説明

情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法

【課題】
メディアカードリーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命を適切に判別することができるようにした情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法を提供する。
【解決手段】
メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数を制御部20で各コネクタ11、12、13に対応して計数し、この計数値をログ情報として不揮発性メモリ21に記録し、この不揮発性メモリ21に記録したログ情報に基づき各コネクタ11、12、13のそれぞれの寿命を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記憶媒体リーダライタのコネクタに挿入された記憶媒体から情報を読み取って該読み取った情報の処理を情報処理部で行う情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法に関し、特に、記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数し、該計数値に基づき記憶媒体リーダライタのコネクタの寿命を判別するようにした情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、デジタルカメラで撮像した画像の印刷サービスを行う印刷サービス装置が種々提案されているが、この印刷サービス装置は、デジタルカメラで撮像した画像を種々のメディアカードに記憶し、この画像を記憶したメディアカードをメディアカードリーダライタのコネクタ(スライディングコネクタ)に挿入することにより、印刷サービスを受けることができるように構成されている。
【0003】
この種の印刷サービス装置における運用を円滑に行うための従来の技術としては特許文献1に開示された「写真印刷自動販売機」および特許文献2に開示された「デジタルプリント注文受付機」等が知られている。
【0004】
特許文献1に開示された「写真印刷自動販売機」は、消耗品や故障状況を通信回線を使って管理センターへ通知するようにしたもので、このような構成によると、消耗品の迅速な補給が可能になるとともに、故障が発生した場合にもこれに迅速に対応することが可能になる。
【0005】
また、特許文献2に開示された「デジタルプリント注文受付機」は、画像データの受け渡し用のメディアの交換時期を知らせるものである。
【特許文献1】特開平2001−160173
【特許文献1】特開平2003−256176
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メディアカードをメディアカードリーダライタのコネクタに挿入することにより、印刷サービスを受けることができるように構成された印刷サービス装置等の情報処理装置においては、このメディアカードリーダライタのコネクタの寿命が問題になっている。
【0007】
すなわち、メディアカードリーダライタのコネクタは、その機械的耐久性から所定の寿命があり、メディアカードの挿抜によりメディアカードリーダライタのコネクタがその寿命に達すと、メディアカードからの正常なデータの読み出しができなくなるばかりでなく、場合によっては、メディアカードのデータ自体を破壊してしまう虞すらある。
【0008】
そこで、メディアカードリーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命を的確に判別して、交換することがこの種の印刷サービス装置等の情報処理装置の運用を円滑に行うために必須である。
【0009】
しかし、従来の特許文献1および特許文献2等に開示された技術においては上記メディアカードリーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命に対しては全く考慮されておず、このために利用者に不測の損害を与えることがあるとともに、この種の情報処理装置の円滑な運用を行うことができないという問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、記憶媒体リーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命を適切に判別することができるようにした情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、記憶媒体リーダライタのコネクタに挿入された記憶媒体から情報を読み取って該読み取った情報の処理を情報処理部で行う情報処理装置において、前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数する計数手段と、前記計数手段の計数値をログ情報として記憶するログ情報記憶手段とを具備し、前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報に基づき前記コネクタの寿命を判別することを特徴とする。
【0012】
