもよいし、これらとは別個に、PC31又はサーバコンピュータSV2の当該通信を行う通信部を有し、当該通信部がPC31又はサーバコンピュータSV2との当該通信を担当することとしてもよい。
【0144】
また、上記実施形態で示した複合機1は、本発明に係る電気機器の一例に過ぎず、本発明に係る電気機器は、複合機1及び画像形成装置以外に、他の電気機器であっても構わない。
【符号の説明】
【0145】
10 動作制御システム
1 複合機
11 コントローラ
11a 事象検知部
112 判定部
113 表示形態変更部
114 生成部
116 事象重要度算出部
117 事象情報記憶部
118 表示形態変更部
153 登録部
12 記憶部
13 プラットフォーム
15 拡張アプリケーション
16 ブラウザ
24 表示部
25 パネルクリエータ部
26 記憶部
28 通信部
50 表示部
SV2 サーバコンピュータ
251 機種指定受付部
252,2505 パーツ指定受付部
253,2506 アクション指示受付部
254,2507 レイアウト情報受付部
255,2508 生成部
257 判定部
258 表示形態変更部
2501 事象情報記憶部
2502 事象重要度算出部
2503 表示対象パーツ記憶部
2504 表示形態変更部
31乃至34 パソコン
310 制御部
311 記憶部
312 通信部
313 表示部
3100 ウェブブラウザ
SV3 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器における表示装置の表示能力情報を取得する表示能力情報取得部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示対象パーツを含む表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に記憶する表示画面データ記憶部と、
前記表示能力情報取得部によって取得された前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ記憶部に記憶されている表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データによる表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の表示能力情報を記憶する表示能力情報記憶部と、
情報処理装置において生成された表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示能力情報記憶部に記憶されている前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ取得部によって取得された表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データによる表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態の変更された前記表示画面データが示す画像を前記表示装置に表示させる画像表示制御部と
を備える電気機器。
【請求項3】
電気機器における表示装置の表示能力情報を取得する表示能力情報取得部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示対象パーツを含む表示画面データを、当該表示画面データの表示に必要な表示能力情報と共に、情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示能力情報取得部によって取得された前記表示装置の表示能力情報が、前記表示画面データ取得部に取得された表示画面データの表示能力情報を超えるかを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記表示装置の表示能力情報が前記表示画面データの表示能力情報を超えていると判定された場合に、前記表示画面データの表示領域の拡大と、当該拡大された表示領域に合わせた表示対象パーツの配置変更とを、当該表示装置の表示能力情報に対して予め定められたルールに従って行う表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備えるサーバ。
【請求項4】
電気機器で発生した事象の種別を示す事象情報を当該電気機器から受信する事象情報受信部と、
前記事象情報受信部によって受信された前記事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
前記電気機器の前記表示装置に表示させる表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを記憶する表示画面データ記憶部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項5】
画像を表示する表示装置と、
当該電気機器で発生した事象を検知する事象検知部と、
前記事象検知部によって受信された事象を示す事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
情報処理装置において生成された前記表示装置の表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された変更された前記表示画面データを前記表示装置に表示させる表示制御部と
を備える電気機器。
【請求項6】
電気機器で発生した事象の種別を示す事象情報を当該電気機器から受信する事象情報受信部と、
前記事象情報受信部によって受信された前記事象情報を記憶する事象情報記憶部と、
前記事象情報記憶部に記憶されている事象情報に基づいて、事象種別毎に事象重要度を算出する事象重要度算出部と、
情報処理装置において生成された前記表示装置の表示画面データであって、前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツを含む表示画面データを、当該情報処理装置から取得する表示画面データ取得部と、
前記表示画面データに含まれる前記事象種別毎に対応付けられた表示対象パーツの表示形態を、前記事象重要度算出部によって算出された対応する事象種別の事象重要度に応じて変更する表示形態変更部と、
前記表示形態変更部によって表示形態が変更された前記表示画面データを出力する表示画面データ出力部と
を備えるサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−14287(P2012−14287A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148235(P2010−148235)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】