説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】実世界のデータを容易に仮想空間に入力する。
【解決手段】MFP250と、MFP250の仮想化装置を含む仮想空間を管理する仮想空間管理サーバ110と、にネットワーク400を介して接続された情報処理装置300であって、実世界でのMFP250の配置位置に対応する位置にMFP250に対応する装置シンボルが配置された地図情報を表示部320に表示する表示制御部311と、地図情報から選択された装置シンボルを受付ける受付部312と、受付けられた装置シンボルに対応するMFP250のデータ記憶部、および、受付けられた装置シンボルに対応する仮想化装置の2データ記憶部のいずれか一方に画像データを出力する出力制御部313と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスではプリンタ等の画像形成装置が多数配置されている。これらの画像形成装置は、ネットワークを介して接続されており、オフィス外を含めた様々な場所からアクセス可能となっている。特許文献1では、多数配置されたプリンタから所望のプリンタを直感的に選択するために、プリンタの配置位置に対応する位置にプリンタのアイコンをレイアウトした地図画像を表示する技術が提案されている。
【0003】
一方、SECOND LIFE(登録商標)を代表とするネットワーク上の3次元仮想空間が近年盛んとなっている。3次元仮想空間では、実世界(現実世界)と同様に土地、建物、各種装置、およびユーザの分身であるアバターなどが管理される。なお、3次元仮想空間内で管理されるデータは膨大となるため、通常は複数の仮想空間管理サーバによって仮想空間内のデータが管理される。
【0004】
ユーザは、アバターを用いることによって仮想空間内の装置等を操作することができる。すなわち、ユーザは、3次元仮想空間でも実世界と同様に行動することができる。このため、例えば実世界のオフィス(閉空間)と同じ空間を仮想空間に作成し、ユーザが仮想空間内で業務を実行可能とすることも考えられる。これにより、仮想世界でのリアリティの向上および操作性の向上を実現できる。また、このような構成では、実世界で利用されるデータを仮想空間に入力し、仮想空間内で当該データを用いた作業等を行うことも想定される。この場合、実世界のデータを仮想空間に容易に入力できるようにすることが望ましい。
【0005】
例えば特許文献1の技術を適用することにより、実世界のデータを仮想空間に入力する方法が考えられる。すなわち、複数の仮想空間管理サーバのアイコンを含む地図情報から、入力すべきデータを処理する所望の仮想空間管理サーバのアイコンを選択する方法が考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような方法では、例えば、選択されたアイコンに対応する仮想空間管理サーバが管理する記憶部内の各フォルダから、入力するデータを処理する装置等に対応するフォルダをさらに選択する必要が生じる。すなわち、特許文献1の方法では、実世界のデータを容易に仮想空間に入力することができない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、実世界のデータを容易に仮想空間に入力することができる情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1データ記憶部を備える画像処理装置と、前記画像処理装置を仮想化した仮想化装置を含む仮想空間を管理する装置であって前記仮想化装置に対応する第2データ記憶部を備える仮想空間管理装置と、にネットワークを介して接続された情報処理装置であって、実世界での前記画像処理装置の配置位置に対応する位置に前記画像処理装置に対応する装置シンボルが配置された地図情報を表示部に表示する表示制御部と、前記地図情報に配置された前記装置シンボルの選択を受付ける受付部と、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に画像データを出力する出力制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、第1データ記憶部を備える画像処理装置と、前記画像処理装置を仮想化した仮想化装置を含む仮想空間を管理する装置であって前記仮想化装置に対応する第2データ記憶部を備える仮想空間管理装置と、にネットワークを介して接続された情報処理装置を、実世界での前記画像処理装置の配置位置に対応する位置に前記画像処理装置に対応する装置シンボルが配置された地図情報を表示部に表示する表示制御部と、前記地図情報に配置された前記装置シンボルの選択を受付ける受付部と、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に画像データを出力する出力制御部と、して機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実世界の情報を容易に仮想空間に入力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、実世界と仮想空間との関係を説明するための模式図である。
【図3】図3は、装置情報記憶部に記憶される装置情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、地図情報を選択するための地図選択画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、地図情報を検索する検索画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、地図情報を選択するための地図選択画面の他の例を示す図である。
【図8】図8は、地図情報を検索する検索画面の他の例を示す図である。
【図9】図9は、表示される地図情報の一例を示す図である。
【図10】図10は、送信先を選択するための送信先選択画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、図4に対応するデータ送信処理の概要を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の別の例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の他の例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第2の実施の形態にかかる情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図15】図15は、第2の実施の形態におけるデータ送信処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、第2の実施の形態の送信先選択画面の一例を示す図である。