なお、この発明で「記憶媒体」とは、各種メディアカードやフロッピー(登録商標)、MD(MiniDisc)などの磁気媒体を利用したディスク型の記憶媒体や、USBフラッシュメモリ等の可搬性のある記憶媒体を含む。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ログ情報記憶手段は、前記情報処理部に内蔵された記憶装置の記憶領域を用いて前記ログ情報を記憶することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ログ情報記憶手段は、前記情報処理部に内蔵された不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶することを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記ログ情報記憶手段は、前記記憶媒体リーダライタに内蔵された不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記記憶媒体リーダライタは、種類の異なる記憶媒体を挿入する複数のコネクタを具備し、前記計数手段は、各コネクタに対する各記憶媒体の挿抜回数を各コネクタに対応指定それぞれ計数し、前記ログ情報記憶手段は、前記記憶媒体リーダライタの各コネクタにそれぞれ設けられた不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値と予め設定された前記コネクタの寿命に対応する計数値とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づき前記コネクタの寿命に関する報知を行う報知手段とを更に具備することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は請求項6の発明において、前記報知手段は、前記コネクタの寿命に関する報知を他のメディアカードの使用を促す報知により行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は請求項6の発明において、前記報知手段は、前記コネクタの寿命に関する報知を記憶媒体のデータのバックアップを促す報知により行うことを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明は請求項6の発明において、前記報知手段は、前記コネクタの寿命に関する報知を他の装置の記憶媒体リーダライタの使用を促す報知により行うことを特徴とする。
【0021】
また、請求項10の発明は請求項6乃至9のいずれかの発明において、前記報知手段は、前記コネクタの寿命に関する報知を前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値に対応して段階的に行うことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかの発明において、前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値に基づき所定期間における前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対するメディアカードの平均挿抜回数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した前記平均挿抜回数に基づき前記コネクタの交換時期を推定するコネクタ交換時期推定手段とを更に具備することを特徴とする。
【0023】
また、請求項12の発明は請求項11の発明において、前記コネクタ交換時期推定手段で推定した前記コネクタの交換時期を前記ログ情報記憶手段にログ情報として記憶することを特徴とする。
【0024】
また、請求項13の発明は、記憶媒体リーダライタのコネクタに挿入された記憶媒体から情報を読み取って該読み取った情報の処理を情報処理部で行う情報処理装置のコネクタ寿命判別方法において、前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数手段で計数し、前記計数手段の計数値をログ情報としてログ情報記憶手段に記憶し、前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報に基づき前記コネクタの寿命を判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数し、この計数値をログ情報として記憶し、この記憶したログ情報に基づきコネクタの寿命を判別するように構成したので、記憶媒体リーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命を適切かつ迅速に判別することができ、これによりこの記憶媒体リーダライタを用いた情報処理装置の円滑な運用を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明に係る情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
以下に示す実施例においては、この発明に係る情報処理装置およびそのコネクタ寿命判別方法をディジタルカメラで撮像した画像をメディアカードを用いて入力してプリントアウトする印刷サービス装置にこの発明を適用した場合について説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、この実施例に係る印刷サービス装置の全体構成を示すブロック図である。
【0029】
図1において、この実施例に係る印刷サービス装置は、例えば、コンビニエンスストア等に設置され、ユーザにより挿入されたメディアカードに基づきデジタルカメラで撮像した画像の印刷サービスを行うものである。
【0030】
図1に示す印刷サービス装置100は、ユーザにより挿入されたメディアカードから画像データを読み取るメディアカードリーダライタ10、メディアカードリーダライタ10から読み取った画像データに基づき印刷処理を行うパーソナルコンピュータから構成される制御部20、制御部20による印刷処理に際して、ユーザに対して各種情報を表示するとともにユーザからの選択入力等を行うタッチパネル付きディスプレイ30、制御部20の制御に基づき所望の画像の印刷を行うプリント部40、プリント部40による印刷処理に対する課金処理を行うための貨幣入出金機50を具備して構成される。
【0031】
ここで、メディアカードリーダライタ10は、デジタルカメラの各種メディアカードに対応するために、複数のコネクタ(コネクタ1、コネクタ2、コネクタ3)11、12、13を有している。
【0032】
さて、このメディアカードリーダライタ10に設けられたコネクタ11、12、13は、その機械的耐久性から所定の寿命を有している。そして、コネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜によりメディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13がその寿命に達すと、メディアカードからの正常なデータの読み出しができなくなるばかりでなく、場合によっては、メディアカードのデータ自体を破壊してしまう虞がある。
【0033】
ここで、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の寿命は、各コネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数に依存する。
【0034】
そこで、この実施例の印刷サービス装置100においては、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数を制御部20でカウントし、このカウント値を制御部20の不揮発性メモリ21にログ情報として記録することで、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の寿命を適切に判別することができるように構成されている。
【0035】
図2は、制御部20の不揮発性メモリ21に記録されるログ情報の一例を示す図である。
【0036】
図2に示すログ情報は、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値を各コネクタ11、12、13に対応して記録するもので、このカウント値に加えて、各コネクタ11、12、13の寿命に対応する交換回数が各コネクタ11、12、13に対応して記憶されている。
【0037】
なお、各コネクタ11、12、13の寿命に対応する交換回数は、各コネクタ11、12、13特性およびこの印刷サービス装置100が設置されている環境等に応じて予め決定し、各コネクタ11、12、13に対応して予め記憶される。
【0038】
図3は、上記印刷サービス装置におけるコネクタ寿命判別に係る処理を示すフローチャートである。
【0039】
図3に示す処理においては、まず、メディアプリント選択画面をタッチパネル付きディスプレイ30に表示し、ユーザによりメディアプリントに用いるメディアカードを選択させる(ステップ301)。
【0040】
そして、ユーザにより、該メディアプリント選択画面で選択されたメディアカードがメディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の中の該当するコネクタに挿入されると(ステップ302)、このコネクタに対応する現在のカウント値とその交換回数を制御部20の不揮発性メモリ21から読み出し、現在のカウント値がその交換回数に達しているかを調べる(ステップ303)。
【0041】
ここで、現在のカウント値がその交換回数に達していない場合は(ステップ303でNO)、ユーザによりタッチパネル付きディスプレイ30で選択された画像のプリント処理を行う(ステップ304)。
【0042】
そして、不揮発性メモリ21に記録されているカウント値を「1」インクリメントし(ステップ305)、ユーザに対してコネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示し(ステップ306)、この処理を終了する。
【0043】
また、ステップ303で、現在のカウント値がその交換回数に達していると判断されると(ステップ303でYES)、この場合は、このコネクタが寿命になっているので、このコネクタの交換を報知し(ステップ307)、プリント処理を行うことなく、コネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示し(ステップ306)、この処理を終了する。
【0044】
なお、コネクタの交換の報知は、例えば、タッチパネル付きディスプレイ30の表示により行うことができるが、タッチパネル付きディスプレイ30を用いずに合成音声等により行ってもよい。
【0045】
また、このコネクタの交換の報知は、電子メール、ファクシミリ等を用いて装置管理者若しくは保守者に通信回線を介して報知するように構成してもよい。
【0046】
また、上記処理において、プリント処理の詳細および貨幣入出金機50を用いた課金処理については本願発明の要旨を構成していないので省略している。
【0047】
このような構成によると、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13が寿命に達したか否かをメディアカードがコネクタ11、12、13に挿入される毎に判別することができ、メディアカードを挿入したコネクタが寿命に達している場合は、このことを報知して、ユーザに対して不測の損害を与えることを未然に防止することができる。
【0048】