【図17】図17は、地図情報を検索する検索画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、情報処理装置の一例のハードウェア構成図である。
【図19】図19は、複合機の一例のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、第1の実施の形態の情報処理システムは、クライアントオフィス200と、仮想空間管理サーバ110と、アドレス管理サーバ120と、情報処理装置300a、300bとが、ネットワーク400を介して接続された構成となっている。
【0015】
ネットワーク400は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、およびインターネットなどのあらゆるネットワーク形態により構成できる。
【0016】
クライアントオフィス200は、例えばユーザがPC(パーソナルコンピュータ、図1には図示せず)、および、画像処理装置の一例であるMFP(Multi Function Peripheral)250a、250bなどを用いて作業する作業領域を表す。また、クライアントオフィス200は、例えば1企業の1フロアに相当する作業領域を表す。したがって、図1では1つのクライアントオフィス200のみが示されているが、複数の企業または複数のフロアそれぞれに対応する複数のクライアントオフィス200が存在してもよい。また、本実施の形態では、2つのMFP250a、250bを備えるクライアントオフィス200を例に説明するが、MFP250の個数はこれに限れられるものではない。
【0017】
仮想空間管理サーバ110は、SECOND LIFE(登録商標)などのように、3次元仮想空間を管理する仮想空間管理装置として機能する。なお、仮想空間は3次元に限られず、例えば2次元の仮想空間であってもよい。仮想空間管理サーバ110は、クライアントオフィス200に含まれるMFP250を仮想化した仮想化装置(以下、仮想MFPという)を、3次元仮想空間内に管理する。仮想空間管理サーバ110は、データ記憶部111と、仮想空間生成部112とを備えている。
【0018】
データ記憶部111は、仮想空間管理サーバ110で扱う各種データを記憶する。例えば、データ記憶部111は、複数のMFP250それぞれに対応する複数の仮想MFPごとに予め割り当てられたフォルダに、対応する仮想MFPが処理対象とする画像データを記憶する(第2データ記憶部)。
【0019】
なお、図1では、1つの仮想空間管理サーバ110のみを示しているが、物理的に1つの装置によって構成することを意味するものではない。すなわち、複数の物理的な装置によって仮想空間管理サーバ110を構成してもよい。同様に、複数の物理的な記憶媒体によりデータ記憶部111を構成してもよい。
【0020】
仮想空間生成部112は、3次元仮想空間の指定された地図情報を表す3次元CG(コンピュータグラフィックス)を生成する。例えば図1のクライアントオフィス200の地図情報の生成が指定された場合、仮想空間生成部112は、クライアントオフィス200の地図情報(3次元CG)を生成する。この場合、仮想空間生成部112は、クライアントオフィス200内に実在するMFP250a、250bを含む各種装置に対応するアイコンなどのシンボル(装置シンボル)を当該オブジェクト(MFP250a、250b等)の配置位置に配置した地図情報の3次元CGを生成する。なお、地図情報は3次元に限られるものではなく、仮想空間生成部112が、例えば領域を上方から観察した2次元の地図情報を生成してもよい。
【0021】
仮想空間生成部112は、例えばオブジェクトの配置位置を記憶する記憶部(図示せず)等を参照することにより、各オブジェクトの配置位置を特定することができる。地図情報は、例えばクライアントオフィス200ごとに作成され、記憶部(図示せず)等に記憶されている。地図情報は、対応する領域内に実在する装置または仮想的に設置される装置などの配置位置を表す情報などを含む。また、地図情報は、対応する領域の名称(場所名)や、例えば当該領域を使用する部署に所属するユーザなどの予め定められたユーザが対応づけられて記憶される。これにより、場所名やユーザ名により対応する地図情報を検索可能となる。
【0022】
また、仮想空間生成部112は、指定された地図情報内に3次元仮想空間上のユーザが存在する場合、当該ユーザに対応して設定されたアバターなどのシンボル(ユーザシンボル)を含む地図情報を生成する。アバターは、例えば表示された地図情報内の他のユーザのアバターや、オブジェクトに対する各種操作を実行できるように表示される。
【0023】
仮想空間生成部112による上記のような各処理は、例えばSECOND LIFE(登録商標)などで用いられている技術により実現できる。また、仮想空間生成部112が生成した地図情報は、情報処理装置300などの要求元の装置に送信される。なお、地図情報を生成するための情報を情報処理装置300などの要求元に送信し、情報処理装置300にインストールされているアプリケーションにより地図情報を生成するように構成してもよい。
【0024】
ここで、仮想空間生成部112により生成される仮想空間の一例について説明する。図2は、実世界と仮想空間との関係を説明するための模式図である。本実施の形態では、仮想空間の座標軸は、実世界のクライアントオフィス200の座標軸に対応するように定められる。図2では、仮想空間30の座標軸31が、実世界のクライアントオフィス200の座標軸21に対応する。図2の仮想空間30は、仮想空間生成部112によって生成される仮想的な空間を模式的に示している。図2では、実世界のクライアントオフィス200内のMFP250aおよび250bにそれぞれ対応する仮想MFP350aおよび350bが、仮想空間30内に表示されている。また、図2では、動物を模したアバター33を仮想空間30内に表示した例が示されている。
【0025】
図1に戻り、アドレス管理サーバ120は、実世界のMFP250および仮想MFPを含む各種装置のアドレス情報を管理する装置である。アドレス管理サーバ120は、各装置の状態やアドレス情報などを含む装置情報を記憶する装置情報記憶部121を備えている。図3は、装置情報記憶部121に記憶される装置情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、装置情報は、MFP−IDと、実世界MFPアドレスと、仮想MFPアドレスと、メーカー名/機種名と、静的情報と、動的情報とを含んでいる。
【0026】
MFP−IDは、実世界のMFP250を識別する識別情報である。図3では、MFP250の名称(ニックネーム)をMFP−IDとして記憶する例が示されている。実世界MFPアドレスは、実世界のMFP250にアクセスするためのアドレスである。図3では、MFP250のIPアドレスを実世界MFPアドレスとして記憶する例が示されている。仮想MFPアドレスは、MFP250に対応する3次元仮想空間の仮想MFPにアクセスするためのアドレスである。図3では、仮想MFPに割り当てられたURLを仮想MFPアドレスとして記憶する例が示されている。なお、このURLは、例えば仮想空間管理サーバ110のデータ記憶部111のいずれかのフォルダに対応づけられている。メーカー名/機種名は、MFP250のメーカー名および機種名を表す。