また、この実施例においては、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値を制御部20の不揮発性メモリ21にログ情報として記録するように構成しているので、この印刷サービス装置100のサービスマン(保守員)は、この印刷サービス装置100の保守に際して制御部20の不揮発性メモリ21に記録されたログ情報を読み出すだけでメディアカードリーダライタ10の各コネクタ11、12、13の寿命を知ることができ、これにより、各コネクタ11、12、13の機械的寿命がくる前に該当するコネクタを交換することができるので、各コネクタ11、12、13機械的寿命に達したことによる装置ダウンを未然に回避することができる。
【0049】
なお、上記実施例では、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜を正常にプリント処理が行われたことで間接的に検出してカウントするように構成したが、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に設けられセンサ等の出力に基づきメディアカードの挿抜を直接検出してカウントするように構成してもよい。
【0050】
また、上記実施例では、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値を制御部20の不揮発性メモリ21に記録するように構成したが、制御部20の内蔵ハードディスク等の所定の記憶領域を用いて記録するように構成してもよい。
【0051】
また、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値は制御部20ではなくメディアカードリーダライタ10側に記録するように構成してもよい。
【0052】
図4および図5は、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値をメディアカードリーダライタ10側に記録する場合のメディアカードリーダライタ10の構成例を示すブロック図である。
【0053】
図4において、メディアカードリーダライタ10は、複数のコネクタ11,12,13、このメディアカードリーダライタ10の動作を制御するためのプログラムが格納されたプログラムメモリ14、プログラムメモリ14に格納されたプログラムにより各コネクタ11、12、13に挿入されたメディアカードからデータを読み取る処理を制御するメディアコントローラ15、不揮発性メモリ16、このメディアカードリーダライタ10を図1に示した制御部30にUSB(Universal Serial Bus)接続するためのUSBコントローラ17を具備して構成される。
【0054】
上記構成において、図2に示したログ情報は、メディアカードリーダライタ10内の不揮発性メモリ16に記録される。
【0055】
図5に示すメディアカードリーダライタ10’は、図4に示した不揮発性メモリ16に代えて各コネクタ(コネクタモジュール)11、12、13内にそれぞれ不揮発性メモリ111、121、131を設け、各コネクタ11、12、13に関するログ情報を各コネクタ11、12、13内に設けられた不揮発性メモリ111、121、131にそれぞれ記録するように構成したものである。
【0056】
なお、図5に示すメディアカードリーダライタ10’の他の構成は、図4に示したメディアカードリーダライタ10と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0057】
このような構成によると、メディアカードリーダライタ10側にログ情報が記憶されるので、パーソナルコンピュータから構成される制御部20側にクラッシュ等が生じてもログ情報が失われる事はなく、コネクタ11、12、13の寿命管理を確実に行うことができる。
【0058】
また、図5に示す構成によると、各コネクタ11、12、13内でログ情報がそれぞれ記録管理されるので、コネクタ単位の交換も容易に行うことができ、また、装置の維持コストの低減化も図ることができる。
【0059】
なお、上記実施例においては、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13が寿命に達したか否かをメディアカードがコネクタ11、12、13に挿入される毎に判別して報知するように構成したが、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の寿命を各コネクタ11、12、13の寿命が近づくにしたがって段階的に報知するように構成してもよい。
【実施例2】
【0060】
図6は、印刷サービス装置におけるコネクタ寿命判別に係る他の実施例の処理を示すフローチャートである。
【0061】
この実施例における装置構成およびログ情報は図1乃至5に示したものと同様の構成を採用することができる。
【0062】
図6において、この実施例では、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の寿命に関する報知を、各コネクタ11、12、13の寿命が近づくにしたがって段階的に報知するように構成される。
【0063】
ここで、この段階的報知は、
1)当該コネクタの寿命に近づいているので、不都合が生じる場合があるので他のコネクタを用いる他のメディアカードを使用したほうがよい旨の報知
2)当該コネクタの寿命が更に近づいているので、安全のためにメディアカードのデータをバックアップしてから使用したほうがよい旨の報知
3)当該コネクタの寿命が更に近づいているので、最寄の他の印刷サービス装置を使用したほうがよい旨の報知
により行われる。
【0064】
なお、この実施例では、上記報知をタッチパネル付きディスプレイ30における「他メディア使用推奨の表示」、「メディアバックアップ推奨の表示」、「他端末使用推奨の表示」により行う。
【0065】
すなわち、図6において、まず、メディアプリント選択画面をタッチパネル付きディスプレイ30に表示し、ユーザによりメディアプリントに用いるメディアカードを選択させる(ステップ601)。
【0066】
そして、ユーザにより、該メディアプリント選択画面で選択されたメディアカードがメディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の中の該当するコネクタに挿入されると(ステップ602)、不揮発性メモリ21に記録されているこのコネクタに対応する現在のカウント値とその交換回数を読み出し、現在のカウント値が(交換回数−1000)に達しているかを調べる(ステップ603)。
【0067】
ここで、現在のカウント値が(交換回数−1000)に達していると(ステップ603でYES)、「他メディア使用推奨の表示」を行い(ステップ604)、ステップ605に進む。
【0068】
また、ステップ603で現在のカウント値が(交換回数−1000)に達していないと判断されると(ステップ603でNO)、そのままステップ605に進む。
【0069】
ステップ605では、現在のカウント値が(交換回数−500)に達しているかを調べる。
【0070】
ここで、現在のカウント値が(交換回数−500)に達していると(ステップ605でYES)、「メディアバックアップ推奨の表示」を行い(ステップ606)、ステップ607に進む。
【0071】
また、ステップ605で現在のカウント値が(交換回数−500)に達していないと判断されると(ステップ605でNO)、そのままステップ607に進む。
【0072】
ステップ607では、現在のカウント値が(交換回数−100)に達しているかを調べる。
【0073】
ここで、現在のカウント値が(交換回数−100)に達していると(ステップ607でYES)、「他端末使用推奨の表示」を行い(ステップ608)、ステップ609に進む。
【0074】
また、ステップ607で現在のカウント値が(交換回数−100)に達していないと判断されると(ステップ607でNO)、そのままステップ609に進む。
【0075】
ステップ609では、現在のカウント値が交換回数に達しているかを調べる。ここで、現在のカウント値が交換回数に達していない場合は(ステップ609でNO)、ユーザによりタッチパネル付きディスプレイ30で選択された画像のプリント処理を行う(ステップ610)。
【0076】
そして、不揮発性メモリ21に記録されているカウント値を「1」インクリメントし(ステップ612)、ユーザに対してコネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示し(ステップ613)、この処理を終了する。
【0077】
また、ステップ609で、現在のカウント値が交換回数に達していると判断されると(ステップ609でYES)、この場合は、このコネクタが寿命になっているので、このコネクタの交換を報知し(ステップ614)、プリント処理を行うことなく、コネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示し(ステップ613)、この処理を終了する。
【0078】
このような構成によると、各コネクタ11、12、13の機械的寿命がくる前にユーザに対する報知が可能になり、これによりユーザの判断によりリスクの回避を有効に行うことが可能になる。
【0079】
なお、上記構成においては、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値を制御部20の不揮発性メモリ21にログ情報として記録するように構成したが、このログ情報を制御部20の内蔵ハードディスク等の所定の記憶領域を用いて記録するように構成してもよい。
【0080】
また、メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値は制御部20ではなくメディアカードリーダライタ10側、すなわち、図4に示したメディアカードリーダライタ10に設けられた不揮発性メモリ16若しくは図5に示した各コネクタ11、12、13内にそれぞれ設けられた不揮発性メモリ111、121、131に記録するように構成してもよい。
【実施例3】
【0081】
この実施例では、上記メディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値に基づく報知に加えて、各コネクタ11、12、13の寿命、すなわち、交換時期を予測することができるようにして構成されている。
【0082】
図7は、この実施例で採用するログ情報の一例を示すもので、この実施例においては、図2に示したログ情報に加えて、使用開始時、所定の期間を単位とした各コネクタ11、12、13に対するメディアカードの平均挿抜回数の算出値およびこの平均挿抜回数を用いて算出した各コネクタ11、12、13の予想交換時期を記録する。
【0083】
なお、この実施例における装置構成は図1および図3乃至5に示したものと同様の構成を採用することができる。
【0084】
図8は、この実施例における印刷サービス装置のコネクタ寿命判別に係る処理を示すフローチャートである。
【0085】
図8に示す処理においては、まず、メディアプリント選択画面をタッチパネル付きディスプレイ30に表示し、ユーザによりメディアプリントに用いるメディアカードを選択させる(ステップ801)。
【0086】