【0027】
静的情報とは、MFP250が備える機能を表す情報である。図3では、プリント機能およびスキャン機能を含む静的情報の例が示されている。図3に示すように、プリント機能は、例えばカラー(フルカラーかモノクロか)、紙サイズ(A3、A2等)、および後処理(ステープル、なし等)などを含む。また、スキャン機能は、例えばFax送信機能の有無(○または空欄)、メール送信機能の有無(○または空欄)、およびファイル保存機能の有無(○または空欄)などを含む。
【0028】
なお、これらの静的情報は一例であり、例えば、両面複写機能、カラー複写機能、拡大・縮小機能、2 in 1機能(2頁を1頁に縮小してコピー)、ソート機能、および綴じ機能などのその他の機能を表す情報を含むように構成してもよい。
【0029】
動的情報とは、MFP250の動作状態を示す情報である。図3では、MFP250の設置場所を表すロケーション、装着紙サイズ、および使用状況(待ち時間)を含む動的情報の例が示されている。これらの動的情報は一例であり、例えば、待機中、電源OFF、故障中、トナー切れ、用紙ジャム発生、および、他のユーザが使用中などの状態を表す情報を含むように構成してもよい。
【0030】
なお、装置情報(アドレス情報)の管理方法はこれに限られるものではなく、情報処理装置300などの装置からの要求に応じて、実在する装置および当該装置に対応する仮想化された装置の装置情報(アドレス情報)を取得可能なものであればあらゆる方法を適用できる。また、アドレス管理サーバ120の機能を、仮想空間管理サーバ110が備えるように構成してもよい。
【0031】
なお、仮想空間管理サーバ110のデータ記憶部111およびアドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121は、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
【0032】
図1に戻り、情報処理装置300a、300bは、ユーザが利用する端末装置である。なお、図1では、情報処理装置300aがMFPであり、情報処理装置300bがPCである例が示されている。このように、情報処理装置300は、後述する機能を備えるものであれば、どのような装置で実現してもよい。以下では、情報処理装置300a、300bを単に情報処理装置300という場合がある。
【0033】
ユーザは、情報処理装置300から仮想空間管理サーバ110にアクセスすることにより、3次元仮想空間の各種機能を利用することができる。また、ユーザは、情報処理装置300を介して、実世界のMFP250を直接利用することもできる。
【0034】
情報処理装置300は、表示部320と、表示制御部311と、受付部312と、出力制御部313と、データ取得部314と、状態取得部315と、編集部316と、アクセス制御部317と、を備えている。
【0035】
表示部320は、情報処理装置300で処理される各種データ等を表示するものであり、ディスプレイ装置や、受付部312を兼ねるオペレーションパネルなどにより構成される。
【0036】
表示制御部311は、表示部320に対する表示処理を制御する。表示制御部311は、例えば仮想空間管理サーバ110の仮想空間生成部112によって生成され、送信された地図情報を表示部320に表示する。
【0037】
受付部312は、ユーザにより選択または指定された各種情報を受付ける。例えば、受付部312は、表示された地図情報から選択されたMFPに対応するアイコンの選択を受付ける。また、受付部は、画像データの出力先(実世界か、仮想空間か)の選択、および表示部320に表示する地図情報の選択を受付ける。
【0038】
出力制御部313は、MFP250および仮想空間管理サーバ110などの外部装置に対するデータの出力を制御する。例えば、出力制御部313は、出力先の選択に応じて、アイコンに対応するMFP250、および、アイコンに対応するMFP250の仮想MFPのいずれか一方に画像データを出力する。
【0039】
データ取得部314は、処理対象とするデータを取得する。例えば、情報処理装置300をMFPとして実現する場合は(情報処理装置300a)、原稿を読み取って画像データを取得するスキャン機能を備えるようにデータ取得部314を構成することができる。なお、データ取得方法はこれに限られず、自装置内の記憶部(図示せず)、および外部装置からデータを取得するように構成してもよい。
【0040】
状態取得部315は、出力先として選択されたMFP250の動作状態を取得する。例えば、状態取得部315は、選択されたMFP250の動的情報をアドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121から取得する。なお、動作状態の取得方法はこれに限られるものではない。例えば、選択されたMFP250と直接通信することにより動作状態を取得するように構成してもよい。
【0041】
編集部316は、画像データを編集し、編集した画像データを出力する。編集部316は、例えば、画像データのうち、秘匿する部分にマスキング処理を実行することにより、画像データを編集する。なお、編集処理はこれに限られず、画像データの切り出し、拡大、および縮小などのあらゆる編集処理を適用しうる。
【0042】
アクセス制御部317は、MFP250および仮想空間管理サーバ110などの外部装置に対するアクセスを制御する。例えば、アクセス制御部317は、仮想空間管理サーバ110にユーザ名およびパスワードなどの認証情報を送信してアクセス許可を受ける認証処理を実行する。
【0043】
次に、このように構成された第1の実施の形態にかかる情報処理装置300によるデータ送信処理について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の全体の流れを示すフローチャートである。なお、図4は、情報処理装置300をMFPとして実現する場合(情報処理装置300a)のデータ送信処理の例を示している。
【0044】
まず、受付部312が、仮想空間管理サーバ110へのアクセス機能に対応する機能ボタンの選択を受付ける(ステップS101)。次に、アクセス制御部317が、仮想空間管理サーバ110にアクセスするための認証処理を実行する(ステップS102)。
【0045】
認証処理により仮想空間管理サーバ110からアクセス許可が得られた場合、受付部312が、表示する地図情報の選択を受付ける(ステップS103)。選択対象となる地図情報は、例えば認証処理の結果とともに仮想空間管理サーバ110から情報処理装置300に送信するように構成することができる。