そして、ユーザにより、該メディアプリント選択画面で選択されたメディアカードがメディアカードリーダライタ10のコネクタ11、12、13の中の該当するコネクタに挿入されると(ステップ802)、このコネクタに対応する現在のカウント値とその交換回数を不揮発性メモリ21から読み出し、現在のカウント値がその交換回数に達しているかを調べる(ステップ803)。
【0087】
ここで、現在のカウント値がその交換回数に達していない場合は(ステップ803でNO)、ユーザによりタッチパネル付きディスプレイ30で選択された画像のプリント処理を行う(ステップ804)。
【0088】
そして、不揮発性メモリ21に記録されているカウント値を「1」インクリメントし(ステップ805)、ユーザに対してコネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示する(ステップ806)。
【0089】
また、ステップ803で、現在のカウント値がその交換回数に達していると判断されると(ステップ803でYES)、この場合は、このコネクタが寿命になっているので、このコネクタの交換を報知し(ステップ807)、プリント処理を行うことなく、コネクタに挿入されたメディアカードの抜取を指示する(ステップ806)。
【0090】
次に、予想交換時期を算出するかを調べる(ステップ808)。この予想交換時期の算出は、一定時間毎に行ってもよいが、サービスマン(保守員)による指示に基づき行ってもよい。
【0091】
ここで、予想交換時期の算出を行うと判断されると(ステップ808でYES)、過去の所定期間の各コネクタ11、12、13に対するメディアカードの挿抜回数のカウント値に基づき所定単位時間内の平均挿抜回数を算出する(ステップ809)。
【0092】
次に、上記算出した平均挿抜回数に基づき各コネクタ11、12、13の予想交換時期を算出する(ステップ810)。この予想交換時期の算出は、例えば、ステップ809で算出した平均挿抜回数が一日当たりの平均挿抜回数であり、この平均挿抜回数から挿抜回数のカウント値が寿命に対応する交換回数に達するまでに3日を要するとすると、予想交換時期を3日後として算出する。
【0093】
このステップ809で算出した平均挿抜回数およびステップ810で算出した予想交換時期は、不揮発性メモリ21にログ情報して記録され(ステップ811)、この処理を終了する。
【0094】
なお、ステップ808で、予想交換時期の算出は行わない判断されると(ステップ808でNO)、この処理をそのまま終了する。
【0095】
このような構成によると、予想交換時期がログ情報として記録されるので、この印刷サービス装置100のサービスマン(保守員)は、このログ情報を見ることにより、予めメディアカードリーダライタ10の各コネクタ11、12、13予想交換時期を知ることができ、これにより効率のよい保守作業が可能になる。
【0096】
なお、図7に示すログ情報は、制御部20の不揮発性メモリ21にログ情報として記録するように構成したが、このログ情報を制御部20の内蔵ハードディスク等の所定の記憶領域を用いて記録するように構成してもよい。
【0097】
また、このログ情報は、制御部20ではなくメディアカードリーダライタ10側、すなわち、図4に示したメディアカードリーダライタ10に設けられた不揮発性メモリ16若しくは図5に示した各コネクタ11、12、13内にそれぞれ設けられた不揮発性メモリ111、121、131に記録するように構成してもよい。
【0098】
なお、上記実施例においては、この発明をディジタルカメラで撮像した画像をメディアカードを用いて入力してプリントアウトする印刷サービス装置に適用した場合について示したが、この発明は、上記印刷サービス装置に限定されずに、所定の寿命管理が必要なコネクタを装着したメディアカードリーダライタを有する情報処理装置には同様に適用可能である。
【0099】
また、上記メディアカードに代えて、フロッピー(登録商標)やMD(MiniDisc)などの磁気媒体を利用したディスク型の記憶媒体や、USBフラッシュメモリ等の可搬性のある記憶媒体を用いる場合も同様に構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
この発明は、所定の寿命管理が必要なコネクタを装着したメディアカードリーダライタを有する印刷サービス装置等の情報処理装置に適用可能である。この発明によれば、メディアカードリーダライタのコネクタに対するメディアカードの挿抜回数を計数し、この計数値をログ情報として記憶し、この記憶したログ情報に基づき前記コネクタの寿命を判別するように構成したので、メディアカードリーダライタのコネクタの機械的耐久性に基づく寿命を適切かつ迅速に判別することができ、保守作業の効率化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】この実施例に係る印刷サービス装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した制御部の不揮発性メモリに記録されるログ情報の一例を示す図である。
【図3】図1に示した印刷サービス装置におけるコネクタ寿命判別に係る処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示したメディアカードリーダライタの構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示したメディアカードリーダライタの他の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示した印刷サービス装置におけるコネクタ寿命判別に係る他の実施例の処理を示すフローチャートである。