【0046】
図5は、地図情報を選択するための地図選択画面の一例を示す図である。図5では、「地図を選択して下さい。」と表示されているプルダウンメニュー501により地図情報を選択する例が示されている。図5には示していないが、プルダウンメニュー501をクリックすることにより選択対象となる地図情報が一覧表示される。
【0047】
なお、地図情報の選択方法はこれに限られるものではなく、従来から用いられているあらゆる方法を適用できる。図6〜図8は、地図情報の選択方法の他の例を説明するための図である。
【0048】
図6は、地図情報を検索する検索画面の一例を示す図である。図6のような検索画面を用いる場合、ユーザは、例えば「送信相手を入力して下さい。」と表示されているテキストボックス601に、データを送信する送信相手のユーザ名を入力し、検索ボタン602を押下する。これにより、例えば指定された送信相手が所属する部署に対応する地図情報が選択される。なお、指定された送信相手に対応するアバターが存在する仮想空間の地図情報が選択されるように構成してもよい。
【0049】
図7は、地図情報を選択するための地図選択画面の他の例を示す図である。図7では、予め定められた地図情報にそれぞれ対応する複数のボタン701により地図情報を選択する例が示されている。前頁ボタン711または次頁ボタン712を押下することにより、さらに他の地図情報に対応するボタンが表示される。
【0050】
図8は、地図情報を検索する検索画面の他の例を示す図である。図8のような検索画面を用いる場合、ユーザは、まず送信相手により地図情報を検索するか、または、場所の名称(場所名)により地図情報を検索するかを指定するオプションボタン801、802のいずれかを選択する。そして、ユーザは、指定したオプションボタン801、802に応じて送信相手のユーザ名、または、場所名を、テキストボックス803に入力し、検索ボタン804を押下する。これにより、例えば指定された送信相手が所属する部署に対応する地図情報、または、指定された場所名に対応する地図情報が選択される。
【0051】
図4に戻り、表示制御部311は、選択された地図情報を表示部320に表示する(ステップS104)。図9は、表示される地図情報の一例を示す図である。図9は、クライアントオフィス200を表す地図情報の例を示している。図9に示すように、この地図情報は、クライアントオフィス200の2つのMFP250a、250bにそれぞれ対応するアイコンであるMFP(A)およびMFP(B)を含んでいる。なお、図9では省略しているが、ユーザのアバターがこの地図情報上に表示される。ユーザは、表示されたアバターを操作することにより、アバターを介して画像データの出力先として、MFP(A)およびMFP(B)のいずれかを選択できる。
【0052】
図4に戻り、受付部312は、ユーザによるアイコン(シンボル)の選択を受付ける(ステップS105)。次に、データ取得部314が、処理対象とする画像データを取得する(ステップS106)。例えば、データ取得部314は、スキャン機能により原稿を読み取り、読み取った結果である画像データを取得する。なお、画像データを取得するタイミングはこれに限られず、送信先に送信する前までに取得できれば任意のタイミングでよい。
【0053】
次に、受付部312は、送信先の指定を受付ける(ステップS107)。なお、送信先とは、実世界および仮想空間のいずれかを表す。言い換えると、選択されたアイコンに対応する実世界のMFP250と、選択されたアイコンに対応する仮想MFPとのいずれかを表す。
【0054】
図10は、送信先を選択するための送信先選択画面の一例を示す図である。図10では、実世界を送信先として選択するためのボタン1001と、仮想空間を送信先として選択するためのボタン1002とにより送信先を選択する例が示されている。なお、ラベル1003は、ステップS105で選択されたアイコンに対応するMFP250の名称および設置場所を表示するための領域である。
【0055】
図4に戻り、状態取得部315は、選択された送信先が仮想空間であるか否かを判断する(ステップS108)。仮想空間が選択された場合(ステップS108:Yes)、状態取得部315は、選択されたアイコン(シンボル)に対応する仮想MFPのアドレスを、アドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121から取得する(ステップS109)。仮想空間が選択されなかった場合、すなわち、実世界が選択された場合(ステップS108:No)、状態取得部315は、選択されたアイコン(シンボル)に対応する実世界のMFP250のアドレスを、アドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121から取得する(ステップS110)。
【0056】
次に、出力制御部313が、取得されたアドレスを宛先として、ステップS106で取得された画像データを送信し(ステップS111)、データ送信処理を終了する。
【0057】
次に、シーケンス図を用いて、データ送信処理の流れについてさらに説明する。図11は、図4に対応するデータ送信処理の概要を示すシーケンス図である。
【0058】
まず、情報処理装置300の受付部312が、仮想空間管理サーバ110へのアクセス機能に対応する機能ボタンの選択を受付ける(ステップS201)。次に、アクセス制御部317と仮想空間管理サーバ110との間で認証処理が実行される。例えば、アクセス制御部317が、ユーザ名およびパスワードなどの認証情報とともにアクセス要求を仮想空間管理サーバ110に送信する(ステップS202)。仮想空間管理サーバ110は、認証情報をもとに情報処理装置300aのアクセス認証を行い、認証した場合にはアクセス許可を情報処理装置300に送信する(ステップS203)。
【0059】
次に、情報処理装置300の受付部312が、地図情報を検索するための検索キーを受付ける(ステップS204)。なお、この例では、上述の図8のような検索画面を用いるものとしている。アクセス制御部317は、受付けられた検索キーを含む地図情報の検索要求を仮想空間管理サーバ110に送信する(ステップS205)。仮想空間管理サーバ110は、検索要求に応じて検索キーにより地図情報を検索する(ステップS206)。例えば、検索キーとして場所名が指定されている場合には、指定された場所名と一致または類似する地図情報を検索する。
【0060】
次に、仮想空間管理サーバ110は、検索結果であり、表示する候補となる地図情報の識別情報(地図情報の名称など)を情報処理装置300に送信する(ステップS207)。情報処理装置300は、受信した識別情報を表示部320に表示する。ユーザは、表示された候補から、所望の地図情報の識別情報を選択する。受付部312は、選択された識別情報を受付ける。
【0061】
識別情報が選択された場合、アクセス制御部317は、選択された識別情報の地図情報(特定地図情報)を仮想空間管理サーバ110に要求する(ステップS208)。仮想空間管理サーバ110の仮想空間生成部112は、要求された識別情報で識別される地図情報(3次元CGなど)を生成し、情報処理装置300に送信する(ステップS209)。
【0062】
情報処理装置300の表示制御部311は、受信した地図情報を表示部320に表示する(ステップS210)。ユーザは、例えば表示された地図情報内のアバターなどを操作することにより、地図情報内の他のオブジェクト(MFPなど)に対応するアイコンを選択することができる。
【0063】
ユーザが地図情報内のアイコン(シンボル)を選択した場合、受付部312が、ユーザによるアイコン(シンボル)の選択を受付ける(ステップS211)。次に、受付部312が、処理対象とする画像データの送信先の選択を受付ける(ステップS212)。
【0064】
次に、状態取得部315が、アドレス管理サーバ120に送信先のアドレス情報を要求するためのアドレス要求情報を作成する(ステップS213)。例えば、送信先として仮想空間が選択された場合、状態取得部315は、選択されたアイコンに対応するMFPのMFP−IDと、仮想MFPアドレスを要求することを表す情報とを含むアドレス要求情報を作成する。次に、状態取得部315は、作成したアドレス要求情報をアドレス管理サーバ120に送信する(ステップS214)。
【0065】
仮想空間管理サーバ110は、アドレス要求情報にしたがって要求されたMFPのアドレス情報(実世界MFPアドレスまたは仮想MFPアドレス)を装置情報記憶部121から取得し、情報処理装置300に返送する(ステップS215)。
【0066】
情報処理装置300の出力制御部313は、返送されたアドレス情報を宛先として画像データを送信し(ステップS216)、データ送信処理を終了する。
【0067】
次に、情報処理装置300をPCとして実現する場合(情報処理装置300b)のデータ送信処理について図12を用いて説明する。図12は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の別の例を示すフローチャートである。
【0068】
最初に、データ取得部314が、処理対象とする画像データを取得する(ステップS301)。PCの場合は、例えば、データ取得部314が、自装置内の記憶部(図示せず)、または外部装置から画像データを取得する。次に、出力制御部313が、仮想空間管理サーバ110へのアクセス機能を実現するためのドライバを起動する(ステップS302)。
【0069】
ステップS303からステップS306は、図4のステップS102からステップS105までと同様の処理であるため説明を省略する。また、ステップS307からステップS311は、図4のステップS107からステップS111までと同様の処理であるため説明を省略する。
【0070】
これまでは、送信先として選択されたMFP250の動作状態等に関わらず、画像データを送信するものとしていた。しかし、特に実世界のMFP250は、他のユーザによる利用の影響や故障などにより、画像データを出力しても正常に処理できない場合がある。
【0071】
そこで、送信先のMFP250の機能(静的情報)や動作状態(動的情報)等に応じて処理を切り替える変形例について以下に説明する。なお、以下では、取得した処理対象となる画像データを編集する場合の手順についても説明する。編集機能は、動作状態等に応じて処理を切り替える機能とは独立であり、例えば上記図4のフローに追加するように構成することもできる。
【0072】
図13は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理の他の例を示すフローチャートである。なお、図13は、図4と同様に情報処理装置300をMFPとして実現する場合(情報処理装置300a)のデータ送信処理の例を示している。
【0073】
ステップS401からステップS406は、図4のステップS101からステップS106までと同様の処理であるため説明を省略する。ステップS406で処理対象となる画像データを取得した後、編集部316が、取得された画像データを編集する(ステップS407)。編集処理のタイミングはこれに限られず、送信先に送信する前までに編集を完了できれば任意のタイミングでよい。
【0074】
ステップS408からステップS410は、図4のステップS107からステップS109までと同様の処理であるため説明を省略する。
【0075】
ステップS409で実世界が選択されたと判断した場合(ステップS409:No)、状態取得部315は、選択されたアイコン(シンボル)に対応する実世界のMFP250の静的情報および動的情報を取得する(ステップS411)。
【0076】
静的情報は、上述のようにMFP250が有する機能であり、MFP250内の記憶部(図示せず)に保管されている。動的情報は、上述のように、選択されたMFP250が現在どのような作動状態にあるのかを示す情報である。各MFP250は、動作状態を随時判断し、動作状態を表す動的情報をリアルタイムでアドレス管理サーバ120に送信する。
【0077】
このように、本実施の形態では、アドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121に各MFP250の静的情報および動的情報を記憶する構成としている。したがって、状態取得部315は、アドレス管理サーバ120の装置情報記憶部121から、選択されたMFP250の静的情報および動的情報を取得する。上述のように、状態取得部315が静的情報および動的情報をMFP250から直接取得するように構成してもよい。
【0078】
動的情報を取得した場合、状態取得部315は、動的情報をもとに、選択されたMFP250に画像データが出力可能であるか否かを判断する。例えば、状態取得部315は、選択したMFP250の待ち時間が所定の閾値より大きいか否かを判断し、大きい場合に画像データが出力できないと判断し、再度送信先を選択する処理(ステップS408)に戻るように構成することができる。また、出力可能である場合、選択されたMFP250をこのまま使用するのと判断し、画像データの出力を継続する(ステップS412、ステップS413)。なお、動的情報を例えば表示部320に表示し、ユーザが送信先を変更するか否かを指定するように構成してもよい。
【0079】
選択されたMFP250をそのまま使用する場合、出力制御部313は、取得された静的情報から必要な処理機能を選択する。そして、出力制御部313は、選択した処理機能を出力する画像データとともに、選択された実世界のMFP250に送信する。
【0080】
なお、例えば選択されたMFP250の操作パネルに対応する画面情報を保管する記憶部(図示せず)等から当該画面情報を取得して表示部320に表示し、表示した画面情報から所望の処理機能をユーザに選択させるように構成してもよい。