【図7】図1に示した制御部の不揮発性メモリに記録されるログ情報の他の一例を示す図である。
【図8】図1に示した印刷サービス装置におけるコネクタ寿命判別に係る更に他の実施例の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
10 メディアカードリーダライタ
11、12、13 コネクタ
14 プログラムメモリ
15 メディアコントローラ
16 不揮発性メモリ
17 USBコントローラ
20 制御部
21 不揮発性メモリ
30 タッチパネル付きディスプレイ
40 プリント部
50 貨幣入出金機
100 印刷サービス装置
111、121、131 不揮発性メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体リーダライタのコネクタに挿入された記憶媒体から情報を読み取って該読み取った情報の処理を情報処理部で行う情報処理装置において、
前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数する計数手段と、
前記計数手段の計数値をログ情報として記憶するログ情報記憶手段と
を具備し、
前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報に基づき前記コネクタの寿命を判別することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ログ情報記憶手段は、
前記情報処理部に内蔵された記憶装置の記憶領域を用いて前記ログ情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ログ情報記憶手段は、
前記情報処理部に内蔵された不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ログ情報記憶手段は、
前記記憶媒体リーダライタに内蔵された不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶媒体リーダライタは、
種類の異なる記憶媒体を挿入する複数のコネクタを具備し、
前記計数手段は、
各コネクタに対する各記憶媒体の挿抜回数を各コネクタに対応指定それぞれ計数し、
前記ログ情報記憶手段は、
前記記憶媒体リーダライタの各コネクタにそれぞれ設けられた不揮発性メモリを用いて前記ログ情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値と予め設定された前記コネクタの寿命に対応する計数値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づき前記コネクタの寿命に関する報知を行う報知手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記報知手段は、
前記コネクタの寿命に関する報知を他の記憶媒体の使用を促す報知により行う
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記報知手段は、
前記コネクタの寿命に関する報知を記憶媒体のデータのバックアップを促す報知により行う
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記報知手段は、
前記コネクタの寿命に関する報知を他の装置の記憶媒体リーダライタの使用を促す報知により行う
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記報知手段は、
前記コネクタの寿命に関する報知を前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値に対応して段階的に行う
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報の示す計数値に基づき所定期間における前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対するメディアカードの平均挿抜回数を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出した前記平均挿抜回数に基づき前記コネクタの交換時期を推定するコネクタ交換時期推定手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記コネクタ交換時期推定手段で推定した前記コネクタの交換時期を前記ログ情報記憶手段にログ情報として記憶する
ことを特徴とする請求項11記載の情報処理装置。
【請求項13】
記憶媒体リーダライタのコネクタに挿入された記憶媒体から情報を読み取って該読み取った情報の処理を情報処理部で行う情報処理装置のコネクタ寿命判別方法において、
前記記憶媒体リーダライタのコネクタに対する記憶媒体の挿抜回数を計数手段で計数し、
前記計数手段の計数値をログ情報としてログ情報記憶手段に記憶し、
前記ログ情報記憶手段に記憶されたログ情報に基づき前記コネクタの寿命を判別する
ことを特徴とする情報処理装置のコネクタ寿命判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−79437(P2006−79437A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264151(P2004−264151)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】