【0081】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理装置では、実世界の画像処理装置(MFP)および仮想空間の画像処理装置(MFP)が対応づけられたシンボル(アイコン)が選択されたときに、処理対象とする画像データを、実世界および仮想空間のいずれを出力先として出力するかをさらに選択できる。これにより、実世界の画像処理装置にデータを出力する場合、仮想空間の画像処理装置にデータを出力する場合のいずれであっても、データの出力先を直感的に指定することができる。すなわち、実世界のデータを容易に仮想空間に入力することが可能となる。
【0082】
なお、上記実施の形態では、画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP)に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。
【0083】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、MFPのアイコンを選択した後に、画像データの送信先として、実世界および仮想空間のいずれかを選択するように構成していた。第2の実施の形態では、アイコンの選択前に、画像データを実世界および仮想空間のいずれに出力するかを選択させる。その後、複数のMFPのアイコンのうち、画像データの出力対象とするMFPのアイコンを選択させる。
【0084】
図14は、第2の実施の形態にかかる情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0085】
図14に示すように、第2の実施の形態の情報処理システムは、クライアントオフィス200と、仮想空間管理サーバ110と、アドレス管理サーバ120と、情報処理装置1400a、1400bとが、ネットワーク400を介して接続された構成となっている。
【0086】
第2の実施の形態では、情報処理装置1400の表示制御部1411の機能が第1の実施の形態と異なっている。その他の構成および機能は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を表すブロック図である図1と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0087】
表示制御部1411は、表示部320に対する表示処理を制御する。表示制御部1411は、例えば、地図情報を表示する前に、送信先を選択するための送信先選択画面を表示する点が、第1の実施の形態の表示制御部311と異なる。
【0088】
次に、このように構成された第2の実施の形態にかかる情報処理装置1400によるデータ送信処理について図15を用いて説明する。図15は、第2の実施の形態におけるデータ送信処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0089】
ステップS501からステップS502は、図4のステップS101からステップS102までと同様の処理であるため説明を省略する。
【0090】
仮想空間管理サーバ110からアクセス許可が得られた場合、表示制御部1411は、まず送信先を選択するための送信先選択画面を表示する。図16は、第2の実施の形態の送信先選択画面の一例を示す図である。図16では、実世界を送信先として選択するためのボタン1601と、仮想空間を送信先として選択するためのボタン1602とにより送信先を選択する例が示されている。
【0091】
図15に戻り、受付部312は、送信先の指定を受付ける(ステップS503)。次に、表示制御部1411は、選択された送信先が仮想空間であるか否かを判断する(ステップS504)。仮想空間が選択された場合(ステップS504:Yes)、表示制御部1411は、仮想空間での地図情報を選択するための画面を表示部320に表示する(ステップS505)。
【0092】
図17は、ステップS505において表示する、地図情報を検索する検索画面の一例を示す図である。図17のような検索画面を用いる場合、ユーザは、例えば「送信相手を入力して下さい。」と表示されているテキストボックス1701に、データを送信する送信相手のユーザ名を入力し、検索ボタン1702を押下する。これにより、例えば指定された送信相手が所属する部署に対応する地図情報が選択される。現在位置検索ボタン1703が押下された場合、指定された送信相手に対応するアバターが存在する仮想空間の地図情報が選択される。このように、本実施の形態では、送信先として仮想空間が選択され、送信相手のユーザが選択された場合、送信相手のユーザが仮想空間上で存在する位置の地図情報を容易に検索することができる。
【0093】
なお、図17のような検索画面による地図情報の選択方法は一例であり、他の方法を適用してもよい。例えば、第1の実施の形態の図5〜図8と同様の画面を用いて地図情報を選択するように構成してもよい。
【0094】
仮想空間が選択されなかった場合、すなわち、実世界が選択された場合(ステップS504:No)、表示制御部1411は、実世界での地図情報を選択するための画面を表示部320に表示する(ステップS506)。
【0095】
この場合、表示制御部1411は、例えば第1の実施の形態の図5〜図8と同様の画面を用いて地図情報を選択する。なお、第1の実施の形態では、地図情報からアイコンを選択後、実世界と仮想世界とのいずれを送信先とするかを選択する。すなわち、第1の実施の形態の地図情報のアイコンは、実世界のオブジェクトおよび仮想世界のオブジェクトの両方に対応づけられている。言い換えると、第1の実施の形態では、実世界の情報を反映した仮想世界の地図情報を用いることを前提としている。
【0096】
一方、第2の実施の形態では、先に送信先を選択するため、選択された送信先に応じて地図情報を切り替えることが可能となる。したがって、例えば、仮想空間が送信先として選択された場合に、仮想空間の地図情報を表示し、実世界が送信先として選択された場合に、仮想空間の地図情報と異なる実世界の地図情報を表示するように構成してもよい。
【0097】
図15に戻り、受付部312は、表示部320に表示された画面から、地図情報の選択を受付ける(ステップS507)。次に、表示制御部1411は、選択された地図情報を表示部320に表示する(ステップS508)。
【0098】
ステップS509からステップS510は、図4のステップS105からステップS106までと同様の処理であるため説明を省略する。また、ステップS511からステップS514は、図4のステップS108からステップS111までと同様の処理であるため説明を省略する。
【0099】
このように、第2の実施の形態にかかる情報処理装置では、実世界および仮想空間のいずれを出力先として出力するかを選択した後、画像データの出力先とする画像処理装置(MFP)が対応づけられたシンボル(アイコン)をさらに選択できる。これにより、実世界の画像処理装置にデータを出力する場合、仮想空間の画像処理装置にデータを出力する場合のいずれであっても、データの出力先を直感的に指定することができる。すなわち、実世界のデータを容易に仮想空間に入力することが可能となる。
【0100】
次に、PCとして実現する場合の情報処理装置300aのハードウェア構成を、図18を用いて説明する。図18は、情報処理装置300aの一例のハードウェア構成図である。
【0101】
図18に示されるように、情報処理装置300aは、それぞれバスで相互に接続されている入力装置1811と、表示装置1812と、ドライブ装置1813と、記憶媒体1814と、ROM(Read Only Memory)1815と、RAM1816と、CPU(Central Processing Unit)1817と、インターフェース装置1818と、HDD1819とから構成されている。
【0102】
入力装置1811は、情報処理装置300aのユーザが操作するキーボード及びマウス等で構成され、情報処理装置300aに各種操作信号を入力するのに用いられる。
【0103】
表示装置1812は、情報処理装置300aのユーザが利用するディスプレイ等で構成され、各種情報を表示する。
【0104】
インターフェース装置1818は、情報処理装置300aをネットワーク等に接続するインターフェースである。
【0105】
情報処理装置300a上で実行される各種処理を行う情報処理装置300aのプログラム等は、例えば、CD−ROM等の記憶媒体1814によって情報処理装置300aに提供されるか、ネットワークを通じてダウンロードされる。記憶媒体1814は、ドライブ装置1813にセットされ、上記プログラム等が記憶媒体1814からドライブ装置1813を介してROM1815にインストールされる。
【0106】
ROM1815は、データや上記プログラム等を格納する。RAM1816は、情報処理装置300aの起動時にROM1815から上記プログラム等を読み出して格納する。CPU1817は、RAM1816に読み出され、格納された上記プログラム等に従って処理を実行する。
【0107】
HDD1819は、データやファイルを格納する。
【0108】
なお、仮想空間管理サーバ110およびアドレス管理サーバ120のハードウェア構成は、図18に示した情報処理装置300aのハードウェア構成と同様である。
【0109】
次に、図1のMFP250a、250b、および、画像処理装置(MFP)として実現する場合の情報処理装置300b(以下、複合機という)のハードウェア構成を、図19を用いて説明する。図19は、複合機の一例のハードウェア構成図である。
【0110】
図19に示すように、この複合機は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0111】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM12aと、RAM12bと、をさらに有する。
【0112】
CPU11は、複合機の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0113】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0114】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0115】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0116】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0117】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである(第1データ記憶部)。
【0118】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0119】
なお、第1および第2の実施の形態の情報処理装置300で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0120】
第1および第2の実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
【0121】
さらに、第1および第2の実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、第1および第2の実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0122】
第1および第2の実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(表示制御部、受付部、出力制御部、データ取得部、状態取得部、編集部、アクセス制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0123】
110 仮想空間管理サーバ
111 データ記憶部
112 仮想空間生成部
120 アドレス管理サーバ
121 装置情報記憶部
200 クライアントオフィス
250 MFP
300a、300b、1400a、1400b 情報処理装置
311、1411 表示制御部
312 受付部
313 出力制御部
314 データ取得部
315 状態取得部
316 編集部
317 アクセス制御部
320 表示部
400 ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開2007−249941号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1データ記憶部を備える画像処理装置と、前記画像処理装置を仮想化した仮想化装置を含む仮想空間を管理する装置であって前記仮想化装置に対応する第2データ記憶部を備える仮想空間管理装置と、にネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
実世界での前記画像処理装置の配置位置に対応する位置に前記画像処理装置に対応する装置シンボルが配置された地図情報を表示部に表示する表示制御部と、
前記地図情報に配置された前記装置シンボルの選択を受付ける受付部と、
選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に画像データを出力する出力制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、さらに、前記画像データの出力先として、実世界および仮想空間のいずれかの選択を受付け、
前記出力制御部は、前記実世界が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部に前記画像データを出力し、前記仮想空間が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部に前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記実世界が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の動作状態を取得する状態取得部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記実世界が前記出力先として選択され、かつ、取得された前記動作状態が、前記画像データを出力可能な状態を表す場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部に前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、選択された前記出力先に応じて異なる前記地図情報を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記地図情報は、前記画像処理装置の配置領域を3次元で表す情報であって、実世界での前記画像処理装置の配置位置に前記画像処理装置に対応する前記装置シンボルが配置されること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
原稿を読み取って前記画像データを取得するデータ取得部をさらに備え、
前記出力制御部は、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置の前記第2データ記憶部のいずれか一方に、原稿を読み取ることにより取得された前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、ユーザに対応するユーザシンボルをさらに含む前記地図情報を前記表示部に表示し、
前記受付部は、前記ユーザシンボルを介して前記装置シンボルの選択を受付けること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、さらに、前記表示する前記地図情報の選択を受付け、
前記表示制御部は、選択された前記地図情報を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像データを編集する編集部をさらに備え、
前記出力制御部は、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に、編集された前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1データ記憶部を備える画像処理装置と、前記画像処理装置を仮想化した仮想化装置を含む仮想空間を管理する装置であって前記仮想化装置に対応する第2データ記憶部を備える仮想空間管理装置と、にネットワークを介して接続された情報処理装置を、
実世界での前記画像処理装置の配置位置に対応する位置に前記画像処理装置に対応する装置シンボルが配置された地図情報を表示部に表示する表示制御部と、
前記地図情報に配置された前記装置シンボルの選択を受付ける受付部と、
選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に画像データを出力する出力制御部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項11】
前記受付部は、さらに、前記画像データの出力先として、実世界および仮想空間のいずれかの選択を受付け、
前記出力制御部は、前記実世界が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部に前記画像データを出力し、前記仮想空間が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部に前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記情報処理装置を、さらに、前記実世界が前記出力先として選択された場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の動作状態を取得する状態取得部として機能させ、
前記出力制御部は、前記実世界が前記出力先として選択され、かつ、取得された前記動作状態が、前記画像データを出力可能な状態を表す場合に、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部に前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示制御部は、選択された前記出力先に応じて異なる前記地図情報を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記地図情報は、前記画像処理装置の配置領域を3次元で表す情報であって、実世界での前記画像処理装置の配置位置に前記画像処理装置に対応する前記装置シンボルが配置されること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項15】
前記情報処理装置を、さらに、原稿を読み取って前記画像データを取得するデータ取得部として機能させ、
前記出力制御部は、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置の前記第2データ記憶部のいずれか一方に、原稿を読み取ることにより取得された前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項16】
前記表示制御部は、ユーザに対応するユーザシンボルをさらに含む前記地図情報を前記表示部に表示し、
前記受付部は、前記ユーザシンボルを介して前記装置シンボルの選択を受付けること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項17】
前記受付部は、さらに、前記表示する前記地図情報の選択を受付け、
前記表示制御部は、選択された前記地図情報を前記表示部に表示すること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項18】
前記情報処理装置を、さらに、前記画像データを編集する編集部として機能させ、
前記出力制御部は、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置の前記第1データ記憶部、および、選択された前記装置シンボルに対応する前記画像処理装置を仮想化した前記仮想化装置に対応する前記第2データ記憶部のいずれか一方に、編集された前記画像データを出力すること、
を特徴とする請求項10に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−65272(P2011−65272A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213576(P2009−213576)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】